JP2012227382A - 太陽電池バックシート - Google Patents
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Abstract
【課題】耐候性及び耐久性に優れるとともに、太陽電池封止材との密着性が向上した太陽電池バックシートを提供することにある。
【解決手段】太陽電池バックシートは、基材フィルムと、この基材フィルムの両面に、ビニル系モノマー及び/又はビニル系オリゴマーを含む硬化性組成物の硬化層とで構成されている。このバックシートは、耐候性及び耐久性に優れるとともに、太陽電池封止材シートとの密着性が高い。
【選択図】なし
【解決手段】太陽電池バックシートは、基材フィルムと、この基材フィルムの両面に、ビニル系モノマー及び/又はビニル系オリゴマーを含む硬化性組成物の硬化層とで構成されている。このバックシートは、耐候性及び耐久性に優れるとともに、太陽電池封止材シートとの密着性が高い。
【選択図】なし
Description
本発明は、太陽電池素子を保護するのに有用な積層シート(太陽電池バックシートなど)に関する。特に、耐候性及び耐久性に優れるとともに、太陽電池封止材との密着性の高い太陽電池バックシートに関する。
太陽電池素子は、太陽光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する半導体デバイスであり、電力消費量や二酸化炭素排出量を削減可能なクリーンエネルギー源の一つとして期待されている。このような太陽電池素子は、一般的に、図1に示す基本構造を有している。すなわち、太陽電池素子(モジュール)1は、フロントガラス2とバックシート(又は裏面保護シート)5との間に、封止材(又は充填材)3を介して太陽電池セル4が封入された構造を有している。これらの部材のうち、バックシートとしては、透明性、絶縁性、低透湿性などが要求され、主として透明プラスチックで構成された種々の積層シートが知られている。
特開2005−322681号公報(特許文献1)には、接着層を介して積層される複数のバリアシートを備えており、このバリアシートが、ポリエチレンテレフタレートで形成された基材フィルムと、この基材フィルムの一方の面に積層されるアルミニウム蒸着層とを有している太陽電池モジュール用バックシートが開示されている。しかし、ポリエステルフィルムは耐候性が充分でなく、太陽光の照射により亀裂が生成し易く、長期間に亘る使用が困難である。また、ラミネート用接着剤を用いて層間を接着するため、生産性が低く、貼り合わせによりフィルムの劣化が生じやすい。
特開2007−273737号公報(特許文献2)には、基材層の片面に少なくとも、無機酸化物の蒸着薄膜層が積層されてなるガスバリア性積層フィルム層の蒸着薄膜層面に、着色層、耐候性樹脂層が順次積層されてなる太陽電池用裏面保護シートにおいて、該着色層及び該耐候性樹脂層が蒸着薄膜層面に電子線硬化型アクリル系インキからなる未硬化被膜層、アクリル系オリゴマーを主成分とする塗布剤からなる未硬化被膜層を順次積層後に電子線を照射して同時に硬化させた太陽電池用裏面保護シートが開示されている。しかし、基材層の厚みが6〜30μm程度であり、このような厚みの小さな基材層の片面に未硬化被覆層を積層して硬化させると、硬化収縮による反りが大きくなり、太陽電池封止材との密着性が低下するなど、実用性が低い。また、耐光性樹脂層に加えて、着色層を必要とするため、生産性が低下する。さらに、太陽電池モジュールの耐候性を向上するには、裏面保護シートの耐候性樹脂層側を最外面とし、基材層側を太陽電池封止材に接着させるのが好ましいが、裏面保護シートは基材層に対して着色層及び耐候性樹脂層が収縮するため、エッジ部でのクラックが発生し易い。
従って、本発明の目的は、耐候性及び耐久性に優れるとともに、太陽電池封止材との密着性が向上した太陽電池バックシートを提供することにある。
本発明の他の目的は、太陽電池封止材と密着してもエッジ部でのクラックの生成を有効に防止できる太陽電池バックシートを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、太陽電池バックシートにおいて、反りの生成を抑制できる形態で、基材フィルムの少なくとも一方の面(特に、両面)にビニル系成分を含む硬化性組成物の硬化層を形成すると、太陽電池封止材との密着性を向上できるとともに、耐候性の高い硬化層により太陽電池の表面を被覆でき、太陽電池モジュールの耐候性及び耐久性を大きく向上できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の太陽電池バックシートは、基材フィルムと、この基材フィルムの少なくとも一方の面(特に、両面)に積層され、ビニル系モノマー及び/又はビニル系オリゴマーを含む硬化性組成物で形成された硬化層とで構成されている。
バックシートは、例えば、(1)基材フィルムの厚みが100〜250μm程度であり、かつ基材フィルムと硬化層全体との厚み比が、前者/後者=5/1〜1/1程度であり、全体の厚みが150〜300μm程度であるバックシート、(2)基材フィルムの厚みが5〜50μm程度であり、かつ基材フィルムと硬化層全体との厚み比が、前者/後者=1/1〜1/20程度であり、全体の厚みが100〜300μm程度であるバックシートなどであってもよい。
基材フィルムの両面に形成された硬化層は、互いに同一又は異なっていてもよい。例えば、基材フィルムの一方の面に積層された硬化層(太陽電池モジュールの表面側の硬化層)の硬度は、他方の面に積層された硬化層(太陽電池封止材との接着面側の硬化層)の硬度に比べて高くてもよい。このように硬化層の硬度を調整することにより、太陽電池モジュールの表面側が僅かに膨出した湾曲状のバックシートを形成できるため、太陽電池モジュールの形状に追従し易く、特に、エッジ部での密着性及び密封性を向上できる。
ビニル系モノマー及び/又はビニル系オリゴマーは、ウレタン(メタ)アクリレートと鎖状(メタ)アクリル系モノマーとを含んでいてもよい。鎖状(メタ)アクリル系モノマーは、鎖状ジ(メタ)アクリレート[例えば、(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート]であってもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートと、鎖状(メタ)アクリル系モノマーとの割合(重量比)は、前者/後者=70/30〜30/70程度であってもよい。
硬化層は、重合開始剤を実質的に含有しない硬化性組成物を電子線で硬化させることにより形成されていてもよい。このような硬化層を備えていると、太陽電池モジュールの耐候性を大きく向上できる。
本発明のバックシートは、少なくとも基材フィルムと硬化層とを含んでいればよく、さらに、着色層を実質的に含んでいなくてもよい。
なお、本明細書中、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを包含する意味で用いる。また、用語「(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート」は、モノアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートと、ジアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとを包含する意味で用いる。
本発明では、反り(カール)の生成を抑制できる形態で、基材フィルムの少なくとも一方の面(特に、両面)に、ビニル系成分を含む硬化性組成物の硬化層を形成するため、太陽電池封止材との密着性に優れ、太陽電池モジュールの耐候性及び耐久性を向上できる。また、本発明では、ビニル系成分をウレタン(メタ)アクリレートと鎖状(メタ)アクリル系モノマー[例えば、(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの鎖状ジ(メタ)アクリレート]で構成すると、柔軟性などに優れた硬化層を形成でき、太陽電池封止材との密着性を格段に向上できる。さらに、本発明では、太陽電池バックシートと太陽電池封止材とを密着しても、エッジ部でクラックが生成するのを有効に防止できる。
本発明の太陽電池バックシートは、基材フィルムと、この基材フィルムの少なくとも一方の面に積層され、ビニル系モノマー及び/又はビニル系オリゴマー(以下、単に「ビニル系成分」という場合がある)を含む硬化性組成物(又は重合性組成物)で形成された硬化層とを含んでいる。
[基材フィルム]
基材フィルムは、硬化層を保持可能なフィルムであれば特に限定されず、通常、プラスチックで構成される。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。具体的には、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶質ポリオレフィンなど)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロヘキサンジメタノールをジオール成分として含むPET系共重合体(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルなど)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フッ素樹脂などが例示できる。
基材フィルムは、硬化層を保持可能なフィルムであれば特に限定されず、通常、プラスチックで構成される。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。具体的には、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶質ポリオレフィンなど)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロヘキサンジメタノールをジオール成分として含むPET系共重合体(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルなど)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フッ素樹脂などが例示できる。
これらのプラスチックは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのプラスチックのうち、強度、透明性、耐久性などのバランスに優れる点から、ポリエステル系樹脂が好ましく、PET、PENなどのポリアルキレンアリレート系樹脂が特に好ましい。
基材フィルムには、必要に応じて、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、可塑剤、耐衝撃改良剤、補強剤、着色剤、分散剤、帯電防止剤、発泡剤、抗菌剤などを添加してもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
基材フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、延伸(一軸又は二軸)フィルムであってもよい。また、基材フィルムの表面には、接着性を向上させるため、コロナ放電やグロー放電などの放電処理、酸処理、焔処理などの表面処理を施してもよい。
基材フィルムの厚みは、特に限定されず、例えば、1〜300μm、好ましくは5〜2800μm、さらに好ましくは10〜250μm程度であってもよい。特に、基材フィルムの一方の面のみに硬化層が形成された積層シートでは、カールの防止、耐久性、絶縁破壊強度などの点から、基材フィルムの厚みは、例えば、100μm以上(例えば、100〜250μm)、好ましくは120〜230μm、さらに好ましくは150〜200μm程度であってもよい。また、基材フィルムの両面に硬化層が形成された積層シートでは、基材フィルムの厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは8〜30μm、さらに好ましくは10〜20μm程度であってもよく、耐久性や絶縁破壊強度などの点から、例えば、100〜250μm(例えば、110〜240μm)、好ましくは120〜230μm(例えば、130〜220μm)、さらに好ましくは140〜210μm(例えば、150〜200μm)程度であってもよい。
基材フィルムの少なくとも一方の面には、他の層(コート層、バリア層など)が形成されていてもよい。他の層は、基材フィルムに対して、単独で積層されていてもよく、二種以上組み合わせて積層されていてもよい。
他の層のうち、バリア層に関し、太陽電池封止材が高度なガスバリア性を有する場合、基材フィルムにバリア層が形成されていなくてもよい。一方、太陽電池封止材がエチレン−酢酸ビニル共重合体などの耐加水分解性が要求される材料で構成されている場合、太陽電池封止材に対して加水分解を抑制し、加水分解に伴う太陽電池素子の腐食を有効に防止する点から、基材フィルムにバリア層が形成されているのが好ましい。
バリア層は、通常、金属又は金属化合物を含んでおり、薄膜(特に、透明性薄膜)を形成可能な金属又は金属化合物で構成されているのが好ましい。このような金属としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期表2A族元素;チタン、ジルコニウム、ルテニウム、ハフニウム、タンタル、銅などの周期表遷移元素;亜鉛などの周期表2B族元素;アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムなどの周期表3B族元素;珪素、ゲルマニウム、錫などの周期表4B族元素;セレン、テルルなどの周期表6B族元素などが例示できる。また、金属化合物としては、前記金属の酸化物、窒化物、酸化窒化物、ハロゲン化物、又は炭化物などが例示できる。これらの金属又は金属化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの金属又は金属化合物のうち、酸化アルミニウム、珪素酸化物などの金属酸化物が好ましい。
バリア層の厚みは、成膜方法に応じて適宜選択でき、例えば、10〜400nm、好ましくは20〜300nm程度であってもよい。
バリア層は、慣用の成膜方法、例えば、物理的気相法(真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法など)、化学的気相法(プラズマCVD方など)などにより形成できる。
なお、基材フィルムとバリア層との間には、アンカー層を設けてもよい。アンカー層としては、後述の硬化層と同様の層(例えば、少なくともウレタンアクリレートを含む硬化性組成物で形成された硬化層など)などであってもよい。アンカー層の厚みは、特に限定されず、例えば、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜8μm、さらに好ましくは1〜5μm(例えば、2〜3μm)程度であってもよい。
基材フィルムの水蒸気バリア性(温度40℃、湿度90%RH)は、例えば、20〜60g/m2/day、好ましくは30〜50g/m2/day程度である。バリア層が形成された基材フィルムの水蒸気バリア性(温度40℃、湿度90%RH)は、例えば、0.1〜10g/m2/day、好ましくは0.5〜5g/m2/day程度であってもよい。なお、水蒸気透過度は、慣用の測定装置[例えば、「PERMATRAN」「AQUATRAN」(mocon社製)など]により測定できる。
基材フィルムは、太陽電池バックシートとして要求される絶縁性を有していればよく、例えば、絶縁破壊強度は、150〜300kV/mm、好ましくは160〜290kV/mm程度であってもよい。なお、絶縁破壊強度は、例えば、JIS C2110に準拠して、厚み0.1mmの試験片に対して、短時間法又は段階法により電圧を印加し、絶縁破壊が生じる電圧を測定することにより算出でき、慣用の測定装置(例えば、ヤマヨ試験器(有)製「YST-243-100RH0」など)により測定できる。
[硬化層]
硬化層(又は耐候性樹脂層など)は、ビニル系モノマー及び/又はビニル系オリゴマー(プレポリマー)を含む硬化性組成物(又は重合性組成物)を硬化(又は重合)させることにより形成される。
硬化層(又は耐候性樹脂層など)は、ビニル系モノマー及び/又はビニル系オリゴマー(プレポリマー)を含む硬化性組成物(又は重合性組成物)を硬化(又は重合)させることにより形成される。
(ビニル系成分)
ビニル系モノマーには、単官能ビニル系モノマー[単官能(メタ)アクリレート(又はモノ(メタ)アクリレート)類など]、二官能ビニル系モノマー[二官能(メタ)アクリレート(又はジ(メタ)アクリレート)類など]、3官能以上のビニル系モノマー[3官能以上の多官能(メタ)アクリレート(又はポリ(メタ)アクリレート)類など]が含まれる。
ビニル系モノマーには、単官能ビニル系モノマー[単官能(メタ)アクリレート(又はモノ(メタ)アクリレート)類など]、二官能ビニル系モノマー[二官能(メタ)アクリレート(又はジ(メタ)アクリレート)類など]、3官能以上のビニル系モノマー[3官能以上の多官能(メタ)アクリレート(又はポリ(メタ)アクリレート)類など]が含まれる。
単官能ビニル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのC1−24アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどの橋架け環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレート又はC2−10アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートなどのフルオロC1−10アルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのアリールオキシアルキル(メタ)アクリレート;フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアリールオキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;グリセリンモノ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールモノ(メタ)アクリレート;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示できる。
二官能ビニル系モノマーとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどのビスフェノール類(ビスフェノールA、Sなど)のC2−4アルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート;脂肪酸変性ペンタエリスリトールなどの酸変性アルカンポリオールのジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどの橋架け環式ジ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
多官能ビニル系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオール(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン、グリセリンなどのアルカンポリオールのC2−4アルキレンオキサイド付加体のトリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどのトリアジン環を有するトリ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
これらのモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ビニル系オリゴマーとしては、重合性基を有するビニル系オリゴマー、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート;ポリエステル(メタ)アクリレート[例えば、多価カルボン酸とポリオールと(メタ)アクリル酸及び/又はヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応により生成するポリエステル(メタ)アクリレートなど];エポキシ(メタ)アクリレート[例えば、複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物(多価アルコール型、多価カルボン酸型、ビスフェノールA、F、Sなどのビスフェノール型、ノボラック型などのエポキシ樹脂)に(メタ)アクリル酸が開環付加したエポキシ(メタ)アクリレートなど];ポリアクリル(メタ)アクリレート[例えば、(メタ)アクリル系単量体とグリシジル(メタ)アクリレートとの共重合体に(メタ)アクリル酸をエポキシ基に開環付加したポリアクリル(メタ)アクリレートなど];ポリエーテル(メタ)アクリレート;ポリブタジエン系(メタ)アクリレート;メラミン(メタ)アクリレート;ポリアセタール(メタ)アクリレート;シリコーン(メタ)アクリレートなどが例示できる。これらのオリゴマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのビニル系成分のうち、少なくともビニル系オリゴマーが好ましく、特に、柔軟性、耐熱性、耐候性、吸湿安定性などの点から、少なくともウレタン(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系オリゴマーが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート類[又はポリイソシアネート類とポリオール類との反応により生成し、遊離のイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー]に活性水素原子を有する(メタ)アクリレート[例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど]を反応させることにより得られたウレタン(メタ)アクリレートで構成されている。
ポリイソシアネート類としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する限り特に制限されず、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、複素環式ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの誘導体などが挙げられる。これらのうち、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、ポリイソシアネートの誘導体などを用いる場合が多い。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート[例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などのC2−16アルカンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、リジンジイソシアネート(LDI)など]、分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(例えば、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネートなどのC6−20アルカントリイソシアネートなど)などが挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート(例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、水添キシリレンジイソシアネート、水添ビス(イソシアナトフェニル)メタン、ノルボルナンジイソシアネートなど)、分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(例えば、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどのトリイソシアネートなど)などが挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトフェニル)プロパンなど)、分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(例えば、1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼン、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどのトリイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどのテトライソシアネートなど)などが挙げられる。
ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、前記ポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、炭酸ガスと上記ポリイソシアネート単量体との重合物である2,4,6−オキサジアジントリオン環を有するポリイソシアネート、カルボジイミド、ウレットジオンなどが挙げられる。
これらのポリイソシアネート類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリイソシアネート類のうち、HDIなどの脂肪族ジイソシアネート、IPDI、水添XDIなどの脂環族ジイソシアネート、XDIなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、TDI、MDI、NDIなどの芳香族ジイソシアネートなどを用いる場合が多く、耐候性の点から、非芳香族ポリイソシアネート、例えば、HDIなどの脂肪族ジイソシアネート、IPDI、水添XDIなどの脂環族ジイソシアネートなどの無黄変タイプのジイソシアネート又はその誘導体(イソシアヌレート環を有するトリマーなど)を用いてもよい。
前記ポリオール類としては、低分子量ポリオール[例えば、脂肪族ポリオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコールなどのC2−10アルカンジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのC3−12脂肪族ポリオールなど)、脂環族ポリオール(1,4−シクロヘキサンジオールなどのシクロアルカンジオール類、水添ビスフェノールAなどの水添ビスフェノール類、又はこれらのC2−4アルキレンオキサイド付加体など)、芳香族ポリオール(キシリレングリコールなどの芳香脂肪族ジオール、ビスフェノールA、S、Fなどのビスフェノール類、又はこれらのC2−4アルキレンオキサイド付加体など)]、ポリマーポリオール類[例えば、ポリエーテルポリオール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリC2−4アルキレングリコールなど)、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオールなど]などが挙げられる。
これらのポリオール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリオール類のうち、柔軟性及び汎用性などの点から、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールなどのポリマーポリオール類が好ましい。特に、柔軟性などの点から、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが好ましく、吸湿安定性に優れる点から、ポリエステルポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオールは、例えば、ポリカルボン酸(又はその無水物)とポリオールとの反応生成物、開始剤に対してラクトン類を開環付加重合させた反応生成物であってもよい。
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸類[例えば、芳香族ジカルボン酸又はその無水物(テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸など)、脂環族ジカルボン酸又はその無水物(テトラヒドロ無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸など)、脂肪族ジカルボン酸又はその無水物(コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC4−20アルカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸など)など]、多価カルボン酸類(例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸など)、又はこれらのカルボン酸類のアルキルエステルなどが例示できる。これらのポリカルボン酸のうち、脂肪族ジカルボン酸又はその無水物(アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC6−20アルカンジカルボン酸など)が好ましい。これらのポリカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ポリオールとしては、前記脂肪族ジオール、前記脂環族ジオール、前記芳香族ジオールなどが挙げられる。これらのポリオールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ラクトン類としては、例えば、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、エナントラクトン(7−ヒドロキシヘプタン酸ラクトン)などのC3−10ラクトンなどが挙げられる。これらのラクトン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのラクトン類のうち、バレロラクトンやカプロラクトンなどのC4−8ラクトンが好ましい。
ラクトン類に対する開始剤としては、例えば、水、オキシラン化合物(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどのC2−6アルキレンオキシドなど)の単独又は共重合体[例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)など]、低分子量ポリオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAなど)、アミノ基を有する化合物(例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミンなどのジアミン化合物、ジエチレントリアミンなどのポリアミン化合物など)などが挙げられる。これらの開始剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリウレタンプレポリマーとしては、例えば、前記ポリイソシアネート類の多量体、前記ポリイソシアネート類のビュレット変性多量体、前記ポリイソシアネート類と前記ポリオール類とのアダクト体、前記ポリオール類に対して過剰量の前記ポリイソシアネート類を反応させて得られたポリウレタンプレポリマーなどが挙げられる。これらのプレポリマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましいポリウレタンプレポリマーは、例えば、前記ポリイソシアネート類の多量体(三量体、五量体、七量体など)、前記ポリイソシアネート類のビュレット多量体(ビュレット変性体)、前記ポリイソシアネート類とポリオール類(グリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類)とのアダクト体、前記ジイソシアネートとポリエステルポリオールとのポリウレタンプレポリマー、前記ジイソシアネートとポリエーテルポリオールとのポリウレタンプレポリマー、特に、前記ジイソシアネートとポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールとのポリウレタンプレポリマーなどが好ましい。
活性水素原子を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−6アルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルコキシC2−6アルキル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの1分子中における(メタ)アクリロイル基の数は、1〜10程度の範囲から選択でき、例えば、2〜8、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4(特に2〜3)程度である。
特に、ウレタン(メタ)アクリレートは、太陽電池バックシートの柔軟性を向上させる点から、2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。さらに、ウレタン(メタ)アクリレートは、太陽電池バックシートの柔軟性と機械的強度とを両立させる点から、2〜3官能(特に2官能)のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートと4〜8官能(好ましくは5〜8官能、さらに好ましくは6官能)のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートとを組み合わせてもよい。例えば、太陽電池バックシートの柔軟性と機械的強度とのバランスを調整するために、両者の割合(重量比)を、2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート/4〜8官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート=50/50〜90/10程度の範囲から選択してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート類と活性水素原子を有する(メタ)アクリレートとを、通常、イソシアネート基と活性水素原子が略当量となる割合(イソシアネート基/活性水素原子=0.8/1〜1.2/1程度)で組み合わせて製造される。なお、これらのウレタン(メタ)アクリレートの製造方法について、特開2008−74891号公報などを参照できる。3官能以上の多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのポリオール類を利用して得られたウレタン(メタ)アクリレートであってもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、500〜10000程度の範囲から選択でき、例えば、600〜5000、好ましくは700〜3000、さらに好ましくは800〜2000(特に800〜1200)程度であってもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの割合は、ビニル系成分全体に対して、例えば、20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%程度であってもよい。
ビニル系成分は、ウレタン(メタ)アクリレートなどのビニル系オリゴマーに加えて、ビニル系モノマーを含んでいるのが好ましい。なお、ビニル系モノマーは、柔軟性を保持し、エッジ部分などによる密着性や密封性を向上させる点からは、橋架け環式(メタ)アクリレート(特に、イソボルニル(メタ)アクリレート)を実質的に含有しなくてもよく、耐熱性をコントロールする点からは、橋架け環式(メタ)アクリレートを含有してもよい。
さらに、ビニル系成分は、柔軟性などを向上し、エッジ部分などによる密着性や密封性を向上させる点から、ウレタン(メタ)アクリレートと鎖状(メタ)アクリル系モノマーとで構成されているのが好ましい。鎖状(メタ)アクリル系モノマーとしては、前記例示のビニル系モノマーのうち、例えば、C1−24アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレート、フルオロC1−10アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アルカンポリオールモノ(メタ)アクリレートなどの鎖状モノ(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、アルカンポリオールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、酸変性アルカンポリオールのジ(メタ)アクリレートなどの鎖状ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの鎖状(メタ)アクリル系モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの鎖状(メタ)アクリル系モノマーのうち、鎖状ジ(メタ)アクリレート[例えば、(ポリ)C2−6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]が好ましく、特に、ポリC2−6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ乃至テトラC2−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]が好ましい。
ビニル系オリゴマー[例えば、ウレタン(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系オリゴマーなど]と、ビニル系モノマー[例えば、(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの鎖状(メタ)アクリル系モノマーなど]との割合(重量比)は、前者/後者=99/1〜1/99程度の範囲から選択でき、例えば、90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは70/30〜30/70(特に、60/40〜40/60)程度であってもよい。
ビニル系成分の割合(ビニル系モノマー及びビニル系オリゴマーの合計の割合)は、硬化性組成物全体に対して、例えば、50〜100重量%、好ましくは60〜99重量%、さらに好ましくは70〜95重量%程度であってもよい。
(重合開始剤)
硬化性組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。重合開始剤は、熱重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物などの熱ラジカル発生剤)であってもよく、光重合開始剤(光ラジカル発生剤)であってもよい。好ましい重合開始剤は、光重合開始剤である。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など)、フェニルケトン類[例えば、アセトフェノン類(例えば、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなど)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンなどのアルキルフェニルケトン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのシクロアルキルフェニルケトン類など]、アミノアセトフェノン類{2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1など}、アントラキノン類(アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなど)、チオキサントン類(2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなど)、ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど)、ベンゾフェノン類(ベンゾフェノンなど)、キサントン類、ホスフィンオキサイド類(例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなど)などが例示できる。これらの光重合開始剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
硬化性組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。重合開始剤は、熱重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物などの熱ラジカル発生剤)であってもよく、光重合開始剤(光ラジカル発生剤)であってもよい。好ましい重合開始剤は、光重合開始剤である。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など)、フェニルケトン類[例えば、アセトフェノン類(例えば、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなど)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンなどのアルキルフェニルケトン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのシクロアルキルフェニルケトン類など]、アミノアセトフェノン類{2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1など}、アントラキノン類(アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなど)、チオキサントン類(2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなど)、ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど)、ベンゾフェノン類(ベンゾフェノンなど)、キサントン類、ホスフィンオキサイド類(例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなど)などが例示できる。これらの光重合開始剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
重合開始剤の割合は、ビニル系モノマー及びビニル系オリゴマーの合計100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部(特に3〜8重量部)程度であってもよい。
なお、光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせてもよい。光増感剤としては、慣用の成分、例えば、第3級アミン類[例えば、トリアルキルアミン、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミンなど)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸アミルなどのジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどのビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンなど]、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、N,N−ジメチルトルイジンなどのトルイジン類、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどのアントラセン類などが挙げられる。光増感剤は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
光増感剤の割合は、前記光重合開始剤100重量部に対して、例えば、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜80重量部、さらに好ましくは1〜50重量部程度であってもよい。
重合開始剤(特に光重合開始剤及び光増感剤)は、電子線を照射して硬化性組成物を硬化する場合には、実質的に含有しないのが好ましい。重合開始剤を含有しない場合、耐候性、特に、長期間の使用に対する難黄変性が向上する。
硬化性組成物は、重合開始剤以外にも、慣用の添加剤、例えば、着色剤、重合性希釈剤、酸化防止剤、熱安定剤などの安定化剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの添加剤のうち、着色剤に関して、反射光を有効利用する点から、硬化性組成物に着色剤を含有しなくてもよいが、意匠性などの点から、硬化性組成物に着色剤を含有してもよい。着色剤としては、例えば、赤色染顔料[例えば、カドミウムレッド(火赤)、カドミウムマーキュリレッドなどの無機顔料、ピグメントスカーレットブルーイッシュレッドなどの有機顔料]、橙色染顔料、黄色染顔料[例えば、セラミックエロー、ジンククロメートエロー(亜鉛黄)、カドミウムサルファイドエロー、チタニウムピグメントエローバフなどの無機顔料、ニッケルアゾグリーンエローなどの有機顔料]、緑色染顔料[例えば、ハイドロクロムオキサイドグリーンなどの無機顔料、クロミウムオキサイドダルグリーン、フタロシアニングリーンなどの有機顔料]、青色染顔料[例えば、ウルトラマリンブルー、コバルトアルミネートブルーなどの無機顔料、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーなどの有機顔料]、紫色染顔料[例えば、プトマトーナスバイオレットメジウムレッド、キナクリドンバイオレットなどの有機顔料]、茶色染顔料(例えば、ナチュラルインオルガニクス・シーナスアイアンオキサイドアンバー、アイアンオキサイドバフブラウンなどの無機顔料)、白色染顔料(例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポン、アイアンオキサイドなどの無機顔料)などが挙げられる。これらの着色剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、着色剤は、平均粒子径が、例えば、100〜300nm、好ましくは150〜250nm程度の粒状であってもよい。このように硬化性組成物に着色剤を含有させる場合、硬化層自体が着色層としての機能を有するため、太陽電池バックシートは、硬化層に加えて、着色層を含んでいなくてもよい。
添加剤(特に着色剤)の割合は、硬化性組成物全体に対して、例えば、0.01〜40重量%、好ましくは0.1〜35重量%、さらに好ましくは1〜30重量%(例えば、10〜30重量%)程度であってもよい。
さらに、硬化性組成物は、基材フィルムに対する塗布性を向上させる点などから、有機溶媒を含有していてもよい。有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、カルビトール類(メチルカルビトールなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが例示できる。これらの有機溶媒は、単独で又は混合溶媒として使用できる。
硬化層の厚みは、特に限定されず、1〜200μm程度の範囲から選択でき、例えば、1〜150μm(例えば、5〜120μm)、好ましくは5〜100μm(例えば、10〜60μm)程度であってもよく、1〜5μm(例えば、1〜3μm)程度であってもよい。
基材フィルムと硬化層との厚み比は、例えば、基材フィルムの一方の面に硬化層が形成された太陽電池バックシートでは、基材フィルム/硬化層=1/1〜15/1、好ましくは1.5/1〜10/1、さらに好ましくは2/1〜5/1程度であってもよい。また、基材フィルムの両面に硬化層が形成された太陽電池バックシートでは、基材フィルム/硬化層全体(硬化層の厚みの合計)=20/1〜1/20程度の範囲から選択でき、例えば、15/1〜1/15、好ましくは10/1〜1/10、さらに好ましくは5/1〜1/5程度であってもよい。より具体的には、基材フィルムが100〜250μm程度のとき、厚み比は、基材フィルム/硬化層全体=10/1〜1/2、好ましくは5/1〜1/1.5、さらに好ましくは3/1〜1/1程度であってもよい。また、基材フィルムが5〜50μm程度のとき、厚み比は、基材フィルム/硬化層全体=1/1〜1/20、好ましくは1/2〜1/18、さらに好ましくは1/5〜1/15程度であってもよい。このように厚み比を調整することにより、カールの生成を有効に防止し、太陽電池封止材との密着性を向上できる。
なお、基材フィルムの両面に硬化層が形成されている場合、両者の硬化層において、層構成(構成成分、厚みなど)は、互いに同一であってもよいが、異なっていてもよい。例えば、第1の硬化層(太陽電池表面側の硬化層)の硬度は、第2の硬化層(太陽電池封止材との接着面側の硬化層)の硬度に比べて高くてもよい。また、第1の硬化層の厚みに対して、第2の硬化層の厚みは、例えば、1〜2倍、好ましくは1.1〜1.5倍程度であってもよい。このように硬化層の硬度や厚み比を調整することにより、硬化時の塗膜収縮率の差を利用して、バックシートを適度に内側(太陽電池封止材との接着面側)にカールさせて、太陽電池モジュールの形状に対して追従させることができる。すなわち、このバックシートは、太陽電池表面側が僅かに膨出して湾曲しているため、図1からも明らかなように、特に、エッジ部での追従性、密着性、密封性を大きく向上できる。そのため、バックシートと太陽電池封止材とを密着しても、エッジ部でクラックが発生するのを有効に防止できる。
[太陽電池バックシート及びその特性]
本発明のバックシートは、前記基材フィルムと硬化層とを含んでいればよく、耐候性、耐久性、及び太陽電池封止材との密着性を阻害しない限り、必要に応じて、他の層(コート層、保護層など)が積層されていてもよい。
本発明のバックシートは、前記基材フィルムと硬化層とを含んでいればよく、耐候性、耐久性、及び太陽電池封止材との密着性を阻害しない限り、必要に応じて、他の層(コート層、保護層など)が積層されていてもよい。
バックシートの厚みは、特に限定されず、耐久性、絶縁性などの点から、100μm以上(例えば、100〜500μm)であってもよく、100〜300μm(例えば、150〜300μm)、好ましくは110〜290μm、さらに好ましくは120〜280μm程度であってもよい。
本発明のバックシートは、耐候性及び耐久性に優れており、長期間に亘り、過酷な条件で紫外線などに照射されても黄変が抑制される。例えば、ウェザーメーター(スガ試験機(株)製、スーパーキセノンウェザーメーター、「SX2−75」)を用いて、JIS K7350−2に準拠した暴露試験を行った後のb*値は、例えば、3以下(例えば、0.05〜3)、好ましくは2以下(例えば、0.1〜2)、さらに好ましくは1.5以下(例えば、0.3〜1.5)程度である。
バックシートの水蒸気バリア性(温度40℃、湿度90%RH)は、例えば、0.1〜50g/m2/day、好ましくは1〜45g/m2/day程度であり、耐加水分解性が要求される太陽電池封止材に対して加水分解を抑制し、加水分解に伴う太陽電池素子の腐食を有効に防止する点から、0.1〜10g/m2/day、好ましくは0.5〜5g/m2/day程度であってもよい。なお、水蒸気透過度は、慣用の測定装置[例えば、「PERMATRAN」「AQUATRAN」(mocon社製)など]により測定できる。
バックシートは、高い透明性を有しており、JIS K7361−1に準拠して測定した全光線透過率が、例えば、80%以上(例えば、80〜100%)、好ましくは85%以上(例えば、85〜99%)、さらに好ましくは90%以上(例えば、90〜98%)程度である。JIS K7361−1に準拠して測定したヘーズは、例えば、5%以下(例えば、0.1〜5%)、好ましくは3%以下(例えば、0.2〜3%)、さらに好ましくは2.5%以下(例えば、0.5〜2.5%)程度である。
[太陽電池バックシートの製造方法]
本発明の太陽電池バックシートは、慣用の方法、例えば、基材フィルムの少なくとも一方の面に、ビニル系成分を含む硬化性組成物を塗布した後、硬化させることにより調製できる。
本発明の太陽電池バックシートは、慣用の方法、例えば、基材フィルムの少なくとも一方の面に、ビニル系成分を含む硬化性組成物を塗布した後、硬化させることにより調製できる。
硬化性組成物の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、リバースコーター法、バーコーター法、コンマコーター法、ディップ・スクイズコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、マイクログラビアコーター法、シルクスクリーンコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法などが挙げられる。これらの塗布方法のうち、バーコーター法やグラビアコーター法などが汎用される。
硬化性組成物が有機溶媒を含有する場合など、塗布後は、必要に応じて乾燥を行ってもよい。乾燥は、例えば、50〜150℃、好ましくは60〜140℃、さらに好ましくは70〜130℃程度の温度で行ってもよい。
硬化性組成物は、重合開始剤の種類に応じて加熱して硬化させてもよいが、通常、活性エネルギー線を照射することにより硬化できる。活性エネルギー線として、熱及び/又は光エネルギー線を利用でき、特に光エネルギー線を利用するのが有用である。光エネルギー線としては、放射線(ガンマー線、X線など)、紫外線、可視光線、電子線(EB)などが利用でき、通常、紫外線、電子線である場合が多い。特に、高い耐候性を有する太陽電池用保護シートを製造する場合には、電子線で照射してもよい。
光源としては、例えば、紫外線の場合は、Deep UV ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、レーザー光源(ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマレーザーなどの光源)などを用いることができる。照射光量(照射エネルギー)は、塗膜の厚みにより異なるが、例えば、50〜10000mJ/cm2、好ましくは70〜7000mJ/cm2、さらに好ましくは100〜5000mJ/cm2程度であってもよい。
電子線の場合は、電子線照射装置などの露光源によって、電子線を照射する方法が利用できる。照射量(線量)は、塗膜の厚みにより異なるが、例えば、1〜200kGy(キログレイ)、好ましくは5〜150kGy、さらに好ましくは10〜100kGy(特に20〜80kGy)程度である。加速電圧は、例えば、10〜1000kV、好ましくは50〜500kV、さらに好ましくは100〜400kV程度である。
なお、活性エネルギー線(特に電子線)の照射は、必要であれば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなど)雰囲気中で行ってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例における各評価項目の評価方法は以下の通りである。
[耐候性評価]
耐候性評価はJIS A−1415規定の促進暴露試験方法に準拠した。すなわち、試作した太陽電池用バックシートを、サンシャインウェザーメーターを用いて、キセノンランプによる照射下、暴露試験を行った。詳細には、スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機(株)製、「SX2−75」)を用い、JIS K7350−2に準拠して、下記の条件で200時間の暴露試験を行った。
耐候性評価はJIS A−1415規定の促進暴露試験方法に準拠した。すなわち、試作した太陽電池用バックシートを、サンシャインウェザーメーターを用いて、キセノンランプによる照射下、暴露試験を行った。詳細には、スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機(株)製、「SX2−75」)を用い、JIS K7350−2に準拠して、下記の条件で200時間の暴露試験を行った。
放射照度:180W/m2
暴露サイクル:102分照射後、18分照射及び水噴霧
槽内ブラックスタンダード温度:65℃、相対湿度:50%。
暴露サイクル:102分照射後、18分照射及び水噴霧
槽内ブラックスタンダード温度:65℃、相対湿度:50%。
暴露試験後、暴露の反対面に亀裂がないかどうか、フィルムに黄変がないかどうかを確認した。亀裂と黄変の両方が見られたら「×」、亀裂はないが黄変が見られたら「○」、亀裂も黄変もない場合を「◎」とした。
[耐湿熱評価]
耐湿熱評価は耐候性保護層に対して、85℃−85%RHの条件で2000時間の環境試験を行い、引張り試験を行い破断伸度の低下が発生するかどうかで判断した。破断伸度の低下が見られたものを「×」、低下が見られなかったものを「○」とした。
耐湿熱評価は耐候性保護層に対して、85℃−85%RHの条件で2000時間の環境試験を行い、引張り試験を行い破断伸度の低下が発生するかどうかで判断した。破断伸度の低下が見られたものを「×」、低下が見られなかったものを「○」とした。
参考例1
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの片面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、トリプロピレングリコールジアクリレート「TPGDA」)50重量部、光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製、Irgacure 184)6重量部の混合溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、高圧水銀灯を用いて紫外線照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの片面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、トリプロピレングリコールジアクリレート「TPGDA」)50重量部、光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製、Irgacure 184)6重量部の混合溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、高圧水銀灯を用いて紫外線照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
参考例2
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの片面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、TPGDA)50重量部の混合溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの片面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、TPGDA)50重量部の混合溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
参考例3
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの片面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、TPGDA)50重量部の混合溶液に平均粒子径が210nmの酸化チタン30重量部を分散させた溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの片面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、TPGDA)50重量部の混合溶液に平均粒子径が210nmの酸化チタン30重量部を分散させた溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
実施例1
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの両面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、TPGDA)50重量部の混合溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、窒素雰囲気中で加速電圧300kV、線量50kGyの条件で電子線を照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの両面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、TPGDA)50重量部の混合溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、窒素雰囲気中で加速電圧300kV、線量50kGyの条件で電子線を照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
実施例2
厚み12μmのPETフィルムに真空中で酸化アルミニウム(Al2O3)を蒸着したフィルムの両面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、TPGDA)50重量部の混合溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
厚み12μmのPETフィルムに真空中で酸化アルミニウム(Al2O3)を蒸着したフィルムの両面に、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、TPGDA)50重量部の混合溶液を、ワイヤーバーを用いて50μmの塗膜になるように流延させた後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射することで、太陽電池用バックシートを得た。
比較例1
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの片面に、ウレタン系の接着剤を塗布乾燥した後、厚さ50μmのPETフィルムを積層することで、比較用の太陽電池用バックシートを得た。
厚み188μmのPETフィルムを基材フィルムとして、この基材フィルムの片面に、ウレタン系の接着剤を塗布乾燥した後、厚さ50μmのPETフィルムを積層することで、比較用の太陽電池用バックシートを得た。
結果を表1に示す。なお、表1において、「UA」はウレタンアクリレート系樹脂を示す。
表1から明らかなように、比較例のバックシートに比べ、実施例のバックシートは耐候性及び耐湿熱性に優れている。特に、電子線(EB)で硬化させて硬化層が形成された実施例並びに参考例2及び3のバックシートは、紫外線(UV)で硬化させて硬化層が形成された参考例1のバックシートに比べて、耐候性に優れている。
本発明の積層シートは、耐候性及び耐久性に優れるとともに、太陽電池封止材(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)との密着性が高いため、太陽電池素子の保護部材[例えば、太陽電池バックシート(又は裏面保護シート、背シート、保護シートなど)など]として好適に使用できる。
1…太陽電池モジュール
2…ガラス基板
3…封止材シート
4…太陽電池セル
5…バックシート
2…ガラス基板
3…封止材シート
4…太陽電池セル
5…バックシート
Claims (10)
- 基材フィルムと、この基材フィルムの両面に積層され、ビニル系モノマー及び/又はビニル系オリゴマーを含む硬化性組成物で形成された硬化層とで構成された太陽電池バックシート。
- 基材フィルムの厚みが100〜250μmであり、かつ基材フィルムと硬化層全体との厚み比が、前者/後者=5/1〜1/1であり、全体の厚みが150〜300μmである請求項1記載の太陽電池バックシート。
- 基材フィルムの厚みが5〜50μmであり、かつ基材フィルムと硬化層全体との厚み比が、前者/後者=1/1〜1/20であり、全体の厚みが100〜300μmである請求項1記載の太陽電池バックシート。
- 基材フィルムの一方の面に積層された硬化層の硬度が、他方の面に積層された硬化層の硬度に比べて高い請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池バックシート。
- ビニル系モノマー及び/又はビニル系オリゴマーが、ウレタン(メタ)アクリレートと鎖状(メタ)アクリル系モノマーとを含む請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池バックシート。
- 鎖状(メタ)アクリル系モノマーが、鎖状ジ(メタ)アクリレートである請求項5記載の太陽電池バックシート。
- 鎖状ジ(メタ)アクリレートが、(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートである請求項6記載の太陽電池バックシート。
- ウレタン(メタ)アクリレートと、鎖状(メタ)アクリル系モノマーとの割合(重量比)が、前者/後者=70/30〜30/70である請求項5〜7のいずれかに記載の太陽電池バックシート。
- 硬化層が、重合開始剤を実質的に含有しない硬化性組成物を電子線で硬化させることにより形成されている請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池バックシート。
- 着色層を実質的に含まない請求項1〜9のいずれかに記載の太陽電池バックシート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011094100A JP2012227382A (ja) | 2011-04-20 | 2011-04-20 | 太陽電池バックシート |
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---|---|---|---|---|
WO2014041940A1 (ja) | 2012-09-14 | 2014-03-20 | 富士フイルム株式会社 | 硬化性組成物および画像形成方法 |
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JP2014194981A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Dainippon Printing Co Ltd | 太陽電池モジュール用裏面保護シート |
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-
2011
- 2011-04-20 JP JP2011094100A patent/JP2012227382A/ja not_active Withdrawn
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