JPH11140046A - 新規な脂肪族含セレン化合物 - Google Patents

新規な脂肪族含セレン化合物

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JPH11140046A
JPH11140046A JP9304688A JP30468897A JPH11140046A JP H11140046 A JPH11140046 A JP H11140046A JP 9304688 A JP9304688 A JP 9304688A JP 30468897 A JP30468897 A JP 30468897A JP H11140046 A JPH11140046 A JP H11140046A
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Shiro Honma
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Hiroyuki Morijiri
博之 森尻
Yoshinobu Kanemura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 さらにレンズの屈折率を上げコバ厚を薄くし
たいという強い要求に充分応えられる材料及び方法を提
供する。 【解決手段】 式(1) (Z)−(F)n (1) (式中、ZはSe原子、またはSe原子を少なくとも1
個以上含むアルキレン基を示し、Fは、アクリロイル
基、メタクリロイル基、チオエポキシ基から選ばれた官
能基、またはそれらの官能基を有するアルキル残基を示
す。nは2〜6の整数を示す。)で表される2官能以上
の脂肪族含セレン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズに代表される透明光学材料などに好適に用いられる新
規な脂肪族含セレン化合物並びに該脂肪族含セレン化合
物を含む組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】透明光学材料並びにプラスチックレンズ
は、その用途から明らかなように高度な透明性と光学的
均質性が要求される成形物である。これらの用途に従来
より広く用いられている材料としては、ジエチレングリ
コールビス(アリルカーボネート)(以下DACと略
す。)を、ラジカル重合させたプラスチック材料が挙げ
られる。
【0003】ところが、このDACプラスチック材料
も、屈折率(Nd)が1.50と低くプラスチックレン
ズにした場合、コバ厚が厚くなりファッション性に欠け
るといった問題点を有していた。
【0004】上記問題点を改良する為に屈折率を向上さ
せる様々な検討が行なわれている。例えば、テトラブロ
モビスフェノール−Aとイソシアナート化合物を反応さ
せる方法(特開昭58−164615号公報)、キシリ
レンジチオールジメタクリレートを重合させる方法(特
開昭64−31759号公報)、2,5−ジメルカプト
メチル−1,4−ジチアンを用いる方法(特公平6−5
323号公報)等が挙げられる。
【0005】本発明者らも、先に、メルカプト基以外の
硫黄原子を分子内に持つポリチオールを用いる方法(特
開平2−270859号公報、特開平7−252207
号公報)等を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は、何れ
も化合物の分子構造内にベンゼン環、臭素等のハロゲン
原子、又は硫黄原子を導入する事によってレンズの屈折
率を向上する方法であるが、例えば屈折率を更に向上さ
せたい場合などは、これらの方法だけでは不充分な場合
が多かった。即ち、本発明の目的は、さらにレンズの屈
折率を上げコバ厚を薄くしたいという強い要求に充分応
えられる材料及び方法を提供する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の強
い要求に応えるべく鋭意検討を行なった結果、分子構造
内にセレン原子を有する脂肪族含セレン化合物用いれ
ば、更に屈折率が向上できる事を見出し、本発明に到達
した。即ち本発明は、式(1)
【化3】 (Z)−(F)n (1) (式中、ZはSe原子、またはSe原子を少なくとも1
個以上含むアルキレン基を示し、Fは、アクリロイル
基、メタクリロイル基、チオエポキシ基から選ばれた官
能基、またはそれらの官能基を有するアルキル残基を示
す。nは2〜6の整数を示す。)で表される2官能以上
の脂肪族含セレン化合物。前記式(1)記載の化合物が
式(2)
【化4】 を示し、Yは硫黄原子、酸素原子又はSe原子を示し、
Rは水素原子又はメチル基を示す。)で表される脂肪族
含セレン化合物、並びに該脂肪族含セレン化合物を含む
組成物である。脂肪族鎖状構造内にセレン原子を有する
2官能以上の(メタ)アクリロイル化合物またはチオエ
ポキシ化合物は、現在まで全く知られていない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
上記式(1)で表される本発明に係る脂肪族含セレン化
合物は、脂肪族鎖状化合物を形成する炭素原子が、セレ
ン原子で1個以上置換された含セレン鎖状構造体を中心
骨格とする。この含セレン鎖状構造体は、単結合のみか
らなる脂肪族鎖状構造で、セレン原子のみであっても、
セレン原子と炭素原子等からなる直鎖状アルキレンであ
っても、分岐状アルキレンであっても、鎖状構造であれ
ば何れであっても一向に差し支えない。また含セレンア
ルキレン骨格を構成する炭素原子の一部を、セレン原子
以外の硫黄原子または酸素原子等の他原子で置換しても
よい。
【0009】これら中心骨格に2個以上任意に結合され
る官能基は、アクリロイル基、メタクリロイル基、チオ
エポキシ基から選ばれた1種または2種以上である。
【0010】結合された官能基は、全てが同一種類であ
っても、各々別々の種類であっても、一向に差し支えな
い。また、結合の形態は、別々の原子に1個ずつでも、
同じ原子に2個以上結合した形でもよい。
【0011】本発明に係る式(1)の脂肪族含セレン化
合物は、例えば、The chemistry of
selenium and tellurium co
mpounds(Saul Pafi and Zvi
Ropport編 1986 John Wiley
& Sons出版)、及び、Selenium re
agents and intermediates
in organicsynthesis(J E B
aldwin編、1986 Pergamon Pre
ss出版)等の文献に記載されるようにハロゲン化セレ
ン、アルカリ金属セレニド、アルカリ金属セレノール、
アルキル(ジ)セレニド、アルキルセレノール、セレン
化水素等のセレン化合物を用いて、含セレン鎖状構造を
中心骨格に持つ化合物を合成し、次いで文献 Synt
hetic organicchemistry(Ro
meo B. Wagner and HarryD.
Zook編、1953 John Wiley &
Sons出版)等に記載されるような公知の有機反応等
によって、アクリロイル基、メタクリロイル基、チオエ
ポキシ基の官能基を導入して得られる。
【0012】以下に具体的な一例を挙げ、工程毎の製造
方法を記述する。
【化5】
【0013】式(3)のハロヒドリンに、ナトリウムセ
レニド、カリウムセレニド等のアルカリ金属セレニドを
反応させて式(4)のジオール体を合成する。ここで使
用されるアルカリ金属セレニドは、文献Handboo
k of preparative inorgani
c chemistry(volume1,secon
d edition,1963年,Georg Bra
uer編,Academic Press 出版)に記
載される方法等によって合成できる。
【0014】式(5)のジチオール体は、式(4)のジ
オール体から得られる。まず、式(4)のジオール体に
塩酸または臭化水素酸等の鉱酸とチオ尿素、必要に応じ
水又はアルコール等の公知の溶媒を加えて40〜150
℃、好ましくは60〜120℃の範囲で、凡そ1〜24
時間、好ましくは1〜8時間加熱攪拌し、チウロニウム
塩を生成させる。使用される鉱酸の量は式(4)のジオ
ール体のヒドロキシ基に対して通常1〜10当量、好ま
しくは1.1〜3当量である。同様にチオ尿素の量は式
(4)のジオール体のヒドロキシ基に対して通常1〜5
当量、好ましくは1〜2当量である。次いで、苛性ソー
ダ、アンモニア水等の塩基を加えて、20〜100℃、
好ましくは40〜60℃の範囲で、1〜10時間で加水
分解を行い、目的とする式(5)のジチオール体を得
る。加水分解で使用する塩基の種類としては、アンモニ
ア水が比較的に好ましく、塩基の量としては、先に使用
した鉱酸に対して、通常1〜3当量、好ましくは1.1
〜2当量の範囲で使用される。
【0015】上記以外に含セレンチオール体を得る方法
としては、例えば、相当する含セレン電子吸引基体類を
用いて、この電子吸引基をメルカプト基に置換すること
によって得られる。含セレン電子吸引基体類とは、相当
するクロル体、ブロム体、メタンスルホナート体、ベン
ゼンスルホナート体、トルエンスルホナート体等の電子
吸引基を有する化合物である。
【0016】この含セレン電子吸引基体類を合成する方
法としては、例えば、相当するヒドロキシ化合物と塩
酸、臭化水素酸、塩化チオニル、三臭化燐、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の
電子吸引基剤を反応させる方法、エチレン、プロピレン
等のオレフィンにジクロロジセレニド、ジブロモジセレ
ニド、テロラクロロセレン、テトラブロモセレン等のハ
ロゲン化セレニドを反応させる方法、ケトン、アルデヒ
ド、アセタール等の求電子官能基を有する化合物類とハ
ロゲン化アルキルセレノール等とを反応させる方法等が
挙げられる。含セレン電子吸引基剤の使用量は、ヒドロ
キシ基に対して、1〜3当量、好ましくは1〜2当量の
範囲で用いる。反応温度は、含セレン電子吸引基剤及び
ヒドロキシ体類の構造等によって大きく変化するため特
に限定できないが、凡そ0〜200℃、さらに限定する
ならば10〜120℃である。
【0017】含セレン電子吸引基体類の電子吸引基をメ
ルカプト基に置換して含セレンチオール体を得る方法と
して、例えば、チオ尿素を用いる方法、水硫化ソーダを
用いる方法、ナトリウムポリスルフィドを用いる方法、
キサントゲン酸カリウムを用いる方法、ブンテ塩を用い
る方法、ナトリウムトリチオカーボネート、カリウムト
リチオカーボネート等のアルカリ金属トリチオカーボネ
ート類を用いる方法等の公知の反応を種々用いることが
できる。これらのメルカプト基置換剤の使用量は、電子
吸引基に対して通常1〜10当量、好ましくは1〜3当
量の範囲である。反応温度はメルカプト基置換剤の種
類、電子吸引基の種類、及び含セレン電子吸引基体類の
構造によって変化するため、限定できないが、凡そ−1
0〜200℃、好ましくは0〜120℃の範囲である。
必要に応じて溶媒を用いる場合は、水、アルコール類、
アミド類等の極性溶媒を用いた方が好ましい結果を与え
る場合が多い。
【0018】ここで、式(6)、(7)、(9)のアル
キレン基を変える場合、以下の方法等がある。炭素原子
と水素原子のみによるアルキレン基の延長の場合は例え
ば、式(3)のハロゲン化エタノールの代わりに、ハロ
ゲン化プロパノール、ハロゲン化ブタノール、ハロゲン
化ヘキサノール等の長鎖ハロゲン化アルコールを使用す
れば良い。異種原子を含んでのアルキレン基の延長の場
合は例えば、式(5)のジチオール体にもう一度上記の
ハロゲン化アルキルアルコールを反応させる方法、ある
いは前記含セレン電子吸引基体類にヒドロキシアルキル
セレノール、ハロゲン化アルキルセレノール、ヒドロキ
シアルキルチオール、ハロゲン化アルキルチオール等を
反応させる方法等が挙げられる。アルキレン基の短縮の
場合は、例えばアルカリ金属セレノール又はアルカリ金
属セレニド等にエピハロヒドリン等の官能基原料を直接
反応させるといった方法等が挙げられる。
【0019】本発明に係る(メタ)アクリロイル化合物
に属する式(6)及び(7)のビス〔(メタ)アクリロ
イルチオエチル〕セレニドは、前記式(5)のジチオー
ル体から得られる。例えば、式(5)のジチオール体に
クロロプロピオン酸クロライド、3−クロロ−2−メチ
ルプロピオン酸クロライド等のハロゲン化酸ハライド類
を反応させてハロゲン化エステルを合成し、次いでトリ
エチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、ナトリウムメチラート等の塩基で脱ハロゲン化
水素反応を行う2段法、(メタ)アクリル酸クロライド
等の酸クロライド類を反応させる方法等が挙げられる。
純度、収率の面からは、前者の2段法の方が優れる場合
が多い。2段法において、ハロゲン化エステル類を合成
する場合の、ハロゲン化酸ハライド類の使用量は、式
(5)のジチオール体のメルカプト基に対して1〜2当
量が好ましく、1〜1.2当量であれば更に好ましい。
反応温度は20〜100℃が好ましく、30〜70℃で
あれば更に好ましい。反応溶媒は使用してもしなくても
よいが、使用しない方が反応速度が早い。ハロゲン化水
素キャッチ剤として、トリエチルアミン、ピリジン、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラー
ト等の塩基を用いてもよいし、用いなくてもよい。ハロ
ゲン化水素の除去を目的として、反応系内を窒素等の不
活性ガスでバブリングすると、好ましい結果を与える事
が多い。次に、上記と同様の塩基で脱ハロゲン化水素反
応を行い、式(6)及び(7)の(メタ)アクリロイル
化合物を得る場合の塩基の使用量は、上記で合成したハ
ロゲン化エステルのハロゲン原子に対して1〜10当量
が好ましく、1〜3当量であればさらに好ましい。反応
温度は−10〜100℃が好ましく、0〜50℃であれ
ば更に好ましい。反応溶媒は使用してもしなくてもよい
が、使用する場合は、ベンゼン、トルエン、キシレン、
クロロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン等の水と分
離する溶媒を用いた方が、抽出による生成物の取り出し
を行う場合は効率的である。ポリメタクリル化合物を合
成する場合は、3−ハロゲノ−2−メチルプロピオン酸
ハライド、またはメタクリル酸ハライドを用いればよ
い。
【0020】その他の本発明に係る(メタ)アクリロイ
ル化合物として、例えば、式(4)のジオール体に、上
記のハロゲン化酸ハライド類または(メタ)アクリル酸
ハライド類を反応させた(メタ)アクリロイルオキシ化
合物類、さらに前記の含セレンハロゲン体類とナトリウ
ムセレノール、ナトリウムセレニド等のアルカリ金属セ
レノール及びアルカリ金属セレニドを反応させて、一旦
セレノール化合物類を合成し、次いで、同様に、ハロゲ
ン化酸ハライド類または(メタ)アクリル酸ハライド類
を反応させた(メタ)アクリロイルセレノ化合物類も合
成できる。
【0021】本発明に係る(メタ)アクリロイル化合物
は、分子内にセレン原子を1個以上有して、なおかつア
クリロイル基とメタアクリロイル基の何れか一方または
両方を2個以上有することを必須とする。従って、(メ
タ)アクリロイル基の結合形態及び結合原子に一切左右
されるものではない。
【0022】本発明に係るチオエポキシ化合物に属する
式(9)のビス(5,6−エピチオ−3−チアヘキシ
ル)セレニドは、式(8)のエポキシ化合物類または相
当するアリル化合物類等から合成できる。
【0023】式(8)のエポキシ化合物類を用いる方法
とは、該エポキシ化合物に、チオ尿素、またはチオシア
ン酸ソーダ、チオシアン酸カリウム等のチオシアン酸金
属塩等に代表されるチア化剤を反応させる方法である。
これらチア化剤の使用量は式(8)のエポキシ基に対し
て、1〜10当量が好ましく、1〜4当量であれば更に
好ましい。反応温度は、0〜120℃が好ましく、10
〜70℃であれば更に好ましい。チア化剤として、チオ
尿素を用いる場合は、無水酢酸等の酸の添加が安定剤と
して有効で、好ましい結果を与える場合が多い。反応溶
媒は、使用してもしなくてもよいが、使用する場合は、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセリ
ン等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロレタン、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、水等が好ま
しく用いられる。それらの溶媒は単一でも、2種以上を
併用した混合溶媒でも差し支えない。混合溶媒の場合、
相関移動触媒として、アルコール類、4級アルキルアン
モニウム塩、アルキルまたはアリールカルボン酸金属
塩、アルキルまたはアリールスルホン酸金属塩、酸性ア
ルキルまたはアリール燐酸エステルとその金属塩等の界
面活性剤類を加えると反応成績も良好で取り出しも効率
的になる場合が多い。これら界面活性剤類の添加量は、
反応マス総重量に対して0.001〜20wt%が好ま
しく、0.01〜10wt%であればさらに好ましい。
【0024】エポキシ化合物類である式(8)のビス
(グリシジルチオエチル)セレニドは、式(5)のジチ
オール体または相当するアリル化合物類等から合成でき
る。チオール類を用いる方法としては、例えば、式
(5)のジチオール体にエピクロロヒドリン、エピブロ
モヒドリン等のハロヒドリン類を反応させてハロゲン化
アルコールを合成し、次いでトリエチルアミン、ピリジ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメ
チラート等の塩基で脱ハロゲン化水素反応を行う2段
法、上記ハロヒドリン類を上記塩基を用いて1段で反応
させる方法等が挙げられる。純度、収率の面からは、前
者の2段法の方が優れる場合が多い。
【0025】式(8)及び式(9)化合物の合成に使用
されるアリル化合物類とは、ビス(アリルチオエチル)
セレニドで、通常、式(5)のジチオール体に、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、
トリエチルアミン等の塩基存在下で、アリルクロライ
ド、アリルブロマイド等のアリルハライド類を反応させ
る事によって得られる。
【0026】アリル化合物類からエポキシ化合物類を合
成する方法としては、例えば、プロピレンオキサイドの
合成に用いられている方法と同じように、水と塩素また
は臭素等のハロゲンをアリル基と反応させてハロゲン化
アルコールを合成し、次いで脱ハロゲン化水素反応を行
う方法、パーオキシベンゾイックアシッド等の過酸化物
をアリル基と反応させて直接酸化合成する方法等が挙げ
られる。過酸化物による直接酸化法は、爆発等の危険性
を伴う為、あまり好ましい方法ではない。
【0027】アリル化合物からチオエポキシ化合物類を
合成する方法としては、例えば、アリル基に、塩化硫
黄、臭化硫黄等のハロゲン化硫黄を反応させた後、硫化
ナトリウム等を用いて還元脱ハロゲン化水素反応を行う
方法等である。硫化ナトリウム等の還元脱ハロゲン化水
素剤を用いなくても、ハロゲン化硫黄を反応させるだけ
で、目的とするチオエポキシ化合物が得られる場合もあ
る。
【0028】その他の本発明のチオエポキシ化合物とし
て、例えば、式(5)のジチオール体類の代わりに式
(4)のジオール体を用いたビス(5,6−エピチオ−
3−オキサヘキシル)セレニド、さらに式(5)のジチ
オール体類の代わりに前記の含セレンハロゲン体類とナ
トリウムセレノール、ナトリウムセレニド等のアルカリ
金属セレノール及びアルカリ金属セレニドを反応させて
得られる3−セレナヘプタン−1,5−ジセレノールを
用いたビス(5,6−エピチオ−3−セレナヘキシル)
セレニド等も合成できる。
【0029】本発明に係るチオエポキシ化合物は、分子
内にセレン原子を1個以上有して、なおかつエピチオ基
を2個以上有することを必須とする。従って、エピチオ
基の結合形態及び結合原子に一切左右されるものではな
い。
【0030】こうして得られる式(9)を含む本発明に
係るチオエポキシ化合物の合成時並びに保存時の安定性
を向上させる目的で、硫酸、燐酸、塩酸、無水酢酸、無
水フタル酸等の酸類を加えた場合、好ましい結果を与え
る事が多い。
【0031】式(6)、(7)、(9)の化合物等が含
まれる本発明に係る式(1)の化合物を合成する場合の
反応溶媒は、使用してもしなくてもよい。溶媒を使用す
る場合は、例えば、溶剤ハンドブック(浅原昭三ほか
編、講談社出版)に記載される一般的な溶媒のなかか
ら、反応、取り出し、及び製品等に影響を与えない溶媒
であれば、何れも使用できる。各々反応及び条件が大き
く異なるため、好ましい溶媒は特に限定できないが、敢
えて限定するならば、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、エチレングリコール、エチルセルソルブ等
のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、シクロンヘキサン等の炭化水素類、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、
ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化
炭化水素類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、アセト
ン、メチルイソブチルケトン等の極性溶媒類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類、水等が挙
げられる。
【0032】以上に合成方法を例示した式(6)、
(7)、(9)以外の本発明の化合物としては、例え
ば、ビス(1,2−エピチオエチル)セレニド、ビス
(2,3−エピチオプロピル)セレニド、ビス(2,3
−エピチオプロピル)ジセレニド、ビス(3,4−エピ
チオ−1−セレナブチル)メタン、ビス〔(メタ)アク
リロイルセレノ〕エタン、1,2−ビス(3,4−エピ
チオ−1−セレナブチル)エタン、ビス〔(メタ)アク
リロイルオキシエチル〕セレニド、ビス(5,6−エピ
チオ−3−オキサヘキシル)セレニド、2,3−ビス
〔(メタ)アクリロイルチオエチルセレノ)−1−
〔(メタ)アクリロイルチオ)プロパン、2,3−ビス
(6,7−チオエポキシ−1−セレナ−4−チアヘプチ
ル)−1−(3,4−チオエポキシ−1−チアブチル)
プロパン、1,1,3,3−テトラキス〔(メタ)アク
リロイルチオメチル〕−2−セレナプロパン、1,1,
3,3−テトラキス(4,5−チオエポキシ−2−チア
ペンチル)−2−セレナプロパン、ビス(4,5−チオ
エポキシ−2−チアペンチル)−3,6,9−トリセレ
ナウンデカン−1,11−ビス(3,4−チオエポキシ
−1−チアブチル)、1,4−ビス(3,4−チオエポ
キシ−1−チアブチル)−2,3−ビス(6,7−チオ
エポキシ−1−セレナ−4−チアヘプチル)ブタン、ト
リス(4,5−チオエポキシ−2−チアペンチル)−3
−セレナ−6−チアオクタン−1,8−ビス(3,4−
チオエポキシ−1−チアブチル)等が挙げられる。本発
明がこれら例示化合物のみに限定されるものではない。
【0033】本発明に係る組成物は、少なくとも式
(1)で表される2官能以上の化合物を含むことを必須
とする。本発明に係る式(1)で表される2官能以上の
化合物の他には、それらの2量体、3量体、4量体等の
オリゴマー及びプレポリマー、重合抑制剤、樹脂改質
剤、添加剤、合成等に使用した溶媒、原料、及び副生物
不純物等のその他の有機化合物、無機化合物も問題にな
らない程度に含んでいてもよい。
【0034】上記の樹脂改質剤は、重合して得られる樹
脂の物性改良を目的とし、例えば、式(1)以外の(メ
タ)アクリレート化合物類、式(1)以外のチオエポキ
シ化合物類、メルカプト化合物類、イソ(チオ)シアナ
ート化合物類、アリル(ビニル、イソプロペニル)化合
物類、エポキシ化合物類、カルボン酸及びカルボン酸無
水物類、メルカプトカルボン酸類、ヒドロキシ類、アミ
ノ酸及びメルカプトアミン類、アミン類等が挙げられ、
問題の無い範囲で必要な物性が得られるまで加えること
ができる。
【0035】具体的には、例えば、エタンジチオール、
ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,3−ジ
メルカプト−1−プロパノール、1,2,3−トリメル
カプトプロパン、ペンタエリスリトールテトラキス(2
−メルカプトチオグリコレート)、ペンタエリスリトー
ルテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリ
メチロールプロパントリス(2−メルカプトチオグリコ
レート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカ
プトプロピオネート)、2,5−ビス(メルカプトメチ
ル)チオフェン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4
−ジチアン、2,3−ビス(2−メルカプトエチルチ
オ)−1−プロパンチオール、ビス(メルカプトメチ
ル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジ
チオール等のメルカプト化合物類、シクロヘキシルイソ
シアナート、シクロヘキシルイソチオシアナート、キシ
リレンジイソシアナート、α,α’,α’’,α’’’
−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、3−イソ
プロペニル−α,α’−ジメチルベンジルイソシアナー
ト、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナ
ート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、1,
3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス
(イソシアナトメチル)ノルボルナン等のイソ(チオ)
シアナート類、メタクリル酸メチル、エチレングリコー
ルジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ビス(メタクリロイルメチル)ノルボルネン、
ビス(アクリロイルエトキシエチル)ビスフェノール
F、ビス(メタクリロイルエトキシエチル)ビスフェノ
ールF、ビス(アクリロイルエトキシエチル)ビスフェ
ノールA、ビス(メタクリロイルエトキシエチル)ビス
フェノールA、グリセリンジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリス(アクリレート)、トリメチロー
ルプロパントリス(メタクリレート)、ペンタエリスリ
トールトリス(アクリレート)、ペンタエリスリトール
テトラキス(アクリレート)、2,5−ビス(メタクリ
ロイルチオメチル)−1,4−ジチアン等の(メタ)ア
クリレート類、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレ
ン、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジ
エチレングリコールビス(アリルカーボネート)等のア
リル(ビニル、イソプロペニル)化合物類、ビス(3−
エピチオプロピル)スルフィド、1,2−ビス(3−エ
ピチオプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(3−エピ
チオプロピルチオエチルチオ)−3−(3−エピチオプ
ロピルチオ)プロパン、ビニルシクロヘキサンジエポキ
シド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキ
シシクロヘキサンカルボキシレート、1,2−ヘキサヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステル等の(チオ)エポキ
シ化合物類、フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マ
レイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等
のカルボン酸及びカルボン酸無水物、チオグリコール
酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸、チオリン
ゴ酸、チオサリチル酸等のメルカプトカルボン酸類、チ
オジグリコール酸、チオジプロピオン酸、ジチオジプロ
ピオン酸等のカルボン酸類、グリセリン、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオー
ル、乳酸、ポリ乳酸等のヒドロキシ化合物、アスパラギ
ン酸、アラニン、β−アラニン、グリシン、タウリン、
システイン、システアミン、アミノ安息香酸等のアミノ
酸類及びメルカプトアミン類、ヘキサメチレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、m−キシ
リレンジアミン、メタフェニレンジアミン等のアミン類
等が挙げられるが、これら例示化合物のみに樹脂改質剤
が限定されるものではない。
【0036】尚、これらの樹脂改質剤は、問題が無けれ
ば、あらかじめに反応系内又は取り出し工程内で加えて
おいてもよい。また、重合作業時の配合等に代表される
ように、本発明に係る2官能以上の脂肪族含セレン化合
物並びに該化合物を含む組成物を、製品として取りだし
た後、あらためて加えてもよい。又、これらの樹脂改質
剤は、単独でも、2種以上を用いてもよい。
【0037】本発明に係る2官能以上の脂肪族含セレン
化合物及びまたは該化合物からなる組成物を重合して得
られる樹脂及びプラスチックレンズは、通常、式(1)
で表される2官能以上の脂肪族含セレン化合物並びにそ
の組成物を、必要に応じ減圧攪拌等の適当方法で脱泡を
行った後、金属又はガラスと樹脂等からなる成型モール
ド内に脱泡液を注入し、次いで熱及び/又は光等の放射
線で重合を行う注型重合法によって得られる。一般的な
エポキシ樹脂並びに大型のウレタン樹脂の成型等に用い
られている反応射出成型法による成型も可能であるが、
得られた成型物に光学的な歪みが入りやすい傾向にある
為、厳密な光学的均一性が要求されるプラスチックレン
ズの製造方法としては、あまり用いられない。
【0038】注型重合を行う際、重合時間の短縮等を目
的として、硬化触媒が好ましく用いられる。硬化触媒の
種類としては、重合させる反応基の種類によって大きく
異なるため限定できないが、例えば、アミン類、ホスフ
ィン類、ルイス酸類、ラジカル重合触媒類、カチオン重
合触媒類等が挙げられる。
【0039】以下に具体的な触媒を例示する。エチルア
ミン、2−アミノエタノール、4,4´−ジアミノジフ
ェニルメタン、ジブチルアミン、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジエ
チルアミノエタノール、N,N−ジメチルシクロヘキシ
ルアミン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、ピリジ
ン、β−ピコリン、2−メチルイミダゾール、ジシアン
ジアミド、コハク酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリ
ル、ジアリルメラニン、アニリン・フェニルホスホン酸
塩、エチレンジアミン・フェニルリン酸塩、四フッ化ホ
ウ素・モノエチルアミン塩、三フッ化ホウ素・モノエチ
ルアミン錯体、五フッ化燐・イソプロピルアミン錯体、
五フッ化砒素・ラウリルアミン錯体、五フッ化アンチモ
ン・ベンジルアミン錯体等のアミン類、トリメチルホス
フィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフ
ィン、トリベンジルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,
2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィ
ン類、ジメチル錫ジクロライド、ジメチル錫オキサイ
ド、テトラクロロ錫、モノブチル錫トリクロライド、ジ
ブチル錫ジクロライド、トリブチル錫モノクロライド、
テトラブチル錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジブチル錫オクタノエート、ステアリン酸
錫、塩化亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、フッ化アルミニ
ウム、塩化アルミニウム、トリフェニルアルミニウム、
テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、
テトラクロロチタン、酢酸カルシウム等のルイス酸、ベ
ンジルメチルケタール、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネ
ート、アセチルアセトンパーオキサイド、キュメンハイ
ドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、イソブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロ
ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオ
キシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−シ
クロプロピルプロピオニトリル)、2,2´−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート、n−ブチル−4,
4´−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−
ブチルパーオキシベンゾエート等のラジカル重合触媒、
ジフェニルヨードニウムヘキサフロロ燐酸、ジフェニル
ヨードニウムヘキサフロロ砒酸、ジフェニルヨードニウ
ムヘキサフロロアンチモン、トリフェニルスルホニウム
テトラフロロ硼酸、トリフェニルスルホニウムヘキサフ
ロロ燐酸、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロ砒酸
等のカチオン重合触媒等が挙げられるが、これら例示化
合物のみに限定されるものではない。これらは、単独で
も、2種以上を併用してもよい。
【0040】硬化触媒を加える場合の添加量は、通常、
本発明の2官能以上の脂肪族含セレン化合物またはそれ
を含む組成物の総重量に対して0.001〜10wt%
の範囲で用いられ、好ましくは0.01〜5wt%の範
囲で用いられる。0.01%未満では効果が小さく、1
0wt%を超えても可能であるが、例えば、ポットライ
フが短くなったり、透明性、光学物性、又は耐候性等が
低下してくるといった不都合を生じてくる場合がある。
【0041】硬化触媒の他に、目的に応じて問題の無い
範囲で、内部離型剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、油溶染料、充填剤等の公知の各種添加剤等を加え
てもよい。
【0042】熱重合の場合の重合条件としては、本発明
の2官能以上の脂肪族含セレン化合物及びその組成物、
樹脂改質剤、硬化触媒の種類、モールドの形状等によっ
て大きく条件が異なるため限定できないが、凡そ、−5
0〜200℃の温度で1〜100時間かけて行われる。
場合によっては、10℃から150℃の温度範囲で徐々
に昇温し、4〜70時間で重合させれば、好ましい結果
を与える事がある。
【0043】放射線重合の場合の重合条件としては、次
の通りである。放射線の種類は、紫外線または可視光が
好ましく用いられ、中でも、カンファーキノン等に代表
される着色性の高い増感剤を使用しなくても済む場合が
多い400nm以下の紫外線が好ましく用いられる。紫
外線の量は、熱重合の場合と同様に、本発明の2官能以
上の脂肪族含セレン化合物及びその組成物、樹脂改質
剤、硬化触媒の種類、モールドの形状等によって大きく
条件が異なるため限定できないが、凡そ1〜1000m
J/secの強度で1〜7200sec照射される場合
が多く、時には除熱を目的として数回に分けて照射され
たり、冷却して照射されたりする。
【0044】これらの重合は、熱重合と放射線重合を組
み合わせても一向に差し支えない。尚、本発明がこれら
の重合形態及び重合条件に限定されるものではない。ま
た、重合した成型物及びプラスチックレンズは必要に応
じてアニール処理を行ってもよい。
【0045】得られた成型物及びプラスチックレンズ
は、必要に応じ反射防止、高硬度付与、耐薬品性向上、
防曇性付与、或いはファッション性付与を行う為に、表
面研磨、帯電防止、ハードコート処理、無反射コート処
理、染色処理、調光処理等の物理的あるいは化学的処理
を施す事ができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。なお、化合物の合成は特にことわりがな
い限り窒素下で行い、得られたレンズの性能試験は以下
の方法によって評価した。 屈折率、アッベ数;プルリッヒ屈折計を用い、20℃で
測定した。
【0047】実施例1 (ポリチオールの合成)金属セレン24.7部(0.3
13モル)、ロンガリット(HOCH2SO2Na・2H
2O)90部(0.584モル)水酸化ナトリウム70
部(1.75モル)を水400mlの溶解し、これにブ
ロモエタノール77部(0.616モル)を室温でゆっ
くり滴下し、50℃で6時間熟成した。反応終了後、減
圧下で水を留去した後、イソプロパノール500mlを
加えて混合し、不溶物を濾別した。得られた濾液を脱溶
媒してビス(2−ヒドロキシエチル)セレニドを含む残
渣を得た。この残渣にチオ尿素60部(0.788モ
ル)、36%塩酸100部(0.988モル)を加え
て、加熱還流下(108〜110℃)で1時間反応させ
た。冷却後、トルエン300mlを加えた混合液に、2
5%アンモニア水90部(1.32モル)を徐々に加え
た後、50〜60℃で3時間加水分解を行い、静置後、
下層の水層を廃棄した。得られた有機層を室温まで冷却
後、36%塩酸洗浄、水洗浄を数回行った後、溶媒を留
去した。最後に得られた残渣を減圧蒸留して、純度98
%(GC測定の結果)のビス(2−メルカプトエチル)
セレニド47部(純換収率73%)を得た。
【0048】(アクリレートの合成)50℃に加熱攪拌
された純度98%のビス(2−メルカプトエチル)セレ
ニド40部(0.20モル)に、窒素バブリングしなが
ら3−クロロプロピオン酸クロライド70部(0.55
モル)を滴下し、同温度で5時間熟成した。次に、減圧
下で過剰の3−クロロプロピオン酸クロライドをできる
だけ留去し、トルエン400mlを加えて水洗を繰り返
した。得られた有機層に2,6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェノール0.1部を加えて、内温を10
〜15℃に保ちながらトリエチルアミン42部(0.4
2モル)を滴下し、同温度で2時間熟成した。熟成後、
3%塩酸200mlで2回洗浄し、水洗を数回繰り返し
た後、40℃以下で脱溶媒、濾過してビス(アクリロイ
ルチオエチル)セレニドを含む残渣を得た。この残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行い、
純度98%(HPLC測定の結果)の下記式(10)の
ビス(アクリロイルチオエチル)セレニド50部(純換
収率79%)を得た。同定分析結果は以下に示す。
【0049】
【化6】 (MS);m/z=310(M+) (IR);C=C =1610〜1620cm-1 3090〜3100cm-1 SC(O)=1670〜1680cm-1 (元素分析値%) C H S Se 理論値:38.8 4.6 20.7 25.5 実測値:38.6 4.6 20.6 25.4
【0050】実施例2 (エポキシ化合物の合成)金属度セレン19.7部
(0.25モル)を無水メタノール350mlに懸濁さ
せ、これに水素化ホウ素ナトリウム11.5部(0.3
0モル)と無水メタノール150mlからなる溶液を水
浴下で滴下し、1時間熟成した。内温10〜15℃に保
ちながら、エピクロルヒドリン200部(1.16モ
ル)にこの反応液を滴下し、1時間熟成した。次に28
%NaOH水143部(1.0モル)を、内温10〜1
5℃に保ちながら滴下し1時間熟成した。得られた反応
液にジクロロエタン加えて抽出し、数回水洗を行った
後、溶媒と過剰のエピクロルヒドリンを留去した。最後
に、残った残渣を減圧蒸留して、純度97%(GC測定
の結果)のジグリシジルセレニド21部(純換収率42
%)を得た。
【0051】(チオエポキシ化合物の合成)純度97%
(by GC)のジグリシジルセレニド20部(0.1
0モル)に、チオ尿素39部(0.51モル)、無水酢
酸1部、トルエン100ml、メタノール100mlを
加えて、30℃で3時間反応させた。反応終了後、トル
エン200mlと水200mlを加えて、不溶物を濾別
し、得られた濾液の下層(水層)を廃棄した。上層の有
機層を、1%硫酸で洗浄し、さらに水洗を数回繰り返し
た後、溶媒を留去し、残渣15部(粗収率67%)を得
た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製を行い、純度93%(HPLC測定の結果)の下
記式(10)のビス(2,3−エピチオ−1−プロピ
ル)セレニドを11部得た(純換収率45%)。同定分
析結果は以下に示す。
【0052】
【化7】 (元素分析値%) C H S Se 理論値:32.0 4.5 28.5 35.1 実測値:31.8 4.5 28.6 35.0
【0053】実施例3 (プラスチックレンズの製造)ビス(アクリロイルチオ
エチル)セレニド40部とベンジルメチルケタール0.
012部(300ppm)を混合して均一溶液とした
後、遮光下で減圧脱泡を行った。0.5時間後、ガラス
モールとガスケットからなって中心厚1.5mmとなる
レンズモールドに注入し、このモールドに紫外線を照射
した。冷却後、モールドからレンズを取り出した。更に
120℃で再加熱を行い無色透明のプラスチックレンズ
を得た。結果を表1に示す。
【0054】実施例4 ビス(2,3−エピチオ−1−プロピル)セレニドを1
0部とトリエチルアミン0.02部(2000ppm)
を混合して均一溶液とした後、減圧下で脱泡を行った。
0.5時間後、ガラスモールとガスケットからなって中
心厚1.5mmとなるレンズモールドに注入し、このモ
ールドを室温から80℃まで徐々に昇温し20時間で硬
化させた。冷却後、モールドから無色透明のプラスチッ
クレンズを取り出した。結果を表1に示す。
【0055】比較例1 ビス(2,3−エピチオ−1−プロピル)セレニドの代
わりにビス(2,3−エピチオ−1−プロピル)スルフ
ィドを用いて、実施例4と同様の方法でプラスチックレ
ンズを得た。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】透明光学材料及びプラスチックレンズの
屈折率をさらに向上できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森尻 博之 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 金村 芳信 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 楠本 昌彦 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (Z)−(F)n (1) (式中、ZはSe原子、またはSe原子を少なくとも1
    個以上含むアルキレン基を示し、Fは、アクリロイル
    基、メタクリロイル基、チオエポキシ基から選ばれた官
    能基、またはそれらの官能基を有するアルキル残基を示
    す。nは2〜6の整数を示す。)で表される2官能以上
    の脂肪族含セレン化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物が式(2) 【化2】 を示し、Yは硫黄原子、酸素原子又はSe原子を示し、
    Rは水素原子又はメチル基を示す。)で表される脂肪族
    含セレン化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の脂肪族含セレン化合物を
    少なくとも1種以上含む組成物。
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