JP2013123383A - 苗移植機 - Google Patents

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享 福井
Michinori Seike
清家  理伯
Makoto Yamaguchi
信 山口
Hikari Osano
光 小佐野
Naoki Hotta
直岐 堀田
Manabu Takahashi
学 高橋
Takayuki Fujishiro
孝行 藤代
Hideki Yamashita
英希 山下
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Abstract

【課題】操作性を向上させつつ、圃場において苗を好適に植え付けることができる苗移植機を提供する。
【解決手段】苗移植機1は、走行車体5と、走行車体5の後部に設けられた苗を圃場に植え付ける苗植付装置6と、走行車体5の走行状態を検出する走行状態検出装置8と、走行車体5および苗植付装置6を制御する制御装置7と、を備え、走行車体5は、動力源としてのエンジン11と、左右一対の車輪12と、車輪12を操舵するハンドル31と、走行状態が直進となるように直進補助する前輪用デフ装置21と、前輪用デフ装置21のデフロック状態を切り替えるデフロッククラッチ56と、を有し、制御装置7は、前輪用デフ装置21のデフロック状態において、走行状態検出装置8の検出結果に基づいて、走行車体5の直進補助を停止する停止条件であると判定すると、デフロッククラッチ56により前輪用デフ装置21のデフロック状態を解除する。
【選択図】図10

Description

本発明は、圃場に水稲等の苗を植え付ける苗移植機に関するものである。
従来、自動直進スイッチが操作されることにより、自動で直進可能となる田植機が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、左右方向センサの検知に基づいてステアリング機構を自動操舵制御して、機体を直進させる移動農機の自動操舵制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献1の田植機は、デフ装置と制御装置とを有し、自動直進スイッチが操作されると、制御装置は、田植機を自動直進させると共に、デフ装置により左右一対の前輪および後輪を自動的にデフロックする。また、特許文献1の田植機は、手動スイッチを有し、自動直進中に手動スイッチが操作されることにより、自動直進が解除され、手動操舵可能となる。
特開2004−148974号公報 特開平8−107703号公報
しかしながら、特許文献1に記載の田植機では、圃場端において田植機を旋回させる場合、自動直進中に圃場端に近づいても、田植機の走行速度は一定となる。このため、自動直進を解除してから旋回を始めようとすると、走行速度の減速が間に合わない状態で旋回を行うことで旋回軌跡が乱れたり、あるいは、走行速度を減速した分、旋回の開始位置を過ぎてから旋回を行ったりする。この場合、苗の植付け開始位置や植付け終了位置がずれてしまい、植付け精度が低下する問題がある。これにより、苗の植付け開始位置や植付け終了位置が圃場端となってしまい、苗が圃場端に植えつけられることから、枕地作業時において車輪により苗を踏みつけてしまったり、重複して苗を植え付けたりして、苗が無駄になってしまう虞がある。また、田植機は、自動直進を解除して旋回した後、自動直進を行わせる場合には、運転者が自動直進スイッチを再度操作しなければならないため、旋回終了後に要する操作が増え、操作が煩雑となってしまう問題がある。
そこで、本発明は、操作性を向上させつつ、圃場において苗を好適に植え付けることができる苗移植機を提供することを課題とする。
本発明の苗移植機(1)は、走行車体(5)と、走行車体(5)の後部に設けられると共に苗を圃場に植え付ける苗植付装置(6)と、走行車体の走行状態を検出する走行状態検出装置(8)と、走行状態検出装置(8)の検出結果に基づいて、走行車体(5)および苗植付装置(6)を制御する制御装置(7)と、を備え、走行車体(5)は、動力源としてのエンジン(11)と、左右一対の車輪(12)と、車輪(12)を操舵する操舵部材(31)と、走行状態が直進となるように直進補助する直進アシスト装置(21)と、直進アシスト装置(21)の作動状態と非作動状態とを切り替える作動切替装置(56)と、を有し、制御装置(7)は、直進アシスト装置(21)の作動状態において、走行状態検出装置(8)の検出結果に基づいて、走行車体(5)の直進補助を停止する停止条件であると判定すると、作動切替装置(56)により直進アシスト装置(21)を非作動状態とすることを特徴とする。
また、走行状態検出装置は、走行車体(5)の車速を検出する車速センサ(150)を有し、直進補助の停止条件は、走行車体(5)の減速であることが、好ましい。
また、直進アシスト装置(21)は、左右一対の車輪(12)の回転を連動させるデフロック装置(21)であり、走行状態検出装置(8)は、左右一対の車輪(12)の回転数をそれぞれ検出する車輪回転センサ(157)を有し、制御装置(7)は、車輪回転センサ(157)の検出結果に基づいて、左右一対の車輪(12)の回転差が、予め設定された設定回転差の範囲内であると判定すると、作動切替装置(56)によりデフロック装置(21)を作動状態とすることが、好ましい。
また、苗植付装置(6)は、圃場に苗を植え付ける苗植付部(60)と、苗植付部(60)を昇降させる昇降機構(61)と、操舵部材(31)の操舵角度に応じて昇降機構(61)による苗植付部(60)の昇降を連動させる旋回連動機構(130)と、を有し、旋回連動機構(130)は、操舵部材(31)の操舵角度が予め設定された設定操舵角度以上になると、昇降機構(61)により苗植付部(60)を上昇させる一方で、操舵角度が設定操舵角度未満になると、昇降機構(61)により苗植付部(60)を下降させ、制御装置(7)は、操舵角度が設定操舵角度以上になると、苗植付部(60)を作動状態とし、作動切替装置(56)によりデフロック装置(21)を非作動状態とする一方で、操舵角度が設定操舵角度未満になると、苗植付部(60)を非作動状態とし、作動切替装置(56)によりデフロック装置(21)を作動状態とすることが、好ましい。
また、制御装置(7)は、操舵角度が設定操舵角度未満であっても、車輪回転センサ(157)の検出結果に基づいて、左右一対の車輪(12)の回転数差が、予め設定された設定回転数差の範囲内であると判定すると、作動切替装置(56)によりデフロック装置(21)を非作動状態とすることが、好ましい。
また、走行車体(5)は、斜板(19)の傾斜角が変更されることによりエンジン(11)から入力された動力を変速して車輪(12)へ向けて出力する油圧式無段変速機(16)をさらに有し、走行状態検出装置(8)は、斜板(19)の傾斜角を検出する傾斜角センサ(152)を有し、制御装置(7)は、傾斜角センサ(152)の検出結果に基づいて、傾斜角が、中立と最大角度との中間となる中間角度から最大角度までの間にあると判定すると、作動切替装置(56)により直進アシスト装置(21)を作動状態とすることが、好ましい。
また、走行車体(5)は、斜板(19)の傾斜角が変更されることによりエンジン(11)から入力された動力を変速して車輪(12)へ向けて出力する油圧式無段変速機(16)と、油圧式無段変速機(16)を変速して走行車体(5)の車速を変更するための走行操作部材(35)と、走行操作部材(35)の操作位置に応じて斜板(19)の傾斜角を変更するモータ(20)と、をさらに有し、走行状態検出装置(8)は、走行操作部材(35)の操作位置を検出する操作位置検出センサ(154)と、油圧式無段変速機(16)の入力軸の回転数を検出する入力軸回転センサ(151)と、を有し、制御装置(7)は、操作位置検出センサ(154)の検出結果に基づいて、操作位置が、走行車体(5)が停止する中立位置から走行車体が低速となる低速位置までの範囲内にあると判定されると、入力軸回転センサ(151)により検出した入力軸の回転数に基づいて、油圧式無段変速機(16)の変速制御を実行することが、好ましい。
また、走行車体(5)は、斜板(19)の傾斜角が変更されることによりエンジン(11)から入力された動力を変速して車輪(12)へ向けて出力する油圧式無段変速機(16)と、斜板(19)の傾斜角を変更するモータ(20)と、をさらに有し、苗植付装置(6)は、圃場に苗を植え付ける苗植付部(60)と、苗植付部(60)を昇降させる昇降機構(61)と、を有し、走行状態検出装置(8)は、昇降機構(61)の鉛直方向における位置を検出する昇降位置センサ(155)を有し、昇降機構(61)は、油圧式無段変速機(16)により昇圧される作動油の油圧により昇降動作し、制御装置(7)は、昇降位置センサ(155)の検出結果に基づいて、昇降機構(61)の鉛直方向における位置の変動が予め設定された設定時間以上発生したと判定すると、モータ(20)により斜板(19)の傾斜角を中立側に傾斜させ、エンジン(11)の回転数を高くすると共に、作動切替装置(56)により直進アシスト装置(21)を非作動状態とすることが、好ましい。
また、走行車体(5)は、走行車体(5)の車速を変更するための走行操作部材(35)をさらに有し、走行状態検出装置(8)は、走行操作部材(35)の操作状態を検出する操作状態検出センサ(153)を有し、エンジン(11)は、回転数が標準となる標準モードと、標準モードに比して回転数が高回転となる高回転モードとで作動可能となっており、制御装置(7)は、操作状態検出センサ(153)の検出結果に基づいて、走行操作部材(35)が予め設定された設定速度以上で、走行車体(5)が高速となるように操作されたと判定すると、エンジン(11)を高回転モードとする一方で、エンジン(11)が高回転モードの状態から、走行操作部材(35)が、走行車体(5)が低速となるように操作されたと判定すると、エンジン(11)を標準モードとすることが、好ましい。
請求項1記載の本発明の苗移植機によれば、走行状態検知装置(8)が所定の停止条件を検出すると直進アシスト装置(21)の作動が停止する。このため、例えば、所定の条件として、旋回時に直進アシスト装置(21)を停止する条件であれば、圃場端での旋回前に直進アシスト装置(21)を停止操作する必要がなくなる。以上から、旋回操作時に余分な操作を行う必要が無く、操作性が向上する。また、旋回前に直進アシスト装置(21)を停止操作し忘れ、圃場端で直進走行することを防止できる。このため、走行車体(5)を後進させて旋回開始位置に戻る操作が不要となるため、余分な作業工程が生じず、作業能率が向上する。
請求項2記載の本発明の苗移植機によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、旋回前等に走行車体(5)を減速させると自動的に直進アシスト装置(21)が停止する。これにより、走行車体(5)が旋回開始位置を越えて停止することを防止できるので、苗の植付開始位置や植付終了位置が揃えやすく、苗の植付精度が向上する。
請求項3記載の本発明の苗移植機によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、所定距離以上直進状態が維持されるとデフロック装置(21)が作動する。これにより、圃場の凹凸に合わせた操作を行うことができるので、作業条件の適応性が向上する。また、左右一対の車輪(12)の回転をデフロック装置(21)で同調させて直進アシストすることにより、作業者は操舵部材(31)を細かく操作して直進状態を維持する必要がなくなるので、操作性が向上すると共に、走行速度等の操作に集中することができるので、作業精度が向上する。
請求項4記載の本発明の苗移植機によれば、請求項3記載の発明の効果に加えて、旋回連動機構(130)の作動に合わせてデフロック装置(21)が自動的に入切操作される。これにより、旋回前にデフロック装置(21)を切り忘れて圃場端で直進走行することを防止できるので、走行車体(5)を後進させて旋回開始位置に戻る操作が不要となるため、余分な作業工程が生じず、作業能率が向上する。また、旋回終了後の植付開始と共にデフロック装置(21)が作動操作されることにより、植付開始時から直進走行することができるので、苗の植付が直線状に行われるため、植付精度が向上する。
請求項5記載の本発明の苗移植機によれば、請求項4記載の発明の効果に加えて、左右の後輪回転センサ(157)の回転数に差が生じているときは、苗の植付が開始されてもデフロック機構(21)が作動しない制御構成としたことにより、走行車体(5)が直進方向から左右にずれた方向に向かって走行することが防止されるため、苗の植付精度がさらに向上する。
請求項6記載の本発明の苗移植機によれば、請求項1から5の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、走行車体(5)の走行速度を速くすると直進アシスト装置(21)が作動することにより、走行車体(5)の進行方向や苗の植付状態を修正してから直進走行に移行することができるので、進行方向や苗の植付姿勢が適切になり、作業能率や植付精度が向上する。
請求項7記載の本発明の苗移植機によれば、請求項1から6の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、入力軸回転センサ(151)が検知する油圧式無段変速機(16)の入力軸の回転数が所定値になるまでサーボモータ(20)を作動させて油圧式無段変速機(16)の斜板(19)の作動角を変更することにより、傾斜地等でも作業者の意図した位置に停車することができるので、操作性が向上する。
請求項8記載の本発明の苗移植機によれば、請求項1から7の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、昇降リンクセンサ(155)が所定時間内に苗植付部(60)の上下動を検知すると、油圧式無段変速機(16)の斜板(19)の作動角を小さくすると共に、エンジン(11)の回転数を上げて送油速度を上げることにより、走行車体(5)の走行速度を遅くすると共に苗植付部(60)の昇降速度を速くすることができるので、苗植付部(60)が圃場の凹凸に合わせて昇降して苗が適切な高さで植え付けられるため、苗の植付深さが適切になり、苗の植付精度が向上する。
請求項9記載の本発明の苗移植機によれば、請求項1から8の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、走行操作部材(35)に走行状態検出装置(8)を設けたことにより、走行操作部材(35)をエンジン(11)の高回転モードや標準モードに切り替える切替操作部材とすることができるので、他の切替操作部材を別途設ける必要が無く、部品点数が削減される。
図1は、本実施形態に係る苗移植機を表す側面図である。 図2は、本実施形態に係る苗移植機を表す上面図である。 図3は、油圧式無段変速機を模式的に表した概略図である。 図4は、前輪用デフ装置を模式的に表した概略図である。 図5は、センターフロート周りを模式的に表した上面図である。 図6は、センターフロート周りを模式的に表した側面図である。 図7は、ロータ周りを模式的に表した概略図である。 図8は、苗移植機の制御系を模式的に表したブロック図である。 図9は、制御装置により直進アシスト制御を実行する一例のフローチャートである。 図10は、制御装置により直進アシスト制御の実行を停止する一例のフローチャートである。 図11は、制御装置による直進アシスト制御の実行と停止を行う一例のフローチャートである。 図12は、制御装置により変速制御を実行する一例のフローチャートである。 図13は、制御装置により油油圧昇降シリンダの油圧制御および整地ロータの昇降制御を実行する一例のフローチャートである。
以下に、本発明に係る苗移植機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、本実施形態に係る苗移植機を表す側面図である。図2は、本実施形態に係る苗移植機を表す上面図である。苗移植機1は、走行しながら圃場に苗を植え付けるものである。なお、以下では、苗移植機1の前進方向を前方側(図1および図2の左側)とし、苗移植機1の後退方向を後方側(図1および図2の右側)とし、苗移植機1の前後方向に直交する直交方向を左右方向としている。
図1および図2に示すように、苗移植機1は、走行車体5と、走行車体5の後部(後方側)に設けられた苗植付装置6と、走行車体5の走行状態を検出する走行状態検出装置8(図8参照)と、走行状態検出装置8の検出結果に基づいて、走行車体5および苗植付装置6を制御する制御装置7とを備えている。
走行車体5は、左右一対の前輪12aおよび左右一対の後輪12bからなる4つの車輪12を有し、4つの車輪12を駆動輪とする4輪駆動車となっている。走行車体5は、メインフレーム10と、メインフレーム10に搭載されたエンジン11と、エンジン11の動力を各車輪12および苗植付装置6に伝える動力伝達機構13とを有している。つまり、この苗移植機1において、エンジン11の動力は、走行車体5を前進または後退させるために使用されるだけでなく、苗植付装置6を駆動させるためにも使用される。
エンジン11は、ディーゼル機関やガソリン機関等の熱機関であって、出力軸11aから動力を出力する。出力軸11aは、走行車体5の左側方から突出している。エンジン11は、走行車体5の左右方向における略中央で、且つ、作業者が乗車時に足を載せるフロアステップ25よりも上方に突出させた状態で配置されている。このとき、エンジン11の出力軸11aは、フロアステップ25の床面よりも下方に位置している。
ここで、フロアステップ25は、走行車体5の前部(前方側)とエンジン11の後部(後方側)との間に渡って設けられており、メインフレーム10上に取り付けられている。フロアステップ25は、その一部が格子状となっており、靴に付いた泥を圃場に落とせるようにしている。また、フロアステップ25の後方には、後輪12bのフェンダを兼ねたリアステップ26が設けられている。このリアステップ26は、後方に向うに従って上方に向う方向に傾斜した傾斜面を有しており、エンジン11の左右それぞれの側方に配置されている。
エンジン11は、これらのフロアステップ25とリアステップ26とから上方に突出しており、これらのステップから突出している部分には、エンジン11を覆うエンジンカバー14が配設されている。即ち、エンジンカバー14は、フロアステップ25とリアステップ26とから上方に突出した状態で、エンジン11を覆っている。
また、走行車体5には、エンジンカバー14の上部に操縦席28が設置されており、操縦席28の前方で、且つ、走行車体5の前部には、フロントカバー30が配設されている。このフロントカバー30は、フロアステップ25の床面から上方に突出した状態で配置されており、フロアステップ25の前方側を左右に分断している。
このフロントカバー30の内部には、前述の制御装置7、操作パネル等の操作装置、ステアリング機構およびエンジン用燃料の燃料タンク等が配設されている。また、フロントカバー30の上部には、各種操作レバー等や計器類、ハンドル31が配設されている。このハンドル31は、作業者が前輪12aを操舵操作することにより走行車体5を操舵する操舵部材として設けられており、フロントカバー30内のステアリング機構等を介して前輪12aを転舵させることが可能になっている。
また、フロントカバー30の上部に設けられた各種操作レバーとしては、走行車体5の走行状態を操作する走行操作レバー(走行操作部材)35と、苗植付装置6を操作する植付操作レバー36とが配設されている。
また、フロアステップ25におけるフロントカバー30の左右それぞれの側方に位置する部分には、補給用の苗を載せておく予備苗載台140が配置されている。この予備苗載台140は、フロアステップ25の床面から突出した支持軸(鉛直軸)によって回転自在に支持されており、作業者の手によって回動させることが可能になっている。
動力伝達装置13は、主変速機としての油圧式無段変速機16と、この油圧式無段変速機16にエンジン11からの動力を伝えるベルト式動力伝達機構17と、を有している。先ず、図3を参照して、油圧式無段変速機16について説明する。
図3は、油圧式無段変速機を模式的に表した概略図である。油圧式無段変速機16は、HST(Hydro Static Transmission)と呼ばれる静油圧式の無段変速機として構成されている。図3に示すように、油圧式無段変速機16は、エンジン11からの動力で駆動する油圧ポンプPと、油圧ポンプPによって発生させた油圧により機械的な力(回転力)を出力する油圧モータMとを有している。なお、油圧ポンプPによって発生させた油圧は、油圧モータMを作動させるだけでなく、後述する苗植付部昇降機構61の油圧昇降シリンダ82を作動させるために用いられる。また、油圧式無段変速機16は、エンジン11の動力が入力される油圧ポンプPの入力軸16aに対して傾斜可能な斜板19と、走行操作レバー35に応じて斜板19の傾斜角を変更させるサーボモータ20とを有している。斜板19は、油圧ポンプPの入力軸16aに対して傾斜させることで、油圧ポンプPから油圧モータMへ向けて供給される作動油の流量を可変させる。
走行操作レバー35およびサーボモータ20は、制御装置7に接続されており、制御装置7は、走行操作レバー35の操作位置に基づいて、サーボモータ20により斜板19の傾斜角を変更している。具体的に、走行操作レバー35の操作位置が中立位置(すなわち走行車体5を停止させる停止位置)の場合、制御装置7は、サーボモータ20により斜板19を中立状態する。ここで、斜板19の中立状態とは、斜板19と入力軸16aとがなす角度が90°となる状態である。そして、制御装置7は、サーボモータ20により斜板19を中立状態とすると、油圧ポンプPは、油圧モータMへ向けて供給する作動油の流量をゼロとする。
一方で、走行操作レバー35の操作位置が走行車体5を前進させる前進位置の場合、制御装置7は、サーボモータ20により斜板19の傾斜角が正側に大きくなるように変更させる。すると、油圧ポンプPは、油圧モータMの出力軸が正回転するように、油圧モータMへ向けて供給する作動油の流量を多くする。なお、前進位置としては、走行車体5の車速を低速とする低速位置、走行車体5の車速を中速とする中速位置、および走行車体5の車速を高速とする高速位置等がある。他方で、走行操作レバー35の操作位置が走行車体5を後退させる後退位置の場合、制御装置7は、サーボモータ20により斜板19の傾斜角が負側に大きくなるように変更させる。すると、油圧ポンプPは、油圧モータMの出力軸が逆回転するように、油圧モータMへ向けて供給する作動油の流量を多くする。なお、油圧モータMは、供給される作動油の流量が多ければ多いほど、出力軸の回転数が大きくなる。
このため、走行操作レバー35が後退位置、中立位置および前進位置等に操作されることで、油圧式無段変速機16は、エンジン11の動力を、走行車体5が前進方向に駆動する動力として出力したり、走行車体5を停止させる制動力として出力したり、走行車体5が後退方向に駆動する動力として出力可能となっている。
再び、図1および図2を参照するが、この油圧式無段変速機16は、エンジン11よりも前方で且つフロアステップ25の床面よりも下方に配置される。本実施形態では、走行車体5の上面から見て、エンジン11の前方に油圧式無段変速機16を配置している。また、油圧式無段変速機16は、エンジン11の出力軸11aが走行車体5の左側方から突出しているため、走行車体5の左側に寄せて配置され、その入力軸16aが走行車体5の左側方から突出している。
ベルト式動力伝達機構17は、エンジン11の出力軸11aに取り付けたプーリ41と、油圧式無段変速機16の入力軸16aに取り付けたプーリ42と、双方のプーリ41,42に巻き掛けたベルト43と、さらに、このベルト43の張力を調整するテンションプーリ44と、を備えている。これにより、ベルト式動力伝達機構17は、エンジン11で発生した動力を、ベルト43を介して油圧式無段変速機16に伝達可能になっている。
さらに、動力伝達装置15は、エンジン11からの出力がベルト式動力伝達機構17と油圧式無段変速機16とを介して伝達されるミッションケース18を有している。このミッションケース18は、メインフレーム7の前部に取り付けられている。ミッションケース18は、ベルト式動力伝達機構17と油圧式無段変速機16とを介して伝達されたエンジン11からの出力を、当該ミッションケース18内の副変速機で変速して、前輪12aと後輪12bへの走行用動力と、苗植付装置6への駆動用動力とに分けて出力可能になっている。
このうち、走行用動力は、一部が前輪用デフ装置21(図4参照)に伝達された後、前輪用デフ装置21から左右の前輪ファイナルケース32を介して前輪12aに伝達される。また、走行用動力は、残りが左右の後輪ギヤケース33を介して後輪12bに伝達される。左右それぞれの前輪ファイナルケース32は、ミッションケース18の左右それぞれの側方に配設されており、左右一対の前輪12aは、前輪側車軸22a,22bを介して左右の前輪ファイナルケース32に連結されている。また、この前輪ファイナルケース32は、ハンドル31の操舵操作に応じて駆動し、前輪12aを転舵させることが可能になっている。同様に、左右それぞれの後輪ギヤケース22には、後輪側車軸を介して後輪12bが連結されている。なお、本実施形態では、前輪用デフ装置21を設けたが、後輪用デフ装置を別途設けてもよい。
ここで、図4を参照し、前輪用デフ装置21について説明する。図4は、前輪用デフ装置を模式的に表した概略図である。前輪用デフ装置21は、デフロック機能を有するものである。前輪用デフ装置21は、デフケース51と、デフケース51の外側に設けられたリングギア52と、デフケース51の内部に設けられた左右一対のサイドギア53a、53bと、左右一対のサイドギア53a、53bに噛合するピニオンギア54とを有している。また、前輪用デフ装置21は、左右一対の前輪側車軸22a,22bに設けられた左右一対のクラッチギア55a、55bと、左右一対のクラッチギア55a、55bを連結可能なデフロッククラッチ(作動切替装置)56とを有している。
デフケース51は、リングギア52と一体に設けられており、リングギア52には、走行用動力が入力される。また、デフケース51は、左右一対の前輪用車軸22a、22bに回転自在に設けられている。左右一対のサイドギア53a、53bは、一方のサイドギア53aが一方の前輪用車軸22aに一体に設けられ、他方のサイドギア53bが他方の前輪用車軸22bに一体に設けられている。左右一対のクラッチギア55a、55bは、一方のクラッチギア55aが一方の前輪用車軸22aの前輪12aとは反対側の端部に一体に設けられ、他方のクラッチギア55bが他方の前輪用車軸22bの前輪12aとは反対側の端部に一体に設けられている。このため、左右一対のクラッチギア55a、55bは、軸方向において対向して設けられている。ピニオンギア54は、デフケース51に対し回転自在に設けられ、左右一対のサイドギア53a、53bの間に位置しており、デフケース51と一体となって回転する。デフロッククラッチ56は、対向する左右一対のクラッチギア55a、55bを連結することで、左右一対の前輪側車軸22a,22bを連結(デフロック)させる。なお、詳細は後述するが、デフロッククラッチ56は、制御装置7に接続されており、制御装置7は、走行車体5の直進を補助する直進アシスト制御を実行すると、デフロッククラッチ56により前輪用デフ装置21をデフロックさせることで、前輪用デフ装置21を直進アシスト装置として機能させている。
従って、制御装置7により前輪用デフ装置21によるデフロックが解除された状態で、走行用動力がリングギア52に伝達されると、リングギア52およびデフケース51は、一体となって回転する。デフケース51が回転すると、一体となって回転するピニオンギア54を介して、左右一対のサイドギア53a、53bに走行用動力が分配される。そして、分配された走行用動力は、サイドギア53a、53bを介して左右一対の前輪用車軸22a,22bにそれぞれ分配される。このため、例えば、走行車体5が旋回する場合、前輪用デフ装置21は、左側の前輪12aと右側の前輪12aとで回転差を生じさせることができるため、走行車体5の旋回動作を滑らかに行うことが可能となる。
一方、制御装置7により前輪用デフ装置21によりデフロックされた状態で、走行用動力がリングギア52に伝達されると、リングギア52およびデフケース51は、一体となって回転する。デフケース51が回転すると、一体となって回転するピニオンギア54を介して、左右一対のサイドギア53a、53bに走行用動力が伝達される。このとき、左右一対の前輪側車軸22a,22bは連結されているため、左右一対のサイドギア53a、53bに伝達された走行用動力は、左右一対の前輪側車軸22a,22bに均等に分配される。このため、例えば、車輪12が空転するような悪路を走行する場合、前輪用デフ装置21は、左右一対の前輪側車軸22a,22bを連結(デフロック)させ、左側の前輪12aと右側の前輪12aとで回転差が生じないように動力を均等に分配することができる。このため、前輪用デフ装置21は、走行車体5が悪路を走行する場合であっても、左右一対の前輪12aを確実に回転させることができる。また、左右一対の前輪12aは、図示しないステアリング機構により、ハンドル31の操舵操作に応じて転舵させることが可能になっている。
一方、駆動用動力は、走行車体5の後部に設けた植付クラッチ(図示省略)に伝達され、この植付クラッチの係合時に植付伝動軸(図示省略)によって苗植付装置6へ伝達される。
また、走行車体5のリアステップ26には、作業者によって操作される各種操作レバーが配設されている。操作レバーとしては、例えば、苗の植え付け深さを調整する植付深さ調整レバー58等がある。
苗植付装置6は、走行車体5の後部に設けられる苗植付部60と、苗植付部60を昇降させる苗植付部昇降機構61とを有している。苗植付部昇降機構61は、昇降リンク装置71を有しており、苗植付部60は、この昇降リンク装置71を介して走行車体5に取り付けられている。昇降リンク装置71は、走行車体5の後部と苗植付部60とを連結させる平行リンク機構81を備えている。この平行リンク機構81は、上リンクと下リンクとを有しており、これらのリンクが、メインフレーム10の後部端に立設した背面視門方のリンクベースフレーム85に回動自在に連結され、各リンクの他端側が苗植付部60に回転自在に連結されることにより、苗植付部60を昇降可能に走行車体5に連結している。
また、苗植付部上昇機構61は、エンジン11の動力により発生する油圧によって伸縮する油圧昇降シリンダ82を有しており、油圧昇降シリンダ82の伸縮動作によって、苗植付部60を昇降させることが可能になっている。苗植付部上昇機構61は、その昇降動作によって、苗植付部60を非作業位置まで上昇させたり、対地作業位置(対地植付位置)まで下降させたりすることが可能になっている。
苗植付部60は、圃場に植え付けられる苗の植付範囲を複数の区画あるいは複数の列で、苗を植え付けることができる。本実施形態に係る苗移植機1は、苗を8つの区画で植え付ける、いわゆる8条植のものである。苗植付部60は、センターケース90と、植付機構91と、苗載せ部95と、フロート97とを備えている。
センターケース90は、走行車体5の左右方向の中央に位置しており、フロートリンク101を介してフロート97を支持している。苗載せ部95は、走行車体5の左右方向において仕切られた植付条数分の苗載せ面96を有しており、それぞれの苗載せ面96に土付きのマット状苗が載置することが可能になっている。これにより、苗載せ部95に載置した苗が植え付けられて無くなるたびに、圃場外に用意している苗を取りに戻る必要が無く、連続した作業を行えるので、作業能率が向上する。
また、植付機構91は、苗載せ部95に載置された苗を圃場に植え付けている。この植付機構91は、2条毎に1つずつ配設されており、2条分の植付爪92を備えている。また、フロート97は、走行車体5の移動と共に、圃場面上を滑走して整地するものである。フロート97は、走行車体5の左右方向における苗植付部40の中央に設けられた2つのセンターフロート98と、左右方向における2つのセンターフロート98の両側に位置する2つのサイドフロート99とを有し、計4つのフロート97を用いて構成されている。
図5は、センターフロート周りを模式的に表した上面図であり、図6は、センターフロート周りを模式的に表した側面図である。図5に示すように、2つのセンターフロート98は、連結部材105により連結されている。連結部材105は、走行車体5の左右方向に延びる角管で構成され、その一方の端部に一方のセンターフロート98の後部が固定され、その他方の端部に他方のセンターフロート98の後部が固定されている。また、2つのセンターフロート98の後部には、センターフロート回動軸106が設けられており、センターフロート回動軸106は、連結部材105よりも後方側に位置している。センターフロート回動軸106は、走行車体5の左右方向に延びる丸管で構成され、2つのセンターフロート98を回動自在に軸支している。そして、センターフロート回動軸106の軸方向の中央は、フロートリンク101を介してセンターケース90に接続されている。つまり、フロートリンク101は、一方の端部がセンターケース90に回動自在に接続され、他方の端部がセンターフロート回動軸106の軸方向の中央に回動自在に接続されている。このため、2つのセンターフロート98は、フロートリンク101の他方の端部が、フロートリンク101の一方の端部を中心に回動することで、上下に移動できる。
図2に示すように、2つのサイドフロート99は、2つのセンターフロート98の左右方向の両側に設けられている。各サイドフロート99は、センターフロート98よりも小型に形成されている。図示は省略するが、各サイドフロート99は、隣接するセンターフロート98に連結して設けられている。
また、図6に示すように、苗植付部60には、2つのセンターフロート98および2つのサイドフロート99の高さを調整することで苗の植え付け深さを調整する植付深さ調整機構104が設けられている。なお、植付深さ調整機構104は、2つのセンターフロート98の高さを調整することで、2つのサイドフロート99の高さを調整することが可能となっている。以下、植付深さ調整機構104について説明するが、特に、2つのセンターフロート98周りの構成について説明する。植付深さ調整機構104は、植付深さ調整フレーム108と、植付深さ調整フレーム108に取り付けられた植付深さ調整アーム110と、植付深さ調整アーム110とセンターフロート回動軸106とを接続する植付深さ調整リンク109とを有している。
植付深さ調整フレーム108は、走行車体5の左右方向に延びる丸管で構成され、2つのセンターフロート98の前部の上方側に渡って配設されている。図示は省略するが、この植付深さ調整フレーム108には、図示しない連結部材を介してサイドフロート98も連結されている。植付深さ調整アーム110は、植付深さ調整フレーム108の後方側に延在するように設けられ、基端側が植付深さ調整フレーム108に回動自在に接続され、先端側が植付深さ調整リンク109の一方の端部に回動自在に接続されている。この植付深さ調整アーム110の基端側には、植付深さ調整フレーム108を介して、前述の植付深さ調整レバー58が連結されている。植付深さ調整レバー58は、植付深さ調整フレーム108の前方側に延在するように設けられ、植付深さ調整フレーム108に回動自在に接続されている。このため、植付深さ調整アーム110は、植付深さ調整レバー58が操作されることにより、植付深さ調整フレーム108を中心として回動可能となっている。植付深さ調整リンク109は、一方の端部が植付深さ調整アーム110の先端側に回動自在に接続され、他方の端部がセンターフロート回動軸106を介してセンターフロート98の後部に連結されている。
このため、作業者により植付深さ調整レバー58が操作されると、植付深さ調整レバー58に連結された植付深さ調整アーム110は、その先端部が植付深さ調整フレーム108を中心に回動することで上下に移動する。すると、植付深さ調整リンク109は、植付深さ調整アーム110に接続された一方の端部が上下すると共に、センターフロート回動軸106に接続された他方の端部が上下することで、2つのセンターフロート98が上下に移動できる。これにより、植付深さ調整レバー58が操作されることで、2つのセンターフロート98の高さが調整される。このとき、2つのセンターフロート98の高さが調整されることで、2つのセンターフロート98に連結される2つのサイドフロート99の高さも調整される。
また、図1および図6に示すように、2つのセンターフロート98の前方側には、前部整地ロータ115が設けられ、2つのサイドフロート99の前方側には、2つの後部整地ロータ116がそれぞれ設けられている。前部整地ロータ115および2つの後部整地ロータ116は、苗の植え付けに先立ち、走行車体5が走行した圃場を整地するものである。上記の構成により、苗植付装置6が苗を植え付ける圃場面を平坦にして苗の植付深さを揃えやすくすることができ、苗の生育が安定するという効果を得ることができる。
図7は、ロータ周りを模式的に表した概略図である。図7に示すように、前部整地ロータ115および2つの後部整地ロータ116は、ロータフレーム117によって回転自在に保持されている。そして、ロータフレーム117は、ロータ昇降機構118によって昇降可能となっている。ロータ昇降機構118は、制御装置7に接続され、制御装置7は、ロータ昇降機構118を制御することにより、圃場に対する前部整地ロータ115および2つの後部整地ロータ116の高さを調整することができる。また、前部整地ロータ115および2つの後部整地ロータ116のうち、少なくとも1つの整地ロータ115,116の片側または両側には、水位センサ120が設けられている。水位センサ120は、静電容量型のものであり、円筒状の測定ケース121の内部に格納されている。測定ケース121は、その上部が開口しており、整地ロータ115,116によって掻き上げられた圃場の水が、開口上部から流入する。そして、水位センサ120は、制御装置7に接続され、制御装置7は、水位センサ120により測定ケース121の内部に流入した水の水位を測定することで、整地ロータ115,116の高さを制御したり、油圧を制御したり、車速を制御したりする。
上記の構成により、整地ロータ115,116によって掻き上げられる水の量に応じて、整地ロータ115,116の作業高さを変更したり、走行車体5の走行速度を増減させたり、センターフロート98が圃場の凹凸を検知したときに苗植付部60を自動昇降させる油圧を変更したりすることができる。このため、整地ロータ115,116が水を掻き上げ過ぎているときは整地ロータ115,116を圃場面から上昇させたり、走行速度を減速させたりすることで水の掻き上げ量を抑えられるため、整地ロータ115,116が発生させた水流が圃場に植え付けられた苗を押し流すことが防止される。また、水の掻き上げ量が多いと、細かい凹凸によるセンターフロート98の上下移動に応じて苗植付部60を昇降させる構成とすることができるので、圃場の凹凸によって整地ロータ115,116が掻き上げる水の量が増減しにくくなるため、いっそう苗の押し流しの発生が防止される。
また、図1に示すように、走行車体5のフロントカバー30の内部には、旋回連動機構130が設けられている。旋回連動機構130は、苗植付装置6による苗の植付時に、走行車体5のハンドル31の操舵に応じて、苗植付部昇降機構61により苗植付部60を昇降させるものである。具体的に、旋回連動機構130は、ハンドル31の操舵角度が予め設定された設定操舵角度以上になると、苗植付部昇降機構61により苗植付部60を上昇させる。一方、旋回連動機構130は、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度未満になると、苗植付部昇降機構61により苗植付部60を下降させる。
続いて、図8を参照し、制御装置7および走行状態検出装置8について説明する。図8は、苗移植機の制御系を模式的に表したブロック図である。制御装置7は、走行状態検出装置8によって検出された検出結果に基づいて、走行車体5および苗植付装置6を制御している。制御装置7は、例えば、走行車体5の直進を補助する直進アシスト制御、油圧式無段変速機16を制御する変速制御、苗植付部昇降機構61による苗植付部60の昇降制御、エンジン11を制御するエンジン制御等を実行している。
走行状態検出装置8は、各種センサで構成されており、例えば、車速センサ150と、入力軸回転センサ151と、傾斜角センサ152と、操作状態検出センサ153と、走行用ポテンショメーター(操作位置検出センサ)154と、昇降リンクセンサ(昇降位置センサ)155と、水位センサ156と、後輪回転センサ(車輪回転センサ)157と、ハンドル用ポテンショメーター158とを有している。車速センサ150は、走行車体5の車速を検出する。車速センサ150は、例えば、加速度センサであり、走行車体5の加速および減速を検出する。なお、車速センサ150として、速度センサを用いてもよく、走行車体5の加速および減速を単位時間当たりの速度の変化から検出してもよい。入力軸回転センサ151は、油圧式無段変速機16の入力軸の回転数を検出する。傾斜角センサ152は、斜板19の傾斜角を検出する。操作状態検出センサ153は、走行操作レバー35の操作状態を検出する。具体的に、操作状態検出センサ153は、加速度センサで構成され、走行操作レバー35の操作状態として、走行操作レバー35の操作速度を検出する。なお、操作状態検出センサ153として、速度センサを用いてもよい。走行用ポテンショメーター154は、走行操作レバー35の操作位置を検出する。昇降リンクセンサ155は、昇降リンク装置71の高さを検出する。水位センサ156は、ロータ115、116によって掻き上げられた水の水位(水量)を検出する。後輪回転センサ157は、左側の後輪12bの回転数と右側の後輪12bの回転数とをそれぞれ検出する。ハンドル用ポテンショメーター158は、ハンドル31の操舵角度を検出する。
次に、制御装置7によって行われる直進アシスト制御の一例について説明する。制御装置7は、走行車体5の直進を補助するための所定の直進補助条件を検出すると、直進アシスト制御を実行する。一方、制御装置7は、所定の停止条件を検出すると、直進アシスト制御の実行を停止する。また、制御装置7は、所定の直進補助条件を検出しても、所定の停止条件を検出した場合、直進アシスト制御の実行を停止する。制御装置7は、直進アシスト制御を実行すると、前輪用デフ装置21のデフロッククラッチ56を作動させ(作動状態とし)、一対のクラッチギア55a、55bを連結させることで、左側前輪12aの車軸22aと右側前輪12aの車軸22bを連結する。一方で、制御装置7は、直進アシスト制御の実行を停止すると、デフロッククラッチ56の作動を解除し(非作動状態とし)、一対のクラッチギア55a、55bの連結を解除することで、左側前輪12aの車軸22aと右側前輪12aの車軸22bの連結を解除する。なお、本実施形態において、制御装置7は、前輪用デフ装置21によるデフロックを実行するが、別途、後輪用デフ装置を設け、後輪用デフ装置によるデフロックを実行してもよい。以下、図9から図11を参照して、所定の直進補助条件および所定の停止条件について具体的に説明する。なお、所定の直進補助条件および所定の停止条件は、相反関係となる場合がある。
図9は、制御装置により直進アシスト制御を実行する一例のフローチャートである。図10は、制御装置により直進アシスト制御の実行を停止する一例のフローチャートである。図11は、制御装置による直進アシスト制御の実行と停止を行う一例のフローチャートである。
制御装置7は、所定の直進補助条件として、左右一対の後輪12bの回転差が予め設定された所定の範囲内であると判定すると、直進アシスト制御を実行する。すなわち、図9に示すように、制御装置7は、後輪回転センサ157により検出された検出結果を取得する(ステップS1)。制御装置7は、後輪回転センサ157の検出結果に基づいて、左側の後輪12bの回転数と右側の後輪12bの回転数との回転差が、予め設定された設定回転差の範囲内であるか否かを判定する(ステップS2)。なお、設定回転差の範囲とは、回転差がない0を基準とした正負方向を含む回転差である。そして、制御装置7は、回転差が所定の範囲よりも大きい(ステップS2:No)と判定すると、再びステップS1に進む。一方、制御装置7は、回転差が所定の範囲内である(ステップS2:Yes)と判定すると、直進アシスト制御を実行する(ステップS3)。これにより、制御装置7は、左右一対の後輪12bの回転差が所定の範囲内である場合、直進アシスト制御を実行して、前輪用デフ装置21により左右一対の前輪12aをデフロックする。
また、制御装置7は、所定の停止条件として、走行車体5が減速したと判定すると、直進アシスト制御の実行を停止する。すなわち、図10に示すように、制御装置7は、車速センサ150により検出された検出結果を取得する(ステップS11)。制御装置7は、車速センサ150の検出結果に基づいて、走行車両5が減速したか否かを判定する(ステップS12)。そして、制御装置7は、走行車両5が減速していない(ステップS12:No)と判定すると、再びステップS11に進む。一方、制御装置7は、走行車両5が減速している(ステップS12:Yes)と判定すると、直進アシスト制御の実行を停止する(ステップS13)。これにより、制御装置7は、走行車両5が減速した場合、直進アシスト制御の実行を停止して、前輪用デフ装置21により左右一対の前輪12aのデフロックを解除する。
また、制御装置7は、所定の直進補助条件として、ハンドル31が前述の設定操舵角度未満になると、直進アシスト制御を実行し、所定の停止条件として、ハンドル31が前述の設定操舵角度以上になると、直進アシスト制御の実行を停止する。すなわち、図11に示すように、制御装置7は、ハンドル用ポテンショメーター158により検出された検出結果を取得する(ステップS21)。制御装置7は、ハンドル用ポテンショメーター158の検出結果に基づいて、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度以上であるか否かを判定する(ステップS22)。そして、制御装置7は、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度以上である(ステップS22:Yes)と判定すると、直進アシスト制御の実行を停止する(ステップS23)。一方、制御装置7は、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度未満である(ステップS22:No)と判定すると、直進アシスト制御を実行する(ステップS24)。なお、制御装置7は、ステップS23の実行と共に、植付機構91の作動を停止させる。一方で、制御装置7は、ステップS24の実行と共に、植付機構91を作動させる。これにより、制御装置7は、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度以上になると、苗植付部昇降機構61により苗植付部60を上昇させ、植付機構91による苗の植付動作を停止させると共に、直進アシスト制御の実行を停止する。一方、制御装置7は、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度未満になると、苗植付部昇降機構61により苗植付部60を下降させ、植付機構91により苗の植付動作を行わせると共に、直進アシスト制御を実行する。なお、制御装置7は、所定の直進補助条件を検出しても、所定の停止条件を検出した場合、直進アシスト制御の実行を停止することから、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度未満である場合であっても、左右一対の後輪12bの回転差が、設定回転差の範囲内でないと判定すると、直進アシスト制御を実行しない。
また、制御装置7は、所定の直進補助条件として、走行操作レバー35の操作により走行車体5が中速以上になると、直進アシスト制御を実行する。ここで、走行車体5の中速とは、斜板19の傾斜角が、中立と最大角度との中間となる中間角度となるときの走行車体5の車速である。つまり、制御装置7は、傾斜角センサ152により検出された傾斜角が中間角度以上であると判定すると、直進アシスト制御を実行する。これにより、制御装置7は、走行車体5が中速以上になった場合、直進アシスト制御を実行して、前輪用デフ装置21により左右一対の前輪12aをデフロックする。
次に、制御装置7によって行われる変速制御の一例について説明する。図12は、制御装置により変速制御を実行する一例のフローチャートである。制御装置7は、通常、傾斜角センサ152の検出結果に基づいて、サーボモータ20により斜板19の傾斜角を制御することで、油圧式無段変速機16の変速制御を実行する。一方で、制御装置7は、走行用ポテンショメーター154により検出される走行操作レバー35の操作位置が中立位置から低速位置の間にある場合、入力軸回転センサ151の検出結果に基づいて、サーボモータ20により斜板19の傾斜角を制御することで、油圧式無段変速機16の変速制御を実行する。
ここで、図12を参照して、制御装置7による変速制御のフローの一例について説明する。制御装置7は、走行用ポテンショメーター154により検出された検出結果を取得する(ステップS31)。次に、制御装置7は、傾斜角センサ152により検出された検出結果を取得する(ステップS32)。そして、制御装置7は、入力軸回転センサ151により検出された検出結果を取得する(ステップS33)。この後、制御装置7は、走行用ポテンショメーター154の検出結果に基づいて、走行操作レバー35が中立位置から低速位置の間にあるか否かを判定する(ステップS34)。そして、制御装置7は、走行操作レバー35が中立位置から低速位置の間にあると判定する(ステップS34:Yes)と、入力軸回転センサ151に基づいて、サーボモータ20により斜板19の傾斜角を制御することで、油圧式無段変速機16の変速制御を実行する(ステップS35)。一方、制御装置7は、走行操作レバー35が中立位置から低速位置の間にないと判定する(ステップS34:No)と、傾斜角センサ152に基づいて、サーボモータ20により斜板19の傾斜角を制御することで、油圧式無段変速機16の変速制御を実行する(ステップS36)。これにより、制御装置7は、走行車体5が停止する場合、または走行車体5が低速走行する場合、油圧式無段変速機16の入力軸の回転数に基づいて、油圧式無段変速機16の変速制御を実行する。
次に、制御装置7によって複合的に行われる直進アシスト制御、苗植付部60の昇降制御、油圧制御およびエンジン制御の一例について説明する。制御装置7は、昇降リンク装置71により昇降される苗植付部60が、対地作業位置(対地植付位置)となるように、油圧昇降シリンダ82を制御することで、苗植付部60の昇降制御を実行する。また、制御装置7は、エンジン11の回転数を制御することにより、エンジン11の動力によって発生する作動油の油圧を制御可能となっている。
ここで、制御装置7は、昇降リンクセンサ155の検出結果に基づいて、昇降リンク装置71の上下移動(変動)が予め設定された設定時間を超えて実行されていると判定した場合、走行車体5の車速を低減し、エンジン11の回転数を上昇させると共に、直進アシスト制御の実行を停止する。これにより、制御装置7は、エンジン11の回転数を上昇させ、増加したエンジン11の動力を作動油の昇圧に用いることで、昇降リンク装置71の油圧昇降シリンダ82による苗植付部60の昇降速度を速くする。
次に、制御装置7によって行われるエンジン制御の一例について説明する。制御装置7は、操作状態検出センサ153および走行用ポテンショメーター154の検出結果に基づいて、エンジン11の回転数を変更するエンジン制御を実行する。すなわち、制御装置7は、走行用ポテンショメーター154の検出結果に基づいて、走行操作レバー35の操作が走行車体5の車速が高速となる側への操作であり、操作状態検出センサ153の検出結果に基づいて、走行操作レバー35の操作速度が予め設定された設定速度以上であると判定すると、エンジン11の回転数を上昇させる。つまり、制御装置7は、エンジン11の回転数が標準の回転数となる標準モードから、標準モードよりも高回転となる高回転モードへ変更する。また、制御装置7は、エンジン11が高回転モードである場合、走行用ポテンショメーター154の検出結果に基づいて、走行操作レバー35の操作が走行車体5の車速が低速となる側への操作であると判定すると、エンジン11の回転数を下降させる。つまり、制御装置7は、エンジン11を高回転モードから標準モードへ変更する。
次に、制御装置7によって複合的に行われる油圧昇降シリンダ82の油圧制御、および前部整地ロータ115および後部整地ロータ116の昇降制御の一例について説明する。図13は、制御装置により油油圧昇降シリンダの油圧制御および整地ロータの昇降制御を実行する一例のフローチャートである。制御装置7は、水位センサ120の検出結果に基づいて、圃場の土壌の状態が、水を多く含んだ状態であるか否かを判定して、油圧昇降シリンダ82の油圧制御および前部整地ロータ115および後部整地ロータ116の昇降制御を実行する。
ここで、図13を参照して、制御装置7による油圧昇降シリンダ82の油圧制御および前部整地ロータ115および後部整地ロータ116の昇降制御のフローの一例について説明する。制御装置7は、水位センサ120により検出された検出結果を取得する(ステップS41)。制御装置7は、水位センサ120の検出結果に基づいて、測定ケース121内の水位が、予め設定された設定水位以上であるか否かを判定する(ステップS42)。このとき、設定水位以上と判定された圃場は、水を多く含んだ土壌となっている。一方で、設定水位未満と判定された圃場は、水を多く含んだ土壌となっていない。そして、制御装置7は、測定ケース121内の水位が設定水位未満であると判定する(ステップS42:No)と、再びステップS41に進む。一方、制御装置7は、測定ケース121内の水位が設定水位以上であると判定する(ステップS42:Yes)と、ロータ昇降機構118により前部整地ロータ115および後部整地ロータ116を上昇させる(ステップS43)。制御装置7は、前部整地ロータ115および後部整地ロータ116を上昇させることで、圃場に与える整地ロータ115、116の影響を軽減する。続いて、制御装置7は、油圧昇降シリンダ82の油圧感度を上昇させる(ステップS44)。制御装置7は、油圧昇降シリンダ82の油圧感度を上昇させることで、苗植付部昇降機構61による苗植付部60の上下移動の感度を上昇させる。
制御装置7は、ステップS44の実行後、水位センサ120の検出結果に基づいて、測定ケース121内の水位が、予め設定された設定水位以上であるか否かを再び判定する(ステップS45)。そして、制御装置7は、測定ケース121内の水位が設定水位以上であると判定する(ステップS45:Yes)と、走行車体5の車速を低速にする(ステップS46)。一方で、制御装置7は、測定ケース121内の水位が設定水位未満であると判定する(ステップS45:No)と、ロータ昇降機構118により前部整地ロータ115および後部整地ロータ116を下降させる(ステップS47)。続いて、制御装置7は、油圧昇降シリンダ82の油圧感度を下降させる(ステップS48)。
以上のように、本実施形態の構成によれば、制御装置7は、前輪用デフ装置21のデフロックを作動させた状態において、走行状態検出装置8の検出結果に基づいて、走行車体5の直進補助を停止する停止条件であると判定すると、デフロッククラッチ56によりデフロックを解除することができる。これにより、制御装置7は、停止条件を満たすことで、自動的に前輪用デフ装置21のデフロック状態を解除することができるため、作業者による煩雑な操作が不要となり、苗移植機1の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態の構成によれば、制御装置7は、走行車両5が減速していると判定すると、直進アシスト制御の実行を停止することができる。このため、例えば、苗移植機1を圃場端で旋回させる場合、旋回に先立って、苗移植機1を減速させることで、前輪用デフ装置21のデフロックを解除することができる。これにより、作業者は、圃場端での旋回前において、直進アシスト制御の実行を停止する操作を行う必要がないため、苗移植機1の操作性を向上させることができる。また、作業者が、圃場端での旋回前において、直進アシスト制御の実行を停止する操作を忘れることによって、圃場端で苗移植機1が直進走行することを抑制することができる。以上から、制御装置7は、走行車体5の圃場端における不要な走行を抑制することができるため、苗の植付開始位置および植付終了位置が乱れ難くなり、苗を精度良く植え付けることができる。
また、本実施形態の構成によれば、制御装置7は、後輪回転センサ157の検出結果に基づいて、左右一対の後輪12bの回転差が、設定回転差の範囲内であると判定すると、直進アシスト制御を実行することができる。このため、凹凸の少ない圃場である場合、苗移植機1の直進走行を維持し易いことから、制御装置7は、直進アシスト制御を実行することで、作業者による操作の負担を軽減することができ、操作性を向上させることができる。一方で、制御装置7は、左右一対の後輪12bの回転差が、設定回転差の範囲内でないと判定すると、直進アシスト制御を実行しない。このため、凹凸の多い圃場である場合、苗移植機1の直進走行を維持し難いことから、制御装置7は、直進アシスト制御を実行しないことで、圃場の凹凸に合わせた走行を可能とし、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態の構成によれば、制御装置7は、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度以上になると、苗植付部昇降機構61により苗植付部60を上昇させ、植付機構91による苗の植付動作を停止させると共に、直進アシスト制御の実行を停止することができる。このため、苗移植機1が圃場端において旋回する場合、制御装置7は、自動的に前輪用デフ装置21のデフロック状態を解除することができるため、作業者による煩雑な操作が不要となり、苗移植機1の操作性を向上させることができる。一方で、制御装置7は、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度未満になると、苗植付部昇降機構61により苗植付部60を下降させ、植付機構91により苗の植付動作を行わせると共に、直進アシスト制御を実行する。このため、苗移植機1が圃場端において旋回した後に直進する場合、制御装置7は、自動的に前輪用デフ装置21をデフロック状態とすることができるため、この場合も、作業者による煩雑な操作が不要となり、苗移植機1の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態の構成によれば、制御装置7は、ハンドル31の操舵角度が設定操舵角度未満であっても、後輪回転センサ157の検出結果に基づいて、左右一対の後輪12bの回転差が、設定回転差の範囲内でないと判定すると、直進アシスト制御を実行しない。このため、苗移植機1が圃場端において旋回した後に直進する場合であっても、凹凸が多い圃場の状態では、苗移植機1の直進走行を維持し難いことから、制御装置7は、直進アシスト制御を実行しないことで、圃場の凹凸に合わせた走行を可能とし、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態の構成によれば、制御装置7は、傾斜角センサ152により検出された傾斜角が中間角度以上であると判定すると、直進アシスト制御を実行することができる。このため、制御装置7は、走行車体5が中速以上になった場合、走行車体5の進行方向および苗の植付状態が安定したとして、走行車体5の直進をアシストすることができる。
また、本実施形態の構成によれば、制御装置7は、走行操作レバー35が中立位置から低速位置の間にある場合、入力軸回転センサ151の検出結果に基づいて、油圧式無段変速機16を変速制御することができる。このため、例えば、苗移植機1が傾斜面にある場合、車輪12に加わる接地抵抗、および苗移植機1に加わる重力の影響により、傾斜角センサ152に基づく油圧式無段変速機16の変速制御に誤差が生じる場合であっても、制御装置7は、入力軸回転センサ151に基づく油圧式無段変速機16の変速制御を行うことにより、油圧式無段変速機16の変速制御を精度良く実行することができる。
また、本実施形態の構成によれば、制御装置7は、昇降リンクセンサ155の検出結果に基づいて、昇降リンク装置71の上下移動(変動)が設定時間を超えて実行されていると判定した場合、走行車体5の車速を低減し、エンジン11の回転数を上昇させると共に、直進アシスト制御の実行を停止することができる。このため、制御装置7は、エンジン11の回転数を上昇させ、作動油の油圧を上昇させることで、油圧昇降シリンダ82による苗植付部60の昇降速度を速くすることができる。これにより、制御装置7は、圃場の凹凸に応じて、苗の植付深さを適切にすることができるため、苗の植付精度を向上させることができる。また、制御装置7は、走行車体5の車速を低減した分、油圧式無段変速機16から出力される動力を高トルクにすることができるため、走行車体5は、凹凸のある圃場でも安定に走行することができるため、苗を好適に植え付けることができる。また、制御装置7は、直進アシスト制御の実行を停止することで、走行車体5は、凹凸のある圃場に適した走行を行うことができるため、苗を好適に植え付けることができる。
また、本実施形態の構成によれば、制御装置7は、走行操作レバー35の操作速度が設定速度以上であると判定すると、エンジン11を高回転モードとすることができる。このため、苗移植機1に、エンジン11の回転数を変更するための操作レバーを別途設ける必要がないため、部品点数を削減することができる。
1 苗移植機
5 走行車体
6 苗植付装置
7 制御装置
8 走行状態検出装置
11 エンジン
12 車輪
16 油圧式無段変速機
17 ベルト式動力伝達機構
18 ミッションケース
19 斜板
20 サーボモータ
21 前輪用デフ装置
25 フロアステップ
26 リアステップ
28 操縦席
31 ハンドル
35 走行操作レバー
51 デフケース
52 リングギア
53a、53b サイドギア
54 ピニオンギア
55a、55b クラッチギア
56 デフロッククラッチ
58 植付深さ調整レバー
60 苗植付部
61 苗植付部昇降機構
71 昇降リンク装置
81 平行リンク機構
82 油圧昇降シリンダ
90 センターケース
91 植付機構
92 植付爪
95 苗載せ部
97 フロート
98 センターフロート
99 サイドフロート
101 フロートリンク
104 植付深さ調整機構
105 連結部材
106 センターフロート回動軸
108 植付深さ調整フレーム
109 植付深さ調整リンク
110 植付深さ調整アーム
115 前部整地ロータ
116 後部整地ロータ
117 ロータフレーム
118 ロータ昇降機構
120 水位センサ
121 測定ケース
130 旋回連動機構
150 車速センサ
151 入力軸回転センサ
152 傾斜角センサ
153 操作状態検出センサ
154 走行用ポテンショメーター
155 昇降リンクセンサ
156 水位センサ
157 後輪回転センサ
158 ハンドル用ポテンショメーター
P 油圧ポンプ
M 油圧モータ

Claims (9)

  1. 走行車体と、
    前記走行車体の後部に設けられると共に苗を圃場に植え付ける苗植付装置と、
    前記走行車体の走行状態を検出する走行状態検出装置と、
    前記走行状態検出装置の検出結果に基づいて、前記走行車体および前記苗植付装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記走行車体は、動力源としてのエンジンと、左右一対の車輪と、前記車輪を操舵する操舵部材と、走行状態が直進となるように直進補助する直進アシスト装置と、前記直進アシスト装置の作動状態と非作動状態とを切り替える作動切替装置と、を有し、
    前記制御装置は、前記直進アシスト装置の作動状態において、前記走行状態検出装置の検出結果に基づいて、前記走行車体の直進補助を停止する停止条件であると判定すると、前記作動切替装置により前記直進アシスト装置を非作動状態とすることを特徴とする苗移植機。
  2. 前記走行状態検出装置は、前記走行車体の車速を検出する車速センサを有し、
    前記直進補助の停止条件は、前記走行車体の減速であることを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  3. 前記直進アシスト装置は、前記左右一対の車輪の回転を連動させるデフロック装置であり、
    前記走行状態検出装置は、前記左右一対の車輪の回転数をそれぞれ検出する車輪回転センサを有し、
    前記制御装置は、前記車輪回転センサの検出結果に基づいて、前記左右一対の車輪の回転差が、予め設定された設定回転差の範囲内であると判定すると、前記作動切替装置により前記デフロック装置を作動状態とすることを特徴とする請求項1または2に記載の苗移植機。
  4. 前記苗植付装置は、前記圃場に苗を植え付ける苗植付部と、前記苗植付部を昇降させる昇降機構と、前記操舵部材の操舵角度に応じて前記昇降機構による前記苗植付部の昇降を連動させる旋回連動機構と、を有し、
    前記旋回連動機構は、前記操舵部材の操舵角度が予め設定された設定操舵角度以上になると、前記昇降機構により前記苗植付部を上昇させる一方で、前記操舵角度が前記設定操舵角度未満になると、前記昇降機構により前記苗植付部を下降させ、
    前記制御装置は、前記操舵角度が前記設定操舵角度以上になると、前記苗植付部を作動状態とし、前記作動切替装置により前記デフロック装置を非作動状態とする一方で、前記操舵角度が前記設定操舵角度未満になると、前記苗植付部を非作動状態とし、前記作動切替装置により前記デフロック装置を作動状態とすることを特徴とする請求項3に記載の苗移植機。
  5. 前記制御装置は、前記操舵角度が前記設定操舵角度未満であっても、前記車輪回転センサの検出結果に基づいて、前記左右一対の車輪の回転数差が、予め設定された設定回転数差の範囲内であると判定すると、前記作動切替装置により前記デフロック装置を非作動状態とすることを特徴とする請求項4に記載の苗移植機。
  6. 前記走行車体は、斜板の傾斜角が変更されることにより前記エンジンから入力された動力を変速して前記車輪へ向けて出力する油圧式無段変速機をさらに有し、
    前記走行状態検出装置は、前記斜板の傾斜角を検出する傾斜角センサを有し、
    前記制御装置は、前記傾斜角センサの検出結果に基づいて、前記傾斜角が、中立と最大角度との中間となる中間角度から前記最大角度までの間にあると判定すると、前記作動切替装置により前記直進アシスト装置を作動状態とすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の苗移植機。
  7. 前記走行車体は、斜板の傾斜角が変更されることにより前記エンジンから入力された動力を変速して前記車輪へ向けて出力する油圧式無段変速機と、前記油圧式無段変速機を変速して前記走行車体の車速を変更するための走行操作部材と、前記走行操作部材の操作位置に応じて前記斜板の傾斜角を変更するモータと、をさらに有し、
    前記走行状態検出装置は、前記走行操作部材の操作位置を検出する操作位置検出センサと、前記油圧式無段変速機の入力軸の回転数を検出する入力軸回転センサと、を有し、
    前記制御装置は、前記操作位置検出センサの検出結果に基づいて、前記操作位置が、前記走行車体が停止する中立位置から前記走行車体が低速となる低速位置までの範囲内にあると判定されると、前記入力軸回転センサにより検出した入力軸の回転数に基づいて、前記油圧式無段変速機の変速制御を実行することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の苗移植機。
  8. 前記走行車体は、斜板の傾斜角が変更されることにより前記エンジンから入力された動力を変速して前記車輪へ向けて出力する油圧式無段変速機と、前記斜板の傾斜角を変更するモータと、をさらに有し、
    前記苗植付装置は、前記圃場に苗を植え付ける苗植付部と、前記苗植付部を昇降させる昇降機構と、を有し、
    前記走行状態検出装置は、前記昇降機構の鉛直方向における位置を検出する昇降位置センサを有し、
    前記昇降機構は、前記油圧式無段変速機により昇圧される作動油の油圧により昇降動作し、
    前記制御装置は、前記昇降位置センサの検出結果に基づいて、前記昇降機構の鉛直方向における位置の変動が予め設定された設定時間以上発生したと判定すると、前記モータにより前記斜板の前記傾斜角を中立側に傾斜させ、前記エンジンの回転数を高くすると共に、前記作動切替装置により前記直進アシスト装置を非作動状態とすることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の苗移植機。
  9. 前記走行車体は、前記走行車体の車速を変更するための走行操作部材をさらに有し、
    前記走行状態検出装置は、前記走行操作部材の操作状態を検出する操作状態検出センサを有し、
    前記エンジンは、回転数が標準となる標準モードと、前記標準モードに比して回転数が高回転となる高回転モードとで作動可能となっており、
    前記制御装置は、前記操作状態検出センサの検出結果に基づいて、前記走行操作部材が予め設定された設定速度以上で、前記走行車体が高速となるように操作されたと判定すると、前記エンジンを前記高回転モードとする一方で、前記エンジンが前記高回転モードの状態から、前記走行操作部材が、前記走行車体が低速となるように操作されたと判定すると、前記エンジンを前記標準モードとすることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の苗移植機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018171073A (ja) * 2018-07-12 2018-11-08 株式会社クボタ 圃場作業機
JP2018202929A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 井関農機株式会社 圃場作業車の自動操舵装置

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