JP2014141087A - 高耐久機能性成型シート及びそれを用いて得られる加飾成型品 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた三次元成型性を有するとともに、耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れた表面を有する加飾成型品を製造することが可能な高耐久機能性成型シートを提供する。
【解決手段】接着層4、基材シート3、及び表皮層1がこの順で積層されており、表皮層1が、モノオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリアミン(C)、及びポリオール(D)を反応させて得られるポリウレタン樹脂を含有する光硬化性樹脂組成物からなり、モノオール(A)とポリオール(D)の少なくともいずれかは(メタ)アクリロイルオキシ基を有し、ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が2,000〜150,000である高耐久機能性成型シート10。
【選択図】図1

Description

本発明は、高耐久機能性成型シート及びそれを用いて得られる加飾成型品に関する。
従来、加飾成型品を得る方法として、インモールド成型及びインサートモールド成型(以下、併せて「インモールド成型」とも記す)が知られている。一方、三次元表面加飾成型方法は、より高い意匠性を付与することが可能であるとともに、型が不要であるといった特徴を有する方法であり、パソコン等の家電製品用の筺体や車輛内外装パーツ等を製造する成型方法として用途を広げている。このような三次元表面加飾成型方法に用いられる一般的な加飾シートは、ガードフィルム、表皮層、基材シート、接着層、及びセパレートフィルムを構成層とする積層体である。
一般的な三次元表面加飾成型方法は、例えば、以下に示す(1)〜(6)の工程にしたがって実施される。
(1)加飾シートを下チャンバーボックス上部に設置されたテーブルに挟む。
(2)上チャンバーを降下させて密閉空間とする。
(3)両チャンバー内を真空状態にする。
(4)加飾シートを赤外線ヒーターで加熱する。
(5)下チャンバーボックスに設置した成型部品を上昇させる。
(6)成型部品が加飾シートに接触した段階で上チャンバーを大気圧に開放させる。
三次元表面加飾成型方法における成型温度は80〜110℃程度であり、インモールド成型における成型温度120〜200℃程度と比較して低温である。このため、成型前に活性エネルギー線を照射してシートを硬化させる従来の技術(例えば、特許文献1参照)では、成型時の伸び率が不足して三次元形状に追随できず、割れが生じやすくなる場合があった。
これに対して、成型時の伸びに追随させるべく、表皮層を紫外線硬化型の未硬化樹脂で形成しておき、成型後に紫外線を照射して表皮層を硬化させることで、成型性と耐擦傷性を両立させる技術がある。しかしながら、このような未硬化樹脂は流動性が高く、タックもあるために取り扱いが困難であるという問題があった。なお、このような問題を解決すべく、例えば、紫外線を照射して表皮層をハーフ硬化させる方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、表皮層の硬化が進み過ぎると、成型時の伸びに追随することができずにクラックが生ずる等の不具合が発生しやすく、制御が難しい方法であった。
また、特許文献3には、耐擦過性と三次元成型性とを両立させることを目的とした、(メタ)アクリロイル基含有ポリウレタン樹脂が提案されている。しかしながら、ポリウレタンに(メタ)アクリロイル基を導入することを目的にプロピレングリコールとグリシジルアクリレートを反応して得られる、アクリロイル基含有ポリオールを原料としているため、主鎖のポリウレタン構造にエーテル結合が存在することになる。このため、耐熱耐久性が不十分であった。
特開2005−292198号公報 特開平6−134859号公報 特開2010−53357号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、優れた三次元成型性を有するとともに、耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れた表面を有する加飾成型品を製造することが可能な高耐久機能性成型シートを提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記の高耐久機能性成型シートを用いて製造される、耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れた表面(硬化層)を有する加飾成型品を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、以下に示す高耐久性機能性成型シートが提供される。
[1]接着層、基材シート、及び表皮層がこの順で積層されているとともに、必要に応じて前記接着層の表面にセパレートフィルムが配置され、かつ、必要に応じて前記表皮層の表面にガードフィルムが配置されており、前記表皮層が、モノオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリアミン(C)、及びポリオール(D)を必須成分として反応させて得られる、下記一般式(1)で表されるポリウレタン樹脂を含有する光硬化性樹脂組成物からなり、前記モノオール(A)の水酸基のモル数と前記ポリオール(D)の水酸基のモル数の合計に対する、前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル数の比((B)/((A)+(D)))が1.5〜3であるとともに、前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル数に対する、前記モノオール(A)の水酸基のモル数、前記ポリアミン(C)のアミノ基のモル数、及び前記ポリオール(D)の水酸基のモル数の合計の比(((A)+(C)+(D))/(B))が0.7〜1.0であり、前記モノオール(A)と前記ポリオール(D)の少なくともいずれかは(メタ)アクリロイルオキシ基を有するとともに、前記モノオール(A)、前記ポリイソシアネート(B)、前記ポリアミン(C)、及び前記ポリオール(D)の合計に占める、(メタ)アクリロイルオキシ基を有しない前記ポリオールの(D)の割合は、30質量%以下であり、前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が2,000〜150,000である高耐久機能性成型シート。
Figure 2014141087
(前記一般式(1)中、R1はモノオール残基を示し、R2はポリイソシアネート残基を示し、R3はポリアミン残基を示し、R4はポリオール残基を示し、m及びnは、それぞれ繰り返し数を示す)
[2]前記ポリイソシアネート(B)が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリイソシアネートである前記[1]に記載の高耐久機能性成型シート。
[3]前記ポリオール(D)が、ポリカーボネートポリオールである前記[1]又は[2]に記載の高耐久機能性成型シート。
[4]前記ポリウレタン樹脂の二重結合当量が、130〜1300g/eq.である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
[5]前記光硬化性樹脂組成物が、さらに光重合開始剤を0.01〜10質量%含有する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
[6]前記接着層、前記基材シート、及び前記表皮層の少なくともいずれかに意匠が施されている前記[1]〜[5]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
[7]前記接着層、前記基材シート、及び前記表皮層のうちのいずれか二層の層間に意匠層が配置されている前記[1]〜[6]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
[8]前記接着層が、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化又は酸変性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、及びテルペン系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂を含むか、或いは、ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂の少なくともいずれかの熱硬化性樹脂を含む前記[1]〜[7]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
また、本発明によれば、以下に示す加飾成形品が提供される。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シートを用いて得られる、前記表皮層を紫外線硬化させて形成された硬化層を有する加飾成型品。
本発明の高耐久機能性成型シートは、三次元成型時にクラック等の不具合が生じにくく、優れた三次元成型性を有する。そして、本発明の高耐久機能性成型シートを用いれば、耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れた表面を有する加飾成型品を簡便に製造することができる。また、本発明の加飾成型品は、上記の高耐久機能性成型シートを用いて製造されるものであり、耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れた表面(硬化層)を有する。
本発明の高耐久機能性成型シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。
(高耐久機能性成型シート)
図1は、本発明の高耐久機能性成型シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の高耐久機能性成型シート(以下、単に「機能性成型シート」とも記す)10は、接着層4、基材シート3、意匠層2、及び表皮層1がこの順で積層されている。表皮層1は、耐擦傷性及び衝撃抵抗性を有する層である。なお、接着層4の表面にはセパレートフィルム5が配置されていてもよい。また、表皮層1の表面にはガードフィルム6が配置されていてもよい。高耐久機能性成型シート10を用いて成型部品を三次元加飾した後、紫外線照射により硬化することにより、耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れた加飾成型品(表面層)を得ることができる。
(ガードフィルム)
未硬化の表皮層を保護するガードフィルムの材質等は、三次元成型(真空成型)への適性を考慮して適宜選定される。一般的には熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム(シート)がガードフィルムとして使用される。熱可塑性樹脂としては、PET、ポリカーボネート、ABS樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びアロイ樹脂等を挙げることができる。
(表皮層)
本発明の機能性成型シートを構成する表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層の、JIS K5400に準拠して測定される荷重500gにおける鉛筆硬度は、好ましくはH以上、さらに好ましくは2H以上、特に好ましくは3H以上である。すなわち、本発明の機能性成型シートは、表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層の硬度が十分に高いため、耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れた表面を有する加飾成型品を製造することができる。さらに、紫外線硬化させる前の表皮層は、伸びが良好である。すなわち、本発明の機能性成型シートは、その表皮層が、紫外線照射前は優れた三次元成型性を有しながらも紫外線照射後は十分に硬化する。このため、本発明の機能性成型シートを用いれば、耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れた表面を有する加飾成型品を、割れ等の不具合を生じさせることなく簡便に製造することができる。なお、硬化層の鉛筆硬度の上限については特に限定されないが、実質的には5H以下である。
表皮層は、下記一般式(1)で表されるポリウレタン樹脂(以下、単に「ポリウレタン」とも記す)を含有する光硬化性樹脂組成物によって形成される。このポリウレタンは、モノオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリアミン(C)、及びポリオール(D)を必須成分として反応させることで得ることができる。
Figure 2014141087
(前記一般式(1)中、R1はモノオール残基を示し、R2はポリイソシアネート残基を示し、R3はポリアミン残基を示し、R4はポリオール残基を示し、m及びnは、それぞれ繰り返し数を示す)
モノオール(A)の水酸基のモル数とポリオール(D)のの水酸基のモル数の合計に対する、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル数の比((B)/((A)+(D)))は1.45〜3.1であることが好ましく、1.5〜3であることがさらに好ましい。(B)/((A)+(D))の値が1.45未満であると、ポリウレタン中のウレア結合が少なくなるとともに、ポリウレタンの分子量も小さくなる。このため、形成される表皮層の表面タックが強くなる、或いは強度不足から成型時に割れが生じやすくなる。一方、(B)/((A)+(D))の値が3.1を超えると、ポリウレタンの分子量が大きくなりすぎてしまい、塗工性が低下する。また、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル数に対する、モノオール(A)の水酸基のモル数、ポリオール(D)の水酸基のモル数、及びポリアミン(C)の合計の比(((A)+(C)+(D))/(B))は0.7〜1.0、好ましくは0.75〜1.0である。
また、ポリウレタンの重量平均分子量は、2,000〜150,000である。重量平均分子量が2,000以上のポリウレタンを用いることで、以下に示す(i)〜(iii)の効果を得ることができる。
(i)紫外線硬化前の表面タックが低減して操作性が向上する。
(ii)三次元成型性が向上する。
(iii)耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れた表面を有する加飾成型品を製造することができる。
ポリウレタンの重量平均分子量が2,000未満であると表皮層の表面タック(表面粘着性)が強くなり、操作性が低下する。一方、ポリウレタンの重量平均分子量が150,000を超えると、光硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、塗布しにくくなる。なお、耐擦傷性及び衝撃抵抗性と三次元成型性とを好適に両立させる観点からは、ポリウレタンの重量平均分子量は3,000〜100,000であることが好ましい。なお、本明細書における数平均分子量及び重量平均分子量は、特に断りがない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。分子量の測定条件は以下に示す通りである。
(1)機器装置:商品名「HLC−8020」(東ソー社製)
(2)カラム:商品名「TSKgel G2000HXL」、「G3000HXL」、「G4000GXL」(東ソー社製)
(3)溶媒:THF
(4)流速:1.0ml/min
(5)試料濃度:2g/L
(6)注入量:100μL
(7)温度:40℃
(8)検出器:型番「RI−8020」(東ソー社製)
(9)標準物質:TSK標準ポリスチレン(東ソー社製)
ポリウレタンの二重結合当量は130〜1300g/eq.であることが好ましく、140〜1200g/eq.であることがさらに好ましい。ポリウレタンの二重結合当量が上記範囲内であると、紫外線硬化によって耐擦傷性、衝撃抵抗性、耐溶剤性、及び耐久性に優れた表皮層を提供することができる。なお、ポリウレタンの二重結合当量が130g/eq.未満であると、紫外線硬化後の塗膜が脆くなり、又は、二重結合がもはやすべて反応できなくなり、残存した二重結合が耐候性を低下させる傾向にある。一方、ポリウレタンの二重結合当量が1300g/eq.を超えると、架橋密度が低くなり、表面硬度が低く、耐溶剤性や耐久性に劣る傾向にある。
ポリウレタンを得るための重合反応(ウレタン化反応)の条件は特に限定されず、公知のウレタン化反応の条件を適用させればよい。例えば、先ず、モノオール(A)、ポリイソシアネート(B)、及びポリオール(D)を用いて重合反応(プレポリマー反応)を行い、その末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを合成する。次いで、プレポリマーに対して、イソシアネート基がなくなるまでポリアミン(C)を添加して反応(アミン伸長反応)させれば、目的とするポリウレタンを得ることができる。プレポリマー反応時の温度(重合温度)は、通常20〜120℃、好ましくは50〜80℃である。また、アミン伸長反応時の温度(重合温度)は、通常0〜50℃、好ましくは10〜50℃である。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有しないポリオール(D)は、耐衝撃性等を改良するとともに、光反応性を適度に調整する観点から使用することが好ましい。なお、(メタ)アクリロイルオキシ基を有しないポリオール(D)を用いる場合、モノオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリアミン(C)、及びポリオール(D)の合計に占める、(メタ)アクリロイルオキシ基を有しないポリオール(D)の割合は、30質量%以下とすることが好ましく、0.1〜25質量%とすることがさらに好ましい。(メタ)アクリロイルオキシ基を含有しないポリオール(D)の割合が30質量%を超えると、(メタ)アクリロイルオキシ基の含有量が相対的に減少するため、表皮層を硬化させて形成される硬化層の硬度が低下する傾向にある。
ポリオール(D)としては、低分子ジオールや高分子ポリオールを用いることができる。低分子ポリオールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族グリコール類;1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式系グリコール類を挙げることができる。なお、水酸基とエチレン性不飽和基を含有するモノマーを低分子ジオールとして用いることができる。これらの低分子ジオール、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子ポリオールの具体例としては、以下に示す(1)〜(6)の群に属するものを挙げることができる。
(1)ポリエーテルポリオール、例えば、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)及び/又は、複素環式エーテル(テトラヒドロフラン等)を重合又は共重合して得られるもの、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール(ブロック又はランダム)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレングリオール等。
(2)ポリエステルポリオール、例えば、脂肪族系ジカルボン酸類(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸等)及び/又は芳香族系ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸、テレフタル酸等)と低分子量グリコール類(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレンングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等)とを縮重合したもの、具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペートジオール、ポリブチレンイソフタレートジオール等。
(3)ポリラクトンポリオール、例えば、ポリカプロラクトンジオール又はトリオール、ポリ−3−メチルバレロラクトンジオール等。
(4)ポリカーボネートポリオール、ポリカーボネートポリオールの具体例としては、ポリトリメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリネオペンチルカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、ポリデカメチレンカーボネートジオール、及びこれらのランダム/ブロック共重合体等。
(5)ポリオレフィンポリオール、例えば、ポリブタジエングリコール、ポリイソプレングリコール又は、その水素化物等。
(6)ポリメタクリレートポリオール、例えば、α,ω−ポリメチルメタクリレートジオール、α,ω−ポリブチルメタクリレートジオール等。
ただし、耐久性及び耐熱性の観点から、主としてポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
ポリイソシアネート(B)の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類を挙げることができる。イソシアネート基含有アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとの重合物である商品名「Laromer LR9000」(BASF社製)を挙げることができる。この商品名「Laromer LR9000」は、分子中にイソシアネート基とアクリロイル基の両方を有することから、ポリウレタン分子中にランダムに単官能アクリロイル基を導入することができる。すなわち、多官能(メタ)アクリレートと組み合わせた場合に形成される表皮層のUV反応性が向上するため、表面硬度の高い硬化層を形成することができる。また、ひずみの緩和による反りの解消に有効である。これらのポリイソシアネートは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミン(C)の具体例としては、エチレンジアミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ジアミン;、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン;ヒドラジン、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のヒドラジン類;ジアリルアミン化合物等の不飽和基を含むポリアミン類を挙げることができる。光硬化性樹脂組成物の流動性を低減し、表面タックを軽減させるという観点からは、脂環式ジアミン類が特に好ましい。これらのポリアミン(C)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有し、末端又は側鎖に1〜2個のヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートであれば、モノオール(A)又はポリオール(D)として使用することができる。これらの分子中の(メタ)アクリロイル基(官能基)数は、得られる加飾成型品の耐擦傷性をさらに向上させる観点から、1以上であることが好ましく、3以上であることがさらに好ましい。これらの(メタ)アクリレートは、ポリウレタンの鎖伸長剤や末端停止剤として使用することができる。具体例としては、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシルプロピルアクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタアクレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンモノメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、イソシアヌル酸 EO 変性ジアクリレート、イソシアヌル酸 EO 変性ジメタクリレート、2−ヒドロキシルブチルアクリレート、2−ヒドロキシルブチルメタクリレート等を挙げることができる。これらのモノオール(A)及びポリオール(D)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有しないモノオール(A)の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等を挙げることができる。これらのモノオール(A)は、樹脂希釈剤として用いてもよく、反応停止剤として用いてもよい。
重合モノマーとしてポリシロキサンを用いると、得られるポリウレタンの構造中にポリシロキサンに由来する構成単位を導入することができる。すなわち、ポリシロキサンが両末端反応型であれば、ポリシロキサンに由来する構成単位は、得られるポリウレタンの主鎖に導入される。一方、ポリシロキサンが片末端反応型又は分岐反応型であれば、ポリシロキサンに由来する構成単位は、得られるポリウレタンの末端又は主鎖から分岐した状態で含有される。ポリシロキサンの具体例としては、以下に示す構造式で表される(1)アミノ変性ポリシロキサン、及び(2)アルコール変性ポリシロキサン等を挙げることができる。なかでも、一分子中にヒドロキシ基又はアミノ基を2個有するポリシロキサンが好ましい。
(1)アミノ変性ポリシロキサン
Figure 2014141087
(2)アルコール変性ポリシロキサン
Figure 2014141087
ポリシロキサンを重合モノマーとして用いることで、表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層に滑り特性やぬめり触感を付与することができる。なお、これらのポリシロキサンは、光硬化性樹脂組成物に単に添加されるのではなく、構成単位としてポリウレタン中に含まれている(共重合されている)ので、溶剤、日光、熱、湿気等のダメージを受けた場合であってもポリウレタン中に保持され、効果が持続する。ポリウレタン中のポリシロキサンに由来する構成単位の割合は、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがさらに好ましい。ポリシロキサンに由来する構成単位の割合が0.1質量%未満であると、シリコーンの特性が発現されにくくなる。一方、ポリシロキサンに由来する構成単位の割合が概ね30質量%を超えると、滑り特性やぬめり触感を硬化層に付与する効果が頭打ちとなる。
光硬化性樹脂組成物が紫外線硬化タイプの組成物である場合には、光硬化性樹脂組成物に光重合開始剤をさらに含有させることが好ましい。光硬化性樹脂組成物に光重合開始剤を含有させることで、三次元成型後の表皮層をより速やかに紫外線硬化させることができる。光硬化性樹脂組成物に含有させる光重合開始剤の量は、光硬化性樹脂組成物100質量%中、0.01〜10質量%とすることが好ましく、0.1〜5質量%とすることがさらに好ましい。なお、光硬化性樹脂組成物が電子線(EB)硬化タイプの組成物である場合には、光硬化性樹脂組成物に光重合開始剤を含有させなくてもよい。
光重合開始剤としては、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等を挙げることができる。なお、光硬化性樹脂組成物には、p−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等の光増感剤をさらに含有させてもよい。また、保存安定性を高める目的で、重合禁止剤を光硬化性樹脂組成物に添加することが好ましい。
光硬化性樹脂組成物には、通常、溶剤が含有される。溶剤としては、ポリウレタンを溶解させるものであれば特に制限されない。溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール系溶剤と、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤との混合溶剤が、ポリウレタンの溶解性及び乾燥性が良好であるために好ましい。また、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤や、ジメチルカーボネート等の低分子量カーボネート系溶剤等も用いることができる。
樹脂組成物には、表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層に付与しようとする物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤の具体例としては、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色材等を挙げることができる。なお、耐候性改善剤としては、HALS等のヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤等を光硬化を阻害しない範囲で使用することができる。
また、光硬化性樹脂組成物にシリカ、有機ビーズ、顔料、染料等の着色剤や体質顔料等を配合することで、形成される表皮層に意匠を施すことができる。すなわち、表皮層に意匠層としての機能を発揮させてもよい。例えば、触感性を付与する場合は有機ビーズ、特にウレタンビーズを添加することが好ましい。着色剤としては、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等を挙げることができる。また、良好な触感と同様に艶消し効果を与えるには、シリカ、有機ビーズを添加することが好ましい。なお、これらの着色剤等を過度に配合すると、表皮層の紫外線硬化が阻害されやすくなるので過剰にならない様に使用することが好ましい。よって、表皮層に施す意匠は必要最低限とし、本格的な意匠は意匠層に施すことが好ましい。
(接着層)
接着層の構成材料(バインダー樹脂)としては、本発明の機能性成型シートを貼付する対象となる部材の材質等に応じて、熱可塑性樹脂、並びに熱硬化性及び紫外線硬化性等の硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化又は酸変性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、テルペン系樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。硬化性樹脂の具体例としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また、接着層を形成する樹脂にシリカ、有機ビーズ、顔料、染料等の着色剤や体質顔料等を用いて意匠を施すことで、意匠が施された樹脂層を接着層とすることができる。
(意匠層)
表皮層と基材シートの間、又は基材シートと接着層の間に意匠層を設けることができる。意匠層を構成する材料としては、熱可塑性樹脂、並びに熱硬化性及び紫外線硬化性等の硬化性樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化又は変性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、硬化性樹脂の具体例としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂に、シリカ、有機ビーズ、顔料、染料等の着色剤や体質顔料等を用いて意匠を施すことで意匠層とすることができる。着色剤としては、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等を挙げることができる。また、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等を用いて蒸着、スパッタリング、或いは箔転写等することによって設けた金属薄膜を意匠層としてもよい。
なお、高度なデザイン性を付与することを目的として、意匠層に付与された図柄と同様の図柄や他の図柄が付与された第2の意匠層を、表皮層と意匠層の間に設けることも好ましい。また、基材シートと意匠層の密着性を向上させるために、これらの間にプライマー層を設けてもよい。
(セパレートフィルム)
セパレートフィルムは、主として接着層を保護することを目的とするフィルム(層)である。セパレートフィルムとしては、例えば、熱可塑性樹脂からなるフィルムが用いられる。セパレートフィルムの厚さや材質は特に限定されないが、一般的には厚さ50〜100μm程度のPETフィルムが好適である。
(基材シート)
基材シートの材質等は、三次元成型(真空成型)への適性を考慮して適宜選定される。一般的には、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム(シート)が基材シートとして使用される。基材シートを構成する熱可塑性樹脂としては、PET、ポリカーボネート、ABS樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びアロイ樹脂等を挙げることができる。
(機能性成型シートの作製方法)
以下、本発明の機能性成型シートを作製する方法の一例について説明する。先ず、基材シートの表面上に、通常の塗工方法により意匠層形成用の樹脂組成物等を塗布して塗工層を形成する。基材シートは、プライマー処理やコロナ放電処理を行って表面改質しておいてもよい。これらの処理は、必要に応じて裏面に行ってもよい。基材シートの表面上に意匠層形成用の樹脂組成物等を塗布する方法としては、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、デップコート、シルクスクリーンによるコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、スプレーコート等の通常の塗布方法を挙げることができる。意匠層の乾燥温度は、通常60〜100℃、好ましくは70〜90℃である。また、インクジェット法により意匠層を形成することもできる。特に、UV硬化型のインクジェットインクをインクジェット法により塗工することによって意匠層を形成することができる。インクジェットインクとしては、水や有機溶剤を含まないものを使用することが主流であり、このようなインクを用いた場合には特に乾燥を必要としない。
また、予め転写シートに形成しておいた意匠層を基材シートに転写してもよい。この際、意匠層と基材シートとの密着性を向上させるために、これらの間にプライマー層を設けてもよい。意匠層の意匠性を向上させるために、金属薄膜等を形成してもよく、積層して複層構造の意匠層としてもよい。金属薄膜は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用いて、真空蒸着、スパッタリング、箔転写等の方法で成膜することができる。
次いで、形成された意匠層の表面上に通常の塗工方法により表皮層用塗料(樹脂組成物)を塗布して塗工層を形成する。形成した塗工層を乾燥すれば、表皮層を形成することができる。表皮層用塗料を塗布する方法(塗工方法)としては、前述の意匠層形成用の樹脂組成物等を塗布する方法と同様の方法を挙げることができる。表皮層用の塗料の乾燥温度は、通常60〜100℃、好ましくは70〜90℃である。その後、必要に応じてガードフィルムを表皮層の表面に貼着する。
基材シートの裏面(意匠層及び表皮層が形成された面と反対側の面)上に、接着層形成用の樹脂組成物等を塗布した後、乾燥すれば、接着層を形成することができる。接着層形成用の樹脂組成物等を塗布する方法(塗工方法)としては、前述の意匠層形成用の樹脂組成物等を塗布する方法と同様の方法を挙げることができる。接着層用の塗料の乾燥温度は、通常60〜100℃、好ましくは70〜90℃である。また、予め転写シートに形成しておいた接着層を基材シートに転写してもよい。形成された接着層上に、この接着層を保護するためのセパレートフィルムを貼付すれば、本発明の機能性成型シートを得ることができる。
(加飾成型品)
本発明の加飾成型品は、上記本発明の機能性成型シートを用いて得られる。すなわち、本発明の加飾成型品は、上述の表皮層を紫外線硬化させて形成された硬化層を有するので、耐擦傷性及び衝撃抵抗性に優れている。なお、本発明の加飾成型品は、前述の機能性成型シートを使用し、一般的な三次元加飾成型(真空成型)を行うことで製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<ポリウレタンの調製>
(合成例1:ポリウレタン1の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0gと、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)3.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル186gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)61.9g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート96.5gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で4時間反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃まで冷却してイソプロピルアルコール187gで希釈して、イソホロンジアミン62.6gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタン1を含有する樹脂溶液1を得た。得られた樹脂溶液1の粘度は200mPa・s/20℃、二重結合当量は162g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン1の重量平均分子量は3900であった。
(合成例2:ポリウレタン2の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0gと、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)3.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル174gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)46.4g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート72.4gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で4時間反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃まで冷却してイソプロピルアルコール174gで希釈して、イソホロンジアミン31.3gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタン2を含有する樹脂溶液2を得た。得られた樹脂溶液2の粘度は160mPa・s/20℃、二重結合当量は145g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン2の重量平均分子量は3500であった。
(合成例3:ポリウレタン3の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0gとポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)20.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル186gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)63.3g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート98.7gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で4時間反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃まで冷却してイソプロピルアルコール186gで希釈して、イソホロンジアミン64.1gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタン3を含有する樹脂溶液3を得た。得られた樹脂溶液3の粘度は280mPa・s/20℃、二重結合当量は168g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン3の重量平均分子量は4500であった。
(合成例4:ポリウレタン4の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0gと、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)3.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル190gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)61.9g、4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート86.9g、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートの重合体、Laromer LR9000(BASF社製、両末端イソシアネートプレポリマー、NCO%=15.1)を20.4g仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で4時間反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃まで冷却してイソプロピルアルコール190gで希釈して、イソホロンジアミン62.6gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタン4を含有する樹脂溶液4を得た。得られた樹脂溶液4の粘度は240mPa・s/20℃、二重結合当量は162g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン4の重量平均分子量は4000であった。
(合成例5:ポリウレタン5の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0g、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)3.0g、及び下記式で表されるシロキサンポリオール(n=整数、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)26.0gを仕込んだ。
Figure 2014141087
次いで、溶剤として酢酸エチル196.8gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)63.8g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート99.5gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で4時間反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃まで冷却してイソプロピルアルコール198gで希釈して、イソホロンジアミン64.6gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタン5を含有する樹脂溶液5を得た。得られた樹脂溶液5の粘度は220mPa・s/20℃、二重結合当量は171g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン5の重量平均分子量は4200であった。
(比較合成例1:ポリウレタン6の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル186gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)61.6g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート96.1gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で4時間反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃まで冷却してイソプロピルアルコール186gで希釈して、イソホロンジアミン62.4gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタン6を含有する樹脂溶液6を得た。得られた樹脂溶液6の粘度は200mPa・s/20℃、二重結合当量は161g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン6の重量平均分子量は3800であった。
(比較合成例2:ポリウレタン7の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0gと、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)3.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル170gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)37.1g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート57.9gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で4時間反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃まで冷却してイソプロピルアルコール170gで希釈して、イソホロンジアミン12.5gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタン7を含有する樹脂溶液7を得た。得られた樹脂溶液7の粘度は60mPa・s/20℃、二重結合当量は133g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン7の重量平均分子量は1800であった。
(比較合成例3:ポリウレタン8の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、水酸基とメタクリロイルオキシ基を含有する化合物(エポキシエステル40EM、共栄社化学社製、分子量346)400gと、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)3.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル251gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)272.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で4時間反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃まで冷却してイソプロピルアルコール251gで希釈して、イソホロンジアミン78.7gを徐々に滴下して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。酢酸エチルとイソプロピルアルコールの質量比が1:1、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタン8を含有する樹脂溶液8を得た。得られた樹脂溶液8の粘度は160dPa・s/20℃、二重結合当量は327g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン8の重量平均分子量は15,000であった。なお、使用した水酸基とメタクリロオキシ基を含有する化合物(エポキシエステル40EM)の構造を以下に示す。
Figure 2014141087
(比較合成例4:ポリウレタン9の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)400.0gと、リヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)3.0gを仕込んだ。次いで、溶剤として酢酸エチル186gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)61.9g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート96.5gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して75℃で4時間反応させ、プレポリマーを得た。次いで、30℃まで冷却してイソプロピルアルコール186gで希釈して、イソホロンジアミン18.7g(当量の30%)を徐々に滴下した。その後、固形分が40%となるまで希釈して、ポリウレタン9を含有する樹脂溶液9を得た。得られた樹脂溶液9の粘度は45mPa・s/20℃、二重結合当量は148g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン9の重量平均分子量は1500であった。
上記の合成例で用いた各成分の配合(組成)、得られた各ポリウレタンの重量平均分子量及び二重結合当量を表1に示す。
Figure 2014141087
<表皮層用塗料の調製>
(表皮層用塗料1)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分40%の表皮層用塗料1を得た。
(表皮層用塗料2)
合成例2で得た樹脂溶液2 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分40%の表皮層用塗料2を得た。
(表皮層用塗料3)
合成例3で得た樹脂溶液3 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分40%の表皮層用塗料3を得た。
(表皮層用塗料4)
合成例4で得た樹脂溶液4 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分40%の表皮層用塗料4を得た。
(表皮層用塗料5)
合成例5で得た樹脂溶液5 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分40%の表皮層用塗料5を得た。
(表皮層用塗料6)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2g、及び意匠用フィラー(商品名「サイリシア 420」、富士シリシア化学社製、湿式法シリカ、平均粒子径3.1μm)12.0gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させ、表皮層用塗料6を得た。
(表皮層用塗料7)
合成例5で得た樹脂溶液5 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2g、及び意匠用フィラー(商品名「ダイミックビーズUCN−5070D」、大日精化工業社製、ウレタン系有機ビーズ、平均粒径7μm)12.0gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させ、表皮層用塗料7を得た。
(比較表皮層用塗料1)
比較合成例1で得た樹脂溶液6 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分40%の比較表皮層用塗料1を得た。
(比較表皮層用塗料2)
比較合成例2で得た樹脂溶液7 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分40%の比較表皮層用塗料2を得た。
(比較表皮層用塗料3)
比較合成例3で得た樹脂溶液8 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分40%の比較表皮層用塗料3を得た。
(比較表皮層用塗料4)
比較合成例4で得た樹脂溶液9 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2gを配合し、酢酸エチルとイソプロピルアルコールを質量比1:1の比率で配合して、固形分40%の比較表皮層用塗料4を得た。
上記の表皮層用塗料を調製する際に用いた各成分の配合を表2に示す。
Figure 2014141087
<意匠層用組成物の調製>
(意匠層用組成物1)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール40.0g、を仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)146gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソホロンジイソシアネート143.0gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタンを含有する意匠用樹脂溶液1を得た。粘度は420dPa・s/20℃、固形分は40%、GPCにより測定した重量平均分子量は44,000であった。得られた意匠用樹脂溶液1 100.0gに対しノンリーフィングタイプのアルミペースト(商品名「MH−6601」、旭化成工業製、固形分65%)12.0g、溶剤としてMEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の意匠用組成物1を得た。
(意匠層用組成物2)
蒸着用のアルミニウムを意匠層用組成物2とした。
(意匠層用組成物3)
UV反応型のモノマー、顔料、及び重合開始剤を含有するインクジェットプリンター用のUVインクを意匠層用組成物3とした。
(意匠層用組成物4)
意匠層用樹脂溶液1 100gに黒顔料分散着色剤(商品名「セイカセブンSS01−323ブラック」、大日精化工業社製、固形分25%、溶剤:MEK、顔料:カーボンブラック)20.0g、溶剤としてMEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の意匠層用組成物4を得た。
<接着層用樹脂組成物の調製>
以下に示す接着層用樹脂組成物は、接着層を形成するための材料としてだけではなく、意匠層と基材シートとの密着性を向上させるためのプライマーとしても使用することができる。
(接着層用樹脂組成物1)
変性ポリオレフィン(商品名「アウローレン 150S」、日本製紙ケミカル社製)を、メチルシクロヘキサンとメチルエチルケトンを9:1の質量比で含有する混合溶媒に溶解させ、固形分15%としたものを接着層用樹脂組成物1とした。
(接着層用樹脂組成物2)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール10.0g、を仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)118gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソホロンジイソシアネート62.2gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタンを含有する接着層用樹脂組成物2を得た。得られた接着層用樹脂組成物2の粘度は610dPa・s/20℃、固形分は55%であった。また、接着層用樹脂組成物2に含まれるポリウレタンのGPCにより測定した重量平均分子量は21,000であった。
(接着層用樹脂組成物3)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、メチルエチルケトン(MEK)100g、メタクリル酸メチル50.0gを仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。アクリル酸ブチル50.0g、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2gの混合物を用意した。混合物の半分を反応容器内に添加し、残りの半分を滴下ロートで1時間かけて反応容器内に滴下した。滴下後、そのままの状態で6時間反応させて、アクリル重合体からなる接着層用樹脂組成物3を得た。得られた接着層用樹脂組成物3の粘度は80dPa・s/20℃、固形分は55%であった。また、接着層用樹脂組成物3に含まれるアクリル重合体のGPCにより測定した重量平均分子量は35,000であった。
<機能性成型シートの作製>
(実施例1)
基材シートとして、厚さ1mmのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)シート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂3を塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例1)を得た。
(実施例2〜7及び比較例1〜4)
表1及び2に示す種類の表皮層用塗料又は比較表皮層用塗料を用いて表皮層を形成したこと以外は、前述の実施例1の場合と同様にして機能性成型シート(実施例2〜7及び比較例1〜4)を得た。
(実施例8)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成した。100℃に加熱したしぼ入りのエンボスロールを使用して加工(凹凸加工)を行い、表皮層の表面に凹凸模様を形成した。次いで、基材シートの裏面(意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例8)を得た。
(実施例9)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物1をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成した。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例9)を得た。
(実施例10)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物2であるアルミニウムを蒸着して意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成した。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例10)を得た。
(実施例11)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。その後、形成したプライマー層の表面にインクジェットプリンターを使用して意匠層用組成物3であるUVインクを塗布して意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成した。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例11)を得た。
(実施例12)
厚さ0.5mmのポリプロピレン(PP)シート(表面エネルギー30mN/m)を用意した。このPPシートの表裏両面にコロナ放電処理を行い、表面エネルギー37mN/mの基材シートを得た。得られた基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物1を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。その後、形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成した。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物1を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例12)を得た。
(実施例13)
基材シートとして、厚さ0.5mmのポリカーボネート(PC)シートを用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物2を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。その後、形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成した。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物2を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例13)を得た。
<加飾成型品の作製>
真空成型機(商品名「NGF−0404−S型」、布施真空社製)を使用し、80℃に加温したABS樹脂、PP樹脂、又はPC樹脂製の被加飾部材表面に100℃に加温した実施例1〜11、及び比較例1〜4の機能性成型シートを真空成型によりそれぞれ貼着した。また、同様にして、80℃に加温したポリプロピレン製の被加飾部材表面に100℃に加温した実施例12の機能性成型シートを貼着した。さらに、同様にして、80℃に加温したポリカーボネート製の被加飾部材表面に100℃に加温した実施例13の機能性成型シートを貼着した。部材表面に貼着された機能性成型シートに対して積算光量2000mJ/cm2となるようにUV照射して表皮層を硬化させて硬化層を形成して加飾成型品を得た。
<評価方法>
(1)三次元成型性(真空成型性)
機能性成型シート(紫外線硬化前)を使用して作製した加飾成型品の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って三次元成型性(真空成型性)を評価した。結果を表3及び4に示す。
◎:表皮層及び意匠層に塗膜割れや白化が全く認められず、型の形状に良好に追従した。
○:三次元形状部又は最大延伸部の一部に微細な塗膜割れ又は白化が認められたが、実用上問題ないレベルであった。
△:三次元形状部又は最大延伸部の一部に軽微な塗膜割れ又は白化が認められた。
×:表皮層及び意匠層が型の形状に追従できず、塗膜割れ又は白化が認められた。
(2)耐ブロッキング性
表皮層用塗料及び比較表皮層用塗料を、乾燥膜厚が約30μmとなるようにそれぞれPETフィルム上に塗工して表皮層を形成した。形成した表皮層に無処理のPETフィルムを重ねて、7×7cmの正方形にカットして試料を作製した。作製した試料を硝子板で挟み、荷重20kg/49cm2の条件下、45℃で1日保存した。25℃まで放冷した後、無処理のPETフィルムをはがした。表皮層を目視観察し、以下に示す評価基準に従って耐ブロッキング性を評価した。結果を表3及び4に示す。
○:表皮層に著しい変化は生じなかった。
×:ブロッキングにより表皮層に破断やウキが生じた。
(3)鉛筆硬度
JIS K5400に準拠し、荷重500gの条件で、作製した加飾成型品の表面(紫外線硬化済みの硬化層)の鉛筆硬度を測定した。結果を表3及び4に示す。
(4)耐溶剤性
キシレンを含ませた脱脂綿を使用して、作製した加飾成型品の表面(紫外線硬化済みの硬化層)を荷重50g/cm2で50回ラビングした後の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐溶剤性を評価した。結果を表3及び4に示す。
○:硬化層に著しい変化は認められなかった。
×:硬化層の膨潤又は剥離が認められた。
(5)衝撃抵抗性
重さ500gの鋼球を、作製した加飾成型品の表面(紫外線硬化済みの硬化層)に35cmの高さから落球させた後の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って衝撃抵抗性を評価した。結果を表3に示す。
○:硬化層に割れが認められなかった。
×:硬化層に割れが認められた。
(6)耐熱性
作製した加飾成型品(紫外線硬化済み)をオーブンに入れ、120℃で400時間保持する耐熱性試験を行った。試験後の硬化層の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐熱性を評価した。結果を表3及び4に示す。
○:硬化層に黄変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じなかった。
×:硬化層に黄変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じた。
(7)耐加水分解性
作製した加飾成型品(紫外線硬化済み)を加水分解槽に入れ、70℃/95%RHで20週間保持する耐加水分解性試験を行った。試験後の硬化層の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐加水分解性を評価した。結果を表3に示す。
○:硬化層にワレ、ヒビ等が生じなかった。
×:硬化層にワレ、ヒビ等が生じた。
Figure 2014141087
Figure 2014141087
表3に示す結果から明らかなように、実施例1〜13の機能性成型シートは、クラックや割れが発生することなく、三次元成型性が良好であった。さらに、実施例1〜13の機能性成型シートを用いて得られた加飾成型品は、耐擦傷性、衝撃抵抗性、耐溶剤性、耐熱性、及び耐加水分解性に優れていることが確認された。
本発明の高耐久機能性成型シートは、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;テレビ、パソコン、携帯電話等の家電製品の筐体;壁、床、天井等の建築物の内装材;容器等の加飾成型品を作製するための材料として好適に用いられる。
1:表皮層
2:意匠層
3:基材シート
4:接着層
5:セパレートフィルム
6:ガードフィルム
10:高耐久機能性成型シート

Claims (9)

  1. 接着層、基材シート、及び表皮層がこの順で積層されているとともに、必要に応じて前記接着層の表面にセパレートフィルムが配置され、かつ、必要に応じて前記表皮層の表面にガードフィルムが配置されており、
    前記表皮層が、モノオール(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリアミン(C)、及びポリオール(D)を必須成分として反応させて得られる、下記一般式(1)で表されるポリウレタン樹脂を含有する光硬化性樹脂組成物からなり、
    前記モノオール(A)の水酸基のモル数と前記ポリオール(D)の水酸基のモル数の合計に対する、前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル数の比((B)/((A)+(D)))が1.5〜3であるとともに、前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル数に対する、前記モノオール(A)の水酸基のモル数、前記ポリアミン(C)のアミノ基のモル数、及び前記ポリオール(D))の水酸基のモル数の合計の比(((A)+(C)+(D))/(B))が0.7〜1.0であり、
    前記モノオール(A)と前記ポリオール(D)の少なくともいずれかは(メタ)アクリロイルオキシ基を有するとともに、前記モノオール(A)、前記ポリイソシアネート(B)、前記ポリアミン(C)、及び前記ポリオール(D)の合計に占める、(メタ)アクリロイルオキシ基を有しない前記ポリオールの(D)の割合は、30質量%以下であり、
    前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が2,000〜150,000である高耐久機能性成型シート。
    Figure 2014141087
    (前記一般式(1)中、R1はモノオール残基を示し、R2はポリイソシアネート残基を示し、R3はポリアミン残基を示し、R4はポリオール残基を示し、m及びnは、それぞれ繰り返し数を示す)
  2. 前記ポリイソシアネート(B)が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリイソシアネートである請求項1に記載の高耐久機能性成型シート。
  3. 前記ポリオール(D)が、ポリカーボネートポリオールである請求項1又は2に記載の高耐久機能性成型シート。
  4. 前記ポリウレタン樹脂の二重結合当量が、130〜1300g/eq.である請求項1〜3のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  5. 前記光硬化性樹脂組成物が、さらに光重合開始剤を0.01〜10質量%含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  6. 前記接着層、前記基材シート、及び前記表皮層の少なくともいずれかに意匠が施されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  7. 前記接着層、前記基材シート、及び前記表皮層のうちのいずれか二層の層間に意匠層が配置されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  8. 前記接着層が、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化又は酸変性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、及びテルペン系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂を含むか、或いは、
    ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂の少なくともいずれかの熱硬化性樹脂を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シートを用いて得られる、前記表皮層を紫外線硬化させて形成された硬化層を有する加飾成型品。
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