JP2003118242A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP2003118242A
JP2003118242A JP2001312489A JP2001312489A JP2003118242A JP 2003118242 A JP2003118242 A JP 2003118242A JP 2001312489 A JP2001312489 A JP 2001312489A JP 2001312489 A JP2001312489 A JP 2001312489A JP 2003118242 A JP2003118242 A JP 2003118242A
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information recording
sheet
chip
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JP2001312489A
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English (en)
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Hiroshi Azuma
博史 東
Shinya Takemoto
晋也 竹本
Tomohiko Terai
智彦 寺井
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性のある印刷層を設けることが可能で、
かつ、リライトの繰り返し動作に対して、物理的劣化等
を生じない、リライト耐久性に優れた情報記録媒体を提
供すること。 【解決手段】 情報記録媒体は、熱可塑性シート又は熱
硬化性シートの内部に、温度によって可逆的に可視画像
を表示し又は可視画像を消去する可逆性記録層を有する
記録材を包埋している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱や光によって可
視画像を表示及び消去することが可能な情報記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】リライト記録媒体の印字や消去において
は、画像記録手段として、ドット単位で加熱制御が可能
なサーマルヘッドが用いられてきた。また、画像消去手
段として、サーマルヘッド、あるいはエリア全面での消
去が可能なヒーターバーや加熱スタンプ等が用いられて
きた。この場合、サーマルヘッド等の画像記録手段や画
像消去手段を、リライト記録媒体の表面に直接接触させ
て加熱することにより、リライト記録媒体の印字や消去
を行っていた。表面に保護層を設けたとしても、画像記
録や消去の観点から数μm程度の層しか設けることがで
きない。リライト記録媒体の情報の書換え動作におい
て、熱、圧力、せん弾力、擦傷力等がリライト記録媒体
の表面に加わる。そのため、記録媒体の表面が物理的に
劣化し、情報書換えの繰り返し使用回数に限界があっ
た。
【0003】安価な磁気カードやラベルのような情報記
録媒体ならば、使用限界回数以上になったら廃棄すれば
よいが、例えば、ICチップやアンテナコイル等の高価
な部品を搭載したリライト記録媒体では廃棄しにくい。
しかも、ICチップの耐久性は高いので、リライト記録
媒体の書換え限度回数で廃棄したのでは、不経済であ
る。このことは、コスト的に実用化への障壁となってい
た。
【0004】そこで、物理的な劣化を防ぐために、レー
ザ光をリライト記録媒体の表面に照射することによっ
て、接触せずに可視画像を形成する方法が有効と考え、
それに対応したリライト記録媒体の開発がすすめられて
いる。
【0005】しかし、リライト記録媒体の表面に接触せ
ずに情報書換えを行う場合でも、表面に記録層が露出し
ていると、日常的な使用により表面が磨耗して物理的劣
化が生じる。また、近年においては、機能面、デザイン
面から、表面に印刷が要求されることも多いが、リライ
ト記録媒体の材質や表面を保護するためのコーティング
層の材質によっては、印刷を施すことができなかった
り、施した印刷が容易に劣化したり等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、耐久
性のある印刷層を設けることが可能で、かつ、リライト
の繰り返し動作に対して、物理的劣化を生じない、リラ
イト耐久性に優れた可逆性情報記録媒体を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の情報記録媒体
は、熱可塑性シート又は熱硬化性シートの内部に、温度
によって可逆的に可視画像を表示し又は可視画像を消去
する可逆性記録層を有する記録材を包埋したことを特徴
とする。ここで、熱可塑性シート又は熱硬化性シートの
内部に、さらにICチップ又はICチップとアンテナを
包埋することができる。また、記録材と、ICチップ又
はICチップとアンテナとの間に中間シートを有するこ
とができる。また、ICチップ又はICチップとアンテ
ナが、フィルム上に配線されていてもよい。また、可逆
性記録層は、光熱変換物質を含有することができる。ま
た、可逆性記録層と接するように、光熱変換物質を含有
する層を設けることができる。また、光熱変換物質は、
赤外線吸収色素であることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の情報記録媒体は、熱可塑
性シート又は熱硬化性シートの内部に、可逆性記録層を
含む記録材を包埋している。
【0009】以下、添付図面を参照しながら、本発明の
実施形態について説明する。なお、同一の構成要素には
同一の記号を付して、説明を省略する。図1は、本発明
の第1の実施形態に係る情報記録媒体の構成を示す断面
図である。図1の(a)は情報記録媒体を形成する前の
状態を示す断面図であり、(b)は、プレスにより情報
記録媒体を形成した後の構成を示す図である。本実施形
態においては、熱可塑性のシート又は熱硬化性のシート
からなるオーバーシート2の間に、可逆性記録層を含む
記録材1が包埋された構成である。2枚のオーバーシー
ト2の間に、記録材1を挟み込んで、オーバーシート2
の上下から加熱加圧プレス加工を行うことにより形成さ
れる。
【0010】ここで、オーバーシート2は2枚のうち少
なくとも一方が透明であり、透明なオーバーシートの厚
さは50μm以上である。また、オーバーシート2は、
それぞれ独立に2層以上の積層体であってもよい。例え
ば、熱可塑性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層
/熱硬化性樹脂層の構成の積層体でも、PET層/(ホ
ットメルト)接着剤層の構成のような積層体でもよい。
2層以上の積層体は、ラミネート等により形成された積
層体であっても、接着剤層を介して積層された積層体で
あっても良い。
【0011】記録材は、可逆性記録層の1層からなって
もよいが、他の層を含む積層体であってもよい。記録材
が積層体である場合の構成については、後述する。
【0012】本実施形態においては、2枚のシートの間
に記録材を挟み込んでプレスすることにより形成される
ので、簡単な工程で形成することができる。また、記録
材を包埋する少なくとも1枚のオーバーシートが透明で
あるので、透明シートを通して記録材の可視化部分を外
部から観察することができる。さらにまた、印刷を透明
なシートの裏面及び/又は透明なシートの下側の層に施
すことができるので、印刷の耐久性にも優れている。さ
らに、透明なシートは十分な厚さを有するので、接触や
磨耗等が起こっても、可視化部分は透明シートで保護さ
れており、リライト耐久性にも優れている。
【0013】次に、熱可塑性シート又は熱硬化性シート
の内部に、アンテナコイルを備えたICチップをさらに
包埋した情報記録媒体について説明する。図2に、本発
明の第2の実施形態に係る情報記録媒体の構成を示す。
図2の(a)において、2枚のオーバーシート2の間に
アンテナコイルを備えたICチップ3と可逆性記録層を
含む記録材1とを重ねて配置する。2枚のオーバーシー
ト2の上下から加熱加圧プレスを行って、一体化する
と、図2の(b)に示す構成の情報記録媒体が形成され
る。なお、アンテナコイルは、印刷やエッチングにより
形成することができる。
【0014】ここで、アンテナコイルを備えたICチッ
プ3は、フィルムに配置されていてもよい。この実施形
態について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の
第3の実施形態に係る情報記録媒体の構成を示す断面図
である。図3の(a)は、2枚のオーバーシート2の間
に、アンテナコイルを接続したICチップ3を配置した
フィルム4と、記録材1を挟み込んだ状態を示す。2枚
のオーバーシート2の上下から加熱加圧プレスを行い、
一体化して図3の(b)に示す情報記録媒体を形成す
る。
【0015】次に、アンテナコイルを備えたICチップ
3と記録材1とが、中間シートを介して配置されている
情報記録材について説明する。図4は、第4の実施形態
に係る情報記録媒体の構成を示す断面図である。図4の
(a)は、2枚のオーバーシート2の間に、アンテナコ
イルを備えたICチップ3と記録材1とが中間シート5
を介して配置されたものが挟み込まれている。オーバー
シート2の上下から、加熱加圧プレスを行い、図4の
(b)に示す情報記録媒体を形成する。
【0016】本実施形態において、中間シートは単層で
も2層以上の積層体でも良く、単層の場合には接着剤層
であり、多層の積層体の場合には、表面層が接着剤層で
ある。例えば、接着剤層/PET層/接着剤層のような
積層体が該当する。ここで、接着剤層としては、ホット
メルト接着剤層であることが好ましい。
【0017】オーバーシートだけでは包埋する記録材や
ICチップ等の凹凸を吸収し難い場合でも、中間シート
を配置することにより、かかる凹凸を十分に吸収するこ
とができ、包埋性が高くなる。
【0018】次に、アンテナコイルを接続したICチッ
プを配置したシート4と、記録材1との間に中間シート
を介する構成を説明する。図5は、本発明の第4の実施
形態に係る情報記録媒体の構成を示す断面図である。図
5の(a)は、2枚のオーバーシート2の間に、アンテ
ナコイルを接続したICチップを配置したフィルム4と
記録材1とが中間シート5を介して配置されたものが挟
み込まれている。オーバーシート2の上下から、加熱加
圧プレスを行い、図5の(b)に示す情報記録媒体を形
成する。
【0019】以下に、本発明の情報記録媒体に包埋され
る記録材が、積層体である場合の構成について説明す
る。図6の(a)に、かかる記録材の一具体例の構成を
示す。図6の(a)において、ポリエチレンテレフタレ
ート(以下「PET」と称す)等の基材11上に、画像
の視認性を向上させるためのアルミ蒸着層12を有し、
その上に可逆性記録層13と光熱変換層14と接着性保
護層15をこの順に有する。基材11の他方の側には、
ホットメルト接着剤等による接着剤層16を有する。な
お、アルミ蒸着層は、真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などの周知
の方法によって、形成することができる。
【0020】ここで、可逆性記録層と光熱変換層との順
序は逆になってもよい。図6の(b)に、情報記録媒体
の別の具体例を示す。図6の(b)においては、アルミ
蒸着層12の上に、光熱変換層14と記録層13とがこ
の順に配置されている。
【0021】可逆性記録層としては、加熱温度を調整す
ることによって、透明/白濁の状態変化を生じて可視状
態になるものと、加熱後の冷却速度を調整することによ
って、発色して可視状態になるもののいずれかを使用す
ることができる。前者の場合の例としては、高分子樹脂
母材に結晶性の有機低分子化合物を分散させたものが挙
げられ、後者の例としては、高分子樹脂母材に電子供与
性呈色化合物と電子受容性化合物とを分散させたものが
挙げられる。
【0022】有機低分子化合物としては、高分子樹脂母
材内に0.1〜2.0μm程度の直径の集合体となっ
て、熱処理によって融解又は結晶化するものであり、例
えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ド、脂肪族二塩基酸、脂肪族二塩基酸エステル、脂肪族
ケトン、脂肪族エーテル、脂肪族アルコール及びその誘
導体からなる結晶性低分子化合物が挙げられ、これらを
単独で、又は2種類以上を混合して用いることができ
る。有機低分子化合物としては、融点が50〜150℃
の範囲内のものが好ましく用いられる。
【0023】本発明においては、炭素数12以上の脂肪
酸エステルと炭素数10以上の脂肪族二塩基酸とを併用
した組み合わせで使用することが好ましい。炭素数12
以上の脂肪酸エステルの具体例としては、ステアリン酸
メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ステアリ
ル、ステアリン酸べヘニル、べヘン酸メチル、ベヘン酸
エチル、ベヘン酸ブチル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸
ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸メチ
ル、リグノセリン酸エチル、リグノセリン酸ステアリ
ル、リグノセリン酸ベヘニル等が挙げられる。炭素数1
0以上の脂肪族二塩基酸の具体例としては、セバシン
酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。
【0024】電子供与性化合物としては、分子構造中に
ラクトン環部分を有するロイコ染料が好適に使用され
る。例えば、クリスタルバイオレット、3−(4−ジエ
チルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタ
リド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド等のフタリド化合物、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−シ
クロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ク
ロロ−7−アニリノフルオラン、3−メチルプロピルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン等
のフルオラン化合物が挙げられる。これらの化合物は、
分子構造中にラクトン環部分を持ち、そのラクトン環が
開環したり閉環したりすることにより、発色と消色す
る。
【0025】電子受容性化合物としては、フェノール
類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩、スルホン
酸、スルホン酸塩類が挙げられる。具体的には、ドデシ
ルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシル
ホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテト
ラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒド
ロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン
酸、α−ヒドロキシエイコ酸、α−ヒドロキシドコサン
酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘ
キサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等が挙げ
られる。フェノール化合物としては、4'−ヒドロキシ
−4−オクタデシルベンズアニリド、N−オクタデシル
−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシ
フェニル)−N'−オクタデシル尿素、4−ヒドロキシ
フェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド等が挙げられ
る。
【0026】可逆性記録層に用いられる高分子樹脂母材
としては、透明で製膜性の良い合成樹脂が好ましく、具
体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、そ
の他の酢酸ビニル化合物、塩化ビニル系共重合体、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ABS樹脂、ABS樹脂等で、透明なアモルフ
ァス樹脂が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以
上を混合して使用することができる。可逆性記録層に、
電子線又は紫外線等の放射線硬化性樹脂を混合すると、
高温領域での弾性率が高くなり、リライト耐久性を向上
させることができる。かかる樹脂としては、例えば、テ
トラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート等の硬化性に優れた多官能
アクリレートモノマーが良好に使用できる。紫外線硬化
の場合は、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサ
ンソン系、パーオキシド系等の光重合開始剤を適量添加
して硬化重合させる。
【0027】本発明においては、光熱変換物質を可逆性
記録層に含有させてもよいし、記録層と隣接する層を設
けてこの層に含有させてもよい。使用される光熱変換物
質としては、例えば赤外吸収色素が挙げられ、使用する
半導体レーザ光の発振波長付近に吸収ピークを持つもの
が選択される。一般には、波長100nm〜1,000
nm、好ましくは700〜900nmの半導体レーザを
使用することができ、赤外吸収色素としては、かかる波
長領域に吸収ピークを有するシアニン系色素、ポリメチ
ン系色素、アントラキノン系色素等が好ましく用いられ
る。これらの中では、フタロシアニン系色素又はナフタ
ロシアニン系色素が好ましい。構造的に、熱や紫外線に
よる分解等の劣化に対して耐久性があるので、リライト
回数の向上を図ることができるからである。耐候性、耐
熱性等の化学的安定性の見地からは、特に、各種金属と
錯体を形成しているものが好ましい。
【0028】可逆性記録層と隣接して光熱変換物質を含
有する層を設ける場合に、かかる層を構成する樹脂母材
は、イソシアネート化合物によって架橋された非塩素系
樹脂を主成分とする。具体的な樹脂としては、透明で製
膜性が良好なものが好ましく、さらに耐熱性に優れ、分
解したり黄変しないものがさらに好ましい。例えば、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等の
非塩素系樹脂が挙げられる。非塩素系樹脂が用いられる
理由は、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルー酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニリデン共重合体等の塩素系樹脂を用いた
場合、熱分解を起こして黄変したり、脱塩素と赤外吸収
色素が反応する等の不具合が生じる。このため、耐熱
性、耐候性、保存安定性に欠けることがある。黄変した
場合には、可視画像の視認性が低下し、表示機能が低下
する。
【0029】イソシアネート化合物によって熱架橋させ
るためには、水酸基やカルボキシル基等の官能基を有し
ていることが必要である。未架橋の場合、レーザによる
瞬間的な加熱によって印字される際に、光熱変換層が軟
化したり溶融するので、記録材の各層に歪みが生じ、割
れの発生や、破壊、変形を起こす。一方、熱架橋によっ
て三次元硬化させると、高温時の弾性率が向上して変形
を抑えることができるため、印字の際の加熱によっても
各層の変形が小さくなる。
【0030】イソシアネート化合物としては、イソシア
ネート基を多数有するポリイソシアネート化合物が好ま
しく用いられ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、及びこれらポリイソシアネート化合物のト
リメチロールプロパン等によるアダクト型、ビューレッ
ト型又はトリマー型を挙げることができる。
【0031】記録材等を包埋するオーバーシートとして
用いられる熱可塑性シート又は熱硬化性シートは、記録
材、アンテナコイル、ICチップ等を包埋させることが
できるものでなければならず、加熱加圧プレスにより変
形するものが好ましい。熱可塑性シートとしては、特に
限定されるわけではないが、塩化ビニル、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリ
ル酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共
重合体等の塩化ビニル系シート、ポリオレフィン系シー
ト、非晶性ポリエステルシート、結晶性ポリエステルシ
ート、アクリル樹脂シート、ABS樹脂シート、AS樹
脂シート、PC樹脂シート等の汎用プラスチックシート
が好ましく用いられる。また、耐熱性が良好なエンジニ
アリング・プラスチックを用いることもでき、例えば、
ポリフェニレンスルフィドシート、ポリエーテルイミド
シート、ポリイミドシート、ポリエーテルエーテルケト
ンシート等が挙げられる。ただし、硝子転移温度(T
g)や融解温度等が高すぎる材料では、プレス加工の際
に、可逆性記録層やICチップ等の劣化や破壊が起こる
ことも考えられるので、プレス加工温度を考慮して適宜
選択されることが好ましい。熱可塑性シートは単層シー
トであってもよいが、2層以上の積層体であってもよ
い。この場合、各層は同一組成の樹脂からなっても、異
なっていてもよい。
【0032】熱硬化性シートとしては、エポキシ樹脂を
主成分とする層が好ましく用いられる。熱硬化性シート
は単層シートであってもよいが、2層以上の積層体であ
ってもよい。この場合には、各層は同一でも異なってい
てもよく、また、ハンドリング性を考慮すると、ポリエ
ステルシート等にエポキシ樹脂層を積層した積層体であ
ることが好ましい。
【0033】これらのオーバーシートが、記録材の表面
を覆う側に配置される場合には、透明であることが好ま
しい。透明な耐久性のあるシートを記録材の表面に設け
ることにより、可逆性記録層に記録された情報を明瞭に
確認することができる。また、透明シートの裏面に印刷
を施すことができるので、印刷層が磨耗等により劣化す
ることもない。オーバーシートには、用途、必要に応じ
て、適宜、コロナ処理、易接着コート等の表面処理を施
してもよい。例えば、情報記録媒体がカードやラベルと
して用いられる場合には、印刷が施される場合も多いの
で、表面処理を施すことが好ましい。
【0034】本発明に用いられる中間シートとしては、
加熱加圧プレス加工により変形しやすい材料であること
が好ましい。例えば、熱可塑性樹脂が好ましく用いら
れ、具体的には、上述した塩化ビニル系樹脂、オレフィ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチ
レン系樹脂等が挙げられ、これらを単独で、又は2種類
以上をブレンドして用いることができる。また、中間シ
ートとしては、熱硬化性樹脂を使用することもできる。
この場合には、熱硬化性樹脂が室温で柔らかい状態のま
ま外層となるシート、記録材等と重ねて、加熱プレスす
ることにより、情報記録媒体を形成することができる。
かかる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂が挙げられる。また、中間シート
は単層体でも積層体でもよく、積層体の場合に、各層は
同一でも異なっていてもよい。例えば、熱可塑性樹脂層
/耐熱性フィルム/熱可塑性樹脂層のような層構成をと
ることができる。
【0035】本発明の情報記録媒体を構成する各層の厚
さは特に限定されるものではないが、記録材の保護の観
点から、オーバーシートが、50μm〜500μmであ
ることが好ましい。記録材の厚さは、30μm〜300
μmであり、可逆性記録層は、3〜30μmであること
が好ましい。可逆性記録層の厚さがこの範囲内であれ
ば、可視画像のコントラストが得られ、画像の印字や消
去の速度も満たされるからである。光熱変換層は、可視
画像のコントラストの観点から、0.1〜10μmであ
ることが好ましい。本発明において、情報記録媒体を構
成する各層に、適宜添加剤等を添加することができる。
本発明の情報記録媒体は、2枚のオーバーシートの間
に、記録材、ICチップ等を挿入して、プレス加工する
ことにより、形成される。プレス加工の条件は、プレス
温度が100℃〜150℃であることが好ましく、プレ
ス圧力が10kg/cm2〜50kg/cm2であること
が好ましく、プレス時間は10分間〜1時間であること
が好ましい。本発明の情報記録媒体は、レーザを使用し
て可視状態とすることができる。使用されるレーザとし
ては、通常使用されるものを用いることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)書換え・可視化可能な記録材の作成 25μm厚のポリエチレンテレフタレート(以下「PE
T」と称すこともある)フィルムの表面に、接着剤層を
介してアルミニウムを蒸着した。その上に、下記に示す
書換え可能・可視化可能な可逆性記録層用組成物をテト
ラヒドロフランに溶解した塗工液を塗工し、110℃で
5分間、加熱乾燥した。その後、160W/cm・10
m/分でUV光を照射して、厚さ10μmの可逆性記録
層を形成した。 (可逆性記録層用組成物) 塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体 100質量部 (日信化学社製、商品名「ソルバインMF」) テトラエチレングリコールジアクリレート 50質量部 光重合開始剤(チバガイギー社製、商品名「イルガキュア」) 2質量部 ステアリン酸ステアリル 40質量部 エイコサン二酸 8質量部 フタロシアニン系色素(山本化成社製、商品名「D99−038」)2質量部
【0037】次いで、形成された記録層の上に、ポリエ
ステル−ポリウレタン共重合体からなる樹脂を塗工し、
130℃で5分間、加熱乾燥させて、層厚1μmの接着
性保護層を形成した。
【0038】次いで、PETフィルムの記録層を形成し
た面と反対側の面に、下記に示す接着剤層用塗布液を塗
工し、130℃で5分間、加熱乾燥して層厚4μmの接
着剤層を形成した。その後、テープ状に切断して、記録
材を作成した。 (接着剤層用塗布液) 塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体 100質量部 (日信化学社製、商品名「ソルバインMF」) メチルイソブチルケトン 250質量部 トルエン 250質量部
【0039】情報記録媒体の作成 オーバーシートとして200μm厚の塩化ビニル(PV
C)フィルムと、アンテナ用ループコイルが配線された
ICチップと、作成された記録材と、他方のオーバーシ
ートとして200μm厚のPVCフィルムとをこの順に
重ね、プレス温度が130℃、プレス圧力が20kg/
cm2、プレス時間が30分間でプレスを行って、積層
体を作成した。ただし、記録材の接着剤層が、アンテナ
用ループコイルが配線されたICチップと接するように
重ねた。次いで、得られた積層体を裁断し、打ちぬい
て、大きさが54mm×86mmである、記録材と、ア
ンテナ用ループコイルを配線したICチップとを包埋し
たカード状の情報記録媒体を作成した。
【0040】評価 得られた情報記録媒体について、半導体レーザを搭載し
た専用カードリーダ・ライターを用いて、印字と消去の
繰り返し動作を行った。3,000回リライトを繰り返
しても、物理的劣化を生じず、リライト耐久性に優れた
ものであることが分かった。
【0041】(実施例2)実施例1において、アンテナ
用ループコイルを配線したICチップと、記録材との間
に、中間シートとして、厚さ100μmのPVCフィル
ムを挿入してプレスを行った以外は実施例1と同様にし
て、情報記録媒体を作成した。得られた情報記録媒体に
ついて、実施例1と同様の評価を行ったところ、3,0
00回リライトを繰り返しても、物理的劣化を生じず、
リライト耐久性に優れたものであることが分かった。
【0042】(実施例3)実施例1において、オーバー
シートを、200μm厚のPVCフィルムの替りに、1
00μm厚のPETフィルムと100μm厚の結晶性ポ
リエステル樹脂フィルム(ガラス転移温度(Tg):2
℃、融点(Tm):110℃)の積層体を用い、PET
フィルムが外側となるように重ねてプレスを行った以外
は実施例1と同様にして、情報記録媒体を作成した。得
られた情報記録媒体について、実施例1と同様の評価を
行ったところ、3,000回リライトを繰り返しても、
物理的劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものであ
ることが分かった。
【0043】(実施例4)実施例3において、アンテナ
用ループコイルを配線したICチップと、記録材との間
に、中間シートとして、厚さ100μmの結晶性ポリエ
ステルフィルム(Tg:2℃、Tm:110℃)を挿入
した構成とした以外は実施例3と同様にして、情報記録
媒体を作成した。得られた情報記録媒体について、実施
例1と同様の評価を行ったところ、3,000回リライ
トを繰り返しても、物理的劣化を生じず、リライト耐久
性に優れたものであることが分かった。
【0044】(実施例5)実施例3において、アンテナ
用ループコイルを配線したICチップと、記録材との間
に、中間シートとして、層構成が、100μm厚の結晶
性ポリエステルフィルム(Tg:2℃、Tm:110
℃)/50μm厚のPETフィルム/100μm厚の結
晶性ポリエステル樹脂フィルム(Tg:2℃、Tm:1
10℃)である積層シートを挿入した構成とした以外は
実施例3と同様にして、情報記録媒体を作成した。得ら
れた情報記録媒体について、実施例1と同様の評価を行
ったところ、3,000回リライトを繰り返しても、物
理的劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものである
ことが分かった。
【0045】(実施例6)書換え・可視化可能な記録材の作成 25μm厚のPETフィルムの表面に、接着剤層を介し
てアルミニウムを蒸着した。その上に、下記に示す可逆
性記録層用組成物をテトラヒドロフランに溶解した塗工
液を塗工し、110℃で5分間、加熱乾燥した。その
後、160W/cm・10m/分でUV光を照射して、
厚さ10μmの可逆性記録層を形成した。 (可逆性記録層用組成物) 塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体 100質量部 (日信化学社製、商品名「ソルバインMF」) テトラエチレングリコールジアクリレート 50質量部 光重合開始剤(チバガイギー社製、商品名「イルガキュア184」)2質量部 ステアリン酸ステアリル 40質量部 エイコサン二酸 8質量部
【0046】次いで、形成された可逆性記録層の上に、
下記に示す光熱変換層用塗布液を塗工し、130℃で5
分間、加熱乾燥して、層厚1μmの光熱変換層を形成し
た。 (光熱変換層用塗布液) ポリエステル−ポリウレタン共重合体 257質量部 (東洋紡績社製、商品名「バイロンUR−8200」、 固形分濃度30質量%) イソシアネート化合物 21質量部 (日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」、固形分濃度75質量%) フタロシアニン系色素(山本化成社製、商品名「D99−038」)7質量部 メチルイソブチルケトン 170質量部 トルエン 170質量部
【0047】次いで、形成された光熱変換層の上にポリ
エステル−ポリウレタン共重合体からなる樹脂を塗工
し、130℃で5分間、加熱乾燥して、層厚が1μmの
接着性保護層を形成した。
【0048】次いで、PETフィルムの記録層を形成し
た面と反対側の面に、下記に示す接着剤層用塗布液を塗
工し、130℃で5分間、加熱乾燥して、層厚4μmの
接着剤層を形成した。その後、テープ状に切断して、記
録材を作成した。 (接着剤層用塗布液) 塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体 100質量部 (日信化学社製、商品名「ソルバインMF」) メチルイソブチルケトン 250質量部 トルエン 250質量部
【0049】情報記録媒体の作成 オーバーシートとして200μm厚の塩化ビニル(PV
C)フィルムと、アンテナ用ループコイルが配線された
ICチップと、作成された記録材と、他方のオーバーシ
ートとして200μm厚のPVCフィルムとをこの順に
重ね、プレス温度が130℃、プレス圧力が5kg/c
2、プレス時間が30分間でプレス行って、積層体を
作成した。得られた積層体を裁断し、打ちぬきを行い、
大きさが54mm×86mmである、記録材と、アンテ
ナ用ループコイルを配線したICチップとを包埋したカ
ード状の情報記録媒体を作成した。
【0050】評価 得られた情報記録媒体について、半導体レーザを搭載し
た専用カードリーダ・ライターを用いて、印字と消去の
繰り返し動作を行った。3,000回リライトを繰り返
しても、物理的劣化を生じず、リライト耐久性に優れた
ものであることが分かった。
【0051】(実施例7)実施例6において、記録材に
おける可逆性記録層と光熱変換層の重ねる順序を取り替
えて、光熱変換層/可逆性記録層/接着剤層の構成とし
た以外は実施例6と同様にして、情報記録媒体を作成し
た。得られた情報記録媒体について、実施例6と同様の
評価を行ったところ、3,000回リライトを繰り返し
ても、物理的劣化を生じず、リライト耐久性に優れたも
のであることが分かった。
【0052】(実施例8)実施例6において、アンテナ
用ループコイルを配線したICチップと、記録材との間
に、中間シートとして、100μm厚のPVCフィルム
を挿入した構成とした以外は実施例6と同様にして、情
報記録媒体を作成した。得られた情報記録媒体につい
て、実施例6と同様に評価を行ったところ、3,000
回リライトを繰り返しても、物理的劣化を生じず、リラ
イト耐久性に優れたものであることが分かった。
【0053】(実施例9)実施例8において、記録材に
おける可逆性記録層と光熱変換層の重ねる順序を取り替
えて、光熱変換層/可逆性記録層/接着剤層の構成とし
た以外は実施例8と同様にして、情報記録媒体を作成し
た。得られた情報記録媒体について、実施例6と同様の
評価を行ったところ、3,000回リライトを繰り返し
ても、物理的劣化を生じず、リライト耐久性に優れたも
のであることが分かった。
【0054】(実施例10)実施例6において、オーバ
ーシートを、200μm厚のPVCフィルムの替りに、
100μm厚のPETフィルムと100μm厚の結晶性
ポリエステル樹脂フィルム(Tg:2℃、Tm:110
℃)の積層体を用い、PETフィルムが外側となるよう
に重ねてプレスを行った以外は実施例6と同様にして、
情報記録媒体を作成した。得られた情報記録媒体につい
て、実施例6と同様の評価を行ったところ、3,000
回リライトを繰り返しても、物理的劣化を生じず、リラ
イト耐久性に優れたものであることが分かった。
【0055】(実施例11)実施例10において、記録
材における可逆性記録層と光熱変換層の重ねる順序を取
り替えて、光熱変換層/可逆性記録層/接着剤層の構成
とした以外は実施例10と同様にして、情報記録媒体を
作成した。得られた情報記録媒体について、実施例6と
同様の評価を行ったところ、3,000回リライトを繰
り返しても、物理的劣化を生じず、リライト耐久性に優
れたものであることが分かった。
【0056】(実施例12)実施例10において、アン
テナ用ループコイルを配線したICチップと、記録材と
の間に、中間シートとして、厚さ100μmの結晶性ポ
リエステルフィルム(Tg:2℃、Tm:110℃)を
挿入した構成とした以外は実施例10と同様にして、情
報記録媒体を作成した。得られた情報記録媒体につい
て、実施例6と同様の評価を行ったところ、3,000
回リライトを繰り返しても、物理的劣化を生じず、リラ
イト耐久性に優れたものであることが分かった。
【0057】(実施例13)実施例12において、記録
材における可逆性記録層と光熱変換層の重ねる順序を取
り替えて、光熱変換層/可逆性記録層/接着剤層の構成
とした以外は実施例12と同様にして、情報記録媒体を
作成した。得られた情報記録媒体について、実施例6と
同様の評価を行ったところ、3,000回リライトを繰
り返しても、物理的劣化を生じず、リライト耐久性に優
れたものであることが分かった。
【0058】(実施例14)実施例1において、可逆性
記録層用塗布液を下記に示すものに変更し、25μm厚
の透明PETフィルム上に可逆性記録層用塗布液を塗布
して、130℃で5分間乾燥させた後、60℃で16時
間エージングを行って、層厚10μmの可逆性記録層を
形成した以外は実施例1と同様にして、情報記録媒体を
作成した。得られた情報記録媒体について、実施例1と
同様の評価を行ったところ、3,000回リライトを繰
り返しても、物理的劣化を生じず、リライト耐久性に優
れたものであることが分かった。 (可逆性記録層用塗布液)下記に示す分散液を、ペイン
トシェーカーを用いて、2時間分散した。次いで、分散
された分散液の中に、さらに硬化剤としてイソシアネー
ト化合物(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネート
L」、固形分濃度75質量%)を5質量部添加して、十
分に攪拌し、可逆性記録層用塗布液を調整した。 分散液 色素前駆体:クリスタルバイオレットラクトン 10質量部 電子受容性化合物: ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド 20質量部 樹脂母材:アクリルポリオール (三菱レイヨン社製、商品名「LR−1503」) 50質量部 溶剤:トルエン 150質量部
【0059】(実施例15)実施例14において、オー
バーシートを200μm厚のPVCフィルムの替りに、
100μm厚のPETフィルムと100μm厚の結晶性
ポリエステル樹脂フィルム(Tg:2℃、Tm:110
℃)の積層体を用い、PETフィルムが外側となるよう
に重ねてプレスを行った以外は実施例6と同様にして、
情報記録媒体を作成した。得られた情報記録媒体につい
て、実施例14と同様の評価を行ったところ、3,00
0回リライトを繰り返しても、物理的劣化を生じず、リ
ライト耐久性に優れたものであることが分かった。
【0060】(実施例16)実施例6において、可逆性
記録層を実施例14に使用したものと同一とし、可逆性
記録層/光熱変換層/接着剤層の層構成とした以外は、
実施例6と同様にして、情報記録媒体を作成した。得ら
れた情報記録媒体について、実施例6と同様の評価を行
ったところ、3,000回リライトを繰り返しても、物
理的劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものである
ことが分かった。
【0061】(実施例17)実施例16において、オー
バーシートを200μm厚のPVCフィルムの替りに、
100μm厚のPETフィルムと100μm厚の結晶性
ポリエステル樹脂フィルム(Tg:2℃、Tm:110
℃)の積層体を用い、PETフィルムが外側となるよう
に重ねてプレスした以外は実施例16と同様にして、情
報記録媒体を作成した。得られた情報記録媒体につい
て、実施例14と同様の評価を行ったところ、3,00
0回リライトを繰り返しても、物理的劣化を生じず、リ
ライト耐久性に優れたものであることが分かった。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、耐
久性のある印刷層を設けることができ、かつ、リライト
繰り返し動作に対して、物理的劣化の生じない、リライ
ト耐久性を有する情報記録媒体を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報記録媒体の
構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る情報記録媒体の
構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る情報記録媒体の
構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る情報記録媒体の
構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る情報記録媒体の
構成を示す断面図である。
【図6】本発明の情報記録媒体に使用される記録材の具
体例の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 記録材 2 オーバーシート 3 アンテナコイルを備えたICチップ 4 アンテナコイル及びICチップを配線したフィルム 5 中間シート 11 基材 12 アルミ蒸着層 13 可逆性記録層 14 光熱変換層 15 接着性保護層 16 接着剤層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/18 101F 101C G06K 19/00 K (72)発明者 寺井 智彦 滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂 株式会社長浜工場内 Fターム(参考) 2C005 HA07 HA10 JA09 JA26 JC02 KA06 KA27 KA38 KA49 LA03 LA26 LB07 LB16 LB17 LB25 MB03 NA08 NB01 PA01 QB03 RA04 2H026 AA07 AA09 BB01 DD02 DD42 DD46 DD53 DD56 DD57 FF11 FF13 FF15 FF29 GG01 2H111 HA07 HA14 HA21 HA23 HA34 5B035 BA03 BB09 CA01 CA23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性シート又は熱硬化性シートの内
    部に、温度によって可逆的に可視画像を表示し又は可視
    画像を消去する可逆性記録層を有する記録材を包埋した
    ことを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性シート又は熱硬化性シート
    の内部に、さらにICチップ又はICチップとアンテナ
    を包埋することを特徴とする請求項1記載の情報記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記記録材と、前記ICチップ又はIC
    チップとアンテナとの間に中間シートを有することを特
    徴とする請求項1または2記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記ICチップ又はICチップとアンテ
    ナが、フィルム上に配線されていることを特徴とする請
    求項1から3のいずれか1項記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記可逆性記録層が、光熱変換物質を含
    有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項
    記載の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記可逆性記録層と接するように、光熱
    変換物質を含有する層を設けたことを特徴とする請求項
    1から4のいずれか1項記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記光熱変換物質が、赤外線吸収色素で
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載
    の情報記録媒体。
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