JP2001086819A - 水田作業機 - Google Patents

水田作業機

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JP2001086819A
JP2001086819A JP27048799A JP27048799A JP2001086819A JP 2001086819 A JP2001086819 A JP 2001086819A JP 27048799 A JP27048799 A JP 27048799A JP 27048799 A JP27048799 A JP 27048799A JP 2001086819 A JP2001086819 A JP 2001086819A
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ground
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right rear
lowering
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Hiroto Kimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前車輪の操向操作と連動して苗植付装置の昇
降を行う有効性を損なうことなく能率の良い作業を行い
得る田植機を合理的に構成する。 【解決手段】 接地フロート24Sの姿勢を目標姿勢に
維持する自動昇降制御が行われている状態で前車輪1の
操向角度が上昇開始角度に達すると苗植付装置Aの上昇
を開始する連動上昇制御を行うと共に、この上昇によっ
て接地フロート24Sが予め設定された角度に達すると
上昇を停止する制限手段を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操向操作型の左右
の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行
機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地
作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接
地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装
置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水
田作業機に関し、詳しくは、前車輪の操向操作と連動し
て対地作業装置を上昇させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成された水田作業機とし
て特開平11‐196628号公報に示されるものが存
在し、この従来例では前車輪が設定された角度まで操向
操作されたことをセンサの信号から判別すると、苗植付
装置(対地作業装置)を上昇作動させ、この上昇の後
に、前車輪を戻す方向への操向操作が開始されたことを
センサの信号から判別すると、苗植付装置を下降作動さ
せるよう制御形態が設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、水田作業機で
の作業形態を考えるに、田植機や直播機のように走行機
体を走行させながら圃場面に対して苗の移植や播種を行
うものでは、走行機体が畦に接近すると、作業機を上昇
させると略同時に前車輪を大きく操向操作して走行機体
を反転させる作業形態を採るものとなっている。そこ
で、従来例のように操向操作と連動して対地作業装置を
強制的に上昇させる連動昇降制御を行うよう構成したも
のでは、作業者が行うべき操作の数を低減して良好な形
態での作業を可能にするものとなる。
【0004】前述のように操向操作と連動して対地作業
装置を上昇させる理由は、田植機の場合には既植苗を接
地フロートで押し倒す不都合を回避することや、作溝器
のように接地フロートから下方に突出する部材で圃場面
を荒らしたり、作溝器の破損を回避することの他に、対
地作業装置と畦等との接触を回避することを目的として
いる。そして、この目的を達成するため従来からの制御
では、対地作業装置を比較的高いレベルまで上昇させて
いるのが現状であった。しかし、旋回時に対地作業装置
を高いレベルまで上昇させるものでは、上昇に時間を要
するばかりでなく、下降にも時間を要するものとなるの
で、走行機体の旋回終了時に対地作業装置が圃場面まで
下降していないこともあり、旋回が終了して作業を再開
するまでに不要な待ち時間を必要とすることもあった。
特に、走行機体を基準にして対地作業装置の上昇限界を
設定したものでは、浅い耕盤の圃場での作業時には対地
作業装置の上昇と、下降に要する時間が長時間化するも
のとなり能率の面で改善が望まれていた。
【0005】又、枕地に充分なスペースをとって作業を
行える場合には畦と対地作業装置との接触を考慮する必
要がないので、対地作業装置を大きく上昇させる必要は
なく、このような作業環境では対地作業装置の昇降時間
をできるだけ短縮して能率の良い作業を行い得る水田作
業装置が求められる。
【0006】本発明の目的は、操向操作と連動して対地
作業装置の昇降を行う有効性を損なうことなく能率の良
い作業を行い得る水田作業装置を合理的に構成する点に
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請
求項1)は、操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型
の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエ
ータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共
に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接
地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇
降制御を行う制御装置を備えた水田作業機において、前
記自動昇降制御状態において前車輪の旋回方向への操作
と連動して対地作業装置を上昇させる連動上昇制御を行
うよう前記制御装置の制御形態が設定され、この連動上
昇制御による上昇レベルを地面近くに設定する制限手段
を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通
りである。
【0008】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項
1において、前記制限手段が、前記連動上昇制御の開始
後に前記接地フロートが所定の姿勢に達した際に上昇作
動を停止するよう制御形態が設定されている点にあり、
その作用、及び、効果は次の通りである。
【0009】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項
1において、前記制限手段が、前記連動上昇制御時に前
記アクチュエータを設定時間だけ駆動するよう制御形態
が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次
の通りである。
【0010】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項
1において、前記対地作業装置の対機体高さを計測する
高さセンサを備えると共に、前記制限手段は前記連動上
昇制御時の開始後に、前記高さセンサで計測される高さ
が、前記自動昇降制御時における対地作業装置の対機体
高さを基準に所定の高さに達した際に、上昇作動を停止
するよう制御形態が設定されている点にあり、その作
用、及び、効果は次の通りである。
【0011】本発明の第5の特徴(請求項5)は請求項
1〜4のいずれか1項において、左右の後車輪のうち、
一方の回転速度を減ずる回転抑制機構を備えると共に、
前記連動上昇制御による対地作業装置の上昇開始と連係
して旋回内側の回転抑制機構によって後車輪の回転速度
を減ずる旋回制御手段を備えている点にあり、その作
用、及び、効果は次の通りである。
【0012】本発明の第6の特徴(請求項6)は請求項
5において、前記回転抑制機構が、左右の後車輪に動力
を伝える伝動軸の動力の伝動と遮断との一方を選択する
クラッチ、あるいは、左右の後車輪に動力を伝える伝動
軸の動力の伝動と遮断との一方を選択し、かつ、伝動の
遮断時に制動力を作用させるクラッチブレーキ、あるい
は、左右の後車輪に動力を伝える伝動軸に制動力を作用
させるブレーキで構成されている点にあり、その作用、
及び、効果は次の通りである。
【0013】本発明の第7の特徴(請求項7)は、操向
操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪と
を備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇
降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装
置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよ
う対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装
置を備えた水田作業機において、前記左右の後車輪の速
度差を計測する速度差検出手段を備え、前記自動昇降制
御時において、この速度差検出手段によって左右の後車
輪の回転速度差が予め設定された値以上に達したことを
判別すると、対地作業装置を上昇させて所定高さに維持
する連動上昇手段を備えている点にあり、その作用、及
び、効果は次の通りである。
【0014】本発明の第8の特徴(請求項8)は、操向
操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪と
を備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇
降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装
置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよ
う対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装
置を備えた水田作業機において、前記左右の後車輪の速
度差を計測する速度差検出手段を備え、対地作業装置が
上昇状態にある場合において、この速度差検出手段によ
って左右の後車輪の回転速度差が予め設定された値未満
まで低下したことを判別すると、対地作業装置を下降さ
せる連動下降手段を備えている点にあり、その作用、及
び、効果は次の通りである。
【0015】本発明の第9の特徴(請求項9)は、操向
操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪と
を備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇
降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装
置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよ
う対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装
置を備えた水田作業機において、前記左右の後車輪の速
度差を計測する速度差検出手段を備え、前記自動昇降制
御時において、この速度差検出手段によって左右の後車
輪の回転速度差が設定された値以上に達したことを判別
すると、対地作業装置を上昇させ、かつ、この速度差検
出手段によって左右の後車輪の回転速度差が設定された
値未満まで低下したことを判別すると、上昇状態の対地
作業装置を下降させて自動昇降制御に復帰させる連動昇
降手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は
次の通りである。
【0016】〔作用〕
【0017】上記第1の特徴によると、前車輪の操向操
作と連動して、連動上昇制御により対地作業装置の上昇
が開始されるものとなり、この上昇の開始の後には制限
手段が対地作業装置の上昇レベルを地面近くに設定する
ので対地作業装置を大きく上昇させることがなく、上昇
に要する時間を短縮できると共に、下降に要する時間も
短縮できるものとなる。
【0018】上記第2の特徴によると、接地姿勢で対地
作業装置の昇降を行うことが可能な接地フロートの姿勢
に基づいて対地作業装置の上昇レベルを決めるので、専
用のセンサを新たに設けることなく、地面に接触する形
態の自動昇降制御用のセンサ類を利用して接地フロート
が殆ど地面から離れる状態を正確に判別して、地面を基
準にした低いレベルに対地作業装置を上昇させ得るもの
となる。
【0019】上記第3の特徴によると、上昇時にアクチ
ュエータを設定時間だけ駆動することで、複雑なフィー
ドバック制御を行うことなく地面を基準とした比較的低
いレベルに対地作業装置を上昇させ得るものとなる。
【0020】上記第4の特徴によると、自動昇降制御時
における対地作業装置の高さを基準にして高さセンサで
計測される所定の高さで上昇作動を停止させるので、走
行機体を基準にして対地作業装置の上昇レベルを決める
制御を行うもののように耕盤が浅い圃場(対地作業装置
の接地フロートが接触する地面〔圃場面〕から車輪が接
する耕盤までの距離が短い圃場)で作業する場合でも対
地作業装置を高いレベルまで上昇させると云う不都合を
解消して、圃場面を基準として低いレベルに対地作業装
置を上昇させ得るものとなる。
【0021】上記第5の特徴によると、前車輪の操向操
作時には連動上昇制御によって対地作業装置を地面近く
のレベルまで上昇させると共に、この対地作業装置の上
昇と連係して回転抑制機構が旋回内側の後車輪の回転速
度を減ずるので、前車輪の操向操作に伴う走行方向の変
化に加えて、左右の後車輪の回転速度差による走行方向
の変化力を積極的に作用させて小半径での旋回を可能に
するものとなる。
【0022】上記第6の特徴によると、回転抑制機構が
クラッチで構成された場合には旋回時に旋回内側の後車
輪に対する動力を遮断し回転速度が減ぜられる結果、小
半径での旋回を可能とし、又、回転抑制機構がクラッチ
ブレーキ、あるいは、ブレーキで構成された場合には旋
回時に旋回内側の後車輪を制動状態に設定し、この後車
輪の接地点の近傍を旋回中心とする小半径での旋回を可
能にする。
【0023】上記第7の特徴によると、走行機体の旋回
時には左右の後車輪に回転速度差が現れるので、速度差
検出手段によって、この回転速度差が予め設定された値
以上に達したことを判別した際に連動上昇手段が対地作
業装置の上昇を開始することによって、旋回に連動して
対地作業装置の上昇を行えるものとなる。つまり、前車
輪の操向角度を検出するセンサ等の検出系を用いること
なく旋回開始を判別して対地作業装置の上昇制御を行え
るのである。
【0024】上記第8の特徴によると、走行機体の旋回
開始時には左右の後車輪に回転速度差が大きく現れ、旋
回終了時には左右の後車輪に回転速度差が小さくなるの
で、速度差検出手段によって、この回転速度差が予め設
定された値未満まで低下したことを判別した際に連動下
降手段が対地作業装置の下降を開始することで、旋回の
終了に連動して対地作業装置の下降を行えるものとな
る。つまり、前車輪の操向角度を検出するセンサ等の検
出系を用いることなく旋回終了を判別して対地作業装置
の下降制御を行えるのである。
【0025】上記第9の特徴によると、走行機体の旋回
時には左右の後車輪に回転速度差が現れるので、速度差
検出手段によって、この回転速度差が予め設定された値
以上に達したことを判別した際には連動昇降手段が対地
作業装置の上昇を開始し、走行機体の回終了時には左右
の後車輪に回転速度差が小さくなるので、速度差検出手
段によって、この回転速度差が予め設定された値未満ま
で低下したことを判別した際に連動昇降手段が対地作業
装置の下降を開始することで、旋回の終了に連動して対
地作業装置の下降を行えるものとなる。つまり、前車輪
の操向角度を検出するセンサ等の検出系を用いることな
く旋回に連動して対地作業装置の昇降制御を行えるので
ある。
【0026】〔発明の効果〕従って、操向操作と連動し
て対地作業装置の昇降を行う有効性を損なうことなく、
対地作業装置の上昇位置を地面に近いレベルに設定する
だけで能率の良い作業を行い得る水田作業装置が構成さ
れたのである(請求項1)。又、対地作業装置を地面近
くのレベルに設定するために接地フロートの姿勢を利用
することで特別にセンサ類を備えずとも精度高くレベル
を設定でき(請求項2)、制御が単純となり(請求項
3)、耕盤の深浅に拘わらず地面近くのレベルに設定で
きるものとなり(請求項4)、又、この対地作業装置の
上昇時には旋回半径を積極的に小さくして作業能率を向
上させるものとなった(請求項5,6)。更に、前車輪
の操向角度を計測するセンサ類を備えずとも旋回開始と
連動して対地作業装置を上昇させ(請求項7)、前車輪
の操向角度を計測するセンサ類を備えずとも旋回終了と
連動して対地作業装置を下降させ(請求項8)、前車輪
の操向角度を計測するセンサ類を備えずとも旋回開始と
連動して対地作業装置を上昇させ、旋回の終了と連動し
て対地作業装置を下降させるものとなった(請求項
8)。
【0027】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1
に示すように、操向操作される駆動型の前車輪1、及
び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエン
ジン4を搭載すると共に、この走行機体3の前部にエン
ジン4からの動力が伝えられる静油圧式の無段変速装置
H、この無段変速装置Hからの動力が伝えられる前部位
置のミッションケース5、及び、このミッションケース
5からの動力が伝えられる後部位置の後車軸ケース6夫
々を配置し、又、走行機体3の中央部にステアリングハ
ンドル7と運転座席8とを配置し、走行機体3の後端部
に対し油圧式のアクチュエータとしてのリフトシリンダ
9で駆動昇降操作される平行4連型のリンク機構Lを介
して対地作業装置としての6条植用の苗植付装置Aを連
結し、又、走行機体3の後部に施肥装置Bを備えて水田
作業機としての田植機を構成する。
【0028】前記ミッションケース5には前記無段変速
装置Hからの動力を断続する主クラッチMCと走行機体
3の走行速度を作業走行速度と、これより高速の路上走
行速度とに切換えるギヤ式の副変速装置SMと、左右の
前車輪1,1に動力を伝える差動機構(図示せず)と、
単位走行距離に対する苗植付装置Aの苗植付回数を設定
する株間変速機構(図示せず)とを内蔵すると共に、こ
のミッションケース5から苗植付装置Aに対する動力の
伝動と遮断とを行う植付クラッチPCとを内蔵してい
る。又、前記後車軸ケース6には左右の後車輪2,2に
動力を伝える伝動系(図を参照)と、この伝動系からの
左右の後車輪2,2夫々に伝えられる動力を切り操作す
る左右のサイドクラッチSC,SCと制動力を作用させ
る走行ブレーキRBとを内蔵(図8を参照)している。
【0029】図2に示すように、運転座席8の前方のメ
ータパネルMPの左側部には前記無段変速装置Hを変速
操作する主変速レバー11を配置し、運転座席8の左側
部には前記副変速装置SMを変速操作する副変速レバー
12を配置し、運転座席8の右側部には苗植付装置Aの
昇降制御を行う昇降レバー13を配置し、前記ステアリ
ングハンドル7のポスト部の右側部には苗植付装置Aを
強制的に昇降させる強制昇降レバー14を配置し、ステ
ップの左側には前記主クラッチMCを操作する主クラッ
チペダル15を配置し、ステップの右側にはブレーキペ
ダル16を配置してある。
【0030】図4に示すように、前記主変速レバー11
は中間の「停止」位置から前方の「前進」域で前方に操
作することで機体を前進方向に増速させ、「停止」位置
から後方の「後進」域で後方に操作することで機体を後
進方向に増速させるよう無段変速装置Hと連係してお
り、基端部には操作位置を判別するポテンショメータ型
の主変速レバーセンサ11Sを備えている。同図に示す
ように、前記強制昇降レバー14は非操作状態でバネ
(図示せず)の付勢力で略水平姿勢の中立位置「N」を
維持し、苗植付装置Aを強制上昇させる上げ位置「U
P」と、苗植付装置Aを強制下降させる下げ位置「D
W」とに操作自在に構成され、この強制昇降レバー14
の操作位置を判別するよう基端部には複数のスイッチを
組み合わせて成る強制昇降レバーセンサ14Sを備えて
いる。図5に示すように、副変速レバー12は路上で高
速で走行させる「高」(路上走行速度域の一例)位置
と、作業時に比較的低速で走行させる「低」(作業走行
域の一例)位置とに設定自在に構成され、レバーガイド
には副変速レバー12を「低」位置に設定したことを判
別するリミットスイッチ型の副変速レバーセンサ12S
を備えている。図3に示すように、昇降レバー13は苗
植付装置Aの昇降を停止させる「中立」位置と、苗植付
装置Aを上昇させる「上昇」位置と、苗植付装置Aを下
降させる「下降」位置と、苗植付装置Aを下降させた状
態で前記植付クラッチPCを入り操作する「入」位置
と、前記強制昇降レバー14によって苗植付装置Aの強
制昇降と、後述するように前車輪1の操向操作と連動し
て苗植付装置Aの昇降作動を行わせる「自動」位置とに
設定自在に構成され(図中の「切」位置では植付クラッ
チは切り状態にあることを示している)、この昇降レバ
ー13の操作位置を判別するポテンショメータ型の昇降
レバーセンサ13Sを基端部に備えている。
【0031】図1に示すように、前記リンク機構Lは左
右一対のトップリンク17と左右一対のロアーリンク1
8と、後端の縦リンク19とで構成され、この縦リンク
19の下端部に対して、苗植付装置Aの伝動ケース20
がローリング自在に連結されている。苗植付装置Aは、
走行機体3から伝動軸21を介して伝動ケース20に動
力が伝えられることで、苗載せ台22に載置したマット
状苗Wの下端から植付機構23が1株ずつ苗を切り出し
て圃場面Sに移植すると共に、苗載せ台22を横方向に
往復作動させることでマット状苗Wの下端の苗を横方向
に連続的に切り出すものとなっている。又、この苗植付
装置Aの下部には複数の接地フロート24を備えてお
り、この接地フロート24のうち左右方向での中央のも
の(以下、感知フロート24Sと称する)を横向き姿勢
の軸芯周りで揺動自在に支持すると共に、この感知フロ
ート24Sの前部を下方に向けてバネ付勢して感知荷重
を設定し、更に、感知フロート24Sが圃場面Sに接地
した状態で、この感知フロート24Sの揺動姿勢を維持
するよう苗植付装置Aの昇降を行う自動昇降制御を行い
得るよう構成されている。又、前記施肥装置Bはホッパ
ー26に貯留された粒状や粉状の肥料を走行速度と同期
して繰り出し、ブロアー27からの空気によってホース
28に送り、接地フロート24に備えた作溝器29から
圃場面S下に供給するよう構成されている。
【0032】この田植機では、図8に示すように操向制
御系が構成されている。つまり、前記ステアリングハン
ドル7の操作力が伝えられるパワーステアリングユニッ
ト31のピットマンアーム32と左右の前車輪1,1の
ナックルアーム33,33とをドラッグリンク34,3
4を介して連係してあり、一方のナックルアーム33に
軸芯周りでの揺動量を計測するポテンショメータ型のス
テアリングセンサSSを備えている。同図に示すよう
に、前記主クラッチペダル15の踏み込み操作で前記主
クラッチMCを切り操作するよう機械的に連係してあ
り、前記ブレーキペダル16と前記走行ブレーキRBの
アーム41とを操作ロッド42を介して連係すると共
に、このブレーキペダル16と前記主クラッチMCとを
機械的に連係してあり、このブレーキペダル16を踏み
込み操作した場合には踏み込み操作の中間域で主クラッ
チMCの切り操作し、更に踏み込み操作した場合に車輪
の制動操作を行えるよう構成してある。又、前記ミッシ
ョンケース5から後車軸ケース6に対して中間軸43を
介して走行駆動力を伝えるものとなっており、この駆動
力は一対のベベルギヤ44,44を介して伝動軸45に
伝えるものとなっており(差動装置は備えていない)、
この伝動軸45に対して摩擦多板式のサイドクラッチS
C(回転抑制機構の一例)と、摩擦多板式の走行ブレー
キRBとが備えられている。又、左右のサイドクラッチ
SC、SCはバネ付勢力でクラッチ入り側に付勢され、
走行ブレーキRBは非制動側にバネ付勢されている。こ
の左右のサイドクラッチSC、SCのアーム39,39
に対して電磁ソレノイドや電動モータ等の電動アクチュ
エータ40,40からの操作力を作用させる操作系を備
えている。
【0033】この田植機では、図9に示すように、マイ
クロプロセッサを備えた制御装置47を備えており、こ
の制御装置47は、前記自動昇降制御の他に、以下の制
御を行うものとなっている。つまり、前記自動昇降制御
が行われている状態において前記強制昇降レバー14を
上げ位置「UP」に操作することで苗植付装置Aを上限
まで上昇させ、この上昇状態において強制昇降レバー1
4を下げ位置「DW」に操作することで苗植付装置Aを
接地状態まで下降させ、かつ、自動昇降制御に復帰させ
る強制昇降制御と、前記自動昇降制御が行われている状
態において、主変速レバー11を後進域に操作した場合
には苗植付装置Aを上限まで上昇させるバックアップ制
御と、前記自動昇降制御が行われている状態において前
車輪1の旋回方向への操作と連動して対地作業装置Aを
上昇させる連動上昇制御と、このように苗植付装置Aを
上昇させた状態で前車輪1の直進方向への戻し操作と連
動して上昇状態の対地作業装置Aを下降させて自動昇降
制御に復帰させる連動下降制御とを行うものとなってい
る。
【0034】つまり、前記制御装置47に対して前記主
変速レバーセンサ11S、前記副変速レバーセンサ12
S、前記昇降レバーセンサ13S、前記強制昇降レバー
センサ14S、前記感知フロート24Sの揺動姿勢を計
測するポテンショメータ型のフロートセンサFS、自動
昇降制御時の制御感度を設定するポテンショメータ型の
感度設定器48、リンク機構Lの揺動姿勢から苗植付装
置Aが上限に達したことを判別するリミットスイッチ型
の上限センサ49、前車輪1の操向角度を計測する前記
ステアリングセンサSS、前記主クラッチMCの状態を
判別する主クラッチセンサ50、機体を後進させる操作
と連動して苗植付装置Aを上限まで上昇させる制御を行
わせるためのバックアップスイッチ51、前車輪1の操
向操作と連動して苗植付装置Aの昇降制御を行うための
オートアップスイッチ52夫々からの信号が入力すると
共に、前記無段変速装置Hを変速操作する電動型の変速
モータ53、前記リフトシリンダ9に対して作動油を給
排する電磁バルブV、前記植付クラッチPCを入り切り
操作する電動型の植付モータ54、左右の電動アクチュ
エータ40、40夫々に信号を出力する系が形成されて
いる。
【0035】そして、この制御装置47は以下の制御を
行うものとなっている。 [自動昇降制御]感知フロート24Sを模式的に示すと
図6(イ)に示すように、感知フロート24Sは後部の
横向き姿勢の軸芯Q周りで揺動自在に支持されると共
に、この感知フロート24Sの前部を下方に付勢する感
知バネ25を備え、この感知フロート24Sの前部の上
下方向の変位量から感知フロート24Sの揺動姿勢を計
測するよう前記フロートセンサFSを備えている。そし
て、この制御は、前記昇降レバー13を「下降」位置、
「植付」位置、若しくは「自動」位置に設定して苗植付
装置Aを圃場面Sまで下降させた状態で機能するもので
あり、その制御形態は、感度設定器48からの信号値を
制御目標に設定すると共に、前記フロートセンサFSで
検出される信号値が制御目標値に向かうようリフトシリ
ンダ9を駆動して苗植付装置Aの昇降を行い、制御目標
を基準に設定された不感帯内にフロートセンサHSの検
出値が達すると昇降制御を停止するよう設定されてい
る。
【0036】前記感度設定器48は制御感度を「鈍感」
から「敏感」の領域で操作できるものとなっており、
「鈍感」から「敏感」の操作域の中央の「標準」に設定
すると図6(イ)に示す如く感知フロート24Sが略水
平姿勢に維持される制御が行われ、又、この制御時に、
「鈍感」の側に設定した場合には感知フロート24Sが
前下がり傾向となる姿勢に維持するよう昇降制御が行わ
れる結果、感知フロート24Sに作用する感知バネ25
の付勢が低下して圃場面Sの凹凸に敏感に追従した昇降
制御が行われるものとなり、又、感度設定器48を「敏
感」の側に設定した場合には感知フロート24Sが前上
がり傾向となる姿勢に維持するよう昇降制御が行われる
結果、感知フロート24Sに作用する感知バネ25の付
勢が高まって圃場面Sの凹凸に対する追従性能が低下し
た昇降制御が行われるものとなっている。
【0037】[強制昇降制御]この制御は、前記昇降レ
バー13を「自動」位置に設定した状態で機能するもの
であり、その制御形態は、苗植付装置Aが前記自動昇降
制御で圃場面Sに追従して昇降する状態で強制昇降レバ
ー14を上げ位置「UP」に操作した場合には、植付ク
ラッチPCが入り状態にある場合には、植付モータ54
を駆動して切り操作すると共に、リフトシリンダ9を駆
動して前記上限センサ49で苗植付装置Aが上限に達し
たことが検出されるまで苗植付装置Aの上昇を行い、こ
の上昇状態で強制昇降レバー14を下げ位置「DW」に
操作した場合にはリフトシリンダ9を駆動して苗植付装
置Aの下降を開始し、自動昇降制御に復帰させるよう設
定されている。更に、この下降によって自動昇降制御状
態に達した後に強制昇降レバー14を再度下げ位置「D
W」に操作した場合には植付モータ54を駆動して植付
クラッチPCを入り操作する制御も行われる。
【0038】[バックアップ制御]この制御は、前記バ
ックアップスイッチ51をON状態に設定した状態で、
かつ、前記昇降レバー13を「自動」位置に設定した状
態で機能するものであり、その制御形態は、苗植付装置
Aが前記自動昇降制御で圃場面Sに追従して昇降する状
態で、主変速レバー11を後進域に操作した場合に、植
付クラッチPCが入り状態にある場合には,植付モータ
54を駆動して切り操作すると共に、リフトシリンダ9
を駆動して前記上限センサ49で苗植付装置Aが上限に
達したことが検出されるまで苗植付装置Aの上昇を行う
よう設定されている。そして、この上昇状態で強制昇降
レバー14を下げ位置「DW」に設定することで強制昇
降制御と同様にリフトシリンダ9を駆動して苗植付装置
Aの下降を開始し、自動昇降制御に復帰させるよう設定
されている。更に、この下降によって自動昇降制御状態
に達した後に強制昇降レバー14を再度下げ位置「D
W」に操作した場合には植付モータ54を駆動して植付
クラッチPCを入り操作する制御も行われる。
【0039】[連動上昇制御]以下、この連動上昇制御
の制御形態の概要を図10のフローチャートに基づいて
説明する。この制御は、副変速レバー12が「低」位置
にあり、かつ、前記昇降レバー13が「自動」位置に設
定されている場合には、ステアリングセンサSSからの
信号を入力して前車輪1が操向操作され、その操向角度
が図7に示す上昇開始角度(α)に達したことを判別し
た場合には、植付クラッチPCが入り状態にある場合に
のみ植付モータ54を駆動して切り操作すると共に、リ
フトシリンダ9を駆動して苗植付装置Aの上昇を開始
し、又、この上昇と連係して電動アクチュエータ40を
作動させて旋回内側のサイドクラッチSCを切り操作す
る(#101〜#108ステップ)。この上昇時にはフ
ロートセンサFSからの信号を入力して感知フロート2
4Sの姿勢が図6(ロ)に示す上限角度(γ)に達する
とリフトシリンダに9の駆動を停止する(#109〜#
111ステップ)。尚、この制御のうち#109〜#1
11ステップで連動上昇制御による上昇レベルを地面近
くに設定する制限手段Rが構成され、又、#108ステ
ップで連動上昇制御による苗植付装置A(対地作業装
置)の上昇開始と連係して旋回内側の後車輪2の回転速
度を減ずる旋回制御手段Tが構成されている。
【0040】つまり、図7に示す如く走行機体3を旋回
させる際に前車輪1を大きく操向作動させた際の操向角
度を上昇開始角度(α)に設定してあり、同図に示す
(β)は後述する下降開始角度である。又、図6(ロ)
に示すように上限角度(γ)は苗植付装置Aの上昇制御
が開始されることで感知フロート24Sが前下がり姿勢
に変化し、この姿勢が機械的な揺動限界の直前の角度に
設定され、この姿勢で上昇を停止することで感知フロー
ト24S、接地フロート24の夫々の前端部分だけ圃場
面Sに接触するものとなる。
【0041】[連動下降制御]このように苗植付装置A
が上昇した状態で旋回を行い、ステアリングハンドル7
を直進方向に戻し操作した場合に苗植付装置Aを下降さ
せる制御が連動下降制御であり、この制御を図11のフ
ローチャートに基づいて説明する。この制御では、苗植
付装置Aが上昇状態にある場合にステアリングセンサS
Sからの信号に基づいて、前車輪1の操向角度が前記下
降開始角度(β)を一旦越えた後に、この下降開始角度
(β)まで低下したことが判別されると、リフトシリン
ダ9を駆動して苗植付装置Aの下降を開始すると共に
(#201〜#204ステップ)、このように下降が開
始されると、フロートセンサFSからの信号を入力して
感知フロート24Sの姿勢が自動昇降制御可能な姿勢ま
で復帰したことを判別した後に自動昇降制御に復帰させ
(#205〜#208ステップ)、又、この後、ステア
リングセンサSSからの信号に基づいて、前車輪1の操
向角度が図7に示す角度(δ)に達したことが判別され
ると、電動アクチュエータ40を作動させて切り状態に
ある旋回内側のサイドクラッチSCを入り操作するもの
となっている(#208〜#210ステップ)。尚、こ
の制御においても、苗植付装置Aが下降して自動昇降制
御状態に移行した後に強制昇降レバー14を下げ位置
「DW」に操作した場合には植付モータ54を駆動して
植付クラッチPCを入り操作する制御が行われる。
【0042】このように、この第1の実施の形態では苗
植付作業時に走行機体3が畦に接近して走行機体3を旋
回させる場合には、前車輪1の操向角度が上昇開始角度
(α)に達した時点で連動上昇制御によってステアリン
グハンドル7の操作と連動して苗植付装置Aを自動的に
上昇させると共に、この上昇開始と連係して旋回内側の
サイドクラッチSCを切り操作して小半径での旋回を可
能にしており、この上昇によって苗植付装置Aが圃場面
Sから少し上昇したレベルで上昇作動を停止させること
で、苗植付装置Aの昇降に要する時間を短縮させるもの
となっている。そして、旋回が終了してステアリングハ
ンドル7を戻し操作した場合には、前車輪1の操向角度
が下降開始角度(β)に達した時点で連動下降制御によ
って苗植付装置Aを自動的に下降させると共に、前車輪
1が更に直進方向に操作され操向角度(δ)に達した時
点で、切り状態にあるサイドクラッチSCを入り操作し
て自動昇降制御に復帰させる制御を行えるものとなって
おり、この制御を行うか否かの設定は、オートアップス
イッチ52によって作業者が任意に行えるものとなって
いる。
【0043】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2
の実施の形態を図面に基づいて説明する。この第2の実
施の形態は前記第1の実施の形態と同じ機能を有するも
のには第1の実施の形態と共通の番号、符号を付してい
る。この第2実施の形態は前記連動上昇制御ルーチンの
変形例を示すものであり、この連動上昇制御ルーチンで
は図12のフローチャートに示すように、前記第1の実
施の形態と同様に、苗植付装置Aの上昇を開始する直前
までの処理を行うと共に(#101〜#106ステッ
プ)、苗植付装置Aの上昇を開始すると同時にカウンタ
(ソフトウエアで構成される)でのカウントを開始し、
又、この上昇と連係して電動アクチュエータ40を作動
させて旋回内側のサイドクラッチSCを切り操作し、更
に、このカウント値が予め設定されたカウント値に達す
ると(予め設定された時間が経過すると)苗植付装置A
の上昇作動を停止することで苗植付装置Aの圃場面Sか
らあまり離間しない低いレベルに設定するものとなって
いる(#107〜#110ステップ)。尚、この制御の
うち#109、#110ステップで連動上昇制御による
上昇レベルを地面近くに設定する制限手段Rが構成さ
れ、又、#108ステップで連動上昇制御による苗植付
装置A(対地作業装置)の上昇開始と連係して旋回内側
の後車輪2の回転速度を減ずる旋回制御手段Tが構成さ
れている。
【0044】この第2実施の形態では予め設定された時
間だけリフトシリンダ9を上昇駆動することで、苗植付
装置Aを必要する高さまで上昇させるものとなってお
り、この制御は、第1の実施の形態のようにフィードバ
ック信号に基づいて制御を行うものとは異なり、ソフト
ウエアの設定と云う簡単な処理形態の変更だけで自動昇
降制御時のレベルを基準にして、圃場面Sに近い高さに
苗植付装置Aの上昇高さを設定できるものとなってい
る。
【0045】[第3の実施の形態]以下、本発明の第3
の実施の形態を図面に基づいて説明する。この第3の実
施の形態は前記第1の実施の形態と同じ機能を有するも
のには第1の実施の形態と共通の番号、符号を付してい
る。この第3実施の形態ではリンク機構Lの揺動角度か
ら対地作業装置Aの対機体高さを計測する高さセンサと
してポテンショメータ型のリンクセンサLSを備えてお
き、連動上昇制御時には図13のフローチャートに示す
ように、前記第1の実施の形態と同様に、苗植付装置A
の上昇を開始する直前までの処理を行うと共に(#10
1〜#106ステップ)、リンクセンサLSの信号値を
記憶した後に苗植付装置Aの上昇を開始し、又、この上
昇と連係して電動アクチュエータ40を作動させて旋回
内側のサイドクラッチSCを切り操作し、更に、この上
昇時にはリンクセンサLSからの信号を入力してリンク
機構Lが記憶した姿勢を基準にして所定の上昇角度に達
したことが判別されるとリフトシリンダ9の駆動を停止
するものとなっている(#107〜#112ステッ
プ)。尚、この制御のうち#108ステップ、及び、#
110〜#112ステップで連動上昇制御による上昇レ
ベルを地面近くに設定する制限手段Rが構成され、又、
#109ステップで連動上昇制御による苗植付装置A
(対地作業装置)の上昇開始と連係して旋回内側の後車
輪2の回転速度を減ずる旋回制御手段Tが構成されてい
る。
【0046】この第3の実施の形態では、苗植付装置A
の上昇を開始する際には、リンクセンサLSの信号を記
憶するので、リンク機構Lの姿勢に基づいて苗植付装置
Aの上昇高さを設定するものであるに拘わらず、耕盤の
深さに影響を受けず、上昇作動直前の苗植付装置Aの対
機体レベルを基準にした苗植付装置Aの上昇時の高さを
設定することが可能となり、圃場面Sの近くのレベルま
で苗植付装置Aを上昇させて停止させ得るものとなって
いる。
【0047】[第4の実施の形態]以下、本発明の第4
の実施の形態を図面に基づいて説明する。この第4の実
施の形態は前記第1の実施の形態と同じ機能を有するも
のには第1の実施の形態と共通の番号、符号を付してい
る。この第4の実施の形態は、図14に示す如く、中間
軸43から後車軸ケース6に伝えられた動力を差動装置
55(デファレンシャルギヤ)を介して左右の伝動軸5
6、56に伝えるものとなっており、この伝動軸56、
56に対して左右の後車輪2,2を独立して制動するブ
レーキ57、57を備え、この左右のブレーキ57、5
7の操作アーム57A、57A夫々をブレーキペダル1
6の踏み込み操作で制動方向に操作する操作ロッド4
2,42を備え、又、左右の後車輪2、2の回転速度を
計測する回転速度センサ2S、2Sを備えている。
【0048】この第4の実施の形態における連動上昇制
御の制御形態の概要を図15のフローチャートに基づい
て説明する。この制御は、副変速レバー12が「低」位
置にありかつ、前記昇降レバー13が「自動」位置に設
定されている場合には、左右の回転速度センサ2S、2
Sからの信号を入力して左右の後車輪2、2の回転速度
差が設定値以上に達したことを判別した場合には、植付
クラッチPCが入り状態にある場合にのみ植付モータ5
4を駆動して切り操作すると共に、リフトシリンダ9を
駆動して苗植付装置Aの上昇を開始する(#101〜#
107ステップ)。この上昇時にはフロートセンサFS
からの信号を入力して感知フロート24Sの姿勢が上限
角度(γ)に達するとリフトシリンダに9の駆動を停止
するもとなっている。(#108〜#110ステッ
プ)。尚、この制御のうち#104ステップで左右の後
車輪2の速度差を計測する速度差検出手段Uが構成さ
れ、又、#107〜#110ステップで速度差検出手段
Uによって左右の後車輪2の回転速度差が予め設定され
た値以上に達した際に苗植付装置A(対地作業装置)を
上昇させて所定高さに維持する連動上昇手段Vが構成さ
れている。
【0049】このように苗植付装置Aが上昇した状態で
ステアリングハンドル7を直進方向に戻し操作した場合
には、図16のフローチャートに示す連動下降制御が行
われるものとなっている。つまり、この制御では、苗植
付装置Aが上昇状態にある場合に左右の回転速度センサ
2S、2Sからの信号を入力して左右の後車輪2、2の
回転速度差が設定値未満まで低下したことを判別した場
合には、リフトシリンダ9を駆動して苗植付装置Aの下
降を開始すると共に(#201〜#204ステップ)、
このように下降が開始されると、フロートセンサFSか
らの信号を入力して感知フロート24Sの姿勢が自動昇
降制御可能な姿勢まで復帰したことを判別した後に自動
昇降制御に復帰させるものとなっている(#205〜#
208ステップ)。尚、この制御においても、苗植付装
置Aが下降して自動昇降制御状態に以降した後に強制昇
降レバー14を下げ位置「DW」に操作した場合には植
付モータ54を駆動して植付クラッチPCを入り操作す
る制御が行われる。尚、この制御のうち#203ステッ
プで左右の後車輪2の速度差を計測する速度差検出手段
Uが構成され、又、#204ステップで速度差検出手段
Uによって左右の後車輪2の回転速度差が予め設定され
た値未満まで低下したことを判別すると苗植付装置A
(対地作業装置)を下降させる連動下降手段Wが構成さ
れている。
【0050】特に、この第4の実施の形態の図15のフ
ローチャートに示した上昇制御ルーチンの#107〜#
110ステップで構成される連動上昇手段Vと、図16
のフローチャートに示した下降制御ルーチンの#204
ステップで構成される連動下降手段Wとを併せて、速度
差検出手段Uにより左右の後車輪2の回転速度差が設定
された値以上に達したことを判別すると、苗植付装置A
(対地作業装置)を上昇させ、かつ、この速度差検出手
段によって左右の後車輪2の回転速度差が設定された値
未満まで低下したことを判別すると、上昇状態の苗植付
装置Aを下降させて自動昇降制御に復帰させる連動昇降
手段Xが構成されている。
【0051】この第4の実施の形態では苗植付作業を行
い、作業時に走行機体3が畦に接近して走行機体3を旋
回させる場合には、前車輪1の操向操作に伴って左右の
後車輪角2、2の回転速度に差が発生することを利用し
て、旋回操作があったことを判別するものとなってお
り、旋回操作が行われていることを判別した場合には、
苗植付装置Aを自動的に上昇させると共に、該苗植付装
置Aが圃場面Sから少し上昇したレベルで上昇作動を停
止させることで、苗植付装置Aの昇降に要する時間を短
縮させるものとなっている。そして、旋回が終了してス
テアリングハンドル7を戻し操作した場合には、前述と
は逆に左右の後車輪2、2の回転速度差が小さくなるの
で、この回転速度差が設定値未満まで低下した時点で苗
植付装置の下降制御を行い、自動昇降制御に復帰させる
ものとなっている。
【0052】尚、この第4の実施の形態では第1の実施
の形態と同様に左右の後車輪2、2に対する動力を遮断
するサイドクラッチや、後車輪2、2に対する動力を遮
断した状態で、その動力遮断状態の後車輪2に対して制
動力を作用させるサイドクラッチブレーキを左右のもの
を独立して人為的に操作できるよう備えて実施すること
も可能であり、このサイドクラッチや、サイドクラッチ
ブレーキを備えたものでは、走行機体の旋回時に旋回内
側のサイドクラッチを切る操作や、サイドクラッチブレ
ーキを制動する操作によって旋回内側の後車輪2の回転
速度が低下する現象を捉えて苗植付装置Aを上昇させる
制御開始するよう構成することが可能であり、又、これ
と同様に走行機体の旋回終了時に旋回内側のサイドクラ
ッチの入り操作への復帰や、サイドクラッチブレーキの
制動を解除する操作によって左右の後車輪2、2の回転
速度差が小さくなる現象を捉えて苗植付装置Aを下降さ
せる制御開始するよう構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の全体側面図
【図2】田植機前部の平面図
【図3】昇降レバーの操作経路を示す平面図
【図4】主変速レバーと強制昇降レバーとの操作域を示
す側面図
【図5】副変速レバーの操作経路を示す平面図
【図6】感知フロートとフロートセンサとの連係とフロ
ートの前部が接地した状態とを示す側面図
【図7】前車輪の操向角度を示す平面図
【図8】前後車輪の操向操作系を示す平面図
【図9】制御系のブロック回路図
【図10】連動上昇制御ルーチンのフローチャート
【図11】連動下降制御ルーチンのフローチャート
【図12】第2の実施の形態の連動上昇制御ルーチンの
フローチャート
【図13】第3の実施の形態の連動上昇制御ルーチンの
フローチャート
【図14】第4の実施の形態の前後車輪の操向操作系を
示す平面図
【図15】第4の実施の形態の連動上昇制御ルーチンの
フローチャート
【図16】第4の実施の形態の連動下降制御ルーチンの
フローチャート
【符号の説明】
1 前車輪 2 後車輪 3 走行機体 9 アクチュエータ 24S 接地フロート 45 伝動軸 47 制御装置 A 対地作業装置 LS 高さセンサ R 制限手段 T 旋回制御手段 U 速度差検出手段 V 上昇連動手段 W 連動下降手段 X 連動昇降手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向操作型の左右の前車輪と非操向操作
    型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュ
    エータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共
    に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接
    地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇
    降制御を行う制御装置を備えた水田作業機であって、 前記自動昇降制御状態において前車輪の旋回方向への操
    作と連動して対地作業装置を上昇させる連動上昇制御を
    行うよう前記制御装置の制御形態が設定され、この連動
    上昇制御による上昇レベルを地面近くに設定する制限手
    段を備えている水田作業機。
  2. 【請求項2】 前記制限手段が、前記連動上昇制御の開
    始後に前記接地フロートが所定の姿勢に達した際に上昇
    作動を停止するよう制御形態が設定されている請求項1
    記載の水田作業機。
  3. 【請求項3】 前記制限手段が、前記連動上昇制御時に
    前記アクチュエータを設定時間だけ駆動するよう制御形
    態が設定されている請求項1記載の水田作業機。
  4. 【請求項4】 前記対地作業装置の対機体高さを計測す
    る高さセンサを備えると共に、前記制限手段は前記連動
    上昇制御時の開始後に、前記高さセンサで計測される高
    さが、前記自動昇降制御時における対地作業装置の対機
    体高さを基準に所定の高さに達した際に、上昇作動を停
    止するよう制御形態が設定されている請求項1記載の水
    田作業機。
  5. 【請求項5】 左右の後車輪のうち、一方の回転速度を
    減ずる回転抑制機構を備えると共に、前記連動上昇制御
    による対地作業装置の上昇開始と連係して旋回内側の回
    転抑制機構によって後車輪の回転速度を減ずる旋回制御
    手段を備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    水田作業機。
  6. 【請求項6】 前記回転抑制機構が、左右の後車輪に動
    力を伝える伝動軸の動力の伝動と遮断との一方を選択す
    るクラッチ、あるいは、左右の後車輪に動力を伝える伝
    動軸の動力の伝動と遮断との一方を選択し、かつ、伝動
    の遮断時に制動力を作用させるクラッチブレーキ、ある
    いは、左右の後車輪に動力を伝える伝動軸に制動力を作
    用させるブレーキで構成されている請求項5記載の水田
    作業機。
  7. 【請求項7】 操向操作型の左右の前車輪と非操向操作
    型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュ
    エータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共
    に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接
    地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇
    降制御を行う制御装置を備えた水田作業機であって、 前記左右の後車輪の速度差を計測する速度差検出手段を
    備え、前記自動昇降制御時において、この速度差検出手
    段によって左右の後車輪の回転速度差が予め設定された
    値以上に達したことを判別すると、対地作業装置を上昇
    させて所定高さに維持する連動上昇手段を備えている水
    田作業機。
  8. 【請求項8】 操向操作型の左右の前車輪と非操向操作
    型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュ
    エータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共
    に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接
    地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇
    降制御を行う制御装置を備えた水田作業機であって、 前記左右の後車輪の速度差を計測する速度差検出手段を
    備え、対地作業装置が上昇状態にある場合において、こ
    の速度差検出手段によって左右の後車輪の回転速度差が
    予め設定された値未満まで低下したことを判別すると、
    対地作業装置を下降させる連動下降手段を備えている水
    田作業機。
  9. 【請求項9】 操向操作型の左右の前車輪と非操向操作
    型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュ
    エータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共
    に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接
    地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇
    降制御を行う制御装置を備えた水田作業機であって、 前記左右の後車輪の速度差を計測する速度差検出手段を
    備え、前記自動昇降制御時において、この速度差検出手
    段によって左右の後車輪の回転速度差が設定された値以
    上に達したことを判別すると、対地作業装置を上昇さ
    せ、かつ、この速度差検出手段によって左右の後車輪の
    回転速度差が設定された値未満まで低下したことを判別
    すると、上昇状態の対地作業装置を下降させて自動昇降
    制御に復帰させる連動昇降手段を備えている水田作業
    機。
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Cited By (5)

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JP2012191889A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Iseki & Co Ltd 苗移植機
JP2013031464A (ja) * 2012-11-19 2013-02-14 Iseki & Co Ltd 乗用型作業機
JP2013201942A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd 乗用移植機
JP2015023869A (ja) * 2014-09-29 2015-02-05 井関農機株式会社 乗用型苗移植機
JP2017113023A (ja) * 2017-02-24 2017-06-29 井関農機株式会社 苗移植機

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