JPH11123945A - 四輪駆動型の水田作業車 - Google Patents

四輪駆動型の水田作業車

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JPH11123945A
JPH11123945A JP29202197A JP29202197A JPH11123945A JP H11123945 A JPH11123945 A JP H11123945A JP 29202197 A JP29202197 A JP 29202197A JP 29202197 A JP29202197 A JP 29202197A JP H11123945 A JPH11123945 A JP H11123945A
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speed
front wheel
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changing
wheels
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JP29202197A
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Tomio Tanaka
富穂 田中
Takeshi Mukai
猛 向井
Hiroaki Kitai
浩昭 北井
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回時に前輪変速装置が自動的に標準状態か
ら増速状態に操作されるように構成した四輪駆動型の水
田作業車において、田面の荒れを避けながら前輪のスリ
ップを見越して、的確に小回り旋回が行えるようにす
る。 【解決手段】 標準状態及び増速状態に操作自在で、増
速状態での増速比が変更自在な前輪変速装置13を備え
て、前輪1及び後輪2が接地する耕盤が深いほど増速比
が大側に変更操作され、耕盤が浅いほど増速比が小側に
変更操作されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用型田植機や乗
用型直播機等の四輪駆動型の水田作業車における走行系
の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪駆動型の水田作業車の一例である乗
用型田植機では、前輪と後輪とが略同じ速度で駆動され
る標準状態、及び前輪が後輪よりも高速で駆動される増
速状態に操作自在な前輪変速装置を備えて、旋回時に前
輪変速装置を増速状態に操作することにより、小回り旋
回が行えるように構成することが提案されている。
【0003】この場合、特公昭62‐35929号公報
に開示されている農用トラクタのように、増速状態にお
いて前輪が後輪よりも高速で駆動される際、後輪の速度
に対する前輪の速度の比である増速比を、幾何学的に算
出される増速比(図5参照)よりも少し大きな増速比に
設定したものがある。これにより、旋回時に前輪がスリ
ップして前輪の駆動力が地面に充分に伝わらないような
状態が生じても、増速状態での増速比を大きなものに設
定しておくことにより、前輪のスリップを補うことがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の農用トラクタは
乾いた地面を走行することが多いのに対して、水田を走
行する水田作業車は、前輪及び後輪が田面に沈み込んで
底の耕盤に接地した状態で走行するものであり、水田で
は耕盤の深さや田面の泥の硬さ等のように、水田作業車
の旋回に影響を及ぼす要素が多くある。本発明は前輪変
速装置を備えた四輪駆動型の水田作業車において、水田
の状態に応じて的確に小回り旋回が行えるように構成す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔I〕水田において前輪及び後輪が田面に沈み込んで底
の耕盤に接地した状態で走行する四輪駆動型の水田作業
車の場合、耕盤が深いと言うことは前輪及び後輪に掛か
る浮力が大きく、耕盤での前輪の接地圧が小さいと言う
ことなので、旋回時に前輪がスリップし易く、前輪の駆
動力が耕盤に伝わり難い状態であると考えられる。逆に
耕盤が浅いと言うことは前輪及び後輪に掛かる浮力が小
さく、耕盤での前輪の接地圧が小さくはないと言うこと
なので、旋回時に前輪がスリップし難く前輪の駆動力が
耕盤に伝わり易い状態であると考えられる。
【0006】又、田面の泥が軟らかいと言うことは水田
に水が多く存在していると言うことなので、旋回時に前
輪がスリップし易く前輪の駆動力が耕盤に伝わり難い状
態であると考えられる。逆に田面の泥が硬いと言うこと
は水田に水があまり存在していないと言うことなので、
旋回時に前輪がスリップし難く前輪の駆動力が耕盤に伝
わり易い状態であると考えられる。
【0007】〔II〕前項〔I〕の記載に基づいて、請
求項1及び2の特徴によると、耕盤が深い状態では(田
面の泥が軟らかい状態では)、前輪変速装置の増速状態
での増速比が大側に変更操作されるので、旋回時に前輪
がスリップしたとしても、前輪のスリップを補うように
前輪が充分に高速で駆動される状態によって、前輪のス
リップに関係なく前輪の駆動力が耕盤に充分に伝えられ
て、的確に小回り旋回が行われる。
【0008】特に田面の泥が軟らかい場合、水が多く存
在している点により田面の泥の流動性が高い状態となっ
ている。これにより、前述のように旋回時に前輪が高速
で駆動されて田面が荒らされたとしても、前輪の通過後
に田面が自然に滑らかな状態に戻るので、田面の泥が軟
らかい状態で前輪を高速で駆動して旋回を行っても、不
都合は生じない。
【0009】逆に請求項1及び2の特徴によると、耕盤
が浅い状態では(田面の泥が硬い状態では)、前輪変速
装置の増速状態での増速比が小側に変更操作される。耕
盤が浅い状態では旋回時に前輪はスリップし難いので、
前輪があまり高速で駆動されなくても、前輪の駆動力が
耕盤に充分に伝えられて的確に小回り旋回が行われるの
であり、前輪をあまり高速で駆動しないことによって、
不必要に前輪を高速で駆動することによる田面の荒れも
避けられる。
【0010】〔III〕前項〔I〕の記載の基づいて、
請求項3及び4の特徴によると、前輪変速装置が標準状
態から増速状態に操作される前輪の右及び左の設定角度
が、耕盤が深いほど(田面の泥が軟らかいほど)、小側
に変更操作されるのであり、前輪が直進位置から少し操
向操作されるだけで、前輪変速装置が標準状態から増速
状態に操作される状態となる。これにより、耕盤が深い
状態では(田面の泥が軟らかい状態では)、前輪がスリ
ップし易いので、前輪が直進位置から少し操向操作され
るだけで、早いめに前輪変速装置が標準状態から増速状
態に操作されるのであり、旋回時の前輪のスリップを見
越して旋回の初期から前輪が高速で駆動されることによ
り、前輪がスリップしても的確に小回り旋回が行える。
【0011】特に田面の泥が軟らかい場合、水が多く存
在している点により田面の泥の流動性が高い状態となっ
ている。これにより、前述のように旋回の初期から前輪
が高速で駆動されて田面が荒らされたとしても、前輪の
通過後に田面が自然に滑らかな状態に戻るので、田面の
泥が軟らかい状態で旋回の初期から前輪を高速で駆動し
て旋回を行っても、不都合は生じない。
【0012】逆に請求項3及び4の特徴によると、前輪
変速装置が標準状態から増速状態に操作される前輪の右
及び左の設定角度が、耕盤が浅いほど(田面の泥が硬い
ほど)、大側に変更操作されるのであり、前輪が直進位
置から大きく操向操作されないと、前輪変速装置が標準
状態から増速状態に操作されない状態となる。これによ
り、耕盤が浅い状態では(田面の泥が硬い状態では)、
前輪がスリップし難いので、前輪が直進位置から大きく
操向操作されるまで、前輪変速装置が標準状態から増速
状態に操作されなくても、前輪の駆動力が耕盤に充分に
伝えられて的確に小回り旋回が行えるのであり、前輪が
高速で駆動されている間の時間が短いことによって、旋
回の初期から長時間に亘って不必要に前輪を高速で駆動
することによる田面の荒れも避けられる。
【0013】〔IV〕請求項5の特徴によると、請求項
1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前項〔I〕
〔II〕〔III〕に記載の「作用」を備えており、こ
れに加えて以下のような「作用」を備えている。機体が
高速で走行している状態において、旋回時に前輪変速装
置が標準状態から増速状態に操作されて前輪が高速で駆
動されると、機体が急旋回する状態となって、乗り心地
が悪いものになることがある。請求項5の特徴によると
走行用の変速装置が高速側に変速操作されていれば、旋
回時に前輪変速装置が増速状態に操作されず標準状態に
保持されるので、機体が急旋回する状態が回避される。
【0014】
【発明の実施の形態】
(1)図1に示すように、操向操作自在な左右一対の前
輪1(ラグ無し)、及び幅広のラグ2aを備えた左右一
対の後輪2により機体が支持されており、機体の後部に
苗植付装置3が、リンク機構4及び油圧シリンダ5によ
り昇降操作自在に連結されて、四輪駆動型の水田作業車
の一例である8条植え型式の乗用型田植機が構成されて
いる。
【0015】次に、乗用型田植機の走行伝動系について
説明する。図2に示すように、機体の前部に配置された
エンジン6の動力が、主クラッチ7及び伝動軸8を介し
て、機体の後部のミッションケース9に伝達されてい
る。ミッションケース9に伝達された動力は、前進側及
び後進側に無段階に変速操作自在な静油圧式無段変速装
置10、及び高速位置H及び低速位置Lに変速操作自在
な副変速装置11及び後輪デフ装置12を介して、右及
び左の後輪2に伝達されている。後輪デフ装置12の直
前から分岐した動力が、前輪変速装置13、伝動軸14
及び前輪デフ装置15を介して右及び左の前輪1に伝達
されている。右及び左の後輪2を各々独立に制動可能な
左右一対のサイドブレーキ35、及びサイドブレーキ3
5を各々独立に制動側に操作自在な左右一対のサイドブ
レーキペダル36が備えられている。
【0016】(2)次に、前輪変速装置13について説
明する。図2及び図3に示すように、前輪変速装置13
は標準クラッチ19及び増速クラッチ20、ベルト式の
無段変速部25を主要な構成として備えている。伝動軸
14に接続される伝動軸16にスプロケット17が相対
回転自在に外嵌されて、後輪デフ装置12の直前から分
岐した動力が伝達される伝動軸21に固定されたスプロ
ケット18と、スプロケット17とに亘って伝動チェー
ン26が巻回されており、伝動軸16とスプロケット1
7との間に、摩擦多板型式で油圧操作型式の標準クラッ
チ19が設けられている。
【0017】互いに対向する一対のプーリー部分が近接
及び離間自在な第1割プーリー31が伝動軸21に取り
付けられ、互いに対向する一対のプーリー部分が近接及
び離間自在な第2割プーリー32が、伝動軸16に相対
回転自在に外嵌されており、第1及び第2割プーリー3
1,32に亘って伝動ベルト29が巻回されて、無段変
速部25が構成されている。伝動軸16と第2割プーリ
ー32との間に、摩擦多板型式で油圧操作型式の増速ク
ラッチ20が設けられている。
【0018】図3に示すように、第1及び第2割プーリ
ー31,32の移動側のプーリー部分を、電動式の操作
シリンダ30により同じ低速側及び高速側に移動操作し
て、無段変速部25の変速操作を行うように構成されて
いる。ポンプ24からの作動油が電磁切換弁27を介し
て、前輪変速装置13の標準及び増速クラッチ19,2
0に供給されるように構成されている。電磁切換弁27
において、標準クラッチ19に作動油を供給して標準ク
ラッチ19を伝動側に操作する標準位置27A、及び増
速クラッチ20に作動油を供給して増速クラッチ20を
伝動側に操作する増速位置27Bが備えられており、バ
ネによって電磁切換弁27が標準位置27Aに付勢され
ている。
【0019】以上の構成により、電磁切換弁27が標準
位置27Aに操作されて標準クラッチ19が伝動側に操
作されると、伝動軸21、伝動チェーン26及び標準ク
ラッチ19を介して、前輪1と後輪2とが略同じ速度で
駆動される標準状態で、前輪デフ装置15に動力が伝達
される。旋回時に電磁切換弁27が増速位置27Bに操
作されて、増速クラッチ20が伝動側に操作されると、
伝動軸21、無段変速部25及び増速クラッチ20を介
して、前輪1が後輪2よりも高速で駆動される増速状態
で、前輪デフ装置15に動力が伝達される。増速状態に
おいて後述するように無段変速部25が最低速位置から
最高速位置に亘って変速操作される場合、 VF=B・VR VF(左右の前輪1の平均周速度) VR(左右の後輪2の平均周速度) B(増速比、例えば「1.6〜1.9」)と言う関係と
なるように、無段変速部25や各部の伝動比が設定され
ている。
【0020】(3)次に、増速比Bの設定について説明
する。例えば図5及び図1に示すような乗用型田植機に
おいて、前輪1の外径「650mm」、後輪2の外径
「950mm」、ホイルベースL「1100mm」、ト
レッドW「1200mm」で、左右の前輪1及び後輪2
の間に4つの植付条E(苗植付装置3によって植え付け
られた苗の列)が位置するような状態において、畦際で
の旋回時の乗用型田植機の平均的な前輪1の操向状態を
設定すると、旋回中心P周りに機体が旋回する際に、旋
回中心P側の前輪1の操向角度D1が「57°」、旋回
外側の前輪1の操向角度D2が「45°」とすれば、前
輪1を操向操作するピットマンアーム22(図2参照)
の操向角度D(左右の前輪1の中央位置の操向角度)は
「51°」となる。
【0021】これに対し、左右の前輪1の平均周速度V
F及び左右の後輪2の平均周速度VRにおいて、畦際で
の旋回時には、 VF/VR=RF/RR RF(左右の前輪1の中央位置の旋回半径) RR(左右の後輪2の中央位置の旋回半径) と言う関係になる。従って、増速比Bは B=VF/VR=RF/RR=1/COS(D)≒1.
6 D「51°」 COS(D)≒0.62941 となる。
【0022】以上のようにして算出された増速比B
「1.6」は、舗装路での旋回時等のように、前輪1及
び後輪2がスリップしない状態での増速比Bであり、最
低値である。これにより、前項(2)に記載のように、
電磁切換弁27が増速位置27Bに操作されて増速クラ
ッチ20が伝動側に操作された増速状態において、無段
変速部25が最低速位置に変速操作されていると、増速
比Bが「1.6」となるのであり、増速状態において無
段変速部25が最低速位置から高速側に変速操作されて
いくと、増速比Bが「1.6」から大きくなっていく。
【0023】(4)次に、畦際での旋回の状態について
説明する。図3及び図2に示すように、前輪1を操向操
作するピットマンアーム22が備えられ、直進位置Aか
らのピットマンアーム22の右及び左の操向角度を検出
するポテンショメータ23が備えられており、ポテンシ
ョメータ23の検出値が制御装置33に入力されてい
る。図2に示す副変速装置11を変速操作する変速レバ
ー42が備えられており、変速レバー42の操作位置が
制御装置33に入力されている。
【0024】水田を走行する乗用型田植機は、図1に示
すように前輪1及び後輪2が田面Gに沈み込んで、底の
耕盤Kに接地した状態で走行する。図1及び図3に示す
ように、機体に対するリンク機構4の上下角度を検出す
るポテンショメータ43が、リンク機構4の基部に備え
られており、後述する〔発明の実施の第1別形態〕に記
載のように、苗植付装置3が田面Gから設定高さに維持
されるように自動的に昇降操作されている際、ポテンシ
ョメータ43の検出値によって耕盤Kの深さKHを検出
することができる。
【0025】これにより、図4に示すように変速レバー
42を低速位置Lに操作した状態で(ステップS1)、
一回の植付行程が終了して機体が畦際に達すると、運転
者は苗植付装置3を大きく上昇操作して(ステップS
2)、図1に示す操縦ハンドル40によりピットマンア
ーム22を、直進位置Aから右又は左に操向操作し始め
て旋回を開始するのであり、この開始時では前輪変速装
置13は標準状態に操作されている。
【0026】前述のように苗植付装置3が大きく上昇操
作されると(ステップS2)、上昇操作される直前のポ
テンショメータ43の検出値により、耕盤Kの深さKH
が検出される(ステップS3)。これにより、耕盤Kの
深さKHが深いと(ステップS4)、図2に示す右及び
左の設定角度A1が小側に変更操作され(ステップS
5)、前項(3)に記載の増速比Bが大側となるよう
に、図3に示す制御装置33及び操作シリンダ30によ
り、無段変速部25が高速側に変速操作される(ステッ
プS6)。逆に、耕盤Kの深さKHが浅いと(ステップ
S4)、図2に示す右及び左の設定角度A1が大側に変
更操作され(ステップS7)、前項(3)に記載の増速
比Bが小側となるように、図3に示す制御装置33及び
操作シリンダ30により、無段変速部25が低速側に変
速操作される(ステップS8)。
【0027】以上のような操作の後にピットマンアーム
22の操向角度Dが、直進位置Aから右又は左の設定角
度A1に達すると(ステップS9)、制御装置33によ
り電磁切換弁27が標準位置27Aから増速位置27B
に操作され(ステップS10)、前輪変速装置13が標
準状態から増速状態に操作されて、小回り旋回が行われ
る。このようなピットマンアーム22の操向操作及び前
輪変速装置13の増速状態ではまだ不充分な場合には、
旋回中心P側のサイドブレーキペダル36を踏み操作し
て、旋回中心P側の後輪2に制動を掛けることによっ
て、さらに小さな小回り旋回が可能になる。
【0028】前述の畦際での旋回時において、耕盤Kの
深さKHが深いと(右及び左の設定角度A1が小側に変
更操作され、増速比Bが大側となるように無段変速部2
5が高速側に変速操作された状態)、ピットマンアーム
22を直進位置Aから右又は左に操向操作し始めた際、
ピットマンアーム22が少し操向操作されるだけで、前
輪変速装置13が標準状態から増速状態に切換操作され
るのであり、増速状態において前輪1が後輪2に対して
充分な高速で駆動される状態となる。
【0029】逆に耕盤Kの深さKHが浅いと(右及び左
の設定角度A1が大側に変更操作され、増速比Bが小側
となるように無段変速部25が低速側に変速操作された
状態)、ピットマンアーム22を直進位置Aから右又は
左に操向操作し始めた際、ピットマンアーム22を充分
に操向操作しないと、前輪変速装置13が標準状態から
増速状態に切換操作されないのであり、増速状態におい
ても前輪1が後輪2に対してあまり高速で駆動されない
状態となる。
【0030】以上のようにして畦際での旋回が終了し
て、ピットマンアーム22が右又は左の設定角度A1を
越えて直進位置A側に戻されると(ステップS11)、
制御装置33により電磁切換弁27が増速位置27Bか
ら標準位置27Aに操作され(ステップS12)、前輪
変速装置13が増速状態から標準状態に操作される。こ
のような畦際での旋回時において、変速レバー42が高
速位置Hに操作されていると(ステップS1)、前述の
ようなピットマンアーム22の操向操作に関係なく、電
磁切換弁27が標準位置27Aに保持されて(ステップ
S12)、前輪変速装置13が標準状態に保持される。
【0031】〔発明の実施の別形態〕乗用型田植機で
は、植付走行時に苗植付装置3を田面Gから設定高さに
維持するように自動的に昇降操作して、苗植付装置3に
よる苗の植付深さを設定値に維持する昇降制御機能を備
えており、次にこの昇降制御機能について説明する。図
6及び図1に示すように、苗植付装置3の左右中央下部
に備えられたセンサーフロート34の後部が、横軸芯P
1周りに上下揺動自在に支持され、苗植付装置3に備え
られたポテンショメータ37の検出アーム37aと、セ
ンサーフロート34の前部とが連係ロッド38により連
結されている。バネ39により検出アーム37a及び連
係ロッド38を介して、センサーフロート34の前部が
下方側に付勢されている。ポテンショメータ37の検出
値が制御装置33に入力されており、ポテンショメータ
37の検出値は、センサーフロート34の前部と苗植付
装置3(ポテンショメータ37)との上下間隔を示して
いる。
【0032】従って、機体の進行に伴いセンサーフロー
ト34が田面Gに接地追従するのに対して苗植付装置3
が上下動すると、横軸芯P1周りにセンサーフロート3
4の前部が上下動するので、ポテンショメータ37の検
出値が設定値Cとなるように(ポテンショメータ37の
検出アーム37aが設定値Cの姿勢となるように)、制
御装置33により制御弁28が操作され油圧シリンダ5
が伸縮操作されて、苗植付装置3が自動的に昇降操作さ
れる。これにより、苗植付装置3が田面Gから設定高さ
に維持されて、苗植付装置3による苗の植付深さが設定
値に維持される。
【0033】次に、前述の昇降制御機能における制御感
度の変更について説明する。図6に示すように、人為的
に操作可能な感度設定ダイヤル41が機体の操縦部に備
えられており、感度設定ダイヤル41の設定値が制御装
置33に入力されている。この場合、運転者が田面Gの
泥が硬いと判断すれば、感度設定ダイヤル41を鈍感側
に操作すればよく、運転者が田面Gの泥が軟らかいと判
断すれば、感度設定ダイヤル41を敏感側に操作すれば
よい。
【0034】これにより、感度設定ダイヤル41が鈍感
側に操作されると、図6に示す設定値Cが上向き側の鈍
感側に自動的に変更されて、ポテンショメータ37の検
出値が上向きの設定値Cとなるように(ポテンショメー
タ37の検出アーム37aが上向きの設定値Cの姿勢と
なるように)、苗植付装置3が自動的に昇降操作され
る。この上向きの設定値Cにおいて、センサーフロート
34の姿勢が前上がり側になるので、センサーフロート
34の田面Gへの接地面積が減少し、バネ39が圧縮さ
れてバネ39の付勢力が強められ、センサーフロート3
4の田面Gへの接地追従感度(昇降制御機能の制御感
度)が鈍感側に変更されることになる。
【0035】逆に感度設定ダイヤル41が敏感側に操作
されると、図6に示す設定値Cが下向き側の敏感側に自
動的に変更されて、ポテンショメータ37の検出値が下
向きの設定値Cとなるように(ポテンショメータ37の
検出アーム37aが下向きの設定値Cの姿勢となるよう
に)、苗植付装置3が自動的に昇降操作される。この下
向きの設定値Cにおいて、センサーフロート34の姿勢
が前下がり側になるので、センサーフロート34の田面
Gへの接地面積が増加し、バネ39が伸長してバネ39
の付勢力が弱められ、センサーフロート34の田面Gへ
の接地追従感度(昇降制御機能の制御感度)が敏感側に
変更されることになる。
【0036】以上のような昇降制御機能の制御感度に関
する構成を備えた乗用型田植機の場合、図4に示す構成
に代えて次のように構成してもよい。図4に示す構成に
おいて、耕盤Kの深さKHに関するステップS3,S4
を廃止、これに代えて前述のように運転者が田面Gの泥
が軟らかいと判断し、運転者により感度設定ダイヤル4
1が敏感側に操作されていると、ステップS5,S6に
移行して、右及び左の設定角度A1が小側に変更操作さ
れ、増速比Bが大側となるように無段変速部25が高速
側に変速操作されるようにする。
【0037】逆に運転者が田面Gの泥が硬いと判断し、
運転者により感度設定ダイヤル41が鈍感側に操作され
ていると、ステップS7,S8に移行して、右及び左の
設定角度A1が大側に変更操作され、増速比Bが小側と
なるように無段変速部25が低速側に変速操作されるよ
うにする。この場合、田面Gに接地追従するソリ状の接
地体等により田面Gの泥の硬さを自動的に検出する泥硬
さ検出センサーを備えて、泥硬さ検出センサーの検出値
に基づいて、右及び左の設定角度A1及び増速比Bが変
更されるように構成してもよい。増速比Bにおいて最低
値を「1.6」から「1.9」に変更し、「1.9〜
3.0」の範囲で、増速比Bが変更されるように構成し
てもよい。図2,3及び図6に示す構成において、前輪
変速装置13の無段変速部25に代えて、複数段に変速
可能なギヤ変速部(図示せず)を備えて、増速状態の増
速比Bを有段階に変更操作できるように構成してもよ
い。
【0038】
【発明の効果】請求項1及び2の特徴によると、旋回時
に前輪変速装置が標準状態から増速状態に操作されるよ
うに構成された四輪駆動型の水田作業車において、耕盤
の深さ(田面の泥の硬さ)に基づいて、前輪変速装置の
増速状態での増速比が自動的に変更操作されるように構
成することにより、田面の荒れを避けながら前輪のスリ
ップに関係なく前輪の駆動力を耕盤に充分に伝えて、的
確に小回り旋回が行えるようになり、四輪駆動型の水田
作業車の走行性能を向上させることができた。
【0039】請求項3及び4の特徴によると、旋回時に
前輪変速装置が標準状態から増速状態に操作されるよう
に構成された四輪駆動型の水田作業車において、耕盤の
深さ(田面の泥の硬さ)に基づいて、前輪変速装置が標
準状態から増速状態に操作される前輪の右及び左の設定
角度(前輪変速装置が標準状態から増速状態に操作され
るタイミング)が、自動的に変更操作されるように構成
することにより、田面の荒れを避けながら前輪のスリッ
プに関係なく前輪の駆動力を耕盤に充分に伝えて、的確
に小回り旋回が行えるようになり、四輪駆動型の水田作
業車の走行性能を向上させることができた。
【0040】請求項5の特徴によると、請求項1〜4の
うちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜4のうち
のいずれか一つの「発明の効果」を備えており、この
「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を
備えている。請求項5の特徴によると、機体が高速で走
行している状態での旋回時に、前輪変速装置が標準状態
から増速状態に操作されて、機体が急旋回すると言う状
態が未然に回避されるので、四輪駆動型の水田作業車の
乗り心地を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】走行伝動系を示す概略図
【図3】前輪変速装置の油圧回路系及び各部の連係状態
を示す図
【図4】畦際での旋回時の制御の流れを示す図
【図5】畦際での旋回時の前輪及び後輪を状態を示す平
面図
【図6】発明の実施の別形態における前輪変速装置の油
圧回路系及び各部の連係状態を示す図
【符号の説明】
1 前輪 2 後輪 11 走行用の変速装置 13 前輪変速装置 27 操作手段 35 サイドブレーキ A 直進位置 A1 右及び左の設定角度 B 増速比 G 田面 K 耕盤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪と後輪とが略同じ速度で駆動される
    標準状態、及び前輪が後輪よりも高速で駆動される増速
    状態に操作自在で、前記増速状態での後輪の速度に対す
    る前輪の速度の比である増速比が変更可能な前輪変速装
    置と、 前輪が直進位置から右又は左の設定角度以上に操向操作
    されると、この操向操作に連動して前記前輪変速装置を
    標準状態から増速状態に操作する操作手段とを備えると
    共に、 前輪及び後輪が接地する耕盤が深いほど前記増速比を大
    側に変更操作し、耕盤が浅いほど前記増速比を小側に変
    更操作する変更手段を備えてある四輪駆動型の水田作業
    車。
  2. 【請求項2】 前輪と後輪とが略同じ速度で駆動される
    標準状態、及び前輪が後輪よりも高速で駆動される増速
    状態に操作自在で、前記増速状態での後輪の速度に対す
    る前輪の速度の比である増速比が変更可能な前輪変速装
    置と、 前輪が直進位置から右又は左の設定角度以上に操向操作
    されると、この操向操作に連動して前記前輪変速装置を
    標準状態から増速状態に操作する操作手段とを備えると
    共に、 田面の泥が軟らかいほど前記増速比を大側に変更操作
    し、田面の泥が硬いほど前記増速比を小側に変更操作す
    る変更手段を備えてある四輪駆動型の水田作業車。
  3. 【請求項3】 前輪と後輪とが略同じ速度で駆動される
    標準状態、及び前輪が後輪よりも高速で駆動される増速
    状態に操作自在な前輪変速装置と、 前輪が直進位置から右及び左の設定角度以上に操向操作
    されると、この操向操作に連動して前記前輪変速装置を
    標準状態から増速状態に操作する操作手段とを備えると
    共に、 前輪及び後輪が接地する耕盤が深いほど前記右及び左の
    設定角度を小側に変更操作し、耕盤が浅いほど前記右及
    び左の設定角度を大側に変更操作する変更手段を備えて
    ある四輪駆動型の水田作業車。
  4. 【請求項4】 前輪と後輪とが略同じ速度で駆動される
    標準状態、及び前輪が後輪よりも高速で駆動される増速
    状態に操作自在な前輪変速装置と、 前輪が直進位置から右又は左の設定角度以上に操向操作
    されると、この操向操作に連動して前記前輪変速装置を
    標準状態から増速状態に操作する操作手段とを備えると
    共に、 田面の泥が軟らかいほど前記右及び左の設定角度を小側
    に変更操作し、田面の泥が硬いほど前記右及び左の設定
    角度を大側に変更操作する変更手段を備えてある四輪駆
    動型の水田作業車。
  5. 【請求項5】 走行用の変速装置が高速側に変速操作さ
    れると、前記操作手段による増速状態への操作を阻止す
    る牽制手段を備えてある請求項1〜4のうちのいずれか
    一つに記載の四輪駆動型の水田作業車。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010094060A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Iseki & Co Ltd 走行車両
JP2013154822A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Iseki & Co Ltd 走行車両
CN107933558A (zh) * 2017-12-11 2018-04-20 中国科学院深圳先进技术研究院 一种湿地行驶作业装置及其控制方法

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