JP7368164B2 - 包装基材 - Google Patents

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Description

本発明は、ラベルなどに使用される柔軟な包装基材に関する。
ラベル、オーバーラップフィルムなどを用いて容器又は商品が包装されている。
ラベルは、容器(例えば、PETボトルなど)を包装する容器包装材であり、オーバーラップフィルムは、容器又は商品そのものを包み込むように包装する包装材である。
例えば、ラベルは、通常、長尺帯状の基材(包装基材)を適宜な大きさ及び形状に切断することによって得られる。つまり、ラベル用の包装基材は、長手方向に連続的に繋がった複数のラベルを含むものと言える。
ラベルは、様々な表示を容器に付与するという役割の他、容器の保護や容器を持ったとき滑り難くするなどの機能を容器に付与する。
特許文献1には、ウレタン樹脂、シリカ、ポリビニルアルコール及び水性媒体を含む樹脂層が基材の表面に形成されている積層体が開示されている。
特許文献1には、前記積層体は、その塗膜の表面の触感が柔らかい(ソフトフィール性を有する)と記載されている。
特許第6488458号公報
前記のようなウレタン樹脂を含む樹脂層をフィルムの表面に設けることにより、ソフトフィール性を有する包装基材(ラベルなど)を構成できる。
しかしながら、ウレタン樹脂を含む樹脂層が設けられた包装基材をロール状に巻いた状態で保管などしていると、ブロッキングを生じるおそれがある。ブロッキングを生じると、包装基材を円滑に引き出すことができず、その改善が求められる。
本発明の目的は、ソフトフィール性を有し、ブロッキングを生じ難い包装基材を提供することである。
本発明者らの研究によれば、ウレタン系樹脂をバインダーとする樹脂層にウレタン系微粒子を配合すると、良好なソフトフィール性を有する包装基材を構成できるが、一方では、ブロッキングを生じ易くなることが判ってきた。
そこで、本発明者らは、ウレタン系微粒子を加えてソフトフィール性を向上させつつ、ロール状に巻いたときにブロッキングを防止できる包装基材をさらに鋭意研究し、本発明を完成した。
本発明の包装基材は、長尺帯状の合成樹脂製のフィルムと、前記フィルムの表面側に積層された最表面層と、前記フィルムの裏面側に積層された最裏面層と、を有し、前記最表面層が、ウレタン系樹脂を主成分とするバインダー及びウレタン系微粒子を含む微粒子含有樹脂層から構成され、前記最裏面層が、アクリル系樹脂を主成分とする樹脂層から構成され、前記最表面層の、前記最裏面層に対する静摩擦係数が0.5~0.9であり、その動摩擦係数が0.3~0.8であり、長手方向に連続的に繋がった複数のラベルを含む
本発明の好ましい包装基材は、前記静摩擦係数が0.6~0.8であり、前記動摩擦係数が0.4~0.7である。
本発明の好ましい包装基材は、前記最表面層の、前記最表面層に対する摩擦係数の振れ幅が0.2~1.6である。
本発明の好ましい包装基材は、前記フィルムと前記最表面層の間に、中間層が設けられ、前記中間層が、ウレタン系樹脂を主成分とする樹脂層から構成されている
本発明の包装基材は、最表面層がウレタン系樹脂及びウレタン系微粒子を含む微粒子含有樹脂層から構成されているので、その表面を手で触ったときに柔らかく感じる。さらに、本発明の包装基材は、ロール状に巻き取ってもブロッキングが生じ難いので、比較的長い間、支障なく保管することができる。
本発明の第1実施形態の包装基材を表面側から見た平面図。 同背面図(同包装基材を裏面側から見た平面図)。 図1のIII-III線で切断した断面図。 図3の一部分を拡大した断面図。 図1のV-V線で切断した断面図。 最表面層の拡大断面図。 ロール状に巻いた包装基材のロール品の斜視図。 包装基材を縦方向に切断した状態を、包装基材の表面側から見た平面図。 (a)は、筒状ラベルの形成工程を示す斜視図、(b)は、筒状ラベルを容器に装着する工程を示す斜視図。 本発明の第2実施形態の包装基材を表面側から見た平面図。 図10のXI-XI線で切断した断面図。 (a)は、ラベルを容器に巻き付ける工程を示す正面図、(b)は、ラベルが装着された容器を示す正面図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本明細書において、「下限値X~上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値~任意の上限値」を設定できるものとする。
本明細書において、「長尺帯状」は、縦方向の長さが横方向よりも十分に長い平面視略長方形状をいう。前記縦方向は、横方向と直交する方向である。なお、本明細書において、縦方向と長手方向は同じ方向を意味し、横方向と短手方向は同じ方向を意味する。
各図において、各構成要素の大きさ及び厚みなどの寸法は、実際の製品とは異なっていることに留意されたい。
[包装基材の概要]
本発明の包装基材は、長尺帯状のフィルムと、前記フィルムの表面側に積層された最表面層と、前記フィルムの裏面側に積層された最裏面層と、を有する。前記最表面層は、ウレタン系樹脂を主成分とするバインダー及びウレタン系微粒子を含む微粒子含有樹脂層から構成され、前記最裏面層は、アクリル系樹脂を主成分とする樹脂層から構成されている。
最表面層がウレタン系樹脂及びウレタン系微粒子を含む微粒子含有樹脂層であるので、包装基材の表面の触感(手で触ったときの感覚)が柔らかく、良好なソフトフィール性を有する。包装基材をロール状に巻くと、最表面層と最裏面層が密着するが、最裏面層がアクリル系樹脂を含む樹脂層であるので、最裏面層とウレタン系樹脂を含む最表面層とがブロッキングを生じ難い。
本発明の包装基材は、容器包装の分野において各種の包装材として使用される。
例えば、1つの態様では、本発明の包装基材は、ラベルのような容器包装材として使用される。別の態様では、本発明の包装基材は、オーバーラップフィルムのような包装材として使用される。
以下、具体的に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態は、ラベルとして使用される包装基材、特に、予め筒状に形成されるラベル(容器に装着する前から筒状に形成されているラベル)として使用される包装基材に関する。
図1乃至図5は、本発明の第1実施形態の包装基材1を示す。
包装基材1は、図1及び図2に示すように、長尺帯状のフィルム2と、前記フィルム2の表面側に積層された最表面層3と、前記フィルム2の裏面側に積層された最裏面層6と、を有する。
フィルム2には、デザインを表したデザイン印刷部5が設けられる。フィルム2と最表面層3の間には、中間層4が設けられる。中間層4は、必要に応じて設けられる。
その他図示しないが、フィルム2と最表面層3の間、及び/又は、フィルム2と最裏面層6の間に、任意の適切な機能層が設けられていてもよい。
<フィルム>
フィルム2は、長尺帯状である。前記長尺帯状のフィルム2は、縦方向の長さが、例えば、5m以上、好ましくは10m以上、より好ましくは50m以上である。また、前記フィルム2の横方向の長さは、例えば、20mm~2mであり、好ましくは30mm~1mである。
フィルム2は、例えば、合成樹脂から形成されており、柔軟性並びに適度な強度及び剛性を有するものである。前記合成樹脂製のフィルム2には、いわゆる合成紙も含まれる。また、合成樹脂製のフィルム2は、金属蒸着膜などのガスバリア膜を含んでいるものでもよい。
合成樹脂製のフィルム2の材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン、ポリエチレンを含む共重合ポリマーなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系などの各種の熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、フィルム2は、熱収縮性及び/又は自己伸縮性を有するものでもよく、或いは、実質的に熱収縮性及び自己伸縮性を有さないものでもよい。前記熱収縮性は、所望温度(例えば、70℃~100℃)に加熱されることによって収縮する性質をいう。自己伸縮性は、引っ張り力を加えることによって伸張し、その後、引っ張り力を解除することによってほぼ元の状態に復元する性質をいう。なお、実質的に熱収縮性を有さないフィルムとしては、例えば、縦方向及び横方向のそれぞれの熱収縮率が5%以下のフィルム、好ましくは同熱収縮率が3%以下のフィルムが挙げられる。
フィルム2が熱収縮性及び/又は自己伸縮性を有する場合、そのフィルム2は、縦方向に熱収縮及び/又は自己伸縮するものでもよく、或いは、横方向に熱収縮及び/又は自己伸縮するものでもよく、或いは、縦方向及び横方向に熱収縮及び/又は自己伸縮するものでもよい。
また、フィルム2が熱収縮性及び/又は自己伸縮性を有する場合、そのフィルム2は、縦方向に主として熱収縮及び/又は自己伸縮するものでもよく、或いは、横方向に主として熱収縮及び/又は自己伸縮するものでもよく、或いは、縦方向及び横方向に同等に熱収縮及び/又は自己伸縮するものでもよい。
図示例では、横方向に主として熱収縮するフィルム2が用いられている。かかるフィルム2の主たる熱収縮方向(例えば横方向)の熱収縮率は、特に限定されないが、比較的大きな径差を有する容器にも良好に熱収縮装着できる点から、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。前記フィルム2は、主たる熱収縮方向に対して直交する方向(例えば縦方向)に熱変化するものでもよく、その方向における熱収縮率は、例えば、-3~15%であり、好ましくは1~10%である。前記熱収縮率のマイナスは、熱伸長を意味する。
ただし、本明細書において、熱収縮率は、加熱前(標準状態下で24時間保存)のフィルム2の長さ(元の長さ)と、90℃温水中に10秒間浸漬して取り出した後のフィルム2の長さ(浸漬後の長さ)と、をそれぞれ標準状態下で計測し、下記式に代入して求められる。なお、各フィルム2の長さは、標準状態下で計測する。標準状態は、23℃、1気圧、50%RHをいう。
熱収縮率(%)=[{(横方向(又は縦方向)の元の長さ)-(横方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(横方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
フィルム2の厚みは、特に限定されず、例えば、8μm~200μmであり、好ましくは、10μm~120μmである。
また、フィルム2は、透明又は不透明のいずれでもよい。本明細書において、透明は、有色透明又は無色透明という意味である。好ましくは透明なフィルム2が用いられ、より好ましくは無色透明なフィルム2が用いられる。
<デザイン印刷部>
デザイン印刷部5は、1つのラベルデザイン(1つのラベルを構成する纏まりのあるデザイン)が表された印刷部である。前記ラベルデザインを表したデザイン印刷部5は、縦方向(長手方向)に複数繰り返してフィルム2に印刷されている。前記フィルム2の縦方向に並んだ複数のデザイン印刷部5を「列」とすると、デザイン印刷部5は、フィルム2の横方向に1列だけ設けられていてもよいが、通常、横方向(短手方向)に2列以上(複数列)設けられる。図示例では、便宜上、横方向に3列のデザイン印刷部5が設けられた包装基材1を示している。
前記フィルム2を、1つのデザイン印刷部5を含むように切り取ることによって1つのラベルが得られる。従って、本実施形態の包装基材1は、概念的には、長手方向に連続的に繋がった複数のラベルを含むものである。換言すると、本実施形態の包装基材1は、概念的には、複数のラベルが連続的に繋がったものである。
1つのラベルデザインが表されたデザイン印刷部5は、その複数がフィルム2の縦方向に連続して配置(隙間なく繋がって配置)されていてもよいが、図示例では、複数のデザイン印刷部5は、フィルム2の縦方向に所定間隔を空けて配置されている。1つのラベルデザインが表されたデザイン印刷部5は、その複数がフィルム2の横方向に連続して配置されていてもよいが、図示例では、複数のデザイン印刷部5は、フィルム2の横方向に所定間隔を空けて配置されている。
従って、デザイン印刷部5を基準にして、その横方向及び縦方向にデザイン印刷部5を有さない非デザイン部が存在している。この非デザイン部は、フィルム2の縦方向に帯状に延びる縦非デザイン部5aと、フィルム2の横方向に帯状に延びる横非デザイン部5bと、からなる。
図示例では、デザイン印刷部5が横方向に3列設けられているので、縦非デザイン部5aは、横方向に4本存在している。縦非デザイン部5aには、後述するように最裏面層6も設けられないので、包装基材1においては、前記縦非デザイン部5aはフィルム2の裏面が露出したフィルム裏面露出部2aとなっている。前記フィルム裏面露出部2a(縦非デザイン部5a)の幅は、筒状ラベルの接合部の幅にほぼ等しく、例えば、2mm~15mmである。
図1及び図2において、デザイン印刷部5が設けられる範囲を長方形状の破線で示している。なお、デザイン印刷部5は、前記縦非デザイン部5a及び横非デザイン部5bを除く範囲の全部に設けられる場合に限られず、その範囲内の一部分に設けられていてもよい。デザイン印刷部5を設ける範囲は、そのラベルデザインに合せて適宜設定される。
デザイン印刷部5は、フィルム2の表面に設けられていてもよく、或いは、フィルム2の裏面に設けられていてもよく、或いは、フィルム2の表面側及び裏面側に設けられていてもよい。
デザイン印刷部5は、そのデザインをフィルム2の表面側から視認できるように、フィルム2に設けられている。例えば、(1)フィルム2が不透明である場合には、デザイン印刷部5はフィルム2の表面側に設けられ、(2)フィルム2が透明である場合には、デザイン印刷部5はフィルム2の表面側及び/又は裏面側に設けられる。
図示例では、透明なフィルム2が用いられており、フィルム2の裏面側にデザイン印刷部5が設けられている。また、図示例では、デザイン印刷部5は、フィルム2に直接的に設けられている。
デザイン印刷部5は、公知のカラーインキを用いて形成されている。デザイン印刷部5は、所望の文字、図形などが1色又は2色以上の色彩で表された印刷層である。デザイン印刷部5は、通常、所望の文字、図形などのデザインが表された文字等表示部を有し、必要に応じて、前記文字などの背景又は周囲に色彩を付与する背景印刷部を有する。文字等表示部は、黒色や赤色などの所望の色彩を有するインキの1種又は2種以上を、グラビア印刷法などの公知の印刷法を用いて文字などの表示を表すように印刷することによって形成される。背景印刷部は、白色や銀色などの色彩を有するインキを、グラビア印刷法などの公知の印刷法を用いてベタ状に印刷することによって形成される。
デザイン印刷部5の厚みは、特に限定されず、例えば、0.5μm~5μmである。
<最裏面層>
最裏面層6は、フィルム2の裏面側に積層されている。最裏面層6は、包装基材1の最裏面を構成する層である。
最裏面層6は、フィルム2の裏面側の全体に設けられていてもよく、或いは、フィルム2の裏面側の一部分を除いて設けられていてもよい。最裏面層6は、包装基材1のブロッキングを防止するための層であるため、フィルム2の裏面全体に亘って設けられていることが好ましい。他方、後述する筒状ラベルの形成の際に、単列基材の両側端部を重ね合せて溶剤にて強固に接着できるようにするために、その両側端部の重ね合わせ面には、最裏面層6が設けられていないことが好ましい。ブロッキングの防止と溶剤接着の両立の観点から、最裏面層6は、図示例のように、上記縦非デザイン部5aを除いて、フィルム2の裏面側の全体に設けられていることが好ましい。なお、図2において、最裏面層6が設けられた範囲に、便宜上、無数のドットを付している。
従って、最裏面層6は、デザイン印刷部5の全体及び横非デザイン部5bを覆うように設けられているが、縦非デザイン部5aには最表面層3が設けられておらず、縦方向に延びるフィルム裏面露出部2aが確保されている。
最裏面層6は、透明でもよく、或いは、不透明でもよい。好ましくは、最裏面層6は、透明であり、より好ましくは無色透明である。
最裏面層6は、アクリル系樹脂を主成分とする樹脂層から構成されている。本明細書において、主成分とは、その層に含まれる樹脂の中で最も多い成分(重量比)をいい、例えば、全樹脂中の60重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上含まれる。
最裏面層6は、必要に応じて、滑り成分を含んでいてもよい。また、最裏面層6は、必要に応じて、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、香料、消臭剤、スリップ剤などが挙げられる。
アクリル系樹脂としては、以下の単量体成分を含有する樹脂が例示できる。単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t
-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1~12アルキルエステル等]、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物、2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1~8アルキルエステル等]などが挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」という意味である。
また、必要に応じて(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレンなどのスチレン系化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類やジエン類などの重合性不飽和化合物を単量体成分として用いることもできる。
前記滑り成分としては、例えば、ワックス類、シリコーン、無機微粒子、有機微粒子などが挙げられる。特に、最裏面層6が滑り成分として無機微粒子や有機微粒子などを含んでいる場合、最裏面層6の表面から無機微粒子などが突出する。このため、最裏面層6の最表面層3に接触する表面積が大きくなり、ブロッキングを効果的に防止できる。
滑り成分を配合する場合、最裏面層6中の滑り成分の含有量は、特に限定されないが、最裏面層6の全重量(100重量%)に対して、0.5重量%~20重量%であり、好ましくは、1重量%~10重量%である。
最裏面層6は、アクリル系樹脂を含む液状の形成材料を、従来公知の塗工法でフィルム2に塗工することによって形成できる。
最裏面層6は、前記形成材料を1回塗工することによって形成されていてもよく、或いは、前記形成材料を2回以上塗工すること(重ね塗り)によって形成されていてもよい。
塗工法は、特に限定されないが、簡易に所望の範囲に最裏面層6を形成できることから、印刷法が好ましい。印刷法は、特に限定されず、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、凸版輪転印刷法などを用いることができる。
最裏面層6の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.5μm~10μmであり、好ましくは1μm~5μmである。
<最表面層>
最表面層3は、フィルム2の表面側に積層されている。最表面層3は、包装基材1の最表面を構成する層である。
中間層4を有する場合には、最表面層3は、前記中間層4の表面を覆うようにしてフィルム2の表面側に設けられる。
最表面層3は、フィルム2の表面側の全体に設けられていてもよく、或いは、フィルム2の表面側の一部分を除いて設けられていてもよい。最表面層3は、包装基材1にソフトフィール性を付与するための層であるため、フィルム2の表面全体に亘って設けられていることが好ましい。他方、後述する筒状ラベルの形成の際に、単列基材の両側端部を重ね合せて溶剤にて強固に接着できるようにするために、その両側端部の重ね合わせ面には、最表面層3が設けられていないことが好ましい。ソフトフィール性と溶剤接着の両立の観点から、最表面層3は、図示例のように、縦方向に帯状に延びる領域を除いてフィルム2の表面全体に設けられていることが好ましい。
この縦方向に帯状に延びる領域は、フィルム2の表面が露出したフィルム表面露出部2bとなっている。フィルム表面露出部2bは、フィルム2を挟んでフィルム裏面露出部2aと隣接して配置されている。前記フィルム表面露出部2bの幅は、筒状ラベルの接合部の幅にほぼ等しく、例えば、2mm~15mmである。
なお、図1において、最表面層3が設けられた範囲に、便宜上、網掛けを付している。
最表面層3は、ウレタン系樹脂を主成分とするバインダー及びウレタン系微粒子を含む微粒子含有樹脂層から構成されている。最表面層3は、必要に応じて、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、最裏面層6で例示したようなものが挙げられる。最表面層3は、透明又は不透明のいずれでもよいが、好ましくは透明であり、より好ましくは無色透明である。
ウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
前記ポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族及び脂環族のジイソシアネート類の1種又は2種以上の混合物を用いることができる。ジイソシアネート類の具体例として、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、必要に応じて3官能以上のポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体をジイソシアネート類と混合して用いることもできる。
前記ポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、ブタンジオール(1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール等)、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子量グリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール-ポリカプロラクトン共重合体等のポリエーテルジオール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのジオール類とアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸などの2塩基酸類とから得られるポリエステルジオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、ラクトンブロック共重合ポリオールなどのラクトンジオールなどの公知のジオール類を使用できる。また、必要に応じて、ジオール類と、3官能以上のポリオール化合物とを混合して用いることもできる。
ウレタン系微粒子は、ウレタン系樹脂を粒状に形成したものである。
ウレタン系微粒子を形成しているウレタン系樹脂としては、上述のものが挙げられる。なお、バインダーであるウレタン系樹脂とウレタン系微粒子のウレタン系樹脂は、その組成が同じでもよく、或いは、異なっていてもよい。
ウレタン系微粒子は、透明又は不透明のいずれでもよいが、好ましくは透明であり、より好ましくは無色透明である。
ウレタン系微粒子の形状は、特に限定されないが、略球形(略球形には略楕円球形が含まれる)、略球形以外の任意の定形又は不定形が挙げられるが、略球形のものを用いることが好ましい。例えば、ウレタン系微粒子は、通常、略球形な透明体である。前記略球形は、一部分が少し凹んだ球形及び楕円球形、一部分が少し平坦面となった球形及び楕円球形などを含む。
ウレタン系微粒子の平均粒径は、例えば、1μm~30μmであり、好ましくは、2μm~20μmである。
ウレタン系微粒子の平均粒径は、個数平均径であって、個数基準における算術平均径をいい、Microtrac社の粒度分布計(MT3300)にて粒子径分布を測定することによって求められる。
最表面層3において、複数のウレタン系微粒子はバインダーであるウレタン系樹脂に担持されている。全てのウレタン系微粒子はバインダー内に埋設されていてもよいが、ソフトフィール性を向上させる観点から、複数のウレタン系微粒子のうち幾つか又は全部のウレタン系微粒子は、バインダーに埋設保持されつつ、その一部分が突出していることが好ましい。つまり、最表面層3の表面から、幾つか又は全部のウレタン系微粒子の一部分が突出していることが好ましい。
最表面層3中のウレタン系微粒子の含有量は、特に限定されないが、余りに少ないとソフトフィール性の向上を期待できず、余りに多いと相対的にバインダーの割合が低くなり、ウレタン系微粒子が脱落し易くなる。かかる観点から、ウレタン系微粒子の含有量は、最表面層3の全重量(100重量%)に対して、0.5重量%~20重量%であり、好ましくは、1重量%~10重量%である。
最表面層3は、ウレタン系樹脂及びウレタン系微粒子を含む液状の形成材料を、従来公知の塗工法でフィルム2に塗工することによって形成できる。
最表面層3は、前記形成材料を1回塗工することによって形成されていてもよく、或いは、前記形成材料を2回以上塗工すること(重ね塗り)によって形成されていてもよい。
塗工法は、特に限定されないが、簡易に所望の範囲に最表面層3を形成できることから、印刷法が好ましい。
最表面層3の厚みは、特に限定されず、ウレタン系微粒子の平均粒径と同じ又はそれよりも小さい若しくは大きくてもよい。例えば、最表面層3の厚みは、0.5μm~12μmであり、好ましくは、3μm~10μmである。前記最表面層3の厚みは、突出したウレタン系微粒子を除くバインダー部分の厚みをいう。
前記最表面層3の、前記最裏面層6に対する静摩擦係数は、例えば、0.5~0.9であり、好ましくは0.6~0.8である。また、前記最表面層3の、前記最裏面層6に対する動摩擦係数は、例えば、0.3~0.8であり、好ましくは0.4~0.7である。
動摩擦係数及び静摩擦係数は、フィルム2に設けられた最表面層3の表面を測定対象とし、フィルム2に設けられた最裏面層6の表面を相手材料として、JIS K 7125に準拠して測定した値である。
また、最表面層3の、最表面層3に対する摩擦係数(最表面層の同士の摩擦係数)の振れ幅は、例えば、0.2~1.6であり、好ましくは、0.4~1.0である。ただし、前記摩擦係数の振れ幅は、フィルム2に設けられた最表面層3の表面を測定対象とし、同じもの(フィルム2に設けられた同じ最表面層3の表面)を相手材料として、JIS K 7125に準拠して動摩擦係数を測定している間の、最大摩擦係数と最小摩擦係数の差から算出される。
かかる摩擦係数の振れ幅を有する最表面層3は、図6に示すように、その表面において多数のウレタン系微粒子が突出しており、前記突出したウレタン系微粒子がソフトフィール性に寄与すると考えられる。
なお、本発明の包装基材からラベルを得た後、それを熱収縮させると、摩擦係数の振れ幅は、包装基材の状態のときの摩擦係数の振れ幅よりも大きくなると推定される。包装基材(ラベル)を熱収縮させると、収縮前の最表面層のウレタン系微粒子が収縮後にさらに突出し、収縮後の最表面層の表面がより粗くなると考えられる。従って、熱収縮後のラベルの最表面層の、同最表面層に対する摩擦係数の振れ幅は、包装基材の状態における前記最表面層3の、同最表面層3に対する摩擦係数の振れ幅(前述のように、例えば、0.2~1.6)よりも大きくなると推定される。
<中間層>
中間層4は、フィルム2の表面側に積層されている。中間層4は、フィルム2と最表面層3の間に積層される層である。
中間層4は、フィルム2の表面に直接的に設けられている。中間層4は、フィルム2と最表面層3の間に設けられていればよく、その全体が最表面層3によって覆われるように設けられていてもよく、或いは、最表面層3の縁から部分的にはみ出すように設けられていてもよい。好ましくは、中間層4の全体が最表面層3によって覆われるように中間層4が設けられている。この場合、中間層4は、最表面層3と略同形同大、又は、最表面層3よりも小面積である。
中間層4は、樹脂を含む樹脂層からなり、好ましくは、ウレタン系樹脂を主成分とする樹脂層から構成されている。最表面層3の裏面側にウレタン系樹脂を主成分とする樹脂層(中間層4)が設けられていることにより、中間層4が最表面層3と一体となって、最表面層3の弾力性を向上させる。中間層4は、必要に応じて、上記で例示したような添加剤を含んでいてもよい。中間層4は、透明又は不透明のいずれでもよいが、好ましくは透明であり、より好ましくは無色透明である。
中間層4がウレタン系樹脂を主成分とする場合、そのウレタン系樹脂としては、上述の最表面層3で例示したようなものが挙げられる。なお、中間層4のウレタン系樹脂と最表面層3のバインダーであるウレタン系樹脂は、その組成が同じでもよく、或いは、異なっていてもよい。
中間層4は、ウレタン系微粒子を含んでいてもよいが、好ましくは、実質的にウレタン系微粒子を含まない。中間層4が実質的にウレタン系微粒子を含まないことにより、中間層4の表面にウレタン系微粒子に起因する凹凸が生じず、その中間層4の表面に、所定厚みの最表面層3を形成し易くなる。
なお、中間層4がウレタン系微粒子を含む場合、そのウレタン系微粒子の含有量(重量%)は、最表面層3のウレタン系微粒子の含有量(重量%)よりも小さいことが好ましい。
中間層4は、ウレタン系樹脂などの樹脂成分を含む液状の形成材料を、従来公知の塗工法でフィルム2の表面に塗工することによって形成できる。
中間層4は、前記形成材料を1回塗工することによって形成されていてもよく、或いは、前記形成材料を2回以上塗工すること(重ね塗り)によって形成されていてもよい。
塗工法は、特に限定されないが、上記と同様の理由から、印刷法が好ましい。
中間層4の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.5μm~5μmであり、好ましくは1μm~3μmである。
最表面層3と中間層4の形成順序は、フィルム2に中間層4を形成した後、その表面側に最表面層3を形成する。
<包装基材の使用>
上記包装基材1は、柔軟で且つ長尺帯状であるため、図7に示すように、芯材81の周囲にロール状に巻き取られてロール体8の形態で、保管・運搬に供される。
包装基材1は、その表面側を芯材81に向けて巻き取られていてもよく、或いは、その裏面側を芯材81に向けて巻き取られていてもよい。図7では、裏面側を芯材81に向けて巻き取られた状態を表している。
さらに、本発明の包装基材1は、ロール状に巻き取ってもブロッキングを生じ難くなる。
具体的には、包装基材1をロール状に巻き取ったロール体8においては、包装基材1の最表面層3の表面と最裏面層6の表面が接触し、巻き圧によって両表面が強く密着する。最表面層3が比較的柔らかいウレタン系樹脂及びウレタン系微粒子を含んでいると、ブロッキングを生じ易いが、最裏面層6がアクリル系樹脂を主成分とする樹脂層で構成されていることにより、ブロッキングを効果的に防止できる。
本実施形態の包装基材1は、ラベル形成用(筒状ラベル形成用)の包装基材1であるため、これを切り取ることによって、複数のラベルを得ることができる。
横方向に複数列のデザイン印刷部5が設けられている包装基材1からのラベルの作製方法は、通常、包装基材1を縦方向に切断して1列毎に分割する分割工程と、分割工程後に得られる1列の包装基材1からラベルを形成するラベル形成工程と、を有する。
具体的には、図8に示すように、縦非デザイン部5aにおいて包装基材1を縦方向に切断することにより、複数のデザイン印刷部5が縦方向に1列に並んだ包装基材11が得られる(以下、この包装基材1を特に「単列基材11」という)。
前記包装基材1を縦方向に切断して単列基材11を得る加工は、一般に、スリット加工とも呼ばれ、公知な加工である。通常、スリット加工は、包装基材1の横方向端部に印刷された基準線(図示せず)を、位置検出用の検出器にて読み取りながら、切断刃などを備えるスリッターが包装基材1を所定位置で縦方向に切断する。
例えば、縦非デザイン部5aの横方向一方寄りの位置において、包装基材1を縦方向に分断することにより、複数本(図示例では3本)の単列基材11が得られる。この単列基材11の横方向一方側の端部は、フィルム裏面露出部2aを含んでおり、単列基材11の横方向反対側の端部は、フィルム表面露出部2bを含んでいる。
なお、図8及び図4に、切断位置を白抜き矢印で示している。なお、図8において、横方向両側端部に生じる端材111(一般に、耳とも呼ばれる)は、回収される。
得られた単列基材11は、一旦、ロール状に巻き取って保管した後、ラベル形成工程を行ってもよく、或いは、スリット工程後に連続してラベル形成工程を行ってもよい。
単列基材11から筒状ラベルを形成する際には、図9(a)に示すように、単列基材11の最裏面層6を内側にし且つ単列基材11の横方向を周方向にして筒状に丸め、その横方向一方側の端部(フィルム裏面露出部2a)を横方向反対側の端部(フィルム表面露出部2b)に重ね合わせ、溶剤を用いて接着して接合部を形成する。接合により、単列基材11が筒状に形成された長尺筒状体Aが得られる。この長尺筒状体Aを、1つのデザイン印刷部5毎に分割するべく、図9(b)の太矢印で示す位置において横方向に切断することによって、1つの筒状ラベルA1が得られる。
フィルム2が熱収縮性を有する場合には、筒状ラベルA1を容器9に嵌めた後、加熱することにより、筒状ラベルA1が周方向に収縮し、容器9に装着される。フィルム2が自己伸縮性を有する場合には、筒状ラベルA1を強制的に拡径して容器9に嵌めた後、拡張を解除することにより、筒状ラベルA1が元の径に戻り、容器9に装着される。最裏面層6は滑り成分を含んでいるので、筒状ラベルA1を容器9にスムースに嵌めることができる。
筒状ラベルA1が装着された容器9(ラベル付き容器)は、そのラベルの表面を手で持って使用される。
本発明の包装基材1の最表面層3は、ウレタン系微粒子を含む微粒子含有樹脂層であるため、多数のウレタン系微粒子がバインダーであるウレタン系樹脂の表面から部分的に突出している(図6参照)。このため、ウレタン系樹脂から構成される場合に比して、最表面層3の表面を手で触った際に柔らかく感じ易くなる。特に、最表面層3とフィルム2の間にウレタン系樹脂を主成分とする中間層4が積層されている場合には、より柔らかく感じ易くなる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、容器に装着する前は、枚葉状であるが、容器に装着すると同時に筒状に形成されるラベル(以下、この種のラベルを巻付けラベルという)として使用される包装基材1に関する。
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、その説明に於いては、主として上述の実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成などについては、(それを説明したものとして)その構成の説明を省略し、用語及び符号を援用する。
図10及び図11は、第2実施形態の包装基材1を示す。
本実施形態の包装基材1も、第1実施形態と同様に、フィルム2と、デザイン印刷部5と、最裏面層6と、中間層4と、最表面層3と、を有する。中間層4は、必要に応じて設けられる。
フィルム2は、熱収縮性を有するものでもよいが、本実施形態では、実質的に熱収縮性を有さないフィルム2が用いられている。
本実施形態のデザイン印刷部5は、そのラベルデザインの向きが第1実施形態と異なっている。すなわち、横方向を上下方向としたときに正しく認識できるように、ラベルデザインが表されている。もっとも、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、縦方向を上下方向としたときに正しく認識できるように、ラベルデザインが表されていてもよい。なお、図10及び図11では、デザイン印刷部5は、フィルム2の横方向に6列設けられている場合を例示しているが、フィルム2の横方向に1列だけ設けられていてもよく、また、2列以上設けられていてもよい。
また、本実施形態においては、最裏面層6は、フィルム2の裏面側全体に亘って設けられている。また、最表面層3及び中間層4は、それぞれ独立して、フィルム2の表面側全体に亘って設けられている。もっとも、最裏面層6、最表面層3及び中間層4は、それぞれ独立して、フィルム2の一部分を除いて設けられていてもよい。
本実施形態の包装基材1も、ロール状に巻き取った際にブロッキングを生じ難い。
本実施形態の包装基材1は、ラベル形成用(巻付けラベル形成用)の包装基材1であるため、これを切り取ることによって、複数のラベルを得ることができる。
具体的には、横方向において隣接するデザイン印刷部5の間で包装基材1を縦方向に切断することにより(図10において切断位置を白抜き矢印で示している)、複数のデザイン印刷部5が縦方向に1列に並んだ単列基材が得られる。
この単列基材を縦方向において隣接するデザイン印刷部5の間で横方向に切断することにより、1枚の巻付けラベルA2が得られる。
この巻き付けラベルA2の両端部の裏面に接着剤を塗布し、図12(a)に示すように、その一方の端部2cを容器9に貼り付け、巻き付けラベルA2を容器9の周囲に巻き付けた後、同図(b)に示すように、その反対側の端部2dの裏面を一方の端部2cの表面に貼り付けることにより、ラベル付き容器が得られる。
本実施形態も、上記第1実施形態と同様に、ソフトフィール性に優れたラベル付き容器を構成できる。
[第3実施形態]
特に図示しないが、本発明の包装基材1は、オーバーラップフィルム、ピロー包装フィルムなどとして使用することもできる。
オーバーラップフィルムは、容器又は商品そのものを包み込んだ後、これを加熱して熱収縮させることにより、容器又は商品を包装する包装材である。ピロー包装フィルムは、商品を包み込み且つ三方をシールすることによって、袋状となって商品を包装する包装材である。
なお、オーバーラップフィルム用の包装基材については、デザイン印刷部を省略してもよい。
以下、実施例を示し、本発明を更に詳述する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
・フィルム
ポリエチレンテレフタレート製の表面樹脂層/ポリスチレン製の中間樹脂層/ポリエチレンテレフタレート製の裏面樹脂層からなる2種3層フィルム(厚み45μm。グンゼ株式会社製、商品名「ファンシーラップ HGSR」)。
・微粒子含有ウレタンインキ
ウレタン系微粒子及び主成分樹脂としてウレタン系樹脂を含み且つ着色剤を含まない無色透明なウレタン系インキ。
・アクリルインキ
主成分樹脂としてアクリル系樹脂を含み且つ着色剤を含まない無色透明なアクリル系インキ(大日精化株式会社製、商品名「STR耐熱CSメジウム」)。
・ウレタンインキ
主成分樹脂としてウレタン系樹脂を含み且つ着色剤を含まない無色透明なウレタン系インキ(大日精化株式会社製、商品名「NTハイラミックRメジウム」)。
・艶消しインキ
主成分樹脂としてアクリル系樹脂を含み且つマット剤としてシリカを含むアクリル系インキ(大日精化株式会社製、商品名「OS-Mマット」)。
・硬化剤含有ウレタンインキ
主成分樹脂としてウレタン系樹脂及び硬化剤としてイソシアネートハードナーを含み且つ白色顔料を含むウレタン系インキ(DIC株式会社製、商品名「ファインラップNTV PET用白」)。
[実施例1]
グラビア印刷版を用いて、フィルムの表面全体にウレタンインキをベタ状に印刷することにより、厚み約3μmの中間層を形成し、さらに、この中間層の表面全体に、微粒子含有ウレタンインキをベタ状に印刷することにより、厚み約10μmの最表面層(微粒子含有樹脂層)を形成した。
他方、グラビア印刷版を用いて、フィルムの裏面全体にアクリルインキをベタ状に印刷することにより、厚み約5μmの最裏面層(アクリル系の樹脂層)を形成した。
このようにして、表面側から順に、厚み約10μmの最表面層(微粒子含有ウレタンインキ)/厚み約3μmの中間層(ウレタンインキ)/フィルム/厚み約5μmの最裏面層(アクリルインキ)、からなる包装基材を作製した。
[実施例2]
中間層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、表面側から順に、厚み約10μmの最表面層(微粒子含有ウレタンインキ)/フィルム/厚み約5μmの最裏面層(アクリルインキ)、からなる包装基材を作製した。
[実施例3]
中間層を形成しなかったこと、及び、微粒子含有ウレタンインキをフィルムの表面全体にベタ状に2回重ね印刷したこと以外は、実施例1と同様にして、表面側から順に、厚み約10μmの最表面層(微粒子含有ウレタンインキ)/フィルム/厚み約5μmの最裏面層(アクリルインキ)、からなる包装基材を作製した。
[比較例1]
微粒子含有ウレタンインキに代えて、艶消しインキを用いて最表面層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、表面側から順に、厚み約10μmの最表面層(シリカ含有アクリルインキ)/厚み約3μmの中間層(ウレタンインキ)/フィルム/厚み約5μmの最裏面層(アクリルインキ)、からなる包装基材を作製した。
[比較例2]
アクリルインキに代えて、硬化剤含有ウレタンインキを用いて最裏面層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、表面側から順に、厚み約10μmの最表面層(微粒子含有ウレタンインキ)/厚み約3μmの中間層(ウレタンインキ)/フィルム/厚み約5μmの最裏面層(硬化剤含有ウレタンインキ)、からなる包装基材を作製した。
[比較例3]
最裏面層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、表面側から順に、厚み約10μmの最表面層(微粒子含有ウレタンインキ)/厚み約3μmの中間層(ウレタンインキ)/フィルム、からなる包装基材を作製した。
[摩擦係数の測定]
各実施例及び比較例で得られた包装基材の最表面層のステンレス板に対する静摩擦係数及び動摩擦係数と、同包装基材の最表面層の最裏面層に対する静摩擦係数及び動摩擦係数と、同包装基材の最表面層の最表面層に対する静摩擦係数及び動摩擦係数と、をそれぞれJIS K 7125に準拠して測定した。ただし、比較例2及び3の包装基材にあっては、最表面層の最裏面層に対する静摩擦係数及び動摩擦係数のみを測定した。
具体的な測定条件は、下記の通りである。
測定機器:株式会社島津製作所製の引張試験機 AGS-50G。
おもり:200±2g
サンプル:包装基材を80mm×200mmにカットしたもの。
相手材料(最表面層とステンレス板の間の摩擦係数の場合):SUSバフ研磨品。
相手材料(最表面層と最裏面層の間の摩擦係数の場合):包装基材を100mm×300mmにカットしたもの。
相手材料(最表面層と最表面層の間の摩擦係数の場合):包装基材を100mm×300mmにカットしたもの。
測定距離:85mm。
速度:100mm/min。
測定:おもりの下面に、最表面層がおもりの下面とは反対側になるようにして、サンプル(包装基材)を取り付けた。相手材料を鏡面テーブル上に固定し、その相手材料の表面(ステンレス板の表面、又は、最裏面層の表面、又は、最表面層の表面)に、おもりの下面に装着したサンプルの最表面層が接触するように、サンプル付きおもりを載せ、23℃、大気圧下で測定した。静摩擦係数は、最初に得られた最大応力を静摩擦力とし、その値から計算した。また、動摩擦係数は、滑り運動中に働く摩擦力を動摩擦力とし、その値から計算した。その結果を表1及び表2に示す。なお、測定は、それぞれ3回行い、その平均値を表1及び表2に示している。
さらに、実施例1乃至3及び比較例1については、最表面層と最表面層との間の摩擦係数の測定中の、摩擦係数の振れ幅も測定した。
摩擦係数の振れ幅は、試験中の最大摩擦係数と最小摩擦係数の差(振れ幅=最大摩擦係数-最小摩擦係数)である。摩擦係数の振れ幅は、摺動中であって摩擦係数が安定すると考えられる20mmから40mmの摺動距離の間で、最大摩擦係数と最小摩擦係数を計測して算出した。その結果を表1及び表2に示す。
Figure 0007368164000001
Figure 0007368164000002
[ブロッキング試験]
各実施例及び比較例の包装基材について、ブロッキング試験を行なった。
ブロッキング試験の次の手順で行なった。
包装基材を50mm×50mmにカットして、同形同大の2枚の試験片を作製した。一方の試験片の表面に他方の試験片の裏面を重ね合わせた積層体の上におもりを載せて0.2MPaの負荷を掛けた状態で、40℃80%RHの恒温室内で24時間保管した。その後、積層体を恒温室から取り出し、人力で剥離した。
実施例1乃至3及び比較例1の包装基材は、いずれも良好に剥離できた。比較例2及び3の包装基材は、層が転移し、剥離困難であった。
摩擦係数はブロッキング性に影響する指標であるところ、最表面層/最裏面層の静・動摩擦係数が適切な範囲の実施例1乃至3の包装基材は、ブロッキングを生じなかった。
[触感]
実施例1乃至3及び比較例1の包装基材の各表面(最表面層の表面)を指で触ると、各実施例の包装基材は、柔らかい感じを受け、比較例1の包装基材は、硬い感じを受けた。
最表面層/最表面層の摩擦係数の振れ幅が大きい実施例1乃至3の包装基材は、その最表面層においてウレタン系微粒子が多数突出していると考えられ、この突出したウレタン系微粒子が柔らかい触感に大きく寄与していると推定される。
1 包装基材
2 フィルム
3 最表面層
4 中間層
5 デザイン印刷部
6 最裏面層

Claims (4)

  1. 長尺帯状の合成樹脂製のフィルムと、
    前記フィルムの表面側に積層された最表面層と、
    前記フィルムの裏面側に積層された最裏面層と、を有し、
    前記最表面層が、ウレタン系樹脂を主成分とするバインダー及びウレタン系微粒子を含む微粒子含有樹脂層から構成され、
    前記最裏面層が、アクリル系樹脂を主成分とする樹脂層から構成され
    前記最表面層の、前記最裏面層に対する静摩擦係数が0.5~0.9であり、その動摩擦係数が0.3~0.8であり、
    長手方向に連続的に繋がった複数のラベルを含む、包装基材。
  2. 記静摩擦係数が0.6~0.8であり、前記動摩擦係数が0.4~0.7である、請求項1に記載の包装基材。
  3. 前記最表面層の、前記最表面層に対する摩擦係数の振れ幅が0.2~1.6である、請求項1または2に記載の包装基材。
  4. 前記フィルムと前記最表面層の間に、中間層が設けられ、
    前記中間層が、ウレタン系樹脂を主成分とする樹脂層から構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装基材。
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