JP5173277B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
本発明は、右及び左のマーカーを備えた水田作業機において、オートマーカー機能を備えた場合に、マーカーが畦に接触して破損するような状態を防止することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業機において次のように構成することにある。
機体の後部に対地作業装置を昇降自在に連結し、田面に接地して作業行程の指標を形成する作用姿勢及び田面から上方に離れた格納姿勢に操作自在な右及び左のマーカーを対地作業装置又は機体の右及び左側部に備える。
右の車輪に動力を伝達する右のサイドクラッチと、左の車輪に動力を伝達する左のサイドクラッチとを備え、操向操作自在な車輪が直進位置側から右又は左の操向限度側に操向操作されると、右又は左のサイドクラッチが遮断状態に操作され、操向操作自在な車輪が右又は左の操向限度側から直進位置側に操作されると、遮断状態に操作された右又は左のサイドクラッチが伝動状態に操作されるように構成する。
操向操作自在な車輪の操向角度を検出する操向角度検出手段と、旋回が開始されたことを検出する旋回検出手段と、車輪の回転数に基づいて機体の走行距離を検出する走行距離検出手段とを備えて、操向角度検出手段で検出された車輪の操向角度が、遮断状態に操作された右又は左のサイドクラッチが伝動状態に操作されるまで直進位置側に戻ったことと、走行距離検出手段で検出された機体の走行距離とに基づいて、旋回終了を検出するように構成する。
対地作業装置が上昇すると、作用姿勢のマーカーを格納姿勢に操作し、旋回終了の検出に基づいて、作用姿勢に操作されていたマーカーとは反対側のマーカーを作用姿勢に操作するマーカー制御手段を備える。
本発明の第1特徴によると、旋回開始(例えば対地作業装置の上昇や車輪の設定角度以上の操向操作)に加えて、操向角度検出手段で検出された車輪の操向角度が、遮断状態に操作された右又は左のサイドクラッチが伝動状態に操作されるまで直進位置側に戻ったことと、機体の走行距離とに基づいて、マーカー制御手段が作動する。
これにより、[発明が解決しようとする課題]に記載のように、畦際での旋回終了前に対地作業装置を畦の近傍で下降させても、これに伴って作用姿勢に操作されていたマーカーとは反対側のマーカーが作用姿勢に操作されることはなく、このマーカーが畦に接触して破損するような状態は生じない。
車輪を旋回開始から旋回終了まで同じ旋回方向の操向角度に維持して、一つの半円を描くように旋回する状態である場合、機体の走行距離がそのまま旋回の進行となる。
しかしながら、水田作業機の一例である乗用型田植機では、畦際での旋回において、車輪を旋回開始から旋回終了まで同じ旋回方向の操向角度に維持して、一つの半円を描くように旋回する状態ばかりではなく、例えば特許文献2に開示されているように、8条植型式のような横幅の大きな苗植付装置を備えた乗用型田植機では、畦際での旋回において前半の旋回(特許文献2の図8のL1)を行った後、少し直進走行(特許文献2の図8のL2)を行い、後半の旋回(特許文献2の図8のL3)を行う場合がある(前半の旋回、直進走行及び後半の旋回により、一つの畦際での旋回とする場合がある)。
これにより、特許文献2の図8に示すように、前半の旋回、直進走行及び後半の旋回を行う場合、前述のように、機体の走行距離の検出を行うだけであると、前半及び後半の旋回の間の直進走行でも機体の走行距離の検出が行われるので、前半及び後半の旋回の間の直進走行が長くなれば、まだ畦際での旋回が終了していないのに、直進走行の途中において、畦際での旋回終了が検出されてしまう可能性がある。
本発明の第1特徴によると、機体の走行距離に加えて、操向角度検出手段で検出された車輪の操向角度が、遮断状態に操作された右又は左のサイドクラッチが伝動状態に操作されるまで直進位置側に戻ったことに基づいて、畦際での旋回終了を検出するように構成している。
本発明の第1特徴によると、右及び左のマーカーを備えた水田作業機において、オートマーカー機能を備えた場合、旋回検出手段で検出された旋回開始に加えて、操向角度検出手段で検出された車輪の操向角度が、遮断状態に操作された右又は左のサイドクラッチが伝動状態に操作されるまで直進位置側に戻ったことと、走行距離検出手段で検出された機体の走行距離とに基づいて、畦際での旋回終了を検出するように構成することにより、マーカーが畦に接触して破損するような状態を防止することができて、水田作業機の作業性を高めることができた。
本発明の第1特徴によると、機体の走行距離に加えて、操向角度検出手段で検出された車輪の操向角度が、遮断状態に操作された右又は左のサイドクラッチが伝動状態に操作されるまで直進位置側に戻ったことを考慮することにより、畦際での旋回時に前半の旋回、直進走行及び後半の旋回を行っても、畦際での旋回終了を適切に認識することができるようになり、マーカーが畦に接触して破損するような状態を防止することができて、水田作業機の作業性を高めることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
水田に対する車輪のスリップ率を検出するスリップ率検出手段を備える。スリップ率検出手段で検出された車輪のスリップ率を加味して旋回終了を検出するように構成する。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
水田作業機が走行する水田は一般に滑り易いので、車輪にスリップが多く発生すると、車輪は多く回転しているのに、実際には機体はあまり走行していないと言うような状態となる。前項[I]に記載のように、車輪の回転数に基づいて機体を走行距離を検出する場合、車輪にスリップが多く発生すると、実際には機体はあまり走行していないのに、機体の走行距離が大きな値になってしまうことがある。
これにより滑り易い水田において、車輪は多く回転しているのに、実際には機体はあまり走行していないと言うような状態になっても、車輪のスリップ率を加味することによって、実際の機体の走行距離に近い値を得ることができる(例えば、機体の走行距離に、車輪のスリップ率に基づく補正値を加えることによって、実際の機体の走行距離に近い値を得ることができる)。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、車輪のスリップ率を加味して畦際での旋回終了を検出するように構成することにより、滑り易い水田であっても実際の機体の走行距離に近い値を得ることができるようになって、マーカーが畦に接触して破損するような状態をさらによく防止することができるようになった。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
旋回検出手段で検出された旋回開始から、走行距離検出手段で検出された機体の走行距離が設定距離を越えても旋回終了が検出されないと、マーカー制御手段の作動を初期化する初期化手段を備える。
旋回検出手段で検出された旋回開始から、設定時間を経過しても旋回終了が検出されないと、マーカー制御手段の作動を初期化する初期化手段を備える。
本発明の第3特徴(第4特徴)によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
水田作業機の一例である乗用型田植機では、機体の向きを約180度変える畦際での旋回以外に、例えば畦から水田に入る際や、水田から畦に出る際、水田の中央ではなく畦に沿って植付走行する際等では、機体の向きを約90度変える旋回を行うことがある。このような旋回では、機体の向きを約90度変えた後は、そのまま直進するような状態になることが多い。
このような旋回であると、旋回を開始してから機体の向きが約90度変わった後、直進状態に移行して実際の旋回を終了しているのに、旋回終了が検出されない状態となってしまい、マーカー制御手段は、作用姿勢に操作されていたマーカーとは反対側のマーカーを作用姿勢に操作しようとする待機状態をそのまま維持することになる。
本発明の第3特徴(第4特徴)によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴(第4特徴)によると、機体の向きを約180度変える畦際での旋回以外の旋回において、作用姿勢に操作されていたマーカーとは反対側のマーカーを作用姿勢に操作しようとする待機状態を解除することにより、マーカー制御手段が待機状態に維持されることによる不具合を防止することができた。
図1に示すように、右及び左の前輪1(車輪に相当)、右及び左の後輪2(車輪に相当)で支持された機体の後部に、リンク機構3が昇降自在に支持されて、リンク機構3を昇降駆動する単動型の油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(対地作業装置に相当)が支持されて、水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。水田は一般に下方の硬い耕盤G1の上に泥や水の層が形成されて、泥や水の層の最上面が田面G2となっており、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2は耕盤G1に接地して走行する。
次に、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2への伝動系について説明する。
図1及び図2に示すように、エンジン31の動力が伝動ベルト32を介して静油圧式無段変速装置33及びミッションケース34に伝達され、ミッションケース34の内部の副変速装置(図示せず)から、前輪デフ機構(図示せず)及び前車軸ケース35を介して、右及び左の前輪1に伝達される。副変速装置の動力が伝動軸36、後車軸ケース37の入力軸38、入力軸38に固定されたベベルギヤ38a、ベベルギヤ38aに咬合するベベルギヤ39a、ベベルギヤ39aが固定された伝動軸39、右及び左のサイドクラッチ40を介して、右及び左の後輪2に伝達される。静油圧式無段変速装置33は中立位置Nから前進側F及び後進側Rに無段階に変速自在に構成されており、操縦ハンドル20の左横側に備えられた変速レバー45により静油圧式無段変速装置33を操作する。
次に、苗植付装置5及び繰り出し部15への伝動系について説明する。
図1及び図3に示すように、ミッションケース34において、副変速装置の直前から分岐した動力が、植付クラッチ26及びPTO軸25を介して苗植付装置5に伝達され、副変速装置の直前から分岐した動力が、施肥クラッチ27及び駆動ロッド30介して繰り出し部15に伝達されており、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動及び遮断状態に操作する電動モータ28が備えられている。
次に、苗植付装置5の自動昇降制御について説明する。
図3に示すように、苗植付装置5の横軸芯P1周りに中央の接地フロート9の後部が上下に揺動自在に支持されて、苗植付装置5に対する中央の接地フロート9の高さを検出するポテンショメータ22が備えられており、ポテンショメータ22の検出値が制御装置23に入力されている。機体の進行に伴って中央の接地フロート9が田面G2に接地追従するのであり、ポテンショメータ22の検出値により苗植付装置5に対する中央の接地フロート9の高さを検出することによって、田面G2(中央の接地フロート9)から苗植付装置5までの高さを検出することができる。
次に、昇降レバー11について説明する。
図1及び図3に示すように、運転座席13の右横側に昇降レバー11が備えられ、昇降レバー11は自動位置、上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在に構成されており、昇降レバー11の操作位置が制御装置23に入力されている。機体に対するリンク機構3の上下角度を検出するポテンショメータ29が備えられており、ポテンショメータ29の検出値が制御装置23に入力されている。
次に、操作レバー12について説明する。
図1及び図3に示すように、操縦ハンドル20の下側の右横側に操作レバー12が備えられ、操作レバー12が右の横外方に延出されている。操作レバー12は中立位置Nから上方の第1上昇位置U1、第2上昇位置U2,下方の第1下降位置D1、第2下降位置D2、後方の右マーカー位置R及び前方の左マーカー位置Lの十字方向に操作自在に構成されて、中立位置Nに付勢されており、操作レバー12の操作位置が制御装置23に入力されている。
操作レバー12を第2上昇位置U2に操作すると(第2上昇位置U2に操作して中立位置Nに操作すると)、電動モータ28により植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されて、自動昇降制御が停止し、電動モータ21により右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作されて、制御装置23により制御弁24が供給位置に操作され、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇する。苗植付装置5が上限位置に達したことがポテンショメータ29により検出されると、制御装置23により制御弁24が中立位置に操作されて、油圧シリンダ4が自動的に停止する。
このように操作レバー12を第1上昇及び第1下降位置U1,D1に操作している間だけ、苗植付装置5を上昇及び下降させることができるのであり、苗植付装置5を任意の高さに上昇及び下降させて停止させることができる。
次に、畦際での旋回時の操作制御に関する構造について説明する。
図3に示すように、変速レバー45の操作位置が制御装置23に入力されている。図2及び図3に示すように、ミッションケース34の右の横側面に、ブラケット46が固定され、ブラケット46にポテンショメータ47(旋回検出手段及び操向角度検出手段に相当)が固定されて、操向部材41とポテンショメータ47の検出アーム(図示せず)とに亘って、連係ロッド48が前車軸ケース35の下側を通って接続されている。ポテンショメータ47により操向部材41を介して、右及び左の前輪1の操向角度(直進位置A1と右及び左の操向限度A3の範囲)を検出することができるのであり、ポテンショメータ47の検出値が制御装置23に入力されている。
これにより、制御装置23において、後述の[8][9][10][11]に記載のような畦際での旋回時の操作制御(前半、中半及び後半)が行われる。
次に、畦際での旋回時の操作制御の前半(後進行程L1及び前半の前進行程L2)、について、図4,5,7に基づいて説明する。
8条植型式の苗植付装置5を備えた乗用型田植機では、畦際において、図7に示すように、後進行程L1、前半の前進行程L2、前半の旋回行程L3、直進行程L4、後半の旋回行程L5、後半の前進行程L6を行って(以上、畦際での旋回)、1回の植付行程L01から次の植付行程L02に入る場合がある。
次に、畦際での旋回時の操作制御の中半(前半の旋回行程L3、直進行程L4及び後半の旋回行程L5)について、図5及び図7に基づいて説明する。
植付及び施肥クラッチ26,27の遮断位置E1と、旋回中心側のサイドクラッチ40の遮断位置E2との位置関係が検出されると(ステップS13)、畦際での旋回が開始されたと判断されて(前半の旋回行程L3に入ったと判断されて)(旋回検出手段により旋回が開始されたことが検出された状態に相当)、第1設定値CA1及び第2設定値CA2が設定される(ステップS14)。
旋回中心側のサイドクラッチ40の遮断位置E2から、旋回中心側の回転数センサー50のパルス(旋回中心側の後輪2の回転数)が、制御装置23においてパルスの第1積算値C1(機体の走行距離)として検出(積算)され、後進行程L1及び前半の前進行程L2でのパルスの第1積算値C1(機体の走行距離)に加算される(ステップS102)(走行距離検出手段51)。
旋回中心側のサイドクラッチ40の遮断位置E2から、新たに旋回外側の回転数センサー50のパルス(旋回外側の後輪2の回転数)が、制御装置23においてパルスの第2積算値C2として検出(積算)される(ステップS103)。
この場合、旋回中心側のサイドクラッチ40の遮断位置E2での機体の向きに対して、現在の機体の向きがどれだけ変化したのかが、パルスの第2積算値C2とポテンショメータ47の検出値(右及び左の前輪1の操向角度)とに基づいて検出され、この検出値が機体の旋回角度F1として検出(積算)される。機体の旋回角度F1が90度であれば、機体の向きが真横に向いた状態であり、機体の旋回角度F1が180度であれば、機体の向きが反対に向いた状態である。右及び左の前輪1が旋回方向に操向操作された状態で、パルスの第2積算値C2が大きくなると(積算されると)、パルスの第2積算値C2の増加分だけ機体の旋回角度F1は大きくなったと検出される。逆に右及び左の前輪1が直進位置A1に操向操作された状態で、パルスの第2積算値C2が大きくなっても(積算されても)、機体は直進しただけで機体の旋回角度F1は変化していないと検出される。
この場合、旋回外側(サイドクラッチ40の伝動状態)の後輪2の駆動力と、耕盤G1の摩擦係数との関係によって、旋回外側(サイドクラッチ40の伝動状態)の後輪2にスリップが発生したり発生しなかったりすると考えられる。旋回中心側(サイドクラッチ40の遮断状態)の後輪2に動力が伝達されず、旋回中心側(サイドクラッチ40の遮断状態)の後輪2が自由回転する状態であれば、旋回中心側(サイドクラッチ40の遮断状態)の後輪2を回転させるのは、耕盤G1の摩擦係数に基づく耕盤G1からの抵抗であるので、旋回中心側(サイドクラッチ40の遮断状態)の後輪2にスリップは殆ど発生しないと考えられる。
逆に旋回中心側(サイドクラッチ40の遮断状態)の回転数センサー50のパルス(回転数)に対して、旋回外側(サイドクラッチ40の伝動状態)の回転数センサー50のパルス(回転数)が、前述の所定のパルス数(回転数)を越えていれば、旋回外側(サイドクラッチ40の伝動状態)の回転数センサー50のパルス(回転数)と、旋回中心側(サイドクラッチ40の遮断状態)の回転数センサー50のパルス(回転数)との比に基づいて、耕盤G1に対する右及び左の後輪2のスリップ率が検出される。
次に、畦際での旋回時の操作制御の後半(後半の旋回行程L5及び後半の前進行程L6)について、図5,6,7に基づいて説明する。
運転者が操縦ハンドル20を操作して機体を走行させて、パルスの第2積算値C2が第2設定値CA2に達すると(ステップS15)(例えば後半の旋回行程L5の途中等)、検出(積算)された機体の旋回角度F1がスリップ率に基づいて補正される(ステップS16)。例えばスリップ率が大きいと、パルスの第2積算値C2が大きいのに、機体の旋回角度F1はあまり変化していないと判断できるので、検出(積算)された機体の旋回角度F1からスリップ率に基づく補正値が差し引かれる。
この場合、マーカー19の作用姿勢方向MFが「左」に設定されていることにより(ステップS25)、左のマーカー19が作用姿勢に操作され(ステップS27)(右のマーカー19は格納姿勢に保持される)(マーカー操作手段56に相当)、次の植付行程の指標H3が田面G2に形成される。逆にマーカー19の作用姿勢方向MFが「右」に設定されていれば(ステップS25)、右のマーカー19が作用姿勢に操作される(ステップS26)(左のマーカー19は格納姿勢に保持される)(マーカー操作手段56に相当)。この後に次の植付行程L02に入る。
図5のステップS17において、補正後の機体の旋回角度F1が第1設定角度FA1(例えば150度)に達していなければ、畦際での旋回が通常どおりに行われていないか、又は機体の向きを約90度変えた後に、そのまま直進した状態であると判断されて、これ以後のステップS18〜S27の操作が行われず、マーカー19の作用姿勢方向MFがリセットされる(「右」又は「左」の設定が消去される)(初期化手段57に相当)。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、図5のステップS17を廃止して、ステップS1(又はステップS11,S13)から第1設定時間が経過しても、パルスの第2積算値C2が第2設定値CA2に達していなければ(ステップS15)、畦際での旋回が通常どおりに行われていないか、又は機体の向きを約90度変えた後に、そのまま直進した状態であると判断されて、これ以後のステップS16〜S27の操作が行われず、マーカー19の作用姿勢方向MFがリセットされるように構成してもよい(「右」又は「左」の設定が消去される)(初期化手段57に相当)。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]の旋回角度検出手段55(図5のステップS104)において、パルスの第2積算値C2とポテンショメータ47の検出値(右及び左の前輪1の操向角度)とに基づいて、機体の旋回角度F1を検出(積算)するのではなく、パルスの第1積算値C1とポテンショメータ47の検出値(右及び左の前輪1の操向角度)とに基づいて、機体の旋回角度F1を検出(積算)するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]のスリップ率検出手段52(図5のステップS105)において、以下のように構成してもよい。
図3に示す右及び左のマーカー19のアーム部19aに回転体19bの回転数を検出する回転数センサー(図示せず)を備えて、右及び左の後輪2の回転数センサー50のパルス(回転数)と、右及び左のマーカー19の回転数センサーの回転数とを比較することによって、耕盤G1に対する右及び左の後輪2のスリップ率を検出するように構成する。これにより、右又は左のマーカー19を作用姿勢に操作する植付行程L01,L02において、耕盤G1に対する右及び左の後輪2のスリップ率を検出することができる。
図7に示す植付行程L01,L02において、GPSにより実際の機体の走行距離を検出し、右及び左の後輪2の回転数センサー50のパルス(回転数)と比較することによって、耕盤G1に対する右及び左の後輪2のスリップ率を検出するように構成する。
前項(1)(2)及び[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、回転数センサー50を右及び左の前輪1に備える。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、右及び左のマーカー19を苗植付装置5の右及び左側部に備えるのではなく、右及び左のマーカー19を機体の前部の右及び左側部に備えるように構成してもよい。
図7に示すように、後進行程L1、前半の前進行程L2、前半の旋回行程L3、直進行程L4、後半の旋回行程L5及び後半の前進行程L6を行う場合(畦際での旋回)ばかりではなく、前半の前進行程L2、前半の旋回行程L3、後半の旋回行程L5及び後半の前進行程L6のみを行う場合(畦際での旋回)や、前半の旋回行程L3及び後半の旋回行程L5のみを行う場合(畦際での旋回)にも適用できる。
2 車輪
5 対地作業装置
19 マーカー
40 サイドクラッチ
47 旋回検出手段、操向角度検出手段
51 走行距離検出手段
52 スリップ率検出手段
56 マーカー制御手段
57 初期化手段
A1 直進位置
A3 操向限度
C1 機体の走行距離
CA1 設定値
G2 田面
Claims (4)
- 機体の後部に対地作業装置を昇降自在に連結し、
田面に接地して作業行程の指標を形成する作用姿勢及び田面から上方に離れた格納姿勢に操作自在な右及び左のマーカーを、前記対地作業装置又は機体の右及び左側部に備え、
右の車輪に動力を伝達する右のサイドクラッチと、左の車輪に動力を伝達する左のサイドクラッチとを備え、操向操作自在な車輪が直進位置側から右又は左の操向限度側に操向操作されると、右又は左の前記サイドクラッチが遮断状態に操作され、操向操作自在な車輪が右又は左の操向限度側から直進位置側に操作されると、遮断状態に操作された右又は左の前記サイドクラッチが伝動状態に操作されるように構成し、
操向操作自在な車輪の操向角度を検出する操向角度検出手段と、旋回が開始されたことを検出する旋回検出手段と、車輪の回転数に基づいて機体の走行距離を検出する走行距離検出手段とを備えて、
前記操向角度検出手段で検出された車輪の操向角度が、遮断状態に操作された右又は左の前記サイドクラッチが伝動状態に操作されるまで直進位置側に戻ったことと、前記走行距離検出手段で検出された機体の走行距離とに基づいて、旋回終了を検出するように構成し、
前記対地作業装置が上昇すると、作用姿勢のマーカーを格納姿勢に操作し、旋回終了の検出に基づいて、作用姿勢に操作されていたマーカーとは反対側のマーカーを作用姿勢に操作するマーカー制御手段を備えてある水田作業機。 - 水田に対する車輪のスリップ率を検出するスリップ率検出手段を備え、
前記スリップ率検出手段で検出された車輪のスリップ率を加味して、旋回終了を検出するように構成してある請求項1に記載の水田作業機。 - 前記旋回検出手段で検出された旋回開始から、前記走行距離検出手段で検出された機体の走行距離が設定距離を越えても旋回終了が検出されないと、前記マーカー制御手段の作動を初期化する初期化手段を備えてある請求項1又は2に記載の水田作業機。
- 前記旋回検出手段で検出された旋回開始から、設定時間を経過しても旋回終了が検出されないと、前記マーカー制御手段の作動を初期化する初期化手段を備えてある請求項1又は2に記載の水田作業機。
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