JPH11129631A - 感熱可逆記録媒体 - Google Patents
感熱可逆記録媒体Info
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- JPH11129631A JPH11129631A JP9309828A JP30982897A JPH11129631A JP H11129631 A JPH11129631 A JP H11129631A JP 9309828 A JP9309828 A JP 9309828A JP 30982897 A JP30982897 A JP 30982897A JP H11129631 A JPH11129631 A JP H11129631A
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Abstract
き、かつ、繰り返し書き換えを行っても高品質の記録、
画像形成が可能である感熱可逆記録媒体を提供する。 【解決手段】 基材の少なくとも一方の面に感熱可逆記
録膜を設け、この感熱可逆記録膜上に透明または半透明
の表面層を面積率20〜90%の範囲で設け、表面層の
非形成部位および表面層の少なくとも一方を複数の領域
に分割して感熱可逆記録媒体とする。
Description
情報、画像等の記録、消去ができ書き換え可能な感熱可
逆記録媒体に関する。
た混合物からなる感熱記録層を備えた感熱可逆記録媒体
が開発されている。この感熱可逆記録媒体では、加熱に
より一時的に画像、文字、パターン等が記録され、不要
な場合には、加熱によりこれらの画像、文字、パターン
等の消去が可能である。
えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のガラス転移
点が低い樹脂母材を使用し、これに高級脂肪酸等の有機
低分子物質を分散させた感熱記録層を有するもの(特開
昭54−119377号、特開昭55−154198号
等)、ロイコ系染料を用いて形成した感熱記録層を備え
るもの等が挙げられる。
気記録層を備えた感熱可逆記録媒体も開発されている
(特開平8−90935号)。
体は、感熱記録層にサーマルヘッド特性、すなわち、サ
ーマルヘッドの滑り特性等を与えるために、感熱記録層
または保護層の外側に、表面平滑度の粗い(例えば、R
a=0.5程度)、透明な樹脂による全ベタ印刷層を設
ける必要があった。しかし、プリンタのサーマルヘッド
による熱および圧力は、この全ベタ印刷層の表面をごく
わずかに平滑化してしまう。
カードのポイント表示やプリペイドカードの残額表示等
として利用されていることからも明らかなように、感熱
記録層の同じ部位に、繰り返し異なる数字や文字が記録
される場合が多い。
の部位に相当する全ベタ印刷層の部位は、上述の平滑化
が繰り返され、全ベタ印刷層の他の部位に比べて平滑な
ものになってしまう。感熱可逆記録媒体の観察角度を変
化させて、その表面で正反射する光を観察すると、表面
の平滑度の違いにより、上記の平滑化された全ベタ印刷
層の部位と全ベタ印刷層の他の部位との差が顕著にな
り、あたかも、平滑化された全ベタ印刷層の部位が、記
録の消去後にも残像が残っているかのように見えてしま
うという問題があった。
れたものであり、熱により可逆的に情報等の記録、消去
ができ、かつ、繰り返し書き換えを行っても高品質の記
録、画像形成が可能である感熱可逆記録媒体を提供する
ことを目的とする。
るために、本発明は、基材と、該基材の少なくとも一方
の面に設けた感熱可逆記録膜と、該感熱可逆記録膜上に
面積率20〜90%の範囲で形成された透明または半透
明の表面層とを備え、該表面層の非形成部位および表面
層の少なくとも一方が複数の領域に分割されているよう
な構成とした。
表面層が網点および線の少なくとも一方で形成されてい
るような構成とした。
感熱可逆記録膜が樹脂母材と該樹脂母材中に分散させた
有機低分子物質とを主成分とするような構成、前記感熱
可逆記録膜がロイコ系染料層であるような構成とした。
基材と前記感熱可逆記録膜との間に金属薄膜層または着
色層を備えるような構成とした。
基材と前記感熱可逆記録膜との間に保護層を備えるよう
な構成とした。
面層の表面粗さ(Ra)が0.2〜1.5nmの範囲で
あるような構成とした。
層の光沢度と、表面層の非形成領域の光沢度とに間に差
があるような構成とした。
記基材の少なくとも一部に磁気記録層を備えるような構
成とした。
に形成された透明または半透明の表面層が、感熱可逆記
録膜上の残像を目視で認識することを防止する作用をな
す。
て図面を参照して説明する。
形態の概略構成を示す部分断面図である。図1におい
て、感熱可逆記録媒体1は、基材2と、この基材2の一
方の面に形成された感熱可逆記録膜3、この感熱可逆記
録膜3上に面積率20〜90%の範囲で形成された表面
層4、および、基材2の他の面に形成された磁気記録層
5とを備えている。そして、表面層4の非形成部位(図
示例では感熱可逆記録膜3が露出している部位A)およ
び表面層4の少なくとも一方が複数の領域に分割されて
いる。
施形態の概略構成を示す部分断面図である。図2におい
て、感熱可逆記録媒体11は、基材12と、この基材1
2の一方の面に金属薄膜層16を介して形成された感熱
可逆記録膜13、この感熱可逆記録膜13上に面積率2
0〜90%の範囲で保護層17を介して形成された着色
印刷層18と、この着色印刷層18を覆うように形成さ
れた表面層14、さらに、基材12の他の面に形成され
た磁気記録層15とを備えている。そして、表面層14
の非形成部位(図示例では保護層17が露出している部
位A)および表面層14の少なくとも一方が複数の領域
に分割されている。
する基材2,12としては、透明、不透明、着色もしく
は無着色の樹脂フィルム(塩化ビニル、ポリメチルメタ
アクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂、PE
T−G、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルース
チレン共重合体、セルロースプロピオネート、セルロー
スアセテートブチレート等)、アロイ材料、紙(アート
紙、コート紙、合成紙等)、セラミックス、金属等を挙
げることができる。このような基材2,12の厚みは特
に制限はなく、感熱可逆記録媒体1,11の使用目的に
応じて適宜設定することができる。
する感熱可逆記録膜3,13は、樹脂母材中に有機低分
子物質を分散させた混合物を主成分とした層とすること
ができる。
成膜性がよく、有機低分子物質を均一に分散保持できる
ものが好ましい。具体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体およびその部分ケン化物、塩
化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニ
ル−アクリル酸エステル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂。塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系樹脂。
そして、各種ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリ
ル酸エステル等のアクリル系樹脂、その他各種ポリエス
テル系樹脂等が挙げられる。
分子物質としては、各種脂肪酸およびその誘導体が使用
できる。その中でも飽和直鎖脂肪酸が好ましく、特に、
炭素数C:10〜30、融点:30〜160℃の範囲の
ものが好ましい。
種以上の混合物として樹脂母材中に分散させることがで
き、特に、融点の異なる有機低分子物質、例えば、飽和
直鎖脂肪酸のモノカルボン酸とジカルボン酸などを混合
して用いた場合には、透明化する温度範囲が広げられる
点で好ましい。このような物質としては、モノカルボン
酸では、カプリン酸、ラウリン酸、ドデカン酸、ミリス
チン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン
酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエ
イコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン
酸、ペンタコサン酸などが挙げられ、ジカルボン酸で
は、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカン2酸、ドデカン2酸、トリデカン2酸、
テトラデカン2酸、ペンタデカン2酸、ヘキサデカン2
酸、ヘプタデカン2酸、オクタデカン2酸、ノナデカン
2酸、エイコサン2酸、ヘンエイコサン2酸、ドコサン
2酸などが挙げられる。
は、樹脂母材と有機低分子物質との混合物全体における
有機低分子物質の含有量として1〜60重量%程度であ
り、20〜50重量%の範囲が更に好ましい。有機低分
子物質の含有量が1重量%以下では印字濃度が低く、鮮
明さが不充分となり、一方、60重量%以上になると均
一な塗膜の形成が困難となる。
物質を分散させた混合物を主成分とした感熱可逆記録膜
3,13には、成膜性、加工性を向上させるために、少
量の高沸点溶剤や界面活性剤などを添加することができ
る。このような添加剤の具体例としては、高沸点溶剤
(可塑剤)では、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタ
ル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ
カプリル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオク
チル、セバシン酸ジベンジル、セバシン酸ジオクチル、
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
オクチル、リン酸オクチルジフェニル、トリアセチンな
どが挙げられる。
リ塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、脂肪酸モノグリセリド、多価アルコール高級
脂肪酸エステル、多価アルコール高級アルキルエーテ
ル、高級脂肪酸アルキルスルホン酸塩、高級脂肪酸アル
キルアリールスルホン酸塩、高級アミンハロゲン酸塩な
どが挙げられる。
分散させた混合物を主成分とした感熱可逆記録膜3,1
3は、基材2あるいは基材12上に設けられた金属薄膜
層16に公知のロールコーティングまたは印刷等の手段
により塗布、乾燥して形成することができる。この感熱
可逆記録膜3,13の厚さは、2〜25μmの範囲が適
当である。
るいは、金属薄膜層16に対する接着性が不足する場合
には、基材2表面に予め従来公知の化学処理やコロナ放
電処理を施したり、プライマーコート層を設けて接着性
を向上させることができ、また、金属薄膜層16にプラ
イマーコート層を設けて接着性を向上させることができ
る。また、図1に示されるように感熱可逆記録膜3上に
表面層4が形成されている場合、感熱可逆記録膜3の表
面状態は、平滑で光沢度が高いことが好ましく、これに
より、上記の表面層4の光沢度との差が大きくなり、コ
ントラストの高いくっきりとした絵柄を認識できるよう
になる。
構成する感熱可逆記録膜3,13をロイコ系染料層とす
ることもできる。この場合、感熱可逆記録膜3,13は
透明と着色の可逆反応となる。また、感熱可逆記録膜
3,13の厚さは、5〜20μmの範囲が好ましい。
尚、一般にロイコ系染料は耐光性が悪いため、感熱可逆
記録膜(ロイコ系染料層)3,13上に公知の紫外線吸
収材を加えた紫外線吸収層を設けてもよい。
いて基材12と感熱可逆記録膜13との間に設けられた
金属薄膜層16は、加熱記録時の画像、情報等の視認性
を向上させるためのものである。このような金属薄膜層
16としては、光反射効率の高いものであれば特に限定
はされないが、例えば、アルミニウム、スズ、ニッケル
などの金属蒸着膜が好適に使用できる。また、このよう
な金属薄膜層16を設ける場合、基材12の表面の凹凸
をなくし、金属薄膜層16の反射効率を高めるために、
金属薄膜層16の下に種々の樹脂、例えば、各種熱硬化
型樹脂、電離放射線硬化型樹脂等による平滑化層を設け
ることができる。
する透明または半透明の表面層4,14は、耐熱性や機
械的強度の高いものが望ましく、例えば、シリコーン系
ゴム、シリコーン樹脂、ポリシロキサングラフトポリマ
ー、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリアミド樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線
硬化型樹脂等を使用して形成することができる。特に紫
外線あるいは電子線による硬化型樹脂により形成するこ
とが好ましい。表面層4,14の厚みは0.5〜10μ
m、好ましくは1〜6μmである。尚、上記の半透明と
は、可視光域での光透過率が50%以上のことを意味す
る。
は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等
の公知の印刷方法、硬化型樹脂による型取り、射出成
形、エンボス成形(この場合、保護層17と表面層14
とを一体的に成形することになる)により行うことがで
きる。表面層4,14の表面状態は、感熱可逆記録膜
3,13上の残像を目視で認識することをより困難にす
るために、光透過性を有しつつ光を散乱しやすい形状が
好ましい。具体的には、微細な多角錐、円錐、半球等が
存在する粗い表面状態が好ましく、表面粗さ(Ra)が
0.2〜1.5nm程度が好ましい。
パターンは、表面層4,14の非形成部位Aおよび表面
層4,14の少なくとも一方が複数の領域に分割され、
かつ、表面層4,14の面積率が20〜90%の範囲内
にあれば特に制限はなく、例えば、地紋柄パターン、彩
紋柄パターン、文字の繰り返しパターン、格子柄パター
ン、市松模様パターンおよび万線模様パターン等のパタ
ーンとすることができる。そして、表面層4,14は、
従来の感熱可逆記録媒体と同様のサーマルヘッド特性を
得るために、感熱可逆記録膜3,13上の記録領域の全
域(少なくともサーマルヘッドにより記録が繰り返し行
われる領域)に面積率20〜90%の範囲内で設けられ
ることが好ましい。このような表面層4,14のパター
ンは、表面層4,14の表面で正反射する光によって現
出する必要がある。これにより、サーマルヘッドによっ
て平滑化された表面層の部位と表面層の他の部位との平
滑度の差、すなわち、反射率の差によって現出するパタ
ーン(残像と誤認されてしまうパターン)に比べて、透
明または半透明の表面層4,14から現出するパターン
の方がより明瞭で確実に認識されるので、上記の残像と
誤認されてしまうパターンを隠蔽することができる。
を向上させるために、上記のように透明または半透明の
表面層4,14の面積率を20〜90%の範囲とする。
表面層4,14の面積率が20%未満であると、表面層
を形成しない状態と同じになり、また、90%を超える
と、全面ベタで表面層を形成したのと同様となり、いず
れも、記録消去後に残像が存在しているかのように見え
好ましくない。さらに、本発明では、上記のように表面
層4,14の非形成部位Aおよび表面層4,14の少な
くとも一方が複数の領域に分割されるようにする。すな
わち、感熱可逆記録膜3,13上の記録領域の全域(少
なくともサーマルヘッドにより記録が繰り返し行われる
領域)にわたり、網点、線、または、網点と線の組み合
わせにより所望のパターンで表面層を形成したり、ある
いは、表面層4,14の非形成部位Aが網点、線、また
は、網点と線の組み合わせからなる所望のパターンとな
るように表面層を形成してもよい。また、場所により網
点の粗密をつくり、表面層全体の面積率を20〜90%
の範囲としてもよい。
明の表面層を形成し、表面層全体の面積率を70%とす
る、(2)網点と線との組み合わせで透明または半透明
の表面層を形成し、表面層全体の面積率を60%とす
る、(3)網点の粗密の組み合わせで絵柄を形成し、絵
柄部の網点面積率40%、バックの網点面積率を70%
とし、透明または半透明の表面層全体の面積率を50%
にする、(4)網点の粗密で絵柄を形成、すなわち、面
積率20〜90%で絵柄の階調をだし、バックの網点面
積率を60%とすること等が可能である。
面積率は、上記の20〜90%の範囲で本発明の効果が
奏されるが、30〜80%の範囲とすることにより目視
の効果がより高く発揮でき、また、図1に示されるよう
に、透明または半透明の表面層が保護層を兼ねる場合、
耐久性を上げるために面積率を40%以上とすることが
好ましい。
において感熱可逆記録膜13と表面層14との間に設け
られた保護層17は、上述の表面層14の形成に使用す
る材料により形成することができる。この保護層17の
厚みは1〜5μm程度が好ましい。保護層17の表面状
態は、平滑で光沢度が高いことが好ましく、これによ
り、上記の表面層14の光沢度との差が大きくなり、コ
ントラストの高いくっきりとした絵柄を認識できるよう
になる。尚、淡い絵柄が必要な場合は、表面層14と保
護層17の光沢度の差を小さくすればよい。
する磁気記録層5,15は、図示例では、基材2,12
の感熱可逆記録膜形成面と反対側の全面に形成されてい
るが、これに限定されるものではなく、感熱可逆記録膜
形成面と反対側の面の一部に形成されていれもよい。ま
た、磁気記録層は感熱可逆記録膜と同じ側の面の一部に
形成されてもよく、この場合、基材と感熱可逆記録膜と
の間に形成することが好ましい。
Co被着γ−Fe2 O3 、Fe3 O4 、Fe、Fe−C
r、Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、Baフェラ
イト、Srフェライト、CrO2 等の磁性材料と樹脂バ
インダにより形成することができ、また、上記の磁性材
料そのものを用いて真空蒸着法、スパッタリング法、メ
ッキ法等により形成することもできる。尚、磁気記録層
5,15上にセルフクリーニング層(磁気ヘッドのクリ
ーニング層)を設けてもよい。
クレジットカードの実施形態を示す斜視図である。図3
において、クレジットカード21は、基材22の一方の
面に感熱可逆記録部23、磁気ストライプ24、エンボ
スエリア25が設けられている。
は、上述の基材2,12と同様のものとすることができ
る。また、感熱可逆記録部23は、上述の感熱可逆記録
媒体1,11と同様に、感熱可逆記録膜3と表面層4と
の積層体、金属薄膜層16と感熱可逆記録膜13と保護
層17と着色印刷層18と表面層14との積層体等で構
成することができる。尚、この感熱可逆記録部23はエ
ンボスエリア25と分離されたものである。
クレジットカードの他の実施形態を示す斜視図である。
図4において、クレジットカード31は、基材32の一
方の面に感熱可逆記録部33、磁気ストライプ34、エ
ンボスエリア35およびホログラム36が設けられてい
る。
は、上述の基材2,12と同様のものとすることができ
る。また、感熱可逆記録部33は、上述の感熱可逆記録
媒体1,11と同様に、感熱可逆記録膜3と表面層4と
の積層体、金属薄膜層16と感熱可逆記録膜13と保護
層17と着色印刷層18と表面層14との積層体等で構
成することができる。尚、この感熱可逆記録部33はエ
ンボスエリア35と分離されたものである。磁気ストラ
イプ34は隠蔽加工されており、クレジットカードの表
面からは目視不可能とされている。また、ホログラム3
6は従来公知のいずれのホログラムであってもよい。
詳細に説明する。 (実施例1)厚さ188μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(東レ(株)製ルミラーE−22(両面処
理))の一方の面に、平滑化層として厚さ2μmのエポ
キシアクリレート樹脂層を形成し、この平滑化層上に金
属薄膜層として厚さ600Åのアルミニウム蒸着層を積
層した。次いで、金属薄膜層上に、下記組成の感熱可逆
記録膜用の塗布液を従来公知のリバースロールコーター
により、乾燥後の塗膜の厚さが10μmとなるように塗
布、乾燥して感熱可逆記録膜を形成し、続いて、その上
に下記組成の保護層用塗布液を熱風乾燥装置と紫外線照
射装置とを備えたリバースロールコーターにより塗布
し、熱風乾燥による溶剤の除去、および、紫外線照射装
置(出力160W/cmの高圧水銀ランプ2灯式、距離1
0cm)による塗膜の硬化を10m/分の速度で連続的
に通して行い、厚さ4μmの保護層を形成した。
に通常の着色印刷をUVオフセット印刷法により行い、
さらに、この領域41と着色印刷のない窓部42(図5
に鎖斜線で示される領域)にザ・インクテック(株)製
UVカルトンM−OPニスを用いてUVオフセット印刷
法により表面層(厚み1μm)を形成した。この表面層
は、網点(網点面積率70%)のパターンであり、表面
層全体の面積率を60%とした。以上により、感熱可逆
記録媒体(実施例1)を得た。 (実施例2)まず、実施例1と同様にして、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に平滑化層、金属薄膜層、
感熱可逆記録膜、保護層を形成した。
れる領域51に通常の着色印刷をUVオフセット印刷法
により行い、さらに、この着色印刷のある領域51と、
着色印刷のない窓部52上に大日精化工業(株)製セイ
カビームOPニスを用いてUVオフセット印刷法により
表面層(厚み1μm)を形成して感熱可逆記録媒体(実
施例2)を得た。尚、窓部52の表面層は半透明の網点
部52a(網点面積率50%)、絵柄部52b(網点面
積率70%)、および、線52cの組み合わせとし、表
面層全体の面積率を60%とした。また、着色印刷のあ
る領域51上はOPニスの全ベタ印刷とした。 (比較例1)まず、実施例1と同様にして、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に平滑化層、金属薄膜層、
感熱可逆記録膜、保護層を形成した。
イカビームOPニスを用いてUVオフセット印刷法によ
り全ベタ印刷層(厚み1μm)を形成して感熱可逆記録
媒体(比較例1)を得た。 (比較例2)まず、実施例1と同様にして、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に平滑化層、金属薄膜層、
感熱可逆記録膜、保護層を形成した。
れる領域41に通常の着色印刷をUVオフセット印刷法
により行い、さらに、この領域41と着色印刷のない窓
部42(図5に鎖斜線で示される領域)にザ・インクテ
ック(株)製UVカルトンM−OPニスを用いてUVオ
フセット印刷法により全ベタ印刷層(厚み1μm)を形
成して感熱可逆記録媒体(比較例2)を得た。た。
比較例1、2の感熱可逆記録媒体について、下記の方法
で印字・消去を200回繰り返し行い、下記の評価方法
で書換え耐久性を評価して結果を表1に示した。
1、2の表面層の表面粗さ(Ra)、および、比較例
1、2の全ベタ印刷層の表面粗さ(Ra)を表面粗さ測
定装置(東洋精密(株)製サーフコム550)を用いて
測定し、結果を下記表1に示した。
サーマルヘッドを使用し、0.45mj/dot の印加エネ
ルギーで画像を形成する。
の程度を下記の基準で目視により評価した。
る角度からも残像はほとんど確認できなかった ×:通常の着色印刷のない領域において残像が確認され
た
体は、保護層の表面粗さ(Ra)と表面層の表面粗さ
(Ra)の差が大きく、したがって光沢度の差が大きく
コントラストの高いくっきりとした絵柄を認識でき、印
字・消去を200回繰り返した後の残像がほとんど認識
できないものであった。
200回繰り返した後の残像が認識された。
された領域では印字・消去を200回繰り返した後の残
像が認識されなかったが、他の領域では残像が認識され
た。
材の少なくとも一方の面に感熱可逆記録膜を設け、この
感熱可逆記録膜上に透明または半透明の表面層を面積率
20〜90%の範囲で設け、表面層の非形成部位および
表面層の少なくとも一方を複数の領域に分割して感熱可
逆記録媒体とするので、例えば、サーマルヘッドプリン
タを用いた繰り返し書き換えを行うことによって表面層
の平滑化が発生し、平滑化された表面層の部位と表面層
の他の部位との平滑度の差、すなわち、反射率の差によ
って残像と誤認されてしまうパターンが現出しても、透
明または半透明の表面層から現出するパターンの方がよ
り明瞭で確実に認識されるので、上記の残像と誤認され
てしまうパターンは隠蔽され、いかなる角度からも目視
で認識することが困難となり、したがって、高品質の情
報、画像形成の繰り返し書き換えにおける耐久性が大幅
に向上した感熱可逆記録媒体が可能となる。
構成を示す部分断面図である。
略構成を示す部分断面図である。
カードの実施形態を示す斜視図である。
カードの他の実施形態を示す斜視図である。
域と表面層形成領域を示す平面図である。
域と表面層形成領域を示す平面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 基材と、該基材の少なくとも一方の面に
設けた感熱可逆記録膜と、該感熱可逆記録膜上に面積率
20〜90%の範囲で形成された透明または半透明の表
面層とを備え、該表面層の非形成部位および表面層の少
なくとも一方が複数の領域に分割されていることを特徴
とする感熱可逆記録媒体。 - 【請求項2】 前記表面層は、網点および線の少なくと
も一方で形成されていることを特徴とする請求項1に記
載の感熱可逆記録媒体。 - 【請求項3】 前記感熱可逆記録膜は、樹脂母材と該樹
脂母材中に分散させた有機低分子物質とを主成分とする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感熱
可逆記録媒体。 - 【請求項4】 前記感熱可逆記録膜は、ロイコ系染料層
であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
の感熱可逆記録媒体。 - 【請求項5】 前記基材と前記感熱可逆記録膜との間に
金属薄膜層または着色層を備えることを特徴とする請求
項1乃至請求項4のいずれかに記載の感熱可逆記録媒
体。 - 【請求項6】 前記基材と前記感熱可逆記録膜との間に
保護層を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5
のいずれかに記載の感熱可逆記録媒体。 - 【請求項7】 表面層の表面粗さ(Ra)は0.2〜
1.5nmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至
請求項6のいずれかに記載の感熱可逆記録媒体。 - 【請求項8】 表面層の光沢度と、表面層の非形成領域
の光沢度とに間に差があることを特徴とする請求項1乃
至請求項7のいずれかに記載の感熱可逆記録媒体。 - 【請求項9】 前記基材の少なくとも一部に磁気記録層
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいず
れかに記載の感熱可逆記録媒体。
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