JPH08283649A - 塗料組成物及び該塗料組成物を用いる塗膜の形成方法 - Google Patents

塗料組成物及び該塗料組成物を用いる塗膜の形成方法

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JPH08283649A
JPH08283649A JP8358695A JP8358695A JPH08283649A JP H08283649 A JPH08283649 A JP H08283649A JP 8358695 A JP8358695 A JP 8358695A JP 8358695 A JP8358695 A JP 8358695A JP H08283649 A JPH08283649 A JP H08283649A
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silyl group
acid
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JP8358695A
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Kazumasa Saegusa
一正 三枝
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Dai Nippon Toryo KK
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Dai Nippon Toryo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性、耐汚染性、可撓性、耐寒性などに優
れ、かつ塗り替え間隔が長い、高寿命塗膜を形成するこ
とができる塗料組成物、及び該塗料組成物を使用して高
寿命塗膜を形成する方法を提供する。 【構成】 加水分解性シリル基を有する含フッ素共重合
体、及び(メタ)アクリル酸の炭素数2〜4のアルキル
エステルを5〜80重量%と、加水分解性シリル基を有
するアクリル酸とを含むアクリル共重合体とからなる結
合剤成分、並びに硬化触媒成分を含む塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料組成物及び該塗料
組成物を用いた塗膜の形成方法に関するものである。詳
細に述べると、耐候性、耐汚染性、可撓性、耐寒性など
に優れ、かつ塗り替え間隔が長い高寿命塗膜を形成する
ことができる塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から防食、耐久性向上及び美観付与
などを目的として、タンク、橋梁等の鋼構造物や自動
車、建材、建築物等に塗装が施され、塗膜の劣化が進む
と必要に応じて塗り替えられてきた。近年、塗装塗り替
え間隔を延ばすため、また通常、塗り替えを行わない製
品の耐用期間を延ばすため、塗膜の高寿命化が要求され
るようになり、このような市場の要望に対応する為、長
期耐候性等に優れたフッ素樹脂塗料やアクリルシリコン
塗料が開発されてきた。しかし、従来のフッ素樹脂塗料
のうち、ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を溶媒中に分散
させた塗料は、分散状態のフッ素樹脂を連続膜とするた
めに高温溶融を必要とするので、高光沢で鮮映な塗膜を
形成するのが難しく、また常温や比較的低温の用途に使
用できない。また、ポリフッ化ビニリデン樹脂の溶解性
を改善するため、特定の強溶剤を溶解に用いた塗料で
は、一般の塗料用溶剤が使用できず、かつ強溶剤の臭気
が強いという欠点があり、さらに塗料中の塗膜形成成分
が少ないため、必要な膜厚が得にくく、高光沢の塗膜が
形成されないという問題があった。そして、このような
欠点を排除するため、塗料用フッ素樹脂として開発され
たフルオロオレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル
等を構成成分とする含フッ素共重合体を用いた塗料が開
発された。この塗料の主成分である含フッ素共重合体は
水酸基を含むので、イソシアネートやアミノプラストを
用いて、常温又は低温で架橋することができ、耐候性、
耐食性などの優れた塗膜を形成することができるが、耐
汚染性が低いという欠点がある。また、同様に開発され
たアクリルシリコン樹脂塗料は、アクリル樹脂の側鎖に
あるアルコキシシランの加水分解架橋反応を利用するも
ので、フッ素樹脂塗料よりも耐汚染性の優れた塗膜を形
成するが、低温時の可撓性に劣り、建築、建材用途では
凍害防止に不十分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の塗料
の欠点を克服し、耐候性、耐汚染性、可撓性、耐寒性な
どに優れ、かつ塗り替え間隔が長い、高寿命塗膜を形成
することができる塗料組成物、及び該塗料組成物を使用
して高寿命塗膜を形成する方法を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため研究を行った結果、加水分解性シリル基
を有する含フッ素共重合体、加水分解性シリル基を有す
るアクリル共重合体及び硬化触媒成分を組み合わせるこ
とにより、耐候性、耐汚染性、可撓性、耐寒性などに優
れ、かつ高寿命の塗膜を形成することができるという知
見を得た。したがって、本発明は、加水分解性シリル基
を有する含フッ素共重合体、及び(メタ)アクリル酸の
炭素数2〜4のアルキルエステルを5〜80重量%と、
加水分解性シリル基を有するアクリル酸とを含むアクリ
ル共重合体からなる結合剤成分、並びに硬化触媒成分を
含む塗料組成物を提供する。さらに本発明は、基材上に
顔料を含むベース塗料を塗装し、次いで前記塗料組成物
を塗り重ねることを特徴とする塗膜の形成方法を提供す
るものである。以下、本発明について詳細に説明する。
【0005】本発明の塗料組成物は、加水分解性シリル
基を有する含フッ素共重合体に、それと相溶性の優れ
た、加水分解性シリル基を有するアクリル共重合体を主
成分とする主剤に、硬化触媒として含有するもので、通
常、クリヤー塗料、カラークリヤー塗料又はエナメル塗
料として使用する。本発明でいう「加水分解性シリル基
を有する含フッ素共重合体」とは、一分子中に少なくと
も1個の加水分解性シリル基を側鎖に有する含フッ素共
重合体をいう。このような含フッ素共重合体を合成する
には下記の方法がある。 (1) 加水分解性シリル基を含有するビニル単量体をフル
オロオレフィン類と共重合させる。 (2) 加水分解性シリル基含有連鎖移動剤の存在下に、加
水分解性シリル基を含有するビニル単量体とフルオロオ
レフィン類とを共重合させる。 (3) 水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基等
の反応性基を有する含フッ素共重合体と、該反応性基と
反応し得るエポキシ基、イソシアネート基、アミノ基等
の官能基を有する低分子量の加水分解性シリル基含有化
合物とを反応させて含フッ素共重合体に加水分解性シリ
ル基を導入する。
【0006】本発明において、加水分解性シリル基と
は、下記一般式(I)を有し、加水分解され易い反応性
基をいう。 −Si(R1)a (R2)3-a (I) 式中、R1 は水素原子、アルキル基、アリール基又はア
ラルキシ基であり、R2はハロゲン原子、アルコキシ基、
置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メル
カプト基、アミノ基、イミノオキシ基又はアルケニルオ
キシ基であり、かつaは0、1又は2の整数である。こ
の加水分解性シリル基の具体例を挙げると、ハロシリル
基、アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、フェノ
キシシリル基、メルカプトシリル基、アミノシリル基、
イミノオキシシリル基又はアルケニルオキシシリル基な
どがある。
【0007】前記(1) 及び(2) の方法で用いられるフル
オロオレフィン類の例を挙げると、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン、ブロモトリフルオロエチレン、クロロトリフ
ルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフ
ルオロプロピレン、(パー)フルオロアルキルトリフル
オロビニルエーテル〔但し、(パー)フルオロアルキル
基の炭素数は1〜18個)などがあり、これらを単独で
又は2種以上組み合わせて使用することができる。これ
らのフルオロオレフィン類のうち好ましいものは、フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン及び(パー)フルオロ
(C3 〜C4)アルキルトリフルオロビニルエーテルな
どである。該フルオロオレフィン類の使用量は、本発明
の含フッ素共重合体の製造に用いる全単量体の10〜7
0重量%、好ましくは20〜60重量%が適当である。
このようにフルオロオレフィン類の量を規定するのは、
10重量%以下だと耐候性能が不充分であり、70重量
%以上だと、溶解性が低下、製造しずらい傾向が出るか
らである。
【0008】また、(1) 及び(2) の方法で用いる加水分
解性シリル基を含有するビニル単量体とは、前記一般式
(I)で示されるハロシリル基、アルコキシシリル基、
アシロキシシリル基、フェノキシシリル基、メルカプト
シリル基、アミノシリル基、イミノオキシシリル基又は
アルケニルオキシシリル基などの加水分解され易い官能
基を含有するビニル単量体をいう。これらのビニル単量
体のうち、フルオロオレフィン類との共重合性の点か
ら、下記一般式(II)、 (III)又は (IV) で表される、加
水分解性シリル基を含有するビニル単量体、特にビニル
エーテル類が好ましい。 R3 (X1 2 )SiY1 (II) R3 (X1)Si(Y1 2 ) (III) R3 Si(Y1 2 3 ) (IV) 式中、R3 はオレフィン性不飽和結合を有し、炭素原
子、水素原子及び場合によって酸素原子を含む有機基を
表し、X1 及びX2 は同一又は相違し、それぞれオレフ
ィン性不飽和基を有さない有機基を表し、Y1 、Y2
びY3 は同一又は相違し、それぞれ加水分解可能な基を
表す。
【0009】前記R3 の具体例を挙げると、ビニル基、
アリル基、ブチニル基、シクロヘキセニル基、シクロペ
ンタジエニル基などがあり、また末端不飽和酸のエステ
ル結合を有する基であってもよい。前記X1 及びX2
具体例を挙げると、メチル基、エチル基、プロピル基、
テトラデシル基、オクタデシル基、フェニル基、ベンジ
ル基、トリル基などの一価の炭化水素基、及びそのハロ
ゲン置換炭化水素基などがある。前記Y1 、Y2 及びY
3 の具体例を挙げると、メトキシ基、エトキシ基、ブト
キシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基又はアル
コキシアルコキシ基;ホルミロキシ基、アセトキシ基、
プロピオノキシ基等のアシロキシ基;−ON=C(CH
3)2 、 −ON=C(C2 3)2 等のオキシム;−NHC
3 、−NHC2 5 、−NH(C6 5 )等の置換ア
ミノ基又はアリールアミノ基などがある。
【0010】このようなビニル単量体の具体例を挙げる
と、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメトキシシラ
ン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニル
ジエチルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシシラン)、ビニルトリイソプロペニルオキシシ
ラン、ビニルトリス(ジメチルイミノオキシ)シラン、
ビニルトリス(メチルエチルイミノオキシ)シラン、ビ
ニルトリクロロシラン、ビニルトリフェノキシシラン、
トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、トリエトキ
シシリルエチルビニルエーテル、メチルジメトキシシリ
ルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリルプロピル
ビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピルビニルエ
ーテルなどがある。なお、本発明の加水分解性シリル基
を有する含フッ素共重合体の製造においては、前記加水
分解性シリル基含有単体量の他に、その重合率を低下さ
せない範囲内で、アリルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
イソプロペニルオキシシランなどの単量体を併用でき
る。
【0011】また、該含フッ素共重合体の製造において
は、前記フルオロオレフィン類と加水分解性シリル基を
含有するビニル単量体との共重合に際して、他の共重合
性単量体を使用することができる。そのような単量体の
例を挙げると、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリ
ン酸ビニル、カプリル酸ビニル、バーサティック酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル又はステアリン酸ビニルの如き直
鎖状ないしは分岐状の脂肪族カルボン酸のビニルエステ
ル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルエステルの如き脂
環式カルボン酸ビニルエステル、安息香酸ビニルエステ
ル、p−t−ブチル安息香酸ビニルエステル又はサリチ
ル酸ビニルエステルの如き芳香族系カルボン酸ビニルエ
ステル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシ
プロピルビニルエーテル又はヒドロキシブチルビニルエ
ーテルの如きヒドロキシアルキルビニルエーテル、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビ
ニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチル
ビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル又はシクロ
ヘキシルビニルエーテルの如き直鎖状ないしは分岐状の
脂肪族又は脂環式ビニルエーテル類、グリシジルビニル
エーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの如きエポ
キシ基を有する単量体類、アクリル酸、メタアクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イ
タコン酸、フマル酸、マレイン酸モノエチル、マレイン
酸モノブチル、フマル酸モノブチル、イタコン酸モノブ
チル、アジピン酸モノビニル、セバシン酸モノビニルな
どのカルボキシ基を有する単量体類、ジメチルアミノエ
チルビニルエーテル、ジメチルアミノプロピルビニルエ
ーテル、N−ジメチルアミノプロリル(メタ)アクリル
アミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの
如き塩基性窒素を含有するビニル系単量体類、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1又はヘキセン−1の如きα
−オレフィン類、塩化ビニル又は塩化ビニリデンの如き
前記フルオロオレフィンを除くハロゲン化オレフィン
類、スチレン、α−メチルスチレン又はビニルトルエン
の如き芳香族ビニル系単量体類、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エ
ステルの如き(メタ)アクリル酸エステル類、さらには
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−ブトキ
シメチル(メタ)アクリルアミドなどがある。
【0012】これらの単量体のうち、得られたポリマー
の溶剤に対する溶解性を向上させるため、炭素数3〜2
3の脂肪族カルボン酸のビニルエステル類、脂環族カル
ボン酸のビニルエステル類、および芳香族カルボン酸ビ
ニルエステル類から選ばれるものを単独で、又は2種以
上の混合物として、全単量体の10の重量%以上の割合
で加えるのが好ましい。さらに好ましいのは、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテル又はシクロアル
キルビニルエーテルの如き直鎖状、又は分岐状の脂肪族
又は脂環族ビニルエーテルであって、これらの単量体
を、全単量体中の5重量%以上の割合で加えると、目的
とする重合体が効率よく得られる。
【0013】次に、前記(2) の方法で用いられる加水分
解性シリル基を含有する連鎖移動剤について説明する。
該連鎖移動剤は、本来共重合体の分子量調節のために用
いられるものであるが、本発明ではそれと同時にフルオ
ロオレフィン共重合体の分子鎖末端に加水分解性シリル
基を導入する目的で使用する。この場合、前記加水分解
性シリル基を含有するビニル単量体と併用するのが好ま
しく、前記(2) の方法において用いるのが望ましい。こ
の加水分解性シリル基含有連鎖移動剤の具体例を挙げる
と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジエトキシシラン又はγ−メルカプトプロ
ピルトリイソプロペニルオキシシランなどがある。
【0014】これらの加水分解性シリル基含有ビニル単
量体及び加水分解性シリル基含有連鎖移動剤は、得られ
るポリマーの相溶性や硬化性及び安定性を適当な水準に
するため、樹脂固形分1000g当たりの加水分解性シ
リル基の導入量が、0.〜3.0モル、好ましくは0.3〜2.
0モルとなる量で使用することが好ましい。 これまで
述べた単量体類を、必要に応じて使用する前記連鎖移動
剤の存在下で、ラジカル重合開始剤を用い、塊状重合ま
たは溶液(加圧)重合などの公知の技術により、回分
式、半連続式あるいは連続式の操作で重合させればよ
い。ここで用いるラジカル重合開始剤の具体例を挙げる
と、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ドの如きジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの
如きケトンパーオキサイド類、過酸化水素、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ドの如きハイドロパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイドの如きジアルキ
ルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシピパレートの如きアルキルパーオキシエステル
類、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロ
ニトリルの如きアゾ系開始剤類、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウムの如き過硫酸塩などであり、さらに必要
に応じて亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム
の如き無機の還元剤、又はナフテン酸コバルト、ジメチ
ルアニリンの如き有機の還元剤も用いられる。
【0015】共重合反応方法として、前記(1) 〜(3) の
ような公知の各種方法を用いることができるが、そのう
ちでも、溶剤加圧重合法が簡便である。その際に用いら
れる溶剤の例を挙げると、トルエン、キシレン、シクロ
ヘキサン、n−ヘキサン、オクタンの如き炭化水素系、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル
系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンの如き
ケトン系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ドの如きアミド系、メタノール、エタノール、i−プロ
パノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec-ブタ
ノール、エチレングリコールモノアルキルエーテルの如
きアルコール系溶剤及びこれらの混合物がある。特に、
得られる共重合体の保存安定性を向上させる目的で、又
は該共重合物が、加水分解性シリル基含有アクリル共重
合体と相溶性が乏しい場合、その改善目的として、両共
重合体を部分加水分解して混合する際は、加水分解時の
水との混合性を考慮して、アルコール系溶剤を含む溶剤
を用いることが好ましい。
【0016】また、共重合反応にさいしては、分子量調
節剤としてラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタ
ン、2−メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダ
イマーの如き各種の連鎖移動剤を使用することができ
る。共重合反応の際の反応温度は、−20℃〜130
℃、好ましくは10〜100℃の範囲が適当であり、ま
た反応初期の圧力としては1〜100kg/cm2 、好まし
くは5〜60kg/cm2 の範囲が適当である。このように
して得られる加水分解性シリル基を含有する含フッ素共
重合体の数平均分子量(Mn)は、2,000〜50,00
0、好ましくは5,000〜30,000の範囲が適当であ
る。この数平均分子量を2,000以上にするのは、充分
な耐候性能が発揮されず、50,000以下にするのは、
貯蔵安定性が著しく低下することによる。
【0017】また前記(3) の方法は、加水分解性シリル
基を含まない公知の含フッ素共重合体が有するイソシア
ネート基、水酸基、カルボン酸基、エポキシ基、アミノ
基等の反応性を利用し、これらの基と反応し得る反応性
基と加水分解性シリル基の双方を有する低分子化合物を
適宜使用し、含フッ素共重合体に加水分解性シリル基を
導入するものである。この反応性基と加水分解性シリル
基を有する化合物の具体例を挙げると、γ−イソシアネ
ートプロピルメチルジメトキシシランなどのイソシアネ
ートアルキルアルコキシシラン類、トリメトキシシリル
イソシアネートなどのアルコキシシリルイソシアネート
類、4−トリメトキシシリルテトラヒドロ無水フタル酸
などのアルコキシシリル酸無水物類、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジエトキシシランなどのグリシドキシア
ルキルアルコキシシラン類、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン等のアミノアルキルアルコキシシラン類、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロアル
キルアルコキシシラン類、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン等のチオアルキルアルコキシシラン類等
があり、取扱い性、反応制御の容易性が良く、臭気、腐
蝕物質生成が少ないなどの点から、イソシアネートアル
キルアルコキシシラン、アルコキシシリルイソシアネー
ト等が好ましい。
【0018】当該化合物において、炭素数1〜8のアル
コキシが使用可能であるが、炭素数1〜4のメトキシ、
エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が、反応速度及び加
水分解副生物の蒸発速度が速いという点から好ましい。
また、本発明の加水分解性シリル基を有するアクリル共
重合体とは、前記フッ素共重合体と相溶性があり、かつ
一分子中に少なくとも一個の加水分解性シリル基を側鎖
に含有するアクリル共重合体をいう。該アクリル共重合
体は、(メタ)アクリル酸の炭素数2〜4のアルキルエ
ステル及び該単量体と共重合可能な加水分解性シリル基
を含む単量体を必須成分とする共重合体であるのが好ま
しい。このアクリル共重合体の重量平均分子量は、3,0
00〜10万、好ましくは6,000〜80,000とする
のが好ましい。このように重量平均分子量を3,000 以上
とするのは、十分な耐候性能を発揮するためであり、10
万以下とするのは、共重合体の保存安定性を確保するた
めである。
【0019】前記(メタ)アクリル酸の炭素数2〜4の
アルキルエステルの具体例を挙げると、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタク
リル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸ターシャリィブチル、メタクリル酸
ターシャリィブチル等がある。該アルキルエステルは、
前記含フッ素共重合体と均一に相溶する成分であり、そ
の含有量は、アクリル共重合体の重量を基準として、5
〜80重量%、好ましくは20〜70重量%が適当であ
る。このアルキルエステルの含有量を5重量%以上にす
るのは、その含有量が低すぎると、前記含フッ素共重合
体との相溶性が低下し、その結果塗膜の透明性、光沢、
鮮映性が減少する傾向にあり、またその含量が高すぎる
と塗膜の硬度が低下し、また耐候性も低下するからであ
る。該アクリル共重合体における加水分解性シリル基含
有単量体は、その得られるポリマーの相溶性、硬化性及
び貯蔵安定性を高い水準に保つため、樹脂固形分1,00
0g当たり加水分解性シリル基の量が0.1〜3.0モル、
好ましくは0.2〜2.0モルとなる量で使用するのが適当
である。
【0020】これらの加水分解性シリル基含有単量体と
しては、前記加水分解性シリル基含有フッ素共重合体の
共重合に使用した、ビニルアルコキシシラン、ビニルア
ルキルアルコキシシラン、アルコキシシリルビニルエー
テル、アリルアルコキシシラン、γ−アクロイルアルキ
ルアルコキシシラン等の単量体がある。また、加水分解
性シリル基をアクリル共重合体に導入する方法はアクリ
ル単量体と加水分解性シリル基含有単量体とを共重合さ
せる方法が一番簡単であるが、かならずしも本方法にこ
だわる必要はない。加水分解性シリル基を含まない公知
のアクリル共重合体の水酸基、カルボン酸基、アミノ酸
基、エポキシ基等の反応性基を利用し、反応基と加水分
解性シリル基とをもつ低分子化合物を反応させても良
い。その具体例は前記含フッ素共重合体の製造法(3) の
方法と同じものである。
【0021】加水分解性シリル基を有するアクリル共重
合体に、前記2種類の単量体の他に一種以上の他の単量
体を共重合させてもよい。ここで用いる他の単量体の例
を挙げると、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル
酸、無水マレイン酸等の酸単量体類、(メタ)アクリル
酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル等の(メタ)
アクリル酸エステル類、N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミドの如き塩基性窒素を有する単量体、
グリシジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基を有
する単量体類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルの如き水酸基を
有する単量体類、その他スチレン、メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、β−ヒドロキシ(メタ)アクリレ−トの
リン酸エステル、さらには(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピリジン
等やヒドロキシ化合物、アミノ系、エポキシド等があ
る。前記アクリル共重合体は、所定割合の単量体混合物
と、重合溶媒との共存下で、重合開始剤を作用させるこ
とにより、常法で共重合反応を行わせて製造することが
出来る。この共重合反応で用いる重合溶媒には、キシレ
ン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコ
ール、ブタノール等がある。
【0022】本発明の結合剤成分における、加水分解性
シリル基含有フッ素共重合体と該加水分解性シリル基含
有アクリル共重合体の混合割合は、重量比で3:97〜
60:40、好ましくは5:90〜50:50とするの
が適当である。このように混合割合を特定するのは、こ
の範囲より該含フッ素共重合体が少ないと耐候性、可撓
性が低下し、逆に多くなるに従い汚染性が低下するから
である。本発明の結合剤成分を調製する場合、両方共重
合体を単純に混合して差支えないが、若干相溶性に乏し
い場合、水を添加して両共重合体を部分的に加水分解
し、混合すると相溶性が改善される。この場合、該含フ
ッ素共重合体及び該アクリル共重合体の溶媒が、水と均
一に混合可能な溶媒組成であることが好ましい。該溶媒
組成が水と混合できない、又は混合が困難な組成の場
合、加水分解に要する水の添加前に、水と混和可能な組
成になるように予め水混和性溶媒で希釈し調整する必要
がある。この操作が不十分な場合には加水分解が不均一
になり、共重合体粒子の形成や部分的なゲル化が起る傾
向がある。この様な相溶性を改善するための部分加水分
解は、両共重合体の全加水分解能の3〜20%の範囲で
行うのが好ましい。この加水分解率が低いと相溶性改善
効果が小さく、一方、加水分解率が高くなるに従い、貯
蔵安定性や硬化剤添加後の可使時間が短くなるという欠
点が現れる傾向がある。
【0023】本発明では硬化触媒成分として、酸、有機
塩基、有機金属などがある。これらの触媒成分の具体例
を挙げると、次のとおりである。 硬化触媒成分となる酸:硝酸、塩酸、硫酸等の無機
酸、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、マレイン酸、クロロ酢
酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、グルタル
酸、グリコール酸、マロン酸、トルエンスルホン酸等の
有機酸; 硬化触媒成分となる有機塩基:アミノ類、アミン塩、
4類アンモニウム塩、グアニジン化合物; 硬化触媒成分となる有機金属:金属がスズ、アルミニ
ウム、ホウ素、チタニウム、珪素、ジルコニウム、リン
であるカルボン酸塩、アルキル金属カルボン酸塩、アル
キル金属酸化物、金属酸アルキルエステル、金属アルコ
キシド等、具体的には、オクチル酸スズ、ジブチルスズ
ジラウレート、ジブチルスズオキサイド、テトラブチル
チタネート、ホウ酸トリエチル、テトラブチルジルコニ
ウム、アセチルアセトアルミニウム、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクチ
ルリン酸チタンアミノ塩である。
【0024】これらの硬化触媒成分を、単独、又は2種
以上組み合わせて使用することができ、特に単独又は2
〜4種を組み合わせて使用することが好ましい。また、
該硬化触媒成分の添加量は、固形分の重量を基準として
0.1〜7重量%、好ましくは0.2〜5重量%とするのが
適当である。この添加量が0.1重量%よりも少ないと硬
化速度が遅くなり、7重量%よりも多いと可使時間が極
端に悪くなる傾向がある。本発明の塗料には必要に応じ
顔料を混合することができる。顔料の添加量は、結合剤
成分の固形分100重量部に対し、0.5〜150重量
部、好ましくは1.0〜100重量部とするのが適当であ
る。ここで用いる顔料の例を挙げると、酸化チタン、カ
ーボンブラック、酸化鉄、黄鉛複合酸化物(ニッケルチ
タン系、クロムチタン系、ビスマスバナジウム系)など
の各種の無機顔料、キナクリドン、ジケトピロロピロー
ル、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、アンスラ
ピリミジン、フタロシアニン、スレン、ジオキサジンな
どの各種の有機顔料がある。またタルク、マイカ、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、カオリン等の各種の体質顔料、さらにプラスチック
スビーズ、センイ状顔料等が挙げられる。さらに必要に
応じて、各種の添加剤、各種改質剤、水分捕捉剤等を適
宜混合して使用することができる。本発明で用いる添加
剤、各種改質剤としては、各種の顔料分散剤、沈殿防止
剤、表面改質剤、紫外線吸収剤等があり、これらは前記
結合剤成分の固形分100重量部に対し0.1〜10重量
部の範囲で使用することができる。
【0025】顔料の混合や連合工程で起きる、該結合剤
成分への水分混入に伴って生じる貯蔵安定性の悪化を防
止するため、必要に応じて水分捕捉剤を使用する。この
水分捕捉剤には、加水分解速度の早いエステル系の脱水
剤が好ましく、その具体的な例を挙げると、オルソギ酸
トリメチル、オルソギ酸トリエチル、オルソギ酸トリプ
ロピル等のオルソギ酸トリアルキル類、オルソ酢酸トリ
メチル、オルソ酢酸トリエチル、オルソ酢酸トリプロピ
ル等のオルソ酢酸トリアルキル類、オルソ珪酸テトラメ
チル、オルソ珪酸テトラエチル、オルソ珪酸テトラプロ
ピル等のオルソ珪酸テトラアルキル等がある。その使用
量は前記結合剤成分の固形分100重量部に対し、0.1
〜5重量部の範囲が好ましい。また、塗料に用いる溶剤
の具体例を挙げると、トルエン、キシレン等の芳香族
系、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール、グリコールモノエチルエーテル、グルコールモ
ノブチルエーテルの如きアルコール系、酢酸エチル、酢
酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル系、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系
溶剤がある。これらの溶剤類は結合剤成分と触媒成分と
の固形分100重量部に対し、80〜500重量部の範
囲で使用することができる。
【0026】このようにして得られた本発明の塗料組成
物を含む塗料は、常法のスプレー塗装、静電塗装、ロー
ルコーター塗装、フローコーター塗装、その他の塗装方
法等で塗装することができ、塗装方法に特に制限はな
い。また、当該塗料はベース塗料塗膜が、未乾燥状態ま
たは乾燥状態のいずれの時でもこれに塗り重ねることが
できる。すなわち、本発明の塗料組成物を含む塗料をベ
ース塗料塗膜が未乾燥の状態で、塗り重ねる場合は、1
0秒間〜10分間程度のセッティング時間をおいて塗り
重ねる。また、該塗料をベース塗料塗膜が乾燥した後塗
り重ねる場合は、ベース塗料塗膜が常温乾燥の場合に
は、概ね2時間以上放置した後、もしくは、強制乾燥さ
せた後塗重ね、焼付硬化型の場合は、焼付硬化させた後
塗り重ねる。また、本発明の塗料組成物を含む塗料の乾
燥は、常温〜180℃の温度範囲に2.3分〜24時間で
硬化させることにより行う。なお、本発明の塗料組成物
及び塗装方法が適用できる被塗物として鋼材、ステンレ
ス材、アルミニウム材等の各種金属材料は勿論のこと、
モルタル、コンクリート、ALC板、石膏スラグパーラ
イト板、木片セメント板、フレキシブルボード、ガラス
板等の無機材料あるいは、プラスチック、木材等があ
る。
【0027】次に、本発明で用いるベース塗料について
説明する。該ベース塗料は、従来から一般に知られてい
る鱗片状金属粉末顔料及び/又は無機、有機着色顔料を
含む、常温硬化型又は焼付硬化型塗料である。すなわ
ち、ベース塗料は合成樹脂、顔料及び必要に応じ溶剤、
添加剤、改質剤等からなるものである。合成樹脂の具体
的な例を挙げると、アミノアルキド樹脂系、アミノアク
リル樹脂系、アミノポリエステル樹脂系、アクリルウレ
タン樹脂系、ポリエステルウレタン樹脂系、エポキシ樹
脂系、セルロース樹脂系、ビニル樹脂系等がある。本発
明のベース塗料は、これらの合成樹脂を、有機溶剤に溶
解又は分散させた型、水に溶解又は分散させた型、無溶
剤型、粉末型のいずれの形態でも任意に選択できる。ま
た顔料としては、アルミニウム粉末、ステンレス粉末、
銅粉末、ブロンズ粉末、酸化鉄粉末、酸化チタンなどで
処理した雲母粉末等の鱗片状金属粉末顔料、酸化チタ
ン、カーボンブラック、フタロシアニン等の各種無機あ
るいは有機着色顔料及び防食顔料等が挙げられる。さら
に必要に応じ各種体質顔料も併用可能である。さらに必
要に応じ、水、キシレン、トルエン、ブタノール、メチ
ルエチルケトン、セロソルブアセテート等の溶剤、紫外
線吸収剤、表面調整剤、硬化促進剤等の添加剤、セルロ
ースアセテートブチレート等の改質剤を適宜使用するこ
とが出来る。以下に本発明で用いる原料の製造例、本発
明の実施例、比較例及び測定試験について説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
〔製造例1〕容量3000ccのステンレス製攪拌機付オ
ートクレーブに、ベンゼン800g、ブチルビニルエー
テル(BVE)252g、トリメトキシビニルシラン
(TMVS)71g及び過酸化ジラウロイル10gを仕
込み、アセトン、ドライアイスによる固化、脱気を行
い、反応系内の酸素を除去した。その後、ヘキサフルオ
ロプロペン(HFP)450gをオートクレーブ中に導
入し加熱した。オートクレーブ内の温度が65℃に達し
た時点での圧力は8.1kg/cm2 であった。攪拌しながら
8時間反応を続け、圧力が4.8kg/cm2 に達した時点で
オートクレーブを水冷し、反応を停止した。冷却後、未
反応モノマーを追い出し、オートクレーブを開放し、反
応液を取り出した。濃縮後、ベンゼン・メタノール混合
溶液で洗浄し、再び濃縮、乾燥を行った。ポリマー収量
は600gであった。
【0029】得られたポリマーのクロマトグラフィーカ
ラム(GPC)による数平均分子量は1.0×104 であ
り、ガラス転移点は−14℃であった。また、この共重
合物の組成分析を元素分析及びNMR を用いて行った
ところHFP/BVE/TMVS=48/40/12
(モル比)であった。この共重合物500gをイソプロ
パノール50gとトルエン450gとの混合物に溶解し
て加水分解性シリル基を有する含フッ素共重合体ワニス
を得た。 〔製造例2〕加水分解性シリル基を有する含フッ素共重
合体ワニスとして市販されている「ゼッフルVE420
S−1」(ダイキン工業株式会社製)を用いた。その物
性は次の通りであった: ワニス粘度 290cp(B型25℃) 固形分濃度 60.9% トリエトキシシリル基含量 11.5% 溶剤組成 酢酸ブチル 94% トルエン 6%
【0030】〔製造例3〕含フッ素共重合体ワニスとし
て、下記の物性を有する市販の「ゼッフル GK55
0」(ダイキン工業株式会社製)を用いた。 ワニス粘度 1700cp(B型25℃) 固形分濃度 59.6% 固形分OH価 95 溶剤組成 キシレン 70 % 酢酸ブチル 30 % 容量1000ccのビーカーに、前記「ゼッフルGK55
0」380gを仕込み、室温(15〜25℃)で、攪拌
機により800rpm で攪拌しながら、γ−イソシアネー
トプロピルメチルジメトキシシラン83gとジブチルチ
ンジラウレートの1%キシレン溶液1gとを加え、5時
間反応させ加水分解性シリル基含有含フッ素共重合を製
造した。
【0031】〔製造例4〕容量3000ccのガラス製攪
拌機付き3つ口フラスコにキシレン667g及びイソプ
ロパノール75gを仕込み、温度を85℃に昇温させ
た。この温度を保ちながら上部からメタクリル酸メチル
248g、メタクリル酸イソブチル330g、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン172g及びt
−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート2.3gの
混合物を3時間にわたり滴下した。その後t−ブチルパ
ーオキシ2−エチルヘキサノエート1.5gをキシレン7.
5gに溶解したものを2時間かけて滴下した。その後、
2時間攪拌しながら反応を続け、冷却して反応を終了さ
せた。得られたポリマーの加熱残分は50.6%であり、
GPCによる数平均分子量は1.1×104 であった。 〔製造例5〕容量3000ccのガラス製攪拌機付き3つ
口フラスコに、キシレン667g及びイソプロパノール
75gを仕込み、温度を85℃に昇温させた。この温度
を保ちながら上部からメタクリル酸メチル75g、メタ
クリル酸イソブチル300g、アクリル酸2−エチルヘ
キシル150g、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン225g及びt−ブチルパーオキシ2−
エチルヘキサノエート2.3gの混合物を3時間にわたり
滴下した。その後、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート1.5gをキシレン7.5gに溶解した溶液
を2時間かけて滴下した。その後、2時間攪拌しながら
反応を続け、冷却して反応を終了させた。得られたポリ
マーの加熱残分は50.7%であり、GPCにより測定し
た数平均分子量は1.21×104 であった。
【0032】〔ベース塗料〕下記成分を混合し、ベース
塗料を調製した。 <ベース塗料(イ)> アクリル樹脂溶液 注1) 96部 メラミン樹脂溶液 注2) 21部 酸化チタン 24部 キシロール 16部 表面調製剤 0.3部 <ベース塗料(ロ)> アクリル樹脂溶液 注3) 85部 多価イソシアネート化合物 注4) 15部 酸化チタン 24部 キシロール 16部 ジブチルチンジラウレート 0.5部 表面調製剤 0.3部
【0033】<ベース塗料(ハ)> アクリル樹脂溶液 注1) 82部 メラミン樹脂溶液 注2) 18部 アルミニウムペースト 注5) 10部 キシロール 10部 表面調製剤 0.3部 <ベース塗料(ニ)> アクリル樹脂溶液 注3) 85部 多価イソシアネート化合物 注4) 15部 アルミニウムペースト 注5) 10部 キシロール 10部 ジブチルチンジラウレート 0.5部 表面調製剤 0.3部
【0034】注1. 「アクリディック47−712」
(商品名、大日本インキ化学工業社製)〔固形分50
%、水酸基価28(ワニス)、酸価5(ワニス)〕 注2. 「スーパーベッカミン L−117−60」(商
品名、大日本インキ化学工業社製)〔固形分60%〕 注3. 「アクリディックA801」(商品名、大日本イ
ンキ化学工業社製)〔固形分50%、水酸基価50(ワ
ニス)〕 注4. 「コロネートEH」(商品名、日本ポリウレタン
工業社製)「ヘキサメチレンジイソシアネート系プレポ
リマー、固形分100%〕 注5. 「アルミペースト1109MA」(商品名、東洋
アルミニウム社製)〔アルミペースト〕 〔上塗塗料〕 <上塗塗料(A)> 製造例1の加水分解性シリル基含有含フッ素共重合体ワニス 30部 製造例4の加水分解性シリル基含有アクリル共重合体ワニス 70部 酸化チタン 22部 キシレン 10部 イソプロピルアルコール 6部 添加剤 4部 ジ−n−ブチル錫ジラウレート(硬化触媒) 4部
【0035】 <上塗塗料(B)> 製造例2の加水分解性シリル基含有含フッ素共重合体ワニス 20部 製造例5の加水分解性シリル基含有アクリル共重合体ワニス 80部 酸化チタン 22部 キシレン 10部 イソプロピルアルコール 6部 添加剤 4部 ジ−n−ブチル錫ジラウレート(硬化触媒) 4部 <上塗塗料(C)> 製造例3の加水分解性シリル基含有含フッ素共重合体ワニス 20部 製造例5の加水分解性シリル基含有アクリル共重合体ワニス 80部 酸化チタン 22部 キシレン 10部 イソプロピルアルコール 6部 添加剤 4部 ジオクチル錫ジアセテート(硬化触媒) 3部
【0036】 <上塗塗料(D)> 製造例1の加水分解性シリル基含有含フッ素共重合体ワニス 30部 製造例4の加水分解性シリル基含有アクリル共重合体ワニス 70部 キシレン 10部 イソプロピルアルコール 6部 表面調製剤 0.5部 ジオクチル錫ジラウレート(硬化触媒) 4部 <上塗塗料(E)> 製造例2の加水分解性シリル基含有含フッ素共重合体ワニス 20部 製造例5の加水分解性シリル基含有アクリル共重合体ワニス 80部 無水珪酸 5部 キシレン 12部 イソプロピルアルコール 8部 添加剤 2部 ジオクチル錫ジラウレート(硬化触媒) 4部
【0037】 <上塗塗料(F)> フルオロエチレンとビニルエーテルとの共重合体ワニス 注6) 92部 酸化チタン 22部 多価イソシアネート 注7) 8部 キシレン 10部 酢酸ブチル 6部 表面調製剤 0.3部 <上塗塗料(G)> フルオロエチレンとビニルエーテルとの共重合体ワニス 注6) 92部 多価イソシアネート 注7) 8部 キシレン 10部 酢酸ブチル 6部 表面調製剤 0.3部 <上塗塗料(H)> アルコキシシリル基含有アクリルシリコンワニス 注8) 100部 酸化チタン 22部 キシレン 10部 イソプロパノール 6部 添加剤 4部 アルコキシシリル基反応用アクリルシリコン用硬化触媒 注9) 10部
【0038】 <上塗塗料(I)> アルコキシシリル基含有アクリルシリコンワニス 注8) 100部 キシレン 10部 イソプロパノール 6部 添加剤 0.5部 アルコキシシリル基反応用アクリルシリコン用硬化触媒 注9) 10部 注6) 「ルミフロンLF200」(商品名、旭硝子社製) 〔水酸基価31±3、酸価0、固形分60%〕 注7) 「コロネートEH」(商品名、日本ポリウレタン工業社製) 〔固形分100%〕 注8) 「ユピカコートB3027」(商品名、日本ユピカ社製) 〔固形分55%〕 注9) 「ユピカコートM3920」(商品名、日本ユピカ社製)
【0039】〔実施例1〜12及び比較例1〜4〕上塗
塗料A〜Eが本発明の塗料組成物を含む塗料であり、F
〜Iが比較例の塗料である。これらの塗料を用いて、塗
装及び塗膜の物性等の試験を行った。軟鋼板にカチオン
電着塗料を施した被塗物上に表1及び2に示すベース塗
料を、キシレン/酢酸ブチル/n−ブタノール(60/
20/20)の混合溶液にて粘度14秒(フォードカッ
プ#4、20℃)に調整後、エアースプレーを用いて、
乾燥膜厚25±1μm になるよう塗装した。3分間セッ
ティング後、130℃で、20分乾燥させ、次いで、表
1及び2に示す上塗塗料を前記溶剤で、粘度15秒(フ
ォードカップ#4、20℃)に調整後、エアースプレー
にて乾燥膜厚29±1μm になるよう塗り重ねた。3分
間セッティング後130℃で30分間乾燥させた。 〔実施例13〜19及び比較例5〜7〕実施例1で用い
たた軟鋼板にカチオン電着塗料を施した被塗物を、石膏
スラグパーライト板にジフェニルメタンジイソシアネー
トの30%溶液(塗布量40g/m2・湿潤状態)でプラ
イマー処理した被塗物に変更する以外は、実施例1と同
様にして試験板を作成した。
【0040】〔試験方法〕 塗膜外観:目視判定 〇:非常に良好 △:良好 ×:不良 鉛筆硬度:JIS−K−5400により測定した鉛筆硬
度 耐衝撃性:デュポン衝撃試験機 1/2″R面、高さ30cm、荷重500gf 〇:異常なし △:割れ発生 耐汚染性:赤、黒マジックインキの24時間後の除染性 〇:良好 △:汚染 ×:汚染著しい 耐酸性:0.5% H2SO4(水溶液)2mlを塗面上にスポッ
ト状に置き24時間後の塗膜変化を目視で判定した。 〇:異常なし △:若干変化 ×:著しい変化あり 耐凍害性:ASTM−C666A法によって測定した。 〇:異常なし △:軽微なクラックあり ×:著しいク
ラックあり 耐温水性:テストピースを60℃の水道水中に7日間浸
漬して塗膜の異常を目視で判定した。 〇:変化なし △:軽微な白化 ×:白化、光沢低下 促進耐候性:サンシャインウェザーオーメーター300
0時間 〇:塗膜外観に変化なし、△:塗膜変化が軽微にある ×:塗膜変化が著しい
【0041】
【表1】 表 1 ────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 素 材 軟 鋼 板 (カチオン電着塗装) ベース塗料 イ イ イ ロ ロ ロ ロ ハ ニ ロ ハ ニ 上塗塗料 A B C A B C D D D E E E 塗膜外観 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 鉛筆硬度 H H H H H H H H H H H H 耐衝撃性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 耐汚染性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 耐酸性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 促進耐候性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
【0042】
【表2】 表 2 ───────────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 4 素 材 ベース塗料 ロ ニ ロ ニ 上塗塗料 F G H I 塗膜外観 〇 〇 〇 〇 鉛筆硬度 F F 2H 2H 耐衝撃性 〇 〇 △〜〇 △〜〇 耐汚染性 × × 〇 〇 汚染あり 汚染あり 耐酸性 〇 〇 〇 〇 促進耐候性 △ △ 〇 〇 黄色汚染あり 黄色汚染あり
【0043】
【表3】 表 3 ─────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 13 14 15 16 17 18 19 5 6 7 素 材 石膏スラグパーライト板 ベース塗料 ロ ロ ロ ロ ニ ロ ニ ロ ニ ニ 上塗塗料 A B C D D E E F G I 塗膜外観 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 耐温水性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 耐汚染性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 × × 〇 汚染あり 汚染あり 耐凍害性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 × クラック有り 促進耐候性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 △ △ 〇 黄色汚染あり 黄色汚染あり

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解性シリル基を有する含フッ素共
    重合体、及び(メタ)アクリル酸の炭素数2〜4のアル
    キルエステルを5〜80重量%と、加水分解性シリル基
    を有するアクリル酸とを含むアクリル共重合体とからな
    る結合剤成分、並びに硬化触媒成分を含む塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記結合剤成分中の加水分解性シリル基
    を有する含フッ素共重合体と加水分解性シリル基を有す
    るアクリル共重合体の混合重量比が3:97〜60:4
    0である請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記結合剤成分100重量部に対し、前
    記触媒成分を0.1〜7重量部を含む請求項1又は2記載
    の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記結合剤成分の加熱残分100重量部
    に対し、顔料を0.5〜150重量部含む請求項1〜3の
    いずれか1項記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 基材上に顔料を含むベース塗料を塗装
    し、次いで請求項1〜4のいずれか1項記載の塗料組成
    物を含む塗料を塗り重ねることを特徴とする塗膜の形成
    方法。
JP8358695A 1995-04-10 1995-04-10 塗料組成物及び該塗料組成物を用いる塗膜の形成方法 Pending JPH08283649A (ja)

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JP8358695A JPH08283649A (ja) 1995-04-10 1995-04-10 塗料組成物及び該塗料組成物を用いる塗膜の形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006052242A (ja) * 2004-08-09 2006-02-23 Sk Kaken Co Ltd 着色粉粒体
JP2019019260A (ja) * 2017-07-20 2019-02-07 株式会社カネカ プライマー組成物、その塗装方法および塗装物品

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