JPH08244389A - 潜像を有する印刷体 - Google Patents
潜像を有する印刷体Info
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- JPH08244389A JPH08244389A JP7080764A JP8076495A JPH08244389A JP H08244389 A JPH08244389 A JP H08244389A JP 7080764 A JP7080764 A JP 7080764A JP 8076495 A JP8076495 A JP 8076495A JP H08244389 A JPH08244389 A JP H08244389A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 各種複写機における濃い濃度から淡い濃度ま
での如何なる複写濃度調整レベルにおいても、定常的に
複写物面の所定領域に潜像を顕出させ、また必要に応じ
て複写物面全域に潜像を顕出させることができる印刷体
の提供。 【構成】 基体面の所定領域に潜像と背景を有し、前記
潜像と背景が、濃度の異なる少なくとも2種類のスクリ
ーン模様を並列および/または混在させた様態で組み合
わせてなり、且つ、濃度を同じくしてなる各々のスクリ
ーン模様における潜像部と背景部が、互いに異なるスク
リーン線数からなることを特徴とする潜像を有する印刷
体。
での如何なる複写濃度調整レベルにおいても、定常的に
複写物面の所定領域に潜像を顕出させ、また必要に応じ
て複写物面全域に潜像を顕出させることができる印刷体
の提供。 【構成】 基体面の所定領域に潜像と背景を有し、前記
潜像と背景が、濃度の異なる少なくとも2種類のスクリ
ーン模様を並列および/または混在させた様態で組み合
わせてなり、且つ、濃度を同じくしてなる各々のスクリ
ーン模様における潜像部と背景部が、互いに異なるスク
リーン線数からなることを特徴とする潜像を有する印刷
体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、現物の印刷物では肉眼
で潜像を認識し難いが、印刷物を複写した場合に、複写
物の所定領域に潜像が顕出される機能を有した印刷体に
関し、さらに詳しくは、複写機の複写濃度調整レベルを
何れの範囲に設定しても、潜像が顕出するものであり、
証書類、ゲームカード類、抽選券等に有効に利用でき、
特に、定期券、印鑑証明書、商品券、小切手、紙幣、帳
票、あるいは各種の証券類等の証書類の偽造防止に有効
に利用できる潜像を有した印刷体に関するものである。
で潜像を認識し難いが、印刷物を複写した場合に、複写
物の所定領域に潜像が顕出される機能を有した印刷体に
関し、さらに詳しくは、複写機の複写濃度調整レベルを
何れの範囲に設定しても、潜像が顕出するものであり、
証書類、ゲームカード類、抽選券等に有効に利用でき、
特に、定期券、印鑑証明書、商品券、小切手、紙幣、帳
票、あるいは各種の証券類等の証書類の偽造防止に有効
に利用できる潜像を有した印刷体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機の普及により、あらゆる印
刷物が手軽に複写できるようになっている。また、この
ような便利さの反面、複写機の精度向上にともない、商
品券、小切手、紙幣、あるいは各種証券類等の証書類を
複写して偽造する事態が生じている。このような偽造を
防止するために、従来より、特殊インキの使用、磁気マ
ークの刷り込み、蛍光物質による隠し文字の印刷が試み
られてきたが、持続性の欠如、特殊設備の必要性、コス
ト高等の点で問題があった。
刷物が手軽に複写できるようになっている。また、この
ような便利さの反面、複写機の精度向上にともない、商
品券、小切手、紙幣、あるいは各種証券類等の証書類を
複写して偽造する事態が生じている。このような偽造を
防止するために、従来より、特殊インキの使用、磁気マ
ークの刷り込み、蛍光物質による隠し文字の印刷が試み
られてきたが、持続性の欠如、特殊設備の必要性、コス
ト高等の点で問題があった。
【0003】そこで、このような偽造防止策として、例
えば、特公昭55ー45400号公報では、基体面に微
細構成子よりなる潜像を印刷し、潜像の周囲の白地部分
に潜像よりも粗または密な微細構成子を用いて印刷を施
した潜像入り印刷物が開示され、また、特開平1ー81
698号公報では、証書類の基体面に濃色の模様パター
ンを150〜175線の10%程度の網点で構成し、模
様パターン以外の背景パターンを、模様パターンと明瞭
に識別できる色合いで、150〜175線の10%程度
の網点でそれぞれ印刷し、さらに、この基体の一部に、
模様パターンが施されていることを示す文言を刷り込ん
だり、カムフラージュ模様を組み込んだグラデーション
印刷層を重ね刷りした複写偽造防止用紙等も提案されて
いる。
えば、特公昭55ー45400号公報では、基体面に微
細構成子よりなる潜像を印刷し、潜像の周囲の白地部分
に潜像よりも粗または密な微細構成子を用いて印刷を施
した潜像入り印刷物が開示され、また、特開平1ー81
698号公報では、証書類の基体面に濃色の模様パター
ンを150〜175線の10%程度の網点で構成し、模
様パターン以外の背景パターンを、模様パターンと明瞭
に識別できる色合いで、150〜175線の10%程度
の網点でそれぞれ印刷し、さらに、この基体の一部に、
模様パターンが施されていることを示す文言を刷り込ん
だり、カムフラージュ模様を組み込んだグラデーション
印刷層を重ね刷りした複写偽造防止用紙等も提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなスクリーン印刷技術を応用した偽造防止策にも盲点
があり、ある特定の複写濃度調整レベルで複写した際
に、複写された潜像と背景の複写濃度が全く同一となる
ことがあり、この場合は、潜像と背景との識別が困難に
なるという不都合が生じている。
うなスクリーン印刷技術を応用した偽造防止策にも盲点
があり、ある特定の複写濃度調整レベルで複写した際
に、複写された潜像と背景の複写濃度が全く同一となる
ことがあり、この場合は、潜像と背景との識別が困難に
なるという不都合が生じている。
【0005】そこで、このような不都合を解決するた
め、従来では、スクリーン濃度が同一でスクリーン線数
の異なるスクリーン模様で構成された潜像と背景の組み
合せを基体面上の複数の領域に分けて施し、ある特定の
複写濃度調整レベルで複写した際、どこかの領域で潜像
と背景の複写濃度が同一となり、潜像と背景の識別が困
難になっても、別の領域において潜像が顕出されるとい
う方法で対処してきた。
め、従来では、スクリーン濃度が同一でスクリーン線数
の異なるスクリーン模様で構成された潜像と背景の組み
合せを基体面上の複数の領域に分けて施し、ある特定の
複写濃度調整レベルで複写した際、どこかの領域で潜像
と背景の複写濃度が同一となり、潜像と背景の識別が困
難になっても、別の領域において潜像が顕出されるとい
う方法で対処してきた。
【0006】しかしながら、このような方法では、複写
濃度調整レベルに応じて潜像は複写物面の異なった領域
で顕出される。換言すれば、如何なる複写濃度調整レベ
ルで複写しても、潜像を定常的に特定の領域に顕出させ
ることはできず、例えば、複写偽造物であるか否かを判
定するための判定部を特定領域に固定したい場合、ある
いは、複写物に模様や図柄が顕出するゲームカードや当
選品や当選番号が顕出する抽選券において、顕出部を特
定箇所内に固定したい場合があっても、そのためには複
写機を選定するか、各種複写機の分解能レベルに応じた
複写濃度調整範囲を指定しなければならず、したがっ
て、多大な不都合が生じていた。さらに、如何なる複写
濃度調整レベルで複写しても基体面全域に亙って設けた
潜像を顕出させるようにすることは不可能であった。
濃度調整レベルに応じて潜像は複写物面の異なった領域
で顕出される。換言すれば、如何なる複写濃度調整レベ
ルで複写しても、潜像を定常的に特定の領域に顕出させ
ることはできず、例えば、複写偽造物であるか否かを判
定するための判定部を特定領域に固定したい場合、ある
いは、複写物に模様や図柄が顕出するゲームカードや当
選品や当選番号が顕出する抽選券において、顕出部を特
定箇所内に固定したい場合があっても、そのためには複
写機を選定するか、各種複写機の分解能レベルに応じた
複写濃度調整範囲を指定しなければならず、したがっ
て、多大な不都合が生じていた。さらに、如何なる複写
濃度調整レベルで複写しても基体面全域に亙って設けた
潜像を顕出させるようにすることは不可能であった。
【0007】したがって、本発明は、このような従来の
課題に鑑み、各種複写機における濃い濃度から淡い濃度
までの如何なる複写濃度調整レベルにおいても、定常的
に複写物面の所定領域に潜像を顕出させ、また必要に応
じて複写物面全域に潜像を顕出させることができる印刷
体の提供を目的とする。
課題に鑑み、各種複写機における濃い濃度から淡い濃度
までの如何なる複写濃度調整レベルにおいても、定常的
に複写物面の所定領域に潜像を顕出させ、また必要に応
じて複写物面全域に潜像を顕出させることができる印刷
体の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明は、基体面の所定領域に潜像と背景を有
し、前記潜像と背景が、濃度の異なる少なくとも2種類
のスクリーン模様を並列および/または混在させた様態
で組み合わせてなり、且つ、濃度を同じくしてなる各々
のスクリーン模様における潜像部と背景部が、互いに異
なるスクリーン線数からなることを特徴とする潜像を有
する印刷体を提供する。
めに、本発明は、基体面の所定領域に潜像と背景を有
し、前記潜像と背景が、濃度の異なる少なくとも2種類
のスクリーン模様を並列および/または混在させた様態
で組み合わせてなり、且つ、濃度を同じくしてなる各々
のスクリーン模様における潜像部と背景部が、互いに異
なるスクリーン線数からなることを特徴とする潜像を有
する印刷体を提供する。
【0009】とりわけ、本発明は、前記基体面の所定領
域の潜像と背景が、スクリーン濃度5〜80%から選択
された濃度の異なる少なくとも2種類のスクリーン模様
を並列および/または混在させた様態で組み合わせてな
り、且つ、前記濃度を同じくする各々のスクリーン模様
における潜像部と背景部の内、どちらか一方がスクリー
ン線数50〜80線/インチから選択され、他方が13
0〜200線/インチから選択されたことを特徴とする
前記印刷体を提供する。
域の潜像と背景が、スクリーン濃度5〜80%から選択
された濃度の異なる少なくとも2種類のスクリーン模様
を並列および/または混在させた様態で組み合わせてな
り、且つ、前記濃度を同じくする各々のスクリーン模様
における潜像部と背景部の内、どちらか一方がスクリー
ン線数50〜80線/インチから選択され、他方が13
0〜200線/インチから選択されたことを特徴とする
前記印刷体を提供する。
【0010】また、本発明は、前記スクリーン濃度5〜
80%から選択された濃度の異なる少なくとも2種類の
スクリーン模様において、互いの濃度差が5〜20%で
あることを特徴とする前記印刷体を提供する。
80%から選択された濃度の異なる少なくとも2種類の
スクリーン模様において、互いの濃度差が5〜20%で
あることを特徴とする前記印刷体を提供する。
【0011】
【作用】本発明の印刷体においては、基体面の所定領域
の潜像と背景が、濃度の異なる少なくとも2種類のスク
リーン模様を並列および/または混在させた様態で組み
合わせてなるため、ある特定の複写濃度調整レベルで複
写した際、たとえ、特定のスクリーン濃度からなるスク
リーン模様において潜像部と背景部が略同一濃度で複写
され、潜像部と背景部との識別が困難となっても、この
現象は、濃度の異なる別のスクリーン模様における潜像
部と背景部との間には同時に発生し得ないため、濃度の
異なる別のスクリーン模様における潜像部の集合体によ
り潜像が顕出する。したがって、如何なる複写濃度調整
レベルでも、何れかの濃度からなるスクリーン模様によ
り潜像が顕出する。
の潜像と背景が、濃度の異なる少なくとも2種類のスク
リーン模様を並列および/または混在させた様態で組み
合わせてなるため、ある特定の複写濃度調整レベルで複
写した際、たとえ、特定のスクリーン濃度からなるスク
リーン模様において潜像部と背景部が略同一濃度で複写
され、潜像部と背景部との識別が困難となっても、この
現象は、濃度の異なる別のスクリーン模様における潜像
部と背景部との間には同時に発生し得ないため、濃度の
異なる別のスクリーン模様における潜像部の集合体によ
り潜像が顕出する。したがって、如何なる複写濃度調整
レベルでも、何れかの濃度からなるスクリーン模様によ
り潜像が顕出する。
【0012】また、濃度の異なる少なくとも2種類のス
クリーン模様において、それぞれ互いの濃度差は、印刷
物の用途、デザイン等により任意に選定するものである
が、その濃度差を5〜20%とすることにより、現物の
印刷物では、濃度の異なるスクリーン模様同士の濃度差
が20%以下であれば、潜像が一層視認し難く、ほぼ一
様の模様として認識され、且つ、複写物では、ある特定
の複写濃度調整レベルで複写した際、特定のスクリーン
濃度からなる潜像部と背景部とが略同一濃度で複写され
て識別が困難となっても、それ以外のスクリーン模様に
少なくとも5%の濃度差があれば、この現象は、それ以
外のスクリーン模様における潜像部と背景部との間には
同時に発生し得ず、したがって、印刷体に印刷された情
報を見易くさせた潜像を有した印刷体を提供できる。
クリーン模様において、それぞれ互いの濃度差は、印刷
物の用途、デザイン等により任意に選定するものである
が、その濃度差を5〜20%とすることにより、現物の
印刷物では、濃度の異なるスクリーン模様同士の濃度差
が20%以下であれば、潜像が一層視認し難く、ほぼ一
様の模様として認識され、且つ、複写物では、ある特定
の複写濃度調整レベルで複写した際、特定のスクリーン
濃度からなる潜像部と背景部とが略同一濃度で複写され
て識別が困難となっても、それ以外のスクリーン模様に
少なくとも5%の濃度差があれば、この現象は、それ以
外のスクリーン模様における潜像部と背景部との間には
同時に発生し得ず、したがって、印刷体に印刷された情
報を見易くさせた潜像を有した印刷体を提供できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の潜像を有する印刷体を、複写
防止用印刷物とした実施例に基づき詳細に説明するが、
ここにおいて、印刷体の構成を分かり易くするため、便
宜的に印刷体の版下構成を交えて説明する。
防止用印刷物とした実施例に基づき詳細に説明するが、
ここにおいて、印刷体の構成を分かり易くするため、便
宜的に印刷体の版下構成を交えて説明する。
【0014】すなわち、図1は、スクリーン濃度20%
のスクリーン模様を印刷するための版下の概略的平面図
であり、この版下は、潜像部A1および/または、これ
とスクリーン線数が異なる背景部A2からなる帯状スク
リーンAを印刷するものである。図2は、スクリーン濃
度12%のスクリーン模様を印刷するための版下の概略
的平面図であり、この版下は、潜像部B1および/また
は、これとスクリーン線数が異なる背景部B2からなる
帯状スクリーンBを印刷するものである。そして、図3
は、図1と図2に示した2つの版下を重ねて1つの版下
とした後、または、2つの版下からフィルムを介してま
たは介さずして作成された刷版により印刷されてなる本
発明の一実施例である複写防止用印刷用紙の概略的平面
図。図4は、図3の複写偽造防止用印刷用紙に関する複
写濃度調整レベルと複写濃度の概念的相関説明図であ
る。また、図5は、図3の複写偽造防止用印刷用紙を複
写機の複写濃度調整レベルを段階的に変えて複写した場
合の複写物の様態変化説明図である。さらに、図6は、
本発明の別の実施例である地紋で潜像と背景を構成した
抽選券用紙の概略的平面図。そして、図7は、図6の抽
選券用紙を複写機の複写濃度調整レベルを段階的に変え
て複写した場合の複写物の様態変化説明図である。な
お、図1、図2の版下および図3の複写防止用印刷用
紙、図6の抽選券用紙における潜像部と背景部は、それ
ぞれの位置、形状等が理解し易いよう敢えて識別できる
ように作図している。
のスクリーン模様を印刷するための版下の概略的平面図
であり、この版下は、潜像部A1および/または、これ
とスクリーン線数が異なる背景部A2からなる帯状スク
リーンAを印刷するものである。図2は、スクリーン濃
度12%のスクリーン模様を印刷するための版下の概略
的平面図であり、この版下は、潜像部B1および/また
は、これとスクリーン線数が異なる背景部B2からなる
帯状スクリーンBを印刷するものである。そして、図3
は、図1と図2に示した2つの版下を重ねて1つの版下
とした後、または、2つの版下からフィルムを介してま
たは介さずして作成された刷版により印刷されてなる本
発明の一実施例である複写防止用印刷用紙の概略的平面
図。図4は、図3の複写偽造防止用印刷用紙に関する複
写濃度調整レベルと複写濃度の概念的相関説明図であ
る。また、図5は、図3の複写偽造防止用印刷用紙を複
写機の複写濃度調整レベルを段階的に変えて複写した場
合の複写物の様態変化説明図である。さらに、図6は、
本発明の別の実施例である地紋で潜像と背景を構成した
抽選券用紙の概略的平面図。そして、図7は、図6の抽
選券用紙を複写機の複写濃度調整レベルを段階的に変え
て複写した場合の複写物の様態変化説明図である。な
お、図1、図2の版下および図3の複写防止用印刷用
紙、図6の抽選券用紙における潜像部と背景部は、それ
ぞれの位置、形状等が理解し易いよう敢えて識別できる
ように作図している。
【0015】本発明の実施例である複写偽造防止用印刷
用紙1は、複写物の表面に警告文字「コピー」を顕出さ
せるもので、マゼンタ刷色による、スクリーン濃度20
%、スクリーン線数65線の万線模様からなる潜像部A
1および/または、スクリーン濃度20%、スクリーン
線数150線の網点模様からなる背景部A2で構成され
た帯状スクリーンAと、マゼンタ刷色による、スクリー
ン濃度12%、スクリーン線数65線の万線模様からな
る潜像部B1および/または、スクリーン濃度12%、
スクリーン線数150線の網点模様からなる背景部B2
で構成された帯状スクリーンBを並列させた様態で組み
合わせてなるものである。
用紙1は、複写物の表面に警告文字「コピー」を顕出さ
せるもので、マゼンタ刷色による、スクリーン濃度20
%、スクリーン線数65線の万線模様からなる潜像部A
1および/または、スクリーン濃度20%、スクリーン
線数150線の網点模様からなる背景部A2で構成され
た帯状スクリーンAと、マゼンタ刷色による、スクリー
ン濃度12%、スクリーン線数65線の万線模様からな
る潜像部B1および/または、スクリーン濃度12%、
スクリーン線数150線の網点模様からなる背景部B2
で構成された帯状スクリーンBを並列させた様態で組み
合わせてなるものである。
【0016】本発明のスクリーン濃度においては、使用
する潜像部と背景部のスクリーン線数を考慮すると、現
状使用されている複写機では、スクリーン濃度が5%未
満であると複写濃度調整レベルを最も濃い状態にしても
現出し難くなり、反面、実用上大方の刷色においてもス
クリーン濃度が80%を超えると複写濃度調整レベルを
最も薄い状態にしても濃く現出して潜像部と背景部との
識別が困難になる。また、潜像部と背景部のスクリーン
線数の一方をスクリーン線数50〜80線/インチから
選択し、他方を130〜200線/インチから選択する
が、これらの範囲の組み合せは、潜像と背景が印刷され
た印刷物において、目視により両者を識別困難とさせる
のに適当であると共に、実用上、現在使用されている複
写機における広範囲の複写濃度調整レベルにおいて、潜
像部と背景部の複写濃度のコントラスト差を十分保てる
からである。
する潜像部と背景部のスクリーン線数を考慮すると、現
状使用されている複写機では、スクリーン濃度が5%未
満であると複写濃度調整レベルを最も濃い状態にしても
現出し難くなり、反面、実用上大方の刷色においてもス
クリーン濃度が80%を超えると複写濃度調整レベルを
最も薄い状態にしても濃く現出して潜像部と背景部との
識別が困難になる。また、潜像部と背景部のスクリーン
線数の一方をスクリーン線数50〜80線/インチから
選択し、他方を130〜200線/インチから選択する
が、これらの範囲の組み合せは、潜像と背景が印刷され
た印刷物において、目視により両者を識別困難とさせる
のに適当であると共に、実用上、現在使用されている複
写機における広範囲の複写濃度調整レベルにおいて、潜
像部と背景部の複写濃度のコントラスト差を十分保てる
からである。
【0017】なお、一般に、版下におけるスクリーン濃
度と、版下によって実際に印刷した印刷体における印刷
濃度とは、印圧、インキの盛り量等の諸条件によって相
違し同一にならないため、同一濃度スクリーン模様と
は、略同一濃度を含むものであり、現物の印刷体の通常
の目視において潜像の識別が困難な状態をも含むもので
ある。また、スクリーンとは網点、万線、その他の形状
を含むものである。さらに、図示していないが、潜像お
よび/または背景と重なって他のカムフラージュ模様が
表現されるよう印刷してもよい。そして、印刷体表面に
は、予め、タイトル、金額欄等の各種の印刷が施されて
もよいものである。
度と、版下によって実際に印刷した印刷体における印刷
濃度とは、印圧、インキの盛り量等の諸条件によって相
違し同一にならないため、同一濃度スクリーン模様と
は、略同一濃度を含むものであり、現物の印刷体の通常
の目視において潜像の識別が困難な状態をも含むもので
ある。また、スクリーンとは網点、万線、その他の形状
を含むものである。さらに、図示していないが、潜像お
よび/または背景と重なって他のカムフラージュ模様が
表現されるよう印刷してもよい。そして、印刷体表面に
は、予め、タイトル、金額欄等の各種の印刷が施されて
もよいものである。
【0018】このように構成された複写偽造防止用印刷
用紙1によれば、極めて注意深く観察しても、何れの帯
状スクリーンにおいても、潜像部と背景部とを肉眼で識
別することは困難であり、単に、スクリーン濃度の異な
る2種類のストライプが交互に積層した状態として認識
される。しかしながら、この印刷用紙を段階的に複写濃
度調整レベルを変えて複写すると、図5に示すように、
潜像と背景を構成するスクリーン濃度やスクリーン線数
が異なるそれぞれの潜像部と背景部において、複写機の
複写濃度調整レベルに応じて複写濃度が変化する。
用紙1によれば、極めて注意深く観察しても、何れの帯
状スクリーンにおいても、潜像部と背景部とを肉眼で識
別することは困難であり、単に、スクリーン濃度の異な
る2種類のストライプが交互に積層した状態として認識
される。しかしながら、この印刷用紙を段階的に複写濃
度調整レベルを変えて複写すると、図5に示すように、
潜像と背景を構成するスクリーン濃度やスクリーン線数
が異なるそれぞれの潜像部と背景部において、複写機の
複写濃度調整レベルに応じて複写濃度が変化する。
【0019】ここで、複写濃度調整レベルと複写濃度の
概念的相関について、図4に基づいて説明する。図4
は、縦軸に複写物に現出したそれぞれのスクリーン模様
の濃度を取り、横軸に複写機の複写濃度調整レベルを示
し、両者の関係を表わすものである。複写濃度調整レベ
ルを薄い状態から設定を濃くするにつれ、先ず、スクリ
ーン濃度の高い方(20%)から現出し、次いで低い方
(12%)が現出する。また、濃度が同一でも、線数の
小さい方(65線)がより複写濃度が高く、反面、線数
の大きい方(150線)は複写濃度が低くなり、このた
め潜像部A1、B1と背景部A2、B2との間にコント
ラスト差(ΔY)が生じ、潜像部A1とB1により潜像
が顕出される。しかしながら、特定の複写濃度調整レベ
ル(Xa)に達すると、潜像部A1と背景部A2とが同
一複写濃度で現出し、両者の識別が困難になる。この
時、別のスクリーン濃度(12%)からなる潜像部B1
と背景部B2においては、この現象は同時に発生するこ
とはなく、両者の間には依然としてコントラスト差(Δ
Yb)あり、また、潜像部B1と背景部A2との間にも
コントラスト差(ΔYb′)があるため、潜像は潜像部
B1により顕出される。この条件は、特定の複写濃度調
整レベル(Xb)にも同様で、すなわち、潜像部B1と
背景部B2とが同一複写濃度で現出し、両者の識別が困
難になっても、潜像部A1と背景部A2との間にはコン
トラスト差(ΔYa)があり、また、潜像部A1と背景
部B2との間にもコントラスト差(ΔYa′)があるた
め、潜像は潜像部A1により顕出される。
概念的相関について、図4に基づいて説明する。図4
は、縦軸に複写物に現出したそれぞれのスクリーン模様
の濃度を取り、横軸に複写機の複写濃度調整レベルを示
し、両者の関係を表わすものである。複写濃度調整レベ
ルを薄い状態から設定を濃くするにつれ、先ず、スクリ
ーン濃度の高い方(20%)から現出し、次いで低い方
(12%)が現出する。また、濃度が同一でも、線数の
小さい方(65線)がより複写濃度が高く、反面、線数
の大きい方(150線)は複写濃度が低くなり、このた
め潜像部A1、B1と背景部A2、B2との間にコント
ラスト差(ΔY)が生じ、潜像部A1とB1により潜像
が顕出される。しかしながら、特定の複写濃度調整レベ
ル(Xa)に達すると、潜像部A1と背景部A2とが同
一複写濃度で現出し、両者の識別が困難になる。この
時、別のスクリーン濃度(12%)からなる潜像部B1
と背景部B2においては、この現象は同時に発生するこ
とはなく、両者の間には依然としてコントラスト差(Δ
Yb)あり、また、潜像部B1と背景部A2との間にも
コントラスト差(ΔYb′)があるため、潜像は潜像部
B1により顕出される。この条件は、特定の複写濃度調
整レベル(Xb)にも同様で、すなわち、潜像部B1と
背景部B2とが同一複写濃度で現出し、両者の識別が困
難になっても、潜像部A1と背景部A2との間にはコン
トラスト差(ΔYa)があり、また、潜像部A1と背景
部B2との間にもコントラスト差(ΔYa′)があるた
め、潜像は潜像部A1により顕出される。
【0020】以下、本実施例の複写偽造防止用印刷用紙
を、複写濃度調整レベルを段階的に変えて複写した場合
の複写物の様態変化を、図5に基づき詳述する。
を、複写濃度調整レベルを段階的に変えて複写した場合
の複写物の様態変化を、図5に基づき詳述する。
【0021】先ず最初に、複写機の複写濃度調整レベル
を最も薄い状態にした場合(図5のレベル1参照)に
は、帯状スクリーンAにおける潜像部A1は淡く現出す
るが、その他のスクリーン模様は複写機の解像力の限界
性によって現出せず、したがって、警告文字「コピー」
が潜像部A1の集合体の顕出をもって確認された。
を最も薄い状態にした場合(図5のレベル1参照)に
は、帯状スクリーンAにおける潜像部A1は淡く現出す
るが、その他のスクリーン模様は複写機の解像力の限界
性によって現出せず、したがって、警告文字「コピー」
が潜像部A1の集合体の顕出をもって確認された。
【0022】次に、さらに複写濃度調整レベルを上げ
て、中間と最も薄い状態の間にした場合(図5のレベル
2参照)には、帯状スクリーンAにおける潜像部A1は
多少濃く現出し、背景部A2は淡く現出する。一方、帯
状スクリーンBにおける潜像部B1は部分的に淡く現出
するが背景部B2は全く現出しない。すなわち、潜像部
A1と背景部A2および潜像部B1と背景部B2のそれ
ぞれの間に複写濃度のコントラスト差が生じるため、警
告文字「コピー」が確認された。
て、中間と最も薄い状態の間にした場合(図5のレベル
2参照)には、帯状スクリーンAにおける潜像部A1は
多少濃く現出し、背景部A2は淡く現出する。一方、帯
状スクリーンBにおける潜像部B1は部分的に淡く現出
するが背景部B2は全く現出しない。すなわち、潜像部
A1と背景部A2および潜像部B1と背景部B2のそれ
ぞれの間に複写濃度のコントラスト差が生じるため、警
告文字「コピー」が確認された。
【0023】そして、複写濃度調整レベルを中間状態に
した場合(図5のレベル3参照)には、帯状スクリーン
Aにおける潜像部A1は濃く現出され、また、背景部A
2は多少濃く現出される。一方、帯状スクリーンBにお
ける潜像部B1は多少濃く現出され、また、背景部B2
は部分的に淡く現出する。すなわち、潜像部A1と背景
部A2および潜像部B1と背景部B2とのそれぞれの間
に、依然として複写濃度のコントラスト差があるため、
警告文字「コピー」が確認された。
した場合(図5のレベル3参照)には、帯状スクリーン
Aにおける潜像部A1は濃く現出され、また、背景部A
2は多少濃く現出される。一方、帯状スクリーンBにお
ける潜像部B1は多少濃く現出され、また、背景部B2
は部分的に淡く現出する。すなわち、潜像部A1と背景
部A2および潜像部B1と背景部B2とのそれぞれの間
に、依然として複写濃度のコントラスト差があるため、
警告文字「コピー」が確認された。
【0024】また、さらに複写濃度調整レベルを上げ
て、中間と最も濃い状態の間にした場合(図5のレベル
4参照)には、帯状スクリーンAにおける潜像部A1と
背景部A2がほぼ同一濃度で一様に現出し、両者の識別
が困難となったが、帯状スクリーンBにおいては、潜像
部B1は濃く現出され、背景部B2も多少濃く現出され
たが、潜像部B1と背景部B2との間および潜像部B1
と背景部A2との間には依然として複写濃度のコントラ
スト差があるため、警告文字「コピー」が確認された。
て、中間と最も濃い状態の間にした場合(図5のレベル
4参照)には、帯状スクリーンAにおける潜像部A1と
背景部A2がほぼ同一濃度で一様に現出し、両者の識別
が困難となったが、帯状スクリーンBにおいては、潜像
部B1は濃く現出され、背景部B2も多少濃く現出され
たが、潜像部B1と背景部B2との間および潜像部B1
と背景部A2との間には依然として複写濃度のコントラ
スト差があるため、警告文字「コピー」が確認された。
【0025】複写濃度調整レベルを最も濃い状態にした
場合(図5のレベル5参照)には、帯状スクリーンBに
おける潜像部B1と背景部B2がほぼ同一濃度で一様に
現出し、両者の識別が困難なものとなったが、帯状スク
リーンAにおいては、潜像部A1よりも背景部A2の方
が濃く現出するため、潜像部A1と背景部A2との間お
よび潜像部A1と背景部B2との間に複写濃度のコント
ラスト差が生じ、警告文字「コピー」が確認された。
場合(図5のレベル5参照)には、帯状スクリーンBに
おける潜像部B1と背景部B2がほぼ同一濃度で一様に
現出し、両者の識別が困難なものとなったが、帯状スク
リーンAにおいては、潜像部A1よりも背景部A2の方
が濃く現出するため、潜像部A1と背景部A2との間お
よび潜像部A1と背景部B2との間に複写濃度のコント
ラスト差が生じ、警告文字「コピー」が確認された。
【0026】本実施例においては、各々の帯状スクリー
ンにおける潜像部のスクリーン線数を同じ65線とし、
同様に、背景部を同じ150線としたが、各々の帯状ス
クリーンにおいて、潜像部同士と背景部同士とを互いに
異なるスクリーン線数で構成してもよく、例えば、上記
の実施例において、潜像部A1を50線とし、潜像部B
1を80線とし、一方、前述した如く、背景部A2を1
30線とし、背景部B2を180線としてもよい。但
し、この場合でも、潜像部A1と背景部A2とのスクリ
ーン濃度は同一で、潜像部B1と背景部B2とのスクリ
ーン濃度も同一であることは必要である。
ンにおける潜像部のスクリーン線数を同じ65線とし、
同様に、背景部を同じ150線としたが、各々の帯状ス
クリーンにおいて、潜像部同士と背景部同士とを互いに
異なるスクリーン線数で構成してもよく、例えば、上記
の実施例において、潜像部A1を50線とし、潜像部B
1を80線とし、一方、前述した如く、背景部A2を1
30線とし、背景部B2を180線としてもよい。但
し、この場合でも、潜像部A1と背景部A2とのスクリ
ーン濃度は同一で、潜像部B1と背景部B2とのスクリ
ーン濃度も同一であることは必要である。
【0027】なお、本実施例におては、同一スクリーン
濃度からなる潜像部と背景部との組み合せを直線的な帯
状スクリーンとしたが、このような帯状を基本として構
成する場合でも、これを曲線的に構成したり、波型、折
線的に構成したり、あるいは帯状を所定長としてこれを
レンガ状に組み合わせて構成したり、同心円状に構成し
てもよく、それぞれの潜像部と背景部の集合体が潜像と
背景を構成するものであれば、その形状は限定されるも
のではない。また、3種類以上のスクリーン濃度で構成
する場合でも、異なるスクリーン模様を交互に順序立て
て積層するのが好ましく、また、その帯幅も潜像の大き
さにより適宜選定されるものである。
濃度からなる潜像部と背景部との組み合せを直線的な帯
状スクリーンとしたが、このような帯状を基本として構
成する場合でも、これを曲線的に構成したり、波型、折
線的に構成したり、あるいは帯状を所定長としてこれを
レンガ状に組み合わせて構成したり、同心円状に構成し
てもよく、それぞれの潜像部と背景部の集合体が潜像と
背景を構成するものであれば、その形状は限定されるも
のではない。また、3種類以上のスクリーン濃度で構成
する場合でも、異なるスクリーン模様を交互に順序立て
て積層するのが好ましく、また、その帯幅も潜像の大き
さにより適宜選定されるものである。
【0028】次に、本発明の別の実施例である抽選券用
紙2は、図6に示すように、複写物面に隠し番号「12
3」を顕出させるもので、シアン刷色による、スクリー
ン濃度35%、スクリーン線数50線の万線微細子の地
紋からなる潜像部C1およびスクリーン濃度35%、ス
クリーン線数130線の万線微細子の地紋からなる背景
部C2と、シアン刷色による、スクリーン濃度15%、
スクリーン線数50線の網点微細子からなる潜像部D1
およびスクリーン濃度15%、スクリーン線数200線
の網点微細子からなる背景部D2とを組み合わせてなる
ものである。
紙2は、図6に示すように、複写物面に隠し番号「12
3」を顕出させるもので、シアン刷色による、スクリー
ン濃度35%、スクリーン線数50線の万線微細子の地
紋からなる潜像部C1およびスクリーン濃度35%、ス
クリーン線数130線の万線微細子の地紋からなる背景
部C2と、シアン刷色による、スクリーン濃度15%、
スクリーン線数50線の網点微細子からなる潜像部D1
およびスクリーン濃度15%、スクリーン線数200線
の網点微細子からなる背景部D2とを組み合わせてなる
ものである。
【0029】このように得られた印刷物では、現物の印
刷物においては、肉眼では地紋を現わすスクリーン模様
とてし捉えられ、潜像と背景とを肉眼で識別することは
困難であるが、段階的に複写濃度調整レベルを変えて複
写すると、前記実施例と同様な仕組みにより、前記実施
例と同様な様態変化が得られ、複写物面の所定領域に隠
し番号が顕出される。
刷物においては、肉眼では地紋を現わすスクリーン模様
とてし捉えられ、潜像と背景とを肉眼で識別することは
困難であるが、段階的に複写濃度調整レベルを変えて複
写すると、前記実施例と同様な仕組みにより、前記実施
例と同様な様態変化が得られ、複写物面の所定領域に隠
し番号が顕出される。
【0030】すなわち、複写機の複写濃度調整レベルを
最も薄い状態にした場合(図7のレベル1参照)は、潜
像部C1は淡く現出するが、その他のスクリーン模様は
複写機の解像力の限界性によって現出せず、したがっ
て、隠し番号「123」が潜像部C1の集合体の顕出を
もって確認された。
最も薄い状態にした場合(図7のレベル1参照)は、潜
像部C1は淡く現出するが、その他のスクリーン模様は
複写機の解像力の限界性によって現出せず、したがっ
て、隠し番号「123」が潜像部C1の集合体の顕出を
もって確認された。
【0031】次に、さらに複写濃度調整レベルを上げ
て、中間と最も薄い状態の間にした場合(図7のレベル
2参照)には、潜像部C1は濃く現出するが、背景部C
2は淡く現出する。一方、潜像部D1は淡く現出する
が、背景部B2はほとんど現出しない。すなわち、潜像
部C1と背景部C2の間に複写濃度のコントラスト差が
生じ、また、潜像部D1の単独の現出により、隠し番号
「123」が確認された。
て、中間と最も薄い状態の間にした場合(図7のレベル
2参照)には、潜像部C1は濃く現出するが、背景部C
2は淡く現出する。一方、潜像部D1は淡く現出する
が、背景部B2はほとんど現出しない。すなわち、潜像
部C1と背景部C2の間に複写濃度のコントラスト差が
生じ、また、潜像部D1の単独の現出により、隠し番号
「123」が確認された。
【0032】そして、複写濃度調整レベルを中間状態に
した場合(図7のレベル3参照)には、潜像部C1はさ
らに濃く現出され、背景部C2は多少濃く現出される。
一方、潜像部D1は多少濃く現出され、背景部D2は淡
く現出される。すなわち、潜像部C1と背景部C2およ
び潜像部D1と背景部D2とのそれぞれの間に、依然と
して複写濃度のコントラスト差があるため、隠し番号
「123」が確認された。
した場合(図7のレベル3参照)には、潜像部C1はさ
らに濃く現出され、背景部C2は多少濃く現出される。
一方、潜像部D1は多少濃く現出され、背景部D2は淡
く現出される。すなわち、潜像部C1と背景部C2およ
び潜像部D1と背景部D2とのそれぞれの間に、依然と
して複写濃度のコントラスト差があるため、隠し番号
「123」が確認された。
【0033】また、さらに複写濃度調整レベルを上げ
て、中間と最も濃い状態の間にした場合(図7のレベル
4参照)には、潜像部C1と背景部C2が同一濃度で一
様に現出し、両者の識別が困難となったが、潜像部D1
と背景部D2との間、および潜像部C1と背景部D2と
の間に複写濃度のコントラスト差があるため、隠し番号
「123」が確認された。
て、中間と最も濃い状態の間にした場合(図7のレベル
4参照)には、潜像部C1と背景部C2が同一濃度で一
様に現出し、両者の識別が困難となったが、潜像部D1
と背景部D2との間、および潜像部C1と背景部D2と
の間に複写濃度のコントラスト差があるため、隠し番号
「123」が確認された。
【0034】複写濃度調整レベルを最も濃い状態にした
場合(図7のレベル5参照)には、潜像部C1と背景部
C2がレベル5と同様に一様に現出し、両者の識別が困
難となったが、潜像部D1と背景部D2との間には依然
として複写濃度のコントラスト差があり、隠し番号「1
23」が確認された。
場合(図7のレベル5参照)には、潜像部C1と背景部
C2がレベル5と同様に一様に現出し、両者の識別が困
難となったが、潜像部D1と背景部D2との間には依然
として複写濃度のコントラスト差があり、隠し番号「1
23」が確認された。
【0035】なお、上述の各実施例においては、マゼン
タ、シアン等の単色を用いたが、これら以外のイエロ
ー、ブラック等を用いることも、あるいは、これらの混
合色を用いることもでき、さらに、印刷濃度の濃い方と
薄い方との色を異にすることも可能であり、実施例の如
く単色を用いる場合は、印刷する際の版は1つでよく、
色を異にする際はそれに応じた版を用いて印刷すること
により、本発明に係わる潜像を有する印刷体を得ること
ができる。
タ、シアン等の単色を用いたが、これら以外のイエロ
ー、ブラック等を用いることも、あるいは、これらの混
合色を用いることもでき、さらに、印刷濃度の濃い方と
薄い方との色を異にすることも可能であり、実施例の如
く単色を用いる場合は、印刷する際の版は1つでよく、
色を異にする際はそれに応じた版を用いて印刷すること
により、本発明に係わる潜像を有する印刷体を得ること
ができる。
【0036】また、上述の各実施例においては、2種類
の濃度の異なるスクリーン模様から構成されているが、
本発明においては、ある特定の複写濃度調整レベルで複
写した際、特定のスクリーン濃度からなるスクリーン模
様において潜像部と背景部が略同一濃度で複写され、潜
像部と背景部との識別が困難となっても、濃度の異なる
別のスクリーン模様においては、潜像部と背景部とが識
別可能に複写されるとという原理を応用したものである
ため、濃度の異なるスクリーン模様の種類は、3種類で
も4種類でもよく、このように多種類のスクリーン濃度
を組み合わせることにより、現在使用されている複写機
に幅広く対応でき、さらに多様なデザイン、その他のア
プリケーションに富んだ印刷体を提供することができ
る。
の濃度の異なるスクリーン模様から構成されているが、
本発明においては、ある特定の複写濃度調整レベルで複
写した際、特定のスクリーン濃度からなるスクリーン模
様において潜像部と背景部が略同一濃度で複写され、潜
像部と背景部との識別が困難となっても、濃度の異なる
別のスクリーン模様においては、潜像部と背景部とが識
別可能に複写されるとという原理を応用したものである
ため、濃度の異なるスクリーン模様の種類は、3種類で
も4種類でもよく、このように多種類のスクリーン濃度
を組み合わせることにより、現在使用されている複写機
に幅広く対応でき、さらに多様なデザイン、その他のア
プリケーションに富んだ印刷体を提供することができ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明の潜像を有する印刷体によれば、
基体面の所定領域の潜像と背景のそれぞれが、濃度の異
なる少なくとも2種類のスクリーン模様を並列および/
または混在させた様態で組み合わせてなるため、ある特
定の複写濃度調整レベルで複写した際、たとえ、特定の
スクリーン濃度からなるスクリーン模様において、潜像
部と背景部が略同一濃度で複写され、潜像部と背景部と
の識別が困難となっても、この現象は、濃度の異なる別
のスクリーン模様における潜像部と背景部との間には同
時に発生し得ないため、濃度の異なる別のスクリーン模
様における潜像部と背景部により潜像が顕出する。した
がって、濃い濃度から淡い濃度までの如何なる複写濃度
調整レベルにおいても、少なくとも何れかの濃度のスク
リーン模様における潜像が顕出することにより、複写物
面の所定領域に潜像が顕出し、また、必要に応じて複写
物面全域に潜像を顕出させることができるため、潜像を
有するゲームカード、抽選券、帳票、あるいは冊子等に
利用でき、特に、商品券、小切手、紙幣、あるいは各種
の証券類等の証書類の複写機による偽造、変造等の防止
に格別な効果を奏する。
基体面の所定領域の潜像と背景のそれぞれが、濃度の異
なる少なくとも2種類のスクリーン模様を並列および/
または混在させた様態で組み合わせてなるため、ある特
定の複写濃度調整レベルで複写した際、たとえ、特定の
スクリーン濃度からなるスクリーン模様において、潜像
部と背景部が略同一濃度で複写され、潜像部と背景部と
の識別が困難となっても、この現象は、濃度の異なる別
のスクリーン模様における潜像部と背景部との間には同
時に発生し得ないため、濃度の異なる別のスクリーン模
様における潜像部と背景部により潜像が顕出する。した
がって、濃い濃度から淡い濃度までの如何なる複写濃度
調整レベルにおいても、少なくとも何れかの濃度のスク
リーン模様における潜像が顕出することにより、複写物
面の所定領域に潜像が顕出し、また、必要に応じて複写
物面全域に潜像を顕出させることができるため、潜像を
有するゲームカード、抽選券、帳票、あるいは冊子等に
利用でき、特に、商品券、小切手、紙幣、あるいは各種
の証券類等の証書類の複写機による偽造、変造等の防止
に格別な効果を奏する。
【図1】本発明に係わるスクリーン濃度20%の帯状の
スクリーン模様の版下の概略的平面図。
スクリーン模様の版下の概略的平面図。
【図2】本発明に係わるスクリーン濃度12%の帯状の
スクリーン模様の版下の概略的平面図。
スクリーン模様の版下の概略的平面図。
【図3】図1と図2の版下を基に印刷された本発明の一
実施例を示す複写偽造防止用印刷物の概略的平面図。
実施例を示す複写偽造防止用印刷物の概略的平面図。
【図4】図3の複写偽造防止用印刷物に関する複写濃度
調整レベルと複写濃度の概念的相関説明図。
調整レベルと複写濃度の概念的相関説明図。
【図5】図3の複写偽造防止用印刷用紙を、複写機の複
写濃度調整レベルを段階的に変えて複写した場合の複写
物の様態変化説明図。
写濃度調整レベルを段階的に変えて複写した場合の複写
物の様態変化説明図。
【図6】本発明の別の実施例である地紋で潜像と背景を
構成した抽選券用紙の概略的平面図。
構成した抽選券用紙の概略的平面図。
【図7】図6の抽選券用紙を、複写機の複写濃度調整レ
ベルを段階的に変えて複写した場合の複写物の様態変化
説明図。
ベルを段階的に変えて複写した場合の複写物の様態変化
説明図。
1 複写偽造防止用印刷用紙 2 抽選券用紙 A スクリーン濃度20%の帯状スクリーン A1 スクリーン濃度20%の潜像部 A2 スクリーン濃度20%の背景部 B スクリーン濃度12%の帯状スクリーン B1 スクリーン濃度12%の潜像部 B2 スクリーン濃度12%の背景部 C1 スクリーン濃度35%の潜像部 C2 スクリーン濃度35%の背景部 D1 スクリーン濃度15%の潜像部 D2 スクリーン濃度15%の背景部
Claims (3)
- 【請求項1】 基体面の所定領域に潜像と背景を有し、
前記潜像と背景が、濃度の異なる少なくとも2種類のス
クリーン模様を並列および/または混在させた様態で組
み合わせてなり、且つ、濃度を同じくしてなる各々のス
クリーン模様における潜像部と背景部が、互いに異なる
スクリーン線数からなることを特徴とする潜像を有する
印刷体。 - 【請求項2】 前記基体面の所定領域の潜像と背景が、
スクリーン濃度5〜80%から選択された濃度の異なる
少なくとも2種類のスクリーン模様を並列および/また
は混在させた様態で組み合わせてなり、且つ、前記濃度
を同じくする各々のスクリーン模様における潜像部と背
景部の内、どちらか一方がスクリーン線数50〜80線
/インチから選択され、他方が130〜200線/イン
チから選択されたことを特徴とする請求項1記載の潜像
を有する印刷体。 - 【請求項3】 前記スクリーン濃度5〜80%から選択
された濃度の異なる少なくとも2種類のスクリーン模様
において、互いの濃度差が5〜20%であることを特徴
とする請求項1ないし請求項2記載の潜像を有する印刷
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7080764A JPH08244389A (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 潜像を有する印刷体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7080764A JPH08244389A (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 潜像を有する印刷体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08244389A true JPH08244389A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=13727498
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7080764A Pending JPH08244389A (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 潜像を有する印刷体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08244389A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010200326A (ja) * | 2004-01-23 | 2010-09-09 | Canon Inc | 印刷処理システムおよび印刷処理方法 |
US8045232B2 (en) * | 2006-07-27 | 2011-10-25 | Ricoh Company, Ltd. | Image display medium, method and system for preparing composite image display data |
US8553291B2 (en) | 2003-09-17 | 2013-10-08 | Canon Kabushiki Kaisha | Copy-forgery-inhibited pattern image generation method and image processing apparatus |
US11807028B1 (en) | 2022-12-13 | 2023-11-07 | Igt Global Solutions Corporation | Scratch-off document altering and copying countermeasures |
US12086682B1 (en) | 2023-05-26 | 2024-09-10 | Igt Global Solutions Corporation | Automated fraudulent altering and photocopying detection utilizing steganographic pattern detection |
-
1995
- 1995-03-13 JP JP7080764A patent/JPH08244389A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8553291B2 (en) | 2003-09-17 | 2013-10-08 | Canon Kabushiki Kaisha | Copy-forgery-inhibited pattern image generation method and image processing apparatus |
US10038802B2 (en) | 2003-09-17 | 2018-07-31 | Canon Kabushiki Kaisha | Copy-forgery-inhibited pattern image generation method and image processing apparatus |
JP2010200326A (ja) * | 2004-01-23 | 2010-09-09 | Canon Inc | 印刷処理システムおよび印刷処理方法 |
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US11807028B1 (en) | 2022-12-13 | 2023-11-07 | Igt Global Solutions Corporation | Scratch-off document altering and copying countermeasures |
US12086682B1 (en) | 2023-05-26 | 2024-09-10 | Igt Global Solutions Corporation | Automated fraudulent altering and photocopying detection utilizing steganographic pattern detection |
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Legal Events
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