JP4546362B2 - 可逆性感熱記録層支持用積層体および可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録層支持用積層体および可逆性感熱記録媒体 Download PDF

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Description

この発明は、可逆性感熱記録媒体の部品として、熱や光により文字や画像等の情報を表示または消去可能な可逆性感熱記録層を支持する可逆性感熱記録層支持用積層体、およびこれを用いた可逆性感熱記録媒体、並びに情報記録表示カードに関する。
一般に、磁気記録手段やICチップを内蔵する情報記録装置として、その表示に可逆性感熱記録層を有するカード状の可逆性感熱記録媒体が知られている(特許文献1、2、3)。
このようなカード状の可逆性感熱記録媒体は、磁気カードまたはICカードとも呼ばれており、一部の情報を外観に示すことが便利な場合には、カードの表面にエンボス加工によって数字やカタカナなどでそれらの情報を表示している。
合成樹脂製のカード基材にエンボス加工を施す際には、カードの一方の面に凸型または凹型を適当に加熱した状態で押し当てて加圧成型することにより、カードの表面に浅い塑性の凹凸形状を形成する。このようなエンボス加工のカード素材としては、比較的自由に伸長して変形できる材質であり、また変形状態で素材内部に応力をできるだけ発生させない材質が適当であり、例えば塩化ビニル樹脂や非晶性ポリエステル樹脂などが採用される。
また、可逆性感熱記録層を形成するには、材料に溶剤を加えて塗液化し、これを基材に塗布し乾燥させて形成することが一般的であり、その際に、形成された層内に残った溶剤が基材を損傷する場合がある。
図4に示すように、このような原因による損傷を防止するために、溶剤が基材に触れないように支持体20と可逆性感熱記録層3の間に耐溶剤性に優れた樹脂からなるバリア層21を設ける手法が採られる(特許文献4)。
特開昭63− 41186号公報 特開平 2−188293号公報 特開平 5−124360号公報 特開2000−148794号公報(請求項6参照)
しかし、上記した従来技術において、バリア層21は溶剤分子を通過させない程度の分子間の緻密化が必要なものであるから、耐溶剤性が高い物性が要求されると、硬度も高められて脆くなり、そのようなバリア層ではエンボス加工による変形に充分に追従せず、細かなひび割れa(図4参照)が生じるという問題があった。
因みに、バリア層にひび割れが生じると、視認性向上の必要がある場合にその上に重ねて積層された転写箔に滑らかな光学的反射面が得られず情報表示が不明瞭になるばかりでなく、エンボス加工された表面にもひび割れが生じる場合があり、これでは記録媒体の外観から商品的価値が損なわれて製造効率(歩留まり)が低下するという問題も起こる。
より具体的な問題としては、バリア層としてウレタンアクリレートやエポキシアクリレートなどのアクリレート成分含有の合成樹脂を採用した場合、アクリレート成分を増加させると、バリア層がエンボス加工による変形に追従できずにひび割れが生じた。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して支持体やバリア層がエンボス加工されても、その表面に細かなひび割れが生じることなく、転写箔なども密着しやすくし、各層が緊密に一体化した可逆性感熱記録層支持用積層体とし、またバリア層にひび割れが無く各層が緊密に積層一体化された可逆性感熱記録媒体とし、さらにこのような可逆性感熱記録媒体を用いて優れた品質の情報記録表示媒体が効率よく得られるようにすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、温度変化に伴う発色性または透明性の変化により可視画像を表示および消去可能な可逆性感熱記録層を支持する支持層を設けた積層体とし、この積層体には支持層の表面に引張破壊ひずみ(JIS K7161)20〜100%の紫外線硬化性樹脂層を設け、この紫外線硬化性樹脂層を介して可逆性感熱記録層を支持可能である可逆性感熱記録層支持用積層体としたのである。
上記したように構成されるこの発明の可逆性感熱記録媒体用積層体は、積層体が、支持層と可逆性感熱記録層との間にいわゆるバリア層を有し、この層が所定引張破壊ひずみの紫外線硬化性樹脂層で設けられているので、可逆性感熱記録媒体の表層にエンボス加工によって文字などを形成して変形させてもその変形に紫外線硬化性樹脂層が内部応力を殆ど残すことなく追従し、ひび割れが生じない。
そのため、表示画像の視認性を向上させるために積層される転写箔も紫外線硬化性樹脂層と確実に一体化でき、その他の紫外線硬化性樹脂層の上層も適切に緊密に積層されてひび割れの発生がなく外観も良好であり、溶剤を含んだ可逆性感熱記録層に接しても溶剤を支持層に浸透させず、溶剤による劣化もない可逆性感熱記録媒体用積層体になる。
所定引張破壊ひずみの紫外線硬化性樹脂層が、ウレタンアクリレート系樹脂からなる紫外線硬化性樹脂層である場合にも上記同様の作用を確実に奏する可逆性感熱記録媒体用積層体になる。
また、支持層が、非晶質ポリエステルの単独成分または非晶質ポリエステルとポリカーボネートを併用した混合樹脂からなる支持層である場合にも上記同様の作用を奏する可逆性感熱記録媒体用積層体になる。
また、上記可逆性感熱記録層支持用積層体の紫外線硬化性樹脂層を介して可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録媒体とすると、可逆性感熱記録媒体の表層にエンボス加工によって文字などを形成して変形させてもその変形に紫外線硬化性樹脂層が内部応力を殆ど残すことなく追従し、表面にひび割れがない可逆性感熱記録媒体になる。
このような可逆性感熱記録媒体をいわゆるオーバーシートとして、非接触ICチップおよびアンテナを設けたコア層に重ねて設けて高品質で製造効率のよい情報記録表示カードとすることができる。
この発明は、以上説明したように、可逆性感熱記録層を支持する支持層を有する積層体を、支持層と可逆性感熱記録層との間に所定引張破壊ひずみの紫外線硬化性樹脂層を介在させて設けたので、可逆性感熱記録層を設けてその表面をエンボス加工しても、紫外線硬化性樹脂層や可逆性感熱記録層その他の層にひび割れが生じることがなく、可逆性感熱記録層よりも下層に転写箔などを密着させやすくなり、各層が緊密に一体化できる可逆性感熱記録媒体のための可逆性感熱記録層支持用積層体となる利点がある。またはバリア層にひび割れが無く積層一体化された可逆性感熱記録媒体となる利点がある。
また、このような可逆性感熱記録層支持用積層体に可逆性感熱記録媒体、必要な場合には非接触ICチップおよびアンテナを積層一体化することにより、エンボス加工されてもバリア層となる紫外線硬化性樹脂層や可逆性感熱記録層その他の層にひび割れが生じることなく、転写箔などが密着させやすく、外観も優れて品質のよい可逆性感熱記録媒体または情報記録表示カードになる。
この発明の実施形態とその製造方法を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態の可逆性感熱記録層支持用積層体Aは、可逆性感熱記録層を支持する支持層1の表面に引張破壊ひずみ(JIS K7161)20〜100%の紫外線硬化性樹脂層2を設け、この紫外線硬化性樹脂層2を介して可逆性感熱記録層3(図2参照)を支持可能な積層体である。
図2に示すように、上記の可逆性感熱記録層支持用積層体Aは、紫外線硬化性樹脂層2を介して可逆性感熱記録層3および保護層4を設けて可逆性感熱記録媒体Bを構成することができる。
また、図3に示すように、2枚のコアシート5、6の間に、さらにアンテナコイル7を備えた非接触型ICチップ8を配置したインレットシート9を挟みこんで積層して設け、加熱加圧して、非接触ICチップ8およびアンテナコイル7を設けた情報記録表示カードCを形成する。
このように形成される情報記録表示カードCは、通常の製造工程により積層された積層体をカード状に打ち抜き、さらに周知の加熱加圧法を適用して文字などの形状でエンボス加工部10を形成して、情報記録表示カードを作製することができる。
上記した構成のこの発明の実施形態において、支持層1を構成する材料は、エンボス加工性と繰り返し耐久性の他に、情報記録表示カードCの基材となるコアシート5、6との一体化性(接着性あるいは熱融着性)を考慮し、非晶質ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物が好ましく、より具体的には、一種類の非晶質ポリエステル樹脂組成物を含むものの他に、例えば複数の非晶質ポリエステル樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物や非晶質ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物等を用いることが好ましい。
ここで、実施形態に用いる非晶質ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分との脱水縮合体から得られるものであって、しかもカード製造においてプレス融着等の実用上行なわれる熱加工を行なっても結晶化による白濁化や融着不良等の実害を起こさないものであり、分子構造上結晶性の低いものの他に、例えば結晶化処理前のPBT(ポリブチレンテレフタレート)等も含まれる。
非晶質ポリエステル系樹脂の原材料となる芳香族ジカルボン酸成分として好ましい代表例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸で置換したものでもよい。
ここでいう他のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などが挙げられる。なお、これらの他のジカルボン酸成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジカルボン酸の量も適宜選択することができる。
また、非晶質ポリエステル系樹脂の原材料となるジオール成分として好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、これらのエチレングリコールはその一部を他のジオール成分で置換したものであってもよい。
ここでいう他のジオール成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール、メトキシポリアルキレングリコールなどが挙げられる。なお、これらの他のジオール成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジオールの量も適宜選択することができる。
また、この発明に用いられる非晶質ポリエステル系樹脂のうち、テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させて形成されたポリエチレンテレフタレートがコストの点からその採用が好ましく、またテレフタル酸以外の他のジカルボン酸成分及び/又はエチレングリコール以外の他のジオール成分を含んだ共重合ポリエステルも好ましいものである。
共重合ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分の60モル%以上がテレフタル酸であり、残りのジカルボン酸成分が他のジカルボン酸成分で置換されたジカルボン酸成分と、ジオール成分の60モル%以上がエチレングリコールで、残りのジオール成分が他のジオール成分で置換されたジオール成分とを縮合重合させた共重合ポリエステルが挙げられる。
さらにこの発明に用いることができる芳香族ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートと上記の共重合ポリエステルとの混合物であってもよい。
このような混合物の場合に、特に好適に使用できる共重合ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコールの約30モル%を、1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換して作製され、実質的に非晶質性の芳香族ポリエステル樹脂が好ましく、例えばイーストマンケミカル社製の商品名が「PETG」のものを用いることができる。
前記非晶質ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物におけるポリカーボネート樹脂とは、主鎖にカーボネート結合(−O−CO−O−)を有する重合体を広く意味する。
ポリカーボネート系樹脂としては、フェノールとアセトンとから合成されるビスフェノールAから界面重合法、エステル交換法、ピリジン法等によって製造されるもの、ビスフェノールAとジカルボン酸誘導体(例えばテレ(イソ)フタル酸ジクロリド等)との共重合体により得られるポリエステルカーボネート、ビスフェノールAの誘導体(例えばテトラメチルビスフェノールA等)の重合により得られるものを例示することができる。
また、この発明の積層体をいわゆるオーバーシートとして用いる場合、支持層として単層フィルムでないものであっても要求機能が達成される場合は、例えば非晶質ポリエステル樹脂フィルムと他の種類の異なるフィルムとの2層以上の積層体であってもよい。
さらに、必要に応じて、着色剤、滑剤、フィラー、衝撃改良剤等の添加剤を含有させたフィルムを用いることもできる。特に、タルクのような板状フィラー、あるいはポリブチレンテレフタレートのような引張強度を低下させるポリマーをブレンドした支持体フィルムは、エンボス加工性が向上し好ましく用いることができる。
支持層1の厚さは、作成する情報記録表示カードの厚さによって左右されるが、一般的には50μm〜250μmが好ましく、さらに75μm〜200μmであることがより好ましい。
この発明における紫外線硬化性樹脂層2を形成する紫外線硬化性樹脂は、引張破壊ひずみ(JIS K7161)20〜100%であるものを採用する。なぜなら、引張破壊ひずみが、20%未満では、作成したカードなどの積層体からなるオーバーシートにエンボス加工を施すと、紫外線硬化性樹脂層2が周囲の変形に追従できずひび割れを生じるからである。一方、引張破壊ひずみが100%を超えると、紫外線硬化性樹脂層2が周囲の変形に追従する必要以上に過剰に変形して外観に好ましくない縞模様状の変化を与える場合がある。すなわち、紫外線硬化性樹脂が引張破壊ひずみ(JIS K7161)20〜100%であれば、この樹脂で形成したバリア層にひび割れを生じることなくエンボス加工が可能になり、外観も良好なカード状の積層体が得られる。
この発明における紫外線硬化性樹脂層2を形成する紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどが挙げられる。また、ポリウレタンアクノリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートなどにオリゴマー成分、モノマー成分を添加することで引張破壊ひずみを調整することもできる。
オリゴマー成分の例としては、ウレタンアクリレート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、エポキシアクリレート化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
また、紫外線硬化性樹脂の硬化収縮率の低減や硬化後の強度向上のため、ウレタンアクリレート分子内にアミド基を導入し、すなわちアミノ変性したウレタンアクリレートを配合してもよい。
さらにまた、紫外線硬化性樹脂の柔軟性や引張破壊ひずみの向上のために、ウレタンアクリレート化合物分子内に多価アルコール部分を導入してもよい。そのような多価アルコール部分を構成する多価アルコールの例としては、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール類などが挙げられる。
このうち、ポリエーテルジオール類の例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、1−メチルブチレングリコールなどが挙げられる。
またポリエステルジオールの例としては、ジオール類とコハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸などの多塩基酸類またはこれら多塩基酸の酸無水物との反応によって得られるポリエステルジオールが挙げられる。
また、ポリカーボネートジオールの例としては、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネートなどが挙げられる。
次に、可逆性感熱記録層について説明する。
可逆性感熱記録層は、透明性または発色性を温度によって可逆的に変化させることにより可視画像を表示および消去可能な材料からなり、このような色調変化タイプ、または透明性変化タイプの可逆性感熱記録材料は、樹脂母材と記録材料とからなる。
樹脂母材の種類としては、透明で製膜性の良い合成樹脂が好ましく、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、その他の酢酸ビニル化合物、塩化ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂などの透明なアモルファス樹脂などが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。さらに架橋性樹脂を用いることもできる。
透明性が変化するタイプの記録材料としては、有機低分子化合物を高分子樹脂母材内に0.1〜2.0μm程度の直径の集合体となって分散させたものが好ましく用いることができる。このタイプ記録層では、高分子樹脂母材中に分散した有機低分子化合物が、結晶化と溶融の間で体積変化を起こし、それに伴って高分子樹脂母材との間でボイドが生成され、これにより光散乱が生じるという作用を利用している。
有機低分子化合物の具体例としては、炭素数12以上の高級脂肪酸、高級脂肪酸エステルなど周知の有機低分子化合物の他、カルボン酸、ジカルボン酸、ケトン、エーテル、アルコール、エステル、スルフィド、脂肪酸アミド、脂肪族二塩基酸、脂肪族二塩基酸エステルおよびその誘導体などからなる結晶性低分子化合物でもよく、これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いることもできる。
この発明においては、樹脂母材に分散させる有機低分子化合物のうち、炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルは、低融点(mp)のものであり、比較的低温での熱処理によって融解し、結晶化するので好ましいものである。さらに炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルに加えて炭素数10以上の脂肪族二塩基酸の高融点(mp)のものを併用し、脂肪酸アルキルエステルと脂肪族二塩基酸の配合割合を調整すれば、透明化する温度領域を調整でき、所定温度での透明性および白濁の程度を変化させることができる。
また、炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルの例としては、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸メチル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸ブチル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸メチル、リグノセリン酸エチルなどが挙げられる。
また炭素数10以上の脂肪族二塩基酸の例としては、セバシン酸、ドデカン2酸、テトラデカン2酸、エイコサン2酸などが挙げられる。
炭素数10以上の脂肪族二塩基酸としては、例えばセバシン酸、ドデカン2酸、テトラデカン2酸、エイコサン2酸等が挙げられる。炭素数12以上の脂肪酸アルキルエステルおよび炭素数10以上の脂肪族二塩基酸は、単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
発色性、すなわち色調が変化するタイプの記録材料の例としては、電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物を高分子樹脂母材に溶解もしくは分散させたものが挙げられる。熱の作用によって酸の性質を示したり、塩基の性質を示す電子受容性化合物が、可逆的構造を有する電子供与性呈色化合物に対して、顕色剤となったり、減色剤となったりすることを利用したものである。
例えば、電子供与性呈色化合物と電子受容性化合物の溶融温度異常の温度まで加熱した後、急冷すると発色し、溶融温度以下の温度で加熱した後、徐々に冷却すると消色する。また、顕色剤として長鎖アルキル基を持つ電子受容性化合物を用いた場合は、長鎖アルキル基構造のため顕色剤自体が凝集力を持つ。このため、加熱条件や加熱後の冷却速度により、ロイコ染料に接触したり分離したりすることができ、顕色剤とロイコ染料が接触することで発色し、分離することで消色するのである。
分子構造内にラクトン環を持ち、電子放出によるラクトン環の開環という構造変化により発色性を示す電子供与性呈色性化合物(いわゆるロイコ染料)の具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)フタリド等のフタリド化合物、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−メチルプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオランなどのフルオラン化合物等が挙げられる。
電子受容性化合物としては、例えば炭素数6以上の脂肪族基を有する有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール性化合物(炭素数12以上の脂肪族基を有するフェノール性化合物が好ましい。)が挙げられる。
電子受容性化合物の具体例としては、例えばドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸などが挙げられる。
フェノール性化合物としては、例えば4´−ヒドロキシ−4−オクタデシルベンズアニリド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N´−オクタデシル尿素、4−ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジドなどが挙げられる。
電子供与性呈色化合物、電子受容性化合物および高分子樹脂母材の配合割合は、例えばロイコ染料10質量部に対し、電子受容性化合物を好ましくは10〜100質量部、さらに好ましくは20〜50質量部であり、ロイコ染料10質量部に対し、高分子樹脂母材は、好ましくは10〜200質量部、さらに好ましくは20〜100質量部である。
可逆性記録層は、高分子樹脂母材中に有機低分子化合物を分散させたのち、支持体などの上に塗布することにより、または高分子樹脂母材中に電子供与性呈色化合物と電子受容性化合物を溶解または分散させた後、支持体などの上に塗布することにより形成される。
可逆性感熱記録層の厚さは、3μm〜30μmであることが好ましいが、特にこの範囲に限定されるものではない。
透明白濁タイプの場合には、可視画像のコントラストを高くして鮮明さを向上させるために光反射層をさらに設けることが好ましい。光反射層は、例えばアルミニウム、スズなどの金属蒸着または蒸着箔の接着またはアルミニウム粉、白色系顔料等を混合した光反射性着色塗料を紫外線硬化性樹脂層または支持体上に塗布することにより形成しても良い。
可逆性感熱記録層3が色調変化タイプによって形成されている場合には、光反射層の替わりに着色層を配置することが好ましい。着色層は、例えば、顔料、染料等を混合した着色塗料等を塗布することによって形成される。
図2に示すように、通常、可逆性感熱記録層3の上には、保護層4が重ねて設けられる。保護層4を設けることにより、リライト耐久性やサーマルヘッドとのマッチング性を向上させることができる。保護層4は、最外層となり、サーマルヘッドやその他の物等との接触を考慮して、耐擦傷性、耐汚染性に優れた材料からなることが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の樹脂を用いて形成することが好ましい。
これらの中では、紫外線硬化性樹脂または電子線硬化性樹脂を使用することが好ましい。
紫外線硬化性樹脂または電子線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマーを主成分とするものに、各種アクリレートモノマー、その他の添加剤等を適宜混合し、取扱い性、作業性、硬化性等を調整したものを使用することができる。また、紫外線硬化性樹脂を用いて保護層を形成する場合には、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサンソン系、パーオキシド系等の光重合開始剤を適量添加して、硬化重合させることが好ましい。
保護層4の厚みは、樹脂材料の種類等に応じて適宜設計することが好ましいが、一般的には、0.5〜20μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜10μmの範囲内である。保護層の厚みが0.5μmより薄いと充分な保護効果が得られない場合があり、20μmより厚いと可逆性記録層のコントラストが低下することがある。
可逆性感熱記録媒体Bは、レーザー等の光を用いて可視画像を表示または消去することも可能であり、その場合には可逆性感熱記録層3に光吸収剤を含有させることが好ましい。光吸収剤の例としては、アゾ系色素、シアニン系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、スクアリリウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトキノン系色素、ポリフィリン系色素、インジゴ系色素、ジチオール錯体系色素、アズレニウム系色素、キノンイミン系色素、キノンジミイン系色素等が挙げられる。
また、前記した光吸収剤に代えて、または光吸収剤の可逆性感熱記録層に対する添加と共に、可逆性感熱記録層3に隣接して光熱変換層を配置してもよい。赤外線レーザーを使用する場合には、赤外線レーザーによる印字感度を向上させるために赤外吸収色素を含有する材料からなる可視光透過性の光熱変換層を設けることが好ましい。
赤外吸収色素としては、使用する半導体レーザー光の発振波長付近に吸収ピークをもつものが選択される。一般には、波長300nm〜1000nm、好ましくは700〜900nmの半導体レーザーを使用することができ、赤外吸収色素としては、かかる波長領域に吸収ピークを有するシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、アントラキノン系色素等が好ましく用いられる。
光熱変換層を構成する樹脂母材としては、可視光透過性が高く、製膜性が良好なものが好ましく、また、耐熱性に優れ、分解せず黄変しないものが好ましい。具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリエステル−ウレタン共重合体等が挙げられる。また、可逆性記録層を構成する高分子樹脂母材と同様のものを使用してもよい。光熱変換層の厚さは、0.1μm〜10μmであることが好ましく、更に0.5μm〜5μmであることが好ましいが、特に、この範囲に限定されるものではない。
以上説明したような材料を用いて積層体を形成する際には、アンテナコイル7を備えた非接触型ICチップ8を配置するインレットシート9のシート材料として、上記したコアシート5、6やオーバーシート11と同様の材料やエンジニアリングプラスチック等を使用することができるが、特に耐熱性に優れた材料が好ましい。
アンテナコイル7は、シート素材に印刷やエッチングを行なうことにより形成してもよく、またアンテナコイルを配線したICチップ(図示せず。)を使用してもよい。
この発明のICカード付きの情報記録表示カードCに記録された情報は、接触又は非接触による従来公知の方法によって、保存された情報を読み取ったり、新規な情報を書き込んだりすることができる。
可逆性感熱記録媒体Bに発色画像を形成させるためには、例えばいったん発色温度以上に加熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、たとえばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。
一方、消色させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタンプ、熱風、セラミックヒータなどを用いてもよいし、サーマルヘッドを用いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時よりやや低下させればよい。
この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記録・消去ができ、画像の消去と新しい画像の表示によりいわゆるオーバーライトが可能になる。記録装置としては、通常用いられるプリンター以外に熱転写プリンター、昇華型プリンターなどを用いても良い。また、熱ローラー、熱スタンプによって消色温度域に加熱して消去することもできる。画像の表示手段としては、サーマルヘッドやレーザー装置等が挙げられ、画像の消去手段としては、サーマルヘッド、セラミックヒータ、熱ローラー、熱スタンプ、熱風機等が挙げられる。
非結晶性ポリエステル樹脂(三菱樹脂社製:ディアフィクスPA−C、厚さ100μm)をシート基材として採用し、その表面に紫外線硬化性樹脂(十条ケミカル社製100容量部と2−プロパノール50容量部の混合物)からなる塗液をバーコーターで塗工し、160W/cmの高圧水銀ランプ下で5m/分の速度で通過させて紫外線硬化性樹脂層(バリア層)2を形成し、可逆性感熱記録層支持用積層体(シート)Aを製造した(図1)。このバリア層の引張破壊ひずみ(JIS K7161)を以下に従って計測したところ、29%であった。
[紫外線硬化性樹脂の引張破壊ひずみ試験]
2枚の離型PET(三菱化学ポリエステルフィルム社製:ダイアホイルMR−50)間に100μmのPET(三菱化学ポリエステルフィルム社製:ダイアホイルT100)をスペーサーとして周囲に配置し、当該紫外線硬化性樹脂を挟み固定し、160W/cmの高圧水銀ランプ下で5m/分の速度で通過させて硬化させ、100μm厚みの紫外線硬化樹脂フィルムを作成した。
このフィルムをJIS K7161に基づいて測定した。
次に、コアシート5、6として非結晶性ポリエステル樹脂(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG−WHI、厚さ280μm)を2枚重ね、これを前記のように製造した可逆性感熱記録層支持用積層体(シート)Aと、オーバーシート11として非結晶性ポリエステル樹脂(三菱樹脂社製:ディアフィクスPA−C、厚さ100μm)の間に挟んで、プレス温度130℃、プレス圧力20kgf/cm2、プレス保持時間10分の条件でプレス加工を行って積層一体化させた。
[エンボス加工適性の判定試験]
得られた可逆性感熱記録層支持用積層シートをカード状に打ち抜き、ハンドエンボッサー(日本字研社製:JIKEN NE−1000)を用いてエンボス加工を行ない、得られたカードに形成されたエンボス加工による文字を観察し、この結果を表1に示した。
Figure 0004546362
表1の結果からも明らかなように、文字の表面に割れた部分や剥がれた部分はなく、精密なエンボス加工が可能であることが判明した。
図2に示すように、実施例1の可逆性感熱記録層支持用積層体Aを利用し、その紫外線硬化性樹脂層2の上に重ねて、以下の工程によりロイコ色素を用いた可逆性感熱記録層3を設けて可逆性感熱記録媒体Bを製造した。
可逆性感熱記録層3を形成する際には、先ず、色素前駆体としてクリスタルバイオレットラクトン10質量部と、電子受容性化合物としてヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド20質量部と、高分子樹脂母材(三菱レイヨン社製:LR−1503)50質量部と、溶剤(トルエン)150質量部を混合し、ペイントシェーカーを用いて2時間分散させて可逆性記録層用分散液を調製した。この可逆性記録層用分散液に硬化剤としてイソシアネート化合物(日本ウレタン工業社製:コロネートL、固形分75質量%)を5質量部添加して充分に攪拌し、可逆性記録用塗布液を作製した。
得られた塗布液を実施例1の可逆性感熱記録層支持用積層シートAの紫外線硬化性樹脂層(バリア層)2上にバーコーターで塗布し、100℃で5分間乾燥させ、その上に4.5μm厚のPETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製:ダイヤホイルK233E)をドライラミネートしてシート状の可逆性感熱記録媒体Bを得た。
次に、コアシート5、6として非結晶性PETコポリマーであるPETG(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG−WHI、厚さ280μm)を2枚重ね、これを前記のように製造した可逆性感熱記録媒体Bと、オーバーシート11として非結晶性PETコポリマーであるPETG(三菱樹脂社製:ディアフィクスPA−C、厚さ100μm)の間に挟んで、プレス温度130℃、プレス圧力20kgf/cm2、プレス保持時間10分の条件でプレス加工を行って積層一体化させた。
得られた積層体をカード状に打ち抜き、前記のエンボス加工適性の判定試験を行ない、エンボス加工によって形成された文字を観察し、その結果を表1中に示した。
表1に示した結果からも明らかなように、文字の表面に割れた部分や剥がれた部分はなく、精密なエンボス加工が可能であることが判明した。
次に、得られたカード状可逆性感熱記録媒体のリライト特性について評価し、その結果を表1中に併記した。
[リライト特性判定試験]
プリンター(パナソニックコミュニケーションズ社製:KU−R28112KFL)を用いて、サーマルヘッド印字条件:0.50mJ/dots、ヒーターバー消去条件:128℃(速度28mm/秒)で印字と消去を行なった。
その結果は、表1に示したように、鮮明な青発色の文字が確認され、リライト特性に問題がなく印字視認性が良好であることが判明した。
実施例2において利用した実施例1の可逆性感熱記録層支持用積層体の紫外線硬化性樹脂層(バリア層)を以下の組成で調整した塗液を用いて形成することにより、引張破壊ひずみ50%のバリア層としたこと以外は、実施例2と全く同様にして可逆性感熱記録シートを調製し、さらにコアシート、オーバーシートを重ねて積層一体化してカード状可逆性感熱記録媒体を調製した。
[バリア層の塗液組成]
紫外線硬化性樹脂(東亞合成社製:アロニックスM1200) 50重量部
重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184) 3重量部
溶剤(2−プロパノール) 50重量部
得られたカード状可逆性感熱記録媒体に対し、実施例2と全く同様にしてエンボス加工適正判定試験およびリライト特性判定試験を行ない、これらの結果を表1中に併記した。
表1の結果からも明らかなように、エンボス加工による文字の表面に割れた部分や剥がれた部分はなく、精密なエンボス加工が可能であることが判明し、また鮮明な青発色の文字が確認され、リライト特性に問題がなく印字視認性が良好であることが判明した。
実施例2において利用した実施例1の可逆性感熱記録層支持用積層体の紫外線硬化性樹脂層(バリア層)を以下の組成で調整した塗液を用いて形成することにより、引張破壊ひずみ85%のバリア層としたこと以外は、実施例2と全く同様にして可逆性感熱記録シートを調製し、さらにコアシート、オーバーシートを重ねて積層一体化してカード状可逆性感熱記録媒体を調製した。
[バリア層の塗液組成]
紫外線硬化性樹脂(東亞合成社製:アロニックスM5700) 20重量部
紫外線硬化性樹脂(東亞合成社製:アロニックスM1600) 80重量部
重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184) 3重量部
得られたカード状可逆性感熱記録媒体に対し、実施例2と全く同様にしてエンボス加工適正判定試験およびリライト特性判定試験を行ない、これらの結果を表1中に併記した。
表1の結果からも明らかなように、エンボス加工による文字の表面に割れた部分や剥がれた部分はなく、精密なエンボス加工が可能であることが判明し、また鮮明な青発色の文字が確認され、リライト特性に問題がなく印字視認性が良好であることが判明した。
[比較例1]
実施例2において利用した実施例1の可逆性感熱記録層支持用積層体の紫外線硬化性樹脂層(バリア層)に代えて、以下の組成で調整した塗液を用いて形成することにより、引張破壊ひずみ8%のバリア層としたこと以外は、実施例2と全く同様にして可逆性感熱記録シートを調製し、さらにコアシート、オーバーシートを重ねて積層一体化してカード状可逆性感熱記録媒体を調製した。
[バリア層の塗液組成]
紫外線硬化性樹脂(日本化薬社製:KAYARAD D−310) 50重量部
重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184) 3重量部
溶剤(2−プロパノール) 50重量部
得られたカード状可逆性感熱記録媒体に対し、実施例2と全く同様にしてエンボス加工適正判定試験およびリライト特性判定試験を行ない、これらの結果を表1中に併記した。
表1の結果からも明らかなように、エンボス加工による文字の表面に割れた部分や剥がれた部分があり、精密なエンボス加工ができないことが判明した。リライト特性には問題がなく印字視認性が良好であることが判明した。
[比較例2]
実施例2において利用した実施例1の可逆性感熱記録層支持用積層体の紫外線硬化性樹脂層(バリア層)に代えて、以下の組成で調整した塗液を用いて形成することにより、引張破壊ひずみ18%のバリア層としたこと以外は、実施例2と全く同様にして可逆性感熱記録シートを調製し、さらにコアシート、オーバーシートを重ねて積層一体化してカード状可逆性感熱記録媒体を調製した。
[バリア層の塗液組成]
紫外線硬化性樹脂(東亞合成社製:アロニックスM1600) 88重量部
紫外線硬化性樹脂(日本化薬社製:KS−TMPTA) 12重量部
重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184) 3重量部
溶剤(2−プロパノール) 10重量部
得られた可逆性感熱記録シートに対し、実施例2と全く同様にしてエンボス加工適正判定試験およびリライト特性判定試験を行ない、これらの結果を表1中に併記した。
表1の結果からも明らかなように、エンボス加工による文字の表面に割れた部分や剥がれた部分があり、精密なエンボス加工ができないことが判明した。
[比較例3]
実施例1の可逆性感熱記録層支持用積層体の紫外線硬化性樹脂層(バリア層)を以下の組成で調整した塗液を用いて形成することにより、引張破壊ひずみ105%のバリア層としたこと以外は、実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録シートを調製した。
[バリア層の塗液組成]
紫外線硬化性樹脂(東亜合成社製:アロニックス M102) 30重量部
紫外線硬化性樹脂(東亜合成社製:アロニックス M110) 70重量部
重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184) 3重量部
溶剤(2−プロパノール) 50重量部
この可逆性感熱記録シートは、表面のバリア層の面質が悪く、可逆性感熱記録層を形成できなかった。
実施形態の可逆性感熱記録層支持用積層体およびこれを用いたカードの積層構造を説明する断面図 実施形態の可逆性感熱記録媒体の積層構造を説明する断面図 実施形態の情報記録表示媒体を示す断面図 従来例の情報記録表示媒体を示す断面図
符号の説明
1 支持層
2 紫外線硬化性樹脂層
3 可逆性感熱記録層
4 保護層
5、6 コアシート
7 アンテナコイル
8 非接触型ICチップ
9 インレットシート
10 エンボス加工部
11 オーバーシート
20 支持体
21 バリア層
A 可逆性感熱記録層支持用積層体
B 可逆性感熱記録媒体
C 情報記録表示カード

Claims (5)

  1. 温度変化に伴う発色性または透明性の変化により可視画像を表示および消去可能な可逆性感熱記録層を支持する支持層を設けた積層体からなり、この積層体は支持層の表面に引張破壊ひずみ(JIS K7161)20〜100%の紫外線硬化性樹脂層を設け、この紫外線硬化性樹脂層を介して前記可逆性感熱記録層を支持可能である可逆性感熱記録層支持用積層体。
  2. 紫外線硬化性樹脂層が、ウレタンアクリレート系樹脂からなる紫外線硬化性樹脂層である請求項1に記載の可逆性感熱記録層支持用積層体。
  3. 支持層が、非晶質ポリエステルの単独成分または非晶質ポリエステルとポリカーボネートを併用した混合樹脂からなる支持層である請求項1または2に記載の可逆性感熱記録層支持用積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の可逆性感熱記録層支持用積層体の紫外線硬化性樹脂層を介して可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録媒体。
  5. 請求項4に記載の可逆性感熱記録媒体を、非接触ICチップおよびアンテナを設けたコア層に重ねて設けた情報記録表示カード。
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