JP5027835B2 - 水田作業車 - Google Patents
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Description
この場合、旋回終了位置が検出される少し前に苗植付装置が自動的に田面に下降し(又は運転者が昇降レバーによる苗植付装置の下降操作を行い)、旋回終了位置が検出されると、苗植付装置に動力を伝達する植付クラッチ(作業クラッチに相当)(特許文献1の図3の16)が自動的に伝動状態に操作されるように構成することが考えられている。
例えば、最初に図6に示す位置K1に機体を位置させて、苗植付装置5を田面に接地させ、左のマーカー19を作用姿勢(右のマーカー19は格納姿勢)に操作する。この状態において、植付クラッチを遮断状態に操作して畦Bに沿って走行し、左のマーカー19により次の作業行程L01の指標を田面に形成する(空作業行程LA1)。空作業行程LA1において植付クラッチを伝動状態に操作しないのに苗植付装置5を田面に接地させて走行するのは、前輪及び後輪の通過跡を苗植付装置5のフロートによって消す為である。
K2に示す位置において、苗植付装置5を下降させて田面に接地させ、植付クラッチを伝動状態に操作して、回り作業行程LB1に入る。回り作業行程LB1において、機体の左側に畦Bが存在し、機体の右側に作業行程L05で植え付けられた苗が存在するので、右及び左のマーカー19を格納姿勢に操作しておく。
以上のように、例えば図6及び図7に示すような平面視で四角形の水田において、1回の空作業行程LA1、複数回の作業行程L01〜L05及び4回の回り作業行程LB1〜LB4を行うことにより、水田の全ての部分に苗の植え付けを行うことができる。
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業車において次のように構成することにある。
機体に備えられた作業装置と、前記作業装置への動力を伝動及び遮断状態に操作する作業クラッチとを備えて、
田面に接地して次の作業行程の指標を田面に形成する作用姿勢と田面から上方の格納姿勢とに操作自在な右及び左のマーカーを備え、
作業行程からの旋回開始に伴って機体の旋回を検出して機体の旋回終了位置を検出する旋回終了位置検出手段と、前記旋回終了位置検出手段の検出に基づいて前記作業クラッチを伝動状態に操作する操作手段とを備え、
旋回開始前の作業行程において、前記右又は左のマーカーが作用姿勢に操作されていると、前記操作手段が作動するように構成する。
例えば、図6に示すような平面視で四角形の水田において、空作業行程から作業行程に入る場合、旋回LL1は略Uターンするような一般的(定型的)な旋回である。同様に作業行程から次の作業行程に入る場合、旋回LL2〜LL5は略Uターンするような一般的(定型的)な旋回である。このように旋回LL1〜LL5が略Uターンするような一般的(定型的)な旋回であることにより、旋回LL1〜LL5において作業クラッチを伝動状態に操作するタイミングは一定(同じ)であることが多い。
これにより、空作業行程から作業行程に入る場合、及び作業行程から次の作業行程に入る場合において、旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作されるようにすることは適切である。この場合、空作業行程LA1及び作業行程L01〜L05において、右又は左のマーカー19が作用姿勢に操作されている。
これにより、回り作業行程から次の回り作業行程に入る場合、旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作されるようにすることは適切ではない。この場合、回り作業行程において、右及び左のマーカーが格納姿勢に操作されている。
これにより、空作業行程から作業行程に入る場合及び作業行程から次の作業行程に入る場合のように、旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作されるようにすることが適切である状態に対して、右又は左のマーカーが作用姿勢に操作されていることに基づいて、適切に対応することができる(旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作される)。
本発明の第1特徴によると、水田作業車において旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作されるように構成した場合、右及び左のマーカーの作用及び格納姿勢により、旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作される状態を適切に得ることができるようになって、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業車において次のように構成することにある。
旋回開始前の作業行程において、機体に昇降自在に備えられた前記作業装置が田面に接地し、且つ、前記右又は左のマーカーが作用姿勢に操作されていると、前記操作手段が作動するように構成する。
前項[I]の記載及び図6に示すように、空作業行程LA1において、右又は左のマーカー19が作用姿勢に操作されているのに加えて、機体に昇降自在に備えられた作業装置5が田面に接地している(作業クラッチの遮断状態)。作業行程L01〜L05において右又は左のマーカー19が作用姿勢に操作されているのに加えて、作業装置5が田面に接地している(作業クラッチの伝動状態)。
これに対して、畦や路上を走行する場合は、一般に作業装置を田面に接地するような位置に下降させていることは少なく、作業装置を大きく上昇させていることが多い。
これにより、例えば畦や路上を走行する場合において(作業装置を大きく上昇させている状態)、誤って右又は左のマーカーが作用姿勢に操作されてしまい、この後に旋回が行われても、作業クラッチが伝動状態に操作されることはない。
本発明の第2特徴によると、例えば畦や路上を走行する場合において(作業装置を大きく上昇させている状態)、誤って作業クラッチが伝動状態に操作されることがないように構成することができて、畦や路上において作業クラッチが伝動状態に操作されてしまうことによる無駄(例えば苗植付装置から苗が畦や路上に放出されてしまうような状態)を少なくすることができた。
(構成)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴の水田作業車において次のように構成することにある。
機体の走行速度が移動走行用の高速状態であると、前記操作手段が作動を停止するように、前記操作手段を構成する。
水田作業車では、走行用の変速装置を、水田での作業走行用の低速状態から移動走行用の高速状態に操作自在に構成しているものが多く、一般に路上を走行する場合には走行用の変速装置を移動走行用の高速状態に操作することが多い。
本発明の第3特徴によると、例えば路上を走行する場合において(機体の走行速度が移動走行用の高速状態)、誤って作業クラッチが伝動状態に操作されることがないように構成することができて、路上において作業クラッチが伝動状態に操作されてしまうことによる無駄(例えば苗植付装置から苗が畦や路上に放出されてしまうような状態)を少なくすることができた。
(構成)
本発明の第4特徴によると、本発明の第1〜第3特徴の水田作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記操作手段を作動及び停止状態に人為的に操作自在な人為操作具を備える。
例えば図6及び図7に示す水田では、位置K2(作業行程L05から回り作業行程LB1に入る場合の旋回LL6を行った位置)の近傍に水田の出口があるので、回り作業行程LB1から作業クラッチを伝動状態に操作している。
これにより、作業行程から回り作業行程に入る場合において、旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作されるようにすることは適切である。この場合、作業行程において、右又は左のマーカーが作用姿勢に操作されている。
これにより、作業行程から回り作業行程に入る場合において、旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作されるようにすることは適切ではない。この場合、作業行程において、右又は左のマーカーが作用姿勢に操作されている。
本発明の第4特徴によると、操作手段を作動及び停止状態に人為的に操作自在な人為操作具を備えているので、前述のように旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作されるようにすることが適切である状態や、適切ではない状態に対応して、人為操作具を操作することにより操作手段を作動及び停止状態に操作することができる。
本発明の第4特徴によると、旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作されるようにすることが適切である状態や、適切ではない状態に対応して、操作手段を作動及び停止状態に操作することができるようになり、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第5特徴によると、本発明の第1〜第4特徴の水田作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記操作手段が作動状態であることを報知する報知手段を備える。
本発明の第5特徴によると、操作手段が作動状態であること(旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが自動的に伝動状態に操作されること)を、運転者が報知手段の作動により認識することができるのであり、操作手段が作動状態であるのに停止状態であるように認識してしまうような運転者の誤解を少なくすることができる。
本発明の第5特徴によると、操作手段が作動状態であるのに停止状態であるように認識してしまうような運転者の誤解を少なくすることができて、運転者の誤解に基づく誤操作を少なくすることができた。
(構成)
本発明の第6特徴によると、本発明の第1〜第5特徴の水田作業車うちのいずれか一つの において次のように構成することある。
右及び左の車輪の回転数を検出する右及び左の回転数センサーを備えて、
前記旋回中心側の回転数センサーの検出値に基づいて、機体の旋回を検出して機体の旋回終了位置を検出するように、前記旋回終了位置検出手段を構成し、
旋回開始前の作業行程において、右及び左の回転数センサーの検出値の差が、事前に設定された設定値を越えて大きくなると、前記操作手段が停止状態となるように、前記操作手段を構成する。
前項[I]において旋回終了位置検出手段を備える場合、右及び左の車輪の回転数を検出する右及び左の回転数センサーを備えて、旋回中心側の回転数センサーの検出値に基づいて、機体の旋回を検出して機体の旋回終了位置を検出するように、旋回終了位置検出手段を構成することがある。
この場合、旋回中は、旋回外側及び旋回中心側の車輪の旋回半径の違いにより、右及び左の回転数センサーの検出値に比較的大きな差が発生している。これに対して、旋回開始前の作業行程は、一般に直進しての作業が多いので、右及び左の回転数センサーの検出値に大きな差が発生することない。
本発明の第6特徴によると、旋回中心側の回転数センサーの検出値に基づいて、機体の旋回を検出して機体の旋回終了位置を検出するように、旋回終了位置検出手段を構成した場合、右又は左の回転数センサーの異常を適切に検出し、誤った旋回終了位置の検出に基づいて作業クラッチが誤って伝動状態に操作される状態を防止することができるようになって、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2(車輪に相当)で支持された機体の後部にリンク機構3が昇降自在に支持されて、リンク機構3を昇降駆動する単動型の油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されて、水田作業車の一例である乗用型田植機が構成されている。水田は一般に下方の硬い耕盤G1の上に泥や水の層が形成されて、泥や水の層の最上面が田面G2となっており、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2は耕盤G1に接地して走行する。
次に、右及び左の前輪1への伝動系について説明する。
図2に示すように、エンジン31の動力が伝動ベルト32を介して静油圧式無段変速装置33及びミッションケース34に伝達され、ミッションケース34の内部の副変速装置46から、前輪デフ機構(図示せず)及び前車軸ケース35の伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の前輪1に伝達される。
次に、右及び左の後輪2への伝動系について説明する。
図1及び図2に示すように、副変速装置46の動力が伝動軸36、後車軸ケース37の入力軸38、入力軸38に固定されたベベルギヤ38a、ベベルギヤ38aに咬合するベベルギヤ39a、ベベルギヤ39aが固定された伝動軸39、右及び左のサイドクラッチ40、右及び左の車軸65を介して右及び左の後輪2に伝達される。
次に、苗植付装置5及び繰り出し部15への伝動系について説明する。
図1及び図3に示すように、ミッションケース34において、副変速装置46から分岐した動力が、植付クラッチ26(作業クラッチに相当)及びPTO軸25を介して苗植付装置5に伝達される。副変速装置46から分岐した動力が、施肥クラッチ27(作業クラッチに相当)及び駆動ロッド30介して繰り出し部15に伝達されており、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動及び遮断状態に操作する電動モータ28が備えられている。
次に、苗植付装置5の自動昇降制御手段61について説明する。
図3に示すように、自動昇降制御手段61が制御装置23に備えられている。苗植付装置5の横軸芯P1周りに中央のフロート9の後部が上下に揺動自在に支持されて、苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出するポテンショメータ22が備えられており、ポテンショメータ22の検出値が制御装置23に入力されている。機体の進行に伴って中央のフロート9が田面G2に接地追従するのであり、ポテンショメータ22の検出値により苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出することによって、田面G2(中央のフロート9)から苗植付装置5までの高さを検出することができる。
次に、昇降レバー11について説明する。
図1及び図3に示すように、運転座席13の右横側に昇降レバー11が備えられ、昇降レバー11は自動位置、上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在に構成されており、昇降レバー11の操作位置が制御装置23に入力されている。機体に対するリンク機構3の上下角度を検出するポテンショメータ29が備えられて、ポテンショメータ29の検出値が制御装置23に入力されており、機体に対するリンク機構3の上下角度を検出することによって、機体に対する苗植付装置5の高さを検出することができる。
このように、昇降レバー11を上昇位置、中立位置及び下降位置に操作することによって、苗植付装置5を任意の高さに上昇及び下降させて停止させることができる。
次に、操作レバー12について説明する。
図1及び図3に示すように、操縦ハンドル20の下側の右横側に操作レバー12が備えられ、操作レバー12が右の横外方に延出されている。操作レバー12は中立位置Nから上方の上昇位置U、下方の下降位置D、後方の右マーカー位置R及び前方の左マーカー位置Lの十字方向に操作自在に構成されて、中立位置Nに付勢されており、操作レバー12の操作位置が制御装置23に入力されている。
右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作された状態において、操作レバー12を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第1設定時間(比較的短い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作される。
右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作された状態において、操作レバー12を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第2設定時間(第1設定時間よりも長い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作される。
次に、乗用型田植機の作業形態について説明する。
例えば図6及び図7に示すように、平面視で四角形の水田において、乗用型田植機は以下のような作業形態を採用することがある。
次に、前項[8]、図6及び図7に示す作業形態において、昇降レバー11を自動位置に操作した状態で、操作レバー12を上昇位置Uに操作した場合(上昇位置Uに操作して中立位置Nに操作した場合)、各種の条件が合致すると、苗植付装置5の自動的な下降、植付及び施肥クラッチ26,27の自動的な伝動状態への操作([14][15]参照)が行われる。
前項[5]及び図3に示すように、苗植付装置5の横軸芯P1周りに中央のフロート9の後部が上下に揺動自在に支持されて、苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出するポテンショメータ22の検出値が制御装置23に入力されている。中央のフロート9の上下の揺動において機械的な下限位置が存在しており、機械的な下限位置に対応するポテンショメータ22の検出値も事前に認識されている。中央のフロート9が田面G2よりも上方に位置するように苗植付装置5が上昇すると、中央のフロート9が自重により機械的な下限位置に位置する。
次に、空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の場合について説明する。
水田において設定スイッチ63を作動位置に操作し(ステップS1)、副変速レバー62(副変速装置46)を低速位置に操作して(ステップS2)、最初に図6に示す位置K1に機体を位置させて、苗植付装置5を田面G2に接地させ(ステップS3)、植付及び施肥クラッチ26,27を遮断状態に操作する。操作レバー12を左マーカー位置Lに第1設定時間に亘って操作して(ステップS4,S5)(M=2)、左のマーカー19を作用姿勢(右のマーカー19は格納姿勢)に操作する。これにより、表示ランプ64が点灯する(ステップS7,S8)。この状態において、空作業行程LA1を行う。
次に、回り作業行程LB1〜LB4の場合について説明する。
図6に示すように、作業行程L05において操作レバー12を右マーカー位置Rに第1設定時間に亘って操作して(ステップS4,S5)(M=2)、右のマーカー19を作用姿勢に操作している状態において、作業行程L05から機体が畦際に達した場合、操作レバー12を上昇位置Uに操作して(上昇位置Uに操作し中立位置Nに操作して)(ステップS10)、旋回LL6を行うと、ステップS21に移行する。
次に、空作業行程LA1、作業行程L01〜L05、回り作業行程LB1〜LB4以外の場合について説明する。
前項[10]及び図6に示す作業行程L05において、操作レバー12を右マーカー位置Rに第1設定時間に亘って操作していなければ(ステップS4,S7)(M=1)、作業行程L05から機体が畦際に達した場合、操作レバー12を上昇位置Uに操作しても(上昇位置Uに操作して中立位置Nに操作しても)(ステップS10)、ステップS21に移行せず、苗植付装置5の自動的な下降、植付及び施肥クラッチ26,27の自動的な伝動状態への操作(ステップS30,S33)([14][15]参照)は行われない(旋回開始前の作業行程L05において、右又は左のマーカー19が作用姿勢に操作されていないので、操作手段54が作動しない状態に相当)。
前述の状態では、図6に示す作業行程L05において、操作レバー12を右マーカー位置Rに第1設定時間に亘って操作しないか、又は回り作業行程LB1に入る前に設定スイッチ63を停止位置に操作しておけばよい。
次に、前項[9]〜[12]に記載の苗植付装置5の自動的な下降、植付及び施肥クラッチ26,27の自動的な伝動状態への操作に関する構成について説明する。
図3に示すように、制御装置23に、機体位置検出手段51、旋回開始位置検出手段52、旋回終了位置検出手段53及び操作手段54が備えられている。昇降レバー11が自動位置に操作されている状態において、機体位置検出手段51、旋回開始位置検出手段52、旋回終了位置検出手段53及び操作手段54が、以下の[14][15]に記載のように作動する。
次に、前半の旋回行程L1について、図5及び図8に基づいて説明する。
作業行程L01において、苗植付装置5が田面G2に接地して、自動昇降制御手段61の作動状態、植付及び施肥クラッチ26,27の伝動状態、右及び左のサイドクラッチ40の伝動状態、右のマーカー19が作用姿勢に操作された状態、左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態となっており、表示ランプ64が点灯している(ステップS8)。この状態で機体が畦際に達すると、運転者は操作レバー12を上昇位置Uに操作する(上昇位置Uに操作して中立位置Nに操作する)(ステップS10)。
式1:Y1=R*SIN(θ)
R:機体の旋回半径
θ:旋回開始位置E1からの機体の移動角度
これにより、機体の移動角度θが0度(旋回開始位置E1)〜90度(境界位置E2)の範囲では、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)での機体の位置Y1は、旋回開始位置E1から(+Y)に離れていく状態となる。
次に、後半の旋回行程L2について、図5及び図8に基づいて説明する。
機体の移動角度θが90度(境界位置E2)を越えると、機体が後半の旋回行程L2に入ったと判断される。前半の旋回行程L1における機体の向きに対して、後半の旋回行程L2の向きは逆向きになるので、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)での機体の位置Y1が、旋回開始位置E1(旋回終了位置E3)に接近していく状態となる。
これにより、ブザー67が停止するのであり(ステップS34)、苗植付装置5(回転ケース7、植付アーム8)による苗の植え付け、及び繰り出し部15による田面G2への肥料の供給が開始されて、次の作業行程L02に入る。
次に、図2及び図3に示すポテンショメータ47、右及び左の回転数センサー50の異常検出について説明する。
図6及び図7に示す空作業行程LA1、作業行程L01〜L05及び回り作業行程LB1〜LB4において、右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2の範囲内に操作されており、右及び左のサイドクラッチ40は伝動状態に操作されている。従って、この状態においてポテンショメータ47、右及び左の回転数センサー50が正常であれば、ポテンショメータ47の検出値が右(左)の設定角度A2の範囲内の値で、右及び左の回転数センサー50の検出値の差は発生していないことになる。
前述の[発明を実施するための形態]の図5のステップS103において、式1に基づいて、空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)での機体の位置Y1を検出するように、機体位置検出手段51を構成するのではなく、機体位置検出手段51、旋回開始位置検出手段52及び旋回終了位置検出手段53を、以下のように構成してもよい。
この場合、図6に示す旋回LL1〜LL6は、全て同じような機体の旋回半径及び機体の走行距離であると認識され、旋回中心側の回転数センサー50の検出値が機体の位置を表す値として認識されており、前述の設定値が事前に設定されている。
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態]の図4のステップS4において、操作レバー12を右又は左マーカー位置R,Lに第1設定時間に亘って操作したのか否かに基づくのではなく、右及び左のマーカー19に直接に接触するセンサー(図示せず)を備えることによって、右及び左のマーカー19が作用姿勢であるか格納姿勢であるかを検出して、ステップS5,S6,S7に移行するように構成してもよい。
図3の表示ランプ64に代えて、ブザー(図示せず)を作動及び停止させたり、音声により報知するように構成してもよく、図3のブザー67に代えて、ランプ(図示せず)を点灯及び消灯させたり、音声により報知するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態][発明を実施するための第2別形態]において、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが変化するごとに、機体の旋回中心C及び旋回半径R、機体の走行距離G、機体の移動角度θの検出、式1による空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)での機体の位置Y1の検出を行うのではなく、これに代えて以下のように構成してもよい。
例えば0度〜10度の領域において、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが5度の場合の機体の旋回半径R(図9(a)(b)参照)を、0度〜10度の領域の一つの機体の旋回半径Rとして設定する。
前述の[発明を実施するための第3別形態]に代えて以下のように構成してもよい。
図8に示す前半の旋回行程L1(後半の旋回行程L2)において、10度(所定の角度範囲に相当)の範囲を備えた9個の領域(0度〜10度の領域、10度〜20度の領域、20度〜30度の領域、30度〜40度の領域、40度〜50度の領域、50度〜60度の領域、60度〜70度の領域、70度〜80度の領域、80度〜90度の領域)に分けて、9個の領域の各々に一つの機体の旋回半径R(領域の最大の角度に対応する機体の旋回半径R)を設定する。
例えば0度〜10度の領域において、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが10度の場合の機体の旋回半径R(図9(a)(b)参照)を、0度〜10度の領域の一つの機体の旋回半径Rとして設定する。
5,15 作業装置
19 マーカー
26,27 作業クラッチ
50 回転数センサー
53 旋回終了位置検出手段
54 操作手段
63 人為操作具
67 報知手段
E3 旋回終了位置
G2 田面
LA1,L01〜L05,LB1 作業行程
Claims (6)
- 機体に備えられた作業装置と、前記作業装置への動力を伝動及び遮断状態に操作する作業クラッチとを備えて、
田面に接地して次の作業行程の指標を田面に形成する作用姿勢と田面から上方の格納姿勢とに操作自在な右及び左のマーカーを備え、
作業行程からの旋回開始に伴って機体の旋回を検出して機体の旋回終了位置を検出する旋回終了位置検出手段と、前記旋回終了位置検出手段の検出に基づいて前記作業クラッチを伝動状態に操作する操作手段とを備え、
旋回開始前の作業行程において、前記右又は左のマーカーが作用姿勢に操作されていると、前記操作手段が作動するように構成してある水田作業車。 - 旋回開始前の作業行程において、機体に昇降自在に備えられた前記作業装置が田面に接地し、且つ、前記右又は左のマーカーが作用姿勢に操作されていると、前記操作手段が作動するように構成してある請求項1に記載の水田作業車。
- 機体の走行速度が移動走行用の高速状態であると、前記操作手段が作動を停止するように、前記操作手段を構成してある請求項1又は2に記載の水田作業車。
- 前記操作手段を作動及び停止状態に人為的に操作自在な人為操作具を備えてある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の水田作業車。
- 前記操作手段が作動状態であることを報知する報知手段を備えてある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の水田作業車。
- 右及び左の車輪の回転数を検出する右及び左の回転数センサーを備えて、
前記旋回中心側の回転数センサーの検出値に基づいて、機体の旋回を検出して機体の旋回終了位置を検出するように、前記旋回終了位置検出手段を構成し、
旋回開始前の作業行程において、右及び左の回転数センサーの検出値の差が、事前に設定された設定値を越えて大きくなると、前記操作手段が停止状態となるように、前記操作手段を構成してある請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の水田作業車。
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