JPH09104170A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH09104170A
JPH09104170A JP7286323A JP28632395A JPH09104170A JP H09104170 A JPH09104170 A JP H09104170A JP 7286323 A JP7286323 A JP 7286323A JP 28632395 A JP28632395 A JP 28632395A JP H09104170 A JPH09104170 A JP H09104170A
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JP
Japan
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acid
recording material
protective layer
methyl
fluoran
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JP7286323A
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English (en)
Inventor
Hideo Aihara
秀夫 相原
Hideo Suzaki
英夫 洲▲崎▼
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルムを支持体として用いた
場合の問題である加熱発生時塗布層中の成分が溶融して
熱ヘッドに粘着する現象(以下スティッキングとい
う。)がなく、カス付着が少ない、透明又は半透明の感
熱記録材料を提供すること。 【解決手段】 プラスチックフィルム上にロイコ染料、
該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤とし
てのバインダー樹脂を主成分とする感熱発色層、更にそ
の上に保護層を設けてなる感熱記録材料において、該保
護層中に下記一般式Iで表される重合度が2000以上
の非水溶性のポリビニルアセタール樹脂を含むことを特
徴とする感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子供与性呈色性化
合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した感
熱記録媒体に関するものであり、画像の耐薬品性に優れ
た感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無色もしくは淡色のロイコ染料と接触時
発色させる顕色剤との間の、熱・圧力などによる発色反
応を利用した記録材料は種々提案されている。その一つ
の感熱記録材料は、現像、定着等の頻雑な処理を施す必
要がなく、比較的簡単な装置で短時間に記録できるこ
と、騒音の発生が少ないこと、更にコストが安いこと等
の利点により、電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラ
ベルプリンター、レコーダー等の種々の記録材料として
有用である。
【0003】感熱記録材料に用いられる発色性染料とし
ては、例えばラクトン、ラクタム又はスピロピラン環を
有する無色又は淡色のロイコ染料が、又顕色剤としては
従来から有機酸、フェノール性物質等が用いられてい
る。このロイコ染料と顕色剤を用いた感熱記録材料は、
画像濃度が高く、且つ地肌の白色度が高いことから広く
利用されている。これら感熱記録材料は、一般に紙の上
に前記した発色性染料及び顕色剤が塗布され製造され
る。近年は、用途の多様化に伴い、紙だけでなく透明な
プラスチックフィルムを支持体として用いることも多く
なっている。このようなプラスチックフィルムを支持体
として用いた例としては、ビデオプリンター用記録材
料、OHPフィルム等が挙げられる。プラスチックフィ
ルムを支持体として用いた感熱記録材料は、紙を支持体
とした場合に比較し、記録材料とサーマルヘッドの間の
密着性が良く発色均一性は良好であるが、加熱発色時塗
布層中の成分が溶融して、熱ヘッドに粘着したり(カス
付着)、走行不良をおこす現象(以下スティキングとい
う。)が発生しやすい。
【0004】かかる欠点を改善する方法として、保護層
に吸油量の多いフィラーを含有させることが提案(特開
昭58−208091、特開昭58−051189等)
がされているが、カス付着は改善されるものの保護層の
透明性が低くなり上述のような用途には適さない。ま
た、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミ、ワックス
を添加することも提案されているが、これらは溶融し滑
性が出るためスティッキングは改善されるもののガス付
着を助長する欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来技術における欠点を改善し、プラスチック
フィルムを支持体として用いた場合の問題である加熱発
生時塗布層中の成分が溶融して熱ヘッドに粘着する現象
(以下スティッキングという。)がなく、カス付着が少
ない、透明又は半透明の感熱記録材料を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】我々は、上記課題解決の
ため鋭意検討の結果、ある種の特定材料が問題解決のた
め極めて優れたものであることを発見し、さらに検討を
続けて本発明を完成した。斯して本発明によれば、支持
体上にロイコ染料、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕
色剤及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする
感熱発色層、更にその上に保護層を設けてなる感熱記録
材料において、該保護層中に、下記一般式Iで表される
重合度2000以上の非水溶性のポリビニルアセタール
樹脂を含むことを特徴とする感熱記録材料が提供され
る。また本発明によれば、支持体上にロイコ染料、該ロ
イコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤としての
バインダー樹脂を主成分とする感熱発色層、更にその上
に保護層を設けてなる感熱記録材料において、該保護層
中に、ポリオール及びイソシアナート化合物、又はこれ
らが反応して得られる樹脂を含むことを特徴とする感熱
記録材料が提供される。
【0007】さらに、本発明によれば、支持体上にロイ
コ染料、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結
着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱発色
層、更にその上に保護層を設けてなる感熱記録材料にお
いて、該保護層中に、下記一般式Iで表わされる重合度
2000以上の非水溶性のポリビニルアセタール樹脂、
及び、ポリオール及びイソシアナート化合物、又はこれ
らが反応して得られる樹脂を含むことを特徴とする感熱
記録材料が提供される。本発明において、保護層中に上
記の特定な化合物を用いることで、プラスチックフィル
ムを支持体として用いた場合の問題である加熱発色時塗
布層中の成分が溶融して熱ヘッドに粘着する現象(以下
スティッキングという。)がなく、カス付着が少ない、
透明又は半透明の感熱記録材料が提供される。
【0008】
【化1】 (式中Rは水素原子またはアルキル基を表わし、l,
m,nはモル%でl+m+n=100である。)
【0009】本発明の感熱記録媒体を詳細に説明する。
本発明の感熱記録媒体において支持体としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロ
ース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等
のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルムある
いはこれらを貼り合わせた透明フィルム、合成紙等を使
用することができる。
【0010】本発明で用いられるロイコ染料は電子供与
性を示す化合物であり、単独又は2種以上混合して適用
されるが、それ自体無色或いは淡色の染料前駆体であ
り、特に限定されず従来公知のもの、例えば、トリフェ
ニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラ
ン系、フェノチジアン系、チオフェルオラン系、キサン
テン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタ
リド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミン
アニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリ
ン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ
化合物が好ましく用いられる。このような化合物の例と
しては、例えば以下に示すようなものが挙げられる。
【0011】2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブ
チル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−イソアミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イ
ソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)
フルオラン、
【0012】2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エ
チル−pートルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−メチル−pートルイジノ)フルオ
ラン、2−(mートリクロロメチルアニリノ)−3−メ
チル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(mートリ
フロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−(mートリフロロメチルアニリ
ノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メ
チルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニ
リノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−エチル−pートルイジノ)−3−メチル−6
−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−メチ
ル−pートルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピ
ル−pートルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−
(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(oークロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−(oーブロモアニリノ)−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−(oークロルアニリノ)−6−ジ
ブチルアミノフルオラン、
【0013】2−(oーフロロアニリノ)−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、2−(mートリフルオロメチルア
ニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(pー
アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−
ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−
(N−エチル−pートルイジノ)フルオラン、2−ベン
ジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニ
リノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エ
チル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジ
ベンジルアミノ−6−(N−メチル−pートルイジノ)
フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル
−pートルイジノ)フルオラン、2−(ジ−pーメチル
ベンジルアミノ)−6−(N−エチル−pートルイジ
ノ)フルオラン、2−(αーフェニルエチルアミノ)−
6−(N−エチル−pートルイジノ)フルオラン、2−
メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラ
ン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フ
ルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニ
リノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチ
ル−pートルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−
6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオ
ラン、
【0014】2−エチルアミノ−6−(N−メチル−
2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−pートル
イジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−
エチル−pートルイジノ)フルオラン、2−ジプロピル
アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−
ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−メチル−pートルイジ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−pー
トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロ
ピル−pートルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−pーエチルアニリノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−エチル−pーエチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−pーエチル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル
−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、
【0015】2−アミノ−6−(N−メチル−pークロ
ルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチ
ル−pークロルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6
−(N−プロピル−pークロルアニリノ)フルオラン、
2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン3−
メチル−6−(N−エチル−pートルイジノ)フルオラ
ン、2−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロル−
6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロル−6−シ
クロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シク
ロヘキシルアミノフルオラン、2−クロル−6−(N−
エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロ
ル−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
アニリノ−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(oークロルアニリノ)−3−クロル−6−シ
クロヘキシルアミノフルオラン、2−(mートリフロロ
メチルアニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−(2,3−ジクロルアニリノ)−3−ク
ロル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ
−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6
−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,
2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−シクロヘキシルア
ミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル
−トルイジノ)フルオラン、その他。
【0016】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと以下のとおりである。2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N
−エチルアミノ)フルオラン、2−(pークロルアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(pークロルアニリノ)−6−(N−n−パルチミル
アミノ)フルオラン、2−(pークロルアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−pートルイジノ)フル
オラン、2−(oーメトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−エチル−pートルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−pートルイジノ)フルオラン、2−ジベンジ
ルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−pートルイ
ジノ)フルオラン、2−(αーフェニルエチルアミノ)
−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(pートルイジノ)−3−(tーブチル)−6−(N−
メチル−pートルイジノ)フルオラン、
【0017】2−(oーメトキシカルボニルアニリノ)
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ
−6−(N−メチル−pートルイジノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−(mートリフルオロメチルアニ
リノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−
pートルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミ
ノ−3−クロル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−
ジベンジルアミノ−4−クロル−6−(N−エチル−p
ートルイジノ)フルオラン、2−(αーフェニルエチル
アミノ)−4−クロル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(N−ベンジル−pートリフロロメチルアニリ
ノ)−4−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロル−6−ピロリジノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N
−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2−メ
シチジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−(mートリフロロメチルアニリノ)−3
−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(αーナフ
チルアミノ)−3,4−ベンゾ−4’−ブロモ−6−
(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラ
ン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、
【0018】2−(N−n−プロピル−pートリフロロ
メチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−
(ジ−N−pークロルフェニル−メチルアミノ)−6−
ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−mー
トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オ
クチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジア
リルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エ
トキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾ
ロイコメチレンブルー 2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)}−6−(oー
クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−
{3,6−ビス(ジエチルアミノ)}−9−(oークロ
ルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビ
ス(pージメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−
ビス(pージメチルアミノフェニル)−6−ジメチルア
ミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクト
ン)、3,3−ビス(pージメチルアミノフェニル)−
6−ジエチルアミノフタリド、
【0019】3,3−ビス(pージメチルアミノフェニ
ル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(pージブチ
ルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4
−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−
4,5−ジクロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒド
ロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メ
トキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒ
ドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2
−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2
−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−
(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3
−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ
(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、6’−
クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピ
ラン、6’−ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリ
ノ−スピロピラン等。
【0020】次に、本発明で用いられる顕色剤は電子受
容性の化合物であり、従来公知の種々の電子受容性顕色
剤を用いることができるが、本発明でより好ましいの
は、特開平3−355078号公報等に示されている長
鎖アルキリ基を分子内に含む電子受容性顕色剤である。
例えば、炭素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化
合物や脂肪族カルボン酸化合物やフェノール化合物、又
は炭素数10〜18の脂肪族基を持つメルカプト酢酸の
金属塩、或いは炭素数5〜8のアルキル基を持つカフェ
ー酸のアルキルエステルや炭素数16以上の脂肪族基を
持つ酸性有機リン酸エステル等である。脂肪族基には、
直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基が包含さ
れ、ハロゲン、アルコキシ基、エステル等の置換基を持
っていてもよい。以下にその顕色剤について具体例を例
示する。 (a)有機リン酸化合物 本発明においては、有機リン酸化合物として下記一般式
(1)で表わされるものが好ましく用いられる。
【0021】
【化2】 (R1は炭素数12〜28の直鎖状アルキル基を表わ
す) 一般式(1)で表わされる有機リン酸化合物の具体例と
しては、例えば以下のようなものが挙げられる。ドデシ
ルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシル
ホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホス
ホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン
酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸
等。有機リン酸化合物としては、下記一般式(2)で表
わされるαーヒドロキシアルキルホスホン酸も好ましく
使用される。
【0022】
【化3】 (ただし、R2は炭素数11〜29の脂肪族基である) 一般式(2)で表わされるαーヒドロキシアルキルホス
ホン酸を具体的に示すと、αーヒドロキシドデシルホス
ホン酸、αーヒドロキシテトラデシルホスホン酸、αー
ヒドロキシヘキサデシルホスホン酸、αーヒドロキシオ
クタデシルホスホン酸、αーヒドロキシエイコシルホス
ホン酸、αーヒドロキシドコシルホスホン酸、αーヒド
ロキシテトラコシルホスホン酸等が挙げられる。また、
有機リン酸化合物としては、下記一般式(3)で表わさ
れる酸性有機リン酸エステルも好ましく使用される。
【0023】
【化4】 (式中、R3は炭素数16以上の脂肪族基を、R4は水素
原子又は炭素数1以上の脂肪族基を表わしている) 一般式(3)で表わされる酸性有機リン酸エステルを具
体的に示すと、ジヘキサデシルホスフェート、ジオクタ
デシルホスフェート、ジエイコシルホスフェート、ジド
コシルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェート、
モノオクタデシルホスフェート、モノエイコシルホスフ
ェート、モノドコシルホスフェート、メチルヘキサデシ
ルホスフェート、メチルオクタデシルホスフェート、メ
チルエイコシルホスフェート、メチルドコシルホスフェ
ート、アミルヘキサデシルホスフェート、オクチルヘキ
サデシルホスフェート、ラウリルヘキサデシルホスフェ
ート等が挙げられる。
【0024】(b)脂肪族カルボン酸化合物 本発明においては脂肪族カルボン酸化合物として、下記
一般式(4)で表わされるαーヒドロキシ脂肪酸類が好
ましく用いられる。
【0025】
【化5】 (ただし、R5は炭素数12以上の脂肪族基を表わす) 一般式(4)で表わされるαーヒドロキシ脂肪族カルボ
ン酸化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
αーヒドロキシデカン酸、αーヒドロキシテトラデカン
酸、αーヒドロキシヘキサデカン酸、αーヒドロキシオ
クタデカン酸、αーヒドロキシペンタデカン酸、αーヒ
ドロキシエイコサン酸、αーヒドロキシドコサン酸、α
ーヒドロキシテトラコサン酸、αーヒドロキシヘキサコ
サン酸、αーヒドロキシオクタコサン酸等。
【0026】また、脂肪族カルボン酸化合物としては、
ハロゲン元素で置換された炭素数12以上の脂肪族基を
持つ脂肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位又
はβ位の炭素にハロゲン元素を持つものも好ましく用い
られる。このような化合物の具体例としては、例えば以
下のものを挙げることができる。2−ブロモヘキサデカ
ン酸、2−ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデ
カン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン
酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカ
ン酸、3−ブロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオク
タデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテ
トラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フル
オロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−
フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−
ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3
−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸
等。
【0027】また、脂肪族カルボン酸としては、炭素中
にオキソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基を有する脂
肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位、β位又
はγ位の炭素がオキソ基となっているものも好ましく用
いられる。このような化合物の具体例としては、例えば
以下のようなものを挙げることができる。2−オキソド
デカン酸、2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキ
サデカン酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエ
イコサン酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソド
デカン酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキ
サデカン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエ
イコサン酸、3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘ
キサデカン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソ
ドコサン酸等。さらに脂肪族カルボン酸化合物として
は、下記一般式(5)で表わされる二塩基酸も好ましく
用いられる。
【0028】
【化6】 (ただし、R6は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、
Xは酸素原子又は硫黄原子を表わし、nは1又は2を表
わす) 一般式(5)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルリンゴ酸、テ
トラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデ
シルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ
酸、テトラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テ
トラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、
オクタデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、
ドコシルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、ド
デシルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、
エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ酸、
テトラコシルジチオリンゴ酸等。さらにまた、脂肪族カ
ルボン酸化合物としては、下記一般式(6)で表わされ
る二塩基酸も好ましく用いられる。
【0029】
【化7】 (ただし、R7、R8、R9は水素又は脂肪族基を表わ
し、このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族
基である) 一般式(6)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルブタン二酸、
トリデシルブタン二酸、テトラデシルブタン二酸、ペン
タデシルブタン二酸、オクタデシルブタン二酸、エイコ
シルブタン二酸、ドコシルブタン二酸、2,3−ジヘキ
サデシルブタン二酸、2,3−ジオクタデシルブタン二
酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、2−メチル
−3−テトラデシルブタン二酸、2−メチル−3−ヘキ
サデシルブタン二酸、2−エチル−3−ドデシルブタン
二酸、2−プロピル−3−ドデシルブタン二酸、2−オ
クチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−テトラデシ
ル−3−オクタデシルブタン二酸等。さらにまた脂肪族
カルボン酸化合物としては、下記一般式(7)で表わさ
れる二塩基酸も好ましく用いられる。
【0030】
【化8】 (ただし、R10、R11は水素又は脂肪族基を表わし、こ
のうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基であ
る) 一般式(7)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のようなものが挙げられる。ドデシルマロン
酸、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オ
クタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマ
ロン酸、テトラコシルマロン酸、ジドテシルマロン酸、
ジテトラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジ
オクタデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコ
シルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルド
コシルマロン酸、メチルテトラコシルマロン酸、エチル
オクタデシルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エ
チルドコシルマロン酸、エチルテトラコシルマロン酸
等。さらにまた、脂肪族カルボン酸化合物としては、下
記一般式(8)で表わされる二塩基酸も好ましく用いら
れる。
【0031】
【化9】 (ただし、R12は水素又は脂肪族基を表わし、nは0又
は1を表わし、mは1,2又は3を表わし、nが0の場
合、mは2又は3であり、nが1の場合はmは1又は2
を表わす) 一般式(8)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のようなものが挙げられる。2−ドデシル−
ペンタン二酸、2−ヘキサデシル−ペンタン二酸、2−
オクタデシルペンタン二酸、2−エイコシル−ペンタン
二酸、2−ドコシル−ペンタン二酸、2−ドデシル−ヘ
キサン二酸、2−ペンタデシル−ヘキサン二酸、2−オ
クタデシル−ヘキサン二酸、2−エイコシル−ヘキサン
二酸、2−ドコシル−ヘキサン二酸等。さらにまた脂肪
族カルボン酸化合物としては、長鎖脂肪酸によりアシル
化されたクエン酸などの三塩基酸も好ましく用いられ
る。その具体例としては、例えば以下のようなものが挙
げられる。
【0032】
【化10】O−パルミチルクエン酸
【0033】
【化11】O−ステアリルクエン酸
【0034】
【化12】O−エイコシルクエン酸 (c)フェノール化合物 本発明においては、フェノール化合物として下記一般式
(9)で表わされる化合物が好ましく用いられる。
【0035】
【化13】 (ただし、Yは−S−、−O−、−CONH−又は−C
OO−を表わし、R13は炭素数12以上の脂肪族基を表
わし、nは1,2又は3の整数である) 一般式(9)で表わされるフェノール化合物の具体例と
しては、例えば以下のようなものが挙げられる。pー
(ドデシルチオ)フェノール、pー(テトラデシルチ
オ)フェノール、pー(ヘキサデシルチオ)フェノー
ル、pー(オクタデシルチオ)フェノール、pー(エイ
コシルチオ)フェノール、pー(ドコシルチオ)フェノ
ール、pー(テトラコシルチオ)フェノール、pー(ド
デシルオキシ)フェノール、pー(テトラデシルオキ
シ)フェノール、pー(ヘキサデシルオキシ)フェノー
ル、pー(オクタデシルオキシ)フェノール、pー(エ
イコシルオキシ)フェノール、pー(ドコシルオキシ)
フェノール、pー(テトラコシルオキシ)フェノール、
pードデシルカルバモイルフェノール、pーテトラデシ
ルカルバモイルフェノール、pーヘキサデシルカルバモ
イルフェノール、pーオクタデシルカルバモイルフェノ
ール、pーエイコシルカルバモイルフェノール、pード
コシルカルバモイルフェノール、pーテトラコシルカル
バモイルフェノール、没食子酸ヘキサデシルエステル、
没食子酸オクタデシルエステル、没食子酸エイコシルエ
ステル、没食子酸ドコシルエステル、没食子酸テトラコ
シルエステル等。フェノール化合物としては、下記一般
式(10)で表わされるカフェー酸アルキルエステルを
使用することもできる。
【0036】
【化14】 (ただし、R14は炭素数5〜8のアルキル基である) 一般式(10)で表わされるカフェー酸アルキルエステ
ルの具体例を示すとカフェー酸−n−ベンチル、カフェ
ー酸−n−ヘキシル、カフェー酸−n−オクチル等が挙
げられる。 (d)メルカプト酢酸の金属塩 本発明においてはメルカプト酢酸の金属塩として、一般
式(11)で表わされるアルキル又はアルケニルメルカ
プト酢酸の金属塩を好ましく用いることができる。
【0037】
【化15】 (ただし、R15は炭素数10〜18の脂肪族基を表わ
し、Mはスズ、マグネシウム、亜鉛又は銅を表わす) 一般式(11)で表わされるメルカプト酢酸金属塩の具
体例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
デシルメルカプト酢酸スズ塩、ドデシルメルカプト酢酸
スズ塩、テトラデシルメルカプト酢酸スズ塩、ヘキサデ
シルメルカプト酢酸スズ塩、オクタデシルメルカプト酢
酸スズ塩、デシルメルカプト酢酸メグネシウム塩、ドデ
シルメルカプト酢酸マグネシウム塩、テトラデシルメル
カプト酢酸マグネシウム塩、ヘキサデシルメルカプト酢
酸マグネシウム塩、オクタデシルメルカプト酢酸マグネ
シウム塩、デシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ドデシルメル
カプト酢酸亜鉛塩、テトラデシルメルカプト酢酸亜鉛
塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、オクタデシル
メルカプト酢酸亜鉛塩、デシルメルカプト酢酸銅塩、ド
デシルメルカプト酢酸銅塩、テトラデシルメルカプト酢
酸銅塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸銅塩、オクタデシ
ルメルカプト酢酸銅塩等。
【0038】また、本発明においては、顕色剤は上記の
化合物に限られるものではなく、その他の電子受容性の
種々の化合物を使用することができる。本発明の感熱記
録媒体において顕色剤は発色剤1部に対して1〜20
部、好ましくは2〜10部が使用される。顕色剤は単独
もしくは二種以上混合して適用することができ、発色剤
についても同様に単独もしくは二種以上混合して適用す
ることができる。
【0039】次に、本発明で用いられる感熱発色層中の
バインダー樹脂としては公知の種々の樹脂を使用でき、
例えば、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル類、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合体、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、
エチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリビニル
アセトアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、
ポリアミド等を挙げることができる。以上、本発明の感
熱記録材料の感熱発色層中の主成分であるロイコ染料、
顕色剤、バインダー樹脂の具体例を挙げたがこれらは単
に例であって本発明はこれらに限られるものではない。
また、本発明においては必要に応じ公知の填料、顔料、
界面活性剤、熱可融性物質を添加することができる。
【0040】本発明の保護層に用いる樹脂は、有機溶媒
(トルエン、メチルエチルケトン、アルコール類等)に
溶解して用いることが多いため、これを感熱発色層上
に、塗布すると、ロイコ染料、顕色剤が溶解、接触する
ことにより塗布直後に発色してしまう。この発色を防ぐ
ため、用いる溶媒に不溶、若しくは微溶のロイコ染
料、及び/又は顕色剤を選択して用いる、ロイコ染料
及び/又は顕色剤をマイクロカプセルにより被覆し、染
料と顕色剤が接触しにくくする、感熱発色層上に、樹
脂層を設け、染料と顕色剤が接触しにくくする、等の方
法を採ることが望ましい。この中で、顕色剤として、前
記一般式(1)で表わされる有機リン酸化合物を用いる
ことが、溶媒によるカブリ、発色感度、発色濃度、ヘッ
ドマッチング性の点で好ましい。
【0041】本発明の感熱記録層は発色剤及び顕色剤を
バインダー樹脂と共に水、もしくは有機溶剤中に均一に
分散もしくは溶解しこれを支持体上に塗布、乾燥して作
製するが、塗工方式は特に限定されない。記録層塗布液
が顕色剤を分散した分散液の場合、顕色剤の粒径が保護
層の表面の粗さ、強いては印字時のドット再現性に大き
く関与するので、粒径は0.5μm以下であることが好
ましい。記録層の膜厚は、記録層の組成や感熱記録媒体
の用途にもよるが1〜50μm程度、好ましくは3〜2
0μm程度である。また、記録層塗布液には、必要に応
じて、塗工性の向上あるいは記録特性の向上を目的とし
て、界面活性剤等種々の添加剤を加えることもできる。
【0042】なお、本発明においては、支持体と感熱発
色層との間に、平滑性の向上などの必要に応じて中間層
として顔料、バインダー、熱可融性物質などを含有する
層を設けることができる。
【0043】本発明においては、感熱発色層上に、耐薬
品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに
対するヘッドマッチング性の向上のために保護層が設け
られる。本発明においてはこの保護層には、一般式Iで
表される重合度2000以上の非水溶性のポリビニルア
セタール樹脂が用いられる。一般式I中のRは、炭素数
1から5のアルキル基を表わし、又l,m,nのモル分
数は、lは50から85%であり、mは10%以下であ
り、nは20から40%であることが好ましい。重合度
は2000以下の場合にはスティッキングが大きくサー
マルヘッドにカスがつきやすい。重合度が2000以上
の場合にはスティッキングは良好であり、サーマルヘッ
ドにカスがつきにくく又耐薬品性が良好である。
【0044】
【化1】 (式中Rは水素原子またはアルキル基を表わし、l,
m,nはモル%でl+m+n=100である。)
【0045】また、本発明においては保護層に、アルキ
ッドポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポ
リオール等のポリオールを用い、さらにこれとともにイ
ソシアナート化合物を用いる。この場合のポリオールと
イソシアナートは混合して塗液として同時に塗工して
も、層を分けて別々に塗工してもよい。塗工後、これら
ポリオールとイソシアナートは時間とともに徐々に反応
し、粘着性がなくなり、熱に対する安定性が向上し、ス
ティッキングは良好となり、サーマルヘッドにカスがつ
きにくく又耐薬品性が良好となる。イソシアナート化合
物の具体例としては、トルイレンジイソシアナート、そ
の2量体、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメ
チレンポリフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、ポリイソシアナート及びそれらの誘導
体等分子中にイソシアナート基を2個以上有する化合物
が挙げられる。
【0046】さらに、本発明においては保護層中に、上
記一般式Iで表わされる重合度2000以上の非水溶性
のポリビニルアセタール樹脂と、前記ポリオール及びイ
ソシアナート化合物若しくはこれらが反応して得られる
樹脂とを用いる。本発明においては、顕色剤として、前
記一般式(1)で表わされる有機リン酸化合物を用いる
ことが好ましいが、本顕色剤を用いた場合、併用する架
橋剤としては、特にヘキサメチレンジイソシアナート及
びその誘導体が地肌濃度が低く好ましい。
【0047】これらの樹脂、架橋剤は、保護層として用
いる場合、必要に応じ、従来から公知の無機及び有機フ
ィラーや滑剤、樹脂を添加することができる。これらの
無機又は/及び有機顔料としては、この種の感熱記録材
料に慣用される顔料中の1種又は2種以上を選択するこ
とができる。その具体例としては、炭酸カルシウム、シ
リカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水
酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理さ
れたカルシウムやシリカ等の無機顔料の他、尿素−ホル
マリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリス
チレン樹脂などの有機顔料を挙げることができる。ま
た、滑剤としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹
脂、ステアリン酸、ポリエチレン、カルナバロウ、パラ
フィンワックス、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カル
シウム、エステルワックス等の分散液や溶解液等が挙げ
られる。保護層の塗工方式は、前述の表面平滑性が得ら
れる条件内であれば特に制限はなく、従来公知の方法で
塗工することができる。好ましい保護層厚は0.1〜2
0μm、より好ましくは0.5〜10μmである。保護
層厚が薄すぎると、記録媒体の保存性やヘッドマッチン
グ等の保護層としての機能が不充分であり、厚すぎると
記録媒体の熱感度が低下するし、コスト的にも不利であ
る。
【0048】なお、本発明により感熱記録材料を得る場
合には、ロイコ染料、顕色剤と共に必要に応じこの種の
感熱記録材料に慣用される添加成分、例えば填料、界面
活性剤、滑剤、圧力発色防止剤等を併用することができ
る。この場合、填料として例えば炭酸カルシウム、シリ
カ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸
化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表
面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の
他、尿素−ホルマリン樹脂スチレン/メタクリル酸共重
合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などの
有機系の微粉末を挙げることができ、滑剤としては、前
述したものなどが挙げられる。本発明の感熱記録媒体の
記録方法は仕様目的によって熱ペン、サーマルヘッド、
レーザー加熱等、特に限定されない。また、本発明の感
熱記録材料は保護層の透明性に優れているため透過型の
感熱記録材料としても有用である
【0049】
【実施例】以下本発明を実施例によって説明する。な
お、以下における部及び%はいずれも重量基準である。 実施例1 下記組成物をボールミルで粒径0.3μmまで粉砕・分
散し記録層塗布液を作製した。 [A液] 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール樹脂 6部 (電気化学工業社製、デンカブチラール#3000−2) トルエン 57部 メチルエチルケトン 57部 以上のようにして調製した塗布液を、厚さ75μmのポ
リエステルフィルム上に[A液]を塗布した後乾燥して
厚さ10μmの感熱記録層を形成した。次に、下記組成
の[B液]を十分に撹拌、溶解しこの記録層上に塗布・
乾燥して厚さ2μmの保護層を設け、感熱記録媒体を作
製した。 [B液] ポリビニルアセトアセタール樹脂 10部 (重合度2400、積水化学工業製エスレックKS−5) シリコーン変性アクリル樹脂 5部 (東亜合成製、US−350) メチルエチルケトン 130部
【0050】実施例2 実施例1の保護層中のポリビニルアセトアセタール樹脂
(重合度2400、積水化学工業製エスレックKS−
5)をポリビニルアセトアセタール樹脂(重合度220
0、積水化学工業製エスレックKS−8)に変えた以外
は実施例1と同様にして、感熱記録媒体を作製した。
【0051】実施例3 下記組成の[C液]を十分に撹拌、溶解した。実施例1
の[B液]を[C液]に変えた以外は実施例1と同様に
して感熱記録媒体を作製した。 [C液] ポリエステルポリオール 10部 (日本ポリウレタン工業製、ニッポラン1100) トルイレンジイソシアナート誘導体 13部 (日本ポリウレタン工業製、コロネートL) シリコーン変性アクリル樹脂 5部 (東亜合成製、US−350) メチルエチルケトン 120部
【0052】実施例4 下記組成の[D液]を十分に撹拌、溶解した。実施例1
の[B液]を[D液]に変えた以外は実施例1と同様に
して感熱記録媒体を作製した。 [D液] アクリルポルオール 10部 (大日本インキ化学工業製、アクリディックA−801) ヘキサメチレンジイソシアナート誘導体 13部 (日本ポリウレタン工業製、コロネートHX) シリコーン変性アクリル樹脂 5部 (東亜合成製、US−350) メチルエチルケトン 120部
【0053】比較例1 実施例1と同様にしてポリエステルフィルム上に感熱記
録層を形成した。さらにこの記録層上に[E液]を十分
に撹拌した後、塗布・乾燥して厚さ2μmの保護層を設
け、感熱記録媒体を作製した。 [E液] ポリビニルアセトアセタール樹脂 10部 (重合度500、積水化学工業製エスレックKS−1) シリコーン変性アクリル樹脂 5部 (東亜合成製、US−350) メチルエチルケトン 130部
【0054】比較例2 下記組成物を十分に撹拌した後、ボールミルで体積平均
粒径1.3μmまで粉砕・分散し保護層塗布液用分散液
[F液]を作製した。 [F液] シリカ粉末 30部 (水沢化学製、ミズカシルP−527) ポリビニルアセトアセタール樹脂 3部 (重合度500、積水化学工業製エスレックKS−1) メチルエチルケトン 167部 さらに、下記組成物を十分に撹拌し保護層塗布液を作製
した。 [G液] F液 33部 ポリビニルアセトアセタール樹脂 9.5部 (重合度500、積水化学工業製エスレックKS−1) シリコーン変性アクリル樹脂 5部 (東亜合成製、US−350) メチルエチルケトン 97.5部 実施例1の[B液]を[G液]に変えた以外は実施例1
と同様にして感熱記録媒体を作製した。
【0055】以上のようにして作製した感熱記録媒体を
40℃、湿度約25%の環境下に24時間保管した後、
以下のようにして評価した。 ・画像濃度 大倉電機製感熱印字シュミレーターを用い、下記印字条
件で黒ベタを印字した。 (印字条件)サーマルヘッドドット密度:8 dot/mm 印加電力 :0.68W/dot パルス巾 :0.50msec ライン周期 :10msec/line 印字長 :20cm 印字巾 :5cm 印字画像をX−Rite社製310TRにて透過濃度を
測定した。
【0056】・地肌濃度 非印字部の透過濃度をX−Rite社製310TRにて
測定した。 ・曇り度(HAZE) JIS7150により測定した。 ・スティッキング性 パルス巾を0.70msecにした以外は画像濃度評価
と同様の印字条件で印字し、印字中の感熱記録媒体とサ
ーマルヘッドとの貼り付き音を以下基準で評価した。 (基準) ○・・・貼り付き音ほとんどなし △・・・貼り付き音少しあり ×・・・貼り付き音あり ・ヘッドカス付着 印字長を2mとした以外はスティッキング性と同様な印
字条件で印字した。印字後サーマルヘッドの発熱抵抗体
部を光学顕微鏡で観察し、表面のカス付着状況を以下基
準で評価した。 (基準) ○・・・カスほとんど付着なし △・・・カス少し付着あり ×・・・カス付着あり
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的に説明したよう
に、本発明の感熱記録材料は、保護層中に重合度200
0以上のポリビニルアセタール樹脂を用いるか又はポリ
オール及びイソシアナート化合物を用いることで、プラ
スチックフィルムを支持体として用いた場合の問題であ
る加熱発色時塗布層中の成分が溶融して熱ヘッドに粘着
する現象(以下スティッキングという)がなく、カス付
着が少なく、透明性が高いという優れた効果を発揮す
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルム上にロイコ染料、
    該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤とし
    てのバインダー樹脂を主成分とする感熱発色層、更にそ
    の上に保護層を設けてなる感熱記録材料において、該保
    護層中に下記一般式Iで表される重合度が2000以上
    の非水溶性のポリビニルアセタール樹脂を含むことを特
    徴とする感熱記録材料。 (式中Rは水素原子またはアルキル基を表わし、l,
    m,nはモル%でl+m+n=100である。)
  2. 【請求項2】 プラスチックフィルム上にロイコ染料、
    該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤とし
    てのバインダー樹脂を主成分とする感熱発色層、更にそ
    の上に保護層を設けてなる感熱記録材料において、該保
    護層中にポリオール及びイソシアナート化合物、又はこ
    れらが反応して得られる樹脂が含有されていることを特
    徴とする感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 イソシアナート化合物がヘキサメチレン
    ジイソシアナート又はその誘導体であることを特徴とす
    る請求項2の感熱記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1199749A (ja) * 1997-09-30 1999-04-13 Mitsubishi Paper Mills Ltd 可逆性感熱記録材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1199749A (ja) * 1997-09-30 1999-04-13 Mitsubishi Paper Mills Ltd 可逆性感熱記録材料

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