JPH05286238A - 可逆的感熱記録媒体 - Google Patents

可逆的感熱記録媒体

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JPH05286238A
JPH05286238A JP4114094A JP11409492A JPH05286238A JP H05286238 A JPH05286238 A JP H05286238A JP 4114094 A JP4114094 A JP 4114094A JP 11409492 A JP11409492 A JP 11409492A JP H05286238 A JPH05286238 A JP H05286238A
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fluorane
acid
methyl
recording medium
color
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JP4114094A
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Hideaki Ema
英昭 江間
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発色剤と顕色剤の間の反応を利用した可逆的
感熱記録媒体において、発色と消色を加熱のみで容易に
行なわせることができ、しかもその発色状態と消色状態
を常温下に保持することが可能で、かつ消色温度が発色
温度より低いため多数回の繰り返し使用も容易なうえ、
記録画像作製時に記録媒体が収納場所から2枚以上同時
に搬送されたり、記録媒体裏面に傷つくことの少ない可
逆的感熱記録媒体を提供する。 【構成】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子
受容性化合物を含有する記録層を備え、加熱・溶融によ
り発色記録状態を形成し、発色温度よりも低温に加熱す
ることで記録の消えた消色状態を形成する可逆的感熱記
録媒体において、支持体表面のうち少なくとも記録層と
反対側の面を、粗面とすることを特徴とする可逆的感熱
記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子供与性呈色性化合
物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆
的感熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、電子供与性呈色性化
合物(以下、発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以
下、顕色剤とも言う)との間の発色反応を利用した感熱
記録媒体は広く知られ、電子計算機のアウトプット、フ
ァクシミリ、自動券売機、科学計測機のプリンター、C
RT医療計測用プリンター等に広く応用されている。し
かし、従来の製品は、いずれも、その発色が不可逆的な
もので、発色と消色を交互に繰り返し行わせることがで
きない。
【0003】一方、特許公報によれば、発色剤と顕色剤
との間の発色反応を利用した感熱記録媒体において、発
色と消色を可逆的に行わせるものもいくつか提案されて
いる。例えば、特開昭60−193691号によれば、
顕色剤として没食子酸とフロログルシノールとの組合せ
を用いたものが示されている。このものを熱発色させて
得られる発色体は水又は水蒸気で消色するものである。
しかし、この感熱記録媒体の場合、その耐水化に困難が
伴う上に、記録保存性に難点があり、さらに発色体を消
色させるための消色装置が大型になるという問題があ
る。特開昭61−237684号には、顕色剤にフェノ
ールフタレン、チモールフタレン、ビスフェノール等の
化合物を用いた書換形光記録媒体が示されている。この
ものは、これを加熱し、徐冷することにより発色体を形
成し、一方、発色体を発色温度よりもいったん高い温度
に加熱した後、急冷することにより消色させることがで
きる。しかし、この記録媒体の場合、その発色及び消色
の工程が複雑である上、発色体を消色させて得られる消
色体に未だ幾分の着色が見られ、コントラストの良い発
色画像を得ることができない。特開昭62−14088
1号、特開昭62−138568号及び特開昭62−1
38556号には、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステ
ルの均質相溶体が示されている。このものは低温で完全
着色状態、高温で完全消色状態を示し、それらの中間温
度で着色又は消色状態を保持させることができるもの
で、この媒体にサーマルヘッドで印字することにより、
着色地肌(発色体)の上に白色文字(消色体)を記録す
ることができる。従って、この記録媒体の場合、記録さ
れる画像がネガ画像であることから、その用途が限定さ
れる上、記録画像の保存のために画像を特定の温度範囲
内に保持する必要がある。特開平2−188294号及
び特開平2−188293号には、それぞれ、顕色剤と
して、顕色作用と減色作用を可逆的に行う没食子酸と高
級脂肪族アミンとの塩、及びビス(ヒドロキシフェニ
ル)酢酸又は酪酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いたも
のが示されている。このものは、特定温度域で熱発色さ
せ、それより高温での加熱により消色させることができ
るが、その顕色作用と減色作用とは競争的に起るため、
これらの作用を熱的に制御することがむつかしく、良好
な画像コントラストが得られにくい。以上のように、発
色剤と顕色剤との反応を利用した従来の可逆的感熱記録
媒体は種々の問題点を含み、未だ不満足のものであっ
た。
【0004】本出願人は、先に、顕色剤として長鎖脂肪
族基を持つ有機リン酸や、カルボキシル化合物、フェノ
ール化合物、ヒドロキシホスホン酸等の化合物を用い、
これを発色剤としてのフルオラン化合物等と組合せるこ
とによって、その発色と消色を加熱のみで容易に行わせ
ることができ、しかもその発色状態と消色状態を常温に
おいて保持することが可能で、かつ消色温度が発色温度
よりも低く、その上、画像の形成及び消去を、温度変化
により何度も繰り返すことのできる可逆的熱発色性組成
物、及びこれを記録層に含有する可逆的感熱記録媒体を
提案した。この可逆的感熱記録媒体は、多数回の繰り返
し使用においても、発色濃度の低下や消色不良などの問
題を起こさず、従来技術からは考えられないほど多数回
の使用が可能であるが、大幅な多数回使用によっても記
録媒体が損傷しないような支持体を必要とし、支持体と
してプラスチックフィルムを使用することが多い。この
ように、破損抵抗性の大きいプラスチックフィルムを支
持体とすることによって、長期間使用しても破れたり傷
ついたりすることの少ない可逆的感熱記録媒体が得られ
るが、シート状の該記録媒体を積み重ねて収納しておく
と、平滑なプラスチック表面が密着し、記録媒体使用時
などに不都合を生じる場合が多い。例えば、該記録媒体
を使用する記録画像形成の際は、通常のコピー機に使用
する紙送り装置に記録媒体を収納し、一枚ずつ記録装置
に記録媒体を送り込む方法を採用するのが通例である
が、プラスチックフィルムの密着性が高いため2枚以上
同時に搬送されることが多い。また、搬送システムに備
えた媒体検知スイッチ等で媒体裏面が損傷する等のトラ
ブルも発生し、これはOHPのように透過光や背面光を
利用する記録媒体で問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フルオラン
化合物等の発色剤と長鎖脂肪族基を持つ顕色剤との間の
反応を利用した可逆的感熱記録媒体における前記問題を
解決し、収納した記録媒体を一枚ずつ通常の方式で記録
装置に搬送しても、2枚以上同時に搬送されたり記録媒
体裏面に傷つくことの少ない記録媒体を提供することを
その課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明によれば、支持体上に発色剤
と顕色剤を備え、加熱・溶融により発色記録状態を形成
し、発色温度よりも低温に加熱することで記録の消えた
消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体において、支持
体表面のうち少なくとも記録層の反対側の面を、疎面と
することを特徴とする可逆的感熱記録媒体が提供され
る。
【0007】本発明の感熱記録媒体は加熱により瞬時に
発色し、その発色状態は常温においても安定的に存在す
るが、発色状態にある記録層は発色温度以下の加熱によ
り瞬時に消色し、その消去状態は常温においても安定的
に存在するものである。本発明による感熱記録媒体の発
色と消色、即ち画像形成と画像消去の原理を図1に示し
たグラフによって説明する。グラフの縦軸は発色濃度を
表わし横軸は温度を表わしており、実線1は加熱による
画像形成過程を、破線3は加熱による画像消去過程を示
したものである。Aは完全消去状態における濃度であ
り、BはT1以上の温度に加熱した時の完全発色状態に
おける濃度であり、Cは完全発色状態のT0以下の温度
における濃度であり、DはT0〜T1間の温度で加熱消去
した時の濃度を示している。本発明の感熱記録媒体は、
0以下の温度では無色の状態(A)にある。記録を行
うには、サーマルヘッド等によりT1以上の温度に加熱
すれば良く、発色(B)して記録画像を形成する。この
記録画像は実線2に従ってT0以下の温度に戻してもそ
のままの状態(C)を保ち、記録のメモリー性は失われ
ない。次に記録画像の消去を行うには、形成された記録
画像を発色温度よりも低いT0〜T1間の温度に加熱すれ
ば良く、無色の状態(D)になる。この状態はT0以下
の温度に戻しても、そのまま無色の状態(A)を保持す
る。即ち記録画像の形成過程は実線ABCの経路によ
り、Cに至り記録が保持される。記録画像の消去過程は
破線CDAの経路により、Aに至り消去状態が保持され
る。この記録画像の形成と消去の挙動特性は可逆性を持
ち、何回も繰り返し行うことができる。
【0008】図2は、画像形成及び画像消去の一例を示
した説明図であって、1は支持体、2は可逆的感熱記録
層である。画像形成工程(A)→(B)は画像形成用熱
源、例えばサーマルヘッド4によって図1のT1以上の
温度で記録印字を行うことで達成される。次に画像消去
工程(B)→(A)は画像消去熱源、例えば加熱ローラ
ー5でT0〜T1間の温度に加熱することにより達成され
る。図2において、3は発色画像を示す。
【0009】本発明の可逆的感熱記録媒体は、発色剤と
顕色剤を必須成分としている。そして、本発明による可
逆的感熱記録媒体の発色は、記録層を構成する顕色剤と
発色剤が加熱によって共融反応して形成した発色体組成
物を、室温まで冷却することにより得られるものであ
る。この発色体組成物は、溶融温度より低温側に消色温
度領域を持つため、溶融発色状態から発色を保持したま
ま冷却して常温にするには、一般的には急冷であること
が好ましい。徐冷になると消色温度領域を通るときに多
少の消色が起き、濃度が低下することが多い。発色体組
成物は、発色剤と顕色剤の分子が相互作用し、発色剤の
ラクトン環が開環して発色しているものと考えられる。
溶融状態から急冷された状態の組成物は、発色体分子お
よび発色体の形成には直接関与していない顕色剤分子と
発色剤分子を含んでいる。本発明の可逆的感熱記録媒体
において常温時の発色体組成物は、これらの分子間に凝
集力が働き固化した状態にある。従来の感熱発色性組成
物の発色した状態は、凝集した固体とならない場合が多
い。本発明の可逆的感熱記録媒体において記録層に形成
される発色体組成物は、発色状態では凝集した固体とな
っている。この状態の凝集構造には何らかの規則性を示
す場合が多い。規則性の程度は、非常に規則性の高い場
合もあるし、あまり規則性の高くない場合もあり、これ
は顕色剤と発色剤の組合わせや量比あるいは冷却条件に
依存する。このような凝集構造の形成は、基本的には、
発色体を形成している顕色剤分子の長鎖構造部分および
発色体を形成していない過剰分の顕色剤分子の長鎖構造
部分の間に働く凝集力が、主に作用しているものと推定
され、このような凝集構造を形成していることが、該記
録層に形成される発色性組成物の消色現象と関係してい
るものと推定される。
【0010】本発明の可逆的感熱記録媒体において記録
層に形成される発色性組成物は、その発色状態を特定の
温度領域に加熱することにより消色させることができ
る。この消色過程では、発色状態の凝集構造が変化し、
最終的に発色性組成物から顕色剤分子が分離結晶化して
顕色剤単独の結晶を作り、安定した消色状態となること
がX線によって確認された。このように本発明の記録媒
体では、凝集した発色状態の形成とその消色過程に対
し、顕色剤の長鎖部分が大きな役割を果していることが
明白であり、これが本発明の記録媒体に形成される発色
性組成物の特徴である。また、そのため顕色剤の持つ長
鎖部分の長さで消色温度の制御が可能となり、鎖長が長
くなるほど発色及び消色温度が高温側へシフトする事が
認められた。これは、長鎖部分の長さによって顕色剤分
子の凝集や運動性が変化するためである。
【0011】本発明の可逆的感熱記録媒体において記録
層に形成される発色性組成物は、基本的に長鎖構造を持
つ前記顕色剤と発色剤とを組合せた組成物であり、個々
の顕色剤に対して好ましい発色剤が存在する。本発明に
おいて記録層に形成される発色性組成物に用いる顕色剤
と発色剤の組合せは、両者を溶融温度以上に加熱して得
られる発色状態の組成物を、溶融温度より低い温度へ加
熱したときに起きる消色のし易さ即ち消色性と、発色状
態の色調などの特性により適当に選択される。このうち
消色性については、その組合わせによって得られた発色
状態の組成物の示差熱分析(DTA)、または示差走査
熱量分析(DSC)における昇温過程に現われる発熱ピ
ークの有無によって判断できる。この発熱ピークは本発
明を特徴づける消色現象と対応するものであり、消色性
の良好な組合わせを選択する基準となる。なお、本発明
の可逆的感熱記録媒体では記録層に第3物質が存在して
もかまわず、例えば高分子化合物が存在してもその可逆
的な消発色挙動を保つことができる。
【0012】本発明の感熱記録媒体において発色剤と組
合わせて用いられる長鎖顕色剤は、基本的に分子内に発
色剤を発色させることができる顕色能を示す構造と、分
子間の凝集力をコントロールする長い脂肪族鎖構造部分
を併せ持つ化合物であり、炭素数12以上の脂肪族基を
持つ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物、ある
いはフェノール化合物、または炭素数10〜18の脂肪
族基を持つメルカプト酢酸の金属塩である。脂肪族基
は、直鎖状または分枝状のアルキル基、アルケニル基が
包含され、ハロゲン、アルコキシ基、エステル基等の置
換基を持っていてもよい。
【0013】有機リン酸化合物としては、下記一般式
(1)で表わされる化合物が用いられる。 R1−PO(OH)2 (1) (ただし、R1は炭素数12以上の脂肪族基を表わす) 一般式(1)で表わされる有機リン酸化合物の具体例と
しては、たとえば以下のものが挙げられる。ドデシルホ
スホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホス
ホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン
酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘ
キサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸等。
【0014】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(2)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪酸類が用い
られる。 R2−CH(OH)−COOH (2) (ただし、R2は炭素数12以上の脂肪族基を表わす) 一般式(2)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪族カルボ
ン酸化合物としては、たとえば以下のものが挙げられ
る。α−ヒドロキシドデカン酸、α−ヒドロキシテトラ
デカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロ
キシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、
α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン
酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘ
キサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。
【0015】脂肪族カルボン酸化合物としては、ハロゲ
ン元素で置換された炭素数12以上の脂肪族基を備えた
脂肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位または
β位の炭素にハロゲン元素を持つものも用いられる。こ
のような化合物の具体例としては、たとえば以下のもの
を挙げることができる。2−クロルオクタデカン酸、ヘ
プタデカフロルノナデカン酸、2−ブロモヘキサデカン
酸、2−ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカ
ン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン
酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカ
ン酸、3−ブロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオク
タデカン酸、2−フロルドデカン酸、2−フロルテトラ
デカン酸、2−フロルヘキサデカン酸、2−フロルオク
タデカン酸、2−フロルエイコサン酸、2−フロルドコ
サン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタ
デカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオク
タデカン酸、パーフロルオクタデカン酸等。
【0016】脂肪族カルボン酸化合物としては、炭素鎖
中にオキソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基を持つ脂
肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位、β位ま
たはγ位の炭素がオキソ基となっているものも用いられ
る。このような化合物の具体例としては、たとえば以下
のものを挙げることができる。2−オキソドデカン酸、
2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキサデカン
酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエイコサン
酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソドデカン
酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキサデカ
ン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエイコサ
ン酸、3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘキサデ
カン酸、4−オキソヘプタデカン酸、4−オキソオクタ
デカン酸、4−オキソドコサン酸等。
【0017】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(3)で表わされる二塩基酸も用いられる。 (ただし、R3は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、
Xは酸素原子またはイオウ原子を表わし、nは1または
2を表わす) 一般式(3)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
たとえば、以下のものが挙げられる。ドデシルリンゴ
酸、テトラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オ
クタデシルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリ
ンゴ酸、テトラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ
酸、テトラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリン
ゴ酸、オクタデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリン
ゴ酸、ドコシルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ
酸、ドデシルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリン
ゴ酸、ヘキサデシルジチオリンゴ酸、オクタデシルジチ
オリンゴ酸、エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチ
オリンゴ酸、テトラコシルジチオリンゴ酸等。
【0018】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(4)で表わされる二塩基酸も用いられる。 (ただし、R4,R5,R6は水素又は脂肪族基を表わ
し、このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族
基である) 一般式(4)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
たとえば以下のものが挙げられる。ドデシルブタン二
酸、トリデシルブタン二酸、テトラデシルブタン二酸、
ペンタデシルブタン二酸、オクタデシルブタン二酸、エ
イコシルブタン二酸、ドコシルブタン二酸、2,3−ジ
ヘキサデシルブタン二酸、2,3−ジオクタデシルブタ
ン二酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、2−メ
チル−3−テトラデシルブタン二酸、2−メチル−3−
ヘキサデシルブタン二酸、2−エチル−3−ドデシルブ
タン二酸、2−プロピル−3−ドデシルブタン二酸、2−
オクチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−テトラデシ
ル−3−オクタデシルブタン二酸等。
【0019】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(5)で表わされる二塩基酸も用いられる。 (ただし、R7,R8は水素又は脂肪族基を表わし、この
うち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基であ
る) 一般式(5)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
たとえば以下のものが挙げられる。ドデシルマロン酸、
テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタ
デシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン
酸、テトラコシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテ
トラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオク
タデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシル
マロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコ
シルマロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラ
コシルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチル
エイコシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチル
テトラコシルマロン酸等。
【0020】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(6)で表わされる二塩基酸も用いられる。 (ただし、R9は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、
nは0または1を表わし、mは1,2または3を表わ
し、nが0の場合、mは2または3であり、nが1の場
合はmは1または2を表わす) 一般式(6)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
たとえば以下のものが挙げられる。2−ドデシル−ペン
タン二酸、2−ヘキサデシル−ペンタン二酸、2−オク
タデシル−ペンタン二酸、2−エイコシル−ペンタン二
酸、2−ドコシル−ペンタン二酸、2−ドデシル−ヘキ
サン二酸、2−ペンタデシル−ヘキサン二酸、2−オク
タデシル−ヘキサン二酸、2−エイコシル−ヘキサン二
酸、2−ドコシル−ヘキサン二酸等。
【0021】脂肪族カルボン酸化合物としては、長鎖脂
肪酸によりアシル化されたクエン酸などの三塩基酸も用
いられる。その具体例としては、たとえば以下のものが
挙げられる。
【0022】フェノール化合物としては、下記一般式
(7)で表わされる化合物が用いられる。
【化1】 (ただし、Yは−S−,−O−,−CONH−、又は−
COO−を表わし、R10は炭素数12以上の脂肪族基を
表わし、nは1,2または3の整数である)。一般式
(7)で表わされるフェノール化合物の具体例として
は、たとえば以下のものが挙げられる。p−(ドデシル
チオ)フェノール、p−(テトラデシルチオ)フェノー
ル、p−(ヘキサデシルチオ)フェノール、p−(オク
タデシルチオ)フェノール、p−(エイコシルチオ)フ
ェノール、p−(ドコシルチオ)フェノール、p−(テ
トラコシルチオ)フェノール、p−(ドデシルオキシ)
フェノール、p−(テトラデシルオキシ)フェノール、
p−(ヘキサデシルオキシ)フェノール、p−(オクタ
デシルオキシ)フェノール、p−(エイコシルオキシ)
フェノール、p−(ドコシルオキシ)フェノール、p−
(テトラコシルオキシ)フェノール、p−ドデシルカル
バモイルフェノール、p−テトラデシルカルバモイルフ
ェノール、p−ヘキサデシルカルバモイルフェノール、
p−オクタデシルカルバモイルフェノール、p−エイコ
シルカルバモイルフェノール、p−ドコシルカルバモイ
ルフェノール、p−テトラコシルカルバモイルフェノー
ル、没食子酸ヘキサデシルエステル、没食子酸オクタデ
シルエステル、没食子酸エイコシルエステル、没食子酸
ドコシルエステル、没食子酸テトラコシルエステル等。
【0023】有機リン酸化合物として下記一般式(8)
で表わされるα−ヒドロキシアルキルホスホン酸を使用
することもできる。 (ただし、R11は炭素数11〜29の脂肪族基である) 一般式(8)で表わされるα−ヒドロキシアルキルホス
ホン酸を具体的に示すと、α−ヒドロキシドデシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α−
ヒドロキシヘキサデシルホスホン酸、α−ヒドロキシオ
クタデシルホスホン酸、α−ヒドロキシエイコシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシドコシルホスホン酸、α−ヒド
ロキシテトラコシルホスホン酸等があげられる。
【0024】メルカプト酢酸の金属塩としては、一般式
(9)で表わされるアルキル又はアルケニルメルカプト
酢酸の金属塩が用いられる。 (R12−S−CH2−COO)2 M (9) (ただし、R12は炭素数10〜18の脂肪族基を表わ
し、Mはスズ、マグネシウム、亜鉛又は銅を表わす) 一般式(9)で表わされるメルカプト酢酸金属塩の具体
例としては、例えば以下のものが挙げられる。デシルメ
ルカプト酢酸スズ塩、ドデシルメルカプト酢酸スズ塩、
テトラデシルメルカプト酢酸スズ塩、ヘキサデシルメル
カプト酢酸スズ塩、オクタデシルメルカプト酢酸スズ
塩、デシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、ドデシルメ
ルカプト酢酸マグネシウム塩、テトラデシルメルカプト
酢酸マグネシウム塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸マグ
ネシウム塩、オクタデシルメルカプト酢酸マグネシウム
塩、デシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ドデシルメルカプト
酢酸亜鉛塩、テトラデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ヘキ
サデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、オクタデシルメルカプ
ト酢酸亜鉛塩、デシルメルカプト酢酸銅塩、ドデシルメ
ルカプト酢酸銅塩、テトラデシルメルカプト酢酸銅塩、
ヘキサデシルメルカプト酢酸銅塩、オクタデシルメルカ
プト酢酸銅塩等。
【0025】本発明の可逆的感熱記録層に形成される発
色性組成物は、基本的に前記顕色剤に対して発色剤を組
合わせることによって形成されるものである。本発明で
用いる発色剤は電子供与性を示すものであり、それ自体
無色あるいは淡色の染料前駆体であり、特に限定され
ず、従来公知のもの、たとえばトリフェニルメタンフタ
リド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系
化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリ
ド系化合物などが用いられる。その発色剤の具体例を以
下に示す。本発明に用いる好ましい発色剤として下記一
般式(10)のフルオラン化合物がある。
【化2】 (式中、R13は水素原子、アルキル基、アリル基、環状
アルキル基、又はアルコキシアルキル基を表わし、R14
はアルキル基、環状アルキル基、アリル基、アルコキシ
アルキル基、又は置換されていても良いフェニル基を表
わす。Xは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、アルコキシアルキル基、又はハロゲン原子を表わ
す。Yは低級アルキル基、アミノ基、置換アミノ基、シ
アノ基、又はハロゲン原子を表わす。)
【0026】一般式(10)の化合物を具体的に示す
と、以下の化合物が例示される。2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−n−ヘキシル−N−iso−アミルア
ミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(ジ−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−オクチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルア
ミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−n−オクチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−オクチル−
N−iso−プロピルアミノ)フルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−n−プロ
ピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミ
ル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−i
so−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イ
ソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−n−ブチル−N−n−プロピルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−N−sec−ブチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−ブチル−N−
iso−プロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−ブチル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン。
【0027】2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シ
クロヘキシル−N−n−テトラデシルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキ
シル−N−n−ドデシルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−n
−デシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(N−シクロヘキシル−N−n−オクチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−シクロヘキシル−N−n−ヘキシルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキ
シル−N−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−is
o−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキ
シル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルア
ミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(ジシクロヘキシルエチルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシルエチル
−N−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−シクロヘキシルエチル−N−
n−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(ジシクロヘキシルメチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキ
シルメチル−N−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシルメ
チル−N−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシルメチル−N
−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−シクロヘキシルメチル−N−シクロ
ヘキシルアミノ)フルオラン。
【0028】2−アニリノ−3−メチル−6−(ジアリ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−n−オクチル−N−アリルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−ヘキシ
ル−N−アリルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−n−アミル−N−アリルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エ
チル−N−アリルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−エ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(ジエトキシエチルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−エトキシエチル−N−n
−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−エトキシエチル−N−n−アミルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エトキシエチル−N−iso−アミルアミノ)フルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エトキシ
エチル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−エトキシエチル−N−エ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−エトキシメチル−N−n−ヘキシルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エ
トキシメチル−N−n−アミルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−エトキシメチル−
N−iso−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−n−ヘキサデシルアミノ)フ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−
オクチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(N−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
【0029】2−アニリノ−3−メトキシ−6−(ジ−
n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メトキシ−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メトキシ−6−(N−n−ヘキシル
−N−iso−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリ
ノ−3−メトキシ−6−(N−シクロヘキシル−N−n
−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−エ
トキシ−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−エトキシ−6−(ジ−n−ブチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−エトキシ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−エトキシ
−6−(N−シクロヘキシル−N−n−ヘキシルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−エトキシ−6−
(N−シクロヘキシル−N−n−アミルアミノ)フルオ
ラン、2−アニリノ−3−エトキシエチル−6−(ジ−
n−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−エ
トキシエチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−エトキシエチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−エトキシメチル
−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−エトキシメチル−6−(N−シクロヘキシル
−N−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−エトキシメチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メトキシメチル−6−
(N−シクロヘキシル−N−n−ヘキシルアミノ)フル
オラン、2−ベンジルアミノ−3−メチル−6−(ジ−
n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−
3−メチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−3−メチル−6−(N−シク
ロヘキシル−N−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2
−(m−トリクロルメチルアニリノ)−3−メチル−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロルメ
チルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−(m−トリフロルメチルアニリノ)−3−
メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−
3−メチル−6−(N−n−ヘキシル−N−iso−ア
ミルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニ
リノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ヘキシルアミノ)
フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−
メチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2
−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−
(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−
ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3
−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2
−(N−メチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−
(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
【0030】2−アニリノ−6−(ジ−n−ヘキシルア
ミノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキ
シル−N−iso−アミルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フ
ルオラン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−
N−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
6−(N−シクロヘキシル−N−n−アミルアミノ)フ
ルオラン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−6−
(ジエトキシエチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ
−6−(N−エトキシエチル−N−iso−アミルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−エトキシエ
チル−N−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリ
ノ−6−(N−エトキシエチル−N−n−ブチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−オクチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−
ヘキシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N
−n−アミルアミノ)フルオラン、2−(N−メチルア
ニリノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−(o−ブロモアニリノ)−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−
6−ジブチルアミノフルオラン、2−(o−フロルアニ
リノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(p−ク
ロルアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フル
オラン、2−(p−クロルアニリノ)−6−(N−n−
パルミチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロルアニ
リノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、
2−(m−トリフロルメチルアニリノ)−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−アセチルアニ
リノ)−6−(N−n−ヘキシル−N−iso−ヘキシ
ルアミノ)フルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)
−6−(ジ−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−
(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−ヘキシル−
N−n−アミルアミノ)フルオラン、2−(p−アセチ
ルアニリノ)−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラ
ン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−ア
ミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(p−
アセチルアニリノ)−6−(N−シクロヘキシル−N−
n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−(p−アセチル
アニリノ)−6−(N−エトキシエチル−N−iso−
アミルアミノ)フルオラン、2−(p−アセチルアニリ
ノ)−6−(N−エトキシエチル−N−n−アミルアミ
ノ)フルオラン、
【0031】2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−
p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6
−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−
ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンゾイルアミノ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−(N−メチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミ
ノ−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ジ
ベンジルアミノ−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−6−(ジ−n−ヘキシル
アミノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N
−n−ヘキシル−N−iso−アミルアミノ)フルオラ
ン、2−ジベンジルアミノ−6−(ジ−n−プロピルア
ミノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−
シクロヘキシル−N−n−アミルアミノ)フルオラン、
2−ジベンジルアミノ−6−(N−シクロヘキシル−N
−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2−ジベンジルア
ミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジル
アミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチ
ル−6−(ジ−n−プロピルアミノ)フルオラン、2−
ジベンジルアミノ−4−メチル−6−(ジ−n−ブチル
アミノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチ
ル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2−ジ
ベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N−メチル−P
−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−4−
メチル−6−(N−エチル−P−トルイジノ)フルオラ
ン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジ
ノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミ
ノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−(o−メトキシカルボニルアニリノ)−6−ジ
エチルアミノフルオラン、
【0032】2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニ
リノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチ
ルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N
−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−
6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
エチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,
4,−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミ
ノ−6−(N−エチル−2,4,−ジメチルアニリノ)
フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−
エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6
−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジ
エチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N
−エチルアニリノ)フルオラン、2−アセチルアミノ−
3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アセ
チルアミノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミ
ノ)フルオラン、2−アセチルアミノ−3−メチル−6
−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アセチル
アミノ−3−メチル−6−(ジ−n−ヘキシルアミノ)
フルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−
p−トルイジノ)フルオラン、
【0033】2−アミノ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アミノ−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(ジ−n−アミルアミノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(ジ−n−ヘキシルアミノ)
フルオラン、2−アミノ−6−(N−シクロヘキシル−
N−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6
−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−
エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル
−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル
−p−クロルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−プロピルル−p−クロルアニリノ)フルオラン、
2−アミノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アミノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルア
ミノ)フルオラン、2−アミノ−3−メチル−6−(ジ
−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アミノ−3−メ
チル−6−(ジ−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2
−アミノ−3−メトキシ−6−(ジ−n−ブチルアミ
ノ)フルオラン、2−アミノ−3−メトキシ−6−(ジ
−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アミノ−3−メ
トキシ−6−(ジ−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、
【0034】1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、1,3−ジメチル−6−(ジ−n−ブチルア
ミノ)フルオラン、1,3−ジメチル−6−(ジ−n−
アミルアミノ)フルオラン、1,3−ジメチル−6−
(ジ−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、1,3−ジメ
チル−6−(N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミ
ノ)フルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミ
ノフルオラン、2−メチル−6−ジメチルアミノフルオ
ラン、2−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−メチル−6−(ジ−n−プロピルアミノ)フルオラ
ン、2−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオ
ラン、2−メチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フル
オラン、2−メチル−6−(ジ−n−ヘキシルアミノ)
フルオラン、2−メチル−6−(N−シクロヘキシル−
N−n−アミルアミノ)フルオラン、2−メチル−6−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロルメチル
アニリノ)フルオラン、3−メチル−6−(N−エチル
−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチル−6−(N
−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、4−メトキシ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−シアノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−シアノ
−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−シア
ノ−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2−シ
アノ−6−(ジ−n−ヘキシルアミノ)フルオラン、2
−シアノ−6−(N−シクロヘキシル−N−n−ヘキシ
ルアミノ)フルオラン、2−シアノ−6−(N−シクロ
ヘキシル−N−n−デシルアミノ)フルオラン。
【0035】2−クロル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
クロル−6−ジプロピルアミノフルオラン、2−クロル
−6−ジブチルアミノフルオラン、3−クロル−6−シ
クロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シク
ロヘキシルアミノフルオラン、2−クロル−6−(N−
エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロ
ル−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
アニリノ−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(o−クロルアニリノ)−3−クロル−6−シ
クロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロル
メチルアニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−(2,3−ジクロルアニリノ)−3−ク
ロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−エトキシエ
チルアミノ−3−クロル−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−4−クロル−6−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミ
ノ−4−クロル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)
フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−
クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−ベ
ンジル−p−トリフロルメチルアニリノ)−4−クロル
−6−ジエチルアミノフルオラン等。
【0036】一般式(10)以外にも本発明に用いる発
色剤として好ましいフルオラン化合物は多数あり、具体
的には以下の化合物が例示される。2−アニリノ−3−
メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3
−クロル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−エチル−テトラヒドロフルフリ
ルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−3−メチル−
4′,5′−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロルメチルアニリノ)−3−メチル−
6−ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミ
ノ)−3,4−ベンゾ−4′−ブロモ−6−(N−ベン
ジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピ
ペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−
n−プロピル−p−トリフロルメチルアニリノ)−6−
モルフォリノフルオラン、2−(N−p−クロルフェニ
ル−p−クロルアニリノ)−6−ピロリジノフルオラ
ン、2−(N−n−プロピル−m−トリフロルメチルア
ニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベン
ゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−
6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラ
ン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(ジ−n−ヘキシルアミ
ノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−
N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベン
ゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フル
オラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルア
ミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシ
エチル−N−エチルアミノ)フルオラン等。
【0037】フルオラン化合物以外でも本発明に用いる
発色剤として好ましい化合物は多数あり、具体的には以
下の化合物が挙げられる。ベンゾロイコメチレンブル
ー、2−〔3,6−ビス(ジエチルアミノ)〕−6−
(0−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、
2−〔3,6−ビス(ジエチルアミノ)〕−9−(0−
クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、3,3
−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラ
クトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリ
ド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロルフェニ
ル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェ
ニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキ
シアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロル
フェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメ
チルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニト
ロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジ
エチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メ
チルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−
クロル−5−メトキシフェニル)フタリド、3,6−ビ
ス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−
6′−ジメチルアミノフタリド、6′−クロル−8′−
メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6′−ブ
ロモ−2′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラ
ン等。
【0038】本発明の可逆的感熱記録媒体を構成する可
逆的感熱記録層内の発色剤と顕色剤の割合は、使用する
化合物の物性によって適切な比率を選択する必要があ
る。その範囲はおおむね、モル比で発色剤1に対し顕色
剤が1から20の範囲であり、好ましくは2から10の
範囲である。この範囲より顕色剤が少なくとも、また多
くても発色状態の濃度が低くなり実用上の問題となる。
また、上記の好ましい範囲にあっても、発色剤と顕色剤
の割合によって消色特性は変化し、比較的顕色剤が多い
場合には消色開始温度が低くなり、比較的少ない場合に
は消色が温度に対してシャープになる。したがって、こ
の割合は用途や目的に応じて適当に選択しなければなら
ない。本発明において可逆的感熱記録層に形成される可
逆的熱発色性組成物は、基本的に前記の顕色剤と発色剤
によって成り立つものであるが、種々の特性、たとえば
消色性や保存性などの改善を目的として、顕色剤の結晶
化をコントロールする効果のある添加剤を含有させるこ
とができる。本発明の可逆的感熱記録媒体は、前記の可
逆的熱発色性組成物を含む記録層を支持体上に設けたも
のであり、記録媒体の基本的構成は最下層に支持体を備
え、その上にアンダーコート層、記録層、及び保護層を
順次積層したものである。ここで用いられる支持体は、
紙、合成紙、ガラス板など記録層を保持できるものはい
ずれも使用可能であるが、特に多数回使用する必要のあ
る場合は破損抵抗力の強いプラスチックフィルム──例
えばポリエステルフィルム──の使用が望ましい。ま
た、プラスチックフィルムのように使い易く保存性も良
いが、密着性の強い支持体を使用する場合は、記録画像
形成時のトラブル防止のため、支持体表面のうち少なく
とも記録層と反対側の面を粗面とするのが良い。
【0039】前記のように、密着性の高い材料で製造さ
れた記録媒体では、記録画像形成時などに密着性に伴う
トラブルが発生することが多い。その代表例は、コピー
機使用時にコピー用紙でも発生する2枚以上の同時搬送
である。これは、効率的な多数枚記録画像形成法として
図3に示す記録媒体送り出し装置が一般化しているため
である。図3の送り出し装置は通常のコピー機で使用さ
れている紙送り装置であり、外枠J内の前端底部にある
バネKで支えられた記録媒体収納用板Lを備え、さらに
外枠Jの前面上部左右端には上下に軽く動くツメNを、
外枠Jの外側前上部には、通過する記録媒体の裏面に接
触して媒体の有無を検出するマイクロスイッチと検出ピ
ンPを備えている。また、板Lの上に積み重ねて収納し
た記録媒体Mの前部上面には送り出しロールOを備えて
いる。記録画像形成の際は、記録装置と連動して送り出
しロールOが回転して記録媒体が一枚ずつ送り出され、
その際にツメNの働きで記録媒体が一枚ずつ円滑に送り
出せるような構造となっている。この装置は紙送りのた
めに開発された装置であり、密着性の強いプラスチック
フィルムに使用すると一枚ずつ円滑に送るのがむづかし
い。しかし、多数の記録画像を効率良く形成させるため
の付属装置として極めてすぐれており、該紙送り装置に
代替し得る密着性記録媒体用送り出し装置は見当らな
い。そこで、密着性の高いプラスチックフィルムの少な
くとも片面を粗面化することが必要になる。また、記録
媒体の有無を検出するためのピンPによる記録媒体裏面
の損傷も実際に認められるから、透過光や背面光を利用
する場合のように、記録媒体裏面の傷が影響する場合に
は、裏面が損傷を受けないような工夫も必要になる。例
えば、OHP用透明フィルムに使用する記録媒体では、
このような配慮が要求される。
【0040】本発明は前記要求に応えるためになされた
ものであり、図4に示すように支持体の少なくとも片面
を粗面化することを基本にしている。図4(a)は平滑
面よりなる支持体Iの表面に記録層II、裏面に粗面層II
Iを備えた本発明の可逆的感熱記録媒体を表わす基本構
成図である。図4(b)は支持体Iの片面が(c)は支
持体の両面が粗面化されており、その片面に記録層IIを
備えた型の本発明による可逆的感熱記録媒体の基本構成
を示している。本発明で必要とする支持体表面の粗面化
度は、表面粗さとして0.5〜200μm程度であり、
粗さが小さすぎれば効力が減少し、粗さが大きすぎれば
感熱記録媒体としての機能面などに問題を生じる。な
お、図4(c)に示される支持体両面を粗面化する場合
は、粗面上に直接記録層が積層されるから表面粗さにつ
いて特に注意が必要である。記録層表面が疎面化される
と、極端な場合はサーマルヘッドで印加される熱画像が
不均等に記録媒体に伝わり、画像ムラを生じる恐れがあ
る。それゆえ、記録層表面は平滑なほど好ましく、支持
体両面を疎面化するより記録層と反対側の面だけ疎面化
するのが望ましいことは自明である。しかしながら、特
別に疎面層を設けず、支持体そのものを疎面化した方が
コスト面等で有利な場合が多いし、疎面化の程度を記録
媒体の二枚以上同時搬送防止可能な最小値付近とすれ
ば、記録画像形成時に画像ムラを生じることもないか
ら、支持体両面の疎面化を否定することはない。また、
記録媒体製造時に適切な配慮をすることで、両面が疎面
化された支持体を使用しても、記録画像形成時にトラブ
ルを起こさない記録媒体を得ることが可能である。例え
ば、支持体と記録層の間に断熱層のようなアンダーコー
ト層を介在させたり、記録層形成時に表面の平滑化可能
な工法を採用するなどの方法で、記録層表面を画像ムラ
が生じない程度に平滑化することができる。
【0041】図4(a)に示す疎面層IIIは、ポリマー
中にフィラーを分散させて成る層を支持体に積層して形
成されるが、前記のように疎面層は可逆的感熱記録媒体
の裏面保護の役割も持つから、粗面層形成に用いられる
ポリマーは、図3の記録媒体送り出し装置に存在するピ
ンPで傷つかない程度の強度が必要であり、以下に示す
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子
線硬化性樹脂等が好ましく用いられる。ポリビニルアル
コール、ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセル
ローズ、ヒドロキシプロピルセルローズ、メトキシセル
ローズ、カルボキシメチルセルローズ、メチルセルロー
ズ、酢酸セルローズ、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリレー
ト、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ
アミドその他。粗面層形成に好適なフィラーとしては、
以下に示すフィラーが例示される。コロイダルシリカ、
ヒュームドシリカ、炭酸カルシウム、タルク、活性白
土、カオリナイト、ケイソウ土、二硫化モリブデン、雲
母片、シリカゲル、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、ガラス粉末、ガラス微少中空
体、デンプン、ポリオレフィン微少粒体、ポリスチレン
微少粒体、尿素−ホルムアルデヒド微少粒体、プラスチ
ック微少中空体、フッ素樹脂微少粒体その他。以上の例
からも分かるように、該フィラーとしては粒径0.01
〜20μm程度の微少粒体であれば無機質でも有機質で
も良いが、特に二硫化モリブデンが好ましい。二硫化モ
リブデンは層状構造を持ち滑剤としても機能するから、
疎面層に二硫化モリブデンを存在させることで高速の送
り出しが円滑になるためであろう。また、記録媒体裏面
に付着した微量の二硫化モリブデンが直下に存在する記
録媒体の表面に移り、これがサーマルヘッドとの接触を
円滑し、スティッキング防止やサーマルヘッドカスの減
少に有効なことも認められ、微料の二硫化モリブデンが
広範囲に有効に機能していることは驚くほどである。こ
のほか、二硫化モリブデンは強度、粒度、価格、記録層
に対する不活性等の多くの点で疎面層用フィラーとして
好ましく、該フィラーとして最適品と言うことができ
る。以上の記述からも分かるように、疎面層には滑剤の
存在が望ましく、本発明の疎面層に使用される好ましい
滑剤としては以下の滑剤があげられる。また、その添加
量は疎面層重量の1〜40重量%程度が望ましい。各種
ワックス、高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エ
ステル、シリコーン系化合物、フッ素系化合物その他。
【0042】図4(a)に示した粗面層IIIの形成方法
は、前記粗面層形成用ポリマーを溶剤に溶解し、前記の
フィラーと共にボールミルのような分散機内で、溶剤中
に充分良く分散させて疎面層形成用塗布液を作製し、こ
れを支持体上に塗布・乾燥して形成させれば良い。粗面
層の厚さは1〜20μm──好ましくは5〜10μm─
─である。この場合、フィラーの添加量は該疎面層形成
に用いるポリマーやフィラーの種類によっても異なる
が、一般的には疎面層重量の1〜40重量%、好ましく
は5〜30重量%である。また、フィラー粒径は前記の
ように0.01〜20μm──好ましくは0.1〜5μ
m──である。図4(c)に示した支持体の両面を疎面
化する場合は、溶融した支持体材料中に前記のフィラー
をバンバリーミキサー等の分散機で良く分散し、押し出
し成型機で所望の厚さを持つシート状に成型すれば良
い。この場合のフィラーは粗面層のフィラーと全く同一
の性能が要求されるから、種類、粒径とも粗面層のフィ
ラーと全く同一で良く、最適品は二硫化モリブデンであ
る。また、フィラーの添加量は支持体重量の1〜40重
量%、好ましくは5〜20重量%である。滑剤について
も、粗面層形成時と全く同一に考えれば良い。図4
(b)に示した支持体の記録層と反対側の表面のみを疎
面化する方法は、支持体の片面をサンドブラスト法等で
疎面化する方法、あるいは支持体の成型時に型板を使用
して片面だけに凹凸をつける方法などで達成される。
【0043】本発明の可逆的感熱記録媒体は、前記の可
逆的熱発色性組成物を含む記録層を、少なくとも記録層
と反対側の表面を疎面化した支持体上に備えていれば、
どのような方法で作成しても良く、発色剤と顕色剤を加
熱・混合・溶融して得た薄膜を支持体上に接着させて積
層しても良い。しかし、発色剤と顕色剤をバインダー樹
脂中に良く分散した記録層を支持体上に積層させるのが
常法であり、発色剤及び顕色剤をバインダー樹脂と共に
水又は有機溶剤により均一に分散もしくは溶解し、これ
を支持体上に塗布・乾燥する方法で積層すれば良い。バ
インダー樹脂としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリス
チレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエ
ステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカー
ボネート、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル
酸エステル類、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合
体、ポリビニルアルコール、塩素化塩化ビニル樹脂、前
記バインダー樹脂の混合物などが用いられる。記録層の
バインダー樹脂の役割は、発色・消色の繰り返しによっ
て可逆的熱発色性組成物が凝集するのを防止し、発色性
組成物が均一に分散した状態を保持することにある。特
に、発色時の熱印加で発色性組成物が凝集して不均一化
することが多いため、バインダー樹脂は耐熱性の高いも
のが好ましい。顕色剤および発色剤は、そのまま、ある
いはマイクロカプセル中に内包して用いることができ
る。顕色剤、発色剤のマイクロカプセル化は、コアセル
ベーション法、界面重合法、インサイチュ重合法など公
知の方法によって行なうことができる。なお、言うまで
もないことであるが顕色剤及び発色剤は、単独でも2種
以上混合して使用してもよい。本発明の可逆的感熱記録
媒体では必要に応じて、塗布特性或いは記録特性の向上
を目的に、通常の感熱記録紙に用いられている種々の添
加剤、例えば分散剤、界面活性剤、高分子カチオン系導
電剤、填料、発色画像安定剤、酸化防止剤、光安定化
剤、滑剤等を記録層に加えることも出来る。
【0044】前記のように、本発明では通常、記録層上
面に保護層を下面にアンダーコート層を設置するが、こ
れらは必須でなく、簡単な可逆的感熱記録媒体では省略
しても良い。しかし、保護層は熱印加時の熱と圧力で表
面が変形したり変色したりすることを防止するから、多
数回使用のためには保護層設置が極めて有用なので、特
別な場合を除いて設置するのが良い。保護層にはこのほ
か、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、ヘッドマッチング性
等を向上させる役割を持たせることもできる。そのた
め、保護層を形成する材料は耐熱性のほか強度も大きい
ものが良く、シリコーン系ゴム、シリコーン樹脂、ポリ
シロキサングラフトポリマー、紫外線硬化樹脂、電子線
硬化樹脂等が使用される。このような保護層の形成で、
前記のように耐熱性が向上すると共に、有機溶剤、可塑
剤、油、汗、水等の接触に対する抵抗力も増加し、悪い
環境でも画像の形成及び消去を問題なく繰り返すことの
できる記録媒体を得ることができる。また保護層中に光
安定化剤を含有させることにより、画像及び地肌の耐光
性が著しく改良された記録媒体を得ることができ、高分
子カチオン系導電剤の添加で帯電防止を可能とし、さら
に保護層に有機又は無機フィラー及び滑剤を含有させる
ことにより、サーマルヘッド等との接触で生じるスティ
ッキングなどの問題もなく、信頼性及びヘッドマッチン
グ性にすぐれた感熱記録媒体を得ることができる。な
お、帯電防止剤の添加効果は、記録媒体が摩擦帯電して
貼り付くのを防止する効果や、取扱い時の電撃ショック
防止効果などである。保護層の形成方法は記録層形成時
と同様、保護層成分を水又は有機溶剤によって均一に分
散もしくは溶解し、これを記録層上に均一に塗布・乾燥
させれば良く、保護層の厚さは0.5〜10μm程度が
良い。
【0045】アンダーコート層は、断熱性向上、支持体
と記録層間の接着性向上、記録層作成時の溶剤に対する
支持体の耐性向上、熱印加時の支持体による熱溶融性イ
ンクの吸収防止等の目的で設置するものであり、支持体
の種類を勘案して設置の有無を定めれば良い。アンダー
コート層の重要な役割の一つは断熱性向上であるが、こ
れは印加熱エネルギーを無駄なく熱記録形成に役立たせ
るためのものであり、断熱層の設置によって発色及び消
色をシャープに行なうことができるし、記録速度の高速
化に伴う印加熱エネルギーの減少にも対応可能となる。
断熱を目的とするアンダーコート層は、支持体上に有機
又は無機材質より成る微少中空体粒子を塗工すれば良
く、具体的にはガラス又はセラミックス、あるいはプラ
スチック等で形成された粒径10〜50μm程度の微少
中空体を、バインダー樹脂と共に溶剤に良く分散させて
支持体上に均一に塗布・乾燥させれば良い。また、支持
体が紙のように液体を吸収し易い物質の場合は、液体の
浸透不能なアンダーコート層を形成させれば良いし、記
録層形成用溶媒に可溶な支持体を使用する場合は、該溶
剤に不溶性のアンダーコート層を支持体上に設置すれば
良い。
【0046】記録画像の形成は、使用目的によって熱ペ
ン、サーマルヘッド、レーザー加熱等特に限定されな
い。同様に記録画像の消去も加熱ローラー、面状発熱
体、恒温槽、温風、サーマルヘッド等消去の温度条件が
与えられるものであれば特に限定はされない。また、記
録画像を消去温度に設定したサーマルヘッドにより消去
しながら、同時に記録温度に設定した別のサーマルヘッ
ドにより記録画像の形成を行う所謂オーバーライトも可
能である。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。なお、以下における部はいずれも重量基準
である。
【0048】実施例1 下記組成物を、ボールミルでヘキサデシルホスホン酸の
平均粒径1〜4μmまで粉砕・分散させて塗布液を調製
した後、膜厚100μmのポリエステルフィルムに乾燥
後の膜厚6μmとなるように塗布し、乾燥することによ
って記録層を形成した。 2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン 14部 ヘキサデシルホスホン酸 42部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 42部 (ユニオンカーバイト社製VYHH) メチルエチルケトン 210部 トルエン 210部 この記録媒体の記録層と反対側のポリエステルフィルム
表面に、下記組成物をボールミルで分散させて調製した
塗布液を、乾燥後の膜厚10μmとなるように塗布し、
溶剤を蒸発・乾燥した後、UV照射により硬化させて粗
面層を設けた。 ウレタン−アクリレート系UV硬化性樹脂 100部 の75重量%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディックC7−157) アルミナゾル(0.1〜0.2μm粒子) 25部 酢酸ブチル 50部 以上のようにして製造した記録媒体20枚を、図3に示
した前記のシート送り出し装置にセットして送り出し試
験を行った。その結果、20枚の前記記録媒体は全量が
一枚ずつ送り出された。
【0049】比較例1 実施例1と全く同一であるが粗面層の存在しない記録媒
体を製造し、実施例1と全く同一の試験を試みた。その
結果、送り出しがうまく行かず、一度に2〜3枚が送り
出されたり、送り出し不能の状態が続いた。また、記録
媒体の有無を検出するピン(図3のP)による傷も、実
施例1では20枚のすべてに認められなかったのに、粗
面層の存在しない本例では、10回送り出し後の積み重
ねた記録媒体10枚を表面から観察すると、裏面の損傷
が明らかに見られた。この傷は、OHP用記録媒体とし
て問題となる程度の傷であった。
【0050】実施例2 実施例1において、粗面層の組成物を下記組成物にか
え、ボールミルで分散させた塗布液を調製した後、乾燥
後の膜厚8μmとなるように塗布・乾燥して粗面層を設
けた。
. アクリルエマルジョン(ジョンソン社製ジョンクリル390) 100部 コロイダルシリカ(10〜50mμm粒子) 6部 ポリエチレンワックス 3部 実施例1と同様な送り出し試験を実施した結果、全て1
枚ずつ送り出すことができた。
【0051】実施例3 実施例1の粗面層組成物を下記組成物に替え、ボールミ
ルで分散させて調製した塗布液を乾燥後の膜厚が15μ
mとなるように塗布し、溶剤を蒸発・乾燥した後、UV
照射によって硬化させて粗面層を設けた。 ウレタン−アクリレート系UV硬化性樹脂 100部 の75重量%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディックC7−157) 二硫化モリブデン(平均粒径3μm粒子) 10部 実施例1と同様な送り出し試験を行なった結果、20枚
の記録媒体をすべて1枚毎に送り出すことができた。さ
らに、本実施例の記録媒体を送り出し後、サーマルヘッ
ドを用いてプラテンロール圧6kg/275mm、印加
エネルギー0.5mJ/ドットで発色させ、次に70℃
のヒートロールを通して消色させた後、また送り出し装
置にストックする一連の作業を繰り返し行なったとこ
ろ、繰り返し20回まで記録面に大きなキズが入ること
がなかった。
【0052】比較例2 比較例1と同一の記録媒体を使用し、送り出しを行わず
にサーマルヘッドによる発色とヒートロールによる消色
とを繰り返し行なったところ、10回程度の繰り返しで
記録層表面に大きなキズが入ってしまった。以上の結果
から、実施例3の記録媒体に於いては、積重ねて送り出
す際に記録媒体裏面の粗面層に存在する二硫化モリブデ
ン粒子が、隣接の記録層表面に移行付着して、サーマル
ヘッドに対するスティッキングを防止し、ヘッドカス付
着を緩和することによって耐久性を向上させたと考えら
れる。
【0053】実施例4 微粒子練込タイプポリエステルフィルム75μm厚 (帝人社製テトロンフィルム) 片面サンドブラスト加工のマットフィルム75μm厚 (帝人社製テトロンフィルム) 上記2種類の支持体上に、実施例1に示した記録層を設
けた。片面サンドブラスト品についてはブラストされて
いない面に記録層を設けた。実施例1と同様に送り出し
試験を行なった結果、本実施例もまた20枚の媒体を全
て一枚毎に送り出すことができた。
【0054】
【発明の効果】本発明の可逆的感熱記録媒体は、記録層
と反対側の支持体表面あるいは両面を粗面化した支持体
に、顕色剤と発色剤を含む記録層を持ち、記録層の顕色
剤と発色剤を加熱・溶融・混合させることで発色させる
ことができ、その発色状態にある記録層を発色温度より
低温に加熱して消色状態に変えることができる。このよ
うな発色と消色は繰り返し行なうことができるし、発色
状態及び消色状態は常温でも容易に保持可能である。ま
た、発色剤を変えることで画像の発色色調を自由に選択
することができる。本発明の記録媒体は、支持体の片面
あるいは両面を粗面化したため、画像形成時にシート状
の記録媒体が二枚以上同時に記録装置に送り出された
り、記録媒体の裏面に傷がついたりするようなトラブル
が大幅に減少し、該記録媒体の信頼性向上に大きく寄与
すると共に、透過光や背面光を利用するような記録媒体
においても、画像ムラや傷の少ない影像の得られる記録
媒体の作製が可能である。さらに、粗面化のために使用
されるフィラーによって、スティッキング防止やサーマ
ルヘッドカスの減少効果も認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可逆性記録媒体の発色濃度と温度と
の関係を示すグラフで、発色及び消色原理の説明図であ
る。実線(A→B→C)は画像形成過程を、破線(C→
D→A)は画像消去過程を示す。
【図2】画像形成工程と画像消去工程の説明図である。
【図3】記録媒体送り出し装置の概要を示す図である。
【図4】本発明による記録媒体の支持体と記録層の状態
を概念的に示す図である。(a)は平滑な支持体に記録
層と粗面層を設けた記録媒体、(b)は記録層と反対側
の面を粗面化した支持体を用いる記録媒体、(c)は両
面を粗面化した支持体を用いる記録媒体を示している。
【符号の説明】
1 支持体 2 熱可逆性記録層 3 発色画像 4 サーマルヘッド 5 加熱ローラー J 記録媒体送り出し機の外枠 K バネ L 記録媒体収納用板 M 記録媒体 N 可動ツメ O 送り出しロール P 記録媒体検出用ピン I 支持体 II 熱可逆性記録層 III 粗面層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と
    電子受容性化合物を含有する記録層を備え、加熱・溶融
    により発色記録状態を形成し、発色温度よりも低温に加
    熱することで記録の消えた消色状態を形成する可逆的感
    熱記録媒体において、支持体表面のうち少なくとも記録
    層と反対側の面を、粗面とすることを特徴とする可逆的
    感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1の可逆的感熱記録媒体におい
    て、記録層と反対側の支持体表面に設ける粗面が、ポリ
    マー中にフィラーを分散させて成る粗面であることを特
    徴とする請求項1の可逆的感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 粗面の形成に使用されるフィラーが、二
    硫化モリブデンであることを特徴とする請求項2の可逆
    的感熱記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1158987A (ja) * 1997-08-22 1999-03-02 Dainippon Printing Co Ltd 感熱可逆記録媒体
JPH11129631A (ja) * 1997-10-24 1999-05-18 Dainippon Printing Co Ltd 感熱可逆記録媒体

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JPH1158987A (ja) * 1997-08-22 1999-03-02 Dainippon Printing Co Ltd 感熱可逆記録媒体
JPH11129631A (ja) * 1997-10-24 1999-05-18 Dainippon Printing Co Ltd 感熱可逆記録媒体

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