JP3982037B2 - 動力農機の前輪駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトラクタや田植機、芝刈機等の動力農機の前輪駆動装置に関するものであり、特に、走行系のギヤ式変速装置から動力を分岐して前輪へ伝達するとともに、これとは別に油圧式変速装置からの動力を伝達して前輪を駆動するように構成された動力農機の前輪駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラクタや田植機、芝刈機等の動力農機に於いて、エンジンの動力をギヤ式変速装置を介して後輪に伝達するとともに、該ギヤ式変速装置から動力を分岐して前輪を駆動可能にした構成が知られている。一般的には、4WDクラッチにより前輪への動力伝達を入切り可能に形成し、車体の直進時は前記4WDクラッチを入りとして四輪駆動で走行することにより、駆動力を増して接地性を向上させている。
【0003】
一方、車体の旋回時は前輪の走行抵抗を低減するために、自動的に4WDクラッチを切りとして後輪のみの二輪駆動に切り換え、そして、車体が直進状態に復帰したときは、自動的に4WDクラッチを入りとして四輪駆動に戻すように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の一般的な四輪駆動の動力農機では、車体の旋回時には後二輪駆動となるので、前輪の走行抵抗は減少するが旋回時間が比較的長い。予め、ギヤ式変速装置から前輪を駆動する経路に変速ギヤを設けておき、旋回時にはギヤ式変速装置からの動力を該変速ギヤによって増速し、前輪の周速度を後輪より高くして旋回時間を短縮するように構成された動力農機もあるが、一般的な動力農機にギヤ式の前輪増速機構を追加装備することは、作業が煩雑でありコストも嵩む。
【0005】
これに対して、油圧モータを備えた油圧式の前輪増速機構を追加装備することも考えられるが、該油圧式の前輪増速機構から前輪を駆動する動力と、前記ギヤ式変速装置から前輪を駆動する動力とがもつれ合ったときは、駆動力が変動して走行不安定になるとともに、前輪増速機構の油圧ポンプが破損する虞もある。
【0006】
そこで、車体の旋回時に四輪駆動から後二輪駆動に切り換わる構成の動力農機に、安価な費用で前輪増速機構を追加装備し、旋回時に前輪を安定的に増速駆動して旋回時間を短縮するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、エンジン(11)の動力をギヤ式変速装置(22)を介して後輪(18)に伝達するとともに、該ギヤ式変速装置(22)から動力を分岐して前輪(20)を駆動する経路を備え、車体の旋回操作を検出する手段と、ギヤ式変速装置(22)から前輪(20)を駆動する動力を入切りする手段(28)を設け、車体の旋回時に前記入切りする手段を切りとして、四輪駆動から二輪駆動へ切り換えるように構成した動力農機(10)に於いて、
前記ギヤ式変速装置(22)から前輪(20)を駆動する経路とは別に、可変式油圧ポンプ(32)を有する油圧式変速装置(31)の動力を伝達して前輪(20)を駆動する経路を備えると共に、該油圧式変速装置(31)の動力により前輪(20)の駆動量を任意に変更設定する操作手段であるところの、ダイヤルを時計回りへ回動すれば前輪の増速比率が高く設定され、他方反時計回りへ回動すれば増速比率が低く設定される作業モードダイヤル(59)をキャビン(13)内に設け、畦際で旋回する際に、上記動力を入切りする手段(28)を切りとし、作業機の上昇を検出して作業機上昇直後であるか否かを判別し、作業機上昇直後の一定時間は、上記作業モードダイヤル(59)で設定した増速比率に基づいて前記油圧式変速装置(31)の動力で前輪(20)を増速駆動し、一定時間経過後は、油圧式変速装置(31)の駆動を牽制するべく制御し、次いで上記動力を入切りする手段(28)を入りとする構成とした動力農機の前輪駆動装置を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳述する。図1は動力農機の一例としてトラクタ10を示し、車体の前部にエンジン11が載置されてフード12で被蔽されている。キャビン13の内部にはシート14を装着してあり、ステアリングハンドル15や変速レバー16及び各種操作スイッチ等が設けられている。エンジン11の動力はミッションケース17内に収められたギヤ式変速装置を介して後輪18に伝達されるとともに、ギヤ式変速装置から分岐された動力を前輪動力伝達軸19から前輪20に伝達できるように構成されている。尚、前輪20の駆動部近傍には後述する油圧ポンプ32が設けられており、エンジン11の動力で該油圧ポンプ32が駆動され、油圧モータ33へ作動油が供給される。
【0009】
図2は走行系の動力伝達ブロック図であり、エンジン11の動力は主クラッチ21により入切りされ、ギヤ式変速装置22である前後進切換機23、主変速機24、副変速機25により順次変向或いは変速された後に、差動装置26を経て左右の後輪18へ伝達される。左右の後輪18には夫々ブレーキ装置65,66が設けられており、左右のブレーキペダル(図示せず)により独立してブレーキ操作ができるように構成されている。
【0010】
また、前記ギヤ式変速装置22から動力を分岐し、前輪駆動装置27を経て前輪20を駆動できるように形成されている。前記ギヤ式変速装置22から前輪を駆動する経路には、ギヤ式変速装置22からの動力を入切りする手段として4WDクラッチ28が設けられており、該4WDクラッチ28は後述するコントローラ70の指令によって入切りされる。
【0011】
該コントローラ70の制御により、車体の直進時は該4WDクラッチ28を入りとし、前記ギヤ式変速装置22からの動力を前輪20へ伝達して四輪駆動走行するが、車体の旋回時は該4WDクラッチ28を切りとして、前記ギヤ式変速装置22から前輪20を駆動する動力を遮断し、前記ギヤ式変速装置22からの動力は後輪のみに伝達される。そして、車体が直進状態に復帰したときは、再び4WDクラッチ28を入りとし、前記ギヤ式変速装置22からの動力を前輪20へ伝達して四輪駆動に戻すように構成されている。
【0012】
一方、前輪駆動装置27には、前記ギヤ式変速装置22からの動力で前輪20を駆動する経路とは別に、油圧式変速装置31の動力で前輪20を駆動する経路が設けられている。該油圧式変速装置31は可変式油圧ポンプ32を有し、この油圧ポンプ32によって駆動される油圧モータ33の回転を前記差動装置30へ伝達し、該油圧式変速装置31の動力で前輪20を駆動できるように構成されている。
【0013】
図3は制御系のブロック図であり、ポテンショメータ51によりポジションレバーの操作位置を検出し、ポテンショメータ52により変速レバーのシフト位置を検出する。また、ポテンショメータ53によりリフトアームの回動角即ち後部作業機の高さを検出し、ポテンショメータ54,55により夫々左右のブレーキペダルの踏み込み位置を検出する。
【0014】
一方、後進検出スイッチ56は前後進切換機23を後進位置に切り換えたときにオンとなり、クラッチペダルスイッチ57は主クラッチ21を切るためにクラッチペダルを踏み込んだときにオンになる。更に、車体の旋回時に油圧式変速装置31の動力により前輪増速旋回制御する場合は、予め制御入切スイッチ58をオンにするとともに、後輪の周速度に対する前輪の周速度、即ち増速比率を作業モードダイヤル59により任意に設定し、前記油圧式変速装置31の動力による前輪20の駆動量を調整する。
【0015】
ここで、ステアリングハンドル15の操舵に伴う前輪20の旋回量を検出する手段として前輪切れ角センサ60を設け、エンジン11の回転数を検出する手段としてエンジン回転センサ61を設ける。尚、車体の旋回操作を検出する手段としては、前記前輪切れ角センサ60によって前輪20の操舵角を直接的に検出する他に、ステアリングハンドル15の回転角度やステアリングハンドル15の操作速度を測定したり、パワーステアリング装置の油圧シリンダのピストン伸縮量を検出する方法などもある。
【0016】
また、タイヤのスリップを検出する手段として前輪回転センサ62及び後輪回転センサ63を設け、該前輪回転センサ62及び後輪回転センサ63によって前輪20と後輪18の回転数を検出し、この回転差をコントローラ70へ入力してタイヤのスリップ率を演算する。更に、車体の傾斜を検出する手段として傾斜センサ64を設け、該傾斜センサ64によって車体のローリング角を検出する。
【0017】
前記各検出信号はコントローラ70へ入力され、例えばポテンショメータ51の検出信号に基づいてポジョンレバーの操作位置を判別し、作業機昇降用のリフトシリンダを作動すべく、電磁制御弁の作業機上昇用ソレノイド81または作業機下降用ソレノイド82へ指令信号を出力する。或いは、例えばポテンショメータ54,55の検出信号に基づいて左右のブレーキペダルの踏み込み位置を判別し、その操作力の大小に応じて後輪のブレーキシリンダを作動すべく、電磁制御弁の左ブレーキ用ソレノイド83または右ブレーキ用ソレノイド84へ指令信号を出力する。
【0018】
更に、後述する制御手順に従って、油圧ポンプ32の吐出量を変更するアクチュエータである電動モータ85へ制御信号を出力し、該油圧ポンプ32の吐出量を増減することによって油圧モータ33の回転速度を変化させる。従って、油圧式変速装置31による前輪20の駆動量が変化し、作業モードダイヤル59によって設定した増速比率、若しくは制御目標の増速比率となるように前輪20の周速度を制御する。
【0019】
図4は油圧回路を示し、前記油圧式変速装置31には可変式の油圧ポンプ32が設けられている。該油圧ポンプ32から吐出される作動油は電磁制御弁90によって制御され、前述した制御入切スイッチ58がオフのときは、該電磁制御弁90がノーマル位置(イ)にあって油圧モータ33は駆動されない。そして、制御入切スイッチ58をオンにしたときは、該電磁制御弁90がオフセット位置(ロ)に切り換わり、油圧ポンプ32の吐出油が油圧モータ33へ導出される。
【0020】
ここで、電動モータ85を駆動してトラニオン軸を回転すれば、油圧ポンプ32の斜板若しくは斜軸の角度即ち傾転角が変化し、該油圧ポンプ32の吐出量が増減する。従って、油圧モータ33の流量が変わり、該油圧モータ33の回転速度を任意に調整できる。尚、図示は省略するが可変式の油圧モータを使用し、電動モータによって該油圧モータの傾転角を変化させることにより、油圧モータの流量を変更して回転速度を任意に調整するように構成してもよい。
【0021】
尚、同図に於いて符号95a,95bは他の油圧ポンプであり、油圧ポンプ95aから吐出される作動油は電磁制御弁96によって制御され、前述したコントローラ70から作業機上昇用ソレノイド81または作業機下降用ソレノイド82へ指令信号が出力されたときに、油圧ポンプ95aの作動油がリフトシリンダ97へ供給されて作業機が昇降する。一方、油圧ポンプ95bから吐出される作動油は、減圧弁98を介してパワーステアリング回路99へ供給され、ステアリングシリンダ100が駆動されて前輪20が回向する。また、減圧弁98から分岐した作動油は、その他の油圧回路へ供給される。
【0022】
図5は前記油圧式変速装置31による前輪20の駆動量を任意に設定する操作手段の一例として作業モードダイヤル59を示し、該作業モードダイヤル59は前記キャビン13内の操作しやすい場所に設けられている。該作業モードダイヤル59を時計回りへ回動すれば、油圧式変速装置31の動力によって前輪20を駆動したときの前輪の増速比率(以下、単に「増速比率」という)が高く設定され、反時計回りへ回動すれば増速比率が低く設定される。
【0023】
本実施の形態では、図6の破線で示すように、該作業モードダイヤル59によって、増速比率を「1」から「3」(後輪の周速度に対して前輪の周速度が1倍〜3倍)の範囲で設定することが可能である。尚、前輪の切れ角が所定値α未満の場合は車体が直進運転中であるとみなし、前輪増速旋回制御に入らず油圧モータ33を駆動しない。また、前輪の駆動量を設定する操作手段は前記作業モードダイヤル59に限定されず、図示は省略するが、ボリューム式に代えてレバー式の作業モード切換具等を設置してもよい。
【0024】
いま、前記作業モードダイヤル59を例えば「2.2」の位置に設定した場合は、図6の実線Aで示すように、前輪の切れ角が所定値α未満では油圧モータ33が駆動されないので増速比率は「0」であり、前輪の切れ角が増加して所定値α以上になったときに油圧モータ33が駆動される。このとき、コントローラ70から前記電動モータ85へ制御信号を出力して油圧ポンプ32の吐出量が調整され、前輪20の周速度が後輪18の周速度の約2.2倍となるように油圧モータ33の回転数が制御される。そして、車体の旋回量が大きくなって前輪の切れ角が更に増加しても、作業モードダイヤル59にて設定された増速比率「2.2」を維持すべく、コントローラ70が前記電動モータ55を制御する。
【0025】
この増速比率は、土質や作物の種類、或いは作業の状況などにより最適な比率に調整するのが好ましい。例えば乾田のように固い地盤では車輪のグリップ力が高いため、増速比率を大きく設定して車体の旋回時間をより短くすることができる。これに対して、草地や代掻き作業では、増速比率が大き過ぎすぎると前輪が必要以上に高速で駆動され、草を傷つけたり土がかき寄せられる虞がある。斯かる場合は、増速比率をやや低く設定することにより、草の傷つきや圃場の荒れを防止しつつ旋回時間を短くできる。
【0026】
ここで、図7のフロチャートに従って、前輪駆動装置27の制御手順について説明する。先ず、4WDクラッチ28を入りとして、車体が四輪駆動で直進走行している場合に(ステップ101)、各種センサやダイヤルの状態をコントローラ70へ読み込む(ステップ102)。次に、作業モードダイヤル59の設定位置に応じた前輪の増速比率をセットする(ステップ103)。
【0027】
いま、ステアリングハンドル15の操舵により前輪の切れ角が所定値以上になったとき、或いは片ブレーキ操作のあったとき、若しくは作業機を上昇させたとき等、車体が旋回を開始したとコントローラ70が判断したときは(ステップ104)、前記4WDクラッチ28を切りとして(ステップ105)、前記ギヤ式変速装置22から前輪を駆動する動力を遮断し、前記ギヤ式変速装置22からの動力を後輪のみに伝達する。
【0028】
前記4WDクラッチ28が切りとなった後に、作業モードダイヤル59で設定した増速比率に基づいて、油圧式変速装置31の動力で前輪20を駆動すべく、コントローラ70から前記電動モータ85へ制御信号を出力する(ステップ106)。従って、油圧ポンプ32の吐出量が調整され、前輪20の周速度が設定された増速比率となるように油圧モータ33の回転数が制御される。斯くして、旋回中は前輪20の周速度が後輪18の周速度より高速で回転し、旋回時間を短縮できる。
【0029】
そして、車体の旋回が終了して直進状態に復帰したときは(ステップ107)、油圧式変速装置31の動力による前輪増速旋回制御を停止する(ステップ108)。続いて、前記4WDクラッチ28を入りとして(ステップ109)、前記ギヤ式変速装置22からの動力を前輪20へ伝達すれば、前輪20と後輪18が同じ周速度で駆動されて通常の四輪駆動走行に戻る。
【0030】
このように、車体の旋回時に油圧式変速装置31の動力で前輪20を増速させる場合は、先ずに4WDクラッチ28を切りとして、前記ギヤ式変速装置22から前輪を駆動する経路を遮断した後に、油圧式変速装置31の動力で前輪20を駆動するので、双方の経路の動力がもつれ合うことがない。
【0031】
ここで、図8のフローチャートに示すように、畦際で旋回する際に作業機の上昇を検出して、作業機上昇直後の旋回であるか否かを判別し(ステップ204)、作業機上昇直後の一定時間(例えば1分程度)は、作業モードダイヤル59で設定した増速比率に基づいて、前記油圧式変速装置31の動力で前輪20を増速駆動し(ステップ205〜207)、一定時間が経過した後は、油圧式変速装置31の駆動を牽制する(ステップ208)ように制御してもよい。
【0032】
斯くして、圃場以外を走行する場合は作業機上昇直後の旋回ではないため、車体の旋回時であっても、前記油圧式変速装置31での前輪増速は行わない。また、作業機上昇直後から一定時間が経過した後には、油圧式変速装置31の駆動が牽制されて増速比率が低くなるので、旋回中に車体が振り回されることがなく安全に旋回できる。
【0033】
尚、作業機の上昇を検出する手段としては、前記ポテンショメータ51でポジションレバーが作業機上昇位置に操作されたことを検出したり、ポテンショメータ53でリフトアームの回動角が作業機上昇位置に達したことを検出する等がある。このほか、車体の旋回操作があったときは作業機を自動的に上昇させる構成の場合には、前輪切れ角センサ60等により前輪20の旋回量を検出して旋回開始を検出し、このとき作業機が上昇したものと判別することもできる。
【0034】
而して、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明ではギヤ式変速装置から分岐した動力で前輪を駆動する経路に、ギヤ式変速装置からの動力を入切りする手段を設け、該経路とは別に、油圧式変速装置からの動力で前輪を駆動する経路を設けてある。車体の旋回時には、先ず前記入切り手段を切りとした後に、油圧式変速装置からの動力で前輪を駆動するため、ギヤ式変速装置から前輪を駆動する動力と、油圧式変速装置の動力とがもつれ合うことがなく、駆動力が変動して走行不安定になったり、油圧式変速装置の油圧ポンプが破損する等の故障を防止することができる。
【0036】
また、該油圧式変速装置を追加装備する作業は比較的簡単であるため、車体の旋回時に四輪駆動から後二輪駆動に切り換わる構成の動力農機に、安価な費用で前輪増速機構を追加装備でき、旋回時に前輪を安定的に増速駆動して旋回時間を短縮することが可能になる。
斯くして、圃場以外を走行する場合は作業機上昇直後の旋回ではないため、車体旋回であっても、前記油圧式変速装置31での前輪増速は行なわない。また、作業機上昇直後から一定時間が経過した後には、上記油圧式変圧装置の駆動が牽制されて増速比率が低くなるので、旋回中に車体が振り回されることがなく安全に旋回することができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の実施の形態を示すものである。
【図1】トラクタの側面図。
【図2】走行系の動力伝達ブロック図。
【図3】制御系のブロック図。
【図4】油圧回路図。
【図5】作業モードダイヤルの正面図。
【図6】前輪の切れ角と増速比率の関係の一例を示すグラフ。
【図7】前輪駆動装置の制御手順の一例を示すフローチャート。
【図8】前輪駆動装置の制御手順の他の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
10 トラクタ
11 エンジン
18 後輪
20 前輪
22 ギヤ式変速装置
27 前輪駆動装置
28 4WDクラッチ
31 油圧式変速装置
32 油圧ポンプ
33 油圧モータ
58 制御入切スイッチ
59 作業モードダイヤル
60 前輪切れ角センサ
70 コントローラ
85 電動モータ
Claims (1)
- エンジン(11)の動力をギヤ式変速装置(22)を介して後輪(18)に伝達するとともに、該ギヤ式変速装置(22)から動力を分岐して前輪(20)を駆動する経路を備え、車体の旋回操作を検出する手段と、ギヤ式変速装置(22)から前輪(20)を駆動する動力を入切りする手段(28)を設け、車体の旋回時に前記入切りする手段を切りとして、四輪駆動から二輪駆動へ切り換えるように構成した動力農機(10)に於いて、
前記ギヤ式変速装置(22)から前輪(20)を駆動する経路とは別に、可変式油圧ポンプ(32)を有する油圧式変速装置(31)の動力を伝達して前輪(20)を駆動する経路を備えると共に、該油圧式変速装置(31)の動力により前輪(20)の駆動量を任意に変更設定する操作手段であるところの、ダイヤルを時計回りへ回動すれば前輪の増速比率が高く設定され、他方反時計回りへ回動すれば増速比率が低く設定される作業モードダイヤル(59)をキャビン(13)内に設け、畦際で旋回する際に、上記動力を入切りする手段(28)を切りとし、作業機の上昇を検出して作業機上昇直後であるか否かを判別し、作業機上昇直後の一定時間は、上記作業モードダイヤル(59)で設定した増速比率に基づいて前記油圧式変速装置(31)の動力で前輪(20)を増速駆動し、一定時間経過後は、油圧式変速装置(31)の駆動を牽制するべく制御し、次いで上記動力を入切りする手段(28)を入りとする構成としたことを特徴とする動力農機の前輪駆動装置。
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