JP2000124461A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタおよびその製造方法

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JP2000124461A
JP2000124461A JP29824698A JP29824698A JP2000124461A JP 2000124461 A JP2000124461 A JP 2000124461A JP 29824698 A JP29824698 A JP 29824698A JP 29824698 A JP29824698 A JP 29824698A JP 2000124461 A JP2000124461 A JP 2000124461A
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Ikunori Kobayashi
郁典 小林
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LDD領域の特性のばらつきを小さくでき、
製造工程を簡略化した薄膜トランジスタおよびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 LDD領域3bはゲート電極5をマスク
とするイオン注入により自己整合的に形成されており、
高濃度のソース領域3cおよびドレイン領域3dは電極
配線8のための開口7を通してのイオン注入法により形
成されている。この構成により、ソース領域3c、ドレ
イン領域3dおよびLDD領域3bを小さくでき、結果
としてトランジスタサイズを小さくすることができる。
またゲート絶縁膜4を1層にしており、その分製造工程
を簡略化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LDD(Lightly
Doped Drain)の多結晶シリコン薄膜トランジスタ(以下
TFTと称す)とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のLDD構造を有するTFTは図8
に示すものが知られている。
【0003】図8において、21はガラス基板、22は
アンダーコート膜で、酸化シリコン(SiOX)膜から
なり、ガラス基板21の上に形成されている。23は多
結晶シリコン膜からなる半導体層、23aは薄膜トラン
ジスタの活性領域、23bは低濃度のLDD領域、23
cは高濃度のソース領域、23dは高濃度のドレイン領
域、24はSiOXからなる第1のゲート絶縁膜、25
は酸化タンタル(TaOX)からなる第2のゲート絶縁
膜、26はモリブデン(Mo)膜26aとアルミニウム
(Al)膜26bとの二層膜からなるゲート電極配線、
27はSiOXからなる層間絶縁膜である。28は開口
で、層間絶縁膜27と第1のゲート絶縁膜24とを貫通
し、高濃度のソース領域23cまたは高濃度のドレイン
領域23dに達するよう形成されている。29はAl膜
およびチタン(Ti)膜の積層膜からなる電極配線であ
る。
【0004】このような構成のTFTは、液晶表示装置
あるいはエレクトロルミネセンス(EL)表示装置等に
おいて、画素電極をスイッチングするためのトランジス
タ、またはそれらの表示装置を駆動するための周辺回路
に用いられている。
【0005】図9(a)〜(c)は従来のTFTの製造
方法を説明するための工程断面図である。
【0006】まず図9(a)に示すように、ガラス基板
21の上にSiOXからなるアンダーコート膜22を形
成する。次にアンダーコート膜22の上に多結晶シリコ
ン膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により所定の
パターン形状を有する半導体層23を形成する。次に、
半導体層23を覆って厚さ90nmのSiOX膜24、
および厚さ45nmのTaOX膜25aを順次積層す
る。さらに、TaOX膜25aを覆ってMo膜26cと
Al膜26dとをそれぞれ100nmの膜厚に順次重ね
て成膜する。
【0007】次に図9(b)に示すように、フォトリソ
グラフィ法によってAl膜26dとMo膜26cとをエ
ッチングして、それぞれ第1のゲート電極配線26aお
よび第2のゲート電極配線26bからなるゲート電極配
線26を形成する。それから、フォトリソグラフィ法で
TaOX膜25aを所定形状にエッチングして、第2の
ゲート絶縁膜25を形成する。SiOX膜24は加工す
ることなく第1のゲート絶縁膜24として残す。
【0008】次にイオン注入法によってリン(P)イオ
ンを加速電圧70kV、ドーズ量1×1015/cm2
て注入して、n型のLDD領域(n-−Si)23b、
ソース領域(n+−Si)23cおよびドレイン領域
(n+−Si)23dを同時に形成して、LDD構造を
有するTFTを形成する。このとき、低濃度のLDD領
域23bと、高濃度のソース領域23cおよび高濃度の
ドレイン領域23dとの不純物濃度の差は、それぞれの
領域の上部に形成された絶縁膜の厚さに依存している。
すなわち、低濃度のLDD領域23bの上には、第1の
ゲート絶縁膜24と第2のゲート絶縁膜25が存在し、
高濃度の領域23c、23dの上には第1のゲート絶縁
膜24のみが存在している。イオン注入完了後、400
℃程度の温度での熱処理により不純物の活性化を行う。
【0009】次に図9(c)に示すように、全面に酸化
シリコンからなる層間絶縁膜27を成膜する。次に、層
間絶縁膜27およびに第1のゲート絶縁膜24に、ソー
ス領域23cおよびドレイン領域23d、ゲート電極配
線26に達する開口28を、フォトリソグラフィ法によ
って形成する。なお図9(c)においては、ゲート電極
配線26に達する開口については図示を省略している。
【0010】次に全面にTi膜およびAl膜を順次形成
した後、フォトリソグラフィ法により電極配線29を形
成する。図9(c)では図示を省略しているが、一般的
には電極配線29の上を覆って窒化シリコン(Si
X)からなるパッシベーション膜を形成した後、水素
雰囲気中での350℃の温度での熱処理による半導体層
の水素化を行って、TFTを完成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このLDD構造を有す
るTFTにおいては、TFTの電気的特性のばらつきは
パターン精度に依存するとともに、低濃度のLDD領
域、高濃度のソース領域および高濃度のドレイン領域に
おける不純物濃度のばらつきにも大きく依存している。
特に最近大画面化が進んでいる液晶表示装置などにおい
ては、1枚の絶縁基板上の各TFTにおける不純物濃度
のばらつきが画像の品質に大きく影響することになる。
【0012】また、上記の不純物濃度のばらつきを減ら
すためには、絶縁基板が大きくなるに従って、より単純
な構造、より単純な工程が要求される。
【0013】しかしながら上記従来のTFTでは、図8
に示すように、LDD領域23b、ソース領域23cお
よびドレイン領域23dの大きさは開口29との位置関
係から、それぞれのマスク合わせ精度を考慮した大きさ
にしなければならない。
【0014】また図8に示すように、ソース領域23c
およびドレイン領域23dに対しては、第1のゲート絶
縁膜24を介して不純物がイオン注入され、LDD領域
に対しては第1のゲート絶縁膜24および第2のゲート
絶縁膜25を介して不純物がイオン注入されているた
め、それぞれのゲート絶縁膜の膜厚のばらつきが影響し
て、LDD領域の特性のばらつきが大きくなる。
【0015】本発明は、LDD領域の特性のばらつきを
小さくでき、TFTのパターン寸法を小さくでき、かつ
TFTの製造工程を簡略化することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の薄膜トランジスタでは、低濃度のLDD領域
はゲート電極をマスクとして自己整合的に形成され、そ
の不純物濃度はゲート絶縁膜の膜厚とイオン注入条件で
規定され、高濃度のソース領域およびドレイン領域はそ
れぞれの領域に対するコンタクト窓となる開口の寸法に
よって規定されるもので、このような構造によりLDD
領域、ソース領域およびドレイン領域のパターン寸法お
よびマスク合わせの余裕度を小さくでき、それぞれの領
域の不純物濃度のばらつきを小さくでき、かつ製造方法
を簡略化できるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、絶縁基
板の一主面上に選択的に被着形成された非単結晶半導体
層と、非単結晶層上に被着形成された第1の絶縁体層
と、第1の絶縁体層を介して非単結晶半導体層と一部重
なり合うように被着形成された第1の導電体層と、非単
結晶半導体層の、第1の導電体層の下部の領域を除く残
余の領域に、選択的に形成された低濃度不純物領域と、
少なくとも非単結晶半導体層を覆って被着形成された第
2の絶縁体層と、第1の導電体層とは重ならない位置で
少なくとも第2の絶縁体層を貫通して形成され、非単結
晶半導体層の低濃度不純物領域に達する開口と、非単結
晶半導体層の、開口直下の領域に形成された高濃度不純
物領域と、非単結晶半導体層の低濃度不純物領域を除く
他の領域に開口を通して接続された第2の導電体層とを
有するものであり、開口直下の半導体層にのみ高濃度の
ソース領域およびドレイン領域を設けているためにトラ
ンジスタのサイズを小さくでき、かつLDD領域となる
低濃度不純物領域が第1の絶縁体層のみを介してイオン
注入されて形成されているため特性のばらつきが小さ
い。
【0018】請求項2に記載の発明は、基本的には請求
項1に記載の薄膜トランジスタと同様であるが、第1の
絶縁体層が第1の導電体層の直下にのみ形成されてお
り、かつ低不純物領域が非単結晶半導体層への直接イオ
ン注入で形成されたものであり、低不純物領域の不純物
濃度が第1の絶縁体層の厚さのばらつきに関係がなくな
り、ばらつきの少ないTFTを実現できる。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のTFTの製造法法に関するものであり、絶縁基板の一
主面上に非単結晶半導体層を選択的に形成する工程と、
非単結晶半導体層を覆って第1の絶縁体層を被着形成す
る工程と、第1の導電体層を非単結晶半導体層と一部重
なり合うように選択的に形成する工程と、第1の導電体
層をマスクにして前記非単結晶半導体層に第1の絶縁体
層を介して不純物をイオン注入し低濃度不純物領域を形
成する工程と、非単結晶半導体層を覆って第2の絶縁体
層を被着形成する工程と、第1の導電体層とは重ならな
い位置で第2の絶縁体層に低濃度不純物領域に達する開
口を形成する工程と、第2の絶縁体層をマスクにして非
単結晶半導体層の開口直下にのみイオン注入により高濃
度不純物領域を形成する工程と、開口を介して高濃度不
純物領域に接続される第2の導電体層を選択的に形成す
る工程と、少なくとも上記の工程を経た絶縁基板を熱処
理する工程とを有するものであり、ソース領域とドレイ
ン領域を第2の導電体層を接続するための開口を通して
のイオン注入により形成するために工程を簡略化でき、
かつLDD領域の特性のばらつきを小さくできる。
【0020】請求項4に記載の発明は、基本的には請求
項3に記載の発明と同じであるが、低濃度不純物領域を
形成する工程の前に第1の導電体層が形成されている領
域以外の第1の絶縁体層を除去しており、低濃度のLD
D領域を形成するためのイオン注入が絶縁体層を介在さ
せることなく直接半導体層へイオン注入されている。こ
のことから、第1の絶縁体層の厚さのばらつきによるイ
オン注入量のばらつきをなくすことができ、LDD特性
のばらつきを小さくできる。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項3または
請求項4の製造方法において、ソース領域、ドレイン領
域およびゲート電極に接続される第2の導電体層を形成
した後に行う熱処理を水素雰囲気中で行うものであり、
この段階での水素雰囲気中での熱処理によりLDD領
域、ソース領域およびドレイン領域に注入された不純物
イオンの活性化ができる。このことから、従来イオン注
入後に行っていた熱処理を省略することができ、工程を
簡略化できる。またこの熱処理によって、TFTのキャ
リヤ移動度を向上させることができ、TFT特性を向上
させることができる。
【0022】請求項6に記載の発明は、ソース領域、ド
レイン領域およびゲート電極に接続される第2の導電体
層を形成した後に行う熱処理を、水素雰囲気中において
380℃以上、420℃以下の範囲内の温度で行うもの
であり、この範囲内の温度では非単結晶半導体層からの
水素の離脱がなく、十分に注入されたイオンを活性化さ
せることができる。
【0023】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図6を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本実施の形態1における薄膜ト
ランジスタの断面図である。
【0024】図1に示すように、ガラス基板1上にSi
Xからなるアンダーコート膜2が形成されている。こ
のアンダーコート膜2の上に多結晶シリコンからなる半
導体層3が選択的に形成されている。この半導体層3を
覆ってSiOXからなる1層のゲート絶縁膜4が形成さ
れている。ゲート絶縁膜4の上にはMo膜5aとAl膜
5bとからなるゲート電極配線5が選択的に形成されて
いる。このゲート電極配線5をマスクとしてPイオンを
注入した低濃度不純物領域であるLDD領域(n-−S
i)3bが、ゲート電極配線の両側に自己整合的に形成
されている。これらを覆って層間絶縁膜7が形成されて
いる。
【0025】層間絶縁膜6およびゲート絶縁膜4を貫通
して多結晶シリコン膜3に達する開口7が形成されてお
り、この開口7を通して層間絶縁膜6をマスクとしてP
イオンが注入され、高濃度不純物領域であるソース領域
(n+−Si)3cとドレイン領域(n+−Si)3dと
が形成されている。なお、3aは活性層である。
【0026】さらに開口7を通してソース領域3cまた
はドレイン領域3dに接続されるTi膜とAl膜の積層
膜からなる電極配線8が形成されている。図1では簡単
のために、電極配線8は一層で示した。
【0027】このようなTFTを液晶表示装置の画素ス
イッチングに用いる場合、透明絶縁基板上にマトリック
ス状にTFTを配置し、画素電極を透明導電膜で形成
し、この画素電極とTFTのドレイン領域を接続し、T
FTのゲート電極を横方向に相互接続し、TFTのソー
ス領域を縦方向に接続することによって、液晶表示装置
の一方の基板が形成される。
【0028】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2における薄膜トランジスタの断面図である。
【0029】本実施の形態のTFTは、図2に示すよう
に、基本的には図1に示す実施の形態1とほぼ同様の構
造であり、図1に示す実施の形態1と異なる点について
のみ説明する。
【0030】図2に示すTFTにおいては、ゲート絶縁
膜4がゲート電極配線5の下にのみ形成されている。そ
の結果、LDD領域3bへのイオン注入がゲート絶縁膜
4を介することなく半導体層3へ直接行われることにな
り、LDD領域3bにおける不純物濃度のばらつきがさ
らに減少する。
【0031】なお本実施の形態2におけるTFTを用い
た液晶表示装置の構造に関しては、実施の形態1におい
て説明したのと同様にして実施することができる。
【0032】(実施の形態3)実施の形態3は実施の形
態1に示した薄膜トランジスタの製造方法に関するもの
である。
【0033】図3(a)〜(c)は本発明の実施の形態
3における薄膜トランジスタの製造方法の前半工程を説
明する工程断面図、図4は本発明の実施の形態3におけ
る薄膜トランジスタの製造方法の後半工程を説明する工
程断面図である。
【0034】まず図3(a)に示すように、ガラス基板
1の上にSiOXからなるアンダーコート膜2を形成す
る。そのアンダーコート膜2の上に多結晶シリコン膜を
形成し、フォトリソグラフィ法により所定形状の半導体
層3を形成する。次に、半導体層3を覆ってSiOX
らなるゲート絶縁膜4を90nmの膜厚に成膜する。さ
らにゲート絶縁膜4を覆ってMo膜5cとAl膜5dと
をそれぞれ100nmの膜厚に順次成膜する。
【0035】次に図3(b)に示すように、フォトリソ
グラフィ法によりMo膜5cとAl膜5dをエッチング
して第1のゲート電極配線5aと第2のゲート電極配線
5bとからなるゲート電極配線5を形成する。その後、
ゲート電極配線5をマスクにして半導体層3中にイオン
注入法にてPイオンを加速電圧70kV、ドーズ量1×
1013/cm2にて注入し、n型のLDD領域(n-−S
i)3bを自己整合的に形成する。3aはTFTの活性
層である。
【0036】次に全面にSiOXからなる層間絶縁膜6
を成膜した後、図3(c)に示すように、層間絶縁膜6
および第1のゲート絶縁膜4にLDD領域3b、ゲート
電極5に達する開口7を形成する。その後、開口7を通
してイオン注入法にてPイオンを加速電圧20kV、ド
ーズ量1×1015/cm2にて注入してソース領域(n+
−Si)3aとドレイン領域(n+−Si)3cを形成
する。加速電圧が低いため、開口7以外の多結晶シリコ
ン膜3には層間絶縁膜6に阻止されて、Pイオンが注入
されない。
【0037】次に図4に示すように、Ti膜とAl膜の
積層膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により、開
口7を通してソース領域3c、ドレイン領域3dおよび
ゲート電極5に接続される電極配線8を形成する。図4
では図示を省略したが、その後、SiNXからなるパッ
シベーション膜を形成し、フォトリソグラフィ法によっ
て所定の位置をエッチングして開口し、水素雰囲気中で
の温度400℃の熱処理を行って本実施の形態のTFT
が完成する。
【0038】熱処理を窒素雰囲気中または大気中で行っ
ても同様のTFTを製造することができるが、水素雰囲
気中で行うことによりゲート電極配線5に対する電極配
線8の接続抵抗を安定させることができる。また、水素
雰囲気中での熱処理の温度を従来の350℃から400
℃に変更することにより、LDD領域3b、ソース領域
3cおよびドレイン領域3dのPイオンの活性化を、従
来技術のようにイオン注入後に熱処理を実施しなくて
も、半導体層3の水素化と同時に行うことができる。
【0039】図5に水素雰囲気中の熱処理温度に対する
TFTの移動度を示す。380℃〜420℃で従来と同
等の移動度が得られる。熱処理時の温度が380℃より
低いたとえば360℃では、LDD領域3b、ソース領
域3cおよびドレイン領域3dのPイオンの活性化が不
十分となり、所定の比抵抗が得られないために、移動度
が小さくなったと考えられる。一方、それが420℃よ
り高いたとえば440℃では、半導体層3の水素が離脱
することによって特性が低下し、移動度が小さくなった
と考えられる。
【0040】以上のことより、本実施の形態のTFT
は、ゲート絶縁膜4を酸化シリコン膜のみにすることに
より不純物濃度のばらつきを小さくでき、LDD領域3
bへのイオン注入量の安定化が改善され、LDD領域3
bの特性のばらつきを小さくできる。そして、従来行わ
れていたTaOXの成膜工程、TaOX膜のエッチング工
程、熱処理工程をなくすことにより全体の工程を簡略化
することができ、またフォトリソグラフィの工程も従来
に比べて1回削減できる。
【0041】(実施の形態4)実施の形態4は実施の形
態2に示した薄膜トランジスタの製造方法に関するもの
である。
【0042】図6(a)〜(c)は本発明の実施の形態
4における薄膜トランジスタの製造方法の前半工程を説
明する工程断面図、図7は本発明の実施の形態4におけ
る薄膜トランジスタの製造方法の後半工程を説明する工
程断面図である。
【0043】まず図6(a)に示すように、ガラス基板
1の上にSiOXからなるアンダーコート膜2を形成す
る。そのアンダーコート膜2の上に多結晶シリコン膜を
形成し、フォトリソグラフィ法によって所定形状の半導
体層3を形成する。次に、半導体層3を覆ってSiOX
膜4aを90nmの膜厚に成膜する。さらにゲート絶縁
膜4を覆ってMo膜5cとAl膜5dとをそれぞれ10
0nmの膜厚に順次積層させて形成する。
【0044】次に図6(b)に示すように、フォトリソ
グラフィ法によりAl膜5dとMo膜5cとをエッチン
グして第1のゲート電極配線5aと第2のゲート電極配
線5bとからなるゲート電極配線5を形成する。次に、
ゲート電極配線5をマスクとして、SiOX膜4aをエ
ッチング除去してゲート電極配線5の下部以外の半導体
層3を露出させる。
【0045】次にゲート電極配線5をマスクにして、イ
オン注入法にてPイオンを加速電圧20kV、ドーズ量
5×1012/cm2で半導体層3へ直接注入して、n型
のLDD領域(n-−Si)3bを自己整合的に形成す
る。
【0046】次に図6(c)に示すように、全面にSi
Xからなる層間絶縁膜6を形成する。次にソース領域
3cとなる領域およびドレイン領域3dとなる領域にま
で貫通する開口7を層間絶縁膜6にフォトリソグラフィ
法により形成する。
【0047】次に開口7を通してイオン注入法にてPイ
オンを加速電圧20kV、ドーズ量1×1015/cm2
にて注入し、ソース領域(n+−Si)3cとドレイン
領域(n+−Si)3dとを形成する。加速電圧が低い
ため、半導体層3の、開口7の直下の領域を除く領域に
は、層間絶縁膜6に阻止されて、Pイオンが注入されな
い。
【0048】次に図7に示すように、Ti膜とAl膜と
の積層膜を形成し、フォトリソグラフィ法によりエッチ
ングして電極配線8を形成する。図7では図示を省略し
たが、その後、SiNXからなるパッシベーション膜を
形成し、フォトリソグラフィ法により所定の位置に開口
を形成してから、水素雰囲気中で温度400℃の熱処理
を行ってTFTが完成する。
【0049】本実施の形態も実施の形態3と同様に、水
素雰囲気中での熱処理の温度を従来の方法におけるよう
な350℃から、400℃に変更することにより、LD
D領域3b、ソース領域3cおよびドレイン領域3dの
Pイオンの活性化を、従来技術のようにイオン注入後に
熱処理を実施しなくても、半導体層3の水素化と同時に
行うことができる。
【0050】また本実施の形態におけるTFTの製造方
法では、LDD領域3bが、ゲート絶縁膜4を透過させ
ることなしに、半導体層3を構成する多結晶シリコン膜
に直接にイオン注入して形成されるために、LDD領域
3bのイオン注入量の安定化が改善され、LDD領域3
bの特性のばらつきを小さくすることができる。そし
て、従来行われていたTaOXの成膜工程、TaOX膜の
エッチング工程、熱処理工程をなくすことによって、全
体の工程を簡略化することができ、またフォトリソグラ
フィの工程も従来に比べて1回削減できる。
【0051】なお以上説明した実施の形態1から実施の
形態4において、イオン注入法によりPイオンを注入し
てLDD領域3b、ソース領域3c、ドレイン領域3d
を形成したn型のTFTを例として説明したが、Pイオ
ンの代わりに、ボロン(B)イオンを用いてイオン注入
すれば、LDD構造を有するp型のTFTを製造でき、
同様の効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のLDD構
造を有する薄膜トランジスタは、LDD領域が、ゲート
電極配線で規制された領域に一層のゲート絶縁膜を通し
て不純物をイオン注入することによって形成され、ソー
ス領域およびドレイン領域はそれぞれの領域に対するコ
ンタクト孔を通して不純物をイオン注入することによっ
て形成されたものである。
【0053】このような構造とすることにより、トラン
ジスタサイズを小さくでき、かつLDD領域の不純物濃
度のばらつきを小さくできる。また本発明の薄膜トラン
ジスタを液晶表示装置の画素スイッチングトランジスタ
として使用した場合、トランジスタサイズが小さいこと
から画素面積を広くすることができ、さらには低濃度の
LDD領域の不純物濃度のばらつきが小さくなることか
らトランジスタ特性のばらつきが減り高画質の液晶表示
装置を実現できる。
【0054】また本発明の薄膜トランジスタの製造方法
においては、LDD領域がゲート電極配線をイオン注入
用のマスクとして自己整合的に形成され、ソース領域お
よびドレイン領域がコンタクト孔として使用する開口を
通してイオン注入して形成されるために、ソース領域お
よびドレイン領域は開口に対して自己整合的に形成され
ることになる。このようにしてフォトリソグラフィ工程
を一工程省略でき、また主要部が自己整合的に形成され
ることから、従来の製造方法に対して製造工程を簡略化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における薄膜トランジス
タの断面図
【図2】本発明の実施の形態2における薄膜トランジス
タの断面図
【図3】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態3にお
ける薄膜トランジスタの製造方法の前半工程を説明する
工程断面図
【図4】本発明の実施の形態3における薄膜トランジス
タの製造方法の後半工程を説明する工程断面図
【図5】本発明の実施の形態における薄膜トランジスタ
の水素雰囲気中の熱処理温度に対する移動度の関係を示
す図
【図6】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態4にお
ける薄膜トランジスタの製造方法の前半工程を説明する
工程断面図
【図7】本発明の実施の形態4における薄膜トランジス
タの製造方法の後半工程を説明する工程断面図
【図8】従来の薄膜トランジスタの断面図
【図9】(a)〜(c)は従来の薄膜トランジスタの製
造方法を説明する工程断面図
【符号の説明】
1 ガラス基板(絶縁基板) 3 多結晶シリコン膜(非単結晶半導体層) 3b LDD領域(低濃度不純物領域) 3c ソース領域(高濃度不純物領域) 3d ドレイン領域(高濃度不純物領域) 4 ゲート絶縁膜(第1の絶縁体層) 5 ゲート電極配線(第1の導電体層) 6 層間絶縁膜(第2の絶縁体層) 7 開口 8 電極配線(第2の導電体層)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板の一主面上に選択的に被着形成
    された非単結晶半導体層と、前記非単結晶層上に被着形
    成された第1の絶縁体層と、前記第1の絶縁体層を介し
    て前記非単結晶半導体層と一部重なり合うように被着形
    成された第1の導電体層と、前記非単結晶半導体層の、
    前記第1の導電体層の下部の領域を除く残余の領域に、
    選択的に形成された低濃度不純物領域と、少なくとも前
    記非単結晶半導体層を覆って被着形成された第2の絶縁
    体層と、前記第1の導電体層とは重ならない位置で少な
    くとも前記第2の絶縁体層を貫通して形成され、前記非
    単結晶半導体層の前記低濃度不純物領域に達する開口
    と、前記非単結晶半導体層の前記開口直下の領域に形成
    された高濃度不純物領域と、前記非単結晶半導体層の前
    記低濃度不純物領域を除く他の領域に前記開口を通して
    接続された第2の導電体層とを有する薄膜トランジス
    タ。
  2. 【請求項2】 第1の絶縁体層が第1の導電体層の直下
    にのみ形成されており、低不純物領域が非単結晶半導体
    層への直接イオン注入で形成されたものであり、かつ開
    口が第2の絶縁体層を貫通して形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】 絶縁基板の一主面上に非単結晶半導体層
    を選択的に形成する工程と、前記非単結晶半導体層を覆
    って第1の絶縁体層を被着形成する工程と、第1の導電
    体層を前記非単結晶半導体層と一部重なり合うように選
    択的に形成する工程と、前記第1の導電体層をマスクに
    して前記非単結晶半導体層に前記第1の絶縁体層を介し
    て不純物をイオン注入し低濃度不純物領域を形成する工
    程と、少なくとも前記非単結晶半導体層を覆って第2の
    絶縁体層を被着形成する工程と、前記第1の導電体層と
    は重ならない位置で前記第1の絶縁体層と前記第2の絶
    縁体層を貫通し前記低濃度不純物領域に達する開口を形
    成する工程と、前記第2の絶縁体層をマスクにして前記
    非単結晶半導体層の前記開口直下にのみイオン注入によ
    り高濃度不純物領域を形成する工程と、前記開口を介し
    て前記高濃度不純物領域に接続される第2の導電体層を
    選択的に形成する工程と、少なくとも上記の工程を経た
    絶縁基板を熱処理する工程とを有する薄膜トランジスタ
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 絶縁基板の一主面上に非単結晶半導体層
    を選択的に形成する工程と、前記非単結晶半導体層上に
    第1の絶縁体層を被着形成する工程と、第1の導電体層
    を前記非単結晶半導体層と一部重なり合うように選択的
    に形成する工程と、前記第1の導電体層が形成されてい
    る領域以外の前記第1の絶縁体層をエッチング除去する
    工程と、前記第1の導電体層をマスクにして前記非単結
    晶半導体層に不純物をイオン注入し低濃度不純物領域を
    形成する工程と、前記非単結晶半導体層を覆って第2の
    絶縁体層を被着形成する工程と、前記第1の導電体層と
    は重ならない位置で前記第2の絶縁体層に前記低濃度不
    純物領域に達する開口を形成する工程と、前記第2の絶
    縁体層をマスクにして前記非単結晶半導体層の前記開口
    直下にのみイオン注入により高濃度不純物領域を形成す
    る工程と、前記開口を介して前記高濃度不純物領域に接
    続される第2の導電体層を選択的に形成する工程と、少
    なくとも上記の工程を経た絶縁基板を熱処理する工程と
    を有するを有する薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 熱処理する工程が水素雰囲気を用いて実
    施されることを特徴とする請求項3または4に記載の薄
    膜トランジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 熱処理する工程の温度が380℃以上、
    420℃以下の範囲内で、かつ水素雰囲気中で実施され
    ることを特徴とする請求項3または4に記載の薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。
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