JPH11187722A - 水田作業機の制動制御装置 - Google Patents

水田作業機の制動制御装置

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JPH11187722A
JPH11187722A JP36080397A JP36080397A JPH11187722A JP H11187722 A JPH11187722 A JP H11187722A JP 36080397 A JP36080397 A JP 36080397A JP 36080397 A JP36080397 A JP 36080397A JP H11187722 A JPH11187722 A JP H11187722A
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brake
braking
turning
configuration
working machine
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JP36080397A
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Inventor
Tatsuji Ochi
竜児 越智
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圃場条件等が異なっても、旋回内側後輪を制
動して小回りさせる特徴を活かして、より枕地での旋回
性能が向上した水田作業機を提供する。 【解決手段】 前輪が設定角以上に操向されると、旋回
内側の後輪のサイドブレーキ38を制動作動させる旋回
制動手段SSと、サイドブレーキ38が完全ロック状態
になるのを阻止する制動牽制手段SKとを備え、耕盤深
さ検出手段aによって検出された圃場の耕盤深さが設定
以上に深い場合に制動牽制手段SKを作動させる第1制
動制御手段Cを制御装置43に備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右の後輪夫々に
対してサイドブレーキを備えた田植機等の水田作業機に
係り、詳しくは、旋回時に旋回内側の後輪のブレーキを
併用することにより、泥押しを抑制しながらより小回り
できるとか、或いは安定して回れるといった具合に、枕
地での旋回状態を改善させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、水田作業機は泥土中を走るもの
であることから前後輪共に駆動する四輪駆動型に構成さ
れており、湿田でも良好に走行できるようになってい
る。そして、その四輪駆動構造を活かして、スイッチバ
ックせず1回の回行操作で枕地での小回りが行えるよう
に、旋回内側の後輪にブレーキを掛けながら旋回するこ
とも試されている(例えば、先に出願した特願平9−2
56667号において提案している)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】旋回内側の後輪を制動
しながら旋回すると、その旋回内側後輪の接地点を中心
にしたピボットターンのように、非常に小さな旋回半径
でターンできるのであるが、圃場条件によってはその利
点が得られないことがある。つまり、比較的硬い圃場に
おいては上記利点が得られ易いが、湿田等の柔らかい圃
場では、制動ロックされた旋回内側後輪を引きずりなが
らターンするような状態になり、所期した小回りができ
ないばかりでなく、旋回内側後輪による泥押しが顕著に
なって枕地を荒らしてしまう不都合の生じる場合があっ
た。
【0004】従って、枕地で小回りするには、設定角度
以上に前輪が操舵されると単純に旋回内側後輪にブレー
キを掛ければ良いというだけでは、圃場条件によっては
満足できないので、さらなる改善の余地があった。本発
明は、圃場条件等が異なっても、旋回内側後輪を制動し
て小回りさせる特徴を活かせるようにして、より枕地で
の旋回性能が向上した水田作業機を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔構成〕第1発明は、前
輪が設定角以上に操向されると、旋回内側の後輪のサイ
ドブレーキを制動作動させる旋回制動手段と、サイドブ
レーキが完全ロック状態になるのを阻止する制動牽制手
段とを備え、耕盤深さ検出手段によって検出された圃場
の耕盤深さが設定以上に深い場合に制動牽制手段が作動
するように構成してあることを特徴とする。
【0006】第2発明は、前輪が設定角以上に操向され
ると、旋回内側の後輪のサイドブレーキを制動作動させ
る旋回制動手段と、サイドブレーキが完全ロック状態に
なるのを阻止する制動牽制手段とを備え、粘度検出手段
によって検出された圃場の粘度が設定以上に粘い場合に
制動牽制手段が作動するように構成してあることを特徴
とする。
【0007】第3発明は、前輪が設定角以上に操向され
ると、旋回内側の後輪のサイドブレーキを制動作動させ
る旋回制動手段と、サイドブレーキが完全ロック状態に
なるのを阻止する制動牽制手段とを備え、制動牽制手段
を人為的に作動状態と非作動状態とに切換え選択可能に
構成することを特徴とする。
【0008】第4発明は、前輪が設定角以上に操向され
ると、旋回内側の後輪のサイドブレーキを制動作動させ
る旋回制動手段と、サイドブレーキが完全ロック状態に
なるのを阻止する制動牽制手段とを備え、作業用クラッ
チが切りである場合に制動牽制手段が作動するように構
成することを特徴とする。
【0009】第5発明は、前輪が設定角以上に操向され
ると、旋回内側の後輪のサイドブレーキを制動作動させ
る旋回制動手段と、サイドブレーキが完全ロック状態に
なるのを阻止する制動牽制手段とを備え、機体の走行速
度が設定値以下である場合に制動牽制手段が作動するよ
うに構成することを特徴とする。
【0010】第6発明は、前輪が設定角以上に操向され
ると、旋回内側の後輪のサイドブレーキを制動作動させ
る旋回制動手段と、サイドブレーキが完全ロック状態に
なるのを阻止する制動牽制手段とを備え、走行系変速装
置の変速位置が、設定された変速位置よりも低速側であ
る場合に制動牽制手段が作動するように構成することを
特徴とする。
【0011】第7発明は、前輪が設定角以上に操向され
ると、旋回内側の後輪のサイドブレーキを制動作動させ
る旋回制動手段と、サイドブレーキが完全ロック状態に
なるのを阻止する制動牽制手段とを備え、作業装置が上
昇した非接地状態にある場合に制動牽制手段が作動する
ように構成することを特徴とする。
【0012】〔作用〕前述したように、水田圃場では地
面が軟弱であるが故に、極弱く制動させるとか車輪ロッ
クしない程度で強く制動するといった具合に、限界迄ス
テアリング操作する枕地での旋回時には、旋回内側後輪
を制動ロックはさせないほうが圃場を荒らすことが少な
い状態で小回りできる傾向にあることが判ってきた。
【0013】そこで、本発明の要旨は、前輪が設定角以
上に操向されると、旋回内側の後輪のサイドブレーキを
制動作動させる旋回制動手段と、サイドブレーキが完全
ロック状態になるのを阻止する制動牽制手段とを備え、
枕地での旋回状態であるときや、圃場条件が一般的な状
態よりも芳しくないときには、制動牽制手段を作動させ
て旋回内側後輪がロックしないように自動制御させるも
のであり、そのための種々の条件設定を特徴構成とする
ものである。
【0014】請求項1の構成によれば、耕盤深さ検出手
段によって検出された圃場の耕盤深さが設定以上に深い
場合に制動牽制手段が作動するようにしたものである。
すなわち、水田圃場の泥層が厚い(深い)ときには走行
抵抗が大となるから、後輪内側後輪をロックさせないよ
うにしてその引きずり抵抗が増え過ぎないようにするこ
とにより、旋回時の負荷増大の総和を抑制させるのであ
る。これにより、エンストや圃場を荒らす等の不都合が
生じ難いようにしながら小回りできるようになる。
【0015】請求項2の構成によれば、粘度検出手段に
よって検出された圃場(泥)の粘度が設定以上に粘い場
合に制動牽制手段が作動するようにしたものである。す
なわち、泥の粘度があまり粘っこくなると走行抵抗が大
となるから、そのような場合には請求項1の場合と同様
に、後輪内側後輪をロックさせないことで旋回内側後輪
の引きずり抵抗が増え過ぎないようにして旋回時の負荷
増大の総和を抑制させ、エンストや圃場を荒らす等の不
都合が生じ難いようにしながら小回りできるようにする
のである。
【0016】請求項3の構成は、制動牽制手段を人為的
に作動状態と非作動状態とに切換え選択可能とするもの
であり、旋回内側後輪の制動を伴う旋回時であっても、
操縦者の任意な判断によって制動ロックしない状態を現
出することが自在としたものである。つまり、上述した
ように水田圃場の耕深が深いとか粘っこいを機械装置類
ではなく操縦者が判断して制動牽制手段を作動させるも
のであるから、走行速度や作業装置の昇降状態等の枕地
旋回状態であるか否かを判断するためのその他の種々の
条件判断が行えるようになる。
【0017】請求項4の構成によれば、作業用クラッチ
が切りである場合に制動牽制手段が作動するものであ
る。すなわち、植付け等の作業をしない枕地では作業用
クラッチを切りにするので、その切りに伴って旋回内側
後輪が制動ロックされないようにすることにより、圃場
を荒らすことが少ない状態で小回りできる状態が現出さ
れるのである。
【0018】請求項5の構成によれば、機体の走行速度
が設定値以下である場合に制動牽制手段が作動するもの
である。すなわち、枕地での旋回時には、旋回に伴う走
行負荷の増大を考慮するとか、通常よりも泥層が深いと
か泥が粘っこいといった圃場条件が劣るようなときには
走行速度を落とすようにすることが多いので、例えば、
植付け走行速度よりも旋回速度が遅いときのその速度低
下によって制動牽制手段を作動させることにより、圃場
を荒らすことが少ない状態で小回りできるようになるの
である。
【0019】請求項6の構成によれば、走行系変速装置
の変速位置が、設定された変速位置よりも低速側である
場合に制動牽制手段が作動するものである。すなわち、
枕地での旋回時には、旋回に伴う走行負荷の増大を考慮
するとか、通常よりも泥層が深いとか泥が粘っこいとい
った圃場条件が劣るようなときには減速して力(トル
ク)を増すべく変速位置を低速側に変更することが多い
ので、例えば、植付け走行速度用の変速位置よりも旋回
時の変速位置が低速側に変更されることによって制動牽
制手段を作動させることにより、圃場を荒らすことが少
ない状態で小回りできるようになるのである。
【0020】請求項7の構成によれば、作業装置が上昇
した非接地状態にある場合に制動牽制手段が作動するも
のである。すなわち、枕地では植付装置等の作業装置を
上昇させて旋回する状態になるから、その上昇した非接
地状態になることによって制動牽制手段を作動させるこ
とにより、圃場を荒らすことが少ない状態で小回りでき
る状態が現出されるのである。
【0021】〔効果〕請求項1〜3、及び5,6のいず
れに記載された水田作業機でも、硬い(粘い)圃場では
急激な小回りが、そして、柔らかい(粘くない)圃場で
は泥押し少なく小回りできるといった具合に、泥の軟硬
や泥深さ(耕盤深さ)等の圃場条件、或いは走行速度と
いった枕地旋回時の状況に応じて、小回りに適した制動
旋回状態が現出できる制動制御装置を提供することがで
きた。
【0022】請求項3に記載された制動制御装置では、
操縦者の判断により旋回内側後輪を制動ロックさせる状
態と制動ロックさせない状態との使い分けが任意に行え
るので、旋回性能をより向上させることが可能な利点が
ある。特に、熟練者等の水田作業機の操縦に慣れている
場合にはより有効である。
【0023】請求項4及び7に記載の制動制御装置で
は、枕地旋回では旋回内側後輪を制動ロックさせないよ
うに制御することにより、泥押し少なく小回りできるよ
うになって、水田作業機に好適なものにすることができ
た。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1に四輪駆動型の4条植え田
植機が示され、1は機体、2は昇降リンク機構、3は植
付装置(作業装置の一例)、27はエンジン、5はベル
ト伝動機構、6は前部ミッション、7は前輪、8は後
輪、9は植付機構、10はフィードケース、33は運転
部である。伝動系としては、エンジン動力が入力される
前部ミッション6から前輪7を駆動するとともに、そこ
から後方に延びる伝動軸11で後部ミッション12を駆
動して後輪8を駆動する。又、前部ミッション6から後
方に延出されたPTO伝動軸13により、連動軸14を
介してフィードケース10に入力して植付機構9を駆動
する。
【0025】次に、後部ミッション12、及びそれを囲
繞する後車軸ケースAについて説明する。図1〜図3に
示すように、後部ミッション12は、走行用の伝動軸1
1に連動連結された機体前方に向く中央入力軸4、左右
の後車軸15,15、入力軸4の回転を減速して後車軸
15に伝達するギヤ減速機構16、左右のサイドクラッ
チ・ブレーキB,B等から構成され、これらを覆う後車
軸ケースAは、ギヤ減速機構16が後輪8に近い位置に
配置されることから、正面視で略下向きコ字状に形成さ
れている。
【0026】入力軸4はベベルギヤ機構17を介してカ
ウンタ軸18に連動されており、このカウンタ軸18
と、左右の減速機構16の減速入力軸19とに亘って左
右のサイドクラッチ・ブレーキB,Bが構成されてい
る。すなわち、カウンタ軸18にスプライン外嵌される
インナクラッチボディー20、カウンタ軸18に遊転外
嵌される操作フランジ24、及びスリーブ23、減速入
力軸19にスプライン外嵌されるアウタクラッチボディ
ー22、スリーブ23とインナクラッチボディー20と
の間に介装される複数の皿バネ25等からサイドクラッ
チ・ブレーキBを構成する。
【0027】第1ケースAo及び第2ケースAuの下横
長ケース部分29とアウタクラッチボディー22とに亘
って多板ブレーキ部38が、かつ、インナ及びアウタク
ラッチボディー20,22に亘って多板クラッチ部39
が夫々形成されている。通常は、皿バネ25の付勢力に
よって多板クラッチ部39が伝動接続状態に、かつ、操
作フランジ24が中央入力軸4側に寄って多板ブレーキ
38が非制動状態に夫々維持され、インナ及びアウタク
ラッチボディー20,22が一体回転してカウンタ軸1
8と入力軸19とが一体回転するクラッチ入り状態が現
出されている。
【0028】そして、軸心X回りに切換レバー21を揺
動操作して操作フランジ24を減速機構側に若干量スラ
イドすると、皿バネ25に抗してインナクラッチボディ
ー20を減速機構側に動かして多板クラッチ部39が伝
動断絶状態に、かつ、多板ブレーキ38が非制動状態に
なり、後輪8が空回り可能なサイドクラッチ切り状態が
現出される。さらに、操作フランジ24を減速機構側に
スライドすると、操作フランジ24が多板ブレーキ部3
8を押圧してアウタクラッチボディー22にブレーキを
掛ける制動状態に、かつ、多板クラッチ部39が伝動断
絶状態になり後輪8が制動されるサイドブレーキ状態が
現出されるのである。尚、制動力は操作フランジ24を
動かす切換レバー21への操作力の大小によって強弱変
化するものである。
【0029】左右のギヤ減速機構16は、減速入力軸1
9と後車軸15と、これらの間の中間軸26とに亘る2
段の平ギヤ機構で構成されている。後車軸ケースAは、
ギヤ減速機構16を収容する左右の減速ケース部30,
30と、これら左右の減速ケース部30,30に亘り、
かつ、中央入力軸4を備えた横長ケース部29とを備え
たコ字状を呈している。
【0030】図4に示すように、切換レバー21の支持
軸21aに取付けられた左右の操作アーム21L,21
Rを、左右の油圧式操作シリンダ41L,41Rで駆動
操作可能とし、その電磁比例制御弁42L,42Rを制
御装置43に接続するとともに、運転部33の右側に備
えられた左右一対の操作ペダル37L,37Rの踏込み
操作角度を検出する左右のペダルポテンショメータ4
4,44を制御装置43に接続してある。又、図4に示
すように、ピットマンアーム45の左右への揺動角度を
検出するポテンショメータ46を設けて、前輪7,7の
操舵角を検出可能な切れ角センサとしてあり、この切れ
角センサ46も制御装置43に接続する。
【0031】制御装置43には、操作ペダル37L,3
7Rの人為操作によって左右のサイドクラッチ・ブレー
キBを制動ロック作動させる人為制動状態と、前輪7が
設定角度以上に操舵されるに伴って旋回内側の後輪8に
対するサイドブレーキ38を半ブレーキ作動するよう
に、切れ角センサ46と各制御弁42L,42Rとを連
係する自動制動状態との各状態を現出可能とする機能を
有している。
【0032】次に、植付走行時における植付装置3の昇
降制御について説明する。図5に示すように、苗植付装
置3に装備されたセンサーフロート53の後部が、横軸
心P1 回りで上下揺動自在に支持され、苗植付装置3に
装備された第1ポテンショメータ54の検出アーム54
aと、センサーフロート53の前部とが連係ロッド55
で連結してある。バネ56により検出アーム54a及び
連係ロッド55を介して、センサーフロート53の前部
が下方側に付勢されている。第1ポテンショメータ54
の検出値が制御装置43に入力してあり、その検出値
は、センサーフロート53の前部と植付装置3(第1ポ
テンショメータ54)との上下間隔を示している。
【0033】従って、機体進行に伴ってセンサーフロー
ト53が田面に接地追従するのに対して植付装置3が上
下動すると、横軸心P1 回りにセンサーフロート53の
前部が上下動するので、第1ポテンショメータ54の検
出値が設定値Sとなるように(検出アーム54aが設定
値Sとなるように)、制御装置43による昇降制御弁5
7の操作で昇降用油圧シリンダ58を伸縮操作し、植付
装置3を自動的に昇降操作する。それによって、植付装
置3が田面から設定高さに維持されて、植付装置3によ
る苗の植付け深さが設定値に維持されるのである。
【0034】次に、昇降制御感度の変更調節について説
明する。図5に示すように、機体に備えられた人為操作
用の感度設定ダイヤル59の設定値が制御装置43に入
力してあり、操縦者が圃場の泥が粘い(硬い)と判断す
れば、感度設定ダイヤル59を鈍感側に操作し、泥が粘
くない(軟らかい)と判断すれば、感度設定ダイヤル5
9を敏感側に操作するのである。
【0035】つまり、感度設定ダイヤル59が鈍感側に
操作されると、図5に示す設定値Sが上向きの鈍感側に
自動的に変更され、第1ポテンショメータ54の検出値
が上向きの設定値Sとなるように、植付装置3が自動的
に昇降操作される。この上向き設定値Sにおいて、セン
サーフロート53の姿勢が前上がり側になるので、セン
サーフロート53の田面への接地面積が減少し、バネ5
6が圧縮されてバネ56の付勢力が強められ、センサー
フロート53の田面への接地追従感度(昇降制御の制御
感度)が鈍感側に変更されることになる。
【0036】そして、感度設定ダイヤル59が敏感側に
操作されると、図5に示す設定値Sが下向きの敏感側に
自動的に変更され、第1ポテンショメータ54の検出値
が下向きの設定値Sとなるように、植付装置3が自動的
に昇降操作される。この下向き設定値Sにおいて、セン
サーフロート53の姿勢が前下がり側になるので、セン
サーフロート53の田面への接地面積が増加し、バネ5
6が伸長してバネ56の付勢力が弱められ、センサーフ
ロート53の田面への接地追従感度(昇降制御の制御感
度)が敏感側に変更されることになる。
【0037】図1、図5に示すように、昇降リンク機構
2におけるロアーリンク2aの機体側の揺動支点側に、
昇降リンク機構2の機体に対する上下角度を検出する第
2ポテンショメータ60を備えてある。つまり、植付装
置3が田面から設定高さに維持されるように自動的に昇
降操作されている際に、第2ポテンショメータ60の検
出値から耕盤の深さ(田面から前輪7又は後輪8が沈み
込んで接地する耕盤までの深さ)を検出することが可能
であり、第2ポテンショメータ60は耕盤深さ検出手段
aとして機能するものである。
【0038】図5に示すように、後輪8の回転数から機
体の走行速度を検出する速度センサ61、及び主変速機
構(図示せず)や副変速機構(図示せず)の変速位置
(ギヤ式では変速段、無段変速機構式では変速操作域
等)を検出する変速位置センサ62を制御装置43に接
続してある。又、植付装置3への動力を断続する植付ク
ラッチ65を入切り操作する植付クラッチレバー63を
備え、そのレバー63が切り位置に操作されたことを検
出する検出スイッチ64を制御装置43に接続してあ
る。
【0039】そして、制御装置43には、第1〜第7制
動制御手段C,D,E,F,G,H,Iを備えてあり、
モード切換えスイッチ47の操作により、その7つのう
ちから1つのモードを選択設定自在である。前輪7が設
定角以上に操向されると、旋回内側の後輪8のサイドブ
レーキ38を制動作動させる旋回制動手段SSと、サイ
ドブレーキ38が完全ロック状態になるのを阻止する制
動牽制手段SKとを備えてある。
【0040】旋回制動手段SSは、前輪7の操舵角が設
定角度に相当するピットマンアーム45の中央からの揺
動角度がθ以上になると、そのときに操作ペダル37L
(又は37R)の操作の有無を問わずに、旋回内側後輪
8に対するサイドブレーキ38が制動ロック状態となる
ように、制御弁42L(又は42R)を自動的に操作す
るものである。そして、制動牽制手段SKは、その旋回
制動手段SSの作動状態のときに、旋回内側後輪8に対
するサイドブレーキ38が半ブレーキ状態となるよう
に、制御弁42L(又は42R)を自動的に操作するも
のである。
【0041】ここで、半ブレーキとは、後輪8が制動ロ
ックされてしまう完全制動状態ではない制動状態のこと
であり、緩く制動し続けることや間欠的に制動する状態
も含むものである。例えば、制動ロックするに必要な操
作シリンダ41L(又は41R)のパワーを引出すとき
の制御弁42L(又は42R)の開き量の半分に設定す
ることにより、半ブレーキ状態を現出させるというもの
でも良い。
【0042】第1制動制御手段Cは、耕盤深さ検出手段
aによって検出された圃場の耕盤深さが設定以上に深い
場合に制動牽制手段SKが作動可能な状態になるもので
ある。すなわち、前輪7(又は後輪8)の下端から第2
ポテンショメータ60の高さや、昇降リンク機構の諸寸
法等から演算によって、前述したように耕盤深さを随時
求めるようにしてあり、予め制御装置43に記憶させた
設定値以上になれば、そのときにブレーキ旋回中であれ
ば旋回内側後輪8の制動力を半ブレーキ状態に自動制御
する。この状態は、モード切換えスイッチ47をc位置
に操作することで得られる。
【0043】第2制動制御手段Dは、粘度検出手段bに
よって検出された圃場の粘度が設定以上に粘い場合に制
動牽制手段SKを作動可能な状態にさせるものである。
前述したように、感度設定ダイヤル59の標準的な設定
値Sが制御装置43に入力してあり、そのときの圃場状
況判断による操縦者によって操作された感度設定ダイヤ
ル59の操作値が、設定値Sよりも粘い場合、すなわち
鈍感側に操作された場合には、そのときにブレーキ旋回
中であれ制動牽制手段SKが作動するのであり、感度設
定ダイヤル59で粘度検出手段bが構成されている。こ
の状態は、モード切換えスイッチ47をd位置に操作す
ることで得られる。
【0044】第3制動制御手段Eは、制動牽制手段SK
を人為的に作動状態と非作動状態とに切換え選択可能す
るものであり、モード切換えスイッチ47をe位置に操
作すると、ON−OFFスイッチ61によって制動牽制
手段SKの作動非作動が司られる状態になる。ON−O
FFスイッチ61をON操作すれば、旋回に伴う旋回内
側後輪8は如何なるときでも制動ロックされないように
なり、OFF操作すれば、ブレーキ旋回中では旋回内側
後輪8が制動ロックする状態に制御されるようになる。
従って、ブレーキ旋回中に部分的に半ブレーキにしたい
とか、圃場状況に応じてブレーキの制動ロックと半ブレ
ーキとを自在に使い分けたいといったときに、この第3
制動制御手段Eのモードに設定する。
【0045】第4制動制御手段Fは、植付クラッチ(作
業用クラッチの一例)65が切りである場合に制動牽制
手段SKが作動するものである。すなわち、植付クラッ
チレバー63が切り操作されたことを検出スイッチ64
が検出すると、制動牽制手段SKが作動可能な状態にな
り、検出スイッチ64が検出作動しないと制動牽制手段
SKは作動しないように制御される。この状態は、モー
ド切換えスイッチ47をf位置に操作することで得られ
る。
【0046】第5制動制御手段Gは、機体1の走行速度
が設定値以下である場合に制動牽制手段SKが作動する
ものである。すなわち、標準的な植付け作業時の走行速
度が設定値として制御装置43に入力してあり、速度セ
ンサ61の検出値が設定値を下回る場合には制動牽制手
段SKが作動可能な状態になり、速度センサ61の検出
値が設定値以上である場合には制動牽制手段SKが作動
しない状態に制御される。この状態は、モード切換えス
イッチ47をg位置に操作することで得られる。
【0047】第6制動制御手段Hは、走行系変速装置の
変速位置が、設定された変速位置よりも低速側である場
合に制動牽制手段SKが作動するものである。すなわ
ち、標準的な植付け作業時の走行速度を現出するための
主変速機構や副変速機構の変速位置が制御装置43に入
力してあり、変速位置センサ62の検出値が設定変速位
置よりも低速側である場合には制動牽制手段SKが作動
可能な状態になり、変速位置センサ62の検出値が設定
変速位置より高速側である場合には制動牽制手段SKが
作動しない状態に制御される。この状態は、モード切換
えスイッチ47をh位置に操作することで得られる。
【0048】つまり、枕地では急旋回に伴う負荷増大に
対処すべく、変速段を1段落とす等して走行速度を落と
すことがあるので、第5制動制御手段Gと第6制動制御
手段Hとは、その速度低下又は変速位置の低速側への変
化により、ブレーキ旋回における制動ロックが生じない
状態を現出させるものである。
【0049】第7制動制御手段Iは、植付装置(作業装
置の一例)4が上昇した非接地状態にある場合に制動牽
制手段SKが作動するものである。すなわち、昇降リン
ク機構3の角度を検出する第2ポテンショメータ60の
検出値から、検出時における植付装置4の高さ位置が求
められるので、整地フロート53が接地した植付作業中
における植付装置4の高さ位置よりも明確に高い位置が
求められた場合には、制動牽制手段SKが作動可能な状
態になる。この状態は、モード切換えスイッチ47をi
位置に操作することで得られる。
【0050】又、制御装置43には、植付クラッチ65
が入りであるときには、旋回内側後輪8が制動されない
ようにする制動牽制機能が盛り込まれている。すなわ
ち、植付クラッチレバー63が「入り」位置に操作され
ているときに検出スイッチ64は作動しないので、その
非作動情報が検出されているときには、前輪7の操舵角
が設定角度以上に操舵されても、旋回内側後輪8に制動
力を付与する旋回制動手段SSが作動しないように制御
されるのである。これは、以下の理由による。
【0051】つまり、図6に示すような変形圃場で植付
けを行う場合には、変形部分の形状に沿って湾曲走行す
ることがあり、植付作業走行中に田植機Tの前輪7の操
舵角が設定値以上になってしまうことがある。そうなる
と、旋回内側後輪8が制動されてのブレーキ旋回状態に
なるが、それによって田面が荒れて苗の植付姿勢が乱れ
てしまうので、植付クラッチ65が入りとなる作業時に
は旋回内側後輪8に制動しないようにして、良好な植付
け姿勢を得るのである。
【0052】〔別実施形態〕粘度検出手段bとしては、
例えば、フロートのような浮力を備えた接地体を、前支
点で揺動昇降自在な状態で田面に接地追従させ、機体の
走行時における接地体の揺動角度(姿勢)を、その前支
点に備えたポテンショメータで検出することにより、泥
の粘さを自動的に判断できるようにしたものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の側面図
【図2】後部ミッションの構造を示す平面図
【図3】後部ミッションの内部構造を示す断面図
【図4】サイドブレーキの操作系を示す平面図
【図5】制動旋回装置の制御ブロック図
【図6】変形圃場での田植機進行状態を示す平面図
【符号の説明】
1 機体 3 作業装置 7 前輪 8 後輪 38 サイドブレーキ 65 作業用クラッチ a 耕盤深さ検出手段 b 粘度検出手段 SS 旋回制動手段 SK 制動牽制手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)前輪が設定角以上に操向される
    と、旋回内側の後輪のサイドブレーキを制動作動させる
    旋回制動手段と、前記サイドブレーキが完全ロック状態
    になるのを阻止する制動牽制手段とを備え、 (ロ)耕盤深さ検出手段によって検出された圃場の耕盤
    深さが設定以上に深い場合に前記制動牽制手段が作動す
    るように構成してある水田作業機の制動制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の前記(イ)の構成を備
    えるとともに、下記(ハ)の構成を備えている水田作業
    機の制動制御装置。 (ハ)粘度検出手段によって検出された圃場の粘度が設
    定以上に粘い場合に前記制動牽制手段が作動するように
    構成してある。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の前記(イ)の構成を備
    えるとともに、下記(ニ)の構成を備えている水田作業
    機の制動制御装置。 (ニ)前記制動牽制手段を人為的に作動状態と非作動状
    態とに切換え選択可能に構成する。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の前記(イ)の構成を備
    えるとともに、下記(ホ)の構成を備えている水田作業
    機の制動制御装置。 (ホ)作業用クラッチが切りである場合に前記制動牽制
    手段が作動するように構成する。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の前記(イ)の構成を備
    えるとともに、下記(ヘ)の構成を備えている水田作業
    機の制動制御装置。 (ヘ)機体の走行速度が設定値以下である場合に前記制
    動牽制手段が作動するように構成する。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の前記(イ)の構成を備
    えるとともに、下記(ト)の構成を備えている水田作業
    機の制動制御装置。 (ト)走行系変速装置の変速位置が、設定された変速位
    置よりも低速側である場合に前記制動牽制手段が作動す
    るように構成する。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の前記(イ)の構成を備
    えるとともに、下記(チ)の構成を備えている水田作業
    機の制動制御装置。 (チ)作業装置が上昇した非接地状態にある場合に前記
    制動牽制手段が作動するように構成する。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008105589A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Advics:Kk 車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法
JP2010094060A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Iseki & Co Ltd 走行車両
JP2011155879A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Iseki & Co Ltd 作業機

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JP2010094060A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Iseki & Co Ltd 走行車両
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