JPH1158968A - 透明感熱記録材料 - Google Patents

透明感熱記録材料

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JPH1158968A
JPH1158968A JP9233264A JP23326497A JPH1158968A JP H1158968 A JPH1158968 A JP H1158968A JP 9233264 A JP9233264 A JP 9233264A JP 23326497 A JP23326497 A JP 23326497A JP H1158968 A JPH1158968 A JP H1158968A
Authority
JP
Japan
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acid
fluoran
recording medium
methyl
resin
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Application number
JP9233264A
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English (en)
Inventor
Takehito Yamaguchi
岳人 山口
Shinji Takano
新治 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色剤と顕色剤との間の反応と利用した透明
感熱記録媒体において、前記問題点を解決し、熱感度及
び発色画像濃度が向上し、さらに走行性、スティッキン
グ性(ヘッドマッチング性)、支持体と記録層の接着性
に優れ、その製造を容易に行なうことができ、しかも透
明性の優れた透明感熱記録媒体を提供すること。 【解決手段】 透明支持体上に無色又は淡色のロイコ染
料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着
剤としてのバインダー樹脂からなる記録層を形成する感
熱記録媒体において、重合度850以上の一般式(a)
で表わされるポリビニルアセタール樹脂を含有すること
を特徴とする感熱記録媒体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子供与性呈色性化
合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した透
明感熱記録媒体に関し、特にビデオプリンタ用フィル
ム、オーバーヘッドプロジェクター用の画像形成用フィ
ルムシート及びCAD用画像形成用フィルムシートとし
て有用な透明感熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以下顕色剤とも
言う)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く
知られている。近年においては、用途も拡大化しオーバ
ーヘッドプロジェクター用またはジアゾ感光材料を用い
た複写システムの第二原図用さらには設計図面用と要求
がある。サーマルヘッドで直接記録することのできる透
明感熱記録媒体としては、特願昭61−121875号
公報及び特開平1−99873号公報で提案されている
ものがある。
【0003】しかし、これらの透明感熱記録媒体を製造
するには、発色剤をマイクロカプセル化し、さらに、水
に難溶または不溶の有機溶剤に溶解させた顕色剤とを乳
化分散した乳化分散物から成る塗布液を、透明支持体に
塗布して作製するなどかなり複雑な工程が必要である等
の製造上に問題があり、また、透明性が不十分という問
題もあり、更に一般に使用されているパーソナルワープ
ロ用熱転写プリンタでは十分印字できないという問題も
ある。
【0004】最近、特開平5−104859号公報にお
いて熱感度及び発色画像濃度が向上し、更に走行性、ス
ティッキング性(ヘッドマッチング性)に優れ、その製
造を容易に行なうことができ、しかも透明性の優れた透
明感熱記録媒体が提案されている。しかし、この透明感
熱記録媒体は、透明支持体と感熱記録層との間の接着性
に問題があり、透明感熱記録媒体をカッターナイフ等で
切断すると、切り口から記録層が剥がれるといった問題
がある。この問題を解決するため、特開平7−1087
63号公報には、接着層を設ける方法により接着性の向
上をはかっているが、接着層形成による工程数増加、製
造コストの上昇といった問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発色剤と顕
色剤との間の反応と利用した透明感熱記録媒体におい
て、前記問題点を解決し、熱感度及び発色画像濃度が向
上し、さらに走行性、スティッキング性(ヘッドマッチ
ング性)、支持体と記録層の接着性に優れ、その製造を
容易に行なうことができ、しかも透明性の優れた透明感
熱記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
に対して鋭意検討を重ねた結果、上記課題は(1)「透
明支持体上に無色又は淡色のロイコ染料と、該ロイコ染
料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤としてのバイン
ダー樹脂からなる記録層を形成する感熱記録媒体におい
て、重合度850以上の一般式(a)で表わされるポリ
ビニルアセタール樹脂を含有することを特徴とする感熱
記録媒体。
【0007】
【化2】 」、(2)「該記録層中の全バインダー樹脂中に重合度
850以上のポリビニルアセタール樹脂が50%以上含
有されることを特徴とする透明感熱記録媒体。」、
(3)「該透明支持体がポリエステルフィルムであるこ
とを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の感熱
記録媒体。」、(4)「該ポリエステルフィルムの表面
がコロナ放電処理されていることを特徴とする前記
(3)項に記載の感熱記録媒体。」、(5)「感熱記録
媒体が透明感熱記録媒体であることを特徴とする前記
(1)項〜(4)項のいずれか1に記載の感熱記録媒
体。」によって解決されることを見い出した。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の感熱記録媒体の
詳細について説明する。本発明で用いられるロイコ染料
は電子供与性を示す化合物であり、単独または2種以上
混合して適用されるが、それ自体無色或いは淡色の染料
前駆体であり、特に限定されず従来公知のもの、例え
ば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン
系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフルオラン
系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン
系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン
系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタ
ム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクト
ン系等のロイコ化合物が好ましく用いられる。このよう
な化合物の例としては、例えば以下に示すようのものが
挙げられる。
【0009】2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブ
チル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N
−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、
【0010】2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−
3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m
−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルア
ニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N
−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチル
アニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル
−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−
メチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プ
ロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−
6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラ
ン、
【0011】2−(o−クロルアニリノ)−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(o−ブロモアニリノ)−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロルアニリ
ノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(o−フロ
ロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−
(m−トルフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−
(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−
メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−
ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチル
アニリノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)フルオラン、
【0012】2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニ
リノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチ
ルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N
−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−
6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルア
ニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メ
チル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジ
メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)
フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−
p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジ
プロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリ
ノ)フルオラン、
【0013】2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)
フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)
フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニ
リノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−
p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピ
ル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−メチル−p−クロルアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p
−クロルアニリノ)フルオラン、
【0014】2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフ
ルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−クロル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−クロル−6−ジプロピルアミノフルオラン、3
−クロル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−
ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−ク
ロル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フル
オラン、2−クロル−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−3−
クロル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−
(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロル−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロルア
ニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、
【0015】1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフル
オラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソ
アミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブ
チルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エ
チル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2
−ベンゾ−6−(N−エチル−トルイジノ)フルオラ
ン、その他。
【0016】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと以下のとおりである。2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N
−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロルアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロルアニリノ)−6−(N−n−パルチミル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロルアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、
【0017】2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル
−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベ
ンゾイルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ
−4−メトキシ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)
フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−
(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α
−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t
−ブチル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシカルボニルアニリノ)−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6
−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−(m−トリフルオロメチルアニル
ノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ
−3−クロル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ジ
ベンジルアミノ−4−クロル−6−(N−エチル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルア
ミノ)−4−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−ベンジル−p−トリフロロメチルアニリノ)
−4−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、
【0018】2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジ
ノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−ピロリ
ジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−N−テトラドロフルフリルアミノ)フルオラ
ン、2−メシチジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニ
リノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−
(α−ナフチルアミノ)−3,4−ベンゾ−4’−ブロ
モ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)
フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロロメチ
ルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ
−N−p−クロルフェニル−メチルアミノ)−6−ピロ
リジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−トリ
フロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラ
ン、
【0019】1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−
n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6
−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−
(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラ
ン、ベンゾロイコメチレンブル−、2−(3,6−ビス
(ジエチルアミノ))−6−(o−クロルアニリノ)キ
サンチル安息香酸ラクタム、2−(3,6−ビス(ジエ
チルアミノ))−9−(o−クロルアニリノ)キサンチ
ル安息香酸ラクタム、3,3−ビス−(p−ジメチルア
ミノフェニル)フタリド、3,3−ビス−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビ
ス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルア
ミノフタリド、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス−(p−
ジブチルアミノフェニル)フタリド、
【0020】3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノ
フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロル
フェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメ
チルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロ
ルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジ
メトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−
クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4
−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5
−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−
4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−
5−メチルフェニル)フタリド、3,6−ビス−(ジメ
チルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジ
メチルアミノフタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ
−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−
2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン等。
【0021】次に、本発明で用いられる顕色剤は電子受
容性の化合物であり、従来公知の種々の電子受容性顕色
剤を用いることができるが、透明性の点から本発明でよ
り好ましいのは、特開平3−124360号公報等で示
した長鎖アルキル基を分子内に含む電子受容性顕色剤で
ある。例えば、炭素数12以上の脂肪族基を持つ有機リ
ン酸化合物や脂肪族カルボン酸化合物やフェノール化合
物、又は炭素数10〜18の脂肪族基をもつメルカプト
酢酸の金属塩、或いは炭素数5〜8のアルキル基を持つ
カフェー酸のアルキルエステルや炭素数16以上の脂肪
族基を持つ酸性リン酸エステル等である。脂肪族基に
は、直鎖状または分岐状のアルキル基、アルケニル基が
包含され、ハロゲン、アルコキシ基、エステル等の置換
基を持っていても良い。以下にその顕色剤について具体
例を例示する。
【0022】有機リン酸化合物 下記一般式(1)で表わされるものが好ましく用いられ
る。
【0023】
【化3】 (式中、R1は炭素数12〜24の直鎖状アルキル基を
表わす。) 一般式(1)で表わされる有機リン酸化合物の具体例と
しては、例えば以下のようなものがあげられる。ドデシ
ルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシル
ホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホス
ホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン
酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸
等。
【0024】有機リン酸化合物としては、下記一般式
(2)で表わされるα−ヒドロキシアルキルホスホン酸
も好ましく使用される。
【0025】
【化4】 (式中、R2は炭素数11〜29の脂肪族基である。) 一般式(2)で表わされるα−ヒドロキシアルキルホス
ホン酸を具体的に示すと、α−ヒドロキシドデシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α−
ヒドロキシヘキサデシルホスホン酸、α−ヒドロキシオ
クタデシルホスホン酸、α−ヒドロキシエイコシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシドコシルホスホン酸、α−ヒド
ロキシテトラコシルホスホン酸等が挙げられる。
【0026】有機リン酸化合物としては、下記一般式
(3)で表わされる酸性有機リン酸エステルも使用され
る。
【0027】
【化5】 (式中、R3は炭素数16以上の脂肪族基を、R4は水素
原子または炭素数1以上の脂肪族基を表わす。) 一般式(3)で表わされる酸性有機リン酸エステルを具
体的に示すと、ジヘキサデシルホスフェート、ジオクタ
デシルホスフェート、ジエイコシルホスフェート、ジド
コシルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェート、
モノオクタデシルホスフェート、モノエイコシルホスフ
ェート、モノドコシルホスフェート、メチルヘキサデシ
ルホスフェート、メチルオクタデシルホスフェート、メ
チルエイコシルホスフェート、メチルドコシルホスフェ
ート、アミルヘキサデシルホスフェート、オクチルヘキ
サデシルホスフェート、ラウリルヘキサデシルホスフェ
ート等が挙げられる。
【0028】脂肪族カルボン酸化合物 下記一般式(4)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪酸類
が好ましく用いられる。
【0029】
【化6】 (式中、R5は炭素数12以上の脂肪族基を表わす。) 下記一般式(4)で表されるα−ヒドロキシ脂肪族カル
ボン酸化合物としては、例えば以下のものが挙げられ
る。α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデ
カン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキ
シオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α
−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン
酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘ
キサコカン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。
【0030】脂肪族カルボン酸化合物としては、ハロゲ
ン元素で置換された炭素数12以上の脂肪族基を持つ脂
肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位またはβ
位の炭素にハロゲン元素を持つものも好ましく用いられ
る。このような化合物の具体例としては、例えば以下の
ものを挙げることができる。2−ブロモヘキサデカン
酸、2−ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカ
ン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン
酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカ
ン酸、3−ブロモエイコサン酸、2、3−ジブロモオク
タデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテ
トラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フル
オロオクタデカン酸、2−フルオエイコサン酸、2−フ
ルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨ
ードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、2−
ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸
等。
【0031】脂肪族カルボン酸化合物としては、炭素中
にオキソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基を有する脂
肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位またはβ
位またはγ位の炭素がオキソ基となっているものが好ま
しく用いられる。このような化合物の具体例としては、
例えば以下のものを挙げることができる。2−オキソド
デカン酸、2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキ
サデカン酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエ
イコサン酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソド
デカン酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキ
サデカン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエ
イコサン酸、3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘ
キサデカン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソ
ドコサン酸等。
【0032】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(5)で表わされる二塩基酸も好ましく用いられ
る。
【0033】
【化7】 (式中、R6は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、X
は酸素原子または硫黄原子を表わし、nは1または2を
表わす。) 一般式(5)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルリンゴ酸、テ
トラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデ
シルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ
酸、テトラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テ
トラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、
オクタデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、
ドコシルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、ド
デシルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、
エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ酸、
テトラコシルジチオリンゴ酸等。
【0034】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(6)で表される二塩基酸も好ましく用いられる。
【0035】
【化8】 (式中、R7,R8,R9は水素又は脂肪族基を表わし、
このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基で
ある。) 一般式(6)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルブタン二酸、
トリデシルブタン二酸、テトラデシルブタン二酸、ペン
タデシルブタン二酸、オクタデシルブタン二酸、エイコ
シルブタン二酸、ドコシルブタン二酸、2,3−ジヘキ
サデシルブタン二酸、2,3−ジオクタデシルブタン二
酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、2−メチル
−3−テトラデシルブタン二酸、2−メチル−3−ヘキ
サデシルブタン二酸、2−エチル−3−ドデシルブタン
二酸、2−プロピル−3−ドデシルブタン二酸、2−オ
クチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−テトラデシ
ル−3−オクタデシルブタン二酸等。
【0036】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(7)で表わされる二塩基酸も好ましく用いられ
る。
【0037】
【化9】 (式中、R10、R11は水素又は脂肪族基を表わし、この
うち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基であ
る。) 一般式(7)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルマロン酸、テ
トラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデ
シルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン
酸、テトラコシルマロン酸、ジドテシルマロン酸、ジテ
トラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオク
タデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシル
マロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルドコシ
ルマロン酸、メチルテトラコシルマロン酸、エチルオク
タデシルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エチル
ドコシルマロン酸、エチルテトラコシルマロン酸等。
【0038】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(8)で表わされる二塩基酸も好ましく用いられ
る。
【0039】
【化10】 (式中、R12は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、n
は0または1を表わし、mは1,2または3を表わし、
nが0の場合、mは2または3であり、nが1の場合m
は1または2を表わす。) 一般式(8)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。2−ドデシル−ペンタ
ン二酸、2−ヘキサデシル−ペンタン二酸、2−オクタ
デシル−ペンタン二酸、2−エイコシル−ペンタン二
酸、2−ドコシル−ペンタン二酸、2−ドデシル−ヘキ
サン二酸、2−ペンタデシル−ヘキサン二酸、2−オク
タデシル−ヘキサン二酸、2−エイコシル−ヘキサン二
酸、2−ドコシル−ヘキサン二酸等。
【0040】脂肪族カルボン酸化合物としては、長鎖脂
肪酸によりアシル化されたクエン酸などの三塩基酸も好
ましく用いられる。その具体例としては、例えば下記表
1に示したものが挙げられる。
【0041】
【表1】
【0042】フェノール化合物 下記一般式(9)で表わされる化合物が好ましく用いら
れる。
【0043】
【化11】 (ただし、Yは−S−,−O−,−CONH−または−
COO−を表わし、R13は炭素数12以上の脂肪族基を
表わし、nは1,2または3の整数である。) 一般式(9)で表わされるフェノール化合物の具体例と
しては、例えば以下のものが挙げられる。p−(ドデシ
ルチオ)フェノール、p−(テトラデシルチオ)フェノ
ール、p−(ヘキサデシルチオ)フェノール、p−(オ
クタデシルチオ)フェノール、p−(エイコシルチオ)
フェノール、p−(ドコシルチオ)フェノール、p−
(テトラコシルチオ)フェノール、p−(ドデシルオキ
シ)フェノール、p−(テトラデシルオキシ)フェノー
ル、p−(ヘキサデシルオキシ)フェノール、p−(オ
クタデシルオキシ)フェノール、p−(エイコシルオキ
シ)フェノール、p−(ドコシルオキシ)フェノール、
p−(テトラコシルオキシ)フェノール、p−ドデシル
カルバモイルフェノール、p−テトラデシルカルバモイ
ルフェノール、p−ヘキサデシルカルバモイルフェノー
ル、p−オクタデシルカルバモイルフェノール、p−エ
イコシルカルバモイルフェノール、p−ドコシルカルバ
モイルフェノール、p−テトラコシルカルバモイルフェ
ノール、没食子酸ヘキサデシルエステル、没食子酸オク
タデシルエステル、没食子酸エイコシルエステル、没食
子酸ドコシルエステル、没食子酸テトラコシルエステル
等。
【0044】フェノール化合物としては、下記一般式
(10)で表わされるカフェー酸アルキルエステルを使
用することもできる。
【0045】
【化12】 (式中、R14は炭素数5〜8のアルキル基である。) 一般式(10)で表わされるカフェー酸アルキルエステ
ルの具体例を示すと、カフェー酸−n−ペンチル、カフ
ェー酸−n−ヘキシル、カフェー酸−n−オクチル等が
挙げられる。
【0046】メルカプト酢酸の金属塩 一般式(11)で表わされるアルキルまたはアルケニル
メルカプト酢酸の金属塩を好ましく用いることができ
る。
【0047】
【化13】 (式中、R15は炭素数10〜18の脂肪族基を表わし、
Mはスズ、マグネシウム、亜鉛又は銅を表わす。) 一般式(11)で表わされるメルカプト酢酸金属塩の具
体例としては、例えば以下のものが挙げられる。デシル
メルカプト酢酸スズ塩、ドデシルメルカプト酢酸スズ
塩、テトラデシルメルカプト酢酸スズ塩、ヘキサデシル
メルカプト酢酸スズ塩、オクタデシルメルカプト酢酸ス
ズ塩、デシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、ドデシル
メルカプト酢酸マグネシウム塩、テトラデシルメルカプ
ト酢酸マグネシウム塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸マ
グネシウム塩、オクタデシルメルカプト酢酸マグネシウ
ム塩、デシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ドデシルメルカプ
ト酢酸亜鉛塩、テトラデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ヘ
キサデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、オクタデシルメルカ
プト酢酸亜鉛塩、デシルメルカプト酢酸銅塩、ドデシル
メルカプト酢酸銅塩、テトラデシルメルカプト酢酸銅
塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸銅塩、オクタデシルメ
ルカプト酢酸銅塩等。
【0048】また、本発明においては、顕色剤として上
記に記載した化合物に限られるものではなく、一般的な
4,4’−イソプロピリデンビスフェノールや4,4’
−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)のよ
うなフェノール系顕色剤やサリチル酸、カルボン酸系顕
色剤、金属塩系顕色剤等のその他の電子受容性の種々の
化合物を使用することができる。
【0049】本発明の感熱記録媒体において顕色剤は発
色剤1部に対して1〜20部好ましくは2〜10部であ
る。顕色剤は単独もしくは二種以上混合して適用するこ
とができ、発色剤についても同様に単独もしくは二種以
上混合して適用することができる。本発明における感熱
記録媒体の記録層のバインダーは、該支持体と記録層の
接着性を改善する目的で重合度850以上の一般式
(a)で表わされるポリビニルアセタール樹脂を含有す
ることができる。
【0050】
【化14】
【0051】これら、ポリビニルアセタール樹脂は、単
独もしくは2種類以上混合しても良い。さらにまた、透
明性、画像の階調性等を改善するために、従来公知のバ
インダー樹脂を必要に応じて混合することができる。こ
れらの樹脂としては、例えば、ポリアクリルアミド、マ
レイン酸共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタ
クリル酸エステル類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、
ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビニル
アセタール、ポリビニルアセトアセタール、ポリカーボ
ネート、エポキシ樹脂、ポリアミド等がある。樹脂の屈
折率と支持体の屈折率の比が0.8〜1.2の間である
ものを使用するのが透明性の観点から好ましい。また、
感熱発色層中のバインダー樹脂の含有量についても透明
性の観点から感熱発色層の全固形分の15%以上である
ことが好ましく、基材接着性、発色性等を考慮したより
好ましい範囲としては25〜40%の範囲である。記録
層全バインダー樹脂中における重合度850以上のポリ
ビニルアセタール樹脂の含有量が接着性を考慮すると5
0%以上含有されることが特に好ましい。
【0052】以上、本発明の感熱記録材料の感熱発色層
中の主成分である。ロイコ染料、顕色剤、バインダー樹
脂の具体例を挙げたがこれらに限るものではない。ま
た、必要に応じ公知の填料、顔料、界面活性剤、熱可融
性物質を添加することができる。
【0053】本発明の感熱記録層は発色剤及び顕色剤を
バインダー樹脂とともに水もしくは有機溶剤中に均一に
分散もしくは溶解しこれを支持体上に塗布、乾燥して作
製するが、塗工方式は特に限定されない。記録層塗布液
に顕色剤を分散した分散液を用いた場合、顕色剤の粒径
が保護層の表面粗さ、ひいては印字時のドット再現性に
大きく関与するので、粒径は0.5μm以下が好まし
い。記録層の膜厚は、記録層の組成や感熱記録媒体の用
途にもよるが1〜50μm程度、好ましくは3〜20μ
m程度である。また、記録層塗布液には、必要に応じ
て、塗工性の向上或いは記録特性の向上を目的に界面活
性剤等種々の添加剤を加えることもできる。
【0054】本発明で使用する透明支持体は、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロー
ス誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等の
ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム或いは
これらを貼り合わせたフィルムである。支持体の透明性
はシート全体の透明性にも影響を及ぼすことから本発明
においては支持体のHaze度は10%以下の支持体を
使用することが好ましい。中でも、ポリエステルフィル
ムが機械的な強さ、適度なスティフネス、耐熱性、耐溶
剤性があり、特に好ましい。さらにより好ましくは、ポ
リエステルフィルム表面の接着性向上のため、コロナ放
電処理を施す事によりさらに接着性の優れた感熱記録媒
体が提供される。
【0055】本発明においては、感熱発色層上に、耐薬
品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに
体するヘッドマッチング性の向上のために保護層が設け
られる。保護層に用いられる樹脂としては、水溶性樹脂
の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線、電子
線硬化樹脂等が挙げられる。樹脂の具体例としてはポリ
(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、エチルセル
ロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、セルロールアセテートプロピオネ
ート、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリエ−テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂等がある。ま
た、必要に応じて架橋剤を添加することもできる。この
ような樹脂とともに用いる架橋剤としては、従来からの
公知の化合物を使用することができる。また、透明性の
観点から本発明における保護層樹脂は透明支持体との屈
折率の比が0.8〜1.2の間である樹脂を使用するの
が好ましい。
【0056】本保護層中には、ヘッドマッチング性を向
上させる目的で充填剤、ワックス、オイル類を添加する
ことも可能である。充填剤の例としてはホスフィートフ
ァイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウ
ム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭
酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、板状
水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タル
ク、焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の無機フィラ
ーや架橋ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シ
リコーン樹脂、架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレー
ト樹脂、メラミンーホルムアルデヒド樹脂等の有機フィ
ラーが挙げられるが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0057】ワックス類の例としては、ステアリン酸ア
マイド、パルミチン酸アマイド、オレイン酸アマイド、
ラウリン酸アマイド、エチレンビスステアロアマイド、
メチレンビスステアロアマイド、メチロールステアロア
マイド、パラフィンワックス、ポリエチレン、カルナバ
ワックス、酸化パラフィン、ステアリン酸亜鉛等が挙げ
られる。オイルとしては一般的なシリコンオイル等を用
いることができる。
【0058】保護層の塗工方式は、特に制限はなく、従
来公知の方法で塗工することができる。好ましい保護層
厚は0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μ
mである。保護層厚が薄すぎると、記録媒体の保存性や
ヘッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であ
り、厚すぎると記録媒体の熱感度が低下するし、コスト
的にも不利である。本発明の感熱記録媒体の記録方法は
仕様目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加
熱等特に限定されない。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に
説明する。なお、以下における「部」及び「%」はいず
れも重量基準である。粒径についてはレーザー回折式粒
径測定装置(HORIBA LA−700)で測定した
結果を記載した。 実施例1 下記組成物をボールミルで粒径0.3μmまで粉砕・分
散し記録層塗布液を作製した。 [A液] 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール 2部 (電気化学工業社製、デンカブチラール#3000−2:重合度700) ポリビニルアセトアセタール 6部 (積水化学製、エスレックKS−3Z:重合度2000) トルエン 14部 メチルエチルケトン 100部 以上の様にして調整した塗布液を厚さ75μmのポリエ
ステルフィルム(ユニチカ(株)製エンブレットS−7
5 表面処理なし)上に[A液]を塗布した後乾燥して
厚さ約10μmの感熱記録層を形成した。
【0060】次に、下記組成物をボールミルで分散し充
填剤分散液[B液]を作製した。 [B液] メラミンーホルムアルデヒド共重合体粒子 30部 (日本触媒社製、エポスターS、平均粒径0.3μm) ポリビニルアセトアセタール樹脂溶解液 30部 (積水化学社製、KS−1、10%MEK溶解液) メチルエチルケトン 140部 この時の分散液の粒径は0.201μmであった。
【0061】さらに、下記組成物を十分に撹拌し保護層
塗布液[C液]を作製した。 [C液] B液 100部 ポリビニルアセトアセタール樹脂溶解液 35部 (積水化学社製、KS−1、10%MEK溶解液) メチルエチルケトン 65部 以上の様にして調整した保護層塗布液[C液]を、超音
波処理を15分行った後、先に得られた感熱記録層上に
塗布、乾燥して、厚さ1.5μmの保護層を設け、本発
明の透明感熱記録媒体を製作した。このようにして作製
したサンプルを下記接着製試験法、印字試験法、透明性
試験法で接着性、透過濃度、透明性の評価をおこなっ
た。評価結果を表2に示す。
【0062】実施例2 実施例1の[A液]を下記組成にした以外は、実施例1
と同様にして感熱記録層、保護層を形成し接着性、透過
濃度、透明性の評価をおこなった。評価結果を表2に示
す。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール 2部 (電気化学工業社製、デンカブチラール#3000−2:重合度700) ポリビニルアセトアセタール 6部 (積水化学社製、エスレックKS5Z:重合度2400) トルエン 14部 メチルエチルケトン 100部
【0063】実施例3 実施例1の[A液]を下記組成にした以外は、実施例1
と同様にして感熱記録層、保護層を形成し接着性、透過
濃度、透明性の評価をおこなった。評価結果を表2に示
す。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール 2部 (電気化学工業社製、デンカブチラール#3000−2:重合度700) ポリビニルアセトアセタール 6部 (積水化学社製、エスレックBM−S:重合度850) トルエン 14部 メチルエチルケトン 100部
【0064】実施例4 実施例1の[A液]を下記組成にした以外は、実施例1
と同様にして感熱記録層、保護層を形成し接着性、透過
濃度、透明性の評価をおこなった。評価結果を表2に示
す。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール 2.4部 (電気化学工業社製、デンカブチラール#3000−2:重合度700) ポリビニルアセトアセタール 5.6部 (積水化学社製、エスレックBM−S:重合度850) トルエン 14部 メチルエチルケトン 100部
【0065】実施例5 実施例1の[A液]を下記組成にした以外は、実施例1
と同様にして感熱記録層、保護層を形成し接着性、透過
濃度、透明性の評価をおこなった。評価結果を表2に示
す。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール 2部 (電気化学工業社製、デンカブチラール#3000−2:重合度700) ポリビニルアセトアセタール 6部 (積水化学社製、エスレックBX1:重合度1700) トルエン 14部 メチルエチルケトン 100部
【0066】実施例6〜10 実施例1〜5で用いた、厚さ75μmポリエステルフィ
ルム(ユニチカ(株)製エンブレットS−75 表面処
理なし)を厚さ75μmポリエステルフィルム(ユニチ
カ(株)製エンブレットS−75 両面コロナ処理)に
代えた以外は、実施例1〜5と同様にして感熱記録層、
保護層を形成し接着性、透過濃度、透明性の評価をおこ
なった。評価結果を表2に示す。
【0067】比較例1 実施例1の[A液]を下記組成にした以外は、実施例1
と同様にして感熱記録層、保護層を形成し接着性、透過
濃度、透明性の評価をおこなった。評価結果を表2に示
す。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール 2部 (電気化学工業社製、デンカブチラール#3000−2:重合度700) ポリビニルアセトアセタール 6部 (積水化学社製、エスレックKS1:重合度500) トルエン 14部 メチルエチルケトン 100部
【0068】比較例2 比較例1で用いた、厚さ75μmポリエステルフィルム
(ユニチカ(株)製エンブレットS−75 表面処理な
し)を厚さ75μmポリエステルフィルム(ユニチカ
(株)製エンブレットS−75 両面コロナ処理)に代
えた以外は、比較例1と同様にして感熱記録層、保護層
を形成し接着性、透過濃度、透明性の評価をおこなっ
た。評価結果を表2に示す。
【0069】比較例3 実施例1の[A液]を下記組成にした以外は、実施例1
と同様にして感熱記録層、保護層を形成し接着性、透過
濃度、透明性の評価をおこなった。評価結果を表2に示
す。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール 8部 (電気化学工業社製、デンカブチラール#3000−2:重合度700) トルエン 14部 メチルエチルケトン 100部
【0070】なお、評価は次のような方法によって行な
った。 接着性試験法 感熱記録媒体の保護層形成面からカッターナイフで切断
し、切り口を光学顕微鏡で観察し、記録層のはがれを以
下の基準で評価した。 5点 はがれなし 4点 切り口面のはがれ10%以下 3点 切り口面のはがれ30%以下(事実上問題無し) 2点 切り口面のはがれ50%以下(事実上問題あり) 1点 切り口面の全面がはがれ 透過濃度試験法 サーマルヘッド(印字エネルギー:10.7mj/mm
2)で印字し、印字部と地肌部の透過濃度をX−Rit
e309TR(XRITE COMPANY製)透過濃
度計で測定した。 透過性試験法 JISK7105により直読ヘイズコンピュータHGM
−2DP(スガ試験機(株)製)でヘイズ値を測定し
た。
【0071】
【表2】評価結果
【0072】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明により明ら
かなように、本発明の透明感熱記録媒体は、透明支持体
上に無色又は淡色のロイコ染料と該ロイコ染料を加熱発
色せしめる顕色剤及び結着剤としてのバインダー樹脂か
らなる記録層を形成する感熱記録媒体において、重合度
850以上のポリビニルアセタール樹脂を含有すること
により該支持体と記録層の接着性が向上し、感熱記録媒
体をカッターナイフ等で切った場合でも切り口から記録
層がはがれてしまうことを防ぎ、かつ、地肌濃度、画像
濃度、透明性の点でも優れているという極めて顕著な効
果を発揮する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に無色又は淡色のロイコ染
    料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着
    剤としてのバインダー樹脂からなる記録層を形成する感
    熱記録媒体において、重合度850以上の一般式(a)
    で表わされるポリビニルアセタール樹脂を含有すること
    を特徴とする感熱記録媒体。 【化1】
  2. 【請求項2】 該記録層中の全バインダー樹脂中に重合
    度850以上のポリビニルアセタール樹脂が50%以上
    含有されることを特徴とする透明感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 該透明支持体がポリエステルフィルムで
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 該ポリエステルフィルムの表面がコロナ
    放電処理されていることを特徴とする請求項3に記載の
    感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 感熱記録媒体が透明感熱記録媒体である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の感
    熱記録媒体。
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