JP2011208097A - 電子線硬化性樹脂組成物、及びそれを用いてなる積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオール化合物、脂環族ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物から合成されるウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有する電子線硬化性樹脂組成物であって、該ポリオール化合物が、(ポリ)カプロラクトンジオール、ポリエーテルポリオール及びポリカーボーネートポリオールから選択される一種以上であり、かつ、該脂環族ジイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート及び/又は水素添加キシリレンジイソシアネートである電子線硬化性樹脂組成物、及びそれを用いてなる積層体である。
【選択図】なし
Description
従って、本発明の目的は、耐候性、耐加水分解性及び追随性に優れた表面保護層を提供し得る電子線硬化性樹脂組成物、及びそれを用いてなる積層体を提供することにある。
すなわち、本発明は、
1.ポリオール化合物、脂環族ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物から合成されるウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有する電子線硬化性樹脂組成物であって、該ポリオール化合物が、(ポリ)カプロラクトンジオール、ポリエーテルポリオール及びポリカーボーネートポリオールから選択される一種以上であり、かつ、該脂環族ジイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート及び/又は水素添加キシリレンジイソシアネートであることを特徴とする電子線硬化性樹脂組成物、
2.前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の配合量が、電子線硬化性樹脂組成物の総量に対して90〜100質量%である上記1記載の電子線硬化性樹脂組成物、
3.前記ポリエーテルポリオールが、脂肪族ポリエーテルジオールであり、前記ポリカーボネートポリオールが、脂肪族ポリカーボネートジオールである上記1又は2に記載の電子線硬化性樹脂組成物、
4.基材上に、少なくともプライマー層と、表面保護層とをこの順に積層してなる多層積層体であって、該表面保護層が、上記1〜3のいずれかに記載の電子線硬化性樹脂組成物を架橋硬化したものであることを特徴とする積層体、
5.前記プライマー層がウレタン系樹脂からなる上記4記載の積層体、及び
6.前記プライマー層を構成するウレタン系樹脂のJIS K6732に準拠して測定した常温での伸び率が300%以上である上記4又は5に記載の多層積層体、
を提供する。
なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
上記R1は、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状の2価の脂肪族炭化水素基である。
上記R2及びR3は、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状の2価の脂肪族炭化水素基である。
ウレタン(メタ)アクリレートの分子量は、ポリウレタンオリゴマーの分子量、脂環族イソシアネートとポリオール化合物との当量比などを宜選択し、分子量あるいは重量平均分子量で1000〜10,000のものを用いることが好ましく、1000〜5,000のものを用いることがより好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート化合物の官能基数は、2以上であればよく、2〜10であると好ましい。官能基数2のものを用いると、追随性に優れた表面保護層が形成される。ウレタン(メタ)アクリレート化合物の官能基数は、ポリオール化合物の官能基数により適宜調整することが可能である。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコールなどが、架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物などが用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物等が用いられる。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどが用いられる。
滑剤としては、ポリエチレンワックスなどのワックス成分が好適に用いられる。
(積層体)
本発明の積層体は、基材上に、少なくとも、プライマー層と、表面保護層とをこの順に有し、表面保護層が、上述の電子線硬化性樹脂組成物を架橋硬化したものであることを特徴とする。
本発明の積層体に用いる基材としては、耐候性積層体として通常使用されるものであれば、特に制限はないが、プラスチックフィルムが好適に使用される。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素含有樹脂;ポリビニルアルコール;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体;ビニロン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体などのポリエステル;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチルなどのポリ(メタ)アクリレート;ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド;三酢酸セルロース、セロファンなどのセルロース系樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリイミドなどの熱可塑性樹脂フィルムなどが挙げられる。これらは、フィルムの単層体であってもよいし、複数のフィルムからなる積層体であってもよい。
これらの基材のうち、ポリエステル及びポリオレフィンが好適であり、特に耐加水分解性のポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリプロピレンが好適である。
また、基材の厚さとしては、積層体が使用される用途に応じて適宜決定されるものであるが、通常10〜1000μmの範囲であり、20〜500μmの範囲が好ましい。
さらに、該基材には、必要に応じ、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤を添加することができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
本発明の積層体は、基材上にプライマー層が積層されている。該プライマー層は、基材と表面保護層など層間の接着性を向上させるために設けられる層である。
該プライマー層を構成する樹脂としては、上記効果を示すものであれば特に限定されず、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂などを挙げることができる。これらのうち、密着性等の点で、ウレタン系樹脂は好ましい樹脂である。
脂環式イソシアネートとしては、例えば、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、水素添加MDI(水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)等を用いることができる。
また、脂肪族イソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を用いることができる。
アクリル−ウレタンブロック共重合体としては、例えば、(A)アクリル系単量体を主鎖に含み、末端や側鎖にヒドロキシル基を有するヒドロキシル基含有のアクリル重合体部分、(B)ポリカーボネート系ウレタン重合成分、ポリエステル系ウレタン重合体成分及び/又はポリエーテル系ウレタン重合体成分、(C)ジイソシアネート、の3成分の反応生成物からなり、これら3成分を反応させてプレポリマーを製造し、このプレポリマーに更に、ジアミン等の鎖延長剤を反応させて鎖延長することで得られるもの等を好適に使用できる。
なお、上記(B)のポリカーボネートジオール系ウレタン重合成分、ポリエステル系ウレタン重合体成分、ポリエーテル系ウレタン重合体成分は、それぞれ単体で用いても良いし、併用しても良い。また、ポリエステル系ウレタン重合体成分としては、(1)ポリエステルポリオール成分にジアミン化合物を添加しウレタン骨格の一部をウレア化する、(2)ポリエステルポリオール成分にフェニル基を導入する、(3)アルコール成分をポリカーボネート系としたポリエステルポリオール成分にジアミン化合物を添加しウレタン骨格の一部をウレア化する、などによって作られた重合体等も用いることができる。アクリル−ウレタンブロック共重合体のアクリル重合体成分と、ウレタン重合体成分の比率は、適宜調整すれば良いが、質量比で1/99〜60/40が、密着性能が良好である点で好ましく、40/60〜60/40がより好ましい。
なお、ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子ジオールとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオールや、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等がある。
ここで、使用されるジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸類;テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類等が、1種単独で、又は2種以上を混合して使用される。また、上記ラクトンには、ε−カプロラクトン等が使用される。
そして、ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリブチレンヘキサブチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート、ポリエチレンアゼート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンアゼート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等が挙げられ、これらは1種単独で、又は2種以上を混合して使用される。
プライマー層は、前記樹脂を溶媒に溶解し、さらに前記紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤を添加した塗工組成物を用いて形成する。すなわち、これらの組成物を基材上に塗工して、必要に応じ乾燥、硬化させることで形成する。より具体的には、該塗工組成物をグラビアロールコート、ロールコート等の方法で塗工して乾燥硬化させる。プライマー層を形成するための塗工組成物の塗布量は、0.5〜20g/m2(乾燥時)の範囲であることが好ましく、1〜10g/m2(乾燥時)の範囲であることがさらに好ましい。
プライマー層の厚さについては、0.5〜20μmの範囲が好ましく、1〜10μmの範囲がさらに好ましい。
本発明の積層体における表面保護層は、上述の電子線硬化性樹脂組成物を架橋硬化したものである。
本発明においては、このようにして調製された塗工液を、プライマー層の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能を有する表面保護層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、好ましくは2〜20μm程度である。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜10Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
ここで用いられるフィルムとしては、支持体としての役目を有しているが、更にその使用目的により、強度、剛性、水蒸気バリア性、耐候性、耐熱性、耐加水分解性、光反射性、意匠性、表面保護層を形成したのと相対する側の物質との密着性等の機能が必要とされる場合がある。
強度等に優れたフィルムとしては、例えば、機械的、化学的、あるいは、物理的強度に優れ、かつ、絶縁性、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐薬品性、防湿性、防汚性、光反射性、光拡散性、意匠性、その他等の諸特性に優れ、その長期間の使用に対し性能劣化等を最小限に抑え、耐久性に富み、その保護の機能性に優れ、軽く、かつ、加工性等に優れ、そのハンドリングし易い等の利点を有し、更に、より低コストで安全性に富む樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
具体的には、上記のフィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)フィルム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム、ポリ(メタ)アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂フィルム、ポリイミド系樹脂フィルム、ポリアミドイミド系樹脂フィルム、ポリアリールフタレート系樹脂フィルム、シリコン系樹脂フィルム、ポリスルホン系樹脂フィルム、ポリフェニレンスルフィド系樹脂フィルム、ポリエーテルスルホン系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、アセタール系樹脂フィルム、セルロース系樹脂フィルム、その他等の各種の樹脂フィルムを使用することができる。
尚、上記ポリプロピレン系樹脂を使用する場合にフィルム又はシートとしては延伸と無延伸のいずれのものも使用することができ、また、耐加水分解性が要求される場合には、ポリエステル系樹脂として、オリゴマーの含有量が0.1〜0.6質量%であり、さらにカルボキシル末端基量が3〜15当量/トン程度である耐加水分解性ポリエステル樹脂を使用することもできる。
本発明においては、上記の樹脂の中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、又はポリエステル系樹脂が好ましく、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、又はポリエステル系樹脂が更に好ましい。
更に水蒸気バリア性が必要とされる場合には、該1層、又は2層以上の熱可塑性樹脂の少なくとも1層の片面に金属もしくは金属酸化物蒸着物を積層した水蒸気バリア性フィルム、またはアルミニウム箔からなる水蒸気バリア基材等を積層することができる。
更に、表面保護層を形成したのと相対する側の物質との密着性が必要とされる場合、特に熱圧着等によって密着する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数を組み合わせて用いることができる。
また、フィルムの厚さは積層した総厚さで100〜500μmが好ましく、250〜400μmがより好ましい。積層体の機械的強度や電気部材用途に用いられる際の絶縁性を必要とするためである。
作製した積層体ついて、耐候性試験を実施した。以下条件で耐侯性試験後の外観の変化(表面保護層のひび割れや脱離)を評価した。
◎: 20サイクル経過時に外観変化が全くなかった。
○: 20サイクル経過時に外観変化がほとんどなかった。
△: 20サイクル経過時に多少の外観変化が認められた。(光沢の変化や色の変化等)
×: 20サイクル経過時に明らかな外観変化が認められた。(表面保護層の脱離や、明確なひび割れ)
試験機:メタルウェザー試験機(ダイプラ・ウィンテス(株)製、型式:KW−R5TP)
条件:下記の24時間1サイクルを20度繰り返すサイクル試験を行った。フィルターはKF−1フィルターを用いた。
・照度60mW/cm2、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%で20時間、
・照度0mW/cm2(暗闇)、ブラックパネル温度30℃、相対湿度98%4時間、
・明暗切替時に10秒散水
(耐加水分解性)
作製した積層体ついて、温度85℃及び相対湿度85%で2000時間保存し、外観の変化(表面保護層の微細なひび割れや脱離)を評価した。
◎: 2,000時間経過時に外観変化が全くなかった。
○: 2,000時間経過時に外観変化がほとんどなかった。
△: 2,000時間経過時に多少の外観変化が認められた。(光沢の変化や色の変化)
×: 2,000時間経過時に明らかな外観変化が認められた。(表面保護層の脱離や、明確なひび割れ)
(追随性)
作製した積層体ついて、JIS K7127の引張強伸度の測定方法に準拠し、積層体を幅10mm、チャック間距離50mmにて、引張速度100m/minにて測定した。
電離放射線硬化層の脱離、ひび割れが、引張伸度5.0%以上で発生した場合を○として合格とし、5.0%未満で発生した場合を×として不合格とした。積層体の破断伸度が5%未満の場合、積層体の破断点までに、電子放射線硬化層の脱離、ひび割れが起きていない場合を○とし、合格とした。
(プライマーの伸び率)
厚み約20μmのプライマー成分単独の塗膜を作製し、JIS K7127の引張強伸度の測定方法に準拠し、幅10mm、チャック間距離50mmにて、引張速度100m/minにて測定した。そのときの破断点伸度をプライマーの伸び率とし、測定の上限は500%とした
厚さ50μmの耐加水分解性二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)製、商品名:ルミラーX10S)の片方の面にコロナ処理を行った。該コロナ処理面に、ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂とイソシアネート化合物からなる2液硬化型樹脂100質量部に対して、平均粒径約10μmの白色顔料としてルチル型酸化チタンを100質量部、紫外線吸収剤1質量部、及びヒンダードアミン光安定剤2質量部からなる2液硬化型白色プライマー塗工液(伸び率500%)を、乾燥後の厚さが3μmになるように、塗工及び乾燥して、白色プライマー層を形成した。該プライマー層側に、電子線硬化性樹脂組成物として、イソホロンジイソシアネート(IPDI)100質量部と、ポリカプロラクトンジオール(プラクセル 210N、ダイセル化学工業株式会社製、分子量:1000)338質量部とを反応させた後、2−ヒドロキシアクリレート26質量部を用いてアクリレート化してなるウレタン(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、平均粒径8μmのシリカ粒子20質量部、平均粒径5μm、融点165℃のポリエチレンワックス微粉末5質量部、紫外線吸収剤1質量部、ヒンダードアミン系光安定剤2質量部、酸化防止剤1質量部、及び酢酸エチル200質量部を配合してなる塗工液を架橋・硬化後の厚さが5μmになるように塗工し、乾燥した。
次いで、塗布形成された電子線硬化性樹脂組成物からなる層に、電子線照射装置(岩崎電気(株)製、型式:エレクトロカーテンEC250/150/180L)を用いて、酸素濃度100ppm以下の窒素ガス雰囲気中において、加速電圧165kV、吸収線量50kGy、搬送速度10m/minの条件で電子線を照射して架橋硬化させ、表面保護層を形成した。
上記耐加水分解性二軸延伸ポリエステルフィルム上の、表面保護層を形成したのと相対する側に、順次、酸化ケイ素蒸着膜が形成された厚さ12μmのポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリア(登録商標、以下同じ)LX)(該蒸着膜面が耐加水分解性二軸延伸ポリエステルフィルム側になるように配置した)、厚さ100μmの透明二軸延伸ポリエステルフィルム、厚さ120μmの白色高密度ポリエチレンフィルムを、それぞれ塗工乾燥後の厚さが5μmとなるように、ポリウレタン系2液接着剤を使用し、ドライラミネート法により貼り合わせて積層した後、40℃のオーブンで1週間養生して、積層体を作製した。上記方法にて評価した結果を第1表に示す。
実施例1におけるポリカプロラクトンジオールに代えて、ポリカーボネートジオール(プラクセルCD CD210、ダイセル化学工業株式会社製、分子量:1000)338質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。実施例1と同様にして評価した結果を第1表に示す。
実施例2におけるイソホロンジイソシアネート100質量部に代えて、水素添加キシリレンジイソシアネート(水添XDI、分子量:194)87質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。実施例2と同様にして評価した結果を第1表に示す。
実施例1におけるウレタン(メタ)アクリレート化合物にかえて、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)100質量部と、ポリカーボネートジオール(プラクセルCD CD205、ダイセル化学工業株式会社製、分子量:500)95質量部とを反応させた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート44質量部を用いてアクリレート化してなるウレタン(メタ)アクリレート化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。実施例1と同様にして評価した結果を第1表に示す。
実施例2におけるイソホロンジイソシアネート(IPDI)100質量部に代えて、トルエンジイソシアネート(TDI)78質量部を用いた以外は実施例2と同様にして、積層体を作製した。実施例1と同様にして評価した結果を第1表に示す。
実施例2におけるイソホロンジイソシアネート(IPDI)100質量部に代えて、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)113質量部を用いた以外は実施例2と同様にして、積層体を作製した。実施例1と同様にして評価した結果を第1表に示す。
Claims (6)
- ポリオール化合物、脂環族ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物から合成されるウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有する電子線硬化性樹脂組成物であって、該ポリオール化合物が、(ポリ)カプロラクトンジオール、ポリエーテルポリオール及びポリカーボーネートポリオールから選択される一種以上であり、かつ、該脂環族ジイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート及び/又は水素添加キシリレンジイソシアネートであることを特徴とする電子線硬化性樹脂組成物。
- 前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の配合量が、電子線硬化性樹脂組成物の総量に対して90〜100質量%である請求項1記載の電子線硬化性樹脂組成物。
- 前記ポリエーテルポリオールが、脂肪族ポリエーテルジオールであり、前記ポリカーボネートポリオールが、脂肪族ポリカーボネートジオールである請求項1又は2に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
- 基材上に、少なくともプライマー層と、表面保護層とをこの順に積層してなる多層積層体であって、該表面保護層が、請求項1〜3のいずれかに記載の電子線硬化性樹脂組成物を架橋硬化したものであることを特徴とする積層体。
- 前記プライマー層がウレタン系樹脂からなる請求項4記載の積層体。
- 前記プライマー層を構成するウレタン系樹脂のJIS K6732に準拠して測定した常温での伸び率が300%以上である請求項4又は5に記載の多層積層体。
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