JPH11157001A - 化粧金属板およびその製造方法 - Google Patents
化粧金属板およびその製造方法Info
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- JPH11157001A JPH11157001A JP32872897A JP32872897A JPH11157001A JP H11157001 A JPH11157001 A JP H11157001A JP 32872897 A JP32872897 A JP 32872897A JP 32872897 A JP32872897 A JP 32872897A JP H11157001 A JPH11157001 A JP H11157001A
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Abstract
化粧金属板において、ポリオレフィン系樹脂からなる化
粧シートを有し、化粧金属板を屈曲加工させて表面同士
を接着させる際の繋ぎ目に、シリコン樹脂系コーキング
剤が良好に密着する化粧金属板およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】金属板11上に接着剤層12、オレフィン
系樹脂層13が形成され、その上層にアクリルウレタン
樹脂層14が形成された化粧金属板において、アクリル
ウレタン樹脂層14はアクリルポリオール類とイソシア
ネート類を混合硬化させた重合体と、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体等の非硬化型重合体を含有する化粧金属
板およびその製造方法。
Description
等の表面化粧に用いる化粧金属板およびその製造方法に
関し、特に、ユニットバス等の壁面や、冷蔵庫等の家電
製品のハウジングに使用される耐久性、高加工性の要求
される化粧金属板およびその製造方法に関する。
板としては、鋼板等の金属板上に装飾処理された塩化ビ
ニル樹脂をラミネートしたものが、広く使用されてき
た。しかしながら、塩化ビニル樹脂は焼却時に熱分解さ
れ、塩化水素等の塩素化物ガスが発生したり、或いは化
粧シート使用時に可塑剤が溶出(ブリードアウト)し
て、表面に汚れが付着し易くなったり、金属板と化粧シ
ートとの接着が低下する等の問題がある。
塩化ビニル樹脂よりもオレフィン系樹脂の方が容易とさ
れている。従って、塩化ビニル樹脂を他の樹脂に代替し
た化粧金属板が要望されていた。
た化粧金属板として、これまで鉄板、亜鉛メッキ鋼板、
アルミニウム板、銅板等の金属板に、オレフィン樹脂か
らなるフィルムをドライラミネート法により貼り合わせ
た化粧金属板が知られている。
粧金属板を壁面材として用い、壁面材の繋ぎ目にコーキ
ング剤を充填して封じる場合の断面図を示す。この化粧
金属板においては、金属板31上に接着剤層32が形成
され、その上層に厚さ50〜150μm程度のオレフィ
ン系樹脂層33が形成されている。
化粧金属板は、塩化ビニル樹脂を用いた化粧金属板のよ
うな焼却時の塩素化物ガスの発生や、可塑剤の溶出がな
く、また、さらにリサイクルをすすめる上でも適してい
る。
ようなオレフィン樹脂を鋼板にラミネートした化粧金属
板を、ユニットバスの表面材等、鋼板を屈曲加工させて
表面同士を接着させる箇所に使用した場合、繋ぎ目部分
に充填するコーキング材の密着性が劣るという問題があ
る。
る場合、図3に示した状態図のように、通常、繋ぎ目に
シリコン樹脂系のコーキング剤34が充填される。オレ
フィン系樹脂層33表面は塩化ビニル樹脂に比較して接
着性に劣り、また、オレフィン系樹脂層33とコーキン
グ剤34は、両樹脂間の極性が大きく相違するため、境
界面の濡れ、相溶性、化学的親和性に乏しく、接着強度
が不十分となる。
加工する際、屈曲部の稜線部分の樹脂が破断することが
ある。また、曲げ加工の際、樹脂の延びが不均一とな
り、樹脂層が部分的に薄くなる(ネッキング現象)こと
もある。
十分となり外観上問題となるだけでなく、鋼板の劣化が
進行しやすくなる。従って、ネッキングの少ない樹脂を
化粧金属板に使用する必要がある。
のであり、オレフィン樹脂が鋼板にラミネートされた化
粧金属板であって、コーキング剤との密着性に優れると
共に曲加工適性を有した化粧金属板およびその製造方法
を提供することを目的とする。
め本発明の化粧金属板は、金属板上に接着剤層を介して
化粧シートが貼着された化粧金属板において、前記化粧
シートは、少なくとも1層のオレフィン系樹脂層と、前
記オレフィン系樹脂層上に形成された非硬化型重合体を
含有するアクリルウレタン樹脂層とを有することを特徴
とする。
クリルウレタン樹脂層は、アクリルポリオールとイソシ
アネート化合物とを混合硬化させた二液硬化型アクリル
ウレタン重合体であることを特徴とする。
硬化型重合体は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体であ
ることを特徴とする。
化粧金属板の製造方法は、オレフィン系樹脂層上に、予
め非硬化型重合体を含有させたアクリルウレタン樹脂層
を塗布する工程と、前記アクリルウレタン樹脂層のアク
リルウレタン樹脂を硬化させて化粧シートを形成する工
程と、金属板上に接着剤層を形成する工程と、前記接着
剤層上に、前記化粧シートを貼着させる工程とを少なく
とも有することを特徴とする。
化粧金属板は、金属板上に接着剤層を有し、その上層に
化粧シートが貼着された構成となっている。金属板と接
着剤層の間には、接着性を高めるための易接着層(プラ
イマー層)が形成されていてもよい。
粧シートの構成を説明する。本発明の化粧金属板の化粧
シートは、少なくとも1層のオレフィン系樹脂層と、前
記オレフィン系樹脂層上に形成されたアクリルウレタン
樹脂層を有し、前記アクリルウレタン樹脂層には非硬化
型重合体が含有されている。
れる場合、オレフィン系樹脂層は共押出加工等に熱融着
されるか、或いは接着剤層を介して積層される。オレフ
ィン系樹脂層と接着剤層との間にプライマー層が形成さ
れていてもよい。或いはオレフィン系樹脂層の接着剤層
側にコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等の易
接着化処理が施されていてもよい。
て、以下に詳細に説明する。金属板は必要に応じて、表
面に亜鉛メッキ等の防錆処理を施した、鉄又はステンレ
ス鋼等の鉄合金、アルミニウム又はジュラルミン等のア
ルミニウム合金、チタン又はチタン合金、銅等を材料と
して用いて形成する。
程度とする。金属板表面には必要に応じて、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂等からなるプライマー層を形成し
てもよい。
る。接着剤層は、金属板上、又は化粧シート上のいずれ
か一方又は両方に、スプレーコート、ロールコート、カ
ーテンフローコート等の塗布法によって設ける。
化型接着剤等の中から適宜接着剤を選択し、通常1〜2
0μm程度の膜厚で形成することができる。感熱型接着
剤は加熱により接着性が発現する型であり、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いられる。
脂としては例えば、ポリスチレン等のスチレン共重合
体、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アク
リル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のアク
リル樹脂((メタ)アクリルとはアクリル又はメタアク
リルの意味)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
酢酸ビニル等のビニル重合体、天然ゴム、ポリイソプレ
ンゴム、ポリイソブチルゴム等のゴム系樹脂、塩化ポリ
プロピレン等の塩化ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ウレ
タン樹脂等の、1種又は2種以上の混合物があげられ
る。
脂、ポリエポキシ樹脂、二液硬化型ウレタン樹脂等の1
種又は2種以上の混合物があげられる。
線等の電離放射線の照射によりラジカルを発生させ、ラ
ジカルにより分子の架橋・重合を開始、促進させるか、
或いはカチオン重合によって分子の架橋・重合を開始、
促進させる型である。
ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
レートプレポリマー、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロペントリ
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート単量体
のラジカル重合型のもの、ビスフェノール型エポキシ、
ノボラック型エポキシ等のカチオン重合型のものが挙げ
られる。
℃であるポリマーの中にラジカル重合性不飽和基を有す
る化合物や、融点が20〜250℃でありラジカル重合
性不飽和基を有するトリアジン(メタ)アクリレートプ
レポリマー等の化合物からなる樹脂が用いられる。
設ける場合は、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリエステル樹脂、二液硬化型ウレタン樹
脂、塩化ポリプロピレン、塩化ポリエチレン等の塩化ポ
リオレフィン樹脂のうち、1種または2種以上を混合し
て用いる。
系樹脂層が形成される。オレフィン系樹脂層に用いられ
るオレフィン系樹脂は、熱可塑性オレフィン系エラスト
マー及び非エラストマーオレフィン系樹脂の両方を包含
するが、化粧金属板に利用されることから、曲げ加工等
の加工性が必要とされるため、特に熱可塑性オレフィン
系エラストマーが好ましい。
ン等のオレフィンのうち1種のオレフィンからなる単独
重合体、及び2種以上のオレフィンからなる共重合体を
いい、例えば、ポリエチレン(低密度又は高密度)、エ
チレン−プロピレン共重合体やエチレン−1−ブテン共
重合体等のエチレン−オレフィン共重合体、ポリプロピ
レン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、プロピレン−
ブテン共重合体、プロピレン−エチレンランダム及びブ
ロック共重合体等が挙げられる。
上記の他、炭素数2〜8のオレフィン、例えば、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等
が挙げられる。
ストマーの例を挙げると、 (1)特公平6−23278号掲載の(A)ソフトセグ
メントとして、数平均分子量Mnが25,000以上、
且つ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比M
w/Mn≦7の沸騰ヘプタンに可溶なアタクチックポリ
プロピレン10〜90重量%と、(B)ハードセグメン
トとして、メルトインデックスが0.1〜4g/10分
の沸騰ヘプタン不溶性のアイソタクチックポリプロピレ
ン90〜10重量%、との混合物からなる軟質ポリプロ
ピレン。
ーの中でも、ネッキングを生じ難く、加熱、加圧を用い
て各種形状に成形したりエンボス加工する際に適性良好
なものとしては、アイソタクチックポリプロピレンとア
タクチックポリプロピレンとの混合物からなり、且つア
タクチックポリプロピレンの重量比が5重量%以上50
重量%以下のものである。
ポリプロン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーの場
合、強度が重視されるため、ソフトセグメントとなるア
タクチックポリプロピレンの重量比が5重量%未満のも
のが使用されることが多い。
工等の表面処理が施される場合、包装容器等に用いられ
るものと同様な組成とするとネッキングを生じて良好な
加工が不可能となる。
量比を5重量%以上として、折曲加工或いは三次元形
状、乃至は凹凸形状に加工する際のネッキングの問題を
解消する。特に、アタクチックポリプロピレンの重量比
が20重量%以上の場合に加工性良好となる。
比が過剰となると、シート自体が変形し易くなり、シー
トを印刷機に通したときにシートが変形し、絵柄が歪ん
だり、多色刷りの場合に見当(レジスタ)が合わなくな
る等の問題が発生する。又、成形時にも破れ易くなり好
ましくない。
限としては、輪転グラビア印刷等の通常の輪転印刷機を
用いて絵柄層を印刷し、又、シートのエンボス加工、真
空成形、Vカット加工(折り曲げ加工の箇所で楔型に樹
脂に切り込みを入れる加工)、射出成形同時ラミネート
等を採用する場合は50重量%以下、より好ましくは4
0重量%以下である。
合体からなる熱可塑性エラストマーであって、ブテンと
しては1−ブテン、2−ブテン、イソブチレンの3種の
構造異性体のいずれも用いることができる。共重合体と
しては、ランダム重合体であって、非晶質の部分を一部
含む。
体の好ましい具体例としては次の(A)〜(C)が挙げ
られる。 (A)特開平9−111055号公報記載のもの。これ
は、エチレン・プロピレン・ブテンの3元共重合体によ
るランダム共重合体である。単量体成分の重量比はプロ
ピレンが90重量%以上とする。メルトフローレートは
230℃、2.16kgで1〜50g/10分のものが
好適である。
量部に対して、リン酸アリールエステル化合物を主成分
とする透明造核剤を0.01〜50重量部、炭素数12
〜22の脂肪酸アミド0.003〜0.3重量部を熔融
混練してなるものである。
もの。これは、エチレン・プロピレン・1−ブテンの3
元共重合体であって、プロピレン成分含有率が50重量
%以上の非晶質重合体20〜100重量%に、結晶質ポ
リプロピレンを80〜0重量%添加してなるものであ
る。
のもの。これは、エチレン・プロピレン・1−ブテンの
3元共重合体であって、プロピレン及び/又は1−ブテ
ン含有量が50重量%以上の低結晶質重合体20〜10
0重量%に対して、アイソタクチックポリプロピレン等
の結晶性ポリオレフィン80〜0重量%混合した組成物
100重量部に対して、N−アシルアミノ酸アミン塩、
N−アシルアミノ酸エステル等の油ゲル化剤を0.5重
量%添加してなるものである。
合体樹脂は、単独で用いてもよいし、上記(A)〜
(C)に必要に応じ更に他のポリオレフィン樹脂を混合
して用いてもよい。
として、上記のリン酸アリールエステル化合物の他に、
タルクや安息香酸アルミニウムが添加されてもよい。ま
た、特に高い透明性が要求される場合は、ソルビトール
系の透明造核剤が添加されてもよい。
向上させるため、有機カルボン酸アルカリ金属塩、β−
ジケトナートアルカリ金属塩及びβ−ケト酢酸エステル
アルカリ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種の分散
剤が添加されてもよい。
収剤、又は光安定剤のいずれか一方又は両方を添加する
ことができる。添加量は紫外線吸収剤、光安定剤ともに
通常0.5〜5重量%程度であり、一般には紫外線吸収
剤と光安定剤とを併用する。
ル、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機物、
または0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セ
リウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉
剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤を用いることができ
る。
系樹脂フィルムの厚さは、通常50〜200μmとし、
好ましくは50〜150μmとする。オレフィンフィル
ムの厚さが150μmを超えると、曲加工等の成形加工
が難しくなり、又それ以上厚みを増加させても、金属板
の表面保護性能の向上効果も飽和してくる為、厚さは1
50μm以下に抑える。
μmより薄くした場合、下地金属板の隠蔽が不十分とな
ったり、或いは成形加工時に破れ易くなるため、オレフ
ィン系樹脂層の厚さは50μm以上とするのが好まし
い。
料等の着色剤により着色(透明または不透明着色)され
ていてもよく、また、前記オレフィン系樹脂層表面に絵
柄印刷、エンボス加工(加熱プレス等による凹凸模様の
賦形)等の装飾処理が施されていてもよい。
しては、チタン白、亜鉛華、コバルトブルー、チタン
黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノ
ン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレ
ッド4R、フタロシアニンブルー、アニリンブラック等
の有機染料、二酸化チタン被覆雲母等からなる真珠光沢
(パール)顔料等がある。
印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印
刷等、公知の印刷法を用いて行う。印刷の塗料は、バイ
ンダーとしてポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ポ
リオレフィン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース樹脂等の1
種または2種以上を混合して用いる。
インダーとして塩化ポリオレフィン、二液硬化型ウレタ
ン樹脂を用いるのが接着性の点で好ましい。エンボス加
工はオレフィン樹脂を加熱軟化させ、エンボス版で加圧
賦形後、冷却固定することにより行い、公知の枚葉式・
輪転式のエンボス機を用いることができる。
又はアクリルウレタン樹脂層側表面のいずれか片方又は
両方には、オレフィン系樹脂フィルムのラミネート性
(易接着性)や接着剤塗布性を向上させるための表面処
理が施されていてもよい。
理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理等が
挙げられ、本発明においては、いずれの方法も用いるこ
とができる。
り、フィルムの製造過程の巻き取り工程前に容易に実施
可能であることから、プラズマ処理、火炎処理及びコロ
ナ放電処理が好ましく、簡便さの点からコロナ放電処理
が特に好ましい。
等の耐久性、曲加工等の成形加工適性が良好であり、且
つシリコン樹脂系コーキング剤との接着性も良好な表面
層としてウレタン樹脂層を形成する。
ン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン等の
層が用いられるが、中でもアクリルウレタン樹脂層が好
ましい。
タン重合体のプレポリマーを塗料化し、グラビアコート
等の既知の方法を用いて塗工した後、樹脂を架橋、硬化
させることにより形成されている。
レタン樹脂は、アクリルポリオールを主剤とし、イソシ
アネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂であ
る。アクリルポリオールとしては、アクリル酸もしくは
メタクリル酸またはそれらの誘導体と、分子中に2個以
上の水酸基を有するポリオール(多価アルコール)との
縮合生成物が用いられる。
0〜3000のポリオキシエチレングリコール、ポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレン
グリコール、ポリエステルポリオール等を用いることが
できる。
上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが用
いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェ
ニル)メタン、トリス(イソシアネートフェニル)チオ
ホスフェート等の芳香族イソシアネート、またはヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト等の脂肪族イソシアネートが用いられるが、熱変色防
止及び耐候性の観点からは、脂肪族イソシアネートを用
いることが望ましい。
体、多量体を用いることもできる。例えば、トリレンジ
イソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネートの
3量体等が挙げられる。
ルウレタン樹脂層は非硬化型重合体を含有することを特
徴とする。ここで非硬化型重合体とは、アクリルウレタ
ン樹脂の架橋剤であるイソシアネートにより反応硬化し
ない樹脂であり、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体を挙げることができる。
コン系等のコーキング剤との親和性が大きく、また、ア
クリルウレタン樹脂層中に未反応のまま残る。従って、
アクリルウレタン樹脂層に塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体を含有させることにより、コーキング剤との間で良
好な接着性を得ることができる。
−酢酸ビニル共重合体とアクリルポリオールとの樹脂混
合比率(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体:アクリルポ
リオール)は、5:95〜80:20の範囲にあること
が好ましい。
上記の範囲内とすることにより、オレフィン系樹脂層及
びコーキング剤の双方と接着性が良好なアクリルウレタ
ン樹脂層を形成することができる。
量%以下の場合は、コーキング剤との密着性に劣り、8
0重量%以上の場合はオレフィン層との接着性に劣り、
また、アクリルポリオールとイソシアネートとの架橋も
不十分となる。アクリルウレタン樹脂層には、上記のオ
レフィン系樹脂層と同様に紫外線吸収剤や光安定剤を添
加することができる。
造方法について説明する。本発明の化粧金属板の製造方
法は、オレフィン系樹脂層上に予め非硬化型重合体を含
有させたアクリルウレタン樹脂層を塗布する工程と、前
記アクリルウレタン樹脂層のアクリルウレタン樹脂を硬
化させて化粧シートを形成する工程と、金属板上、或い
は化粧シートの接着面上のいずれか一方又は両方に接着
剤層を形成する工程と、前記接着剤層を間に介して金属
板と前記化粧シートを貼着させる工程とを少なくとも有
することを特徴とする。
ン系樹脂層を形成するオレフィンフィルムを易接着性と
するため、例えば、表面にコロナ放電処理を施す。オレ
フィン系樹脂の臨界表面張力は、通常、室温において3
0(dyne/cm)程度であるが、コロナ放電処理に
よりフィルム表面の濡れを大きくすると50(dyne
/cm)程度となる。
アクリルウレタン樹脂層を形成する。二液硬化型ウレタ
ン樹脂を塗料化して、グラビアコート等の既知の方法に
より塗工し、アクリルウレタン層を形成する。
〜10g/m2 (dry)程度とし、好適には、5g/
m2 (dry)とする。アクリルウレタン樹脂の硬化反
応を促進するため、必要に応じて塗工後に加熱してもよ
い。イソシアネート硬化ウレタン系樹脂の場合、通常4
0〜60℃で1〜2日程度である。
ば、エンボス加工等の表面装飾処理を行ってもよい。上
記の工程により、1層のオレフィン系樹脂層を有する化
粧シートが形成される。2層以上のオレフィン系樹脂層
を有する化粧シートを形成する場合は、さらに接着剤層
を介して、裏打基材となるオレフィン系樹脂層と、1層
構成の化粧シートの裏面とを接着する。また、必要に応
じて適宜プライマー層を形成してもよい。
ビアコート法、リバースロールコート法、カーテンフロ
ーコート法等の既知の方法により形成する。続いて、前
記接着剤層上に前記化粧シートの非化粧面(オレフィン
系樹脂層のアクリルウレタン樹脂層に接していない面)
をラミネートする。
方法としては、予めオレフィンフィルムを所定の厚さに
成膜しておき、そのフィルムを金属板等の基材上にウレ
タン系樹脂やエポキシ系樹脂等の接着剤を用いて貼り合
わせるドライラミネート法と、接着層として溶融オレフ
ィンを用いて基材とオレフィンフィルムをサンドラミネ
ートするポリサンド法がある。
層を十分に接着させるには300℃程度の加熱工程が必
要であり、高分子の一部が分解する可能性がある。その
ため、オレフィン層を異種の樹脂層と接着させるにはド
ライラミネート法が最も確実である。
コーキング剤との接着性が良好な、所望の化粧金属板を
得ることができる。従って、化粧金属板を屈曲加工させ
て表面同士を接着させる際に、繋ぎ目の密閉性を高くす
ることができる。また、化粧シートが主にオレフィン系
樹脂からなるため、主に塩化ビニル樹脂からなる場合の
ように、焼却時に塩素化物ガスを発生しない。
方法の実施の形態について、図面を参照しながら下記に
説明する。
板の断面図である。金属板11の上層に接着剤層12が
形成されている。その上層に、オレフィン系樹脂層13
とアクリルウレタン樹脂層14からなる化粧シート15
が形成されている。
ついて説明する。まず、オレフィン系熱可塑性エラスト
マーフィルムからなるオレフィン系樹脂層13の表裏両
面にコロナ放電処理を施して、フィルム表裏両面の濡れ
を大きくし、臨界表面張力を50(dyne/cm)程
度とする。
ムは、アイソタクチックポリプロピレンからなるハード
セグメントとアタクチックポリプロピレンからなるソフ
トセグメントとを80:20重量比で混合した組成のも
のを用いる。また、フィルムの膜厚は80μmとする。
尚、オレフィン系樹脂層13には、チタン白と弁柄とか
らなる顔料により、予め不透明に着色しておく。
て、前記オレフィン系樹脂層13上に、グラビアコート
法により5g/m2 (dry)塗工してアクリルウレタ
ン樹脂層14を形成する。
ては、アクリルポリオールと塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体とを75:25重量比で混合してなる主剤に、ヘ
キサメチレンジイソシアネートからなる架橋剤を、主
剤:架橋剤=100:10重量比で混合したものを用い
た。
促進するため、40℃で2日加熱した後、アクリルウレ
タン樹脂層14表面に、砂目調エンボス加工を施すこと
により、表面に砂目調凹凸を有するオレフィン化粧シー
トが得られる。
11を用意し、オレフィン樹脂系接着剤を2μm厚とな
るよう塗工して、200℃に加熱し、接着剤層12を形
成する。
ン樹脂層14とからなる前記化粧シートの、非化粧面
(砂目調エンボス加工を施していない面)を、ラミネー
ターを用いてオレフィン樹脂系接着剤層12を間に介し
て熔融亜鉛メッキ鋼板11上にラミネートする。ラミネ
ートは、ヒートシーラーを用いて、シール圧力2kg/
cm2 、シール時間0.5秒の条件で行うことができ
る。
ルウレタン樹脂層14には、共通に紫外線吸収剤と光安
定剤を添加する。添加量は、オレフィン系樹脂層13及
びアクリルウレタン樹脂層14それぞれに、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系ラジカ
ル捕捉剤からなる光安定剤を、ともに0.5重量%程度
とすることができる。
耗性、防錆性等の耐久性に優れるとともに、コーキング
剤との接着性が高く、曲げ加工等の加工性に優れ、化粧
金属板を屈曲させて図3の如く表面同士を接着させる際
の繋ぎ目の密閉性も高い。
ルムを用いることにより、オレフィン系樹脂層に着色さ
れる。一方、予め顔料または染料を二液硬化型ウレタン
樹脂に混和させることにより、アクリルウレタン樹脂層
に着色することもできる。
上隠蔽する層が、オレフィン系樹脂層単層であるのに対
し、本実施例は、下地鋼板を外観上隠蔽するオレフィン
系樹脂層を2層(複層)とし、さらに、ウレタン系樹脂
インキからなる絵柄印刷層を設けた例である。
示す。図2に示す化粧金属板は、金属板21の上層に第
1接着剤層22を有し、その上層に第1オレフィン系樹
脂層23が形成されている。さらに、その上層に絵柄印
刷層24、第2接着剤層25、第2オレフィン系樹脂層
26を有し、表面にアクリルウレタン樹脂層27が形成
された構造を有する。
する。まず、第1オレフィン系樹脂層23とウレタン系
樹脂インキを用いた絵柄印刷層24とからなる第1の
(下層となる)化粧シートを作製する。
ン・プロピレン・1−ブテンの3元共重合体からなるオ
レフィン系熱可塑性エラストマーのフィルムを用いる。
実施例1のオレフィン化粧シートと同様の、着色された
厚さ80μmのオレフィンフィルム23の表裏両面にコ
ロナ放電処理を施し、表裏両面を易接着性とする。その
上層に、ウレタン系樹脂インキを用いて絵柄印刷層24
を設ける。
インキとしては、ウレタン−アクリルブロック共重合体
を用いる。ウレタン−アクリルブロック共重合体を用い
ることにより、アクリルの耐光性・硬度とポリウレタン
の密着性という、2つの樹脂の特性を合わせ持つ樹脂層
を形成することができる。
ポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとからな
る二液硬化型ウレタン樹脂の第2接着剤層25を、5g
/m 2 で設ける。
レンのハードセグメントとアタクチックポリプロピレン
のソフトセグメントとを80:20重量比で混合してな
るオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂の無色透明フ
ィルムを、ドライラミネート法により貼り合わせ、第2
オレフィン系樹脂層26とする。
を易接着性とした後、ウレタン系樹脂塗料を実施例1と
同様に、グラビアコート法を用いて5g/m2 (dr
y)となるように塗工する。これにより、アクリルウレ
タン樹脂層27が形成される。
コーキング剤との接着性が高く、化粧金属板を屈曲加工
させて、図3の如く表面同士を接着させる際の繋ぎ目の
密閉性も高いものとなっている。なお、本発明の化粧金
属板において、オレフィン系樹脂層の積層数に特に制限
はなく、3層以上の積層体とすることもできる。
板に、図3に示すような90℃曲げ加工を行ったとこ
ろ、屈曲部分において化粧シート部の白化や亀裂は起こ
らず、外観上問題となるようなネッキング現象も生じな
かった。また、接着部分にシリコン系コーキング剤を充
填する場合の、化粧金属板とコーキング剤との接着性も
良好であった。
は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、化粧シ
ートの構成をオレフィン系樹脂層と、オレフィン系樹脂
層上に選択的(局所的)にアクリルウレタン樹脂を用い
て形成された絵柄印刷層と、最上層の全面に形成された
アクリルウレタン樹脂層の積層体とすることもできる。
いて、絵柄印刷層とアクリルアクリルウレタン樹脂層と
の間に、プライマー層を設けることもできる。これによ
り、絵柄印刷層の施されていない部分のオレフィン系樹
脂層とアクリルウレタン樹脂層との間で、良好な接着性
を得ることができる。
レフィンフィルムの裏面(鋼板側の面)に、アクリルウ
レタン樹脂からなる絵柄印刷層を設け、さらに不透明イ
ンクにより全面に印刷層を形成する(バックプリント
法)こともできる。バックプリント法により裏面に絵柄
印刷層が形成された化粧シートを鋼板に貼着させてもよ
い。
できる他、各樹脂層間の接着方法も変更できる。その
他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可
能である。
とができ、特に、ユニットバス等の壁面や、冷蔵庫等の
家電製品のハウジング等、高い加工性及び耐久性が要求
される箇所に用いることができる。
表面材等、鋼板を屈曲加工させて表面同士を接着させる
箇所の繋ぎ目部分において、充填するコーキング材との
良好な接着性を有するものである。
ビニル樹脂の含有量が少ないため、焼却時に発生する塩
素化物ガスを低減できる他、廃材から樹脂を回収してリ
サイクルすることも容易となる。
ある。
ある。
脂層、14…アクリルウレタン樹脂層、15…化粧シー
ト、21…金属板、22…第1接着剤層、23…第1オ
レフィン系樹脂層、24…絵柄印刷層、25…第2接着
剤層、26…第2オレフィン系樹脂層、27…アクリル
ウレタン樹脂層、31…鋼板、32…接着剤層、33…
オレフィン系樹脂層、34…コーキング剤。
Claims (4)
- 【請求項1】金属板上に、接着剤層を介して化粧シート
が貼着された化粧金属板において、 前記化粧シートは、少なくとも1層のオレフィン系樹脂
層と、前記オレフィン系樹脂層上に形成された非硬化型
重合体を含有するアクリルウレタン樹脂層とを有するこ
とを特徴とする化粧金属板。 - 【請求項2】前記アクリルウレタン樹脂層は、アクリル
ポリオールとイソシアネート化合物とを混合硬化させた
二液硬化型アクリルウレタン重合体である請求項1記載
の化粧金属板。 - 【請求項3】前記非硬化型重合体は、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体である請求項1または2記載の化粧金属
板。 - 【請求項4】オレフィン系樹脂層上に、予め非硬化型重
合体を含有させたアクリルウレタン樹脂層を塗布する工
程と、 前記アクリルウレタン樹脂層のアクリルウレタン樹脂を
硬化させて、化粧シートを形成する工程と、 金属板上又は化粧シートの非塗布面上のいずれか一方又
は両方に、接着剤層を形成する工程と、 前記接着剤層上に、前記化粧シートを貼着させる工程と
を少なくとも有する化粧金属板の製造方法。
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