JPH11140375A - 塗料用組成物 - Google Patents

塗料用組成物

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JPH11140375A
JPH11140375A JP9316596A JP31659697A JPH11140375A JP H11140375 A JPH11140375 A JP H11140375A JP 9316596 A JP9316596 A JP 9316596A JP 31659697 A JP31659697 A JP 31659697A JP H11140375 A JPH11140375 A JP H11140375A
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JP
Japan
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group
mol
acrylate
polymerization
cyclohexyl
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JP9316596A
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English (en)
Inventor
Akihito Iida
晃人 飯田
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐汚染性と密着性に優れた含フッ素塗料用組成
物を提供する。 【解決手段】必須構成単量体が、(a)フルオロオレフ
ィン:5〜70モル%、(b)シクロヘキシル基に置換
基を有しても良いが橋架け構造を有しないアクリル酸シ
クロヘキシルエステル:20〜70モル%、(c)オレ
フィン性不飽和結合および加水分解可能な基を有する有
機ケイ素化合物:1〜20モル%、および(d)(b)
以外のアクリル酸アルキルエステル1〜50モル%であ
る含フッ素共重合体、ならびに硬化促進剤からなる常温
硬化可能な塗料用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温で硬化可能な
塗料用組成物に関し、特に、耐汚染性と密着性に優れた
含フッ素系塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬
品性、耐候性、撥水性、潤滑性および電気特性に優れて
いるため、近年、高耐候性の建築塗料用樹脂として使用
されている。その中でも湿気架橋可能な樹脂として加水
分解性シリル基を有する樹脂が知られており、例えば、
フルオロオレフィン、カルボン酸ビニルエステルおよび
加水分解性シラン単量体を共重合させた含フッ素共重合
体(特公平6−104703号公報)、ならびにフルオ
ロオレフィン、ビニルエーテルおよび加水分解性シラン
単量体を共重合させた含フッ素共重合体(特公平1−1
6405号公報)などが提案されているが、これらはい
ずれも塗装基材に対する密着性が充分とはいえず、更
に、長期間屋外に晒されると塗膜が汚れてしまうという
問題を含んでいた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐候性およ
び耐水性などに優れるのみならず、塗装基材に対する密
着性および耐汚染性に優れた常温で硬化可能な塗料用組
成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、置換基を有しても良いシクロヘキサン環を有
するアクリル酸エステルを含む特定の含フッ素共重合体
および硬化促進剤からなる塗料用組成物が前記課題を解
決することを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、必須構成単量体およびそれらの合計量
を基準とする割合が、(a)フルオロオレフィン:5〜
70モル%、(b)シクロヘキシル基に置換基を有して
も良いが橋架け構造を有しないアクリル酸シクロヘキシ
ルエステル:20〜70モル%、(c)下記式(1)で
表される有機ケイ素化合物:1〜20モル%および
(d)(b)以外のアクリル酸アルキルエステル1〜5
0モル%である含フッ素共重合体ならびに硬化促進剤か
らなる常温硬化可能な塗料用組成物である。 R−SiXn 3-n (1) (Rはオレフィン性不飽和結合を有する基、Xは炭素数
1〜20のアルキル基を示し、Yは加水分解可能な基で
あり、複数個有る場合のXおよびYはいずれも同じでも
異なってもよく、nは0,1または2である)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における(a)フルオロオ
レフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロト
リフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ジク
ロロジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ
化ビニリデン、フッ化ビニルおよびパーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)などが例示され、重合性の面より
テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレンおよびトリフルオロエチ
レンが好ましく、テトラフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレンおよびトリフルオロエチレンがより好
ましい。
【0006】本発明における(b)シクロヘキシル基に
置換基を有しても良いが橋架け構造を有しないアクリル
酸シクロヘキシルエステルとしては、アクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸tert- ブチルシクロヘキシルおよ
びアクリル酸ヒドロキシメチルシクロヘキシルなどが挙
げられ、これらの中でも、共重合性の面からアクリル酸
シクロヘキシルが好ましい。
【0007】本発明における(c)下記式(1)で表さ
れる有機ケイ素化合物は、オレフィン性不飽和結合およ
び加水分解可能な基を有する化合物である。 R−SiXn 3-n (1) (式中、Rはオレフィン性不飽和結合を有する基、Xは
炭素数1〜20のアルキ ル基を示し、Yは加水分解可能な基であり、複数個有る
場合のXおよびYはいずれも同じでも異なってもよく、
nは0,1または2である)上記式(1)におけるRの
具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ビ
ニルオキシ基、アリルオキシ基、アクリロイル基、メタ
クリロイル基、CH2 =CHO(CH2 3 −、CH2
=CHCOO(CH2 3 −、CH2 =CHOCO(C
2 3 −、CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3
−およびCH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 −O
−(CH2 3 −等が挙げられ、これらの中でもビニル
基が好ましい。また、Xの具体例としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、オクチル基およびオクタデシル基
等が挙げられ、メチル基およびエチル基が好ましい。さ
らにまた、Yの具体例としては、アルコキシ基、アミノ
基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプト基および
イミノオキシ基が挙げられ、アルコキシ基が好ましい。
アルコキシ基の具体例としてメトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基およびメトキシエトキシ基等
が挙げられ、特にメトキシ基およびエトキシ基が好まし
い。
【0008】(d)本発明における(b)以外のアクリ
ル酸アルキルエステルにおけるエステル鎖として炭素数
1〜20のアルキル基、ハロゲン含有アルキル基である
ものが特に好ましく、さらに、物性を損なわない範囲で
エステル鎖に酸素、窒素および硫黄などの原子を含んで
も良い。前記アクリル酸アルキルエステルを具体的に例
示すると、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸
n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸s−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ネオペンチル、
アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸
ステアリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸テトラヒ
ドロフルフリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル
酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸クロロエチル、ア
クリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸ヘプタデカフ
ルオロオクチルエチル、アクリル酸イソボルニル、アク
リル酸アダマンチルおよびアクリル酸トリシクロデシニ
ルなどが挙げられる。
【0009】本発明における含フッ素共重合体における
上記必須構成単量体の割合は、その合計量を基準とし
て、(a):5〜70モル%、(b):20〜70モル
%、(c):1〜20モル%および(d)1〜50モル
%であり、好ましくは(a):20〜50モル%、
(b):40〜60モル%、(c):3〜10モル%お
よび(d)2〜40モル%である。(a)が70モル%
を超えると含フッ素共重合体の溶解性が低下し、5モル
%未満であると耐候性が低下する。(b)が70モル%
を超えると耐候性が低下し、20モル%未満であると塗
膜の光沢が低下する。また、(c)が20モル%を超え
ると密着性が低下し、1モル%未満であると耐候性が低
下する。さらにまた、(d)が1モル%未満であると塗
膜の光沢性が低下し、50モル%を超えると耐候性が低
下する。
【0010】前記含フッ素共重合体には、その他の単量
体として、エチレン、プロピレンおよびイソブチレンな
どのα−オレフィン類、塩化ビニルおよび塩化ビニリデ
ンなどのクロロエチレン類、エチルビニルエーテル、イ
ソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテ
ル、t−ブチルビニルエーテルおよびシクロヘキシルビ
ニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、プロピ
オン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、
ヴェオバ−9〔商品名:シェル化学(株)製〕、シクロ
ヘキサンカルボン酸ビニルおよび安息香酸ビニルなどの
カルボン酸ビニルエステル類、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレートおよびシクロヘキシルメタクリレ
ートなどのメタクリレート類などを共重合させてもよ
い。
【0011】前記含フッ素共重合体は、ラジカル発生型
重合開始剤の存在下、前記(a)〜(d)成分などを共
重合させる方法で製造できる。重合方法としては、塊状
重合、水性媒体中での懸濁重合および乳化重合、有機溶
剤中での溶液重合などの方法が採用可能である。ラジカ
ル発生型重合開始剤としては、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、tert−ブチルパーオキシピバレー
ト、ベンゾイルパーオキサイドおよびラウロイルパーオ
キサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルお
よびアゾビスイソバレロニトリル等のアゾ化合物、過硫
酸アンモニウムおよび過硫酸カリウム等の無機過酸化物
が使用でき、その使用量は全単量体量に対し0.000
1〜10モル%の範囲であることが好ましい。乳化重合
における乳化剤としては、パーフルオロオクタノイック
アシドカリウム塩またはアンモニウム塩、パーフルオロ
オクタンスルホン酸アンモニウム塩、高級アルコール硫
酸エステルナトリウム塩およびポリエチレングリコール
エーテル等が例示され、その使用量は全単量体量100
重量部に対して0.1〜50重量部の範囲であることが
好ましい。溶液重合における有機溶媒としては、テトラ
ヒドロフランおよびジオキサン等の環状エーテル類;ミ
ネラルターペンおよびシクロヘキサン等の炭化水素類;
ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素
化合物;酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類;
アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノールおよびn−ブチルセロソルブ等の
アルコール類;1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエチレン等のフロン類等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上を用いることができる。また、
有機溶剤の使用量は全単量体量100重量部に対して2
0〜200部の範囲であることが好ましい。これらの重
合方法の中でも、本発明における塗料用組成物の好まし
い使用形態が溶剤型塗料用組成物であることを考慮すれ
ば、共重合の方法としては溶液重合が好適に採用され
る。
【0012】重合条件としては、特に限定されないが、
好ましい反応における好適な重合温度は20〜100℃
あり、好適な圧力は1〜200kg/cm2であり、好適な重
合時間は3〜40時間である。重合に使用する単量体
は、その全量を初期にバッチ仕込みしてもよいし、重合
の進行と共に一部の単量体を逐次添加してもよい。また
必要によりPH調整剤として、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、ハイドロタルサイトおよび陰イオン交換樹
脂等を加えてもよい。
【0013】本発明における含フッ素共重合体のガラス
転移温度(以下、Tgという)は15℃〜60℃の範囲
が好適である。15℃未満では塗膜の耐汚染性が低下
し、また、60℃を超えると塗膜の加工性が低下する恐
れがある。前記含フッ素共重合体における分子量はゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと
いう)による数平均分子量(ポリスチレン換算)で30
00〜10万が好ましく、5000〜5万がより好まし
い。分子量が10万を超えると作業性が悪くなり、30
00より低いと塗膜の強度が低下する。
【0014】本発明における塗料用組成物は、前記含フ
ッ素共重合体と後記各種添加剤を常法に従い配合させる
ことにより得られるものである。前記塗料用組成物は硬
化促進剤を配合することを必須とする。かかる硬化促進
剤としては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、オク
チル酸カルシウム、オクチル酸鉛、オクチル酸亜鉛、オ
クチル酸コバルト、テトラプロピルチタネート、テトラ
ブチルチタネートならびにジブチル錫ジラウレート、ジ
オクチル錫ジラウレート、ジクロロジブチル錫、ジブチ
ル錫ジアセテートおよびトリエチル錫モノステアレート
などの有機錫化合物が例示される。これらの硬化促進剤
の使用量は含フッ素共重合体に対し、重量比で20pp
m〜5%であることが好ましく、より好ましくは100
ppm〜1%である。
【0015】本発明における塗料用組成物には、下記式
(2)で表されるオレフィン性不飽和結合を有しない反
応性有機基および加水分解可能な基を有する有機ケイ素
化合物を配合することが好ましく、該化合物は塗膜の重
ね塗り付着性を向上させるのに効果がある。 R1 −SiX1 n 1 3-n (2) (式中、R1 はオレフィン性不飽和結合を有しない反応
性有機基、X1 は炭素数1〜20のアルキル基、Y1
加水分解可能な基を示し、複数個有る場合のX1および
1 はいずれも同じでも異なってもよく、nは0,1ま
たは2である) 前記式(2)におけるR1 の具体例としては、エポキシ
基、アミノ基、メルカプト基を有するアルキル基および
オキシアルキル基が挙げられる。また、X1 の具体例と
してはメチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、
オクタデシル基等が挙げられる。またさらに、Y1 の具
体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられ、特
にメトキシ基およびエトキシ基が好ましい。前記有機ケ
イ素化合物の具体的として、グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、シクロヘクセンオキシドプロピルトリメトキシシ
ラン、シクロヘクセンオキシドプロピルトリエトキシシ
ラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、およびメルカプトプロピ
ルトリメトキシシランなとが挙げられる。これらの中で
も、好ましくはエポキシ基を持つ化合物である。前記有
機ケイ素化合物の配合量は、含フッ素共重合体100重
量部に対して0.1〜50重量部であることが好まし
く、さらに好ましくは1〜10重量部である。
【0016】また、塗料用組成物には有機溶剤を配合す
ることが好ましく、有機溶剤として、n−ヘキサン、ミ
ネラルターペンおよびシクロヘキサン等の炭化水素類;
ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素
化合物;酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類;
アセトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノン
等のケトン類;エタノール、イソプロパノール、n−ブ
タノールおよびn−ブチルセロソルブ等のアルコール類
が例示される。これらの中でも、常温乾燥することを考
慮すれば沸点が80℃〜200℃の範囲にある有機溶剤
を使用することが好ましい。前記有機溶剤の使用量は含
フッ素共重合体100重量部当たり30〜200重量部
であることが好ましく、より好ましくは50〜100重
量部である。本発明における含フッ素共重合体を懸濁重
合および乳化重合で製造する場合は、一度共重合体を水
から取り出した後、有機溶剤に溶解させて使用すること
ができる。溶液重合で製造した場合は、そのまま使用し
たり、1度取り出した後、溶剤置換を行なって使用する
ことができる。塊状重合で製造した場合は、有機溶剤に
溶解させて使用する。
【0017】前記塗料用組成物には必要に応じて、顔
料、紫外線吸収剤、脱水剤、光安定剤、流動調整剤、レ
ベリング剤、スリップ剤、分散剤、色分かれ防止剤およ
び酸化防止剤等の添加剤を加えることができる。顔料と
しては例えば、酸化チタン、べんがら、焼成顔料、カー
ボンブラック、パール顔料等の無機顔料、フタロシアニ
ンブルー、キナクリドンレッド、イソインドリノン等の
有機顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体積顔
料、アルミフレーク、ステンレスフレーク等のメタリッ
ク顔料が挙げられる。また、艶消し剤として、ポリエチ
レンワックス、ポリプロピレンワックス、シリカ系艶消
し剤を添加することもできる。紫外線吸収剤としてはベ
ンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、
蓚酸アニリド系化合物等の有機系紫外線吸収剤、超微粒
子酸化チタン、酸化セリウム等の無機系紫外線吸収剤が
挙げられる。さらに、脱水剤としてはオルトギ酸トリア
ルキルエステル等が挙げられる。
【0018】さらに、本発明における塗料用組成物には
塗膜の耐汚染性をさらに向上させる目的で、アルコキシ
シランの部分加水分解縮合物を添加しても良い。アルコ
キシシランの部分加水分解縮合物とは、加水分解性のア
ルコキシ基を1分子中に2個以上有するアルコキシシラ
ンの自己縮合物であり、縮合度は耐汚染性、含フッ素共
重合体との相溶性から2〜10程度であることが好まし
い。かかる化合物としては例えば、コルコート社からE
S40(テトラエトキシシランの平均約5量体の縮合
物)、MS51(テトラメトキシシランの平均約4量体
の縮合物)等として市販されているものを用いることが
できる。また、アルコキシシランをアルコール性有機溶
剤に溶解させ、塩酸等の無機酸、酢酸もしくはp−トル
エンスルホン酸等の有機酸を添加してpHを1〜4程度
に調整した後、アルコキシ基に対して0.05〜3等量
の水を加え30〜80℃で1〜8時間加水分解すること
により得られる部分加水分解溶液を用いることもでき
る。
【0019】前記アルコキシシランとしては、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキ
シシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−ヒドロキ
シプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらの
中でも、耐汚染性の発現性からアルコキシ基はメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基およびイソプロポキシ基
であることが好ましく、メトキシ基およびエトキシ基が
より好ましい。さらに、アルミニウム、チタニウムおよ
びジルコニウム等の周期律表3族元素または4族元素か
らなる金属アルコキシドを共縮合させることもできる。
または、これらの部分加水分解縮合物をアルコキシシラ
ンの部分加水分解縮合物の混合溶液としても良い。
【0020】塗料用組成物中での含フッ素共重合体とア
ルコキシシランの部分加水分解物の割合は含フッ素共重
合体100重量部に対して2〜100重量部が好まし
く、さらに好ましくは5〜80重量部である。アルコキ
シシランの部分加水分解物の割合が2重量部以下では耐
汚染性は向上しない。一方、100重量部を越える場合
には形成する膜が脆くなる。
【0021】本発明における塗料用組成物は、スプレー
塗装、ロールコーターおよびはけ塗り等によって金属、
プラスチック、木材、紙およびセメント系などの塗装基
材に直接または下塗り剤を介して塗装することができ
る。金属としては、SUS、アルミおよび亜鉛鋼板等が
挙げられる。プラスチックとしては、ABS、FRP、
PC、硬質PVC、ベークライト、エポキシ、ポリアク
リルおよびポリウレタン等が挙げられ、セメント系とし
ては、モルタルおよび打放しコンクリート等が挙げられ
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて具体的に説明する。 <含フッ素共重合体の合成> 合成例1 攪拌機を備えた2リットルのオートクレーブに酢酸ブチ
ル150g、アクリル酸シクロヘキシル(以下、CHA
という)12.0g、アクリル酸エチル(以下、EAと
いう)5.0g、ビニルトリメトキシシラン(以下、V
MSという)1.5gを仕込み、−70℃に冷却した。
減圧脱気と窒素置換を3回繰り返した後脱気させ、クロ
ロトリフルオロエチレン(以下、CTFEという)70
0gを仕込んだ。58℃まで昇温後、t−ブチルパーオ
キシピバレート(以下、PPVという)1.8gを酢酸
ブチル10gに溶解させて調製した重合開始剤溶液をオ
ートクレーブに圧入し重合を開始した。重合開始後、酢
酸ブチル70g、CHA108.0g、EA49.0g
およびVMS13.5gの混合液を6時間かけて一定速
度でポンプを用いてオートクレーブ内に送入した。重合
開始3時間後、PPV1.2gを酢酸ブチル10gに溶
解させて調製した重合開始剤溶液をオートクレーブに圧
入した。重合開始7時間経過後に68℃まで昇温し、重
合を計9時間行った。冷却後、未反応のCTFEをパー
ジし、オートクレーブを開放して共重合体溶液を得た。
得られた溶液を濾過した後、メタノール中に投入し、洗
浄および乾燥させて238gの共重合体(以下、F1と
いう)を得た。GPCにより測定したF1のポリスチレ
ン換算の数平均分子量は12000であり、ガラス転移
温度(以下、Tgという)は35℃であった。F1のフ
ッ素分析を行った結果は14.1重量%であった。 1
−NMRおよび13C−NMRから算出した組成は、CT
FE/CHA/EA/VMS=35/37/24/4
(モル%)であった。
【0023】合成例2 初期仕込みモノマーをアクリル酸4−tert−ブチルシク
ロヘキシル(以下、tBCHAという)13.3g、E
A6.0g、VMS1.5gに変更し、CTFEの仕込
み量を300gに変更し、追加単量体をtBCHA11
9.9g、EA54.0g、VMS13.5gに変更し
た以外は実施例1と同様な方法で重合をおこない、乾燥
後に共重合体(以下、F2という)を205g得た。F
2の数平均分子量は11000でありTgは35℃であ
った。実施例1と同様に分析した結果、その組成は、C
TFE/tBCHA/EA/VMS=23/36/37
/4(モル%)であった。
【0024】合成例3 初期仕込みモノマーをCHA15.0g、アクリル酸メ
トキシエチル(以下、MEAという)4.2g、VMS
1.5gに変更し、CTFE仕込みを300gに変更
し、後添加モノマーをCHA135.2g、MEA3
8.1g、VMS13.5gに変更した以外は実施例1
と同様な方法で重合をおこない、乾燥後に共重合体(以
下、F3という)を210g得た。F3の数平均分子量
は11000でありTgは23℃であった。実施例1と
同様に分析した結果、その組成は、CTFE/CHA/
MEA/VMS=23/54/18/5(モル%)であ
った。
【0025】比較合成例1 初期仕込みモノマーをアクリル酸イソボルニル(以下、
IBXAという)20.5gおよびVMS2.0gに変
更し、CTFEの仕込み量を700gに変更し、追加単
量体のIBXAを184.5gとVMSを18.0gに
変更した以外は実施例1と同様な方法で重合をおこな
い、乾燥後に共重合体(以下、F4という)を240g
得た。F4の数平均分子量は9300でありTgは68
℃であった。実施例1と同様に分析した結果、その組成
はCTFE/IBXA/VMS=38/56/6(モル
%)であった。
【0026】比較合成例2 初期仕込みモノマーをアクリル酸ブチル(以下、BAと
いう)6.3g、EA8.6gおよびVMS2.0gに
変更し、CTFEの仕込量を800gに変更し、追加単
量体をBA56.7g、EA77.4g、VMS18.
0gに変更した以外は実施例1と同様な方法で重合をお
こない、乾燥後に共重合体(以下、F5という)を14
8g得た。F5の数平均分子量は10500でありTg
は2℃であった。実施例1と同様に分析したところその
組成は、CTFE/BA/EA/VMS=41/20/
35/4(モル%)であった。
【0027】比較合成例3 初期仕込みモノマーをアクリル酸ターシャリーブチル
(以下、tBAという)3.1g、EA9.6g、VM
S1.5gに変更し、CTFE仕込み量を300gに変
更し、追加単量体をtBA27.6g、EA86.4
g、VMS13.5gに変更した以外は、実施例1と同
様な方法で重合をおこない、乾燥後に共重合体(以下、
F6という)を159g得た。F6の数平均分子量は1
5000でありTgは26℃であった。実施例1と同様
に分析した結果、その組成はCTFE/tBA/EA/
VMS=25/15/56/4(モル%)であった。
【0028】比較合成例4 攪拌機を備えた2リットルのオートクレーブに酢酸ブチ
ル180g、エチルビニルエーテル(以下、EVEとい
う)90.8g、VMS17.8gを仕込み、−70℃
まで冷却した。減圧脱気と窒素置換を3回繰り返した後
脱気し、CTFE220gを仕込んだ。58℃まで昇温
後、PPV1.3gを酢酸ブチル10gに溶解させて調
製した重合開始剤溶液をオートクレーブに圧入し重合を
開始した。 重合開始3時間後、PPV1.2gを酢酸
ブチル10gに溶解して調製した重合開始剤溶液をオー
トクレーブに圧入した。重合開始6時間経過後に68℃
まで昇温し重合を計8時間行った。冷却後、未反応のC
TFEをパージし、オートクレーブを開放して共重合体
溶液を得た。得られた溶液を濾過した後、メタノール中
に投入し、洗浄乾燥させて245gの共重合体(以下、
F7という)を得た。F7の数平均分子量は17000
であり、Tgは20℃であった。実施例1と同様に分析
した結果、組成は、CTFE/EVE/VMS=50/
46/4(モル%)であった。
【0029】<実施例1〜3、比較例1〜4>上記合成
例1〜3および比較合成例1〜4で得られた共重合体F
1〜F7を用いて以下の配合で白塗料を調整した。所定
量配合した後、100gのガラスビーズを加えディスパ
ーで30分間顔料分散行い、その後ビーズを濾布で除い
た。 (白塗料の配合) F1〜F7の酢酸ブチル溶液(固形分60重量%) 58.3g ルチル型酸化チタン〔石原産業(株)製CR−97〕 23.3g オルト酢酸トリメチル 2.0g キシレン 16.4g ──────────────────────────────── 合計 100.0g
【0030】<試験例1>上記配合でそれぞれの樹脂
(F1〜F7)について調整した白塗料50gに下記割
合で調製した塗料添加液10gを混合した。 (塗料添加液の配合) γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシラン 1.0g ジブチル錫ジアセテート(10重量%トルエン溶液) 1.8g 酢酸ブチル 17.2g ──────────────────────────────── 合計 20.0g 上記で得られた塗料用組成物を、バーコーターで乾燥膜
厚約25μとなるようアルミ板(5052P材、クロメ
ート処理板)に塗装した後、室温で1週間乾燥させた塗
膜について以下の試験を行い、その結果を表1に示し
た。 1)60゜光沢:JIS−K5400に記載の方法で測
定した。 2)耐屈曲性:JIS−K5400に記載の方法で試験
を行い、合格した心棒の直径(φ)を示した。 3)耐汚染性:名古屋市南部工業地帯において、塗装基
材を45度の角度で設置し、5ヶ月間暴露試験を行った
後、試験前後のL値の変化(ΔL)を測定した。−ΔL
値が大きいほど汚れていることを示す。 4)促進耐候性:スーパーUVテスター(SUV)を用
い下記条件で720時間試験を行なった後の光沢保持率
(%)を示す。 光源 :メタルハライドランプ フィルター:KF−1 (1サイクル=24hr) 照射 :80mJ/cm2 ,12hr 63℃、50%RH 結露 : 8hr 20℃、>90%RH レスト : 4hr 63℃、90%RH
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明における塗料用組成物は、高光沢
で、耐候性に優れた塗膜を与えるだけでなく塗装基材へ
の密着性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性にも優れたもので
あり、各種塗料用途など、工業的に極めて利用価値が大
きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 214:18 230:08)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須構成単量体およびそれらの合計量を基
    準とする割合が、(a)フルオロオレフィン:5〜70
    モル%、(b)シクロヘキシル基に置換基を有しても良
    いが橋架け構造を有しないアクリル酸シクロヘキシルエ
    ステル:20〜70モル%、(c)下記式(1)で表さ
    れる有機ケイ素化合物:1〜20モル%および(d)
    (b)以外のアクリル酸アルキルエステル1〜50モル
    %である含フッ素共重合体ならびに硬化促進剤からなる
    常温硬化可能な塗料用組成物。 R−SiXn 3-n (1) (Rはオレフィン性不飽和結合を有する基、Xは炭素数
    1〜20のアルキル基を示し、Yは加水分解可能な基で
    あり、複数個有る場合のXおよびYはいずれも同じでも
    異なってもよく、nは0,1または2である)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004196990A (ja) * 2002-12-19 2004-07-15 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JP2012077167A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Toagosei Co Ltd 硬化性組成物
CN108503847A (zh) * 2018-05-12 2018-09-07 湖南辰砾新材料有限公司 一种含氟聚氨酯/丙烯酸酯uv固化树脂及其制备方法

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