JP2701624B2 - 書替え可能な感熱記録媒体 - Google Patents

書替え可能な感熱記録媒体

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JP2701624B2 JP3304690A JP30469091A JP2701624B2 JP 2701624 B2 JP2701624 B2 JP 2701624B2 JP 3304690 A JP3304690 A JP 3304690A JP 30469091 A JP30469091 A JP 30469091A JP 2701624 B2 JP2701624 B2 JP 2701624B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度に依存してその透
明度が可逆的に変化する記録層を備えた書替え可能な感
熱記録媒体に係り、特に、その透明化温度範囲を飛躍的
に拡大できしかも画像部と非画像部とのコントラストの
低減が起こり難い感熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の感熱記録媒体としては、特開昭
55−154198号公報及び米国特許第426841
3号公報に記載されているようにポリ塩化ビニル等の熱
可塑性樹脂とこの樹脂中に分散された高級脂肪酸等の有
機低分子物質とを主成分とする記録層が支持体上に設け
られて成る構造のものが知られている。
【0003】そして、この感熱記録媒体においては上記
記録層の光吸収特性(光散乱性)が温度に依存して可逆
的に変化する性質を巧みに利用し構成されているもので
ある。すなわち、この記録層は、室温近傍の特定温度T
0 より高い温度に2つの状態転移温度T1 、T2 (但し
1<T2 )を有しており、記録層をT2 以上に加熱し
かつ保持した後にT0 以下に冷却すると白濁しその光散
乱性が増大して最大遮光状態となる一方、この白濁状態
にある記録層をT1 以上T2 未満に加熱しかつ保持した
後にT0 以下に冷却するとその光散乱性が減少して透明
状態になるものである。しかも、T0 以下の温度条件下
において記録層の最大遮光状態及び透明状態を安定に保
持でき、かつ、これ等の状態を可逆的に変化させること
が可能なため、いづれか一方の状態をベース状態に設定
することにより他方の状態との差別化が図れ書替え可能
な記録媒体として利用できるものである。
【0004】尚、T1 からT2 の温度範囲において記録
層の透明化が図れるためこの温度範囲を透明化温度範囲
と称している。
【0005】ところで、従来におけるこの種の感熱記録
媒体においては上記透明化温度範囲が2〜4℃程度と非
常に狭く、従って、白濁状態にある記録層の一部又は全
体をT1 以上T2 未満に加熱してこれを透明化する際に
その温度制御が極めて困難となる問題点があった。
【0006】そこで、特開平2−1363号公報におい
ては、上記樹脂母材中に分散された有機低分子物質につ
いて炭素数16以上の高級脂肪酸の少なくとも一種と脂
肪族飽和ジカルボン酸及びその誘導体の少なくとも一種
とを適用することにより、また、特開平3−2089号
公報においては、上記有機低分子物質について炭素数1
6以上の高級脂肪酸の少なくとも一種と炭素数20以上
の脂肪族飽和ジカルボン酸の少なくとも一種とを適用す
ることにより上記透明化温度範囲を拡大させる手段が提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これ等の手段を適用す
ることにより確かに上記透明化温度範囲を若干拡大させ
ることは可能になっている。
【0008】しかし、後に述べる比較例からも明らかな
ようにこれ等の手段により拡大される透明化温度範囲は
最大でも22℃程度と未だ狭く上記問題を完全に解決す
る手段とはなっていない問題点があり、また、このこと
が原因となって以下に示すような問題点があった。すな
わち、この種の感熱記録媒体においてはサーマルヘッド
等の加熱手段を用い白地(すなわち白濁状態)をベース
に透明状態の画像を形成することは理論的に可能である
が、上述したように透明化温度範囲が未だ狭くサーマル
ヘッド等の加熱温度を高速で上記温度範囲内に設定する
ことは実際上困難なため、通常、上記透明化温度範囲内
の適宜温度に設定されている加熱ローラ間へ感熱記録媒
体を挿通してその記録層を一様に透明化させた後、T2
以上に加熱されたサーマルヘッド等加熱手段を用い選択
的に白濁させて透明地(すなわち透明状態)をベースに
白濁状態の画像を形成する方式が採られている。
【0009】このため、このような方式で形成された記
録画像は、白色ベースに黒色画像で構成されている通常
の画像原稿と較べて白黒反転画像(いわゆるネガパター
ン)になっているため、この種の感熱記録媒体の適用範
囲が特殊な分野に限られてしまうといった致命的な問題
点があった。
【0010】また、上記公報に提示された各手段により
透明化温度範囲の拡大を図る場合、各公報に記載された
実施例の結果から明らかなように高級脂肪酸に対する脂
肪族飽和ジカルボン酸の配合割合が低いとその拡大され
る温度範囲は僅かとなる。
【0011】他方、上記高級脂肪酸に対する脂肪族飽和
ジカルボン酸の配合割合を増加するに伴い透明化温度範
囲は拡がるが、その反面、脂肪族飽和ジカルボン酸の増
加に伴い記録層の白濁度が低下していく傾向があり(特
開平3−2089号公報の表2参照)、その白濁部と透
明部(画像部と非画像部に対応する)とのコントラスト
が十分にとれなくなる問題点があった。
【0012】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、上記透明化温度
範囲を飛躍的に拡大できしかも画像部と非画像部とのコ
ントラストの低減が起こり難い感熱記録媒体を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された有機低
分子物質とを主成分とし温度に依存してその透明度が可
逆的に変化する記録層を備える書替え可能な感熱記録媒
体を前提とし、上記樹脂母材中に分散された有機低分子
物質内に脂環式ジカルボン酸化合物が添加されているこ
とを特徴とするものである。
【0014】このような技術的手段において記録層の一
部を構成する樹脂材料としては、以下に述べる有機低分
子物質及び脂環式ジカルボン酸化合物とその屈折率が近
似しかつ相溶性がないと共に、機械的強度に優れしかも
フィルム形成能を有する透明性良好な熱可塑性樹脂が挙
げられ、その具体例としては飽和共重合ポリエステル等
のポリエステル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレ
イン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体等
の塩化ビニル共重合体;ポリ塩化ビニリデン樹脂;塩化
ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン共重合体;
ポリアミド樹脂;シリコン樹脂;ポリアクリレート若し
くはポリメタクリレート樹脂又はこれ等の共重合体等が
ありこれ等単独或いは2種以上混合して適用することが
できる。
【0015】更に、ヒドロキシル変性塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体とイソシアナート化合物から成り、上記
有機低分子物質及び脂環式ジカルボン酸化合物との屈折
率が近似しかつこれ等と相溶性がない透明性良好な熱硬
化型樹脂も適用できる。
【0016】ここで上記ヒドロキシル変性塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体とはヒドロキシル基(−OH)が
0.5〜10重量%程度導入された塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体を意味しており、例えば、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体や、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体
等の塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシル基を有する
アルキルアクリレート共重合体等が挙げられる。他方、
上記ヒドロキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
のヒドロキシル基と反応して樹脂母材である熱硬化型樹
脂を構成するイソシアナート化合物としてはイソシアナ
ート基(−N=C=O)を有し一般に架橋剤として広く
利用されているイソシアナート化合物が適用でき、例え
ば、トルイレンジイソシアナート、2,4トルイレンジ
イソシアナートの二量体、ナフチレン−1,5−ジイソ
シアナート、o−トルイレンジイソシアナート、ジフェ
ニルメタンジイソシアナート、トリフェニルメタントリ
イソシアナート、トリス−(p−イソシアナートフェニ
ル)チオホスファイト、ポリメチレンポリフェニルイソ
シアナート、多官能芳香族イソシアナート、芳香族ポリ
イソシアナート、多官能脂肪族イソシアナート、ヘキサ
メチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、キシ
リレンジイソシアナート等が挙げられる。
【0017】次に、上記樹脂母材中に分散される有機低
分子物質としては、酸素、硫黄、窒素、ハロゲンのうち
少なくとも一つの原子を含み、炭素数が10〜40でそ
の分子量が100〜700であり、かつ、融点が50〜
150℃の範囲にある有機化合物が挙げられ、その具体
例としてはアルカノール、カルカンジオール、ハロゲン
アルカノール、ハロゲンアルカンジオール等の高級アル
コール;高級脂肪族アミン;アルカン、アルケン、アル
キン及びこれ等のハロゲン置換体;シクロアルカン、シ
クロアルケン、シクロアルキン等の環状化合物;飽和カ
ルボン酸、不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸又はこ
れ等のエステル、アミド、アンモニウム塩;飽和若しく
は不飽和ハロゲン脂肪酸又はこれ等のエステル、アミ
ド、アンモニウム塩;アクリルカルボン酸又はこれ等の
エステル、アミド、アンモニウム塩;ハロゲンアリルカ
ルボン酸又はこれ等のエステル、アミド、アンモニウム
塩;チオアルコール又はこれ等のカルボン酸エステル;
チオカルボン酸又はこれ等のエステル、アミド、アンモ
ニウム塩等があり、これ等単独或いは2種以上混合して
適用することができる。
【0018】一方、樹脂母材中に分散された有機低分子
物質内に添加される脂環式ジカルボン酸化合物は、上記
有機低分子物質と相溶性を有し樹脂母材とは相溶性を有
さない化合物で、例えば、1,1−シクロプロパンジカ
ルボン酸(mp140℃)、1,2−シスシクロプロパ
ンジカルボン酸(mp139℃)、1,2−トランスシ
クロプロパンジカルボン酸(mp175℃)等のシクロ
プロパンジカルボン酸類;1,1−シクロブタンジカル
ボン酸(mp157℃)、1,2−シスシクロブタンジ
カルボン酸(mp138℃)、1,2−トランスシクロ
ブタンジカルボン酸(mp137℃)、1,3−シスシ
クロブタンジカルボン酸(mp143℃)、1,3−ト
ランスシクロブタンジカルボン酸(mp171℃)等の
シクロブタンジカルボン酸類;1,1−シクロペンタン
ジカルボン酸(mp184℃)、1,2−シスシクロペ
ンタンジカルボン酸(mp140℃)、1,2−トラン
スシクロペンタンジカルボン酸(mp181℃)、1,
3−シスシクロペンタンジカルボン酸(mp121
℃)、1,3−トランスシクロペンタンジカルボン酸
(mp188℃)等のシクロペンタンジカルボン酸類;
1,2−シスシクロヘキサンジカルボン酸(mp170
℃)、1,2−トランスシクロヘキサンジカルボン酸
(mp310℃)、1,3−シスシクロヘキサンジカル
ボン酸(mp187℃)、1,3−トランスシクロヘキ
サンジカルボン酸(mp148℃)、1,4−シスシク
ロヘキサンジカルボン酸(mp192℃)、1,4−ト
ランスシクロヘキサンジカルボン酸(mp221℃)等
のシクロヘキサンジカルボン酸類等が挙げられる。
【0019】請求項2に係る発明はこれ等材料群から選
択された1種又は2種以上の脂環式ジカルボン酸化合物
を適用するものである。
【0020】すなわち、請求項2に係る発明は請求項1
に係る感熱記録媒体を前提とし、上記脂環式ジカルボン
酸化合物が、1,1−シクロプロパンジカルボン酸、
1,2−シスシクロプロパンジカルボン酸、1,2−ト
ランスシクロプロパンジカルボン酸、1,1−シクロブ
タンジカルボン酸、1,2−シスシクロブタンジカルボ
ン酸、1,2−トランスシクロブタンジカルボン酸、
1,3−シスシクロブタンジカルボン酸、1,3−トラ
ンスシクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンタ
ンジカルボン酸、1,2−シスシクロペンタンジカルボ
ン酸、1,2−トランスシクロペンタンジカルボン酸、
1,3−シスシクロペンタンジカルボン酸、1,3−ト
ランスシクロペンタンジカルボン酸、1,2−シスシク
ロヘキサンジカルボン酸、1,2−トランスシクロヘキ
サンジカルボン酸、1,3−シスシクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−トランスシクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シスシクロヘキサンジカルボン酸、及び、
1,4−トランスシクロヘキサンジカルボン酸から選択
された1種又は2種以上のジカルボン酸にて構成されて
いることを特徴とするものである。
【0021】そして、上記樹脂材料と有機低分子物質並
びに脂環式ジカルボン酸化合物についてこれをメチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、
エタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、四塩化炭素等の有機溶液に溶解しかつこの溶液を以
下に述べる支持体上に塗布しかつ乾燥させ、あるいは、
一様に相溶している有機低分子物質と脂環式ジカルボン
酸化合物についてこれを上記樹脂材料が溶解された溶液
に微粒子状に分散させて分散液を求めこの分散液を支持
体上に塗布しかつ乾燥させて温度依存によりその透明度
が可逆的に変化する上記記録層が形成されるものであ
る。
【0022】この場合、上記樹脂母材中に分散された有
機低分子物質内には脂環式ジカルボン酸化合物が添加さ
れており、この脂環式ジカルボン酸化合物の添加により
有機低分子物質と脂環式ジカルボン酸化合物が加熱され
た際に共融する温度が有機低分子物質単独の場合に較べ
て高くなり、かつ、高くなる程度が上記脂肪族飽和ジカ
ルボン酸を適用した場合に較べて大きいため上記透明化
温度範囲を飛躍的に拡大できるものである。
【0023】ここで、上記脂環式ジカルボン酸化合物の
添加割合については、有機低分子物質と脂環式ジカルボ
ン酸化合物の総量に対し2重量%〜30重量%に設定す
ることが望ましい。2重量%以下であると脂環式ジカル
ボン酸化合物の添加作用が不十分で透明化温度範囲を十
分に拡大できない弊害があり、他方、30重量%を越え
ると透明化温度範囲は著しく拡がるものの脂環式ジカル
ボン酸化合物の割合増加に伴って記録層の白濁度が低下
する弊害を生ずるからである。
【0024】請求項3に係る発明はこの様な技術的根拠
に基づいてなされたものである。
【0025】すなわち、請求項3に係る発明は請求項1
〜2に係る感熱記録媒体を前提とし、上記脂環式ジカル
ボン酸化合物の配合割合を、有機低分子物質と脂環式ジ
カルボン酸化合物の総量に対し2重量%〜30重量%に
設定したことを特徴とするものである。
【0026】尚、上記脂環式ジカルボン酸化合物が添加
された有機低分子物質と樹脂母材との配合割合について
はその重量比で1:2〜1:6に設定される。
【0027】このように、この技術的手段においては、
上述した脂肪族飽和ジカルボン酸が適用されている特開
平2−1363号公報や特開平3−2089号公報等に
提示されている従来の手段に較べて透明化温度範囲を飛
躍的に拡大できる利点を有しており、しかも脂環式ジカ
ルボン酸化合物の配合割合が2重量%〜30重量%程度
と少なくても十分に機能することから記録層の白濁度が
低下し難い利点を有している。
【0028】ここで、上記記録層の光学的性質を改善す
る目的で従来と同様に記録層中に染料や紫外線吸収剤あ
るいは赤外線吸収剤等を加えてもよいし、記録層の可塑
性並びに表面滑性を改善する目的で従来と同様に可塑剤
や表面活性剤等を添加してもよい。
【0029】また、印字適性を改良してその繰返し書替
え耐性を向上させるため従来と同様に記録層上に弗素系
樹脂やシリコーン系樹脂等から成る保護層を設けてもよ
い。この場合、有機溶剤に溶解又は分散させて適用する
上記弗素系樹脂等有機系材料に代えて、末端又は側鎖に
アクリロイル基(−OOC−CH=CH2 )若しくはメ
タアクリロイル基(−OOC−CH=CHCH3 )を有
するアクリル系オリゴマーを主成分とする水性エマルジ
ョンに紫外線又は電子線を照射して硬化させたアクリル
系樹脂を適用してもよい。保護層用材料としてこのよう
な水系の材料を適用することにより、上記有機系材料を
適用した場合に較べて保護層形成の際にオリゴマーや水
性溶剤等が記録層中に浸み込む恐れがないため、上記記
録層内における有機低分子物質の初期の分散状態を保護
層の形成前後に拘らず維持することができる利点を有し
ている。
【0030】ここで、上記アクリル系オリゴマーとして
は以下に示すような、ウレタン、ポリエステル、ポリエ
ーテル、エポキシ、シリコーン等により変性されている
ものが適用できる。以下、個々について説明する。
【0031】(1)ポリウレタンアクリレート ポリウレタンアクリレートトハ、ポリオール(ポリエス
テル型及びポリエーテル型)と、ジイソシアナートと、
ヒドロキシル基を有するアクリレートまたはメタアクリ
レートを反応させて得られる重合体(オリゴマー)で、
例えば以下に示すような化合物が挙げられる。
【0032】
【化1】
【0033】(2)ポリエステルアクリレート ポリエステルアクリレートは、多価アルコールと多塩基
酸とから合成されるポリエステルにアクリロイル基又は
メタアクリロイル基を導入した重合体(オリゴマー)
で、例えば以下のような化合物が適用可能である。
【0034】
【化2】
【0035】(3)エポキシアクリレート エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂にアクリル酸又
はメタクリル酸を反応させて合成される重合体(オリゴ
マー)で、例えば以下に示すようなビスフェノールA
型、F型,S型、フェノールノボラック型、脂環型のエ
ポキシアクリレート又はエポキシメタアクリレート等が
挙げられる。
【0036】
【化3】
【0037】(4)シリコーン樹脂アクリレート シリコーン樹脂アクリレートは、ポリシロキサンにアク
リロイル基又はメタアクリロイル基を導入した重合体
(オリゴマー)で、例えば以下のような化合物の適用が
可能である。
【0038】
【化4】
【0039】尚、記録層の樹脂母材として上述したヒド
ロキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とイソシ
アナート化合物から成り、上記有機低分子物質及び脂環
式ジカルボン酸化合物との屈折率が近似しかつこれ等と
相溶性がない透明性良好な熱硬化型樹脂を適用した場合
には、飽和共重合ポリエステル等の熱可塑性樹脂を樹脂
母材に適用した場合に較べて上記熱硬化型樹脂が耐熱性
と機械的強度に優れ、かつ、プラスチックシートや紙等
の支持体に対する接着性も良好なため上記保護層を形成
する必要がない利点を有している。
【0040】次に、この技術的手段において上記記録層
等を支持する支持体は従来と同様のものがそのまま適用
でき、例えば、透明なプラスチックフィルム又はシー
ト、染料や顔料等の着色剤が混合されたプラスチックフ
ィルム又はシート、染料や顔料を含んだ塗料やインキか
ら構成される着色層が積層されたプラスチックフィルム
又はシート、更に、アルミニウム、錫、銀、マグネシウ
ム、クロム、ニッケル等の光反射性金属層を設けたプラ
スチックフィルム、シート又は紙等が利用できる。そし
て、上記プラスチックフィルムやシートの具体例として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリカーボネート、ポリパラバン酸等の耐熱
性、透明性、及び、機械的強度に優れた材料群が挙げら
れる。
【0041】尚、上記プラスチックフィルム、シート又
は紙等に光反射性金属層が成膜されている場合、この光
反射性金属層とこの上に成膜される記録層間の接着力を
強める目的で接着剤で構成された接着層を介在させる
が、この接着剤として、従来適用されているポリエステ
ル樹脂、アクリルポリオール樹脂、リン酸エステル基を
有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等が適用でき
る。また、これ等材料の他に、耐熱性、耐溶剤性、及
び、金属との密着性等に優れた下記構造式で示される熱
可塑性のポリパラバン酸樹脂を適用してもよい。すなわ
ち、このポリパラバン酸樹脂を適用した場合、この樹脂
は接着層を形成する際において熱収縮作用がほとんどな
いため光反射性金属層にクラックやピンホールが形成さ
れることがなくその反射濃度の低下を防止でき、かつ、
この樹脂はテトラヒドロフラン等の有機溶剤にて溶解、
膨潤され難い性質を有しているため接着層内に記録層形
成用の有機溶剤が浸み込む恐れがほとんどなく上記光反
射性金属層における反射濃度の低下を更に防止でき、ま
た、この樹脂は金属との密着性に優れているため光反射
性金属層からの接着層の剥離現象を防止できる利点を有
する。
【0042】
【化5】
【0043】
【作用】請求項1〜2に係る発明によれば、樹脂母材中
に分散された有機低分子物質内に脂環式ジカルボン酸化
合物が添加されており、この脂環式ジカルボン酸化合物
の添加により有機低分子物質と脂環式ジカルボン酸化合
物が加熱された際に共融する温度が有機低分子物質単独
の場合に較べて高くなり、かつ、高くなる程度が従来の
脂肪族飽和ジカルボン酸を適用した場合に較べて大きい
ため透明化温度範囲を飛躍的に拡大させることが可能と
なる。
【0044】一方、請求項3にかかる発明によれば、脂
環式ジカルボン酸化合物の添加割合が、有機低分子物質
と脂環式ジカルボン酸化合物の総量に対し2重量%〜3
0重量%に設定されており、脂肪族飽和ジカルボン酸を
適用した従来技術に較べ脂環式ジカルボン酸化合物の添
加割合が低くても上記透明化温度範囲を十分拡大させる
ことができるため、脂環式ジカルボン酸化合物の添加割
合が低くなる分その記録層の白濁度の低下を防止するこ
とが可能となる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0046】尚、実施例並びに比較例中に記載の配合成
分の部数及び%は全て重量部及び重量%である。
【0047】[実施例1]この実施例に係る感熱記録媒
体は、図1に示すように透明なポリエステルシートから
成る支持体1と、この支持体1上に設けられたアンカー
層2と、このアンカー層2上に設けられた光反射性金属
層3と、この光反射性金属層3上に設けられた接着層4
と、この接着層4上に設けられた記録層5と、この記録
層5上に設けられた保護層6とでその主要部が構成され
ている。
【0048】そして、この感熱記録媒体は以下のような
工程を経て製造されている。
【0049】すなわち、厚さ150μmの透明なポリエ
ステルシートから成る支持体1上に下記組成のアンカー
層用組成物をワイヤーバーにて塗布し、100℃、5分
間乾燥、かつ、熱硬化させて乾燥膜厚が1.5μmのア
ンカー層2を形成し、このアンカー層2上にアルミニウ
ムを真空蒸着してその膜厚が500オングストロームの
光反射性金属層3を設けた後、この光反射性金属層3上
に下記組成の接着層用組成物を同じくワイヤーバーにて
塗布し、90℃で5分間乾燥させて乾燥膜厚が0.5μ
mの接着層4を形成した。
【0050】次に、この接着層4上に下記の均一に溶解
されている記録層用組成物をワイヤーバーにて塗布し、
110℃で3分間乾燥して乾燥膜厚9μmの記録層5を
形成すると共に、この記録層5上に下記組成から成る保
護層用組成物をワイヤーバーを用いて塗布し、90℃で
3分間乾燥させた後、この支持体1をコンベアーにのせ
て速度10m/ minの条件で移動させ、かつ、高さ10
mの位置から高圧水銀灯(80W/cm,オゾン集光型)
により紫外線を一様に照射し、上記保護層用組成物を光
硬化させて硬化膜厚2.5μmの保護層6を形成して感
熱記録媒体を求めた。
【0051】 (アンカー層用組成物) ポリエステル樹脂(東洋紡社製 商品名バイロン#200) 10部 イソシアナート 0.1部 (旭化成社製硬化剤 商品名デュラネート24A−100) トリエチレンジアミン(硬化促進剤) 0.01部 トルエン 45部 2−ブタノン 45部 (接着層用組成物) ポリパラバン酸樹(日東化学社製 商品名PPA−D) 10部
【0052】
【化6】
【0053】 アセトン 80部 ジオキサン 10部 (記録層用組成物) ベヘン酸 95部 脂環式ジカルボン酸化合物 5部 (1,4−シスシクロヘキサンジカルボン酸) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 300部 (積水化学工業社製 商品名エスレックC) トルエン 300部 テトラヒドロフラン 1200部 (保護層用組成物) 多官能ポリエステルアクリレート 100部 エマルション(固形分40重量%) (東亜合成化学社製 商品名M−8060エマルション) 滑剤(特殊高分子シリコーン樹脂溶液 固形分50重量% 5部 ビックケミー・ジャパン社製 商品名BYK−301) 光開始剤 2部 (日本チバガイギー社製 商品名イルガキュアー651) [実施例2]記録層用組成物として、ベヘン酸が90
部、1,4−シスシクロヘキサンジカルボン酸(脂環式
ジカルボン酸化合物)が10部のものを適用した点を除
き実施例1に係る感熱記録媒体と略同一である(図1参
照)。
【0054】[実施例3]記録層用組成物として、ベヘ
ン酸が80部、1,4−シスシクロヘキサンジカルボン
酸(脂環式ジカルボン酸化合物)が20部のものを適用
した点を除き実施例1に係る感熱記録媒体と略同一であ
る(図1参照)。
【0055】[実施例4]下記組成の記録層用組成物を
適用しワイヤーバーにてこの記録層用組成物を上記接着
層4上に塗布し、100℃で5分間乾燥かつ熱硬化させ
て硬化膜厚9μmの記録層5を形成した点と、この記録
層5上に保護層が設けられていない点を除き実施例1に
係る感熱記録媒体と略同一である(図2参照)。
【0056】 (記録層用組成物) ステアリン酸 80部 脂環式ジカルボン酸化合物 20部 (1,4−シスシクロヘキサンジカルボン酸) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 300部 (積水化学工業社製 商品名エスレックA) イソシアナート 30部 (旭化成社製硬化剤 商品名デュラネート24A−100) トリエチレンジアミン(硬化促進剤) 3部 トルエン 300部 テトラヒドロフラン 1200部 [実施例5]下記組成の記録層用組成物を適用しワイヤ
ーバーにてこの記録層用組成物を上記接着層4上に塗布
し、110℃で3分間乾燥して乾燥膜厚9μmの記録層
5を形成した点を除き実施例1に係る感熱記録媒体と略
同一である(図1参照)。
【0057】 (記録層用組成物) ステアリルアルコール 80部 脂環式ジカルボン酸化合物 20部 (1,4−シスシクロヘキサンジカルボン酸) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 300部 (ユニオン・カーバイト社製 商品名VYHH) トルエン 300部 テトラヒドロフラン 1200部 [実施例6]下記組成の記録層用組成物を適用しワイヤ
ーバーにてこの記録層用組成物を上記接着層4上に塗布
し、110℃で3分間乾燥して乾燥膜厚9μmの記録層
5を形成した点を除き実施例1に係る感熱記録媒体と略
同一である(図1参照)。
【0058】 (記録層用組成物) ベヘン酸 80部 脂環式ジカルボン酸化合物 20部 (1,2−シスシクロヘキサンジカルボン酸) ポリメチルメタアクリレート 300部 (ローム・アンド・ハウス社製 商品名パラロイドA−11) トルエン 300部 テトラヒドロフラン 1200部 [実施例7]下記組成の記録層用組成物を適用しワイヤ
ーバーにてこの記録層用組成物を上記接着層4上に塗布
し、110℃で3分間乾燥して乾燥膜厚9μmの記録層
5を形成した点を除き実施例1に係る感熱記録媒体と略
同一である(図1参照)。
【0059】 (記録層用組成物) リグノセリン酸 80部 脂環式ジカルボン酸化合物 20部 (1,2−シスシクロペンタンジカルボン酸) 飽和ポリエステル樹脂 300部 (ユニチカ社製 商品名エリーテルUE−3600) トルエン 300部 テトラヒドロフラン 1200部 [比較例1]アルミニウムが蒸着された膜厚50μmの
ポリエステルフィルム上にワイヤーバーにて下記組成の
記録層用組成物を塗布し加熱乾燥させて厚さ約15μm
の記録層を形成し、かつ、この記録層上に下記組成の中
間層用組成物をワイヤーバーにて塗布し加熱乾燥させて
厚さ約1μmの中間層を設けた。
【0060】次いで、この中間層上にウレタンアクリレ
ート系紫外線硬化性樹脂の酢酸ブチル溶液をワイヤーバ
ーにて塗布し、加熱乾燥させると共に80W/cmの紫外
線ランプで紫外線を5秒間照射させて厚さ約2μmの保
護層を形成し感熱記録媒体を求めた。
【0061】 (記録層用組成物) ベヘン酸 95部 エイコサン二酸(脂肪族飽和ジカルボン酸) 5部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 250部 フタル酸ジ(2−エチル−ヘキシル) 30部 テトラヒドロフラン 2000部 (中間層用組成物) ポリアミド樹脂 10部 メチルアルコール 90部 [比較例2]記録層用組成物として、ベヘン酸が80
部、エイコサン二酸(脂肪族飽和ジカルボン酸)が20
部のものを適用した点を除き比較例1に係る感熱記録媒
体と略同一である。
【0062】[比較例3]記録層用組成物として、ベヘ
ン酸が50部、エイコサン二酸(脂肪族飽和ジカルボン
酸)が50部のものを適用した点を除き比較例1に係る
感熱記録媒体と略同一である。
【0063】[比較例4] (記録層用組成物) ベヘン酸 95部 (CH2 13(COOH)2 (脂肪族飽和ジカルボン酸) 5部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 250部 フタル酸ジ(2−エチル−ヘキシル) 30部 テトラヒドロフラン 2000部 上記記録層用組成物を厚さ100μmのポリエステルフ
ィルム上に塗布し、加熱乾燥させて厚さ15μmの記録
層を形成して感熱記録媒体を求めた。
【0064】[比較例5]記録層用組成物として、ベヘ
ン酸が80部、(CH2 13(COOH)2 (脂肪族飽
和ジカルボン酸)が20部のものを適用した点を除き比
較例4に係る感熱記録媒体と略同一である。
【0065】[比較例6]記録層用組成物として、ベヘ
ン酸が30部、(CH2 13(COOH)2 (脂肪族飽
和ジカルボン酸)が70部のものを適用した点を除き比
較例4に係る感熱記録媒体と略同一である。
【0066】[比較例7](CH2 13(COOH)2
に代えて(CH2 10(COOH)2 (脂肪族飽和ジカ
ルボン酸)が適用されている記録層用組成物を用いた点
を除き比較例5に係る感熱記録媒体と略同一である。
【0067】『比較試験』次に、実施例1〜7に係る感
熱記録媒体と比較例1〜7に係る感熱記録媒体について
透明化温度範囲を比較するため以下に述べるような比較
試験を行った。
【0068】尚、上述のようにして求められた実施例並
びに比較例に係る感熱記録媒体の記録層は全て白濁状態
に形成されていた。
【0069】まず、求められた各感熱記録媒体について
65℃から1度ずつ段階的に加熱しかつ室温まで冷却し
た後、この上から光学反射濃度計(マクベス光学濃度計
RD−517)によりその反射濃度(光学濃度)を各々
測定した。
【0070】尚、各実施例と比較例1〜3に係る感熱記
録媒体についてはアルミニウムから成る光反射性金属層
からの反射光を測定しており、また、比較例4〜7に係
る感熱記録媒体についてはこれ等感熱記録媒体を黒色画
用紙上に置きその反射光を測定している。
【0071】そして、この反射濃度が1.0を越えた時
点の温度を透明化温度として記録し、これ等データから
透明化温度範囲と透明化温度幅を測定した。
【0072】この結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】『評価』表1の結果から、脂環式ジカルボ
ン酸化合物が適用された各実施例の感熱記録媒体におい
てはその透明化温度幅が最大で68℃(実施例3)と拡
く、脂肪族飽和ジカルボン酸が適用されている比較例
(比較例7に係る感熱記録媒体の透明化温度幅が最大で
22℃に過ぎない)に較べてその透明化温度範囲が飛躍
的に拡大していることが確認できた。
【0075】従って、透明化温度幅の拡大によりサーマ
ルヘッド等の加熱温度を高速で透明化温度範囲内に設定
することが容易になるため、白地(すなわち白濁状態)
をベースにして透明状態の画像を比較的簡単に形成でき
ることが確認された。
【0076】更に、実施例に係る感熱記録媒体において
は、上記脂環式ジカルボン酸化合物の添加割合の多少に
拘らずその透明化温度範囲が飛躍的に拡大しており、従
って、その添加により記録層の白濁度を低下させ易いジ
カルボン酸化合物の添加割合を低減できるため、その
分、記録層の白濁度低下を防止できる利点を有している
ことも確認された。
【0077】尚、表1中に『ジカルボン酸の添加割合』
とは、実施例においては有機低分子物質と脂環式ジカル
ボン酸化合物の総量に対する脂環式ジカルボン酸化合物
の添加割合を、また、比較例においては有機低分子物質
中における脂肪族飽和ジカルボン酸の配合割合を意味し
ている。
【0078】一方、比較例に係る感熱記録媒体について
は表1の結果から明らかなように透明化温度範囲の拡大
幅は僅かであり、しかも、脂肪族飽和ジカルボン酸の添
加割合が少ないとその拡大幅も小さい(比較例1及び4
参照)ことが認められる。
【0079】このため、拡大幅を拡げるためには多量の
脂肪族飽和ジカルボン酸を添加する必要があり、その
分、記録層の白濁度が低下し易い欠点を具備しているも
のであることが確認できた。
【0080】尚、各実施例に係る感熱記録媒体について
その記録層の最大透明濃度と最大白濁濃度のデータを以
下の表2に示す。
【0081】そして、このデータからも明らかなように
記録層における白濁度の低下分が小さいため、各実施例
に係る感熱記録媒体においてはその画像部と非画像部と
のコントラストの低減が起こり難いことも確認された。
【0082】
【表2】
【0083】
【発明の効果】請求項1〜2に係る発明によれば、脂環
式ジカルボン酸化合物の添加により有機低分子物質と脂
環式ジカルボン酸化合物が加熱された際に共融する温度
が有機低分子物質単独の場合に較べて高くなり、かつ、
高くなる程度が従来の脂肪族飽和ジカルボン酸を適用し
た場合に較べて大きいため透明化温度範囲を飛躍的に拡
大させることが可能となる。
【0084】一方、請求項3にかかる発明によれば、脂
肪族飽和ジカルボン酸を適用した従来技術に較べ脂環式
ジカルボン酸化合物の添加割合が低くても上記透明化温
度範囲を十分拡大させることができるため、脂環式ジカ
ルボン酸化合物の添加割合が低くなる分その記録層の白
濁度の低下を防止することが可能となる。
【0085】従って、サーマルヘッド等加熱手段の加熱
温度を高速で透明化温度範囲内に設定することが容易に
なるため、白地(白濁状態)を背景に透明像を形成する
こともあるいは透明地(透明状態)を背景に白濁画像を
形成することも難無く可能となり、この種の感熱記録媒
体の適用範囲拡大が図れる効果を有しており、かつ、画
像部と非画像部とのコントラスト低減が起こり難いこと
から記録画質の向上も図れる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る感熱記録媒体の構成断面図。
【図2】実施例に係る感熱記録媒体の他の構成断面図。
【符号の説明】
1 支持体 2 アンカー層 3 光反射性金属層 4 接着層 5 記録層 6 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 進 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−2089(JP,A) 特開 平4−358878(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された
    有機低分子物質とを主成分とし温度に依存してその透明
    度が可逆的に変化する記録層を備える書替え可能な感熱
    記録媒体において、 上記樹脂母材中に分散された有機低分子物質内に脂環式
    ジカルボン酸化合物が添加されていることを特徴とする
    書替え可能な感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記脂環式ジカルボン酸化合物が、1,
    1−シクロプロパンジカルボン酸、1,2−シスシクロ
    プロパンジカルボン酸、1,2−トランスシクロプロパ
    ンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、
    1,2−シスシクロブタンジカルボン酸、1,2−トラ
    ンスシクロブタンジカルボン酸、1,3−シスシクロブ
    タンジカルボン酸、1,3−トランスシクロブタンジカ
    ルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,
    2−シスシクロペンタンジカルボン酸、1,2−トラン
    スシクロペンタンジカルボン酸、1,3−シスシクロペ
    ンタンジカルボン酸、1,3−トランスシクロペンタン
    ジカルボン酸、1,2−シスシクロヘキサンジカルボン
    酸、1,2−トランスシクロヘキサンジカルボン酸、
    1,3−シスシクロヘキサンジカルボン酸、1,3−ト
    ランスシクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シスシク
    ロヘキサンジカルボン酸、及び、1,4−トランスシク
    ロヘキサンジカルボン酸から選択された1種又は2種以
    上のジカルボン酸にて構成されていることを特徴とする
    請求項1記載の書替え可能な感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記脂環式ジカルボン酸化合物の添加割
    合が、有機低分子物質と脂環式ジカルボン酸化合物の総
    量に対し2重量%〜30重量%に設定されていることを
    特徴とする請求項1〜2記載の書替え可能な感熱記録媒
    体。
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