JP2001086817A - 水田作業機 - Google Patents

水田作業機

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JP2001086817A
JP2001086817A JP26751399A JP26751399A JP2001086817A JP 2001086817 A JP2001086817 A JP 2001086817A JP 26751399 A JP26751399 A JP 26751399A JP 26751399 A JP26751399 A JP 26751399A JP 2001086817 A JP2001086817 A JP 2001086817A
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operated
turning
predetermined height
seedling planting
working
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JP26751399A
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English (en)
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Tomio Tanaka
富穂 田中
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Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業装置を駆動機構により昇降駆動自在に機
体に備えた水田作業機において、旋回時に作業装置が適
切な高さに上昇駆動されるように構成する。 【解決手段】 機体が直進状態から旋回状態に移行する
と、駆動機構7により作業装置6を所定高さに上昇駆動
する自動上昇手段を備え、所定高さを変更する変更手段
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗用型田植機や乗用
型直播機等のように、作業装置を昇降自在に機体に備
え、作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えた水田作業
機に関する。
【0002】
【従来の技術】水田作業機の一例である乗用型田植機で
は、一回の植付行程が終了して機体が畦際に達すると、
操縦者は昇降レバーを上昇位置に操作して田面に位置す
る苗植付装置(作業装置の一例)を上昇させ、操縦ハン
ドルを右又は左に操作して機体を畦際で旋回させる。畦
際での旋回が終了すると、操縦者は操縦ハンドルを直進
位置に戻し操作して、昇降レバーを下降位置に操作し上
昇状態の苗植付装置を田面まで下降させて次の植付行程
に入る。この場合、例えば特開平11−196628号
公報に開示されているように、前輪が直進位置側から右
又は左に操向操作されて畦際での旋回が開始されると、
苗植付装置が自動的に上限位置まで上昇駆動されるよう
に構成して、畦際での旋回時の操作が楽なものになるよ
うに構成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】畦の状態は水田によっ
て各々異なるものとなっており、畦が低かったり高かっ
たりすることがある。これにより、従来の技術に記載の
構成のように、畦際での旋回が開始されると、田面に位
置する苗植付装置が自動的に上限位置まで上昇駆動され
るように構成していれば、畦が比較的高い場合に苗植付
装置と畦との接触を避けると言う面で有効である。しか
し、畦際での旋回が終了した際、上限位置の苗植付装置
を田面まで下降駆動する状態になるので、少し時間が掛
かるものとなって、次の植付行程に入るのが少し遅れて
しまうようなことがある。本発明は作業装置を駆動機構
により昇降駆動自在に機体に備えた水田作業機におい
て、旋回時に作業装置が適切に上昇駆動されるように構
成することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】[I]請求項1の特徴に
よれば、機体が直進状態から旋回状態に移行すると、駆
動機構により作業装置を所定高さに上昇駆動する自動上
昇手段を備えており、自動上昇手段によって上昇駆動さ
れる作業装置の所定高さを変更することができる。従っ
て、比較的高い障害物の近くで旋回を行う場合(例えば
乗用型田植機において畦際での旋回を行う際、畦が比較
的高い場合)、所定高さを高いものに設定すればよい。
これにより、機体が直進状態から旋回状態に移行する
と、駆動機構により作業装置が高い所定高さに自動的に
上昇駆動されるのであり、障害物と作業装置との接触を
避けながら旋回を行うことができる。
【0005】逆に比較的低い障害物の近くで旋回を行う
場合(例えば乗用型田植機において畦際での旋回を行う
際、畦が比較的低い場合)、所定高さを低いものに設定
すればよい。これにより、機体が直進状態から旋回状態
に移行すると、駆動機構により作業装置が低い所定高さ
に自動的に上昇駆動されるので、旋回が終了してから作
業装置を下降駆動する際、低い所定高さからあまり時間
が掛からずに作業装置を田面まで下降駆動することがで
きて、次の作業行程に遅れることなく入ることができ
る。
【0006】[II]請求項2の特徴によると、請求項
1の場合と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えて
おり、これに加えて以下のような「作用」を備えてい
る。請求項2の特徴によると、自動上昇手段によって上
昇駆動される作業装置の所定高さを、田面近くの最低位
置及び最低位置から所定高さだけ上方の最上位置の間で
変更することができる。これにより、所定高さを田面近
くの最低位置に設定すれば、機体が直進状態から旋回状
態に移行すると、駆動機構により作業装置が田面近くの
最低位置(所定高さ)に自動的に上昇駆動されるので、
この状態で旋回を行うと、田面近くの最低位置に位置す
る作業装置によって、田面が均されることが期待できる
(例えば乗用型田植機では、苗植付装置のフロートによ
って田面が均されることが期待できる)。
【0007】[III]請求項3の特徴によると、請求
項1又は2の場合と同様に前項[I][II]に記載の
「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作
用」を備えている。請求項3の特徴によると、自動上昇
手段を作動状態と停止状態とに人為的に設定自在な作動
設定手段を備えている。従って、例えば作業装置を田面
に接地させた状態(例えば乗用型田植機において苗植付
装置のフロートを接地させた状態)で、自動上昇手段を
停止状態として機体が直進状態から旋回状態に移行する
と、作業装置は上昇駆動されずに田面に接地した状態の
ままで旋回が行われる。これにより、田面に接地した作
業装置によって田面が均される(例えば乗用型田植機で
は、苗植付装置のフロートによって田面が均される)。
【0008】
【発明の実施の形態】[1]図1に示すように、右及び
左に操向操作自在な前輪1及び後輪2で支持された機体
に、エンジン3及び運転部4が備えられ、機体の後部に
平行4連式のリンク機構5を介して苗植付装置6が昇降
自在に連結され、リンク機構5を昇降駆動する単動型の
油圧シリンダ7が備えられて、水田作業機の一例である
乗用型田植機が構成されている。
【0009】図1に示すように苗植付装置6は、所定の
ストロークで往復横送り駆動される苗のせ台8、植付伝
動ケース9、植付伝動ケース9の後部で回転駆動される
回転ケース10、回転ケース10に支持された一対の植
付爪11、及び複数のフロート12等を備えて構成され
ており、回転ケース10の回転によって、植付爪11が
苗のせ台8の下部から交互に苗を取り出して田面Gに植
え付けるように構成されている。
【0010】[2]図2に示すように全てのフロート1
2において、フロート12の後部が横軸芯P1周りに上
下に揺動自在に支持され、フロート12を下降側に付勢
するバネ32が備えられており、フロート12の下方の
揺動限度及び上方の揺動限度が、ストッパー(図示せ
ず)によって決められている。
【0011】図2に示すように左右中央のフロート12
において、苗植付装置6に対するフロート12の前部の
位置を検出するポテンショメータ14が備えられてお
り、ポテンショメータ14の検出値が、田面Gから苗植
付装置6までの高さの検出値として制御装置15に入力
されている。油圧シリンダ7に作動油を給排操作して上
昇側及び下降側に作動させる電磁操作式の制御弁13が
備えられており、制御装置15によって制御弁13が操
作されるように構成されている。
【0012】フロート12が田面Gに接地追従する状態
で田面Gに対して苗植付装置6が上下動すると、ポテン
ショメータ14の検出値が変化するので、ポテンショメ
ータ14の検出値に基づいて、制御装置15によって制
御弁13が自動的に操作され油圧シリンダ7が伸縮作動
して、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持さ
れるように、苗植付装置6が自動的に昇降駆動される
(自動昇降制御)。これにより、苗植付装置6が田面G
から設定高さに維持されて、植付爪11による苗の植付
深さが設定値に維持される。
【0013】図2及び図1に示すように、機体に対する
リンク機構5の上下角度を検出する角度センサー24が
備えられ、角度センサー24の検出値が制御装置15に
入力されるように構成されており、角度センサー24の
検出値に基づいて、機体に対する苗植付装置6の高さを
検出するように構成されている。
【0014】[3]エンジン3の動力が、前進側及び後
進側に無段階に変速自在な静油圧式無段変速装置(図示
せず)、湿式多板型式の主クラッチ(図示せず)、高速
位置H(路上走行時の位置)及び低速位置L(植付作業
時の位置)に変速自在なギヤ変速型式の副変速装置(図
示せず)を介して、前輪1及び後輪2に伝達されるよう
に構成されており、図2に示すように主クラッチからの
動力が植付クラッチ16を介して苗植付装置6に伝達さ
れるように構成されている。植付クラッチ16を伝動側
及び伝動遮断側に操作するモータ17が備えられ、制御
装置15によってモータ17が操作されるように構成さ
れている。
【0015】図2及び図1に示すように、操縦ハンドル
18によって右及び左に揺動操作されるピットマンアー
ム29と右及び左の前輪1とが、タイロッド30によっ
て接続されて、操縦ハンドル18により前輪1が右及び
左に操向操作自在に構成されており、操縦ハンドル18
及び運転席19が運転部4に備えられている。直進位置
Aに対するピットマンアーム29の角度を検出する角度
センサー31が備えられ、角度センサー31の検出値が
制御装置15に入力されている。
【0016】図2及び図1に示すように、静油圧式無段
変速装置を前進側及び後進側、中立位置に操作自在な主
変速レバー21が、操縦ハンドル18の左側に備えられ
ている。副変速装置を高速位置H及び低速位置Lに操作
する副変速レバー23が、運転席19の左側に備えられ
ており、副変速レバー23が低速位置Lに操作されたこ
とを検出する低速センサー25が備えられ、低速センサ
ー25の検出信号が制御装置15に入力されるように構
成されている。踏み操作することにより主クラッチを伝
動遮断側に操作するクラッチペダル26が備えられてお
り、クラッチペダル26が踏み操作されたことを検出す
るクラッチセンサー27が備えられ、クラッチセンサー
27の検出信号が制御装置15に入力されるように構成
されている。
【0017】図2及び図1に示すように、運転席19の
右側に第1昇降レバー28が備えられており、第1昇降
レバー28は上昇位置、中立位置、下降位置、植付位置
及び自動位置に操作自在に構成されている。第1昇降レ
バー28を操作してから手を離しても第1昇降レバー2
8はその位置から移動しないように構成されており、第
1昇降レバー28の操作位置が制御装置15に入力され
ている。
【0018】図2及び図1に示すように、中立位置N、
中立位置Nから上方向の上昇位置U及び中立位置Nから
下方向の下降位置Dに操作自在な第2昇降レバー20
が、操縦ハンドル18の右下側に備えられており、第2
昇降レバー20の操作位置が制御装置15に入力されて
いる。第2昇降レバー20は中立位置Nに付勢されてお
り、上昇位置U及び下降位置Dに操作した状態で、第2
昇降レバー20から手を離すと、第2昇降レバー20は
自動的に中立位置Nに戻る。
【0019】[4]次に、第1昇降レバー28を上昇位
置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作した場合に
ついて、図3及び図2に基づいて説明する。第1昇降レ
バー28を上昇位置に操作すると(ステップS1)、モ
ータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作さ
れ(ステップS2)、制御弁13が上昇位置に操作され
て(ステップS3)、油圧シリンダ7により苗植付装置
6が上昇駆動される。この場合、リンク機構5が機械的
にこれ以上上昇できない上限位置に達したことが角度セ
ンサー24によって検出されると(ステップS4)、制
御弁13が中立位置に操作されて油圧シリンダ7が停止
し(ステップS6)、苗植付装置6が上限位置で自動的
に停止する。
【0020】第1昇降レバー28を中立位置に操作する
と(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ1
6が伝動遮断側に操作され(ステップS5)、制御弁1
3が中立位置に操作されて(ステップS6)、油圧シリ
ンダ7及び苗植付装置6がその位置で停止する。
【0021】第1昇降レバー28を下降位置に操作する
と(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ1
6が伝動遮断側に操作されて(ステップS7)、前項
[2]に記載の自動昇降制御が作動する(ステップS
8)。この場合、フロート12が田面Gから離れた上方
に位置して垂れ下がる状態になっていると、田面Gから
苗植付装置6までの高さの検出値が高すぎると判断さ
れ、制御弁13が下降位置に操作されて、油圧シリンダ
7により苗植付装置6が下降駆動されるのであり、苗植
付装置6が見掛け上、連続的に下降する状態となる。こ
の後、フロート12が田面Gに接地すると、ポテンショ
メータ14の検出値が設定値に維持されるように、制御
弁13が自動的に操作されるので、苗植付装置6が見掛
け上、田面Gで停止した状態となる。
【0022】第1昇降レバー28を植付位置に操作する
と(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ1
6が伝動側に操作されて(ステップS9)、前項[2]
に記載の自動昇降制御が作動する(ステップS10)。
これにより、ポテンショメータ14の検出値が設定値に
維持されるように、制御弁13が自動的に操作され油圧
シリンダ7が伸縮作動して、苗植付装置6が田面Gから
設定高さに維持されるのであり、苗の植付深さが設定値
に維持されながら、植付爪11が苗の植え付けを行う植
付作業が行われる。
【0023】以上のように、第1昇降レバー28を上昇
位置、中立位置及び下降位置に操作することによって、
リンク機構5の上限位置と田面Gとの範囲で、苗植付装
置6を任意の高さに昇降駆動して停止させることができ
るのであり、第1昇降レバー28を植付位置に操作する
ことによって、苗の植付深さが設定値に維持されながら
植付作業が行われる。
【0024】[5]次に、第1昇降レバー28を自動位
置に操作した状態で、第2昇降レバー20を操作した場
合について、図4及び図2に基づいて説明する。第1昇
降レバー28を自動位置に操作した状態において(ステ
ップS1)、例えば苗植付装置6が田面Gから設定高さ
に維持されるように自動的に昇降駆動され(自動昇降制
御の作動)、植付クラッチ16が伝動側に操作された植
付作業の状態で(後述するステップS21,S22,S
23,S24)、第2昇降レバー20を上昇位置Uに操
作すると(ステップS11,S12,13)、モータ1
7により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され(ス
テップS14)、自動昇降制御が停止し制御弁13が上
昇位置に操作されて(ステップS15)、油圧シリンダ
7により苗植付装置6が上昇駆動される。この場合、第
2昇降レバー20を上昇位置Uに保持していても、第2
昇降レバー20を上昇位置Uに操作してから中立位置N
に操作しても、苗植付装置6の上昇駆動は続行される。
【0025】リンク機構5が上限位置に達したことが角
度センサー24によって検出されると(ステップS16
(M=1),S17)、制御弁13が中立位置に操作さ
れて油圧シリンダ7が停止し(ステップS18)、苗植
付装置6が上限位置で自動的に停止する。このように、
第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作することによ
り、モータ17により植付クラッチ16を伝動遮断側に
操作して、苗植付装置6を上限位置まで一気に上昇させ
ることができる。
【0026】次に苗植付装置6が上昇した状態で第2昇
降レバー20を下降位置Dに操作すると(ステップS1
1,S21(N=1))、前項[4]及び図3のステッ
プS8と同様に、植付クラッチ16が伝動遮断側に操作
された状態で、自動昇降制御が作動する(ステップS2
2,S23)。自動昇降制御が作動した状態で、苗植付
装置6が見掛け上、連続的に下降する状態となり、フロ
ート12が田面Gに接地すると、苗植付装置6が見掛け
上、田面Gで停止した状態となる。この場合、第2昇降
レバー20を下降位置Dに保持しても、第2昇降レバー
20を下降位置Dに操作してから中立位置Nに操作して
も、苗植付装置6の下降は続行される。このように第2
昇降レバー20を下降位置Dに操作することにより、フ
ロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6を一気
に下降させることができる。
【0027】前述のように苗植付装置6が下降した状態
(自動昇降制御が作動した状態)において、第2昇降レ
バー20を中立位置Nに操作してから再び下降位置Dに
操作すると(ステップS11,S21(N=2))、モ
ータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作されて
(ステップS24)、前項[4]及び図3のステップS
9,S10と同様に植付作業が開始される。
【0028】図4のステップS15,S16(M=1)
において、苗植付装置6の上昇中で苗植付装置6が上限
位置に達する前に、第2昇降レバー20を下降位置Dに
操作すると(ステップS17,S20)、ステップS2
2,S23に移行して、苗植付装置6の上昇駆動が中止
されて苗植付装置6が下降駆動される(自動昇降制御の
作動)。逆に図4のステップS23において、苗植付装
置6の下降中でフロート12が田面Gに達する前に、第
2昇降レバー20を上昇位置Uに操作すると(ステップ
S11)、ステップS12,S13,S14,S15に
移行して、苗植付装置6の下降駆動が中止されて苗植付
装置6が上昇駆動される。
【0029】[6]次に、第1昇降レバー28を自動位
置に操作した状態で、畦際での旋回を行った場合につい
て、図4及び図2に基づいて説明する。図2に示すよう
に、ピットマンアーム29の直進位置Aと右及び左の操
向限度Bとの間において、右及び左の第1設定角度A
1、右及び左の第2設定角度A2が設定されており、直
進位置Aと右の第1設定角度A1との間の角度(直進位
置Aと左の第1設定角度A1との間の角度)C1が大き
なものに設定され、右の操向限度Bと右の第2設定角度
A2との間の角度(左の操向限度Bと左の第2設定角度
A2との間の角度)C2が小さなものに設定されてい
る。
【0030】図2に示すように、後述する所定高さを複
数段に亘って人為的に設定するダイヤル操作式の設定ス
イッチ22が備えられており、設定スイッチ22により
所定高さを、最上位置及び最低位置、最上位置と最低位
置との間の複数段の中間位置に設定することができる。
この場合、最上位置はリンク機構5が機械的にこれ以上
上昇できない上限位置と同じ位置であり、フロート12
が田面Gに接地した状態から苗植付装置6が上昇駆動さ
れた際、フロート12が下方の揺動限度に達した状態で
の苗植付装置6(リンク機構5)の位置が、最低位置で
ある。
【0031】例えば苗植付装置6が田面Gから設定高さ
に維持されるように自動的に昇降駆動され(自動昇降制
御の作動)、植付クラッチ16が伝動側に操作された植
付作業の状態において(ステップS21,S22,S2
3,S24)、一回の植付行程が終了して機体が畦際に
達した場合、操縦者により操縦ハンドル18が操作さ
れ、ピットマンアーム29が直進位置A側から右(左)
に揺動操作されて、右(左)の第1設定角度A1に達す
ると(図2の矢印参照)、機体が畦際に達して畦際での
旋回が開始されたと判断される(ステップS27)。こ
れにより、ステップS28,S29,S13,S14,
S15に移行して、ブザー(図示せず)が作動し、モー
タ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作さ
れ、苗植付装置6が上昇駆動され始める。
【0032】この場合、操縦者が事前に設定スイッチ2
2を操作して所望の所定高さを設定しておくのであり、
前述のようにして苗植付装置6が上昇駆動され始めて
(ステップS15)、リンク機構5が所定高さに達した
ことが角度センサー24によって検出されると(ステッ
プS16(M=2),S19)、制御弁13が中立位置
に操作されて油圧シリンダ7が停止し(ステップS1
8)、苗植付装置6が所定高さで自動的に停止する。
【0033】前述のように設定スイッチ22によって設
定される最低位置(所定高さ)は、フロート12が田面
Gに接地した状態から苗植付装置6が上昇駆動された
際、フロート12が下方の揺動限度に達した状態での苗
植付装置6(リンク機構5)の位置である。従って、設
定スイッチ22によって所定高さを最低位置に設定して
おくと、畦際での旋回が開始された際(ステップS2
7)、苗植付装置6が前述の最低位置(所定高さ)に上
昇駆動された状態で(ステップS28,S29,S13
〜S19)、畦際での旋回が行われる。これによって、
下方の揺動限度に達したフロート12の前部が田面Gに
接地するか又は田面Gから僅かに浮いた状態で、畦際で
の旋回が行われるのであり、フロート12の前部によっ
て畦際の田面Gの整地が行われる。
【0034】前述の状態に対して、第1昇降レバー28
を自動位置に操作せずに下降位置に操作した状態(前項
[4]及び図3のステップS7,S8参照)で、畦際で
の旋回が開始されても、苗植付装置6は上昇駆動されず
に自動昇降制御が作動した状態(フロート12の底面の
略全てが接地した状態で、苗植付装置6が見掛け上、田
面Gで停止した状態)で、畦際での旋回が行われる。こ
れにより、フロート12の底面の略全てが接地した状態
で、畦際での旋回が行われて、フロート12によって畦
際の田面Gの整地が行われる。
【0035】乗用型田植機では一般に、ピットマンアー
ム29が直進位置A側から右(左)の操向限度Bに揺動
操作されて、畦際での旋回が行われる(図2の矢印参
照)。畦際での旋回が終了して、操縦者により操縦ハン
ドル18が操作され、ピットマンアーム29が右(左)
の操向限度B側から、右(左)の第2設定位置A2に達
すると(図2の矢印参照)、畦際での旋回が終了したと
判断される(ステップS30)。これにより、ステップ
S31,S22,S23に移行して、ブザー(図示せ
ず)が作動し、苗植付装置6が下降駆動される(自動昇
降制御の作動)。この後、第2昇降レバー20を中立位
置Nに操作してから再び下降位置Dに操作すると(ステ
ップS11,S21(N=2))、モータ17により植
付クラッチ16が伝動側に操作され(ステップS2
4)、前項[4]及び図3のステップS9,S10と同
様に植付作業が開始されて次の植付行程に入る。
【0036】図4のステップS15,S16(M=2)
において、苗植付装置6の上昇中で苗植付装置6が所定
高さに達する前に、第2昇降レバー20を下降位置Dに
操作すると(ステップS19,S20)、ステップS2
2,S23に移行して、苗植付装置6の上昇駆動が中止
されて苗植付装置6が下降駆動される(自動昇降制御の
作動)。同様に苗植付装置6が所定高さに達して停止し
てから、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作すると
(ステップS11,S21(N=1))、ステップS2
2,S23に移行して、苗植付装置6が下降駆動される
(自動昇降制御の作動)。図4のステップS23におい
て、苗植付装置6の下降中でフロート12が田面Gに達
する前に、第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作する
と(ステップS11)、ステップS12,S13,S1
4,S15に移行して、苗植付装置6の下降駆動が中止
されて苗植付装置6が上昇駆動される。
【0037】クラッチペダル26が踏み操作されて主ク
ラッチが伝動遮断側に操作されているか(ステップS2
5)、又は副変速レバー23が高速位置Hに操作されて
いると(ステップS26)、ピットマンアーム29が直
進位置A側から右(左)に揺動操作されて右(左)の第
1設定角度A1に達しても、ステップS28,S29,
S13,S14,S15に移行しない。同様に、ピット
マンアーム29が右(左)の操向限度B側から右(左)
に揺動操作されて右(左)の第2設定角度A2に達して
も、ステップS31,S22,S23に移行しない。言
い換えると、主クラッチが伝動側に操作され且つ副変速
レバー23が低速位置Lに操作された状態で、ピットマ
ンアーム29が直進位置A側から右(左)に揺動操作さ
れて右(左)の第1設定角度A1に達すると、ステップ
S28,S29,S13,S14,S15に移行するの
であり、ピットマンアーム29が右(左)の操向限度B
側から右(左)に揺動操作されて右(左)の第2設定角
度A2に達すると、ステップS31,S22,S23に
移行する。
【0038】[発明の実施の第1別形態]図4のステッ
プS15,S16(M=2),S19において、設定ス
イッチ22によって設定された所定高さに苗植付装置6
が上昇駆動される構成に代えて、図5に示すように構成
してもよい。畦際での旋回が開始されて、ブザー(図示
せず)が作動し、モータ17により植付クラッチ16が
伝動遮断側に操作され、苗植付装置6が上昇駆動され始
めたとする(図4のステップS27,S28,S29,
S13,S14,S15)。この状態において、事前に
設定スイッチ22により最低位置以外の位置が所定高さ
として設定されていれば(ステップS41)、苗植付装
置6が最低位置まで上昇駆動されると、苗植付装置6が
最低位置で停止する(ステップS42,S43)。
【0039】次に苗植付装置6が最低位置で停止した状
態で設定時間T1が経過すると(ステップS44,S4
5)、制御弁13が再び上昇位置に操作されて、苗植付
装置6が最低位置から上昇駆動され始めて(ステップS
46)、設定スイッチ22によって設定された所定高さ
に苗植付装置6が達すると(ステップS47)、図4の
ステップS18に移行し、制御弁13が中立位置に操作
されて、苗植付装置6が所定高さで停止する。
【0040】図5のステップS41において、設定スイ
ッチ22により最低位置が所定高さとして設定されてい
ると、ステップS41からステップS47に移行して、
畦際での旋回時に苗植付装置6が、最低位置(所定高
さ)に上昇駆動されるだけとなる。ステップS41〜S
47において、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作
すると、図4のステップS22,S23に移行して、苗
植付装置6が下降駆動される(自動昇降制御の作動)。
【0041】[発明の実施の第2別形態]直進位置Aに
対するピットマンアーム29の角度を検出する角度セン
サー31を備える構成に代えて、デフ装置を介して右及
び左の後輪2に動力を伝達する構成において、右及び左
の後輪2の回転数を各々独立に検出する右の回転数セン
サー(図示せず)及び左の回転数センサー(図示せず)
を備え、右及び左の回転数センサーの検出値の差によっ
て、畦際での旋回の開始及び旋回の終了を検出するよう
に構成してもよい(直進状態では、右及び左の回転数セ
ンサーの検出値の差は零に近く、旋回半径が小さくなる
ほど、右及び左の回転数センサーの検出値の差は大きく
なる)。
【0042】図4及び図5に示す構成において、設定ス
イッチ22で設定される最上位置(所定高さ)を上限位
置と同じ位置に設定するのではなく、最上位置(所定高
さ)を上限位置よりも低い位置に設定しておいてもよ
い。第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作した場合
に、苗植付装置6が上限位置まで上昇駆動されるのでは
なく、設定スイッチ22で設定される所定高さに上昇駆
動されるように構成してもよい。設定スイッチ22によ
って、所定高さを最低位置と最上位置との間で無段階に
設定できるように構成してもよい。
【0043】本発明は乗用型田植機ばかりではなく、機
体の後部に直播装置(作業装置)を昇降自在に備えた乗
用型直播機や、機体の後部にロータリ耕耘装置(作業装
置)を昇降自在に備えた農用トラクタにも適用できる。
農用トラクタの場合、図4のステップS15において作
業装置が上昇駆動される際、ステップS14を削除して
作業装置の作業クラッチが伝動側に残されるように構成
してもよい(作業装置の作業クラッチが伝動遮断側に操
作されないように構成してもよい)。このように構成す
ると、図4のステップS21,24は不要になる。
【0044】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、水田作業機に
おいて機体が直進状態から旋回状態に移行すると、駆動
機構により作業装置を所定高さに上昇駆動する自動上昇
手段を備えた場合、所定高さを変更自在に構成すること
により、高い障害物の場合には所定高さを高いものに設
定して、作業装置との接触を避けながらの旋回を行い、
低い障害物の場合には所定高さを低いものに設定して、
次の作業行程に遅れることなく入ることができるように
なって、水田作業機の作業性を向上させることができ
た。
【0045】請求項2の特徴によると、請求項1の場合
と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えてお
り、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の
効果」を備えている。請求項2の特徴によると、自動上
昇手段によって上昇駆動される作業装置の所定高さを、
田面近くの最低位置及び最低位置から所定高さだけ上方
の最上位置の間で変更することができるように構成する
ことにより、作業装置が田面近くの最低位置(所定高
さ)に上昇駆動された状態で旋回を行って、田面近くの
最低位置に位置する作業装置により田面を均すことが可
能になって、水田作業機の作業性をさらに向上させるこ
とができた。
【0046】請求項3の特徴によると、請求項1又は2
の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」
を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のよう
な「発明の効果」を備えている。請求項3の特徴による
と、自動上昇手段を作動状態と停止状態とに人為的に設
定自在に構成することによって、例えば作業装置を田面
に接地させた状態で、旋回することが可能になり、田面
を良く均すことが可能になって、水田作業機の作業性を
さらに向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】制御系の関係を示す図
【図3】制御の前半の流れを示す図
【図4】制御の後半の流れを示す図
【図5】発明の実施の第1別形態における制御の流れを
示す図
【符号の説明】
6 作業装置 7 駆動機構 22 設定手段 G 田面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業装置を昇降自在に機体に備え、前記
    作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えて、 機体が直進状態から旋回状態に移行することを検出する
    旋回移行検出手段と、前記旋回移行検出手段の検出に基
    づいて前記駆動機構により前記作業装置を所定高さに上
    昇駆動する自動上昇手段とを備えると共に、 前記所定高さを変更する変更手段を備えてある水田作業
    機。
  2. 【請求項2】 作業装置を昇降自在に機体に備え、前記
    作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えて、 機体が直進状態から旋回状態に移行することを検出する
    旋回移行検出手段と、前記旋回移行検出手段の検出に基
    づいて前記駆動機構により前記作業装置を所定高さに上
    昇駆動する自動上昇手段とを備えると共に、 田面近くの最低位置及び前記最低位置から所定高さだけ
    上方の最上位置の間で、前記所定高さを変更する変更手
    段を備えてある水田作業機。
  3. 【請求項3】 前記自動上昇手段を作動状態と停止状態
    とに人為的に設定自在な作動設定手段を備えてある請求
    項1又は2水田作業機。
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