JPH09131961A - 印刷物 - Google Patents

印刷物

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JPH09131961A
JPH09131961A JP7316017A JP31601795A JPH09131961A JP H09131961 A JPH09131961 A JP H09131961A JP 7316017 A JP7316017 A JP 7316017A JP 31601795 A JP31601795 A JP 31601795A JP H09131961 A JPH09131961 A JP H09131961A
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聡 木下
Mikihiko Sakakibara
幹彦 榊原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目視では複写牽制パターン形成されているこ
とを容易に判断することができない印刷物を提供する。 【解決手段】 印刷物2には、(B)に示す警告パター
ン6および背景パターン8に加えて、(A)に示すカム
フラージュパターンが形成されている。警告パターン6
は65線/インチの平網で構成され、背景パターン8は
133線/インチの平網で構成されている。印刷物は、
目視によれば、カムフラージュパターンが強調して視認
され、警告パターン6と背景パターン8との種類の差異
を視認することが困難である。ところが、印刷物の複写
機による複製物には背景パターン8が警告パターン6に
比べて明瞭に現出するため、警告パターン6を容易に視
認することができ、複写機による複製物であることが一
目で判別される。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機による悪意
のコピーを実質的に無効ならしめる複写牽制パターンを
有する印刷物に関する。
【従来の技術】カラー複写機などの複写機の分解能(解
像度または解像力)、色再現性などの性能の向上につれ
て、種々の印刷物の精巧な複写が可能となる。その反
面、小切手、株券などの有価証券、あるいは、権利書な
どの重要文書などの印刷物の悪意の(不都合な)複写に
よる悪用が問題になる。
【0001】そのような悪用を防止するため印刷物の複
製を困難にする試みがすでに種々提案されている。たと
えば、特開昭53−142237号公報は、狭いピッ
チ、たとえば、133線/インチの平網の背景パターン
と、広いピッチ、たとえば、65線/インチの平網の警
告パターンとで構成される複写牽制パターンにカムフラ
ージュを組み合わせて警告パターンの目視を困難にする
印刷物を開示する。この印刷物を肉眼で見ると、カムフ
ラージュパターンが強調されて視認され、複写牽制機能
パターンが印刷された印刷物であることを判別しにくく
なっている。一方、この印刷物をカラー複写機で複写す
ると、ピッチの狭い背景パターンおよびカムフラージュ
を構成する網点は複写されず、広いピッチの警告パター
ンを構成する網点は複写されてその警告パターンが現出
し、カラー複写機によって複製された文書であることが
視認できる。上記公報が開示する印刷物のカムフラージ
ュパターンは、印刷物に対して、実線パターン上張紙と
して、上記警告パターンおよび背景パターンに重ね合わ
せて形成されている。また、カムフラージュパターンと
しては、パケット織および渦巻き模様などが例示されて
いる。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した特開
昭53−142237号公報に例示された印刷物では、
複写牽制パターン自体は一見して目視可能であるため、
複写牽制パターンとカムフラージュパターンとの組み合
わせによっては複写牽制パターンが印刷されていること
が視認される場合がある。また、上記公報に例示された
カムフラージュパターンの他にも、カムフラージュ機能
をより効果的に発揮することができるカムフラージュパ
ターンを用いることができれば印刷物の複写牽制機能を
より増大されることができる。また、上記公報が開示す
る印刷物では、カムフラージュパターンは上張紙として
警告パターンおよび背景パターンに重ね合わせて形成さ
れたため、この重ね合わせによって印刷物にモアレが生
じ、複写牽制機能の効果が低減する場合がある。
【0003】さらには、複写機の性能の向上は、凄まじ
く、その解像度は非常に向上しており、その反面、複写
機の分解能レベルは様々であるため、種々の分解能レベ
ルの複写機の複写された場合にも、効果的に複写牽制機
能を発揮することができる印刷物が求められる。
【0004】本発明は、上述した問題を解決するための
ものであり、目視によっては複写牽制パターンを殆ど判
別することができない印刷物を提供することを目的とす
る。また、本発明は、種々の性能の複写機によっても、
あるいは、複写機の性能の向上に対しても、有効に複写
牽制機能が機能する複写牽制パターンを有する印刷物を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
を解決し、上述した目的を達成するために本発明の印刷
物では、複写牽制パターンとして、それ自体でもやや目
視困難なパターンを選択し、このやや目視困難な複写牽
制パターンに対してさらにカムフラージュパターンを組
み合わせて印刷することで目視では実質的に複写牽制パ
ターンを視認できないようにする。また、本発明の印刷
物では、上記カムフラージュパターンとして、カムフラ
ージュ機能を特に効果的に発揮する不規則な木目文様、
規則的な多角形の組み合わせ、または、中央から放射線
状に拡散する波線文様のパターンを用いる。これらのカ
ムフラージュパターンは、肉眼で特に強調して視認さ
れ、印刷物に複製牽制パターンが印刷されていることを
実質的に視認できないようにする。
【0006】また、本発明の印刷物に印刷された複写牽
制パターンはパターンを構成する網点または万線の大き
さまたは太さと、ピッチとがパターンごとに光学的な複
写による解像レベルが段階的に変化している。そのた
め、このような印刷物の複写機による複製物には、複写
機の解像レベルに応じて異なるパターンが現出し、種々
の解像レベルを有する複写機に対しても複写牽制を効果
的に発揮することができる。
【0007】さらに、本発明の印刷物は、前記複写牽制
パターンと前記カムフラージュパターンとを同一の版を
用いて同時に印刷することで、前記複写牽制パターンと
前記カムフラージュパターンとの間に色または濃度の差
異が生じることを効果的に防止することができ、印刷物
の複写牽制機能を増大させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】第1の実施例について説明する。
本実施例では、複写牽制パターンとしての警告パターン
および背景パターンと、不規則な木目文様のカムフラー
ジュパターンとが印刷された印刷物について説明する。
図1は本実施例の印刷物を説明するための図である。図
1(A)は印刷物に印刷されたカムフラージュパターン
を説明するための図であり、図1(B)は印刷物に印刷
された警告パターンおよび背景パターンを説明するため
の図である。本実施例の印刷物2には、図1(B)に示
すように、複製牽制用の警告パターン6および背景パタ
ーン8が印刷れている。
【0009】警告パターン6は、たとえば、ピッチが1
33線/インチ(または、DPI:dot per inch) の平
網を用いて黒のインクで印刷されている。背景パターン
8は、たとえば、ピッチが65線/インチで、前記警告
パターン6で用いられる平網より寸法の大きな平網を用
いて黒のインクで印刷されている。警告パターン6およ
び背景パターン8に用いられる平網の寸法およびピッチ
は、警告パターン6と背景パターン8との濃度が目視に
て同調して視認されるように選択されている。その結
果、複写牽制パターンの形成された印刷物であることを
目視にて視認することがやや困難になっている。一方、
印刷物2を複写機で複写すると、警告パターン6の平網
に比べて寸法の大きな平網が用いられる背景パターン8
が警告パターン6に比べて明瞭に現出し、複写機で複写
した複製物であることを容易に判別することができる。
【0010】印刷物2には、上記警告パターン6および
背景パターン8に加えて、図1(A)に示すような不規
則な黒色の木目文様で構成されるカムフラージュパター
ン4が形成されている。そのため、印刷物2を目視する
と、カムフラージュパターン4が強調して視認され、警
告パターン6と背景パターン8との差異を容易には判別
することができない。その結果、印刷物2が複写牽制機
能を有する印刷物であることを容易には判断できず、印
刷物2の複写形成機能が増大する。不規則な木目文様の
カムフラージュパターン4は、肉眼で特に強調して視認
され、警告パターン6と背景パターン8との差異が視認
されることを防止するためには非常に効果的なパターン
であることが認識されている。
【0011】図2は、複写機による印刷物2の複製物2
aを説明するための図である。図2に示すように、印刷
物2の複製物には、133線/インチの平網で構成され
る警告パターン6が、65線/インチの平網で構成され
る背景パターン8に比べて鮮明に複写され、警告パター
ン6が強調して視認される。その結果、複製物2aが複
製物であることを一目で判断することができる。
【0012】印刷物2を印刷するときに、警告パターン
6および背景パターン8と、カムフラージュパターン4
とを異なる版を用いて印刷してもよいが、同一の版を用
いて印刷すれば、複製部6aに現出する警告パターン6
とカムフラージュパターン4とにモアレが生じることを
防止でき、警告パターン6aがより明瞭に現出するた
め、印刷物2の複製形成機能がさらに増大する。
【0013】印刷物2に印刷されるカムフラージュパタ
ーン4としては、上述した木目文様のパターンの他に、
たとえば、図3に示すような、中央から放射状に拡散す
る波線文様や規則的な多角形のパターンなど、通常の状
態において、カムフラージュパターンが強調されて視認
されるようなパターンが用いられる。また、後述するよ
うな白抜き文様でもよい。
【0014】第2実施例について説明する。本実施例の
印刷物では、不規則な白抜きの木目文様のカムフラージ
ュパターンが、複写牽制パターンとしてのグラデーショ
ンを有する警告パターンおよび背景パターンと組み合わ
せて印刷されている。この印刷物を目視したとき、不規
則な白抜きの木目文様が強調されて警告パターンと背景
パターンとの境目をぼかしてしまうため、その判別がつ
きにくくなり、その結果、印刷物に印刷された複写牽制
パターンは殆ど視認がされない。また、この印刷物の複
製物には、複写を行った複写機の分解能に応じて、印刷
物に印刷された背景パターンのうち複製物に現れない部
分が生じ、この部分に印刷された警告パターンが鮮明に
視認される。その結果、種々の分解能の複写機などに対
して、有効に複写形成機能を発揮する。
【0015】図4は本実施例の印刷物を説明するための
図である。図4(A)は本実施例の印刷物に印刷された
背景パターンおよびカムフラージュパターンを説明する
ための図であり、図4(B)は本実施例の印刷物に印刷
された警告パターンおよびカムフラージュパターンを説
明するための図である。図4(A)に示すように、印刷
物12の背景パターン18は、中心線C−Cの部分の低
濃度部分181から上端部の高濃度部分183まで、同
一の縦方向および横方向のピッチP41、たとえば、線
数150線/インチで薄い青色の図5に示す網点401
〜409を用いて形成されている。図4(C)に示すよ
うに、線Y−Yの両側に沿って、中心線C−C位置から
上端部および下端部に向けて網点401〜409の面積
は大きくなっている。このように、網点の大きさを上端
物および下端部に向かって傾斜状にまたは段階的に変化
させたことにより、目視では、中心部181は薄い青色
に見え、中心線C−Cから上端部および下端部に向かう
につれて、背景パターン18の濃度(階調)が高くなり
濃い青色に見える。
【0016】網点401〜409の面積の大きさは、現
在の最新の高性能のカラー複写機の分解レベルL1では
識別できない面積の網点401〜403を含んでいる。
さらに好適には、最低のカラー複写機の分解能レベルL
3で充分識別できる面の網点407〜409を含んでい
る。分解能レベルL2は、最高の分解能レベルL1と、
最低の分解能レベルL3との間の分解能レベルを示す。
このように網点401〜409の面積の大きさを選択す
れば、種々の分解能レベルを有する複写機を用いて複写
された場合にも、複製物であることを容易に判別するこ
とができる。この背景パターン18には、図4(a)の
拡大部182に示すように、複写牽制パターンを部分的
に残す、すなわち下地に白抜きされた不規則な複数の木
目文様のカムフラージュパターン14が形成されてい
る。
【0017】図4(B)に示すように、印刷物12に
は、警告パターン16として、横文字の「COPY」
が、上端物から下端物に沿って、たとえば、18個、印
刷されている。警告パターン16は、たとえば、カラー
複写機の分解能レベルL1では識別できない面積の網点
401を用いて構成され、網点の横方向および縦方向の
ピッチは、図4(D)に示すように、警告パターン16
がその周囲の背景パターン18の濃度と同調するよう
に、線Y−Yの両側に沿って中心線C−Cから上端部お
よび下端部に向けて小さくなる。その結果、警告パター
ン16と、背景パターン18とのパターンの相違を肉眼
で視認することが困難になっている。
【0018】以下、印刷物12の複製物について説明す
る。図6は最高の分解能レベルL1の複写機による複製
物を説明するための図である。分解能レベルL1の複写
機では、印刷物12の背景パターン18のうち、中心線
C−Cの付近に位置する図5に示す網点401、40
2、および、警告パターン16を構成する網点401は
複写されない。その結果、分解能レベルL1の複写機に
より印刷物12の複写物12aには、印刷物12に印刷
された背景パターン18のうち、網点403〜409で
構成される背景パターン18が複写され、網点401、
402で構成される背景パターン18および網点401
で構成される警告パターン16は複写されない。その結
果、複写物12aでは、網点403〜409で構成され
る背景パターン18が複写された位置に、「COPY」
を示す警告パターン16aが下地として現れ視認され
る。
【0019】図7は分解能レベル2の複写機による複製
物を説明するための図である。分解能レベルL2の複写
機では、印刷物12の背景パターン18のうち、中心線
C−Cの付近に位置する図5に示す網点401〜40
4、および、警告パターン16を構成する網点401は
複写されない。その結果、分解能レベルL1の複写機に
より印刷物12の複写物12bには、印刷物12に印刷
された背景パターン18のうち、網点405〜409で
構成される背景パターン18が複写され、網点401〜
404で構成される背景パターン18および網点401
で構成される警告パターン6は複写されない。その結
果、複写物12bでは、網点405〜409で構成され
る背景パターン18が複写された位置に、「COPY」
を示す警告パターン16bが下地として現れ視認され
る。
【0020】図8は分解能レベル3の複写機による複製
物を説明するための図である。分解能レベルL3の複写
機では、印刷物12の背景パターン18のうち、中心線
C−Cの付近に位置する図5に示す網点401〜40
6、および、警告パターン16を構成する網点401は
複写されない。その結果、分解能レベルL1の複写機に
より印刷物12の複写物12cには、印刷物12に印刷
された背景パターン18のうち、網点407〜409で
構成される背景パターン18が複写され、網点401〜
406で構成される背景パターン18および網点401
で構成される警告パターン6は複写されない。その結
果、複写物12bでは、網点407〜409で構成され
る背景パターン18が複写された位置に、「COPY」
を示す警告パターン16cが下地として現れ視認され
る。
【0021】上述したように本実施例の印刷物12に
は、警告パターンおよび背景パターンに加えて、下地に
白抜きされた不規則な木目文様のカムフラージュパター
ン14が無数に形成されているため、肉眼で印刷物12
を目視すると、警告パターン16と背景パターン18と
の差異は白抜きされているためぼかされ、殆ど視認する
ことができない。つまり、通常の状態において、木目文
様がカムフラージュパターンの効果を増大するから、複
写牽制パターンが印刷された印刷物なのか否かを全く判
別できず複写形成機能が増大する。
【0022】一方、本実施例の印刷物の複写機による複
製物には、複写機の分解能に応じて警告パターンが現出
する。その結果、本実施例の印刷物は、種々の分解能を
有する複写機に対しても、有効に複写牽制機能を発揮す
る。
【0023】上述した実施例では、カムフラージュパタ
ーンとして下地に白抜きされた不規則な木目文様を例示
したが、カムフラージュパターンとしては、たとえば、
図9の拡大部29に示すような、下地に白抜きされた規
則的な正六角形のパターンが組み合わされたカムフラー
ジュパターン24を用いてもよい。このカムフラージュ
パターン24を印刷物12に用いた場合にも、上述した
カムフラージュパターン14を用いた場合と同様に、警
告パターン16と背景パターン18との差異は殆ど視認
されず、カムフラージュパターンの効果を増大させるこ
とができる。図9(B)はこのカムフラージュパターン
自体の濃度を示す図である。すなわち、カムフラージュ
パターンの濃度は、図4(C)、(D)に示す背景パタ
ーン18および警告パターン16の濃度と反比例してお
り、背景パターン18および警告パターン16と組み合
わせることで、印刷物には、均一の濃度のパターンが形
成しているかのように視認される。カムフラージュパタ
ーンとしては、上記正六角形のパターンの他に、正方形
などの多角形のパターンを用いてもよい。
【0024】また、上述した実施例では下地に白抜きさ
れたカムフラージュパターンを例示したが、上述した木
目文様および正六角形のパターンは第1実施例のよう
に、たとえば、黒色などの有色パターンとして印刷物に
形成してもよい。
【0025】第3実施例について説明する。本実施例の
印刷物は、以下に示すような階調がつけられた複写牽制
パターンと、上述した第2実施例の図4(A)に示した
不規則な白抜きの木目文様のカムフラージュパターン1
4とが組み合わせて形成されている。図4(A)に示す
カムフラージュパターン14は、以下に示す複写牽制パ
ターンについても、隣接するパターン間における階調の
差異の判別を困難とすることで、複写牽制パターンが形
成された印刷物なのか否かを全く殆ど判別できなくし、
印刷物の複写牽制機能を増大させる。図10(A)に本
実施例の印刷物に形成された複写牽制パターンを説明す
るための図を示す。図10(A)に示すように、複写牽
制パターン30には、複写機による解像レベルがそれぞ
れ異なる平網で構成されたパターン31a〜31fが階
調をつけて形成されている。「平網」は、同一の線感覚
の網線および同一の大きさの網点で構成される。また、
パターン31a〜31fを構成する平網は、それぞれ同
調して構成され、目視では、パターン31a〜31fが
それぞれ異なる階調を有する平網で構成されることは目
視では容易には識別されない。
【0026】図10(B)に図10(A)に示す印刷物
2の線Y−Yに沿った部分のパターン31a〜31fを
構成する平網の1インチ当たりの網線数の図、同様に図
10(C)に平網の網点の大きさの図を示す。図10
(B)に示すように、内側のパターン31aから外側の
パターン31fに向かうにつれて1インチ当たりの網線
の数は増加、つまり、網線の間隔は小さくなる。また、
図10(C)に示すように、内側のパターン31aから
外側のパターン31fに向かうにつれて網線の大きさは
小さくなる。
【0027】図11にそれぞれパターン31a〜31f
を構成する平網を図解する。図11に示すように、パタ
ーン31a〜31fは、それぞれのパターン31a〜3
1fにおいては2次元的に同一間隔に形成された網酸3
3a〜33f、および、同一の大きさに形成された網線
32a〜32fで構成される。網線33a〜33fのピ
ッチ(線間隔)P100,P85,P70,P55,P
40,P25は、たとえば、それぞれ、50線/インチ
(または、DPI:Dot Per Inch) 、75線/インチ、
100線/インチ、125線/インチ、150線/イン
チ、175線/インチである。
【0028】網線32a〜32fは、パターン31a〜
31fがそれぞれ同調するように、全てのパターン31
a〜31fの同一の大きさの範囲に存する網点32a〜
32fの面積の総和がほぼ等しくなるような網線33a
〜33fのピッチに応じた面積を有する。たとえば、パ
ターン31aの所定範囲内に存する網点32aの面積の
総和と、パターン31bのパターン31aと同一の大き
さの所定範囲内に存する網線32bの面積の総和とが等
しくなる。そのため、パターン31a〜31fでは、パ
ターン31aからパターン31fに向かうにつれて網線
33a〜33fのピッチは短くなるため、それに応じて
網点32a〜32fの面積も小さくなる。
【0029】このように、複写牽制パターン30は、パ
ターン31a〜31fが「同調」するように形成されて
いるため、パターン31a〜31fを構成する平網が、
それぞれ異なる網線33a〜33fおよび網点32a〜
32fで構成されることは、注意深く見ると目視でも見
えるが、通常、目視では識別困難になる。さらに本実施
例の印刷物では、上述した複製牽制パターンに加えて、
たとえば、図4(A)に示す不規則な木目文様のカムフ
ラージュパターン14が形成されているため、印刷物3
0を目視すると、白抜きにより警告パターンを背景パタ
ーンとの差がぼかされ、印刷物30が複写牽制機能を有
する印刷物であることを殆ど判別することができない。
【0030】図11に図解した網点32a〜32fのう
ち、たとえば、32e、32fは、最高性能のカラー複
写機の分解能レベルL1でも識別できない。さらに、好
適には、網点32a,32bは、最低カラー複写機の分
解能レベルL3で識別できる。また、網点32a,32
b,32cは、標準的なカラー複写機の分解能レベルL
2で識別できる。
【0031】図12(A)〜(C)にそれぞれ、分解能
レベルL3,L2,L1のカラー複写機で、上述した印
刷物2を複写したときの複写物を示す。なお、図12
(A)〜(C)における斜線で示した部分は、複写され
た部分を示す。図12(A)に示すように、分解能レベ
ルL3のカラー複写機で複写した場合、そのカラー複写
機では、分解能レベルL3以下の網点32c〜32fは
再生できないので、パターン31a、31bのみがほぼ
ベタ状に複写されるが、外側のパターン31c〜31f
は複写されない。したがって、この分解能レベルL3の
複写機で複写すると、目視でも、複写したものであるこ
とが判り、複写牽制パターンとして有効である。
【0032】図12(B)に示すように、分解能レベル
L2のカラー複写機で複写した場合、そのカラー複写機
では、分解能レベルL2以下の網点32d〜32fは再
生できないので、パターン31a〜31cのみがほぼベ
タ状に複写されるが、外側のパターン31d〜31fは
複写されない。したがって、この分解能レベルL3の複
写機で複写された場合にも、目視でも、複写したもので
あることが判り、複写牽制パターンとして有効である。
【0033】図12(C)に示すように、分解能レベル
L1のカラー複写機で複写した場合、そのカラー複写機
では、分解能レベルL1以下の網点32e,32fは再
生できないので、パターン31a〜31dのみがほぼベ
タ状に複写されるが、外側のパターン31e,31fは
複写されない。パターン31fとパターン31dとの間
隔が非常に短い場合には、外側のパターン31e、31
fが複写されていないことを目視で識別することは必ず
しも容易ではないが、複写された部分の形状の大きさを
測定器具などを用いて正確に測定したり、拡大鏡等と用
いて複写されたパターン31a〜31dの部分の網点3
2a〜32dの形状を検分すれば、存在するはずの網点
32a〜32dの存在しないことから、複写であること
を充分に識別できる。
【0034】また、図12(C)に示した、複写された
パターン31a〜31dは、印刷物2において、パター
ン31a〜31dの網点32a〜32dの大きさが網点
32dから網点33aに向かうにつれて大きくなるた
め、パターン31dからパターン31aに向かうにつれ
て鮮明に複写される傾向がある。そのため、印刷物2に
おいては、パターン31a〜31fは同調されているた
め、パターン31a〜31fの階調が異なることは目視
では識別しにくいが、パターン31a〜31fが複写さ
れると階調の相違が鮮明度の相違として現れるため、複
写されたことを容易に識別できる。
【0035】パターン31a〜31fは同調して構成さ
れるため、印刷物30に形成されたパターン31a〜3
1fが異なる階調で構成されていることは目視では識別
困難であるが、このように異なる階調で構成されたパタ
ーン31a〜31fは、目視でも識別可能な異なるパタ
ーンとして複写され複写牽制パターンとして有効に機能
する。
【0036】以上述べたように、上述した複写牽制パタ
ーンを有する印刷物は、種々の分解能を持つカラー複写
機またはモノトーン複写機に対したも有効に複写牽制機
能を発揮する。将来的には、分解能レベルL1よりもさ
らに高い分解能のカラー複写機またはモノトーン複写機
が出現する可能性がある。この場合には、図12(C)
に示した複写部分の示す傾斜がさらに外側に広がるが、
複写されたパターンの鮮明度の相違から複製物の識別が
容易である。また、拡大鏡などで複写部分を検査する
と、上述したように、複製物であるか否かを識別するこ
とができる。つまり、上述した複製機による解像レベル
が異なるように、階調をつけて構成された複数のパター
ンは、カラー複写機の分解能が向上した場合にも、印刷
物2のパターンを変更することなく、将来的にも複写牽
制を有効ならしめる。
【0037】図11に示した網点32a〜32fの形状
は、丸に限らず、その他種々の形状にすることができ
る。たとえば、図13に示したように、網点の個々の形
状を「花びら様」の形状にし、しかも、図11に示した
ように、グラデーションをつける。花びら様の形状は近
接した部分があるので、分解能のかなり高いカラー複写
機でも、複写すると隣接する花びらがくっついて丸に近
い形状に複写する傾向がある。したがって、複写された
ものを拡大鏡で検査すると、複写されたものであること
が識別できる。
【0038】第4実施例について説明する。本実施例の
印刷物は、以下に示すような階調がつけられた複製牽制
パターンと、上述した第2実施例の図4(A)に示した
不規則な白抜きの木目文様のカムフラージュパターン1
4とが組み合わせて形成されている。図4(A)に示す
カムフラージュパターン14は、以下に示す複写牽制パ
ターンについても、隣接するパターン間における階調の
差異の判別を困難することで、複写牽制パターンが形成
された印刷物なのか否かを全く殆ど判別できなくし、印
刷物の複写牽制機能を増大させる。図14に本実施例の
印刷物に形成された複写牽制パターンを説明するための
図を示す。図14に示すように、複写牽制パターン34
は、T形状のパターン35aの外側に順にパターン35
aの形状に応じたパターン35b〜35fを有し、パタ
ーン35a〜35f1つの文字“T”を形成している。
パターン35a〜35fは、たとえば、図11に示す上
述した複写牽制パターン30のパターン31a〜31f
とそれぞれ同一の平網で構成される。
【0039】図15(A)〜(C)にそれぞれ、第3の
実施例で述べたように分解能レベルL3,L2,L1の
カラー複写機で、上述した複写牽制パターン34を複写
したときの複製物を示す。図15(A)〜(C)におけ
る斜線で示した部分は、図12と同様に複写されない部
分を示す。この場合には、印刷物34にパターン35a
〜35fによって形成された文字“T”について上述し
た第1の実施例と同様の効果を得ることができる。図1
5(A)に示すように、分解能レベルL3のカラー複写
機で複写した場合、そのカラー複写機では、分解能レベ
ルL3以下の網点32c〜32fは再生できないので、
パターン35a、35bのみがほぼベタ状に複写される
が、外側のパターン35c〜35fは複写されず、複写
牽制パターン34の“T”形状よりかなり小さい“T”
形状に複写される。したがって、この分解能レベルL3
の複写機で複写すると、目視でも、複写したものである
ことが判り、複写牽制パターンとして有効である。
【0040】図15(B)に示すように、分解能レベル
L2のカラー複写機で複写した場合、そのカラー複写機
では、分解能レベルL2以下の網点32d〜32fは再
生できないので、パターン35a〜35cのみがほぼベ
タ状に複写されるが、外側のパターン35d〜35fは
複写されず、複写牽制パターン34の“T”形状よりか
なり小さい“T”形状に複写される。したがって、この
分解能レベルL3の複写機で複写された場合にも、目視
でも、複写したものであることが判り、複写牽制パター
ンとして有効である。
【0041】図15(C)に示すように、分解能レベル
L1のカラー複写機で複写した場合、そのカラー複写機
では、分解能れべるL1以下の網点32fは再生できな
いので、パターン35a〜35dのみがほぼベタ状に複
写されるが、外側のパターン35e,4fは複写され
ず、複写牽制パターン34の“T”形状よりやや小さい
“T”形状に複写される。そのため、パターン31fと
パターン31dとの間隔が非常に短い場合には、外側の
パターン31e、31fが複写されていないことを目視
で識別することは必ずしも容易ではないが、上述した第
3の実施例と同様に、拡大鏡等と用いて検分した網点3
2a〜32dの形状、または、複写されたパターンの鮮
明度の相違から複写されたことを識別することができ
る。
【0042】第5実施例について説明する。本実施例の
印刷物は、以下に示すような階調がつけられた複製牽制
パターンと、上述した第2実施例の図4(A)に示した
不規則な白抜きの木目文様のカムフラージュパターン1
4とが組み合わせて形成されている。図4(A)に示す
カムフラージュパターン14は、以下に示すパターンに
ついても、隣接するパターン間における階調の差異の判
別を困難することで、複写牽制パターンが形成された印
刷物なのか否かを全く殆ど判別できなくし、印刷物の複
写牽制機能を増大させる。図16(A)に本実施例の印
刷物に形成された複写牽制パターンの平面図を示す。図
16(A)に示すように、複写牽制パターン36には、
複写機による解像レベルがそれぞれ異なる階調を有する
万線で構成されたパターン37a〜37fが形成されて
いる。それぞれのパターン37a〜37fを構成する
「万線」は、それぞれのパターン37a〜37fでは、
同一の線間隔で同一の太さの複数の線で構成される。
【0043】また、パターン37a〜37fを構成する
万線は、それぞれ同調して構成され、目視では、パター
ン37a〜37fがそれぞれ異なる階調を有する万線で
構成されることは目視では容易に識別されない。図16
(B)に図16(A)に示す複写牽制パターン36の線
C−Cに沿った部分のパターン37a〜37fを構成す
る万線の1インチあたりの線数の図、同様に図16
(C)に万線の太さの図を示す。図16(B)に示すよ
うに、内側のパターン37aから外側のパターン37f
に向かうにつれて1インチ当たりの万線の数は増加、つ
まり、万線の間隔は小さくなる。また、図16(C)に
示すように、内側のパターン37aから外側のパターン
37fに向かうにつれて万線の太さは細くなる。
【0044】図17にそれぞれパターン37a〜37f
を構成する万線を図解する。図17に示すように、パタ
ーン37a〜37fは、それぞれのパターン37a〜3
7fにおいては同一間隔、同一太さの万線38a〜38
fで構成される。万線38a〜38fのピッチ(線間
隔)P100,P85,P70,P55,P40,P2
5は、たとえば、それぞれ、50線/インチ(または、
DPI:Dot Per Inch) 、75線/インチ、100線/
インチ、125線/インチ、150線/インチ、165
線/インチである。
【0045】万線38a〜38fは、パターン4a〜4
fがそれぞれ同調するように、全てのパターン37a〜
37fの同一の大きさの範囲に存する万点32a〜32
fの面積の総和がほぼ等しくなるような万線38a〜3
8fのピッチに応じた太さを有する。たとえば、パター
ン37aの所定範囲内に存する万点38aの面積の総和
と、パターン37bのパターン37aと同一の大きさの
所定範囲内に存する万線38bの面積の総和とが等しく
なる。そのため、パターン37a〜37fでは、パター
ン37aからパターン37fに向かうにつれて万線38
a〜38fのピッチは短くなるため、それに応じて万線
38a〜38fの太さは小さくなる。
【0046】このように、複写牽制パターン36では、
パターン37a〜37fが「同調」するように形成され
ているため、パターン37a〜37fを構成する万線
が、それぞれ異なる間隔および太さで構成されること
は、注意深く見ると目視でも見えるが、通常、目視では
識別困難になる。
【0047】図11に図解した万点38a〜38fのう
ち、たとえば、万線38e、38fは、最高性能のカラ
ー複写機の分解能レベルL1でも識別できない。さら
に、好適には、万線38a,38bは、最低カラー複写
機の分解能レベルL3で識別できる。また、万線38
a,38b,38cは、標準的なカラー複写機の分解能
レベルL2で識別できる。
【0048】複写牽制パターン36についても種々の分
解能のカラー複写機で複写すると、図12(A)〜
(C)と同様の複写となる。したがって、このような万
線を用いたパターンも、平網を用いた場合と同様に、有
効に複写牽制機能を発揮する。
【0049】印刷物に形成される複写牽制パターンは、
上述したものに限定されず、その他の文字、記号、図形
等のパターンを用いてもよい。
【0050】また、複写牽制パターンに含まれる複数の
パターンを構成する平網または万線の色を、パターン同
士で異なる色にしてもよい。
【0051】また、複写牽制パターンを構成する平網ま
たは万線の階調が順次、段階的に変化する場合について
例示したが、平網または万線の階調の変化は段階的なも
のでなくてもよい。
【0052】さらに、光学的な複写としてカラー複写機
による複写の場合を例示したが、モノトーン印刷された
本発明の複写牽制パターンについて、モノトーンの複写
機を用いて複写した場合にも、上記同様、本発明の複写
牽制パターンは有効に複写牽制機能を発揮する。
【0053】以上、本発明の複写牽制パターンを有する
印刷物として、複数のパターン同士が同調した場合につ
いて例示したが、複数のパターン同士は必ずしも同調し
ている必要はない。同調していると、目視で識別しにく
いという利点はあるが、複写牽制機能という点からは、
同調している必要はなく、複数のパターンにそれぞれ階
調をつけて複写による分解能レベルが異なる平網または
万線が形成されてあればよい。
【0054】第6実施例について説明する。本実施例の
印刷物は、以下に示すような階調がつけられた複製牽制
パターンと、上述した第2実施例の図4(A)に示した
不規則な白抜きの木目文様のカムフラージュパターン1
4とが組み合わせて形成されている。図4(A)に示す
カムフラージュパターン14は、以下に示すパターンに
ついても、隣接するパターン間における階調の差異の判
別を困難することで、複写牽制パターンが形成された印
刷物なのか否かを全く殆ど判別できなくし、印刷物の複
写牽制機能を増大させる。
【0055】図18(A)に本発明の複写牽制パターン
を有する印刷物の好適実施例の一例としての網点を用い
てパターンを形成した印刷物72の平面図を示す。複写
牽制パターン72は、背景74と、矩形の図形76とを
有する。背景74と矩形図形76とは「毛抜き合わせ」
がさている。図19に背景74と矩形図形76の隣接す
る部分、つまり、線Y−Yの両側に沿った線の部分の背
景74を構成する部分、つまり、上端物の高濃度部分4
3、内部の中間濃度部分42、および、中央部の低濃度
部分41と、矩形図形76を構成する部分、つまり、中
央部の低濃度部分61、および、下端部の高濃度部分6
2の網点を詳細に図解する。
【0056】図19に図解したように、背景74は中心
線C−Cの部分の低濃度部分41から上端部の高濃度部
分43まで、同じ縦方向網目ピッチP41、たとえば、
線数150線/インチ(または、DPI:Dot Per Inc
h) で網点401〜409で形成されている。横方向の
網目ピッチP42も、この例では、縦方向網目ピッチP
41と同じ線数150線/インチである。これらの網点
401〜409の印刷インキの色調は桃色で印刷した。
矩形図形76は中心線C−Cの部分の低濃度部分61か
ら下端部の高濃度部分62まで、縦方向網目ピッチP6
1、たとえば、線数65線/インチで網点601〜60
3で形成されている。横方向の網目ピッチP62は、こ
の例では、縦方向網目ピッチP61と同じ、線数65線
/インチである。これらの網点601〜603の印刷イ
ンキの色調は、背景の色調と同じ桃色で印刷した。つま
り、背景74を構成する網点401〜409の網目ピッ
チP41および網目ピッチP42は狭く、矩形図形76
を構成する網点601〜603の網目ピッチP61およ
び網目ピッチP62は広く、背景74と矩形図形76と
は異なる網目ピッチで形成されている。
【0057】線Y−Yの両側に沿って、中心線C−C位
置から背景74の上端部に向けた網点401〜409の
面積は大きくなっており、中心線C−C位置から矩形図
形76の下端部に向けて網点601〜603の面積は大
きくなっている。背景74と矩形図形76との目視で識
別困難にするには、これらを「同調」させればよい。つ
まり、背景74と矩形図形76とのそれぞれのある単位
領域について、そこに含まれる網点の面積の総和(面積
率)が、背景74と矩形図形76とでほぼ同じになれば
よい。そのためには、網目ピッチの大きな矩形図形76
を構成する網目のそれぞれが、隣接する背景74の網点
のそれぞれの面積より大きく形成される。この例では、
背景74が線数150DPI、矩形図形76が線数65
DPIであるから(ただし、図解の関係で、図19は、
網点ピッチP41と網点ピッチP61とは、1:1.5
程度である)、同調させるには、矩形図形76の網点を
隣接する背景74を構成する網点の面積の(150/6
5)2 ≒4.6倍にする。直径としては約2倍程度、矩
形図形76の網点の直径が、隣接する背景74を構成す
る網点の直径より大きい。
【0058】矩形図形76の網点ピッチP61を背景7
4の網点ピッチP41より大きくした理由は、矩形図形
76を構成する網点の面積の大きさが背景74を構成す
る網点の面積よりも大きいから、複写すると、矩形図形
76のほうが鮮明に現出する。もとの印刷物において
は、矩形図形76が背景74に同調して、つまり、背景
74に溶け込んで矩形図形76が目視では識別しにくい
ようになっているが、複写すると、鮮明に現出するか
ら、複写物があることが容易に識別できる。たとえば、
悪意の複写を試みた人が、もとの印刷物では背景74に
溶け込んで識別困難な矩形図形76が複写をすると、現
出するので、その悪用を断念するようになる。
【0059】上述した網点の大きさを傾斜状にまたは段
階的に変化させたことにより、図18(B)に背景74
の濃度曲線CV4、矩形図形76の濃度曲線CV6とし
て図示したように、背景74と矩形図形76との濃度
は、中心線C−C位置においては、ほとんどパターンは
存在しないが、中心線C−Cから端部に向けて、濃度
(階調)が高くなるように、形成されている。その結
果、目視では、端部は濃い桃色に見え、中心線C−Cに
向かうにつれて薄い桃色に見え、中心線C−C位置は印
刷物自体の色、この例では、白色として見える。しか
も、背景74と矩形図形76とはそれらの網点の面積率
がほぼ同じに同調しているから、背景74の中に存在す
る矩形図形76は背景74と渾然一体となって見える。
つまり、拡大鏡を用いて、あるいは、注意深くみると目
視でも、背景74と矩形図形76とは識別できるが、通
常の状態では、矩形図形76が背景74に溶け込み、背
景74と矩形図形76とは目視では簡単には識別困難で
ある。
【0060】図19に図解した網点401〜409、お
よび、網点601〜603の面積の大きさは、現在の最
新の高性能のカラー複写機の分解レベルL1では識別で
きない面積の網点401〜403、および、網点601
〜602を含んでいる。さらに好適には、最低のカラー
複写機の分解能レベルL3で充分識別できる面積の網点
407〜409を含んでいる。分解能レベルL2は、最
高の分解レベルL1と、最低の分解能レベルL3との間
の分解能レベルを示す。
【0061】図20(A)〜(C)はそれぞれ、分解能
レベルL3、L2、L1のカラー複写機で、上述した複
写牽制パターン72を複写したときの複写物を示す。な
お、図20(A)〜(C)における傾斜で示した部分
は、複写された部分を示す。ただし、図解の関係で同じ
濃度で複写で示した部分は、複写された部分を示す。た
だし、図解の関係で同じ濃度で複写されているように示
しており、実際は、後述するカラー複写機の分解能のレ
ベルに応じた再現性で、元の背景74および元の矩形図
形76の濃度に応じて複写されるものとする。上述した
ように、矩形図形76は背景74より広いピッチの網線
が構成され、背景74と矩形図形76とが同調している
から、換言すれば、矩形図形76を構成する網点の面積
が隣接する背景74を構成する網点の面積よりも大きい
から、以下において、複写すると、矩形図形76のほう
がより鮮明に現出することに留意されたい。
【0062】図20(A)に示すように、分解能レベル
L3のカラー複写機で複写した場合、そのカラー複写機
では分解能レベルL3以下の網点は再生できないから、
その複写パターンは、背景74の端物の高濃度部分43
のみがほぼ、ベタ状に複写されるが、背景74の内部の
中間濃度部分42および背景74の中央部の低濃度部分
41、ならびに、矩形の図形76は複写されない。した
がって、この分解能レベルL3の複写機で複写すると、
目視でも、複写したものであることが判り、複写牽制パ
ターンとしても有効である。
【0063】図20(B)に示すように、分解能レベル
L2のカラー複写機で複写した場合、そのカラー複写機
では分解能レベルL2以下の網点は再生できないが、図
20(A)に示した例に比べると、その複写パターン
は、背景74の端物の高濃度部分43から内部の中間濃
度部分42に向かって複写される部分は拡大する。しか
しながら、依然として、背景74の中央部の低濃度部分
41、および、矩形図形76は複写されない。したがっ
て、この分解能レベルL2で複写されても、目視でも、
複写したものであることが判り、複写牽制パターンとし
ても有効である。
【0064】図20(C)に示すように、分解能レベル
L1のカラー複写機で複写した場合、その複写パターン
は、背景74の内部の中間濃度部分43および矩形図形
76の端部の高濃度部分62まで複写される部分は拡大
するが、依然として、背景74の中央部の低濃度部分4
1、および、矩形の図形76の中央部の低濃度部分61
は複写されない。複写されない背景74の中央部の低濃
度部分41、および、矩形図形76の中央部の低濃度部
分61の部分は、元の複写牽制パターン72についても
目視ではその存在の識別は必ずしも容易ではない。しか
しながら、拡大鏡などを用いれば、矩形図形76の端部
の高濃度部分62、および、背景74の中央部の低濃度
部分41の網点の形状を正確に識別できる。したがっ
て、複写された印刷物を拡大鏡などを用いて検分すれ
ば、存在するはずの網点がないことから、複写したもの
であることが容易に識別できる。
【0065】また、図20(C)に示した複写された部
分、背景74の内部の中間濃度部分43と矩形図形76
の端部の高濃度部分62とでは、これらの部分を構成す
る網点の個々の面積はほぼ等しいが、網目ピッチの差異
により、網目ピッチの広い矩形図形76の端部の高濃度
部分62の方が、網目ピッチの狭い背景74の内部の中
間濃度部分42より鮮明に複写される傾向があり、複写
された部分が目視でも容易に識別できる程度になる。つ
まり、元の複写牽制パターン72においては、背景74
と矩形図形76とは同調しているため、目視では識別し
にくい矩形図形76の端部の高濃度部分62が複写によ
り、目視でも容易に識別できるようになる。つまり、分
解能レベルの高いカラー複写機を用いても、上記本発明
の複写牽制パターンは有効に複写牽制機能を発揮する。
【0066】以上述べたように、上述した複写牽制パタ
ーンを有する複写牽制パターン72は、種々の分解能を
持つカラー複写機またはモノトーン複写機に対しても有
効に複写牽制機能を発揮する。なお、上記例はカラー印
刷物を複写するカラー複写機で複写する場合を例示した
が、モノクロ複写機で複写する場合も、上記同様とな
る。
【0067】将来的には、分解能レベルL1よりもさら
に高い分解能のカラー複写機またはモノトーン複写機が
現出する可能性がある。この場合には、図20(C)に
示した複写部分を示す傾斜が中心線C−Cの近傍まで拡
大することになる。しかしながら、上述したように、矩
形図形76内の複写部分は、背景74の複写部分よりも
顕著に複写される傾向があるから、複写物の識別が容易
である。また、拡大鏡などで複写部分を検査すると、上
述したように、複写されたものか否かを識別できる。つ
まり、上述した二種の網点ピッチを有し、面積に変化を
つけた網線からなる複写牽制パターンは、カラー複写機
の分解能が向上した場合にも、網点ピッチを変えること
なく、将来的にも複写牽制を有効ならしめる。
【0068】図19に例示した網点401〜409、お
よび網点601〜603の形状は丸に限らず、その他の
種々の形状にすることができる。たとえば、図13に示
したように、網点の個々の形状を「花びら様」の形状に
し、しかも、位置に応じて、図19に示したように、階
調をつける。花びら様の形状は接近した部分があるの
で、分解能のかなり高いカラー複写機でも、複写すると
隣接する花びらがくっついて丸に近い形状に複写する傾
向がある。したがって、複写されたものを拡大鏡で検査
すると、複写されたものであることが識別できる。
【0069】以上の実施例は、パターンを構成する要素
として網点を用いた例を示したが、本発明のパターンを
構成する要素としては、網点に限らず、たとえば、「万
線」を用いてもよい。
【0070】第7実施例について説明する。本実施例の
印刷物は、以下に示すような階調がつけられたパターン
と、上述した第2実施例の図4(A)に示した不規則な
白抜きの木目文様のカムフラージュパターン14とが組
み合わせて形成されている。図4(A)に示すカムフラ
ージュパターン14は、以下に示すパターンについて
も、隣接するパターン間における階調の差異の判別を困
難することで、複写牽制パターンが形成された印刷物な
のか否かを全く殆ど判別できなくし、印刷物の複写牽制
機能を増大させる。図21は、本実施例の印刷物に形成
された複写牽制パターン82を説明するための図であ
る。複写牽制パターン82は、背景(下地)14と、矩
形図形86とを有する。図22に背景84と矩形図形8
6の隣接する部分、つまり、線Y−Yに沿った部分の背
景84を構成する部分である、端部の高濃度部分14
3、内部の中間濃度部分142、および、中央部の低濃
度部分141と、矩形図形86を構成する部分である、
中央部の低濃度部分161、および、端部の高濃度部分
162の万線を詳細に図解する。
【0071】背景84は中心線C−Cの部分の低濃度部
分141から端部の高濃度部分143まで、同じ網目ピ
ッチP141、たとえば、線数150線/インチで複数
の万線1401〜1409で形成されている。これらの
万線1401〜1409の色調は全て同じ水色である。
矩形図形86も中心線C−Cの部分の低濃度部分161
から端部の高濃度部分162まで、同じ網目ピッチP1
61、たとえば、線数65線/インチで複数の網点16
01〜1603で形成されている。これらの万線160
1〜1603の色は、万線1401〜1409と同じ全
て水色である。つまり、背景84を構成する万線140
1〜1409の網目ピッチP141は狭く、矩形図形8
6を構成する万線1601〜1603の網目ピッチP1
61は広く、異なる網目ピッチで背景84と矩形図形8
6とが形成されている。
【0072】線Y−Yの両側に沿って、中心線C−C位
置から背景84の端部に向けて万線1401〜1409
の太さは太くなっており、同様に、中心線C−C位置か
ら矩形図形86の端部に向けて万線1601〜1603
の太さは太くなっている。しかも、線Y−Yの両側に沿
った同じ位置において、背景84を構成する万線の太さ
と矩形図形86を構成する万線の太さとは、ある単位領
域についてそれらの面積率がほぼ等しい状態、つまり、
同調するように形成されている。
【0073】上述した万線の構成により、図21(B)
に図示した背景84の濃度曲線CV14、矩形図形86
の濃度曲線CV16から明らかなように、背景84と矩
形図形86との濃度は、中心線C−C位置においては、
ほとんどパターンは存在しないが、中心線C−Cから端
部に向けて、濃度が高くなるように、形成されている。
その結果、目視では、端部は濃い水色に見え、中心線C
−Cに向かうにつれて薄い水色に見え、中心線C−C位
置は印刷物自体の色、この例では、白色として見える。
しかも、隣接する背景84と矩形図形86とは同調して
形成されているから、背景84の中に存在する矩形図形
86は隠れたように見え、注意深くみると目視でも見え
るが、通常、目視ではその識別が困難になる。
【0074】図22に図解した万線1401〜140
9、および、万線1601〜1603の太さは、現在の
最新の高性能のカラー複写機の分解能レベルL1では識
別できない太さの万線1401〜1403、および、万
線1601〜1602を含んでいる。さらに好適には、
最低のカラー複写機の分解能レベルL3で充分識別でき
る太さの万線1407〜1409を含んでいる。分解能
レベルL2は、最高の分解レベルL1と、最低の分解能
レベルL3との間の分解能レベルを示す。
【0075】本実施例についても、種々の分解能のカラ
ー複写機で複写すると、図20(A)〜(C)と同様の
複写となる。したがって、このような万線を用いたパタ
ーンも、網点を用いた場合と同様に、有効に複写牽制機
能を発揮する。
【0076】印刷物に形成される複写形成パターンは、
上述したものに限らない。たとえば、矩形図形76、1
6に変えて英数字などを用いてもよい。また、色は上述
した桃色、水色などに限らず、任意の色を用いることが
できる。さらに上述した例は、複写機として、カラー複
写機を用いた場合を例示したが、モノトーン印刷された
本発明の複写牽制パターンについて、モノトーンの複写
機を用いて複写した場合にも、上記同様、本発明の複写
牽制パターンは有効に複写牽制機能を発揮する。
【0077】第8実施例について説明する。本実施例の
印刷物には、第6実施例で説明した図18に示すような
階調を有する網点で構成される複写牽制パターンと、こ
の複写牽制パターンが有する階調を同調させるパターン
を有するカムフラージュパターンとが形成されている。
図23は、本実施例の印刷物に形成されたカムフラージ
ュパターン84を説明するための図である。カムフラー
ジュパターン84は、たとえば、図19に示す最高の分
解能レベルL1でも複写されない網点401で構成さ
れ、網点のピッチを調整することで、図23(B)に示
すような所定の濃度を現出させている。
【0078】図23(B)に示すように、背景カムフラ
ージュパターン84および矩形図形カムフラージュパタ
ーン176の濃度は、上下端部43では低く、上下端部
43から中心線C−Cに向かって高くなるように、網線
401を用いて所定のピッチで形成されている。このと
き、図18に示す複写牽制パターンが有する濃度と同調
する盲点401のピッチで背景カムフラージュパターン
84および矩形図形カムフラージュパターン176が形
成され、本実施例の印刷物に形成された複写牽制用の階
調を有すパターンは肉眼では殆ど認識されず、印刷物の
図18に示す一面全体が同一の濃度で視認される。その
結果、印刷物を目視したときには、複写牽制パターンが
形成された印刷物であることを判別することができず、
複写牽制機能を効果的に発揮することができる。本実施
例では、網点を用いて構成されたパターンについて例示
したが、上述した第7実施例での説明した図21に示す
ような万線で構成されるパターンについても、万線で構
成されるカムフラージュパターンを用いて濃度を同調さ
せるようにしてもよい。
【0079】第9実施例について説明する。本実施例で
は、それぞれ濃度の異なる警告パターンおよび背景パタ
ーンと、この警告パターンと背景パターンとの濃度を同
調させる第2のパターンが形成された印刷物について説
明する。図24は、本実施例の印刷物を説明するための
図である。図24に示す印刷物92に形成された警告パ
ターン6および背景パターン8は、上述した第1実施例
の図1(B)に示すものと同一である。すなわち、図2
4に示す警告パターン6は、たとえば、133線/イン
チ(または、DPI:dot per inch) の平網を用いて黒
のインクで印刷されている。
【0080】背景パターン8は、たとえば、65線/イ
ンチの平網を用いて黒のインクで印刷されている。本実
施例の印刷物では、複写機で複写できない大きさの網点
を用いて構成される第2のパターン98が背景パターン
8と組み合わせて印刷物に印刷されている。図24の拡
大部93に示すように、背景パターン8を構成する網点
8pと、第2のパターン98を構成する網点98pとが
規則的に組み合わさって印刷されている。
【0081】印刷物92では、1インチ平方の領域にお
ける、警告パターン6を構成する網点の総和面積と、背
景パターン8を構成する網点8pおよび第2のパターン
を構成する網点98pの総和面積とはほぼ等しい。その
結果、印刷物92を目視したとき、警告パターン6が存
在する部分と、背景パターン8が存在する部分とは同一
の濃度を有し、警告パターン6が形成された印刷物であ
ることを殆ど判別することができない。一方、このよう
な印刷物92を複写機を用いて複写すると、網点98p
で構成される第2のパターンは複写できず、印刷物92
の複製物には、133線/インチの平網で構成される警
告パターン6が、65線/インチの平網で構成される背
景パターン8に比べて鮮明に複写され、警告パターン6
が視認される。その結果、複写機による複製物であるこ
とを一目で判断することができる。
【0082】上述した実施例では、背景パターン8に第
2のパターンを組み合わす場合について説明したが、警
告パターン6が背景パターン8に比べて濃度が低い場合
には、警告パターン6に第2のパターンを組み合わせて
形成し、警告パターン6の濃度と背景パターン8の濃度
とを同調させるようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】本発明の印刷物によれば、目視ではカム
フラージュパターンが特に強調され、複写牽制機能を有
する印刷物であることを判別することが困難である。そ
の結果、印刷物の複写牽制機能が効果的に発揮される。
また、本発明の印刷物によれば、種々の解像レベルを有
する複写機に対しての複写牽制を効果的に発揮すること
ができる。さらに、本発明の印刷物では、複写牽制パタ
ーンとカムフラージュパターンとを同時に印刷すれば、
複製物に現出する複製牽制パターンにモアレが生じるこ
とを有効に防止することができ、印刷物の複写牽制機能
が効果的に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の印刷物を説明するための図であ
り、(A)は印刷物のカムフラージュパターンを説明す
るための図であり、(B)は印刷物の警告パターンおよ
び背景パターンを説明するための図である。
【図2】第1実施例の印刷物の複写機による複製物を説
明するための図である。
【図3】第1実施例の印刷物のカムフラージュパターン
のその他の例を説明するための図である。
【図4】第2実施例の印刷物を説明するための図であ
り、(A)は印刷物の背景パターンおよびカムフラージ
ュパターンを説明するための図であり、(B)は印刷物
の背景パターンおよびカムフラージュパターンを説明す
るための図であり、(C)は背景パターンの濃度を説明
するための図であり、(D)は警告パターンの濃度を説
明するための図である。
【図5】第2実施例の印刷物に用いられる網点の大きさ
を説明するための図である。
【図6】第2実施例の印刷物を最高レベルの分解能を有
する複写機で複写した複製物を説明するための図であ
る。
【図7】第2実施例の印刷物を中レベルの分解能を有す
る複写機で複写した複製物を説明するための図である。
【図8】第2実施例の印刷物を低レベルの分解能を有す
る複写機で複写した複製物を説明するための図である。
【図9】第2実施例の印刷物のカムフラージュパターン
のその他の例を説明するための図であり、(A)はカム
フラージュパターンのパターンを説明するための図であ
り、(B)はカムフラージュパターンの濃度を説明する
ための図である。
【図10】第3実施例の印刷物を説明するための図であ
り、(A)は複数の種類のパターンの形成位置を説明す
るための図であり、(B)は各パターンの1インチ当た
りの線数を説明するための図であり、(C)は各パター
ンの網点の大きさを説明するための図である。
【図11】図10に示す各パターンを構成する平網の種
類を説明するための図である。
【図12】図10に示す印刷物の複製物を説明するため
の図であり、(A)は低い解像レベルの複写機による複
製物を説明するための図であり、(B)は中程度の解像
レベルの複写機による複製物を説明するための図であ
り、(C)は最高の解像レベルを有する複写機による複
製物を説明するための図である。
【図13】図11の平網のその他の形状を説明するため
の図である。
【図14】第4実施例の印刷物を説明するための図であ
る。
【図15】図14に示す印刷物の複製物の説明するため
の図であり、(A)は低い解像レベルの複写機による複
製物を説明するための図であり、(B)は中程度の解像
レベルの複写機による複製物を説明するための図であ
り、(C)は最高の解像レベルを有する複写機による複
製物を説明するための図である。
【図16】第5実施例の印刷物を説明するための図であ
り、(A)は複数の種類のパターンの形成位置を説明す
るための図であり、(B)は各パターンの1インチ当た
りの線数を説明するための図であり、(C)は各パター
ンの万線の大きさを説明するための図である。
【図17】図16の印刷物を構成する万線を説明するた
めの図である。
【図18】第6実施例の印刷物を説明するための図であ
り、(A)は複数の異なるパターンの位置を説明するた
めの図であり、(B)はパターンの濃度を説明するため
の図である。
【図19】図18の印刷物を構成する網点を説明するた
めの図である。
【図20】図18の印刷物の複写機による複製物の説明
するための図であり、(A)は低い解像レベルの複写機
による複製物を説明するための図であり、(B)は中程
度の解像レベルの複写機による複製物を説明するための
図であり、(C)は最高の解像レベルを有する複写機に
よる複製物を説明するための図である。
【図21】第7実施例の印刷物を説明するための図であ
り、(A)は複数の異なるパターンの位置を説明するた
めの図であり、(B)はパターンの濃度を説明するため
の図である。
【図22】図21に示す印刷物を構成する万線を説明す
るための図である。
【図23】第8実施例の印刷物のカムフラージュパター
ンを説明するための図であり、(A)はカムフラージュ
パターンの種類の相違を説明するための図であり、
(B)はカムフラージュパターンの濃度を説明するため
の図である。
【図24】第9実施例の印刷物を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
2、12、22、30、34、36、72、82・・・
印刷物 6、16・・・警告パターン 8、18・・・背景パターン 14、24、84・・・カムフラージュパターン 401〜409、32a〜32f、601〜603、8
p、98p・・・網点 38a〜38f、141〜143、1601〜1603
・・・万線 98・・・第2のパターン

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】やや目視困難であり、複写すると現出する
    複写牽制パターンと、 該複写牽制パターンの目視を実質的に困難にする目視可
    能なカムフラージュパターンとを印刷したことを特徴と
    する印刷物。
  2. 【請求項2】前記カムフラージュパターンは、不規則な
    木目文様のパターンであることを特徴とする請求項1記
    載の印刷物。
  3. 【請求項3】前記カムフラージュパターンは、同一形状
    の複数の多角形を規則的に組み合わせたパターンである
    ことを特徴とする請求項1記載の印刷物。
  4. 【請求項4】前記カムフラージュパターンは、中央から
    放射線状に拡散する波線文様のパターンであることを特
    徴とする請求項1記載の印刷物。
  5. 【請求項5】前記カムフラージュパターンが、前記複写
    牽制パターンを部分的に残すように形成されたことを特
    徴とする請求項1〜4いずれか記載の印刷物。
  6. 【請求項6】前記複写牽制パターンは複数の網点または
    万線を用いて構成される少なくとも2つのパターンを含
    み、 該パターンを構成する網点または万線のピッチが、パタ
    ーン同士で光学的な複写による解像レベルが異なるよう
    に、階調をつけて形成されたことを特徴とする請求項1
    〜5いずれか記載の印刷物。
  7. 【請求項7】前記複写牽制パターンは複数の網点または
    万線を用いて構成される少なくとも2つのパターンを含
    み、 該パターンを構成する網点または万線のそれぞれの隣合
    う感覚はパターンごとに異なり、 前記パターン内の網点の大きさまたは万線の太さが、複
    写機で複写できない寸法の大きさを含み、そのパターン
    内で光学的な複写による解像レベルが異なるように段階
    的に変化していることを特徴とする請求項1〜5いずれ
    か記載の印刷物。
  8. 【請求項8】複写機で複写できない寸法の大きさまたは
    太さを含む複数の網点または万線を用いて構成され、網
    点または万線の大きさまたは太さが段階的または傾斜状
    に変化し、該変化に応じて濃度が段階的にまたは傾斜状
    に変化している複写牽制パターンと、 複写機で複写できない寸法の大きさまたは太さの複数の
    網点または万線を用いて構成され、前記パターンと組み
    合わさって、前記パターンの前記段階的または傾斜状に
    変化した濃度を同調させるカムフラージュパターンとを
    印刷した印刷物。
  9. 【請求項9】種類の異なる少なくとも2つのパターンを
    含む複写牽制パターンを印刷した印刷物であって、 前記2つのパターンのいずれか一方のパターンに対し
    て、該パターンの濃度が他方のパターンの濃度に同調す
    るように、複写機で複写できない寸法の大きさまたは太
    さの網点または万線で構成される第2のパターンを組み
    合わせて印刷したことを特徴とする印刷物。
  10. 【請求項10】前記複写牽制用のパターンと、前記カム
    フラージュパターンとを一版で印刷したことを特徴とす
    る請求項1〜9いずれか記載の印刷物。
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