JPH11135793A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH11135793A
JPH11135793A JP29528497A JP29528497A JPH11135793A JP H11135793 A JPH11135793 A JP H11135793A JP 29528497 A JP29528497 A JP 29528497A JP 29528497 A JP29528497 A JP 29528497A JP H11135793 A JPH11135793 A JP H11135793A
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JP
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insulating film
semiconductor layer
polycrystalline semiconductor
region
film
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JP29528497A
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Inventor
Toru Amano
徹 天野
Masahiro Adachi
昌浩 足立
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性の良好な薄膜半導体素子を有する半導体
装置およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ガラス基板1上に形成されたチャネル部
3とソース,ドレイン部4,4とを有する多結晶半導体層
11と、その多結晶半導体層11上に形成されたゲート
絶縁膜5と、上記ゲート絶縁膜5上に多結晶半導体層1
1のチャネル部3に対応する領域に形成されたゲート電
極6とを有する薄膜半導体素子を備える。上記薄膜半導
体素子は、ゲート絶縁膜5とゲート電極6との上方の領
域においては、酸化シリコンSiO2からなる上層の層間
絶縁膜8と多結晶半導体層11上のみが除去された窒化
シリコンSiNxからなる下層の層間絶縁膜7の2層構造
の層間絶縁膜を有する。上記薄膜半導体素子の多結晶半
導体層11の少なくともチャネル部3に薄膜半導体素子
の上方に形成された窒化シリコンSiNxからなるパッシ
ベーション窒化膜10に含まれた水素が熱拡散により導
入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜トランジス
タ(TFT)を有する半導体装置およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年は、イメージセンサや液晶ディスプ
レイを駆動させるための薄膜トランジスタの研究が随所
で盛んに行われている。さらに、多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタは、CPU,メモリおよびインターフェイス
等の回路を同時に作り込める可能性があることから、そ
の特性(TFT特性)改善と信頼性の向上が期待されてい
る。このようなポリシリコン(多結晶シリコン)を用いた
MOS型薄膜トランジスタのチャネル部は、単結晶のト
ランジスタと違って、互いに結晶方向の異なるグレイン
で構成されている。したがって、キャリア(電子または
正孔)がソースドレイン電極間に流れると、グレイン境
界ではトラップ準位が多いためにキャリアの捕獲が起こ
る。この捕獲によってグレインが正または負に帯電し、
キャリアの伝導を妨げる障壁ポテンシャルを形成するた
め、ポリシリコン薄膜トランジスタのキャリア移動度は
単結晶シリコン中に比べて低くなる。上記薄膜トランジ
スタは、ゲート電極がこの障壁ポテンシャルの表面での
高さを変化させることによって動作するため、障壁ポテ
ンシャルの高さがトランジスタ特性に大きな影響を与え
ることになる。しかしながら、この障壁ポテンシャルの
高さは、トラップ密度によっても大きく変化し、そのト
ラップ密度は、グレイン境界でのダングリングボンド
(未結合手)の数によって決まる。したがって、上記薄膜
トランジスタのチャネル部に水素化処理により水素原子
を導入することによって、この水素原子がダングリング
ボンドと結合し、トラップ密度が減るため、障壁ポテン
シャルが低くなる。また、導入された水素原子の一部
は、ポリシリコンとゲート絶縁膜である酸化膜との界面
にあるトラップ準位とも結合する。
【0003】このような水素化処理は、薄膜トランジス
タの特性を向上する手段として採用されて、オン電流の
増加、キャリア移動度の増加、しきい値電圧の低下、サ
ブスレッシュホールド特性の向上、電流の温度依存性の
減少等の特性が改善されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記薄膜ト
ランジスタのチャネル部に水素原子を導入させる方法と
して、次の(1)〜(3)の方法が提案されている。
【0005】(1) 薄膜トランジスタの作製後、高周波
水素プラズマによって水素原子を薄膜トランジスタの活
性領域(チャネル部)および拡散領域(ソース,ドレイン
部)のポリシリコンに導入する。
【0006】(2) 薄膜トランジスタの作製後、薄膜ト
ランジスタの活性領域および拡散領域のポリシリコンに
水素イオンを注入し、続いて400℃前後で活性化させ
る。
【0007】(3) 薄膜トランジスタの作製後、パッ
シベーション窒化膜(SiNx)を形成し、その窒化膜に含
まれる水素原子を熱拡散によって薄膜トランジスタの活
性領域および拡散領域のポリシリコンに導入する。
【0008】しかしながら、上記(1)の場合、水素化効
率を高めるために水素プラズマを高出力化すると、絶縁
膜の表面,界面へのプラズマダメージが生じるという問
題がある。
【0009】また、上記(2)の場合、水素化効率を高め
るために高エネルギー注入化と活性化温度の高温化を行
うと、水素イオン注入による結晶欠陥発生等の界面およ
びバルク中へのトラップ準位形成による薄膜トランジス
タ特性への影響を考慮して、注入化のエネルギーと活性
化温度を設定しなければならないという制約があった。
【0010】また、上記(3)の場合、水素原子の水素化
効率を高めるために窒化シリコンSiNx膜中の水素高濃
度化と熱拡散の高温度化しようとする場合、薄膜トラン
ジスタの作製後に熱処理によりパッシベーション窒化膜
中からの水素原子を拡散させるため、Alバスライン配
線のヒロック発生が懸念され、アニール温度は450℃
程度までしか上げられず、十分な水素化ができないとい
うプロセス上の問題があった。
【0011】また、図4は上記熱拡散により層間絶縁膜
に含まれる水素が活性領域および拡散領域に導入された
薄膜トランジスタの断面を示している。この薄膜トラン
ジスタは、LDD(Lightly Doped Dr
ain)構造をしており、ガラス基板41上に形成され
たチャネル部43とソース,ドレイン部44,44および
そのチャネル部43と両ソースドレイン部44,44と
の間にオフセット部43a,43aを有する多結晶半導体
層50を形成している。上記ガラス基板41上と多結晶
半導体層50上に酸化シリコンSi02からなるゲート絶
縁膜45を形成して、そのゲート絶縁膜45上にチャネ
ル部43に対応する領域にゲート電極46を形成してい
る。上記ゲート絶縁膜45とゲート電極46上に窒化シ
リコンSiNxからなる層間絶縁膜47を形成し、ソー
ス,ドレイン部44,44に接続されたソースドレイン電
極48を形成している。そして、基板全面にパッシベー
ション窒化膜48を形成している。
【0012】上記構成の薄膜トランジスタは、層間絶縁
膜47は、熱拡散による水素化を効率よく行うため、多
量の水素原子が含まれており、膜中にトラップ準位が多
く存在している。この薄膜トランジスタにおいて、熱拡
散による水素化を行った場合、ソース,ドレイン部44,
44のn,pの拡散領域とチャネル部43の真性領域お
よびオフセット部43a,43a上にゲート絶縁膜45と
ゲート電極46とを介して層間絶縁膜47が積層されて
いるため、特にドレイン端側では、高電界により発生し
たホットエレクトロンまたはホールがゲート絶縁膜45
のポテンシャル障壁を越えて、ゲート絶縁膜45と層間
絶縁膜47との界面および層間絶縁膜47中に存在する
トラップ準位に捕獲される。このため、薄膜トランジス
タのしきい値の変動やサブスレッシュホールド特性等の
劣化を招き、薄膜トランジスタの信頼性に大きな影響を
与えるという問題があった。このことは、特にNチャネ
ル型薄膜トランジスタに顕著に発生する。また、上記薄
膜トランジスタがPチャネル型の場合は、チャネル部4
3およびオフセット部43a,43aに層間絶縁膜47の
応力による特性変動が生じるという問題があった。
【0013】そこで、この発明の目的は、特性の良好な
信頼性の高い薄膜半導体素子を有する半導体装置および
その製造方法を提供することにある。
【0014】また、この発明のもう一つの目的は、Pチ
ャネル型において層間絶縁膜の応力による特性変動が防
止された薄膜半導体素子を有する半導体装置およびその
製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の半導体装置は、絶縁性基板上に形成され
たチャネル部とソース,ドレイン部とを有する多結晶半
導体層と、上記多結晶半導体層上に形成されたゲート絶
縁膜と、上記ゲート絶縁膜上に上記多結晶半導体層のチ
ャネル部に対応する領域に形成されたゲート電極と、上
記ゲート絶縁膜と上記ゲート電極との上方の領域におい
て、上層が酸化シリコンSiO2からなり下層が窒化シリ
コンSiNxからなる2層構造である層間絶縁膜とを有す
る薄膜半導体素子を備え、上記薄膜半導体素子の上記多
結晶半導体層の上記チャネル部とそのチャネル部近傍の
領域とに対応する上記層間絶縁膜の領域が上記酸化シリ
コンSiO2のみからなると共に、上記薄膜半導体素子の
上記多結晶半導体層の少なくとも上記チャネル部に、上
記薄膜半導体素子の上方に形成された窒化シリコンSi
Nxからなる保護膜に含まれた水素が熱拡散により導入
されていることを特徴としている。
【0016】上記請求項1の半導体装置によれば、上記
薄膜半導体素子の層間絶縁膜を上層が酸化シリコンSi
2からなり下層が窒化シリコンSiNxからなる2層構
造にすると共に、上記チャネル部とそのチャネル部近傍
の領域とに対応する層間絶縁膜の領域が酸化シリコンS
iO2のみからなるので、層間の絶縁を保ちつつ上記薄膜
半導体素子を覆う窒化シリコンSiNxからなる保護膜か
ら多結晶半導体層までの水素原子の移動距離が短じかく
なる。そこで、上記保護膜を水素原子の拡散源として熱
拡散すると、上記保護膜から多結晶半導体層までの移動
距離が短いので、その保護膜から多結晶半導体層のチャ
ネル部とそのチャネル部近傍の領域とに水素原子を効率
よく導入して水素化する。さらに、上記層間絶縁膜の窒
化シリコンSiNxからなる下層中に含まれる水素原子に
よる導入も行われ、水素化効率が高くなる。そうする
と、上記チャネル部中とそのチャネル部近傍の領域中の
ダングリングボイドと水素原子が結合し、トラップ密度
が減少する。また、上記層間絶縁膜は、多結晶半導体層
のチャンネル部とそのチャネル部近傍の領域に対応する
窒化シリコンSiNxからなる下層の領域に抜きパターン
を設けているので、窒化シリコンSiNxからなる膜への
ホットエレクトロンまたはホールの捕獲を回避すること
ができ、信頼性がさらに向上する。したがって、上記チ
ャネル部のトラップ密度が減少して、オン電流,キャリ
ア移動度が増加し、しきい値電圧が低下すると共に、サ
ブスレッシュホールド特性が向上し、電流の温度依存性
が減少する等の特性が改善されるので、特性の良好な信
頼性の高い薄膜半導体素子を有する半導体装置を得るこ
とができる。
【0017】また、請求項2の半導体装置は、絶縁性基
板上に形成されたチャネル部とソース,ドレイン部とを
有する多結晶半導体層と、上記多結晶半導体層上に形成
されたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜上に上記多結
晶半導体層のチャネル部に対応する領域に形成されたゲ
ート電極と、上記ゲート絶縁膜と上記ゲート電極との上
方の領域において、上層が窒化シリコンSiNxからなり
下層が酸化シリコンSiO2からなる2層構造である層間
絶縁膜とを有する薄膜半導体素子を備え、上記薄膜半導
体素子の上記多結晶半導体層の少なくとも上記チャネル
部に、上記薄膜半導体素子の上方に形成された窒化シリ
コンSiNxからなる保護膜に含まれた水素が熱拡散によ
り導入されていることを特徴としている。
【0018】上記請求項2の半導体装置によれば、上記
薄膜半導体素子の層間絶縁膜を上層が窒化シリコンSi
Nxからなり下層が酸化シリコンSiO2からなる2層構
造にするので、上記薄膜半導体素子を覆う窒化シリコン
SiNxからなる保護膜を水素原子の拡散源として熱拡散
することによって、上記保護膜と層間絶縁膜の窒化シリ
コンSiNxからなる上層とから同時に多結晶半導体層の
活性領域であるチャネル部とそのチャネル部近傍の領域
とに水素原子を導入して、効率よく水素化する。したが
って、オン電流,キャリア移動度が増加し、しきい値電
圧が低下すると共に、サブスレッシュホールド特性が向
上し、電流の温度依存性が減少する等の特性が改善され
るので、特性の良好な信頼性の高い薄膜半導体素子を有
する半導体装置を得ることができる。
【0019】また、請求項3の半導体装置は、請求項2
の半導体装置において、上記薄膜半導体素子がPチャネ
ル型である場合、上記層間絶縁膜は、上記多結晶半導体
層の上記チャネル部とそのチャネル部近傍の領域とに対
応する領域が上記窒化シリコンSiNxのみからなること
を特徴としている。
【0020】上記請求項3の半導体装置によれば、Pチ
ャネル型薄膜半導体素子では、上記薄膜半導体素子の層
間絶縁膜を上層が窒化シリコンSiNxからなり下層が酸
化シリコンSiO2からなる2層構造にすると共に、上記
チャネル部とそのチャネル部近傍の領域とに対応する層
間絶縁膜の領域が窒化シリコンSiNxのみからなるの
で、層間の絶縁を保ちつつ上記薄膜半導体素子を覆う窒
化シリコンSiNxからなる保護膜から多結晶半導体層ま
での水素原子の移動距離が短じかくなる。そこで、上記
保護膜を水素原子の拡散源として熱拡散すると、上記保
護膜から多結晶半導体層までの移動距離が短いので、そ
の保護膜から多結晶半導体層のチャネル部とそのチャネ
ル部近傍の領域とに水素原子を導入して、水素化効率が
さらによくなる。また、Pチャネル型薄膜半導体素子で
は、上記層間絶縁膜は、多結晶半導体層のチャンネル部
とそのチャネル部近傍の領域に対応する酸化シリコンS
iO2からなる下層の領域に抜きパターンを設けて、層間
絶縁膜の応力の発生を抑制しているので、この薄膜半導
体素子の特性変動を防止できる。
【0021】また、請求項4の半導体装置の製造方法
は、絶縁性基板上に多結晶半導体薄膜を堆積する工程
と、上記多結晶半導体薄膜を素子単位毎の島状に加工し
て、島状の多結晶半導体層を形成する工程と、上記多結
晶半導体層上にゲート絶縁膜を堆積する工程と、上記ゲ
ート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、上記多結
晶半導体層のソース,ドレイン部となるべき領域に不純
物を導入する工程と、上記ゲート絶縁膜と上記ゲート電
極とを覆うように窒化シリコンSiNxからなる第1の層
間絶縁膜を堆積する工程と、上記多結晶半導体層のチャ
ネル部となるべき領域とその近傍の領域とに対応する上
記第1の層間絶縁膜の領域を除去する工程と、上記第1
の層間絶縁膜の上方に酸化シリコンSiO2からなる第2
の層間絶縁膜を堆積する工程と、上記第2の層間絶縁膜
の上方に窒化シリコンSiNxからなる保護膜を堆積する
工程と、上記窒化シリコンSiNxからなる保護膜に含ま
れる水素を上記多結晶半導体層の少なくともチャネル部
となるべき領域に熱拡散により導入する工程とを有する
ことを特徴としている。
【0022】上記請求項4の半導体装置の製造方法によ
れば、絶縁性基板上に多結晶半導体薄膜を堆積し、上記
多結晶半導体薄膜を素子単位毎の島状に加工して、島状
の多結晶半導体層を形成する。次に、上記多結晶半導体
層上にゲート絶縁膜を堆積し、そのゲート絶縁膜上にゲ
ート電極を形成する。次に、上記多結晶半導体層のソー
ス,ドレイン部となるべき領域に不純物を導入した後、
上記ゲート絶縁膜とゲート電極とを覆うように窒化シリ
コンSiNxからなる第1の層間絶縁膜を堆積し、上記多
結晶半導体層のチャネル部となるべき領域とその近傍の
領域とに対応する第1の層間絶縁膜の領域を除去する。
そして、基板全面に酸化シリコンSiO2からなる第2の
層間絶縁膜を堆積した後、上記第2の層間絶縁膜の上方
に窒化シリコンSiNxからなる保護膜を堆積して、その
保護膜に含まれる水素を上記多結晶半導体層の少なくと
もチャネル部となるべき領域に熱拡散により導入する。
そうすると、上記薄膜半導体素子を覆う窒化シリコンS
iNxからなる保護膜を水素原子の拡散源として熱拡散す
ることによって、上記保護膜から多結晶半導体層までの
水素原子の移動距離が短いので、その保護膜から多結晶
半導体層の活性領域であるチャネル部とそのチャネル部
近傍の領域とに水素原子を効率よく導入して水素化でき
る。また、上記層間絶縁膜は、多結晶半導体層のチャン
ネル部とそのチャネル部近傍の領域に対応する窒化シリ
コンSiNxからなる下層の領域に抜きパターンを設けて
いるので、窒化シリコンSiNxからなる膜へのホットエ
レクトロンまたはホールの捕獲を回避することができ、
信頼性がさらに向上する。したがって、オン電流,キャ
リア移動度が増加し、しきい値電圧が低下すると共に、
サブスレッシュホールド特性が向上し、電流の温度依存
性が減少する等の特性が改善されるので、特性の良好な
信頼性の高い薄膜半導体素子を有する半導体装置を製造
できる。
【0023】また、請求項5の半導体装置の製造方法
は、絶縁性基板上に多結晶半導体薄膜を堆積する工程
と、上記多結晶半導体薄膜を素子単位毎の島状に加工し
て、島状の多結晶半導体層を形成する工程と、上記多結
晶半導体層上にゲート絶縁膜を堆積する工程と、上記ゲ
ート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、上記多結
晶半導体層のソース,ドレイン部となるべき領域に不純
物を導入する工程と、上記ゲート絶縁膜と上記ゲート電
極とを覆うように酸化シリコンSiO2からなる第1の層
間絶縁膜を堆積する工程と、上記第1の層間絶縁膜の上
方に窒化シリコンSiNxからなる第2の層間絶縁膜を堆
積する工程と、上記第2の層間絶縁膜の上方に窒化シリ
コンSiNxからなる保護膜を堆積する工程と、上記窒化
シリコンSiNxからなる保護膜に含まれる水素を上記多
結晶半導体層の少なくともチャネル部となるべき領域に
熱拡散により導入する工程とを有することを特徴として
いる。
【0024】上記請求項5の半導体装置の製造方法によ
れば、絶縁性基板上に多結晶半導体薄膜を堆積し、上記
多結晶半導体薄膜を素子単位毎の島状に加工して、島状
の多結晶半導体層を形成する。次に、上記多結晶半導体
層上にゲート絶縁膜を堆積して、上記ゲート絶縁膜上に
ゲート電極を形成する。次に、上記多結晶半導体層のソ
ース,ドレイン部となるべき領域に不純物を導入した
後、上記ゲート絶縁膜とゲート電極とを覆うように酸化
シリコンSiO2からなる第1の層間絶縁膜を堆積する。
次に、基板全面に窒化シリコンSiNxからなる第2の層
間絶縁膜を堆積した後、その第2の層間絶縁膜の上方に
窒化シリコンSiNxからなる保護膜を堆積して、その保
護膜に含まれる水素を上記多結晶半導体層の少なくとも
チャネル部となるべき領域に熱拡散により導入する。そ
うすると、上記薄膜半導体素子を覆う窒化シリコンSi
Nxからなる保護膜を水素原子の拡散源として熱拡散す
ることによって、その保護膜と層間絶縁膜の窒化シリコ
ンSiNxからなる上層とから同時に多結晶半導体層の活
性領域であるチャネル部とそのチャネル部近傍の領域と
に水素原子を導入して、効率よく水素化できる。したが
って、オン電流,キャリア移動度が増加し、しきい値電
圧が低下すると共に、サブスレッシュホールド特性が向
上し、電流の温度依存性が減少する等の特性が改善され
るので、特性の良好な信頼性の高い薄膜半導体素子を有
する半導体装置を製造できる。
【0025】また、請求項6の半導体装置の製造方法
は、請求項5の半導体装置の製造方法において、上記多
結晶半導体層のソース,ドレイン部となるべき領域にP
型の不純物を導入した場合に、上記P型の不純物が導入
された多結晶半導体層のチャネル部となるべき領域とそ
の近傍の領域とに対応する上記第1の層間絶縁膜の領域
を除去する工程を有することを特徴としている。
【0026】上記請求項6の半導体装置の製造方法によ
れば、上記不純物が導入された多結晶半導体層にP型の
不純物が導入された多結晶半導体層がある場合は、P型
の不純物が導入された多結晶半導体層のチャネル部とな
るべき領域とその近傍の領域とに対応する上記第1の層
間絶縁膜の領域を除去することによって、上記チャネル
部とそのチャネル部近傍の領域とに対応する層間絶縁膜
の領域が窒化シリコンSiNxのみからなるので、層間の
絶縁を保ちつつ上記薄膜半導体素子を覆う窒化シリコン
SiNxからなる保護膜から多結晶半導体層までの水素原
子の移動距離が短じかくなる。そこで、上記保護膜を水
素原子の拡散源として熱拡散すると、上記保護膜から多
結晶半導体層までの移動距離が短いので、その保護膜か
ら多結晶半導体層のチャネル部とそのチャネル部近傍の
領域とに水素原子を導入して、水素化効率がさらによく
なる。また、上記層間絶縁膜は、多結晶半導体層のチャ
ンネル部とそのチャネル部近傍の領域に対応する領域に
酸化シリコンSiO2からなる層がないので、層間絶縁膜
の応力の発生を抑制して、この薄膜半導体素子の特性変
動を防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の半導体装置を図
示の実施の形態により詳細に説明する。
【0028】(第1実施形態)図1はこの発明の第1実
施形態の半導体装置の薄膜半導体素子としての薄膜トラ
ンジスタの断面図である。この薄膜トランジスタは、層
間絶縁膜が上層が酸化シリコンSiO2,下層が窒化シリ
コンSiNxからなる2層構造をしている。また、この薄
膜トランジスタは、Nチャネル型またはPチャネル型の
いずれでもよく、半導体装置としての液晶表示装置のア
クティブマトリックス回路の薄膜トランジスタアレーや
ドライバー回路に用いられる。
【0029】以下、上記薄膜トランジスタの製造方法に
ついて説明する。
【0030】まず、ガラス基板1上に下地酸化膜2とし
てSiO2を100OÅ〜5000Å(例えば3000Å)
の膜厚に成膜する。
【0031】次に、厚さ300Åのアモルファスシリコ
ン膜を堆積し、これにエキシマレーザ光を照射して多結
晶シリコン膜とする。そして、これをエッチングして島
状の多結晶半導体層11を形成する。
【0032】さらに、上記ガラス基板1上と多結晶半導
体層11上に厚さ1000Åの酸化シリコンSiO2から
なるゲート絶縁膜5を成膜する。
【0033】その後、アルミニウム膜を3500Åの厚
さにスパッタリング法で成膜し、そのアルミニウム膜を
エッチングして、ゲート電極6を形成する。
【0034】次に、上記エッチング時のフォトレジスト
のマスクを残したまま、ゲート電極6を電解液中で陽極
酸化して、ゲート電極6の側壁に100Å〜2000Å
の厚さに陽極酸化物を形成する。
【0035】その後、側壁の陽極酸化物をマスクにし
て、高濃度不純物としてN型の場合はn+(例えばリン),
P型の場合はp+(例えばボロン)をイオンドーピング法
によって注入する。そして、陽極酸化物を除去して、低
濃度不純物としてのn-またはp-を注入する。このと
き、上記ゲート絶縁膜5は、半透過のマスクとして機能
するため、島状の多結晶半導体層11は、自己整合的に
低濃度不純物領域であるオフセット部3a,3a(LDD構
造)、高濃度不純物領域であるソース,ドレイン部4,4
が形成される。なお、低濃度不純物n-またはp-を注入
しない場合、オフセット部3a,3aは、真性領域となっ
て、この薄膜トランジスタはオフセット構造となる。
【0036】次に、プラズマCVD法により下層の第1
の層間絶縁膜(SiNx)7を2000Å〜8000Å(例
えば3000Å)の膜厚で成膜する。
【0037】その後、上記第1の層間絶縁膜(SiNx)7
の多結晶半導体層11上の領域のみエッチングして、抜
きパターンを形成する。これは、後述する保護膜として
のパッシベーション窒化膜(SiNx)10中に含まれてい
る水素原子を多結晶半導体層11の活性領域(チャネル
部)および拡散領域(ソース,ドレイン部)に効率よく熱拡
散を行うために設けるものである。
【0038】次に、上層の第2の層間絶縁膜(SiO2)8
をプラズマCVDによって2000Å〜8000Å(例
えば3000Å)の膜厚で形成する。
【0039】上記第1,第2層間絶縁膜7,8で2層構造
の層間絶縁膜を形成し、層間の絶縁を保ちつつ後述する
パッシベーション室化膜10と多結晶半導体層11との
距離を短くしている。
【0040】その後、コンタクトホール12,12を形
成し、アルミニウム膜を堆積した後、パターンニングと
エッチングを行ってソース,ドレイン電極9を形成す
る。
【0041】最後に、パッシベーション室化膜(SiNx)
10を堆積させた後、熱拡散による水素化処理を行って
薄膜トランジスタが完成する。
【0042】上記構成の薄膜トランジスタを有する半導
体装置では、上記薄膜トランジスタの層間絶縁膜を上層
が酸化シリコンSiO2からなる第2の層間絶縁膜8と下
層が窒化シリコンSiNxからなる第1の層間絶縁膜7と
の2層構造にすると共に、上記多結晶半導体層11に対
応する層間絶縁膜の領域が第2の層間絶縁膜8のみから
なるので、パッシベーション窒化膜10から多結晶半導
体層11までの水素原子の移動距離が短く、薄膜トラン
ジスタを覆うパッシベーション窒化膜10が水素原子の
拡散源として熱拡散すると、パッシベーション窒化膜1
0から多結晶半導体層11に水素原子を効率よく導入し
て水素化する。また、上記第1,第2の層間絶縁膜8,8
は、多結晶半導体層11に対応する窒化シリコンSiNx
からなる下層の第1の層間絶縁膜7に抜きパターンを設
けているので、第1の層間絶縁膜7中に含まれている水
素原子による導入も行われ、水素化効率が高くなると共
に、窒化シリコンSiNxからなる膜へのホットエレクト
ロンまたはホールの捕獲を回避することができ、信頼性
がさらに向上する。
【0043】したがって、オン電流,キャリア移動度が
増加し、しきい値電圧が低下すると共に、サブスレッシ
ュホールド特性が向上し、電流の温度依存性が減少する
等の特性が改善され、特性の良好な信頼性の高い薄膜ト
ランジスタを有する半導体装置を得ることができる。
【0044】(第2実施形態)図2,図3はこの発明の
第2実施形態の半導体装置の薄膜半導体素子として用い
られるNチャネル型薄膜トランジスタとPチャネル型薄
膜トランジスタの断面図である。このNチャネル型およ
びPチャネル型薄膜トランジスタの層間絶縁膜は、第1
実施形態の薄膜トランジスタと異なり、上層が窒化シリ
コンSiNxからなり下層が酸化シリコンSiO2からなる
2層構造である。なお、イオン注入によるLDD構造の
作製工程までは、第1実施形態の製造方法と同様で説明
を省略する。
【0045】図2に示すNチャネル型薄膜トランジスタ
において、ドーピング法によってオフセット部23a,2
3aに低濃度不純物を注入し、ソース,ドレイン部24,
24に高濃度不純物を注入した後、プラズマCVDによ
って下層の第1の層間絶縁膜(SiO2)27を厚さ200
0Å〜8000Å(例えば3000Å)に形成する。
【0046】次に、プラズマCVD法により上層の第2
の層間絶縁膜(SiNx)28を2000Å〜8000Å
(例えば3000Å)の膜厚で成膜する。
【0047】その後、コンタクトホール13,13を形
成し、アルミニウム膜を堆積した後、パターンニングと
エッチングを行ってソース,ドレイン電極29を形成す
る。
【0048】最後に、基板全面を保護膜としてのパッシ
ベーション窒化膜(SiNx)30を堆積させた後、熱拡散
による水素化処理を行って薄膜トランジスタが完成す
る。
【0049】この場合、上記パッシベーション窒化膜
(SiNx)30中に含まれている水素原子とさらに層間S
iNx中に含まれている水素原子による導入も行われ、水
素化効率が高くなる。また、上層の層間絶縁膜(SiNx)
28を密度の高い圧縮性の膜に条件を設定することによ
って、水素が逃げるのを防ぐことが可能となる。
【0050】また、図3に示すPチャネル型薄膜トラン
ジスタにおいて、ドーピング法によってオフセット部3
3a,33aに低濃度不純物を注入し、ソース,ドレイン部
34,34に高濃度不純物を注入した後、プラズマCV
Dによって下層の第1の層間絶縁膜(SiO2)37を厚さ
2000Å〜8000Å(例えば3000Å)に形成す
る。
【0051】その後、上記第1の層間絶縁膜(SiO2)3
8の多結晶半導体層14上の領域のみエッチングして、
抜きパターンを形成する。
【0052】次に、プラズマCVD法により上層の第2
の層間絶縁膜(SiNx)37を2000Å〜8000Å
(例えば3000Å)の膜厚で成膜する。
【0053】上記第1,第2層間絶縁膜37,38で2層
構造の層間絶縁膜を形成し、層間の絶縁を保ちつつ後述
するパッシベーション室化膜40と多結晶半導体層14
との距離を短くしている。
【0054】その後、上記ソース,ドレイン部34,34
上にコンタクトホール15,15を形成し、アルミニウ
ム膜を堆積した後、パターンニングとエッチングを行っ
てソース,ドレイン電極39を形成する。
【0055】最後に、基板全面に保護膜としてのパッシ
ベーション窒化膜(SiNx)40を堆積させた後、熱拡散
による水素化処理を行って薄膜トランジスタが完成す
る。
【0056】このように、図2のNチャネル型薄膜トラ
ンジスタでは、上記薄膜トランジスタの層間絶縁膜を上
層が窒化シリコンSiNxからなる第2の層間絶縁膜28
と下層が酸化シリコンSiO2からなる第1の層間絶縁膜
27との2層構造にしていので、薄膜トランジスタを覆
うパッシベーション窒化膜30を水素原子の拡散源とし
て熱拡散することによって、パッシベーション窒化膜1
0と窒化シリコンSiNxからなる第2の層間絶縁膜28
とから同時に多結晶半導体層11に水素原子を導入し
て、効率よく水素化する。
【0057】したがって、オン電流,キャリア移動度が
増加し、しきい値電圧が低下すると共に、サブスレッシ
ュホールド特性が向上し、電流の温度依存性が減少する
等の特性が改善され、特性の良好な信頼性の高い薄膜ト
ランジスタを有する半導体装置を得ることができる。
【0058】また、図3のPチャネル型薄膜半導体素子
では、上記層間絶縁膜を上層が窒化シリコンSiNxから
なる第2の層間絶縁膜38下層が酸化シリコンSiO2
らなる第1の層間絶縁膜37との2層構造にすると共
に、上記多結晶半導体層14に対応する層間絶縁膜の領
域が第2層間絶縁膜38のみからなるので、層間の絶縁
を保ちつつ上記薄膜半導体素子を覆うパッシベーション
窒化膜40から多結晶半導体層14までの水素原子の移
動距離が短じかく、上記保護膜を水素原子の拡散源とし
て熱拡散すると、その保護膜から多結晶半導体層のチャ
ネル部とそのチャネル部近傍の領域とに水素原子を導入
して、水素化効率がさらによくなる。また、上記多結晶
半導体層14に対応する酸化シリコンSiO2からなる下
層の第1の層間絶縁膜37の領域に抜きパターンを設け
て、チャネル部33やオフセット部33a,33aに対す
る層間絶縁膜の応力の発生を抑制しているので、このP
チャネル型薄膜トランジスタのしきい値の変動を防止す
ることができる。
【0059】また、上記多結晶シリコンの多結晶半導体
層14の下層の層間絶縁膜(SiO2)38のみ抜くことに
よって、層間の絶縁性を確保すると共に、層間絶縁膜の
組み合わせによりCMOS構造を容易に形成できる。
【0060】上記第1,第2実施形態では、LDD構造
の薄膜トランジスタについて説明したが、シングルゲー
ト構造やオフセットゲート構造等の薄膜トランジスタに
ついてこの発明を適用してもよい。
【0061】また、上記第1,第2実施形態では、図1,
図3に示すように、第1の層間絶縁膜7,37の多結晶
半導体層11,14に対応する領域を除去したが、多結
晶半導体層のチャネル部とそのチャネル部近傍(例えば
LDD構造の場合、オフセット部)に対応する第1の層
間絶縁膜の領域を除去してもよい。
【0062】また、この発明の半導体装置およびその製
造方法は、Nチャネル型とPチャネル型薄膜トランジス
タの両方を用いた半導体装置に適用してもよく、また、
Nチャネル型薄膜半導体素子またはPチャネル型薄膜半
導体素子のいずれか一方を用いた半導体装置に適用して
もよい。
【0063】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の半導体装置は、絶縁性基板上に形成されたチャネル
部とソース,ドレイン部とを有する多結晶半導体層と、
上記多結晶半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、上
記ゲート絶縁膜上に多結晶半導体層のチャネル部に対応
する領域に形成されたゲート電極と、上記ゲート絶縁膜
とゲート電極との上方の領域においては、上層が酸化シ
リコンSiO2からなり下層が窒化シリコンSiNxからな
る2層構造である層間絶縁膜とを有する薄膜半導体素子
を備え、その薄膜半導体素子の多結晶半導体層のチャネ
ル部とそのチャネル部近傍の領域とに対応する層間絶縁
膜の領域が上記酸化シリコンSiO2のみからなると共
に、上記薄膜半導体素子の多結晶半導体層の少なくとも
チャネル部に、薄膜半導体素子の上方に形成された窒化
シリコンSiNxからなる保護膜に含まれた水素が熱拡散
により導入されているものである。
【0064】したがって、請求項1の発明の半導体装置
によれば、上記薄膜半導体素子を覆う窒化シリコンSi
Nxからなる保護膜を水素原子の拡散源として熱拡散す
ると、上記保護膜から多結晶半導体層までの水素原子の
移動距離が短いので、多結晶半導体層のチャネル部とそ
のチャネル部近傍の領域とに水素原子を効率よく導入し
て水素化する。さらに、上記層間絶縁膜の窒化シリコン
SiNxからなる下層中に含まれる水素原子による導入も
行われ、水素化効率が高くなる。また、上記層間絶縁膜
は、多結晶半導体層のチャンネル部とそのチャネル部近
傍の領域に対応する窒化シリコンSiNxからなる下層の
領域に抜きパターンを設けているので、窒化シリコンS
iNxからなる膜へのホットエレクトロンまたはホールの
捕獲を回避することができ、信頼性がさらに向上する。
したがって、オン電流,キャリア移動度が増加し、しき
い値電圧が低下すると共に、サブスレッシュホールド特
性が向上し、電流の温度依存性が減少する等の特性が改
善されるので、特性の良好な信頼性の高い薄膜半導体素
子を有する半導体装置を実現することができる。
【0065】また、請求項2の発明の半導体装置は、絶
縁性基板上に形成されたチャネル部とソース,ドレイン
部とを有する多結晶半導体層と、上記多結晶半導体層上
に形成されたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜上に多
結晶半導体層のチャネル部に対応する領域に形成された
ゲート電極と、上記ゲート絶縁膜とゲート電極との上方
の領域においては、上層が窒化シリコンSiNxからなり
下層が酸化シリコンSiO2からなる2層構造である層間
絶縁膜とを有する薄膜半導体素子を備え、上記薄膜半導
体素子の多結晶半導体層の少なくともチャネル部に、上
記薄膜半導体素子の上方に形成された窒化シリコンSi
Nxからなる保護膜に含まれた水素が熱拡散により導入
されているものである。
【0066】したがって、請求項2の発明の半導体装置
によれば、上記薄膜半導体素子の層間絶縁膜を上層が窒
化シリコンSiNxからなり下層が酸化シリコンSiO2
らなる2層構造にするので、薄膜半導体素子を覆う窒化
シリコンSiNxからなる保護膜を水素原子の拡散源とし
て熱拡散することによって、上記保護膜と層間絶縁膜の
窒化シリコンSiNxからなる上層とから同時に多結晶半
導体層の活性領域であるチャネル部とそのチャネル部近
傍の領域とに水素原子を導入して、効率よく水素化す
る。したがって、オン電流,キャリア移動度が増加し、
しきい値電圧が低下すると共に、サブスレッシュホール
ド特性が向上し、電流の温度依存性が減少する等の特性
が改善されるので、特性の良好な信頼性の高い薄膜半導
体素子を有する半導体装置を実現することができる。
【0067】また、請求項3の発明の半導体装置は、請
求項2の半導体装置において、上記薄膜半導体素子がP
チャネル型である場合、上記層間絶縁膜は、上記多結晶
半導体層の上記チャネル部とそのチャネル部近傍の領域
とに対応する領域が上記窒化シリコンSiNxのみからな
るので、層間の絶縁を保ちつつ上記薄膜半導体素子を覆
う窒化シリコンSiNxからなる保護膜から多結晶半導体
層までの水素原子の移動距離が短じかく、上記保護膜を
水素原子の拡散源として熱拡散すると、その保護膜から
多結晶半導体層のチャネル部とそのチャネル部近傍の領
域とに水素原子を導入して、水素化効率がさらによくな
る。また、Pチャネル型薄膜半導体素子では、層間絶縁
膜の応力の発生を抑制するので、この薄膜半導体素子の
特性変動を防止することができる。
【0068】また、請求項4の発明の半導体装置の製造
方法は、絶縁性基板上に多結晶半導体薄膜を堆積し、上
記多結晶半導体薄膜を素子単位毎の島状に加工して、島
状の多結晶半導体層を形成し、上記多結晶半導体層上に
ゲート絶縁膜を堆積し、そのゲート絶縁膜上にゲート電
極を形成し、上記多結晶半導体層のソース,ドレイン部
となるべき領域に不純物を導入した後、上記ゲート絶縁
膜とゲート電極とを覆うように窒化シリコンSiNxから
なる第1の層間絶縁膜を堆積し、上記多結晶半導体層の
チャネル部となるべき領域とその近傍の領域とに対応す
る第1の層間絶縁膜の領域を除去して、基板全面に酸化
シリコンSiO2からなる第2の層間絶縁膜を堆積した
後、上記第2の層間絶縁膜の上方に窒化シリコンSiNx
からなる保護膜を堆積して、その保護膜に含まれる水素
を上記多結晶半導体層の少なくともチャネル部となるべ
き領域に熱拡散により導入するものである。
【0069】したがって、請求項4の発明の半導体装置
の製造方法によれば、上記薄膜半導体素子を覆う窒化シ
リコンSiNxからなる保護膜を水素原子の拡散源として
熱拡散することによって、上記保護膜から多結晶半導体
層までの水素原子の移動距離が短いので、その保護膜か
ら多結晶半導体層のチャネル部とそのチャネル部近傍の
領域とに水素原子を効率よく導入して水素化できる。ま
た、上記層間絶縁膜は、多結晶半導体層のチャンネル部
とそのチャネル部近傍の領域に対応する窒化シリコンS
iNxからなる下層の領域に抜きパターンを設けているの
で、窒化シリコンSiNxからなる膜へのホットエレクト
ロンまたはホールの捕獲を回避することができ、信頼性
がさらに向上する。したがって、オン電流,キャリア移
動度が増加し、しきい値電圧が低下すると共に、サブス
レッシュホールド特性が向上し、電流の温度依存性が減
少する等の特性が改善されるので、特性の良好な信頼性
の高い薄膜半導体素子を有する半導体装置を製造するこ
とができる。
【0070】また、請求項5の発明の半導体装置の製造
方法は、絶縁性基板上に多結晶半導体薄膜を堆積し、上
記多結晶半導体薄膜を素子単位毎の島状に加工して、島
状の多結晶半導体層を形成し、上記多結晶半導体層上に
ゲート絶縁膜を堆積して、上記ゲート絶縁膜上にゲート
電極を形成し、上記多結晶半導体層のソース,ドレイン
部となるべき領域に不純物を導入した後、上記ゲート絶
縁膜とゲート電極とを覆うように酸化シリコンSiO2
らなる第1の層間絶縁膜を堆積し、基板全面に窒化シリ
コンSiNxからなる第2の層間絶縁膜を堆積した後、そ
の第2の層間絶縁膜の上方に窒化シリコンSiNxからな
る保護膜を堆積して、その保護膜に含まれる水素を上記
多結晶半導体層の少なくともチャネル部となるべき領域
に熱拡散により導入するものである。
【0071】したがって、請求項5の発明の半導体装置
の製造方法によれば、上記薄膜半導体素子を覆う窒化シ
リコンSiNxからなる保護膜を水素原子の拡散源として
熱拡散することによって、その保護膜と層間絶縁膜の窒
化シリコンSiNxからなる上層とから同時に多結晶半導
体層のチャネル部とそのチャネル部近傍の領域とに水素
原子を導入して、効率よく水素化できる。したがって、
オン電流,キャリア移動度が増加し、しきい値電圧が低
下すると共に、サブスレッシュホールド特性が向上し、
電流の温度依存性が減少する等の特性が改善されるの
で、特性の良好な信頼性の高い薄膜半導体素子を有する
半導体装置を製造することができる。
【0072】また、請求項6の発明の半導体装置の製造
方法は、請求項5の半導体装置の製造方法において、上
記多結晶半導体層のソース,ドレイン部となるべき領域
にP型の不純物を導入した場合に、上記P型の不純物が
導入された多結晶半導体層のチャネル部となるべき領域
とその近傍の領域とに対応する上記第1の層間絶縁膜の
領域を除去するので、上記チャネル部とそのチャネル部
近傍の領域とに対応する層間絶縁膜の領域が窒化シリコ
ンSiNxのみからなり、層間の絶縁を保った状態で上記
薄膜半導体素子を覆う窒化シリコンSiNxからなる保護
膜から多結晶半導体層までの水素原子の移動距離が短じ
かくなり、上記保護膜を水素原子の拡散源として熱拡散
すると、その保護膜から多結晶半導体層のチャネル部と
そのチャネル部近傍の領域とに水素原子を導入して、水
素化効率がさらによくなる。また、上記層間絶縁膜は、
多結晶半導体層のチャンネル部とそのチャネル部近傍の
領域に対応する領域に酸化シリコンSiO2からなる層が
ないので、層間絶縁膜の応力の発生を抑制して、この薄
膜半導体素子の特性変動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の第1実施形態の半導体装置
の薄膜トランジスタの層間絶縁膜の構造が上層SiO2
下層SiNxの場合の断面図である。
【図2】 図2はこの発明の第2実施形態の半導体装置
のNチャネル型薄膜トランジスタの層間絶縁膜の構造が
上層SiNx/下層SiO2の場合の断面図である。
【図3】 図3は上記半導体装置のPチャネル型薄膜ト
ランジスタの層間絶縁膜の構造が上層SiNx/下層Si
2の場合の断面図である。
【図4】 図4は従来の半導体装置としての薄膜トラン
ジスタの断面図である。
【符号の説明】
1,21,31,41…ガラス基板、 2,22,32,42…下地酸化膜、 3,23,33,43…チャネル部、 3a,23a,33a,43a…オフセット部、 4,24,34,44…ソース,ドレイン部、 5,25,35,45…ゲート絶縁膜、 6,26,36,46…ゲート電極、 7,27,37…第1の層間絶縁膜、 8,28,38…第2の層間絶縁膜、 9,29,39,48…ソース,ドレイン電極、 10,30,40,49…パッシベーション膜、 47…層間絶縁膜。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に形成されたチャネル部と
    ソース,ドレイン部とを有する多結晶半導体層と、 上記多結晶半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、 上記ゲート絶縁膜上に上記多結晶半導体層のチャネル部
    に対応する領域に形成されたゲート電極と、 上記ゲート絶縁膜と上記ゲート電極との上方の領域にお
    いては、上層が酸化シリコンSiO2からなり下層が窒化
    シリコンSiNxからなる2層構造である層間絶縁膜とを
    有する薄膜半導体素子を備え、 上記薄膜半導体素子の上記多結晶半導体層の上記チャネ
    ル部とそのチャネル部近傍の領域とに対応する上記層間
    絶縁膜の領域が上記酸化シリコンSiO2のみからなると
    共に、 上記薄膜半導体素子の上記多結晶半導体層の少なくとも
    上記チャネル部に、上記薄膜半導体素子の上方に形成さ
    れた窒化シリコンSiNxからなる保護膜に含まれた水素
    が熱拡散により導入されていることを特徴とする半導体
    装置。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板上に形成されたチャネル部と
    ソース,ドレイン部とを有する多結晶半導体層と、 上記多結晶半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、 上記ゲート絶縁膜上に上記多結晶半導体層のチャネル部
    に対応する領域に形成されたゲート電極と、 上記ゲート絶縁膜と上記ゲート電極との上方の領域にお
    いては、上層が窒化シリコンSiNxからなり下層が酸化
    シリコンSiO2からなる2層構造である層間絶縁膜とを
    有する薄膜半導体素子を備え、 上記薄膜半導体素子の上記多結晶半導体層の少なくとも
    上記チャネル部に、上記薄膜半導体素子の上方に形成さ
    れた窒化シリコンSiNxからなる保護膜に含まれた水素
    が熱拡散により導入されていることを特徴とする半導体
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置において、 上記薄膜半導体素子がPチャネル型である場合、上記層
    間絶縁膜は、上記多結晶半導体層の上記チャネル部とそ
    のチャネル部近傍の領域とに対応する領域が上記窒化シ
    リコンSiNxのみからなることを特徴とする半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 絶縁性基板上に多結晶半導体薄膜を堆積
    する工程と、 上記多結晶半導体薄膜を素子単位毎の島状に加工して、
    島状の多結晶半導体層を形成する工程と、 上記多結晶半導体層上にゲート絶縁膜を堆積する工程
    と、 上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 上記多結晶半導体層のソース,ドレイン部となるべき領
    域に不純物を導入する工程と、 上記ゲート絶縁膜と上記ゲート電極とを覆うように窒化
    シリコンSiNxからなる第1の層間絶縁膜を堆積する工
    程と、 上記多結晶半導体層のチャネル部となるべき領域とその
    近傍の領域とに対応する上記第1の層間絶縁膜の領域を
    除去する工程と、 上記第1の層間絶縁膜の上方に酸化シリコンSiO2から
    なる第2の層間絶縁膜を堆積する工程と、 上記第2の層間絶縁膜の上方に窒化シリコンSiNxから
    なる保護膜を堆積する工程と、 上記窒化シリコンSiNxからなる保護膜に含まれる水素
    を上記多結晶半導体層の少なくともチャネル部となるべ
    き領域に熱拡散により導入する工程とを有することを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁性基板上に多結晶半導体薄膜を堆積
    する工程と、 上記多結晶半導体薄膜を素子単位毎の島状に加工して、
    島状の多結晶半導体層を形成する工程と、 上記多結晶半導体層上にゲート絶縁膜を堆積する工程
    と、 上記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 上記多結晶半導体層のソース,ドレイン部となるべき領
    域に不純物を導入する工程と、 上記ゲート絶縁膜と上記ゲート電極とを覆うように酸化
    シリコンSiO2からなる第1の層間絶縁膜を堆積する工
    程と、 上記第1の層間絶縁膜の上方に窒化シリコンSiNxから
    なる第2の層間絶縁膜を堆積する工程と、 上記第2の層間絶縁膜の上方に窒化シリコンSiNxから
    なる保護膜を堆積する工程と、 上記窒化シリコンSiNxからなる保護膜に含まれる水素
    を上記多結晶半導体層の少なくともチャネル部となるべ
    き領域に熱拡散により導入する工程とを有することを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記多結晶半導体層のソース,ドレイン部となるべき領
    域にP型の不純物を導入した場合に、上記P型の不純物
    が導入された多結晶半導体層のチャネル部となるべき領
    域とその近傍の領域とに対応する上記第1の層間絶縁膜
    の領域を除去する工程を有することを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
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JP (1) JPH11135793A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011066432A (ja) * 1999-06-02 2011-03-31 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置

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JP2011066432A (ja) * 1999-06-02 2011-03-31 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置

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