JP3482251B2 - 複写偽造防止用印刷物 - Google Patents

複写偽造防止用印刷物

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JP3482251B2
JP3482251B2 JP19770994A JP19770994A JP3482251B2 JP 3482251 B2 JP3482251 B2 JP 3482251B2 JP 19770994 A JP19770994 A JP 19770994A JP 19770994 A JP19770994 A JP 19770994A JP 3482251 B2 JP3482251 B2 JP 3482251B2
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昌介 権田
智子 木場
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小切手、商品券、領収
書、各種証券類、各種チケット類、印鑑登録証明をはじ
めとする公的証明書類等の印刷物を複写機で複写して偽
造することを防止するための複写偽造防止用印刷物に関
し、特に、異なるスクリーン線数で印刷された警告表示
パターンと、背景パターンとが一体的に印刷されてな
り、肉眼では前記警告表示パターンと前記背景パターン
との識別は不能であるが、複写機で複写すると前記警告
表示パターンが肉眼で認識可能となる複写偽造防止用印
刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、この種の複写偽造防止用
印刷物は種々知られているが、例えば、特公昭55−4
5400号公報で開示された、基体表面に微細構成子よ
りなる潜像を印刷し、その潜像周囲の白地部分に潜像よ
りも粗または密な微細構成子を用いて印刷を施した潜像
入り印刷物や、特公昭58−47708号で開示され
た、第1のトーン像及び第2のトーン像とともに印刷さ
れたカムフラージュ・トーン像を有するカラー複合像
を、第1のトーン像及び第2のトーン像の一方をカラー
複写機で再生可能な密度、例えばスクリーン線数(スク
リーンの単位長あたりの線や点の数)が1インチ(2.
54cm)あたり65線で、他方を再生不可能な密度、
例えばスクリーン線数が1インチ(2.54cm)あた
り130線でそれぞれ形成し、肉眼で観察するとき、前
記第1のトーン像及び前記第2のトーン像の一方を他方
と区別できないが、複写機により複写すると、一方のト
ーン像が明瞭に現出して警告マークを構成した文書、あ
るいは、特開平2−81698号公報で開示された、基
紙表面に、濃色の模様パターンを150〜175線、1
0%程度の網点で、この模様パターン以外の背景パター
ンを模様パターンと明瞭に識別できる色合いで150〜
175線、10%程度の網点でそれぞれ印刷し、かつ基
紙の一部にこの模様パターンが施されていることを示す
文言を刷り込んだコピー偽造防止用紙が提案されてい
る。さらに、特公昭58−47708号による文書を改
良したものとして、実公平3−15338号公報で開示
された、カムフラージュ模様を組み込んだグラデーショ
ン印刷層を重ね刷りした全域機能型のコピー偽造防止用
紙も提案されている。
【0003】このように、従来の技術を総括すると、印
刷物表面に異なるスクリーン線数で同じ面積比の網点を
用いて、警告表示となる潜像やトーン像あるいは模様パ
ターンとその周囲の背景部分を印刷し、肉眼では警告表
示部分と背景部分の識別ができず、複写すると警告表示
部分と背景部分のいずれか一方のみが再現されて、警告
表示が浮かび上がる、というものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、製
版時の網点の面積と印刷物の網点の面積とは一致せず、
フィルムや刷版の焼き度、印圧などによって印刷物の網
点が大きくなってしまう。この大きくなった状態はドッ
トゲインと呼ばれるが、このドットゲインは、図8に示
すように、網点の大きさに関係なく、同一幅だけ発生す
るので、製版時に設定したスクリーン濃度(単位面積当
たりに占める網点面積の比率)は印刷物では変化してし
まう。例えば、製版状態においてスクリーン線数150
線、スクリーン濃度17%の細かい網点からなる警告表
示部分は、スクリーン線数150線、スクリーン濃度2
2%の状態で印刷され、また、この警告表示部分よりは
粗い網点からなる製版状態においてスクリーン線数65
線、スクリーン濃度17%の背景部分は、スクリーン線
数65線、スクリーン濃度25%の状態で印刷される。
したがって、上述した各従来例の印刷物にあっては、こ
のドットゲインによって、潜像や警告マークを構成する
トーン像あるいは模様パターンと、他の背景部分との面
積比に差が生じ、本来ならば肉眼で識別不能な前記潜像
等が浮かび上がって識別可能となる事態を生ずる。
【0005】この事態を避けるために従来にあっては、
ドットゲインを考慮して、製版の段階で焼き込み等の調
節、印刷の段階で印圧、インキ濃度の調節を行い、印刷
物における潜像等と背景部分の網点の面積比を製版時と
一致させ、あるいは印刷物において所望の網点の面積比
となるよう製版時の網点の面積比を設定しているが、こ
の調節作業には、かなりの手間と熟練した技術が要求さ
れる。このため従来は、熟練者でなければ製版、印刷作
業を行うことができず、また、作業効率も低いという不
都合があった。本発明は、この不都合を解消した複写偽
造防止用印刷物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の複写偽造防止用印刷物は、警告表示パターン
と背景パターンとが一体的に印刷されてなり、肉眼では
前記警告表示パターンと前記背景パターンとの識別は不
能であるが、複写機で複写すると前記警告表示パターン
が肉眼で認識可能となる複写偽造防止用印刷物におい
て、前記警告表示パターンと前記背景パターンとを、同
一面積の網点で同一スクリーン濃度に形成するととも
に、前記警告表示パターンと前記背景パターンのいずれ
か一方を、これを形成する網点を均一な密集状態に配置
して他方のパターンとは異なる分布状態とすることによ
り、前記両パターンのスクリーン線数を異ならせたもの
である。
【0007】また、上述した構成において、警告表示パ
ターンまたは背景パターンのいずれか一方の網点を均一
な密集状態に配置してなるパターンを、他方のパターン
の網点同士の間隔の半分以下の間隔を置いて、かつ、網
点同士が重ならないように密集させるとよい。前記各パ
ターンにおけるスクリーン線数は65線〜200線、ス
クリーン濃度は5%〜80%、より好ましくは15%〜
30%の範囲から選択すると好適である。
【0008】
【作用】警告表示パターンと背景パターンとを、図5に
示すように、同一面積の網点で同一スクリーン濃度に形
成するとともに、前記警告表示パターンと前記背景パタ
ーンのいずれか一方を、これを形成する網点を均一な密
集状態に配置(同図(b)参照)して、前記両パターン
における網点の分布状態を異ならせることにより、他方
のスクリーン線数よりは粗い所定のスクリーン線数とし
たので、複写濃度に応じて各パターンのいずれか一方の
みが複写される。また、各網点はすべて同一大であるか
ら、図6に示すようにドットゲインが生じても、前記警
告表示パターンと前記背景パターンの網点の面積比は常
に一定であり、正規の印刷物に前記警告表示パターンあ
るいは前記背景パターンが浮き上がって、肉眼で識別さ
れることはない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1は第1実施
例の概略的な斜視図、図2は第2実施例の概略的な斜視
図、図3は第3実施例の概略的な斜視図、図4は他の実
施例の概略的な平面図、図5は警告表示パターンと背景
パターンを構成する網点の配置状態を拡大して示す概略
図、図6はそのドットゲインの状態をさらに拡大して示
す概略図、図7は網点の配置状態の他の実施例を拡大し
て示す概略図である。
【0010】まず、第1実施例について説明すると、図
1に示すように、各種証券類等の印刷物1の表面には、
スクリーン線数150線、スクリーン濃度20%に設定
した細かい網点P1(図5(a)参照)からなる「コピ
ー」の文字が警告表示パターン2としてマゼンタインキ
で印刷され、この警告表示パターン2の周囲には、これ
と重なり合わないように、同一大の網点P2(図5
(b)参照)を密集して均一に配置することにより、ス
クリーン線数65線、スクリーン濃度20%に設定した
背景パターン3が、同じくマゼンタインキで印刷されて
いる。なお、図1(後述する図2及び図3においても同
様)では便宜上、警告表示パターン2と背景パターン3
を図示しているが、これら両パターン2,3は実際に
は、極めて注意深く観察する者であっても、肉眼での識
別が不可能なものである。
【0011】図5で明らかなように、警告表示パターン
2は、網点P1を左右方向及び上下方向に等間隔をおい
て均一に配置する一方、背景パターン3は、前記網点P
1と同一大の網点P2を4つ密集させたものを左右方向
及び上下方向に等間隔をおいて均一に配置し、空白部分
を広く取ることによって、前記警告表示パターン2と前
記背景パターン3とを異なるスクリーン線数で同一のス
クリーン濃度を有するよう構成したものである。
【0012】この第1実施例の印刷物1を、カラー複写
機(キャノン製、カラーレーザーコピヤー500)で複
写濃度を段階的に変えて複写したところ、複写濃度調整
の目盛りが「2」までは警告表示パターン2と背景パタ
ーン3がともに複写されず、前記目盛りを「3」または
「4」に設定すると、背景パターン3のみが複写され
て、警告表示パターン2である「コピー」の文字が複写
されず、いわゆる白抜けの状態となって、再現された。
したがって、この印刷物1は、「1」〜「4」の複写濃
度において、まったく複写されない状態か、「コピー」
の文字のみが複写されずに浮き上がる状態となるので、
複写物であることは容易に識別できる。
【0013】次に、第2実施例について説明すると、図
2に示すように、各種証券類等の印刷物11の表面に
は、細かい網点P2(図5(b)参照)を密集して均一
に配置することにより、スクリーン線数65線、スクリ
ーン濃度20%に設定した「コピー」の文字が警告表示
パターン12として、20%に希釈したシアンインキで
印刷され、この警告表示パターン12の周囲には、これ
と重なり合わないように、前記網点P2と同一大の網点
P1(図5(a)参照)からなるスクリーン線数150
線、スクリーン濃度20%に設定した背景パターン13
が、同じく20%に希釈したシアンインキで印刷されて
いる。すなわち、この第2実施例は、上述した第1実施
例とは、警告表示パターン12と背景パターン13とに
おける網点P1,P2の配置状態を逆に設定したもので
あり、この第2実施例においても、前記両パターン1
2,13を肉眼で識別することは不可能である。
【0014】この第2実施例の印刷物11を、カラー複
写機(キャノン製、カラーレーザーコピヤー500)で
複写濃度を段階的に変えて複写したところ、複写濃度調
整の目盛りが「4」までは警告表示パターン2と背景パ
ターン3がともに複写されず、前記目盛りを「5」以上
に設定すると、警告表示パターン12である「コピー」
の文字のみが複写されて、背景パターン13は複写され
なかった。したがって、この印刷物11は、どの複写濃
度においても、まったく複写されない状態か、「コピ
ー」の文字のみが複写される状態となるので、複写物で
あることは容易に識別できる。
【0015】続いて、第3実施例を図3に基づいて説明
する。この第3実施例の各種証券類等の印刷物21は、
上述した第1実施例における網点の印刷と、第2実施例
における網点の印刷とを重ねて印刷したものであり、こ
の第3実施例においても、「コピー」の文字からなる警
告表示パターン22と背景パターン23を肉眼で識別す
ることは不可能である。
【0016】この第3実施例の印刷物21を、カラー複
写機(キャノン製、カラーレーザーコピヤー500)で
複写濃度を段階的に変えて複写したところ、複写濃度調
整の目盛りが「2」までは警告表示パターン2と背景パ
ターン3がともに複写されず、前記目盛りを「3」また
は「4」に設定すると、背景パターン23のマゼンタイ
ンキで印刷した部分のみが複写され、前記目盛りを
「5」以上に設定すると、マゼンタインキとシアンイン
キで印刷した警告表示パターン22である「コピー」の
文字と背景パターン23のマゼンタインキで印刷した部
分のみが複写され、シアンインキで印刷した背景パター
ン23の部分は複写されなかった。したがって、この印
刷物21は、どの複写濃度においても、まったく複写さ
れない状態か、「コピー」の文字が現出するので、複写
物であることは容易に識別できる。
【0017】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではなく、例えば、網点P2を密集状態で配置
した場合に、図7に示すように、空白部分に前記網点P
2と同一大の網点P3を均一に配置することにより、ス
クリーン濃度の調整をより精密に行うことができる。各
網点P1,P2,P3は面積が同一であればよく、形状
が同一である必要はない。また、警告表示パターン2,
12,22は、「コピー」等の文字に限らず、図4に示
すような地模様をはじめとする各種模様を採用してもよ
い。さらに、カムフラージュパターンと組み合わせても
よいことはもちろんである。
【0018】
【発明の効果】以上説明したところで明らかなように、
本発明によれば、同一大の網点を用いて、配置状態を変
えることにより、異なるスクリーン線数で同一のスクリ
ーン濃度の警告表示パターンと背景パターンとを一体的
に印刷し、肉眼では前記警告表示パターンと前記背景パ
ターンとの識別は不能であるが、複写機で複写すると前
記警告表示パターンが肉眼で認識可能となるよう構成し
たので、複写物は一目瞭然となるから複写による偽造を
防ぐことができるほか、ドットゲインを考慮しないで印
刷できるので、熟練を要することなく、容易に高品質の
複写偽造防止用印刷物を得ることができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を概略的に示す斜視図。
【図2】第2実施例を概略的に示す斜視図。
【図3】第3実施例を概略的に示す斜視図。
【図4】他の実施例を概略的に示す平面図。
【図5】警告表示パターンと背景パターンを構成する網
点の配置状態を拡大して示す概略図。
【図6】網点のドットゲインの状態をさらに拡大して示
す概略図。
【図7】網点の配置状態の他の実施例を拡大して示す概
略図。
【図8】網点の大小によるドットゲインの状態を拡大し
て示す概略図。
【符号の説明】
1,11,21 印刷物 2,12,22 警告表示パターン 3,13,23 背景パターン P1,P2,P3 網点

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 警告表示パターンと背景パターンとが一
    体的に印刷されてなり、肉眼では前記警告表示パターン
    と前記背景パターンとの識別は不能であるが、複写機で
    複写すると前記警告表示パターンが肉眼で認識可能とな
    る複写偽造防止用印刷物において、前記警告表示パター
    ンと前記背景パターンとを、同一面積の網点で同一スク
    リーン濃度に形成するとともに、前記警告表示パターン
    と前記背景パターンのいずれか一方を、これを形成する
    網点を均一な密集状態に配置して他方のパターンとは異
    なる分布状態としたことを特徴とする複写偽造防止用印
    刷物。
  2. 【請求項2】 警告表示パターンまたは背景パターンの
    いずれか一方の網点を均一な密集状態に配置してなるパ
    ターンは、他方のパターンの網点同士の間隔の半分以下
    の間隔を置いて、かつ、網点同士が重ならないように密
    集していることを特徴とする請求項1記載の複写偽造防
    止用印刷物。
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JP4656719B2 (ja) * 2000-11-27 2011-03-23 小林クリエイト株式会社 偽造防止帳票
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