JP3490027B2 - 作業車 - Google Patents

作業車

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JP3490027B2
JP3490027B2 JP19413299A JP19413299A JP3490027B2 JP 3490027 B2 JP3490027 B2 JP 3490027B2 JP 19413299 A JP19413299 A JP 19413299A JP 19413299 A JP19413299 A JP 19413299A JP 3490027 B2 JP3490027 B2 JP 3490027B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンからの駆
動力を前後車輪に伝える伝動系と、エンジンで駆動され
る油圧ポンプを備えると共に、この油圧ポンプからの作
動油によって前車輪を操向作動させる油圧式のステアリ
ング装置と、前車輪の周速度が後車輪の周速度とほぼ等
しくなる等速駆動状態、及び、前車輪の周速度が後車輪
の周速度より高速となる増速駆動状態夫々に切換え自在
な前輪変速装置とを備えた作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成された作業車として農
用トラクタを例に挙げることができ、この種の農用トラ
クタでは、前車輪の操向操作角度が予め設定された角度
以上に達すると、前輪変速装置を増速駆動状態に切換え
ることで、車体の旋回半径を小さくすることが可能とな
っていた(油圧式のステアリング装置を備えていないも
のであるが特開昭63‐195026号公報に示すもの
等が存在する)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、前輪変速装置
を備えた農用トラクタでの作業形態を考えるに、車体に
ロータリ耕耘装置を備えて耕起作業を行う場合には車体
が畦に接近する毎にロータリ耕耘装置を上昇させると共
に、前車輪を大きく操向操作して車体を反転させる形態
での作業を行うものとなっている。そして、従来の技術
のように前輪変速装置を備えた農用トラクタでは、この
ように車体を反転させるために前車輪を大きく操向操作
した場合には、これと連動して前輪変速装置が自動的に
増速駆動状態に切換えられ、この前車輪の増速駆動によ
って車体の旋回半径を小さくするものとなる。
【0004】しかし、車輪が沈み込むような泥濘な圃場
において前車輪を大きく操向操作した場合には、この前
車輪からエンジンに作用する負荷が極めて高いものとな
り、この負荷によってエンジン回転数が大きく低下する
ものとなる。このような状況で前車輪の操向操作と連動
して前輪変速装置が自動的に増速駆動状態に切換わった
場合には、エンジンに対する負荷が急激に増大してエン
ジン回転数が更に低下し、このエンジンで駆動される油
圧ポンプの回転数も低下する結果、ステアリング装置に
対する作動油の供給量も供給圧も低下してしまいステア
リングハンドルの操作が重くなる状況に陥るものであっ
た。特に、前輪変速装置を油圧式のアクチュエータで変
速操作するよう構成されたものでは、車体の旋回時には
前述のエンジン回転数の低下に起因してステアリング装
置に供給される作動油の供給量と供給圧とが同時に低下
する現象を一層悪化させてステアリング操作が更に重く
なるなる点で改善の余地があった。
【0005】本発明の目的は、泥濘な圃場で車体を旋回
する場合に円滑な操向操作を可能にする作業車を合理的
に構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請
求項1)は、エンジンからの駆動力を前後車輪に伝える
伝動系と、エンジンで駆動される油圧ポンプを備えると
共に、この油圧ポンプからの作動油によって前車輪を操
向作動させる油圧式のステアリング装置と、前車輪の周
速度が後車輪の周速度とほぼ等しくなる等速駆動状態
と、前車輪の周速度が後車輪の周速度より高速となる増
速駆動状態とに切換え自在な前輪変速装置とを備えた作
業車において、前記エンジンの負荷を計測する負荷セン
サを備え、この負荷センサで計測されるエンジン負荷が
設定値未満にある状況下では、前車輪の操向角が予め設
定された切換角を越えた場合に前輪変速装置を等速駆動
状態から増速駆動状態に切換え、負荷センサで計測され
るエンジン負荷が設定値以上である状況下では、前車輪
の操向角が予め設定された切換角を越えた場合でも、前
車輪が操向作動を継続している際には前輪変速装置を等
速駆動状態に維持する変速制御手段を備え、前車輪の操
向角が予め設定された切換角を越えて操作された後、こ
の前車輪の操向作動が停止した際に前輪変速装置を等速
駆動状態から増速駆動状態に切換えるよう前記変速制御
手段の制御形態が設定されている点にあり、その作用、
及び、効果は次の通りである。
【0007】本発明の第2の特徴(請求項2)は、エン
ジンからの駆動力を前後車輪に伝える伝動系と、エンジ
ンで駆動される油圧ポンプを備えると共に、この油圧ポ
ンプからの作動油によって前車輪を操向作動させる油圧
式のステアリング装置と、前車輪の周速度が後車輪の周
速度とほぼ等しくなる等速駆動状態、及び、前車輪の周
速度が後車輪の周速度より高速となる増速駆動状態夫々
に切換え自在な前輪変速装置とを備えた作業車におい
て、前記エンジンの負荷を計測する負荷センサを備え、
この負荷センサで計測されるエンジン負荷が設定値未満
にある状況下では、前車輪の操向角が予め設定された切
換角を越えた場合に前輪変速装置を等速駆動状態から増
速駆動状態に切換え、負荷センサで計測されるエンジン
負荷が設定値以上である状況下では、前車輪の操向角が
予め設定された切換角を越えた場合でも、前車輪が操向
作動を継続している際には前輪変速装置を等速駆動状態
に維持する変速制御手段を備え、前車輪の操向角が予め
設定された切換角を越えて操作された後、この前車輪の
操向作動が停止し、かつ、負荷センサで計測されるエン
ジン負荷が設定値未満となる値まで低下した際に前輪変
速装置を等速駆動状態から増速駆動状態に切換えるよう
前記変速制御手段の制御形態が設定されている点にあ
り、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項
1または2のいずれか1項において、前記前輪変速装置
を変速作動させるために前記油圧ポンプからの作動油の
供給によって等速駆動状態から増速駆動状態に切換られ
る油圧式のアクチュエータを備えている点にあり、その
作用、及び、効果は次の通りである。
【0009】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項
1〜3のいずれか1項において、前記前車輪の操向角を
計測する切れ角センサを備えると共に、前記切換角を基
準に操向操作量が小さい側に復元角を設定し、前記前輪
変速装置が増速駆動状態にある状況下で、前記切れ角セ
ンサで計測される操向角が前記復元角を下回る角度まで
減少した場合に前輪変速装置を等速駆動状態に切換える
よう前記変速制御手段の制御形態を設定してある点にあ
り、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0010】本発明の第5の特徴(請求項5)は請求項
1〜4のいずれか1項において、左右の後車輪を独立し
て制動操作するブレーキ機構を備えると共に、前記前輪
増速装置の等速駆動状態から増速駆動状態への切換えと
連係して旋回内側のブレーキ機構を非制動状態から制動
状態に切換え、前記前輪増速装置の増速駆動状態から等
速駆動状態への切換えと連係して旋回内側のブレーキ機
構を制動状態から非制動状態に切換える制動制御手段を
備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通り
である。
【0011】本発明の第6の特徴(請求項6)は請求項
において、前記ブレーキ機構が、作動油の供給によっ
て非制動状態から制動状態に切換える油圧式のアクチュ
エータを備えて構成されている点にあり、その作用、及
び、効果は次の通りである。
【0012】〔作用〕 〔1〕 上記第1の特徴によると、負荷センサで計測さ
れるエンジン負荷が設定値未満ある状況下で前車輪が予
め設定された切換角を越えて操向操作された場合には変
速制御手段が前輪変速装置を増速駆動状態に設定して小
半径での旋回を可能にするものとなり、これとは逆に、
泥濘な圃場での作業のように、負荷センサで計測される
エンジン負荷が設定値を越える状況下で前車輪が予め設
定された切換角を越えて操向操作されても前車輪の操向
作動が継続している場合には、変速制御手段が前輪変速
装置を等速駆動状態に維持するので、前車輪の増速に起
因するエンジン回転数の低下が抑制されると共に、この
エンジンで駆動される油圧ポンプから充分な量と充分な
圧力の作動油をステアリング装置に供給して円滑なステ
アリング操作を可能する。そして、操向作動が停止した
時点で前輪変速装置を増速駆動状態に設定して小半径で
の旋回を行うことも可能となる。〔2〕 そして、 前車輪の操向角が予め設定された切換
角を越えて操作された後、この前車輪の操向作動が停止
した際には変速制御手段が前輪変速装置を等速駆動状態
から増速駆動状態に切換えるものとなり、円滑な操向操
作を確保しながら小半径での旋回を可能にする。
【0013】上記第2の特徴によると第1の特徴による
上記〔1〕の作用に加えて下記の作用を奏する。前車輪
の操向角が予め設定された切換角を越えて操作された
後、この前車輪の操向作動が停止し、エンジン負荷が設
定値より低下した際には変速制御手段が前輪変速装置を
等速駆動状態から増速駆動状態に切換えるものとなり、
円滑な操向操作を確保しながら小半径での旋回を可能に
する。
【0014】上記第3の特徴によると、負荷センサで計
測されるエンジン負荷が設定値を越える状況下で前車輪
が予め設定された切換角を越えて操向操作された場合に
は、変速制御手段が前輪変速装置を等速駆動状態に維持
するので、アクチュエータに対する作動油の供給が阻止
されるものとなり、油圧ポンプから充分な量と充分な圧
力の作動油をステアリング装置に供給して円滑なステア
リング操作を可能にする。
【0015】上記第4の特徴によると、例えば、前車輪
の操向角を切換角を少し越える程度の角度に維持して前
車輪を増速駆動状態に設定して旋回を行っている場合
に、地面の凹部に前車輪が落ち込んだ場合のように、作
業者の意志に反して前車輪の姿勢が復元方向(直進側)
に変化しても、この変化が僅かである場合には、前車輪
の操向角が復元角を下回ることがないので前輪変速装置
を増速駆動状態に維持でき、又、作業者が意識して前車
輪を大きく復元方向に操作して復元角を下回る角度に達
した時点で前輪変速装置が等速駆動状態に切換わるもの
となる。
【0016】上記第5の特徴によると、前輪変速装置の
等速駆動状態から増速駆動状態への切換わりと連係し
て、制動制御手段が旋回内側の後車輪のブレーキ機構を
非制動状態から制動状態に切換えるので、作業者が人為
的な操作を特別に行わずとも一層小半径での旋回を可能
にするものとなり、又、前輪変速装置が増速駆動状態に
切換られない限りブレーキ機構が制動状態に切換られな
いので、エンジン負荷が高まっている状況においてブレ
ーキ機構の制動によってエンジンに対する負荷を増大さ
せることもない。
【0017】上記第6の特徴によると前述のように前輪
変速装置が増速駆動状態に切換られない限り、ブレーキ
機構のアクチュエータに対して作動油が供給されること
はなく、車体旋回時にこのアクチュエータに対する作動
油の供給によってエンジン回転数を低下させてステアリ
ング装置の操作を重くする不都合も回避できるものとな
る。
【0018】〔発明の効果〕 従って、乾田での作業時には従来通りに前車輪の増速に
よって小半径での旋回を可能にすると共に、泥濘な圃場
で車体を旋回する場合のように走行系に対する負荷が大
きい場合でも操向操作だけは円滑に行える作業車が合理
的に構成されたのである。又、操向操作を終えてエンジ
ンに対する負荷が低下した時点で前車輪の増速を行うこ
とで円滑な操向操作状態を維持しながら小半径での旋回
を可能にし(請求項1、2)、前輪変速装置を変速操作
する油圧式のアクチュエータの制御によって旋回時の操
向操作を円滑に行えるものとし(請求項3)、車体を旋
回させる際には前車輪を増速駆動状態を確実に維持し、
車体を直進させる方向にステアリング操作を行った際に
は前車輪の増速駆動を確実に阻止するものとなり(請求
項4)、前車輪の増速と連動した旋回内側の後車輪の制
動によって一層小半径での旋回を可能にしながら、円滑
な操向操作性を損なうことのないものとなった(請求項
5,6)。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、操向
操作自在に構成された駆動型の前車輪1及び駆動型の後
車輪2を備えた車体の前部にエンジンEを搭載すると共
に、このエンジンEからの動力が主クラッチ3を介して
伝えられるミッションケース4を車体の中央部から後部
に亘って配置し、車体の中央部に運転座席5とステアリ
ングハンドル6とを配置し、又、このミッションケース
4の後端位置の縦向き姿勢の油圧式の左右一対のリフト
シリンダ7、7で駆動昇降される左右一対のリフトアー
ム8、8を備え、このリフトアーム8、8で昇降操作さ
れる3点リンク機構Lを介してロータリ耕耘装置Aを車
体の後端に支持して作業車の一例としての農用トラクタ
を構成する。
【0020】前記3点リンク機構Lは車体後端の上部位
置に備えたトップリンク9と車体後部両側部に備えた左
右一対のロアーリンク10,10とで構成され、この左
右のロアーリンク10,10と前記左右のリフトアーム
8,8とをリフトロッド11,11で吊り下げ状態に支
持することでリフトアーム8の揺動作動によってロータ
リ耕耘装置Aが昇降自作動在に構成されている。そし
て、リフトアーム8の揺動量を計測するポテンショメー
タ型のリフトアームセンサ8Sを備えている。又、リフ
トロッド11,11の一方に介装された油圧式で複動作
動するローリングシリンダ12の伸縮作動によって該ロ
ータリ耕耘装置Aがローリング作動自在に構成されてい
る。又、車体の後部位置には車体のローリング姿勢を計
測するポテンショメータ型のローリングセンサRSを備
え、ローリングシリンダ12の作動量を計測するようロ
ーリングシリンダ12の伸縮作動部にインナーワイヤ1
4Aとアウタワイヤ14Bを支持したセンサワイヤ14
の他方の端部に該センサワイヤ14で操作される回転操
作式でポテンショメータ型のストロークセンサSSを備
えている。
【0021】図1、図2、図6に示すように、このロー
タリ耕耘装置Aは横向き姿勢の駆動軸周りで回転する多
数の耕起爪16を備えると共に、装置本体17の後部位
置に横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在な後カバー18を
備え、この後カバー18に揺動自在に連結したロッド1
9と装置本体17のフレーム17Fとの間にロッド19
を外装し、圧縮バネで該後カバー18に対して下方に向
かう付勢力を作用させよう構成してあり、又、このロッ
ド19と後カバー18との支持位置を変更することで後
カバー18を吊り上げ状態に固定し得るよう構成されて
いる。そして、この後カバー18の揺動量を計測するカ
バーセンサ18Sを本体上面に備えている。
【0022】図3及び図4に示すように、前記運転座席
5には連結及び解除自在な左右のシートベルト20を備
え、この運転座席5の右側部に前記リフトアーム8の揺
動角度を調節してロータリ耕耘装置Aを昇降制御するポ
ジションレバー21と、コントロールパネルCPとを配
置し、運転座席5の左側部に走行速度を設定する主変速
レバー22とクリープ変速レバー23とを配置してあ
り、前記ステアリングハンドル6の左側部に前後方向に
揺動操作自在な前後進切換レバー24を配置し、ステア
リングハンドルの右側部にアクセルレバー25と強制昇
降レバー26を配置し、又、ステップの左側には踏み込
み操作で前記主クラッチ3を切り操作する主クラッチペ
ダル27を配置してあり、ステップの右側には踏み込み
操作で左右の後車輪2,2を独立して制動操作するサイ
ドブレーキペダル28,28を配置してある。ステアリ
ングハンドル8の前方位置のパネル部にメータ部Mと表
示切換スイッチ29と選択スイッチ30とキースイッチ
31とを配置してあり、前記選択スイッチは押し操作に
よって「2WD」「4WD」「倍速」「AD倍速」の4
モードのいずれか1つを選択できるものとなっている。
【0023】又、「2WD」「4WD」「倍速」「AD
倍速」の4モードでの制御形態は後述するが、「2W
D」の制御モードでは前車輪1に対する伝動を遮断して
後車輪2の駆動力だけでの走行を行わせるものとなり、
「4WD」の制御モードでは前車輪1に対して周速度が
後車輪2と等しくなる速度の駆動力を伝えて前後の車輪
の同時駆動による走行を行わせる(標準駆動状態)もの
となり、「倍速」の制御モードでは前車輪1が予め設定
された操向角度より大きく操作された際に、「4WD」
の標準駆動状態から前車輪1の駆動速度を増大する駆動
状態に切換えて小半径での旋回を行わせるものとなり、
「AD倍速」の制御モードでの制御は前車輪1が予め設
定された操向角度より大きく操作された際に、「4W
D」の標準駆動状態から前車輪1の駆動速度を増大する
駆動状態に切換えると同時に旋回内側の後車輪2を制動
して一層小半径での旋回を行わせるものとなっている。
【0024】前記メータ部Mは図4に示すように、中央
位置に指針式のエンジン回転数計34を配置し、この上
部に液晶式のディスプレイ35を配置し、左側に複数の
報知ランプ類等を備えた報知部36を配置し、右側に作
業モードを示す表示ランプ類を備えた表示部37を配置
してある。具体的に表示部37には、警報状態にあるこ
とを示すシンボルマークを記したランプ、サイドブレー
キペダル28,28同士を連結する連結金具(図示せ
ず)の連結が解除された状態にあることを示す「ブレー
キ連結解除」の文字を記したランプ、駐車ブレーキが制
動状態にあることを示す「P」の文字を記したランプ、
前記「AD倍速」の制御モードにあることを示す「AD
倍速」の文字を記したランプ、前記「倍速」の制御モー
ドにあることを示す「倍速」の文字を記したランプ、4
輪駆動状態にあることを示す「4WD」の文字を記した
ランプ夫々を備えて成り、又、表示部37には、ロータ
リ耕耘装置Aがローリング制御状態にあることを示す
「モンロ」の文字を記したランプ、前記カバーセンサ1
8Sを用いた対地基準の昇降制御が行われていることを
示す「オート」の文字を記したランプ、エンジンEの回
転数の変化に基づいてロータリ耕耘装置Aの昇降が行わ
れる状態にあることを示す「Eオート」の文字を記した
ランプ、前記強制昇降レバー26の操作による昇降制御
が行われていることを示す「ポンパ」の文字を記したラ
ンプ、車体の後進時に自動的にロータリ耕耘装置Aを設
定高さまで上昇させる制御を行う状態にあることを示す
「バックアップ」の文字を記したランプ、前車輪1を設
定角度以上操作された場合にロータリ耕耘装置Aを設定
高さまで上昇させる制御を行う状態にあることを示す
「オートアップ」の文字を記したランプ夫々を備えて成
っている。
【0025】前記ミッションケース4の内部には図5に
示す伝動系が内装されている。つまり、前記エンジンE
から前記主クラッチ3を介して伝えられる動力を4段に
変速するよう4組のギヤと、2組のシンクロメッシュ式
のシフト部材41,42とを備えた第1変速機構T1、
この第1変速機構T1の伝動下手に配置された油圧クラ
ッチC、この油圧クラッチCの伝動下手に配置され動力
を2段に変速するよう2組のギヤと1つのシンクロメッ
シュ式のシフト部材43とを備えた第2変速機構T2、
この第2変速機構T2の動力を正転状態で伝える状態と
逆転状態で伝えるよう逆転ギヤ系とシンクロメッシュ式
の1つのシフト部材44とを備えた前後進変速機構Tf
r、この前後進変速機構Tfrの伝動下手に配置され動
力を2段に変速するよう2組のギヤと1つのシンクロメ
ッシュ式のシフト部材45とを備えた第3速機構T3、
この第3変速機構T3の伝動下手に配置され第3変速機
構T3からの変速状態をそのまま伝える状態と大きく減
速する1組のギヤとコンスタントメッシュ式のシフト部
材47とを備えたクリープ変速機構Tcrとを備えてい
る。そして、この変速系からの動力は後車輪2に対する
差動装置48を介して後車輪2に伝えられると共に、シ
フト部材49の操作によって前車輪1の周速度を後車輪
2の周速度と一致させて駆動する標準駆動状態と、前車
輪1の周速度を後車輪2の周速度より高速化させて駆動
する増速駆動状態と、前車輪1に対する伝動を遮断する
状態とに切換え可能な前輪変速装置TF及び前車輪駆動
軸50を介して前車輪1に伝えられるよう走行伝動系が
構成されている。尚、この前輪増速装置TFは、前記
「倍速」の制御時、及び、「AD倍速」の制御時に前車
輪1が予め設定された操向角度より大きく操作された際
に、シフト部材49の作動によって前車輪1に対して増
速駆動力を伝える機能を有している。
【0026】又、前記第1変速機構T1と第2変速機構
T2とで前進走行速度を8段に変速する主変速装置TM
が構成され、この主変速装置にTMは3つのシフト部材
41,42,43を夫々を操作する第1油圧シリンダP
1、第2油圧シリンダP2、第3油圧シリンダP3を備
え、前後進変速機構Tfrのシフト部材44は前記前後
進切換レバー24と機械的に連係し、第3変速機構T3
にはシフト部材45を操作する第4油圧シリンダP4を
備え、クリープ変速機構Tcrのシフト部材47は前記
クリープ変速レバー23と連係している。
【0027】図10に示すように、前記夫々の油圧シリ
ンダP1〜P4と油圧クラッチCとを制御する油圧系が
構成されている。つまり、前記第1、第2、第4油圧シ
リンダP1,P2,P4はシフト部材41、42、45
を両操作端と中立位置とに設定し得る複動型に構成さ
れ、前記第3油圧シリンダP3はシフト部材43を両操
作端に設定し得る複動型に構成され、これらの油圧シリ
ンダP1,P2,P3,P4を制御する7つの電磁操作
式のシリンダ制御弁V1,V1,V2,V2,V3,V
4,V4に対して前記エンジンEで駆動される油圧ポン
プ51からの作動油を供給する油路系が形成されると共
に、前記油圧クラッチCに対してパイロット操作型の開
閉弁Vcを介して油圧ポンプ51からの作動油を供給す
る油路系が形成され、又、電磁比例型の圧力制御弁Vp
によって油圧クラッチCの入り操作時の圧力を調節する
油路が形成され、オリフィス52を介してパイロット油
路53に対して作動油を供給する油路系が形成されてい
る。更に、このパイロット油路53の圧力で前記開閉弁
Vcを操作する油路を形成し、又、このパイロット油路
53に対して5つのチェック弁54…を介して圧力を低
下させる系を備えている。この5つのチェック弁54…
のうち4つは前記油圧シリンダP1,P2,P3,P4
の作動時に機械的に開閉操作され、あと1つのチェック
弁54は前記前後進切換レバー8にの操作時に開閉操作
されるよう連係しており、このパイロット油路53には
圧力センサ55が備えられている。
【0028】尚、複動型の第1、第2、第4油圧シリン
ダP1,P2,P4は、2つの制御弁から同時に圧油が
供給するとシリンダ内のピストンが中立状態となり、一
方の制御弁からの作動油を供給するとピストンが一方の
端部まで作動し、他方の制御弁からの作動油を供給する
とピストンが他方の端部まで作動するものとなってい
る。
【0029】そして、油圧シリンダP1,P2,P3,
P4の作動開始時には対応するチェック弁54が開放し
てパイロット油路53の圧力を低下させることで開閉弁
Vcをドレン位置に切換えて油圧クラッチCを切り操作
するものとなっており、このように油圧クラッチCが切
り状態にあるタイミングで油圧シリンダの作動によって
変速が行われるものとなっている。この後、油圧シリン
ダの作動終了時にはチェック弁54が閉じ状態に戻され
る結果、開閉弁Vcが作動油供給位置に操作され、これ
によって供給される作動油の圧力が制御弁Vpで調節さ
れ乍ら油圧クラッチCに送られ、該油圧クラッチCが入
り状態に達するものとなっており、変速時には主クラッ
チ3を人為的に切り操作しないで済むものとなってい
る。
【0030】これと同様に、前後進切換レバー8を操作
した際にも対応したチェック弁54が開放してパイロッ
ト油路53の圧力を低下させることで開閉弁Vcをドレ
ン位置に切換えて油圧クラッチCを切り操作した状態で
変速を行い、この後、前後進切換レバー8の操作の終了
時にチェック弁54が閉じ状態に戻される結果、開閉弁
Vcが作動油供給位置に操作され、これによって供給さ
れる作動油の圧力が制御弁Vpで調節され乍ら油圧クラ
ッチCに送られ、該油圧クラッチCが入り状態に達する
ものとなっている。又、このように変速操作される際に
は、パイロット油路53の圧力が低下した後に上昇する
ものとなっており、この圧力変化を電気スイッチ型の圧
力センサ55で検出すると、制御装置(後述する)が制
御弁Vpの電磁ソレノイドに対する電流を調節すること
で、油圧クラッチCに供給される作動油の供給圧を所定
の特性に従って調節しながら油圧クラッチCの昇圧を図
り、ショックを発生させること無く円滑に入り状態に切
換えるものとなっている。
【0031】又、前記前輪変速装置TFのシフト部材4
9をシフト操作する変速シリンダPF(アクチュエータ
の一例)を備え、この変速シリンダPFは前記第1油圧
シリンダP1と同様にシフト部材49を両操作端と中立
位置とに設定し得る複動型に構成され、この変速シリン
ダPFを制御する電磁操作式の変速制御弁VF、VFに
対して前記油圧ポンプ51からの作動油を供給する油路
系が形成されている。
【0032】図11に示すようにロータリ耕耘装置Aの
昇降制御と、ローリング制御とを行う油路系が構成され
ている。つまり、前記油圧ポンプ51からの作動油が供
給される油路にフロープライオリティ弁57を備え、こ
のフロープライオリティ弁57の制御油の流路側に前記
ローリングシリンダ12に対する作動油を制御する電磁
式のローリング弁58を備え、又、フロープライオリテ
ィ弁57の余剰油の流路側に前記リフトシリンダ7,7
に対する作動油を制御する電磁比例制御弁Vを備えてい
る。この電磁比例制御弁Vは作動油をリフトシリンダ
7,7に供給する位置に配置された上昇弁59と、この
上昇弁59を開閉操作するパイロット圧制御用の上昇用
パイロット弁60と、リフトシリンダ7,7からの作動
油を排出する位置に配置された下降弁61と、この下降
弁61を開閉操作するパイロット圧制御用の下降用パイ
ロット弁62と、リリーフ弁63とを備えて構成されて
いる。又、上昇用パイロット弁60と下降用パイロット
弁62とは電磁ソレノイドに供給する制御電力の電流値
の調節でパイロット圧を変化させて上昇弁59、下降弁
61の開度を調節し得るよう構成され、この開度の調節
によってロータリ耕耘装置Aの上昇速度と下降速度を任
意に設定できるものとなっている。
【0033】図4に示すように、ミッションケース4か
ら左右の後車輪2,2に動力を伝える伝動軸系にサイド
ブレーキ66を備えており、この左右のサイドブレーキ
66,66を制動操作するアーム66A,66Aと前記
サイドブレーキペダル28,28の踏み込み操作で左右
独立して制動できるよう操作ロッドや、操作ワイヤ等の
連係部材67を介して連係され、又、この左右のサイド
ブレーキ66,66(ブレーキ機構の一例)を独立して
制動操作する油圧式のブレーキシリンダ68,68を備
えている。
【0034】前記ステアリングハンドル6の操作力が伝
えられる油圧式のパワーステアリングユニット69を備
え、このパワーステアリングユニット69のピットマン
アーム69Aと左右の前車輪1,1のナックルアーム7
0,70との間にタイロッド71,71を配置して操向
操作系を構成してあり、ナックルアーム71の揺動量か
ら前車輪1のステアリング角度を計測するポテンショメ
ータ型の切れ角センサASを備えている。そして、図1
2に示すように、前記油圧ポンプ51からパワーステア
リングユニット69と、左右のブレーキシリンダ68、
68(アクチュエータの一例)を制御する電磁式のブレ
ーキ弁VB、VBに対する油路が形成されている。
【0035】図8に示すように、前記コントロールパネ
ルCPは中央部に開閉自在な蓋体75を備え、この蓋体
75を閉じた状態で、蓋体75より前部に露出する位置
に耕深設定ダイヤル76を配置し、蓋体75より後部に
露出する位置にオートアップのON・OFF用のスイッ
チ77とランプ77Lとのセット、バックアップ制御の
ON・OFF用のスイッチ78とランプ78Lとのセッ
ト、標準感度の自動耕深制御及び標準のローリング制御
を一括してON・OFFするスイッチ79とランプ79
Lとのセット、手動ローリングスイッチ80夫々を配置
してある。又、蓋体75で覆われる部位には前記3点リ
ンク機構Lの仕様に対応して制御基準値を補正するため
のリンク仕様選択スイッチ81と2つのランプ81Lの
セット、感度を標準に設定した標準自動耕深制御と感度
を敏感に設定した敏感自動耕深制御とエンジン負荷に対
応したエンジン負荷耕深制御との何れか1つを選択する
耕深制御モード選択スイッチ82と3つのランプ82L
のセット、標準のローリング制御と傾斜地でのローリン
グ制御とのいずれかを選択するローリング制御モードス
イッチ83と2つのランプ83Lのセット、ロータリ耕
耘装置Aの仕様に対応して制御基準値を補正するための
ロータリ仕様選択スイッチ84と3つのランプ84Lの
セット、ローリング角度設ダイヤル85、上限設定ダイ
ヤル86夫々が備えられている。尚、このスイッチ類と
セット状態で配置されたランプはスイッチがON操作さ
れた場合や、スイッチで選択されたモード等を示す位置
で点灯するものとなっている。
【0036】操向制御を行うための制御系は図9に示す
ようにマイクロプロセッサを有した制御装置90(変速
制御手段・制動制御手段の一例)に対して前記表示切換
スイッチ29、選択スイッチ30、主変速レバー22の
操作位置を検出するポテンショメータ型の主変速センサ
22S、切れ角センサAS、エンジンEの回転数を計測
するエンジン回転数センサES夫々からの信号が入力す
る系が構成されるとともに、報知部36、表示部37、
シリンダ制御弁V1,V2,V3,V4、変速制御弁V
F、VF、ブレーキ弁VB、VB夫々に対する出力系が
形成されている。尚、エンジン回転数センサESは、エ
ンジンEの回転数の変化に基づいてエンジンEに作用す
る負荷の計測に用いられるものであり、このエンジン回
転数センサESで負荷センサが構成されている。
【0037】前記選択スイッチ30は繰り返して押し操
作することで、「2WD」のモード、「4WD」のモー
ド、「倍速」のモード、「AD倍速」のモードが順次選
択できるものとなっており、夫々のモードを選択した場
合には、制御装置90が報知部36の対応する「4W
D」「倍速」「AD倍速」のランプを点灯させるものと
なっている。そして、制御装置90は以下のフローチャ
ートのように制御を行うプログラムがセットされてい
る。
【0038】つまり、図13のフローチャートに示すよ
うに、「2WD」あるいは「4WD」のモードが選択さ
れている場合には操向操作に連係した制御を行わず、こ
れらのモード以外のモードが選択された場合、つまり、
「倍速」あるいは「AD倍速」のモードが選択されてい
る場合には、前輪変速装置TFの状態を判別し、等速駆
動状態(「等速」)にある場合において、「倍速」のモ
ードが選択されていると倍速制御ルーチンを実行し(#
200ステップ)、「AD倍速」のモードが選択されて
いるとAD倍速ルーチン(#300ステップ)を実行す
るものとなっており、又、前輪変速装置TFの状態を判
別し、既に増速駆動状態(「増速」)にある場合におい
ては復元ルーチン(#400ステップ)を実行し、この
処理をリセットされるまで継続するものとなっている
(#101〜#104ステップ)。尚、「2WD」のモ
ードが選択されている場合には、変速制御弁VF、VF
を制御して前輪変速装置TFを中立状態に設定して前車
輪1への伝動を断ち、「4WD」のモードが選択された
場合には、変速制御弁VF、VFを制御して前輪変速装
置TFを、後車輪2の周速度と等しい周速度となる駆動
速度の動力を前車輪1に伝える状態に設定するよう制御
形態が設定されている。
【0039】倍速制御ルーチン(#200ステップ)の
制御は図14のフローチャートに示すように、切れ角セ
ンサASからの信号に基づいて、前車輪1の切れ角が予
め設定された角度α未満(図4を参照)にあることを判
別した場合に、変速制御弁VF、VFを制御して前輪変
速装置TFを、後車輪2の周速度と等しい周速度となる
駆動速度の動力を前車輪1に伝える状態に設定してお
き、切れ角センサASからの信号から前車輪1の切れ角
が予め設定された角度α(図4を参照)を越えたことを
判別した場合には、更に、エンジン回転数センサESか
らの信号に基づいてエンジンEに作用している負荷を判
別し、エンジンEに対して作用する負荷の値が予め設定
された値未満である場合には、即座に変速制御弁VF、
VFを制御して前輪変速装置TFを後車輪2の周速度よ
り高速となる駆動速度の動力を前車輪1に伝える状態に
設定し、又、エンジンEに対して作用する負荷が予め設
定された値以上である場合には、操向操作の継続時には
前輪変速装置TFの変速は行わず、操向操作が停止した
時点で変速制御弁VF、VFを制御して前輪変速装置T
Fを、後車輪2の周速度より高速となる駆動速度の動力
を前車輪1に伝える状態に設定するものとなっている
(#201〜#206ステップ)。
【0040】AD倍速制御ルーチン(#300ステッ
プ)の制御は図15のフローチャートに示すように、切
れ角センサASからの信号に基づいて、前車輪1の切れ
角が予め設定された角度α未満(図4を参照)にあるこ
とを判別した場合に、変速制御弁VF、VFを制御して
前輪変速装置TFを、後車輪2の周速度と等しい周速度
となる駆動速度の動力を前車輪1に伝える状態に設定し
ておき、切れ角センサASからの信号から前車輪1の切
れ角が予め設定された角度α(図4を参照)を越えたこ
とを判別した場合には、更に、エンジン回転数センサE
Sからの信号に基づいてエンジンEに作用している負荷
を判別し、エンジンEに対して作用する負荷の値が予め
設定された値未満である場合には、即座に変速制御弁V
F、VFを制御して前輪変速装置TFを後車輪2の周速
度より高速となる駆動速度の動力を前車輪1に伝える状
態に設定すると同時に、旋回内側の後車輪2に対応する
ブレーキ弁VBを制御して旋回内側の後車輪1のサイド
ブレーキ66を制動操作するものとなっている。又、エ
ンジンEに対して作用する負荷が予め設定された値以上
である場合には、操向操作の継続時には前輪変速装置T
Fの変速は行わず、操向操作が停止した時点で変速制御
弁VF、VFを制御して前輪変速装置TFを後車輪2の
周速度より高速となる駆動速度の動力を前車輪1に伝え
る状態に設定すると同時に、旋回内側の後車輪2に対応
するブレーキ弁VBを制御して旋回内側の後車輪1のサ
イドブレーキ66を制動操作するものとなっている(#
301〜#306ステップ)。
【0041】復元ルーチン(#400ステップ)の制御
は図16のフローチャートに示すように、切れ角センサ
ASからの信号に基づいて、前車輪1の切れ角が予め設
定された復元角β未満(図4を参照)となる状態まで復
元操作された際に、変速制御弁VF、VFを制御して前
輪変速装置TFを、後車輪2の周速度と等しい周速度と
なる駆動速度の動力を前車輪1に伝える状態(4WD)
に設定すると共に、AD倍速のモードにある場合にはブ
レーキ弁VBを制御して旋回内側の後車輪1のサイドブ
レーキ66を制動を解除するものとなっている(#40
1〜#405ステップ)。尚、切換角αは40度程度の
設定され、復元角βは前記切換角αより数度程度小さい
角度に設定されたものである。
【0042】このように、本発明では「倍速」・「AD
倍速」のモードが選択されている状態で大きくステアリ
ング操作を行い前車輪1の操向角が切換角α以上に達し
た場合には、この時点でエンジンEに作用している負荷
を計測し、エンジンEに作用している負荷が設定値未満
である場合には、従来からのものと同様に前車輪1を増
速する制御を行い、「AD倍速」のモードが選択されて
いる場合には同時に旋回内側の後車輪2の制動を行い、
又、前車輪1の操向角が切換角α以上に達した時点でエ
ンジンEに作用している負荷が設定値以上である場合に
は前輪変速装置TFを4WDの状態に維持することで、
油圧ポンプ51からの作動油を前輪変速装置TFの変速
シリンダPFやブレーキシリンダ68に供給することを
阻止して油圧ポンプ51からの作動油を優先的にパワー
ステアリングユニット69(ステアリング装置の一例)
に供給することでステアリング操作を重くすることなく
円滑な操作を可能にするものとなっている。そして、こ
の前車輪1の操向作動が停止した時点で前輪変速装置T
Fの変速シリンダPFに作動油を供給し、「AD倍速」
のモードが選択されている場合には同時にブレーキシリ
ンダ68に作動油を供給するすることで小半径での旋回
も実現するものとなっている。
【0043】又、このように前車輪1の増速による旋回
を行った後には切換角αより小さい角度の復元角βを下
回る角度まで前車輪1が復元操作された場合に、前車輪
1を等速駆動状態に切換、「AD倍速」のモードが選択
されている場合には旋回内側の後車輪1の制動操作を解
除することにより、例えば、前車輪1の操向角が切換角
未満で等速駆動状態となり、切換角以上で増速駆動状態
を現出するもののように前車輪1の操向角度が切換角の
を越えて振動する場合のように前輪変速装置TFを頻繁
に変速操作する不都合が解消され、前車輪1を直進方向
に操作した場合には確実に前輪変速装置TFを等速駆動
状態に確実に復元し、又、サイドブレーキ66も非制動
状態に確実に復元して円滑な旋回を可能にするものとな
っている。
【0044】〔別実施の形態〕 本発明は上記実施の形態以外に、例えば、倍速制御ルー
チンを図17のフローチャートに示すように構成するこ
とも可能である。つまり、切れ角センサASからの信号
に基づいて、前車輪1の切れ角が予め設定された角度α
未満にあることを判別した場合に、変速制御弁VF、V
Fを制御して前輪変速装置TFを、後車輪2の周速度と
等しい周速度となる駆動速度の動力を前車輪1に伝える
状態に設定しておき、切れ角センサASからの信号から
前車輪1の切れ角が予め設定された角度αを越えたこと
を判別した場合には、更に、エンジン回転数センサES
からの信号に基づいてエンジンEに作用している負荷を
判別し、エンジンEに対して作用する負荷の値が予め設
定された値未満である場合には、即座に変速制御弁V
F、VFを制御して前輪変速装置TFを後車輪2の周速
度より高速となる駆動速度の動力を前車輪1に伝える状
態に設定し(#501〜#505ステップ)、又、エン
ジンEに対して作用する負荷が予め設定された値以上で
ある場合には、操向操作の継続時には前輪変速装置TF
の変速は行わず、この操向操作が停止し、かつ、エンジ
ンEに対する負荷が前記設定値未満まで低下したことを
判別することで変速制御弁VF、VFを制御して前輪変
速装置TFを後車輪2の周速度より高速となる駆動速度
の動力を前車輪1に伝える状態に設定するものとなって
いる(#506〜#508ステップ)。
【0045】つまり、この制御では前記実施の形態のよ
うにエンジンEに作用する負荷が高い場合には前車輪1
の操向操作が停止した後に、エンジン負荷が低下した場
合に前車輪1の増速を行うものとなっており、エンジン
Eに対して過大な負荷が作用している場合に、前車輪1
を増速することによる負荷の増大を抑制してエンジン停
止を確実に阻止できるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】農用トラクタの全体側面図
【図2】農用トラクタ後部の斜視図
【図3】農用トラクタ後部の平面図
【図4】ステアリング系、制動系等の概略を示す平面図
【図5】ミッションケース内の変速系の概略図
【図6】ロータリ耕耘装置の概略側面図
【図7】メータ部及びスイッチ類の配置を示す図
【図8】コントロールパネルの平面図
【図9】制御系のブロック回路図
【図10】変速制御系の油圧回路図
【図11】昇降用、ローリング用の油圧回路図
【図12】制動用の油圧回路図
【図13】基本的な制御動作を示すフローチャート
【図14】倍速ルーチンのフローチャート
【図15】AD倍速ルーチンのフローチャート
【図16】復元ルーチンのフローチャート
【図17】倍速ルーチンの別実施の形態のフローチャー
【符号の説明】
1 前車輪 2 後車輪 51 油圧ポンプ 66 ブレーキ機構 68 アクチュエータ 69 ステアリング装置 90 変速制御手段・制動制御手段 AS 切れ角センサ E エンジン ES 負荷センサ TF 前輪変速装置 PF アクチュエータ α 切換角 β 復元角
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/34 - 17/35 B60K 23/08 A01B 69/00 B62D 5/26 B62D 11/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの駆動力を前後車輪に伝え
    る伝動系と、エンジンで駆動される油圧ポンプを備える
    と共に、この油圧ポンプからの作動油によって前車輪を
    操向作動させる油圧式のステアリング装置と、前車輪の
    周速度が後車輪の周速度とほぼ等しくなる等速駆動状
    態、及び、前車輪の周速度が後車輪の周速度より高速と
    なる増速駆動状態夫々に切換え自在な前輪変速装置とを
    備えた作業車であって、 前記エンジンの負荷を計測する負荷センサを備え、この
    負荷センサで計測されるエンジン負荷が設定値未満にあ
    る状況下では、前車輪の操向角が予め設定された切換角
    を越えた場合に前輪変速装置を等速駆動状態から増速駆
    動状態に切換え、負荷センサで計測されるエンジン負荷
    が設定値以上である状況下では、前車輪の操向角が予め
    設定された切換角を越えた場合でも、前車輪が操向作動
    を継続している際には前輪変速装置を等速駆動状態に維
    持する変速制御手段を備え、前車輪の操向角が予め設定
    された切換角を越えて操作された後、この前車輪の操向
    作動が停止した際に前輪変速装置を等速駆動状態から増
    速駆動状態に切換えるよう前記変速制御手段の制御形態
    が設定されている作業車。
  2. 【請求項2】 エンジンからの駆動力を前後車輪に伝え
    る伝動系と、エンジンで駆動される油圧ポンプを備える
    と共に、この油圧ポンプからの作動油によって前車輪を
    操向作動させる油圧式のステアリング装置と、前車輪の
    周速度が後車輪の周速度とほぼ等しくなる等速駆動状
    態、及び、前車輪の周速度が後車輪の周速度より高速と
    なる増速駆動状態夫々に切換え自在な前輪変速装置とを
    備えた作業車であって、 前記エンジンの負荷を計測する負荷センサを備え、この
    負荷センサで計測されるエンジン負荷が設定値未満にあ
    る状況下では、前車輪の操向角が予め設定された切換角
    を越えた場合に前輪変速装置を等速駆動状態から増速駆
    動状態に切換え、負荷センサで計測されるエンジン負荷
    が設定値以上である状況下では、前車輪の操向角が予め
    設定された切換角を越えた場合でも、前車輪が操向作動
    を継続している際には前輪変速装置を等速駆動状態に維
    持する変速制御手段を備え、前車輪の操向角が予め設定
    された切換角を越えて操作された後、この前車輪の操向
    作動が停止し、かつ、負荷センサで計測されるエンジン
    負荷が設定値未満となる値まで低下した際に前輪変速装
    置を等速駆動状態から増速駆動状態に切換えるよう前記
    変速制御手段の制御形態が設定されている 作業車。
  3. 【請求項3】 前記前輪変速装置を変速作動させるため
    に前記油圧ポンプからの作動油の供給によって等速駆動
    状態から増速駆動状態に切換られる油圧式のアクチュエ
    ータを備えている請求項1または2のいずれか1項に記
    載の作業車。
  4. 【請求項4】 前記前車輪の操向角を計測する切れ角セ
    ンサを備えると共に、前記切換角を基準に操向操作量が
    小さい側に復元角を設定し、前記前輪変速装置が増速駆
    動状態にある状況下で、前記切れ角センサで計測される
    操向角が前記復元角を下回る角度まで減少した場合に前
    輪変速装置を等速駆動状態に切換えるよう前記変速制御
    手段の制御形態を設定してある請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の作業車。
  5. 【請求項5】 左右の後車輪を独立して制動操作するブ
    レーキ機構を備えると共に、前記前輪増速装置の等速駆
    動状態から増速駆動状態への切換えと連係して旋回内側
    のブレーキ機構を非制動状態から制動状態に切換え、前
    記前輪増速装置の増速駆動状態から等速駆動状態への切
    換えと連係して旋回内側のブレーキ機構を制動状態から
    非制動状態に切換える制動制御手段を備えている請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の作業車。
  6. 【請求項6】 前記ブレーキ機構が、作動油の供給によ
    って非制動状態から制動状態に切換える油圧式のアクチ
    ュエータを備えて構成されている請求項5記載の作業
    車。
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