JPH10264537A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルヘッドを用いて文字等を書込み（白
濁化）、ついでこれを消去（透明化）する動作を行う
と、書込み時に形成された文字等の痕跡が残り、消去し
たはずの情報を読みとれるという不都合があり、またつ
ぎに書込んだ文字等の明瞭度が低下するという現象が起
こる。 【解決手段】 シート状基材と、加熱により透明状態と
白濁状態とを可逆的に繰り返す可逆性感熱記録層と、こ
の可逆性感熱記録層の背面側に設けられた反射層とを備
えた可逆性感熱記録媒体において、可逆性感熱記録媒体
の表面からみて前記可逆性感熱記録層よりも背面側に、
紫外線硬化型樹脂からなる硬化層を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、可逆性感熱記録媒
体に関し、とくに温度の変化により透明度を変化させる
ことで所望の文字、数字、記号、パターン等（以下「文
字等」と記す）を可逆的に書き込むことが可能な可逆性
感熱記録媒体に関する。本発明の可逆性感熱記録媒体
は、たとえば各種のプリペイド方式の磁気カードの磁気
記録内容に対応した文字等を印字して、磁気記録内容を
目視可能とする用途に有効に利用できる。

【０００２】

【従来の技術】可逆性感熱記録媒体において、可逆性感
熱記録塗料を用いて形成された可逆性感熱記録層は、外
部から熱を加えられたときに、その温度に応じて、透明
な状態から白濁状態までの範囲でその光透過性を変え、
冷却後にはその状態を保持する性質をもつので、文字等
を書換え可能に書き込むことができ、通常は透明状態の
背景に白濁させた文字等を書き込んでいる。このような
可逆性感熱記録材料として、たとえば特開昭６３−３９
３７８号、特開昭６３−１３０３８０号、特開平２−１
３６３号公報等に記載されたものが知られている。

【０００３】これら公知の可逆性感熱記録塗料は、基本
的には、 (1) 樹脂母材 (2) 有機低分子物質 (3) 有機溶媒 の３成分からなっている。樹脂母材としては、一般に塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体が使用されている。また
有機低分子物質としては、炭素数１６〜２４程度の脂肪
酸、たとえばステアリン酸あるいはベヘン酸が多く用い
られている。有機溶媒は、樹脂母材、有機低分子物質を
溶解し得るもので、一般的にはテトラヒドロフラン（Ｔ
ＨＦ）が使用される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような組成の可逆
性感熱記録塗料を用いて形成された可逆性感熱記録層に
おいて、サーマルヘッドを用いて文字等を書込み（白濁
化）、ついでこれを消去（透明化）する動作を行うと、
書込み時に形成された文字等の痕跡が残り、消去したは
ずの情報を読みとれるという不都合がある。この現象
は、書込み時にサーマルヘッドから可逆性感熱記録層に
加えられる熱と圧力により、可逆性感熱記録層の背面側
に設けられている反射層またはシート状基材が、書込ま
れた文字等に対応してわずかに陥没し、これが反射光に
よりイメージ（以下「残像」という）を形成することで
起こる。

【０００５】一般に、サーマルヘッドによる印字時にお
いて、その温度は表面で約２００〜３００℃、可逆性感
熱記録層に加えられる圧力は線圧で２５０〜３００ｇ／
ｃｍにも達するといわれており、このときの熱および圧
力により、耐熱性が約７０℃程度であるシート状基材が
変形され、これに接して設けられている反射層に凹凸が
生じるか、またはシート状基材の変形そのものが観察さ
れる。これが前述の残像を発生する原因である。またこ
の残像は、その上に重ねて新たな文字等を印字した場
合、この文字等の鮮明度を低下させることにもなる。

【０００６】本発明は、前述のような従来の可逆性感熱
記録媒体における、印字／消去後の残像の問題点を解消
し、消去した情報の漏洩を防止できるとともに、新たに
印字された文字等の明瞭度を向上させることができるよ
うにした可逆性感熱記録媒体を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、シート
状基材と、加熱により透明状態と白濁状態とを可逆的に
繰り返す可逆性感熱記録層と、この可逆性感熱記録層の
背面側に設けられた反射層とを備えた可逆性感熱記録媒
体において、前記可逆性感熱記録媒体の表面からみて前
記可逆性感熱記録層よりも背面側に、紫外線硬化型樹脂
からなる硬化層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記
録媒体が提供される。

【０００８】この硬化層は、顔料を含有していてもよ
い。

【０００９】従来から、可逆性感熱記録塗料に、紫外線
で硬化する紫外線硬化型樹脂と、この紫外線硬化型樹脂
の重合を開始させるための光重合開始剤とを含有させ、
この塗料の塗工後に、紫外線を照射して紫外線硬化型樹
脂を硬化させることも行われている。たとえば、特公平
７−７５９１４号公報には、樹脂母材を、たとえばイソ
シアネート、エポキシ系架橋剤により架橋させることが
提案されている。しかしながら、これら従来の提案は、
すべて可逆性感熱記録層の硬度を増加させて、繰り返し
印字／消去に対する耐久性を向上させることを意図した
ものであり、それでもなお、上記のような残像の問題を
なくすことはできなかった。

【００１０】ところが本発明によれば、可逆性感熱記録
層の背面側に紫外線硬化型樹脂からなる硬化層を設ける
ことにより、サーマルヘッドによる印字によって反射層
やシート状基材の表面に凹凸が形成されるのを効果的に
防止し、前述の残像の発生を阻止することが可能であ
る。反射層と可逆性感熱記録層との間に硬化層を形成し
た場合には、可逆性感熱記録層の塗工時やハードコート
層の塗工時に反射層が傷つけられるのを効果的に防止す
るという効果も得られる。

【００１１】本発明の可逆性感熱記録媒体において、硬
化層に使用する紫外線硬化型樹脂は、サーマルヘッドに
よる印字時に受ける熱および圧力に対して安定であり、
上記のような残像防止効果を示すのに必要な耐熱性と硬
度とを有するものである。具体的には、ウレタンアクリ
レート、エポキシアクリレート、不飽和ポリエステル等
が挙げられる。

【００１２】硬化層は、可逆性感熱記録媒体の表面から
各層を透過して入射し、反射層で反射して可逆性感熱記
録媒体の表面から出る光の透過を妨げないように、でき
るだけ透明度の高いものであることが望ましいが、可逆
性感熱記録層に白濁した領域として記録された文字等を
他の領域から目立ちやすくするために、着色させること
も可能である。この着色は、可逆性感熱記録層を構成す
る塗料中に適当な染料または顔料を添加することにより
行うことができるが、サーマルヘッドからの熱を受けて
も退色し難い、フタロシアニンブルー等の顔料が好まし
い。

【００１３】紫外線硬化型樹脂塗料に対する顔料の添加
量に特に制限はないが、添加量が過大になると硬化層の
耐熱性が低下する傾向がみられるので、顔料の添加量
は、樹脂１００重量部に対して０．０１〜１０部、好ま
しくは０．１〜５重量部である。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施例による可
逆性感熱記録媒体を、図１〜３に示したカードに適用し
た場合について説明する。

【００１５】まず図１に示す可逆性感熱記録媒体は、シ
ート状基材１上に、反射層３、可逆性感熱記録層４、目
止層５、およびハードコート６をこの順序で形成した層
構成を有し、可逆性感熱記録層４の表面に、必要に応じ
て印刷層７が設けられる。そして反射層３と可逆性感熱
記録層４との間に、硬化層８が設けられている。

【００１６】また図２に示した例では、図１において平
滑層２を省略し、シート状基材１上に直接反射層３が設
けられ、反射層３と可逆性感熱記録層４との間に硬化層
８が設けられている。

【００１７】さらに図３の例では、シート状基材１とし
て透明樹脂シートを用い、反射層３はシート状基材１の
背面側に設けられ、シート状基材１と可逆性感熱記録層
４との間に硬化層８が設けられている。

【００１８】ここで他の各層について説明すると、シー
ト状基材１として、たとえばポリエチレンテレフタレー
ト、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネ
ート等の合成樹脂シート、あるいは合成紙等を用いるこ
とができる。

【００１９】平滑層２は、この上に形成される反射層３
の表面が鏡面となるように適度な平滑性を与えるもので
ある。ただし、平滑性に優れたシート状基材、たとえば
表面光沢仕上げされたシート状基材上に直接反射層を形
成するときなどには、必ずしも必要ではなく、適宜必要
に応じて設けられる。

【００２０】反射層３は、アルミニウム、スズ等の金属
を蒸着により数百オングストローム、好ましくは３００
〜１０００オングストロームの厚さに形成され、その上
に形成される可逆性感熱記録層５の文字等の情報を反射
光で見やすくするものである。

【００２１】可逆性感熱記録層４は、樹脂母材、有機低
分子物質、および必要に応じて添加される低Ｔｇ樹脂を
有機溶剤に溶解した塗料を用い、反射層３上に、ワイヤ
ーバーのような適宜の塗布手段により塗布、乾燥して、
たとえば厚さ約４μｍの厚さに設けられる。

【００２２】樹脂母材に用いられる樹脂としては、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体にアクリル酸を
エステル結合させた樹脂、塩化ビニル−アクリレート共
重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、
ポリメタクリレート、アクリレート−メタクリレート共
重合体等が挙げられる。これらは単独で、または２種以
上混合して用いられる。

【００２３】また本発明において、可逆性感熱記録層に
は、透明化温度範囲を拡大させるために、樹脂母材より
低いガラス転移点（Ｔｇ）、好ましくは５０℃以下のガ
ラス転移点をもつ樹脂を必要に応じて含有させることが
でき、このような樹脂としてはアクリル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、あるいはポリアミド系樹脂を使用するこ
とが好ましい。

【００２４】本発明の可逆性感熱記録媒体の可逆性感熱
記録層に含有される有機低分子物質は、炭素数１６〜２
４程度の高級脂肪酸、炭素数１４以上のオキシ酸、好ま
しくは炭素数１４以上で水酸基を２以上もつオキシ酸、
またはジカルボン酸、好ましくは炭素数２６以下のジカ
ルボン酸、炭素数１１以上の脂肪族カルボン酸のアルキ
ルエステル、または炭素数１４〜３２のアルコールと炭
素数１６から２４のジカルボン酸とのジエステル等が使
用できる。

【００２５】具体的にはパルミチン酸、ステアリン酸、
ベヘン酸、ノナデカン酸等の高級脂肪酸、ジヒドロキシ
ステアリン酸、トリヒドロキシステアリン酸、ジヒドロ
キシベヘン酸、トリヒドロキシベヘン酸等のオキシ酸、
セバシン酸、ドデカン二酸、ペンタデカン二酸、１，１
８−オクタデカメチレンジカルボン酸等のジカルボン
酸、ステアリルステアレート、ステアリルベヘネート、
ベヘニルステアレート、ベヘニルベヘネート、１，１８
−オクタデカメチレンジカルボン酸ジパルミチル、１，
１８−オクタデカメチレンジカルボン酸ジステアリル等
が挙げられる。

【００２６】また、特にジカルボン酸と前記エステルの
組み合わせ、またはジカルボン酸と前記ジエステルの組
合わせ、あるいはジカルボン酸と前記エステルと前記ジ
エステルの組合わせ、さらにジカルボン酸と前記ジエス
テルの組み合わせ、またはジカルボン酸と前記エステル
と前記ジエステルの組み合わせで使用するのが好まし
い。

【００２７】目止め層５は、ハードコート６の形成のた
めに使用される溶媒から可逆性感熱記録層４を保護した
り、印刷層７の密着性を向上させるために必要に応じて
設けられる。

【００２８】ハードコート６は、カードの表面を保護す
るためのもので、たとえばセルロース系樹脂、ウレタン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ
系樹脂、アクリル系樹脂等の耐摩耗性および耐熱性の良
好な材料によって形成される。これらの樹脂には、可塑
剤としてフタル酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エ
ステル等を添加することができ、また滑性を付与するも
のとして、低分子ポリエチレン、オレイルアマイド、ス
テアリルアマイド、シリコーン等を添加することができ
る。このハードコート６の厚さは、たとえば１０μｍ以
下、好ましくは１〜５μｍ程度である。

【００２９】また目止め層５とハードコート６との間に
印刷層７が設けられているが、印刷層７をハードコート
６上に設けることもでき、この場合には、印刷層７上に
別の印刷保護層を設けることが望ましい。

【００３０】なお図１から図３に示した可逆性感熱記録
媒体において、平滑層２、目止層５および印刷層７は省
略可能である。

【００３１】以下に本発明の実施例を示す。なお各実施
例において、「部」はすべて重量部を表し、樹脂等は固
形分としての重量部である。

【００３２】

【実施例】

（実施例１）厚さ約１８８μｍの白色ポリエチレンテレ
フタレートのシートからなる基材の表面に、平滑層を、
ついでアルミニウムの蒸着により厚さ０．１μｍの反射
層を設けた。つぎに、反射層の上に、紫外線硬化型樹脂
塗料（大日本インキ化学工業（株）製、商品名「UNIDIC
V-9083）を、バーコーターを用いて塗布し、１３０℃
で１分間乾燥した後、１６０Ｗ／ｃｍ×１灯の紫外線ラ
ンプを用いて３０ｍ／ｍｉｎで紫外線を照射して硬化さ
せ、乾燥膜厚２μｍの硬化層を形成した。

【００３３】ついで、硬化層の上に、下記の組成の可逆
性感熱記録塗料を塗工した。

【００３４】 ドデカン二酸 ５部 １，１８−オクタデカメチレンジカルボン酸ジステアリル ２５部 樹脂Ａ １１０部 固形分２７％メチルエチルケトン／トルエン溶液 ポリビニルアルコールのポリマー組成重量比６％ アクリル酸の官能基数３ 光重合開始剤 １部 （チバガイギー（株）製、商品名「イルガキュア２９５９」） テトラヒドロフラン ６００部 上記の樹脂Ａは、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアル
コール共重合体（ビニルアルコールのポリマー組成重量
比６％、アクリル酸の官能基数３）にアクリル酸をエス
テル結合させた樹脂を、固形分２７％になるようにメチ
ルエチルケトン／トルエンに溶解させた溶液である。

【００３５】ついで、この可逆性感熱記録塗料層を、１
３０℃で１分乾燥した後、１６０Ｗ／ｃｍ×１灯の紫外
線ランプを用いて３０ｍ／ｍｉｎで紫外線を照射して硬
化させ、乾燥膜厚５μｍの可逆性感熱記録層を形成し
た。

【００３６】つぎに、ここに形成された可逆性感熱記録
層上に、 紫外線硬化型塗料（ウレタンアクリレート系樹脂） ５０部 （大日本インキ化学工業（株）製、商品名「ユニディック１７−８０６」） 光重合開始剤 １部 （チバガイギー（株）製、商品名「イルガキュア１８４」） シリコーンオイル １部 （信越化学工業（株）製、商品名「ＫＦ９６」） シリカ（水澤化学工業（株）製、商品名「Ｐ−６０３］） ２部 酢酸ブチル ５０部 の組成の塗料をペイントシェーカーで６０分間撹拌し、
ついでバーコーティングにより塗布し、１３０℃で１分
間乾燥させた後、１６０Ｗ／ｃｍ×３灯の紫外線ランプ
で３０ｍ／ｍｉｎで紫外線を照射して硬化させ、乾燥膜
厚２μｍのハードコートを形成した。

【００３７】（実施例２）実施例１において、硬化層を
形成するための紫外線硬化型樹脂塗料として、ウレタン
アクリレート系樹脂（大日本インキ化学工業（株）製、
商品名「UNIDIC C7-164」）を使用した以外は同様に操
作して、可逆性感熱記録媒体を作製した。

【００３８】（実施例３）実施例１において、硬化層を
形成するための紫外線硬化型樹脂塗料中に、重量比で１
％の顔料（フタロシアニンブルー）を添加し、この混合
物をボールミルで２４ｈｒ粉砕、混合したものを使用
し、他は同様に操作して可逆性感熱記録媒体を作製し
た。

【００３９】（実施例４）実施例１において、シート状
基材を、厚さ１８８μｍの表面光沢仕上ＰＥＴに変更
し、さらに平滑層を除いた以外は同様に操作して可逆性
感熱記録媒体を作製した。

【００４０】（実施例５）実施例１において、シート状
基材を、厚さ１８８μｍの表面光沢仕上透明ＰＥＴに変
更し、さらに反射層の反対面に耐熱層、可逆性感熱記録
層および保護層を順次積層した以外は同様に操作して可
逆性感熱記録媒体を作製した。

【００４１】（比較例１）実施例１において、硬化層を
設けなかった以外は同様に操作して可逆性感熱記録媒体
を作製した。

【００４２】（比較例２）実施例１において、硬化層に
代えて、下記の組成からなる、乾燥膜厚２μｍの耐熱層
を設けた以外は同様に操作して可逆性感熱記録媒体を作
製した。

【００４３】上記の各実施例および各比較例で作製した
可逆性感熱記録媒体について、サーマルヘッドを備えた
通常のサーマルプリンターを使用し、 ドット密度：８ドット／ｍｍ 消去エネルギー：０．２０ｍＪ／ドット 印字エネルギー：０．３６ｍＪ／ドット の条件で印字・消去を行い、消去された文字等が表面か
ら目視できるかどうかのテストを行った。その結果を下
記の表に示す。なお濃度測定は、光学反射濃度計「マク
ベスＲＤ９１８」を使用して行った。

【００４４】

【表１】 残像の判断は、サーマルヘッドで文字を印字後、サーマ
ルヘッドで消去し、消去した部分で、その前に印字され
ていた文字が目視で読みとれるかどうかにより判定し
た。

【００４５】上記の結果から明らかなとおり、本発明の
可逆性感熱記録媒体では、印字、消去後において、前に
印字された文字の存在を確認できなかったのに対し、比
較例のものでは、消去後にも文字を判読できるていどの
残像が認められた。さらに比較例１のものでは、基材の
変形と、印字・消去部分での干渉縞が認められ、また比
較例２のものでは、反射層に凹凸が発生し、反射率が低
下した。

【００４６】

【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
可逆性感熱記録層にサーマルヘッドを用いて文字等を書
込み（白濁化）、ついでこれを消去（透明化）する動作
を行った後にも、書込み時に形成された文字等の痕跡が
残像として残るという不都合はなくなり、秘守性が向上
するばかりでなく、つぎに書込まれた文字等の明瞭度を
向上させるという効果を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による可逆性感熱記録媒体の
部分縦断面図である。

【図２】本発明の他の一実施例による可逆性感熱記録媒
体の部分縦断面図である。

【図３】本発明のさらに他の実施例による可逆性感熱記
録媒体の部分縦断面図である。

【符号の説明】 １ シート状基材 ２ 平滑層 ３ 反射層 ４ 可逆性感熱記録層 ５ 目止層 ６ ハードコート ７ 印刷層 ８ 硬化層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森中 宏幸 東京都文京区小石川四丁目14番12号 共同 印刷株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート状基材と、加熱により透明状態と
   白濁状態とを可逆的に繰り返す可逆性感熱記録層と、こ
   の可逆性感熱記録層の背面側に設けられた反射層とを備
   えた可逆性感熱記録媒体において、前記可逆性感熱記録
   媒体の表面からみて前記可逆性感熱記録層よりも背面側
   に、紫外線硬化型樹脂からなる硬化層を設けたことを特
   徴とする可逆性感熱記録媒体。
2. 【請求項２】 前記硬化層が顔料を含有している請求項
   １に記載の可逆性感熱記録媒体。
3. 【請求項３】 前記反射層が前記シート状基材の表面側
   に設けられ、前記硬化層が、前記反射層と前記可逆性感
   熱記録層との間に設けられている請求項１または２に記
   載の可逆性感熱記録媒体。
4. 【請求項４】 前記シート状基材が透明であり、前記硬
   化層が、前記可逆性感熱記録層と前記シート状基材との
   間に設けられ、かつ前記反射層が前記シート状基材の背
   面側に設けられている請求項１または２に記載の可逆性
   感熱記録媒体。