JP2001129938A - 建材用化粧シート - Google Patents
建材用化粧シートInfo
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Abstract
性に優れ、これらの特性のバランスが取れている建材用
化粧シートを提供することを目的とする。 【解決手段】ポリオレフィン樹脂などからなる熱可塑性
樹脂基材シート2の表面に電離放射線硬化性樹脂などか
らなる硬化型樹脂層3が積層された建材用化粧シート1
であり、硬化型樹脂層3を、4,4′−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート、ポリカプロラクトンジオー
ル、及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの
反応生成物である重量平均分子量1000〜4000の
ウレタン(メタ)アクリレート[A]、及び、重量平均
分子量1000〜3000の3官能以上の官能基を有す
るウレタン(メタ)アクリレート[B]からなる樹脂組
成物から形成した。
Description
に関する。
上げ、人造石とぎ仕上げ、タイル、リノリウム、フロー
リングブロックなどの貼り付け床仕上げなどがある。そ
して一般住宅の床の場合には、フローリングやクッショ
ンフロアーなどの貼り付け床仕上げが通常広く利用され
ている。上記フローリング仕上げに用いるフローリング
ブロックとしては木材が用いられ、またクッションフロ
アーには塩化ビニルタイルなどが利用されていた。
料として、表面に化粧シートを貼着して仕上げ材を形成
することが、行なわれていた。
ートの表面に絵柄などの印刷が施され、更に最表面側
に、耐擦傷性、耐熱性、耐候性、耐汚染性、耐薬品性、
耐溶剤性等を向上せしめる目的で、硬化型樹脂からなる
表面保護層が設けられて構成されている。
の〜の特性が要求される。表面に傷が付きにくく
耐擦傷性が良好であること、汚れが付きにくく耐汚染
性が良好であること、物を落下させた場合にへこみな
どが生じないように耐衝撃性が良好であること、日光
が当たることにより劣化しないように耐候性に優れるこ
と。
層を構成する硬化型樹脂層として、2官能のウレタンア
クリレートを主成分とする組成物の硬化物を用いること
が従来から公知である。このウレタンアクリレートは柔
軟性に優れ、耐衝撃性などの点では良好であるが、耐溶
剤性、耐汚染性及び耐擦傷性などの点ではいまだ不十分
なものであった。
めになされたものであり、耐汚染性、耐溶剤性、耐擦傷
性、及び耐衝撃性に優れ、これらの特性のバランスが取
れている建材用化粧シートを提供することを目的とす
る。
性樹脂基材シート上に硬化型樹脂層が積層された建材用
化粧シートにおいて、該硬化型樹脂層が、4,4′−ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、ポリカプロラ
クトンジオール、及び2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートの反応生成物である重量平均分子量1000
〜4000のウレタン(メタ)アクリレート[1]、及
び、重量平均分子量1000〜3000の3官能以上の
官能基を有するウレタン(メタ)アクリレート[2]か
らなる樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする建材
用化粧シート、(2)熱可塑性樹脂基材シートがポリオ
レフィン系樹脂シートである上記(1)に記載の建材用
化粧シート、(3)硬化型樹脂層が電離放射線硬化型樹
脂層である上記(1)または(2)に記載の建材用化粧
シート、を要旨とするものである。
に説明する。本発明の建材用化粧シート1は、図1に示
すように、ポリオレフィン樹脂などからなる熱可塑性樹
脂基材シート2の表面に電離放射線硬化性樹脂などから
なる硬化型樹脂層3が積層された化粧シートにおいて、
該硬化型樹脂層が、4,4′−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、ポリカプロラクトンジオール、及び
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの反応生成
物である重量平均分子量1000〜4000のウレタン
(メタ)アクリレート[1]、及び、重量平均分子量1
000〜3000の3官能以上の官能基を有するウレタ
ン(メタ)アクリレート[2]からなる樹脂組成物から
形成されたものである。なお上記「ウレタン(メタ)ア
クリレート」とは、ウレタンアクリレート、またはウレ
タンメタクリレートのことを云う。
に化粧シートという場合もある)は、プライマー層4を
基材シート2の表面に設ける前に、該基材シート2の表
面にエンボス加工を施して凹凸模様5を設けその上から
ワイピング処理を施し、凹凸模様の凹部内にワイピング
インキ6を充填した後に、表面にプライマー層4を設け
硬化型樹脂層3を積層したものである。また、熱可塑性
樹脂基材シート2の裏面側には、裏面側プライマー層7
を介して絵柄層8、ベタ層9を印刷して形成したもので
ある。この態様は、いわゆる「バックプリントシート」
と称されるタイプの化粧シートである。
すものである。図2に示す化粧シートは、第2の熱可塑
性樹脂シート22の表面をコロナ放電処理などを施しプ
ライマー層10を設け、ベタ層9及び絵柄層8を印刷形
成したシート11を接着剤層12を介して、第1の熱可
塑性樹脂シート21に積層し、第1の熱可塑性樹脂シー
ト21の表面にエンボス加工を施して凹凸模様5を設
け、その後、図1に示す化粧シートと同様に、凹凸模様
の上からワイピング処理を施し、凹凸模様の凹部内にワ
イピングインキ6を充填した後に、表面にプライマー層
4を設け硬化型樹脂層3を形成したものである。この態
様は、いわゆる「ダブリングシート」あるいは「ダブリ
ングエンボスシート」と称されるタイプの化粧シートで
ある。第2の熱可塑性樹脂シート22は、一般に着色樹
脂シートが用いられるが、無着色シートを用いても良
い。この化粧シートは、熱可塑性樹脂基材シートが第1
の熱可塑性樹脂シート21と第2の熱可塑性樹脂シート
22との積層体として形成されているものである。
上記特定の樹脂組成物の硬化物からなる硬化型樹脂層3
を設けたことにより、従来のウレタン(メタ)アクリレ
ートと同様に耐衝撃性などが良好であり、さらに耐溶剤
性、耐汚染性及び耐擦傷性などにおいても良好な特性を
有する。本発明化粧シートは特に、床材などに利用する
場合に要求される特性をバランス良く満足することがで
きる。一般にこの種の化粧シートの硬化型樹脂層におい
て、2官能のウレタン(メタ)アクリレートの耐汚染性
及び耐擦傷性などを改良するには、組成物に多官能モノ
マーを添加することが行われるが、この方法では、硬化
した樹脂層の柔軟性が損なわれ、耐衝撃性などの点が不
十分なものとなってしまう。本発明では、このような問
題に対し、2官能のウレタン(メタ)アクリレートの成
分、分子量を検討するとともに、多官能モノマーを加え
るかわりに、ウレタン(メタ)アクリレートの多官能成
分(上記ウレタン(メタ)アクリレート[2])を加え
ることで、耐汚染性及び耐擦傷性などが改良され、しか
もこのウレタン(メタ)アクリレートの分子量を特定の
範囲とすることで、樹脂層の柔軟性を損なわず、耐衝撃
性についても良好な特性の化粧シートが得られたのであ
る。
重量平均分子量が1000〜4000のものが用いられ
る。分子量が1000未満ではウレタン(メタ)アクリ
レートの持つ柔軟性を充分発揮できない。また分子量が
4000を越えると耐候性、耐汚染性等の特性が低下す
る。またウレタン(メタ)アクリレート[1]は、ポリ
カプロラクトンジオールと、4,4′−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネートを反応させて得られる末端イ
ソシアネート基を有する化合物に2−ヒドロキシエチル
アクリレート、または2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートを反応させることで、両末端にアクリロイル基を有
する2官能の(メタ)アクリレート化合物として得られ
るものである。ウレタン(メタ)アクリレート[1]の
分子量を上記範囲にするには、ポリカプロラクトンジオ
ールの分子量、イソシアネートとポリオールの当量比な
どを宜選択すれば良い。
3官能以上の官能基を有する重量平均分子量が1000
〜3000の多官能ウレタン(メタ)アクリレートであ
れば良いが、官能基の数が5以上が好ましい、更に好ま
しくは10以上である。このウレタン(メタ)アクリレー
ト[2]は、3官能以上のポリオール成分(以下、多官
能ポリオールという)、アクリル酸またはメタクリル
酸、ジイソシアネートの各原料を反応させることで得ら
れる、末端にアクリロイル基を有する多官能ウレタン
(メタ)アクリレート化合物である。また、上記ウレタ
ン(メタ)アクリレート[1]と同様に、多官能ポリオ
ールと、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネートを反応させて得られる末端イソシアネート基を有
する化合物に2−ヒドロキシエチルアクリレート、また
は2−ヒドロキシエチルメタクリレートを反応させるこ
とで得られる、末端にアクリロイル基を有する多官能の
(メタ)アクリレート化合物でも良い。
たは脂環式ジイソシアネートが用いられ、例えばイソホ
ロンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6ヘキサメ
チレンジイソシアネートなどが挙げられる。また上記多
官能ポリオールとしては、トリメチロールプロパン、ジ
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトールなどの多価アルコール、あるいは上
記の混合物などが好ましく用いられる。特に好ましいの
は、ジペンタエリスリトールである。
レート[1]及びウレタン(メタ)アクリレート[2]
の配合比は、ウレタン(メタ)アクリレート[1]/ウ
レタン(メタ)アクリレート[2]=30/70〜85
/15の範囲が好ましい(上記単位は、重量%であ
る)。ウレタン(メタ)アクリレート[1]の配合比
が、30重量%未満になると、耐衝撃性が低下するおそ
れがある。また、ウレタン(メタ)アクリレート[2]
の配合比が、15重量%未満になると、耐衝撃性が低下
するおそれがある。
リレート[1]及びウレタン(メタ)アクリレート
[2]を含む塗工組成物を適宜手段で塗工し、電子線な
どの電離放射線を照射して硬化させる。この塗工組成物
には、必要に応じて、染料、顔料等の着色剤、艶調製
剤、増量剤等の充填剤、消泡剤、レベリング剤、チクソ
トロピー性付与剤等の添加剤を加えることができる。
常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸
アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコー
ル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピ
ルエーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。
を照射する場合には、光重合開始剤として、アセトフェ
ノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾ
エート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルチウ
ラムモノサルファイド、チオキサントン類、芳香族ジア
ゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン、又、
光重合促進剤(増感剤)としてn−ブチルアミン、トリ
エチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を、更に
混合して用いることができる。
インダー樹脂及び球状粒子以外の成分として、染料や顔
料等の着色剤、その他のCaCO3、BaSO4、ナイロ
ン樹脂ビーズ等の充填剤、消泡剤、レベリング剤、チク
ソトロピー性付与剤などの塗料、インキに通常添加され
る添加剤を加えることができる。
度を調整するために、樹脂の成分を溶解可能であり、常
圧における沸点が70℃〜150℃の溶剤を、組成物中
に30重量%以下の範囲で用いることができる。溶剤の
添加量が30重量%以下の範囲であれば、乾燥がスムー
ズであり、生産スピードの大きな低下がない。
常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸
アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコー
ル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピ
ルエーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。
組成物を直接塗工する直接コーティング法、又は、剥
離性の基材表面に樹脂層を予め形成した後、該層を転写
する、転写コーティング法等が用いられる。
コート、グラビアリバースコート、グラビアオフセット
コート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロ
ールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコ
ート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバ
ーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコー
ト、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる
が、好ましいのはグラビアコートである。
(a)〜(d)に示す薄いシート(フィルム)基材に塗
膜を形成し架橋硬化せしめ、しかる後基材表面に被覆す
る方法であり、塗工組成物の塗膜を基材と共に立体物に
接着するラミネート法(a、b)、一旦離型性支持体シ
ート上に塗膜と必要に応じて接着剤層を形成し塗膜を架
橋硬化させてなる転写シートを、その塗膜側を立体物に
接着後、支持体シートのみ剥離する転写法(c)等の手
段を利用することができる。尚、薄いシート基材に硬化
型樹脂層を形成する手段は、上記の直接コーティング法
と同じ各種のコーティング手段を用いることができる。 (a)特公平2−42080号公報、特公平4−199
24号公報等に開示されるような射出成形同時転写法。
或いは特公昭50−19132号公報に開示されるよう
な射出成形同時ラミネート法。 (b)特開平4−288214号公報、特開平5−57
786号公報に開示されるような真空成形同時転写法。
或いは特公昭56−45768号公報に開示されるよう
な真空成形同時ラミネート法。 (c)特公昭59−51900号公報、特公昭61−5
895号公報、特公平3−2666号公報等に開示され
るように、ラッピング同時転写法、又はラッピング同時
ラミネート法。 (d)実公大15−31122号公報等に開示されてい
るVカット加工同時ラミネート法、或いは特公昭56−
7866号公報等に開示されているVカット加工同時転
写法。
して下記の(A)〜(D)の工程を順次行う方法を用い
ることもできる(特開平2−26673号公報等記
載)。 (A)非吸収性且つ離型性の合成樹脂シートに、未硬化
液状の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工する工程。 (B)前記電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布面が基材
と接するようにラミネートする工程。 (C)前記電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜に電離放
射線を照射して架橋、硬化させる工程。 (D)合成樹脂シートを剥離除去する工程。 上記の工程において、電離放射線硬化性樹脂として溶剤
で希釈されたものを使用する場合には、工程(A)と
(B)との間に溶剤を乾燥する工程を行う。
用いられる電離放射線照射装置は、紫外線を照射する場
合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボン
アーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ
等の光源が用いられ、又、電子線を照射する場合には、
コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器
型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロ
ン型、高周波型等の各種電子線加速器等を用いる。
keV、好ましくは100〜300keVのエネルギー
を持つ電子を0.1〜30Mrad程度の照射量で照射
する。照射量が0.1Mrad未満の場合、硬化が不十
分となる虞れがあり、又、照射量が30Mradを超え
ると、硬化した塗膜或いは基材が損傷を受ける虞れが出
てくる。又、紫外線により硬化させる場合の照射量は、
好ましくは50〜1000mJ/cm2である。紫外線
の照射量が50mJ/cm2未満では硬化が不十分とな
る虞れがあり、又、照射量が1000mJ/cm2を超
えると、硬化した塗膜が黄変化する虞れがある。
性樹脂シート、第2の熱可塑性樹脂シートなどは、ポリ
オレフィン系樹脂シートが好ましく用いられる。ポリオ
レフィン系樹脂シートに用いられるポリオレフィン樹脂
としては、ポリエチレン(低密度、又は高密度)、ポリ
プロピレン(アイソタクチック型、シンジオタクチック
型、又はこれらの混合型)、ポリメチルペンテン、ポリ
ブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−
ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマーポリオレ
フィン樹脂、或いは下記に記載した各種のオレフィン系
熱可塑性エラストマーのシートが用いられる。ポリオレ
フィン系樹脂シートは、延伸シート、未延伸シートのい
ずれも使用可能であるが、このシートには、必要に応
じ、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤を添加する。ま
た、ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは、用途等によ
るが、20〜300μm程度が好ましい。
は、主原料がハードセグメントである高密度ポリエチ
レン又はポリプロピレンのいずれかからなり、これにソ
フトセグメントとしてのエラストマー及び無機充填剤を
添加してなるもの、特公平6−23278号公報記載
の、ハードセグメントであるアイソタクチックポリプロ
ピレンとソフトゼグメントとしてのアタクチックポリプ
ロピレンとの混合物からなるもの、特開平9−111
055号公報、特開平5−77371号公報、特開平7
−316358号公報等に記載のエチレン−プロピレン
−ブテン共重合体からなるもの、が代表的なものであ
る。必要に応じて着色剤等の添加剤をこれに添加して用
いる。以下これらの詳細を述べる。
は、比重が0.94〜0.96のポリエチレンであっ
て、低圧法で得られる結晶化度が高く分子に枝分かれ構
造の少ない高分子である高密度ポリエチレンが用いられ
る。また、ポリプロピレンとしては、好ましくは、アイ
ソタクチックポリプロピレンが用いられる。
ム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマー等
が用いられる。水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム
分子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加さ
せてなるもので、ポリオレフィン系樹脂(本発明におい
ては、高密度ポリエチレン又はポリプロピレン)の結晶
化を抑え、柔軟性をアップさせる。ジエン系ゴムとして
は、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プ
ロピレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジ
エンゴム、アクリロニトリル・イソプレンゴム、スチレ
ンブタジエンゴム等がある。オレフィンエラストマーと
しては、2種類又は3種類以上のオレフィンと共重合し
うるポリエンを少なくとも1種加えた弾性共重合体であ
り、オレフィンはエチレン、プロピレン、α−オレフィ
ン等が使用され、ポリエンとしては、1,4ヘキサジエ
ン、環状ジエン、ノルボルネン等が使用される。好まし
いオレフィン系共重合体ゴムとしては、例えばエチレン
−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非
共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等
のオレフィンを主成分とする弾性共重合体が挙げられ
る。なお、これらのエラストマーは、必要に応じて有機
過酸化物、硫黄等の架橋剤を用いて、適量架橋させても
よい。
〜60重量%、好ましくは30重量%程度である。10
重量%より低いと一定荷重伸度の温度に対する変化が急
峻になり過ぎ、また、破断時伸度、耐衝撃性、易接着性
の低下が生じ、60重量%より高いと透明性、耐候性及
び耐クリープ性の低下が生じる。
ム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の平均粒径0.1
〜10μm程度の粉末が用いられる。添加量としては、
1〜60重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度で
ある。1重量%より低いと耐クリープ変形性及び易接着
性の低下が生じ、60重量%より高いと破断時伸度及び
耐衝撃性の低下が生じると共に製膜が難しくなる。
(A)ソフトセグメントとして、数平均分子量Mnが2
5000以上、且つ、重量平均分子量Mwと数平均分子
量Mnとの比Mw/Mn≦7の沸騰ヘプタンに可溶なア
タクチックポリプロピレン10〜90重量%と、(B)
ハードセグメントとして、メルトインデックスが0.1
〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性のアイソタクチッ
クポリプロピレン90〜10重量%、との混合物からな
る軟質ポリプロピレン。この種のオレフィン系熱可塑性
エラストマーの中でも、所謂『ネッキング』を生じ難
く、加熱、加圧を用いて各種形状に成形したりエンボス
加工する際に適性良好なものとしては、アイソタクチッ
クポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンとの混
合物からなり、且つアタクチックポリプロピレンの重量
比が5重量%以上50重量%以下であるものである。ポ
リプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマー自
体はすでに公知のものであるが、包装容器等従来公知の
用途に用いられる場合は、強度を重視する為に、ソフト
セグメントとなるアタクチックポリプロピレンの重量比
が5重量%未満のものが専ら使用されていた。しかしな
がら三次元形状乃至凹凸形状に成形したり、エンボス加
工する場合、前記の如くネッキングを生じて良好な加工
が不可能である。これに対し、従来の組成設計とは逆
に、ポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラスト
マーに於いて、アタクチックポリプロピレンの重量比が
5重量%以上とする事によって、エンボス加工したり、
三次元形状乃至凹凸形状の物品に成形する際のネッキン
グによる不均一なシートの変形、及びその結果としての
皺、絵柄の歪み等の欠点が解消できる。特にアタクチッ
クポリプロピレンの重量比が20重量%以上の場合が良
好である。一方、アタクチックポリプロピレンの重量比
が増加し過ぎると、シート自体が変形し、絵柄が歪んだ
り、多色刷りの場合に見当(Resister)が合わ
なくなる等の不良が発生し易くなる。又、成形時にも破
れ易くなる為、好ましくない。アタクチックポリプロピ
レンの重量比の上限としては、輪転グラビア印刷等の通
常の輪転印刷機を用いて絵柄層を印刷し、又、シートの
エンボス加工、真空成形、Vカット加工、射出成形同時
ラミネート等を採用する場合は50重量%以下、より好
ましくは40重量%以下である。
樹脂からなる熱可塑性エラストマー。ここで、そのブテ
ンとして、1ブテン、2ブテン、イソブチレンの3種の
構造異性体のいずれも用いることができる。共重合体と
しては、ランダム共重合体で、非晶質の部分を一部含
む。上記エチレン・プロピレン・ブテン共重合体の好ま
しい具体例としては次の(i)〜(iii)が挙げられる。 (i)特開平9−111055号公報記載のもの。これ
はエチレン・プロピレン及びブテンの3元共重合体によ
るランダム共重合体である。単量体成分の重量比はプロ
ピレンが90重量%以上とする。メルトフローレート
は、230℃、2.16Kgで1〜50g/10分のも
のが好適である。そして、このような3元ランダム共重
合体100重量部に対して、燐酸アリールエステル化合
物を主成分とする透明造核剤を0.01〜50重量部、
炭素数12〜22の脂肪酸アミド0.003〜0.3重
量部を熔融混練してなるものである。 (ii)特開平5−77371号公報記載のもの。これは、
エチレン、プロピレン、1ブテンの3元共重合体であっ
て、プロピレン成分含有率が50重量%以上の非晶質重
合体20〜100重量%に、非晶質ポリプロピレンを8
0〜0重量%添加してなるものである。 (iii)特開平7−316358号公報記載のもの。これ
は、エチレン・プロピレン・1ブテン3元共重合体であ
って、プロピレン及び/又は1ブテン含有率が50重量
%以上の低結晶質重合体20〜100重量%に対して、
アイソタクチックポリプロピレン等の結晶性ポリオレフ
ィン80〜0重量%に混合した組成物100重量部に対
してNアシルアミン酸アミン塩、Nアシルアミン酸エス
テル等の油ゲル化剤を5重量%添加してなるものであ
る。エチレン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂は、単
独で用いてもよいし、上記(i)〜(iii)に必要に応じ他の
ポリオレフィン樹脂を混合して用いてもよい。
てもよい。着色剤は、化粧シートとして必要な色彩を持
たせるためのものであり、チタン白、亜鉛華、弁柄、
朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボン
ブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエ
ローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタ
ロシアニンブルー等の有機顔料或いは染料、アルミニウ
ム、真鍮等の箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆
雲母、塩基性炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等
が用いられる。着色は透明着色、不透明(隠蔽)着色い
ずれでも可であるが、図1の化粧シートの熱可塑性樹脂
基材シート2及び図2の化粧シートの第1の熱可塑性樹
脂シート21の場合には、絵柄層8ベタ層9などの意匠
が見える程度の透明着色に形成するのが好ましい。ま
た、図2の化粧シートの第1の熱可塑性樹脂シート22
は、下層が見えない不透明着色に形成することができ
る。
に応じて、熱安定剤、難燃剤、ラジカル捕捉剤等を添加
する。熱安定剤は、フェノール系、サルファイト系、フ
ェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系等公知
のものであり、熱加工時の熱変色等の劣化の防止性をよ
り向上させる場合に用いられる。難燃剤としては、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の粉末が用いら
れ、これらは難燃性を付与する必要がある場合に添加す
る。
製法等の常用の方法により製膜してポリオレフィン系樹
脂シートを得ることができる。尚、ポリオレフィン系樹
脂として着色剤、無機充填剤、又はその両方を添加した
組成物を用い、熔融押出法で製膜する場合、薄膜に製膜
すると製膜適性が低下し、表面が平滑に仕上がらない。
一般的には着色剤等を計10重量部程度以上添加し、8
0μm以下に製膜する場合、此の傾向が目立つ。そこで
此の様な場合、3層共押出とし中心の層のみに着色剤を
添加し、表裏の最外層には顔料等は無添加にすると良
い。
の熱可塑性樹脂シートを用いたシート11に第1の熱可
塑性樹脂シートを積層するには、すでに製膜された熱可
塑性樹脂シート21を接着剤層12を介して積層するこ
とができる。接着剤層12は2液硬化型のポリウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂などのドライラミネート接着剤
が用いられる。また上記方法以外にも、第2の熱可塑性
樹脂シートを用いたシート11にポリオレフィン系樹脂
からなる第1の熱可塑性樹脂基材シート21を熔融押出
塗工(エクストルージョンコート)して、シート製膜と
同時に積層する方法を用いても良い。
プライマー層4を形成する以前に、好ましくはコロナ放
電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施
す。この易接着処理は、この種のシートに於いて通常使
用される方法を用いることができる。此の様な易接着処
理を行うことによって、ポリオレフィン系樹脂シートの
表面に、水酸基、カルボキシル基等の活性水素原子含有
官能基を生成出来る。尚、ポリオレフィン系樹脂シート
を熔融押出法で製膜する場合には、製膜時に表面に或る
程度これら極性官能基が生成される。よって製膜時に生
成される極性官能基が十分であれば、易接着処理は省い
ても良い。
の熱可塑性樹脂シート21)の表面には、加熱プレスや
ヘアライン加工などにより、図1に示すように凹凸模様
5を付与したり、該凹凸模様にワイピング加工にを施し
て、凹部にワイピングインキ6を充填しても良い。凹凸
模様5は例えば、導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面
等)、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、
万線条溝等である。凹凸模様5を形成するには、例え
ば、加熱・加圧によるエンボス加工法、ヘアライン加工
法、賦形フィルム法等がある。エンボス加工法は三次元
架橋硬化樹脂層を加熱して軟化させ、表面をエンボス版
で加圧してエンボス版の凹凸模様を賦形し、冷却して固
定化するもので、公知の枚葉式、或いは輪転式のエンボ
ス機等が用いられる。
ル共重合体、アクリル樹脂、ポリウレタン(イソシアネ
ート硬化剤と各種ポリオールからなる2液硬化型)など
が用いられるが、アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重
合体が好ましく用いられる。この共重合体は、末端に水
酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に
水酸基を有するポリエステルジオール(成分B)、ジイ
ソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレ
ポリマーを製造し、該プレポリマーに更にジアミンなど
の鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得ら
れる。この反応によりポリエステルウレタンが形成され
るとともに、アクリル重合体成分が分子中に導入され、
末端に水酸基を有する、アクリル・ポリエステルウレタ
ン共重合体を形成する。
重合体の末端の水酸基が、プライマー層を形成するため
のプライマー組成物に添加されたイソシアネート成分の
イソシアネート基と反応して硬化する。アクリル樹脂と
ウレタン樹脂の共重合体における、アクリル樹脂成分と
ウレタン樹脂成分の比率(これを共重合比という)は、
アクリル樹脂/ウレタン樹脂=40/60〜60/40
とするのが、ブロッキング性、リコート性などの特性が
良好であるため好ましい。尚、上記共重合比における各
成分比率のアクリル樹脂成分は、共重合体中のアクリル
重合体の重量比(%)であり、ウレタン樹脂成分はポリ
エステルポリオールとイソシアネート成分の合計量の重
量比(%)である。
おいて、成分Aのアクリル重合体成分は、末端に水酸基
を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられ
る。例えばこのような重合体としては、末端に水酸基を
有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)
が、耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタ
ンと共重合させて相溶化するのが容易である点から好ま
しく用いられる。アクリル重合体成分は、共重合体にお
いてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量500
0〜7000のものが耐候性、密着性が特に良好である
ため好ましく用いられる。尚、本発明において分子量
は、すべて重量平均分子量のことである。また、アクリ
ル重合体は、両末端に水酸基を有するもののみを用いて
も良いが、片末端に共役二重結合が残っているものを上
記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いても良
い。共役二重結合が残っているアクリル重合体を混合す
ると、プライマー層と接する層(例えば硬化型樹脂層な
ど)の樹脂に電離放射線硬化性樹脂を用いた場合に、該
樹脂とアクリル重合体の共役二重結合が反応するため、
特に硬化型樹脂との間で優れた密着性が得られる。
ジイソシアネートと反応して、ポリエステルウレタンを
形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成す
る。ポリエステルポリオール成分は、両末端に水酸基を
有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエ
ステルジオールとしては、芳香族又はスピロ環骨格を有
するジオール化合物とラクトン化合物又はその誘導体、
又はエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジ
オールとの縮合生成物、及び環状エステル化合物から誘
導されるポリエステル化合物等が挙げられる。上記ジオ
ールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサ
ンジオール、メチルペンタンジオール等の脂肪族短鎖ジ
オール、1,4シクロヘキサンジメタノールなどの脂環
族短鎖ジオールなどが挙げられる。また上記二塩基酸と
しては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等が挙げられる。ポリエステルポリオールとして
好ましいのは、酸成分としアジピン酸又はアジピン酸と
テレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジ
オール成分として3−メチルペンタンジオール及び1,
4シクロヘキサンジメタノールを用いたアジペート系ポ
リエステルである。
オールとイソシアネート基が反応して形成されるウレタ
ン樹脂成分は、該層に柔軟性を与え、熱可塑性樹脂シー
トとの密着性に寄与する。またアクリル重合体からなる
アクリル樹脂成分は、プライマー層において耐候性及び
ブロッキング性などに寄与する。ウレタン樹脂におい
て、ポリエステルポリオール成分の分子量は、プライマ
ー層に柔軟性を充分発揮可能なウレタン樹脂が得られる
範囲であればよく、アジピン酸又はアジピン酸とテレフ
タル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオール及び
1,4シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステ
ルジオールの場合、500〜5000が好ましい。
成分としては、1分子中に2個のイソシアネート基を有
する脂肪族又は脂環族のジイソシアネート化合物が用い
られる。このジイソシアネートは例えば、テトラメチレ
ンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4′ジシクロへキシルメタンジイソシアネー
ト、1,4′シクロヘキシルジイソシアネート等が挙げ
られる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジ
イソシアネートが物性及びコストが優れる点から好まし
い。上記の成分A〜Cを反応させる場合の、アクリル重
合体、ポリエステルジオール、及び後述する鎖延長剤の
合計の水酸基(アミノ基の場合も含める)とイソシアネ
ート基の当量比は、イソシアネート基が過剰となるよう
にして反応させる。
〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソ
シアネート基が、ポリエステルジオール末端の水酸基と
反応し、ポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると
ともに、アクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネー
トが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基
及び水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成され
る。このプレポリマーに鎖延長剤を加えイソシアネート
基を該鎖延長剤と反応させ、鎖延長することで、アクリ
ル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入さ
れ、末端に水酸基を有する所望のアクリル・ウレタン共
重合体が得られる。
どが用いられる。ジアミンとしては例えば、イソホロン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4′ジアミノ
ジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、3,3′
−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(M
OCA)、ヒドラジン等が挙げられる。鎖延長剤として
好ましいジアミンはイソホロンジアミンである。
例を示す。アクリル重合体成分として、分子量6000
の、両末端に水酸基を有するPMMAを用い、ポリエス
テルポリオール成分として、3メチルペンタンジオール
と1,4シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸とを
重縮合させて得られる分子量2000のポリエステルジ
オールを用い、ジイソシアネート成分としてイソホロン
ジイソシアネートを用い、鎖延長剤としてイソホロンジ
アミンを用いた。乾燥窒素が導入され密閉可能で攪拌装
置の付いた反応容器に、アクリル重合体、ポリエステル
ポリオール、及びジイソシアネートを配合し、75℃で
16時間反応させて、プレポリマーを得た後、このプレ
ポリマーをメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、
60℃でジアミンを滴下して鎖延長を行ない、さらにト
ルエン、イソプロピルアルコールを加えて、樹脂固形分
38%のアクリル・ウレタン共重合体Aを得た。この共
重合体の分子量は53000であり、アクリル樹脂成分
とウレタン樹脂成分の比率は、50/50(重量比)で
ある。また溶剤の組成は、MEK/トルエン/IPA=
55/40/5であった。
は、上記のアクリル・ウレタン共重合体の水酸基と反応
して架橋硬化させることが可能なものであれば良い。例
えば上記のイソシアネートとしては、2価以上の脂肪族
又は芳香族イソシアネートが使用できるが、熱変色防
止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。
具体的なイソシアネートとしてトリレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、又は
これらの2量体、3量体などの多量体、あるいはこれら
のイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダ
クト体)の如きポリイソシアネートなどが挙げられる。
微粉末などの充填剤、光安定剤、等の添加剤を添加して
も良い。プライマー層4は、これらの組成物を、塗工し
て、必要に応じ乾燥、硬化させることで形成される。具
体的にはプライマー組成物をグラビアロールコート、ロ
ールコート等の方法で塗工して乾燥(硬化)させて形成
される。プライマー層4の塗布量は1〜20g/m
2(乾燥時)が好ましく、更に好ましくは1〜5g/m2
(乾燥時)である。
層7は、ポリオレフィン系樹脂シートなどの熱可塑性樹
脂基材シート2と絵柄層8あるいはベタ層9等の印刷層
との接着性を向上させるものであり、前記した表面側の
プライマー層4と同様の樹脂を用いるのが好ましい。ま
た裏面側プライマー層7は、表面側のプライマー層4と
同様の手段で形成できる。また、図2に示す化粧シート
のプライマー層10は、第2の熱可塑性樹脂シート22
とベタ層9などの印刷層との接着性を向上させるもので
あり、第2の熱可塑性樹脂シートにポリオレフィン系樹
脂シートを用いた場合には、前記したプライマー層4と
同様の材質を用いるのが好ましい。また形成手段なども
同様に行なうことができる。
様、皮紋模様、幾何学図形、文字、記号、線画、各種抽
象模様の柄を印刷形成したものである。ベタ層9は、隠
蔽性を有する着色インキにて、ベタ印刷して形成したも
のである。これらの印刷層は、絵柄層8のみから構成し
ても、あるいはベタ層9のみから構成しても、或いは絵
柄層及びベタ層の両者から構成してもいずれでもよい。
刷用のインキを用いて印刷或いは塗工することで形成で
きる。上記インキとしては、バインダーと着色剤とから
なり、例えばバインダーとして、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリ
エステル、ポリウレタン(2液硬化型ウレタン樹脂、又
は熱可塑性ウレタン樹脂)、アクリル、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹
脂等を、一種又は二種以上混合したものが用いられる。
上記着色剤としては、チタン白、カーボンブラック、弁
柄、黄鉛、群青、フタロシアニンブルー、キナクリド
ン、イソインドリノン等の顔料又は染料、アルミニウ
ム、真鍮等の金属箔粉、二酸化チタン被覆雲母等の箔粉
からなる光輝性顔料を1種又は2種以上混合したものが
挙げられる。
は、例えば図1に示す化粧シートでは、裏面側(図1に
示す化粧シートではベタ層側、図2に示す化粧シートで
は第2の可塑性樹脂シート側)を他の基材13に接着剤
層14などを介して貼着して化粧板15などを形成し、
各種建材に利用することができる。また化粧シート1に
は、抗菌性を付与する為に、基材シート、あるいは他の
樹脂層に、銀イオン担持ゼオライト等の抗菌剤や10,
10′−オキシビスフェノキシアルシン等の防黴剤等を
添加してもよい。
としては、各種の木質材料、金属材料、プラスチック材
料、セラミック材料、等が用いられる。化粧シートを上
記材料に貼着し、所定の成形加工などを施すことで、各
種用途に利用できる。例えば、壁、天井、床などの建築
物の内装、窓枠、扉枠、扉、手すりなどの建具の表面化
粧、箪笥などの家具、テレビジョン受像機などの弱電、
OA機器などのキャビネットの表面化粧、自動車、電車
などの車両の内装、航空機の内装、窓ガラスの化粧など
に利用できる。
ピレンシート(三菱化学MKV製:150AG3)を熱
可塑性樹脂基材シートとして使用した。 [裏面側プライマー層]熱可塑性樹脂基材シートの表面
をコロナ放電処理(6KW、処理速度40m/min)
し、その処理面にアクリルウレタン系プライマー(ザ・
インクテック製)100重量部にヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)を5重量部添加したプライマー層
形成用インキを、グラアビアコーターを用いて塗工(塗
布量:2g/m2)し裏面側プライマー層を形成した。 [印刷層]プライマー層の表面に、アクリルウレタン系
樹脂インキ(昭和インク工業所製:AU)を使用し、グ
ラビア印刷により木目模様を印刷した。更に、上記木目
模様の上から、アクリルウレタン系樹脂インキ(昭和イ
ンク工業所製:AU)100重量部に、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(HDI)を5重量部及び顔料を添加
したベタインキ層形成用インキを用い、グラビアコータ
ーにより全面に塗工(塗布量:2g/m2)してベタイ
ンキ層を設けた。 [エンボス工程]この木目模様を設けたシートの前記印
刷面と反対の面に、エンボス加工機を用いてエンボスを
施した。エンボス条件は、温度120℃〜170℃にて
凸版を10〜40kg/cm2の圧力で加圧し、凸版パ
ターンを転写し、化粧シート表面に凹凸模様を形成し
た。 [ワイピング工程]アクリルウレタン系樹脂インキ(ザ
・インクテック製:EBP−3)100重量部にヘキサ
メチレンジイソシアネート(HDI)を5重量部及び顔
料を添加したワイピングインキを用い、上記凹凸模様の
上からワイピング処理を施し、凹部にワイピングインキ
を充填した。 [プライマー層]ワイピング処理を施した上から、アク
リルウレタン樹脂系インキ(ザ・インクテック製:EB
P−3)100重量部にヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)を5重量部添加してプライマー層形成用イ
ンキとし、グラビアコータを用いて塗工して(塗布量:
2g/m2)プライマー層を形成した。 [硬化型樹脂の調製と塗工]上記の工程で得られたシー
トのプライマー層の上から下記組成の硬化型樹脂組成物
を塗工し、乾燥後、電子線照射装置(岩崎電機製)を使
用して、175KV、5Mrad、酸素濃度300pp
m以下の条件で電子線を照射して硬化させ、硬化型樹脂
層を形成し化粧シートを得た。
ンジオール、2−ヒドロキシエチルアクリレートの反応
生成物である、重量平均分子量1700の、2官能ウレ
タンアクリレートである。 ※2:[ウレタンアクリレートB] ヘキサメチレンジイソシアネート、ジペンタエリスリト
ール、アクリル酸の反応生成物である、重量平均分子量
1800の、15官能ウレタンアクリレートである。 ※3:[ウレタンアクリレートC] 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリエ
ステルジオール(アジピン酸、エチレングリコールより
なる)、2−ヒドロキシエチルアクリレートの反応生成
物である、重量平均分子量2400の、6官能ウレタン
アクリレートである。 ※4:[ウレタンアクリレートD] イソホロンジイソシアネート、トリメチロールプロパ
ン、ジペンタエリスリトール、アクリル酸の反応生成物
である、重量平均分子量2000の、8官能ウレタンア
クリレートである。 ※5:[ウレタンアクリレートE] イソホロンジイソシアネート、ポリエステルジオール
(アジピン酸、エチレングリコールよりなる)、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレートの反応生成物である重量平
均分子量3500の、2官能ウレタンアクリレートであ
る。
を、耐汚染性、耐擦傷性、耐衝撃性、耐候性の試験を行
い評価した。試験結果を表2に示す。
計皿で被覆し、24時間放置後、中性洗剤で拭き取っ
て、その状態を観察し以下の基準で評価した。 ◎:跡が全く残っていない ○:跡がほとんど残っていない △:跡が若干残っていた
工業製)主剤BA−10Aを100重量部に対し、硬化
剤BA−10Bを5重量部添加してなる接着剤を87g
/m2(wet)塗布し、化粧シートをロールプレス機
にてラミネートとして試験体とした。そしてこの試験体
をホフマンスクラッチ試験機にて800g荷重で表面を
試験し、傷の有無を観察し以下の基準で評価した。 ◎:まったく傷がない ○:ほとんど傷がない ×:傷がつく
ン衝撃試験機にて、圧子R=6.2mm、台座のくぼみ
なし、重り500g、高さ30cm,の条件で衝撃を与
え、樹脂層の割れの有無を観察し、以下の基準で評価し
た。 ○:割れがない ○:わずかに割れるが問題のないレベル
レート[1]及びウレタンアクリレート[2]の配合比
と物性の関係について試験した。試験は上記実施例1と
同じウレタンアクリレート[1]及びウレタンアクリレ
ート[2]を用い、配合比をウレタンアクリレート
[1]/ウレタンアクリレート[2]=20/80とし
た化粧シート(実験例2)、ウレタンアクリレート
[1]/ウレタンアクリレート[2]=20/80とし
た化粧シート(実験例3)を、実施例1の化粧シート
(ウレタンアクリレート[1]/ウレタンアクリレート
[2]=80/20の化粧シート:実験例1)とともに
以下の試験方法にて試験して比較した。試験の結果を表
3に示す。
た以外は、同様の方法で試験を行い評価した。
℃として行った以外は、同様の方法で試験を行い、以下
の基準で評価した。 ◎:白化しない ×:白化する
シートは、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、ポリカプロラクトンジオール、及び2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレートの反応生成物である
重量平均分子量1000〜4000のウレタン(メタ)
アクリレート[1]、及び、重量平均分子量1000〜
3000の3官能以上の官能基を有するウレタン(メ
タ)アクリレート[2]からなる樹脂組成物の硬化物か
らなる硬化型樹脂層を有するため、耐汚染性、耐溶剤
性、耐擦傷性、及び耐衝撃性が良好であり、これらの特
性のバランスが取れている優れた化粧シートが得られ
る。
である。
図である。
断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂基材シート上に硬化型樹脂
層が積層された建材用化粧シートにおいて、該硬化型樹
脂層が、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、ポリカプロラクトンジオール、及び2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートの反応生成物である重
量平均分子量1000〜4000のウレタン(メタ)ア
クリレート[1]、及び、重量平均分子量1000〜3
000の3官能以上の官能基を有するウレタン(メタ)
アクリレート[2]からなる樹脂組成物の硬化物である
ことを特徴とする建材用化粧シート。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂基材シートがポリオレフィ
ン系樹脂シートである請求項1に記載の建材用化粧シー
ト。 - 【請求項3】 硬化型樹脂層が電離放射線硬化型樹脂層
である請求項1又は2に記載の建材用化粧シート。
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