JP2019041620A - 作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回制御後に適切な位置で苗の植え付けを開始する作業車両を提供すること。
【解決手段】実施形態の一態様に係る作業車両(1)は、走行車体(2)と、走行車体(2)に取り付けられた作業装置(4)と、作業装置(4)を昇降させる昇降装置(25)と、走行車体(2)に取り付けられた車輪(11)の回転数を検出する回転数検出部(90)と、走行車体(2)の旋回時に、作業装置(4)を上昇させて作業装置(4)による作業を停止し、かつ旋回を開始してからの車輪(11)の回転数が、第1所定回転数になると、作業装置(4)を下降させた後に作業装置(42)による作業を再開させる制御部(100)とを備える。制御部(100)は、旋回時における車輪(11)の回転数が所定範囲外である場合に、第1所定回転数を変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、作業車両に関する。
圃場で作業を行う作業車両において、ハンドル操作に応じた旋回制御として、例えば、苗移植する苗植付部を昇降させるものが知られている(例えば、特許文献1)。上記作業車両では、旋回制御時に苗植付部を上昇させて、走行の距離カウントが所定の旋回走行距離になると、苗植付部を下降させて苗植付部による苗の植え付けを開始している。
特開2010−88457号公報
しかしながら、作業車両を旋回させる圃場の状態は必ずしも同じ条件ではなく、旋回時のスリップにより、苗の植え付けを開始する位置を適切な位置とすることができないおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、旋回制御後に適切な位置で苗の植え付けを開始する作業車両を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態の一態様に係る作業車両(1)は、走行車体(2)と、走行車体(2)に取り付けられた作業装置(4)と、作業装置(4)を昇降させる昇降装置(25)と、走行車体(2)に取り付けられた車輪(11)の回転数を検出する回転数検出部(90)と、走行車体(2)の旋回時に、作業装置(4)を上昇させて作業装置(4)による作業を停止し、かつ旋回を開始してからの車輪(11)の回転数が、第1所定回転数になると、作業装置(4)を下降させた後に作業装置(4)による作業を再開させる制御部(100)とを備える。制御部(100)は、旋回時における車輪(11)の回転数が所定範囲外である場合に、第1所定回転数を変更する。
実施形態の一態様によれば、旋回制御後に適切な位置で苗の植え付けを開始することができる。
図1は、苗移植機の側面図である。 図2は、走行車体の平面図である。 図3は、苗移植機のコントローラを中心としたブロック図である。 図4Aは、走行車体が直進している状態を示すモニタの表示例である。 図4Bは、走行車体が直進方向に対して左側にずれている状態を示すモニタの表示例である。 図4Cは、走行車体が直進方向に対して右側に大きくずれている状態を示すモニタの表示例である。 図5は、旋回制御における下降タイミングおよび植付開始タイミングの設定方法を説明するフローチャートである。 図6は、旋回アシスト制御を説明するフローチャートである。 図7は、位置修正規制制御を説明するフローチャートである。 図8は、変形例に係る苗移植機の苗植付部の下方の一部を示す構成図である。
以下に、本発明の実施形態に係る作業車両について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態中、前後、左右の方向を規定するに際し、操縦座席41からみて走行車体2の走行方向を基準とする。また、実施形態によってこの発明が限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
実施形態では、作業車両を、作業装置として苗植付部4を備える乗用型の苗移植機1として説明する。図1は、苗移植機1の側面図である。図2は、走行車体2の平面図である。実施形態に係る苗移植機1は、8条植えの構成であるが、本構成と異なる植付条数の苗移植機1としても構わない。また、苗移植機1の全体を指す場合に機体と記す場合がある。
図1及び図2に示すように、実施形態に係る苗移植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク機構3を介して、圃場に苗を植え付ける苗植付部4を昇降可能に設けている。そして、走行車体2の後部上側には施肥装置5の本体部分を配置している。なお、作業車両が苗移植機1ではない場合、種子を供給する播種装置などを作業装置として備えるものがある。
走行車体2は、駆動輪である左右の前輪10および後輪11を備える四輪駆動車両である。走行車体2の車体骨格を構成するメインフレーム15の前側には、苗植付部4等に駆動力を伝達するミッションケース13と、エンジン30から供給される駆動力、すなわちエンジン30で発生した回転をミッションケース13に出力する油圧式の無段変速装置14とが設けられる。この無段変速装置14はいわゆるHST(Hydro Static Transmission)と呼ばれる静油圧式の無段変速機である。
ミッションケース13の左右側方に前輪ファイナルケース10aが設けられる。そして、かかる左右の前輪ファイナルケース10aの操向方向を変更可能な前輪支持部からそれぞれ外向きに突出する左右の前車軸10bに前輪10が取り付けられる。また、メインフレーム15の後部側に、機体横方向に設けられた後部フレーム22(図2参照)の左右両側には後輪ギアケース11aが取付けられ、後輪ギアケース11aからそれぞれ外向きに突出する左右の後車軸11bに後輪11(車輪)が各々取り付けられる。
また、後部フレーム22の上部には、昇降リンク機構3を支持する左右のリンク支持フレーム23が上方に向けて突設される。そして、左右のリンク支持フレーム23の下部側で、且つ左右間には、左右一対のロワリンクアーム24が設けられ、かかる左右のロワリンクアーム24の左右間に、油圧により作動する昇降シリンダ25(昇降装置)が設けられる。そして、この昇降シリンダ25の上方にアッパリンクアーム26を設けることによって、平行リンク機構である昇降リンク機構3が構成される。なお、それぞれ一端が走行車体2側に連結された左右のロワリンクアーム24と昇降シリンダ25とアッパリンクアーム26の他端側は、苗植付部4の前部に装着される。
また、図示するように、メインフレーム15の上にはエンジン30が搭載される。かかるエンジン30の回転動力が、ベルト伝動装置21および無段変速装置(HST)14を介してミッションケース13に伝達される。ミッションケース13に伝達された回転動力は、ミッションケース13内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。また、エンジン30の回転動力は、油圧ポンプ(不図示)に伝達される。油圧ポンプで発生した油圧は、無段変速装置14や、ハンドル35のパワーステアリング機構88(図3参照)や、昇降シリンダ25などに供給される。
ミッションケース13に伝達された回転動力から分離して取り出される外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース27に伝達される。そして、かかる植付クラッチケース27から植付伝動軸67によって苗植付部4へ伝達される。
一方、ミッションケース13の後部には左右のドライブシャフト42が設けられている。エンジン30からの回転動力は、ミッションケース13およびドライブシャフト42を介して左右の後輪ギアケース11aに伝動される。
なお、左右のドライブシャフト42よりも伝動方向上手側には、左右のドライブシャフト42への伝動を入切するサイドクラッチ44(図3参照)が配置される。図1に示すように、操縦座席41の前側下部で且つ左右一側には、左右のサイドクラッチ44を入切操作するサイドクラッチペダル43aが設けられる。
左右のサイドクラッチペダル43aのうち、旋回内側のサイドクラッチペダル43aを踏み込んでサイドクラッチ44を切状態にしてからハンドル35を操作して旋回走行すると、旋回内側の後輪11の駆動回転を完全に遮断することができる。したがって、ハンドル35単独の操作による旋回走行よりも旋回半径を小さくすることができ、圃場に適した作業条の作業開始位置を適切に選択可能となって作業精度が向上する。
このように、旋回時に旋回内側の後輪11への伝動を停止させ、旋回半径を小さくすることができ、旋回前の作業位置と旋回後の作業位置が離れることを防止できるので、旋回後の作業開始位置を調節し直す操作が不要になり、作業能率や作業精度が向上する。なお、実施形態では、後述する旋回制御では、ハンドル35の操作により走行車体2を旋回操作させると、旋回内側に位置するサイドクラッチ44が切状態になり、旋回内側の後輪11への伝動を停止させることができるようになっている。
走行車体2の前側上部には、各部の操作を行う操縦パネル38を上部に備えるボンネット39が設けられる。操縦パネル38には、後述する旋回制御を行うか否かを切り替えるターン切替スイッチ48や、モニタ86(図3参照)などが設けられる。
また、ボンネット39には、機体を操舵するハンドル35、無段変速装置14や苗植付部4を操作する変速操作レバー36、走行車体2の走行伝動を切り替える副変速切替装置(図示省略)を操作する副変速操作レバー37などが設けられる。実施形態では、変速操作レバー36が、昇降シリンダ25を作動する昇降操作部材と、苗植付部4を作業状態と非作業状態とに切り替える作業入切部材とを備える操作具として機能する。
また、ボンネット39の前側には、開閉可能なフロントカバー40を設けるとともに、フロントカバー40の内部に、燃料タンクやバッテリ、ハンドル35の操舵に左右の前輪10及び左右の前輪ファイナルケース10aの下部側を回動させる連動機構(不図示)が設けられる。
ボンネット39よりも機体後側で、且つエンジン30の上方位置には、エンジン30の上部及び側部を覆うエンジンカバー30aが設けられており、エンジンカバー30aの上部に作業者が着座する操縦座席41が設けられる。
さらに、操縦座席41の後側であって、メインフレーム15の後端側には施肥装置5が搭載される。施肥装置5の駆動力は、左右の後輪ギアケース11aの左右一側から施肥装置5に臨むように設けられる施肥伝動機構(不図示)によって伝達される。
ところで、エンジンカバー30aおよびボンネット39の下部における左右両側は、略水平なフロアステップ33が形成されている。フロアステップ33は、図2に示すように、一部格子状になっており、フロアステップ33を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下する構成となっている。また、実施形態に係る苗移植機1は、図2に示すように、フロアステップ33の左右両側に、左右の延長ステップ34を各々配置している。
また、フロアステップ33の後方にはリヤステップ330(図2参照)が連接されるとともに、延長ステップ34の後方には延長リヤステップ340が延設されている。かかるリヤステップ330や延長ステップ34の表面は、作業する際に足が滑りにくくなるように、例えば、複数の突起パターンが形成された滑り止め加工を施すことが好ましい。
また、図示するように、走行車体2の前側で且つ左右両側には、苗枠支柱51に複数の予備苗載せ台52を上下方向に間隔を空けて配置する予備苗枠50を各々設け、苗植付部4に補充する苗や肥料袋等の作業資材を載置可能としている。
また、昇降リンク機構3の後端部には、圃場に植え付ける苗を積載する苗タンク53を、左右方向に摺動させる摺動機構(不図示)とともに装着している。かかる苗タンク53は、上下方向に長い苗仕切フェンス54を左右方向に所定間隔を空けて各々配置し、苗タンク53の下方には、積載された苗を掻き取って圃場に植え付ける苗植付装置55が配置されている。
苗植付装置55は、苗仕切フェンス54により区切った植付作業条数と同数、すなわち、8条同時に植え付けるものであり、植付伝動ケース56を苗タンク53の下方に間隔を空けて4つ配置し、植付伝動ケース56の左右両側に回転しながら植込杆58によって苗を取って圃場に植え付ける植付ロータリ57を各々装着している。
また、施肥装置5は、肥料を貯留する施肥ホッパ70を苗植付部4の作業条数と同数(実施形態では8条分)に仕切っている。なお、8条分の施肥ホッパ70は左右方向に長く、肥料の投入や着脱の利便性が低下するので、内部を4条に仕切ったものを左右に2つ並べる構成としてもよい。
施肥ホッパ70の下部には、肥料を設定量ずつ供給する繰出装置71が1条毎に設けられ、かかる繰出装置71の下方に肥料を移動させる搬送風が通過する通風ダクト72が機体左右方向に設けられる。そして、各繰出装置71の下方位置に苗植付部4の苗植付位置の近傍に肥料を案内する施肥ホース73が設けられる。また、通風ダクト72の機体一側端部には、ブロア用電動モータ76によって作動して搬送風を発生するブロア74が設けられる。
また、図1および図2に示すように、苗植付部4の下方には、圃場面に接地して滑走するセンターフロート62Cと左右2つずつのサイドフロート62L、62Rが軸周に回動自在に設けられている。なお、センターフロート62Cおよび左右のサイドフロート62L、62Rを総称してフロート62と記す場合がある。
また、苗植付部4の下方において、フロート62よりも機体前側には、圃場面の凹凸を整地する整地ロータ63(図1)が設けられる。この整地ロータ63の駆動力は、左右他側の後輪ギアケース11aからロータ伝動シャフト63aを介して得ることができる。
さらに、図1に示すように、苗植付部4の左右両側には、左右いずれか一方が圃場面に接地して、次の作業条での走行の目安とする溝を形成する線引マーカ65が各々設けられる。左右の線引マーカ65は、左右一側が接地すると左右他側は上方に離間し、旋回時に苗植付部4を上昇させたときには左右両方とも上方に離間するとともに、旋回後に苗植付部4が下降すると、左右一側が上方に離間して左右他側が接地する。
また、図1、図2に示すように、走行車体2の左右中央部で且つボンネット39の前方には、上下方向に長いセンターマスコット66が設けられる。センターマスコット66を左右の線引マーカ65が圃場に形成した溝に合わせることにより、直前の作業条の作業位置に合わせた走行が可能になり、作業精度の向上や、非作業位置の発生の防止が図られる。
なお、圃場の土質によっては、左右の線引マーカ65により形成したガイド線がすぐに埋もれてしまい、直進の目安が消えてしまうことがある。このとき、左右の線引マーカ65よりも機体前側に設ける左右のサイドマーカ19を用いるとよい。すなわち、左右のサイドマーカ19を機体外側方向に移動させ、植え付けられた苗の上方に該サイドマーカ19を位置させることで、前の作業条の苗の植え付けに合わせた植付作業が可能になる。
次に、苗移植機1の制御系について図3を参照し説明する。図3は、苗移植機1のコントローラ100を中心としたブロック図である。実施形態に係る苗移植機1は、電子制御によって各部を制御することが可能になっており、苗移植機1は、各部を制御するコントローラ100(制御部)を備える。
コントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理部や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部、さらには入出力部が設けられ、これらは互いに接続されて互いに信号の受け渡しが可能である。記憶部には、苗移植機1を制御するコンピュータプログラムなどが格納される。コントローラ100は、記憶部に格納されたコンピュータプログラムなどを読み出すことで、各機能を発揮させる。
例えば、コントローラ100には、アクチュエータ類として、スロットルモータ80、油圧制御弁81、82、植付クラッチ作動ソレノイド83、サイドクラッチ作動ソレノイド84、HSTモータ85などが接続される。
スロットルモータ80は、エンジン30の吸気量を調節するスロットル(不図示)を作動させることにより、エンジン30の出力軸の回転数(以下、「エンジン回転数」という。)を増減させる。
油圧制御弁81は、昇降シリンダ25の伸縮動作を制御する。油圧制御弁82は、パワーステアリング機構88を制御する。植付クラッチ作動ソレノイド83は、植付クラッチ27aを作動させる。サイドクラッチ作動ソレノイド84は、後輪11への動力伝達状態を切り替えるサイドクラッチ44を作動させる。なお、サイドクラッチ44は、左右の後輪11毎に設けられており、サイドクラッチ作動ソレノイド84は、各サイドクラッチ44に対応して2つ設けられる。HSTモータ85は、無段変速装置14の斜板の傾斜角を変更する。
また、コントローラ100には、センサ類としては、回転数センサ90(回転数検出部)、操舵角センサ91(操舵角検出部)などが接続される。回転数センサ90は、後輪11へ回転動力を伝達するドライブシャフト42の回転数を検知する。操舵角センサ91は、ハンドル35の操作量、すなわち操舵角を検知する。なお、操舵角は、ハンドル35の操作量がゼロの場合、すなわち走行車体2の直進走行時を基準として、左右方向各々で検知される。
また、コントローラ100には、操作信号として、変速操作レバー36、副変速操作レバー37、ターン切替スイッチ48などから信号が入力される。
コントローラ100は、例えば、図4A〜図4Cに示すようにモニタ86に走行車体2の直進状態を表示する。図4Aは、走行車体2が直進している状態を示すモニタ86の表示例である。図4Bは、走行車体2が直進方向に対して左側にずれている状態を示すモニタ86の表示例である。図4Cは、走行車体2が直進方向に対して右側に大きくずれている状態を示すモニタ86の表示例である。
コントローラ100は、直進方向をモニタ86の下方に上向きの三角形で表示し、走行車体2の進行方向を下向きの三角形で表示する。走行車体2の進行方向が直進方向に一致している場合には、図4Aに示すように、2つの三角形の頂点が一致する。一方、走行車体2の進行方向が直進方向に対してずれるほど、走行車体2の進行方向を示す三角形の下側の頂点が移動し、2つの三角形の頂点の距離が大きくなる。
コントローラ100は、ハンドル35の操作量、すなわち操舵角に応じて、走行車体2の進行方向を示す三角形の下側の頂点を移動させる。なお、コントローラ100は、GPS装置(不図示)や地図情報などにより走行車体2の現在位置を検出し、直進方向を設定してもよい。これにより、作業者は、モニタ86の表示に基づいて、走行車体2の直進走行を容易に行うことができる。また、コントローラ100は、走行車体2に対して取り外し可能な情報処理端末(不図示)に表示させてもよい。
(旋回制御)
コントローラ100は、作業者による旋回操作に応じて苗植付部4による苗の植え付けを自動的に停止し、または開始する旋回制御を行う。なお、コントローラ100は、ターン切替スイッチ48がONの場合に旋回制御を行うと判定し、ターン切替スイッチ48がOFFの場合に旋回制御を行わないと判定する。
ここで、まず基本的な旋回制御について説明する。なお、ここでは、実施形態に係る苗移植機1と同じ符号を付して基本的な旋回制御を説明する。
コントローラ100は、作業者による旋回のためのハンドル35操作に基づいて旋回制御を開始する。例えば、コントローラ100は、操舵角が予め設定された所定開始角よりも大きくなると、旋回が開始されたと判定し、旋回制御を開始する。コントローラ100は、旋回制御を開始すると、苗植付部4を上昇させ、植付クラッチ27aを切状態にし、苗植付部4による苗の植え付けを中止する。また、コントローラ100は、旋回内側の後輪11への動力伝達状態を切り替えるサイドクラッチ44を切状態にし、旋回内側の後輪11への動力伝達を中止する。なお、操舵角は、線引マーカ65が接地していた方向への旋回に対する操舵角である。
そして、コントローラ100は、作業者によるハンドル35操作に基づいて操舵角が予め設定された所定終了角よりも小さくなると、旋回が終了したと判定し、切状態としたサイドクラッチ44を入状態にする。これにより、左右の後輪11へ回転動力が伝達される。
コントローラ100は、旋回を開始してからの後輪11の回転数(旋回外側の後輪11の回転数)が第1所定回転数になる下降タイミングで、苗植付部4を下降させる。また、コントローラ100は、旋回を開始してからの後輪11の回転数が、第1所定回転数よりも大きい第2所定回転数になる植付開始タイミングで、植付クラッチ27aを入状態にし、苗の植え付けを開始(再開)する。これらの下降タイミングや、植付開始タイミングは、旋回後に所定の植付開始位置で苗の植え付けを開始できるように、設定されている。
しかし、上記する基本的な旋回制御では、旋回時に後輪11のスリップ状態、すなわちスリップ量が変化すると、苗植付部4における苗の植え付けを開始する位置が所定の植付開始位置に対してずれることがある。
例えば、スリップ量が多い場合には、苗移植機1は、苗の植え付けを所定の植付開始位置よりも早いタイミングで開始する。一方、スリップ量が少ない場合には、苗移植機1は、苗の植え付けを所定の植付開始位置よりも遅いタイミングで開始する。すなわち、スリップ量が変化することで、旋回制御後に苗の植え付けを最適な位置で開始することができなくなる。
そこで、実施形態の苗移植機1では、以下で説明する旋回制御を行うこととした。
コントローラ100は、上記した基本的な旋回制御と同様に、作業者による旋回のためのハンドル35操作に基づいて旋回制御を開始し、苗植付部4を上昇させ、植付クラッチ27aを切状態にし、苗植付部4による苗の植え付けを中止する。また、コントローラ100は、旋回内側の後輪11への動力伝達状態を切り替えるサイドクラッチ44を切状態にし、旋回内側の後輪11への動力伝達を中止する。
コントローラ100は、旋回時の後輪11の回転数(旋回外側の後輪11の回転数)を計測する。例えば、コントローラ100は、旋回制御を開始してから、操舵角が所定終了角となるまでの後輪11の回転数を、旋回時の旋回回転数として計測する。
コントローラ100は、旋回回転数が所定範囲内であるか否かを判定する。所定範囲は、予め設定された範囲である。なお、所定範囲は、一般的な圃場での旋回時に走行車体2の後輪11がスリップすることを考慮して設定される。所定範囲は、或る基準回転数に対して上限回転数および下限回転数が設定されている。
コントローラ100は、旋回回転数が所定範囲内である場合、すなわち、旋回回転数が下限回転数以上であり、かつ上限回転数以下である場合には、下降タイミングを第1所定回転数とし、植付開始タイミングを第2所定回転数とする。
コントローラ100は、旋回回転数が所定範囲外である場合には、第1所定回転数および第2所定回転数を変更する。
具体的には、コントローラ100は、旋回回転数が、下限回転数よりも小さい場合、すなわち、旋回時のスリップ量が一般的な圃場のスリップ量よりも小さい場合には、第1所定回転数および第2所定回転数を、旋回回転数が所定範囲内である場合よりも小さくする。
また、コントローラ100は、旋回回転数が、所定範囲の上限回転数よりも大きい場合、すなわち、旋回時のスリップ量が一般的な圃場のスリップ量よりも大きい場合には、第1所定回転数および第2所定回転数を、旋回回転数が所定範囲内である場合よりも大きくする。
なお、以下では、変更された第1所定回転数を第3所定回転数と称し、変更された第2所定回転数を第4所定回転数と称する。すなわち、コントローラ100は、旋回回転数が所定範囲外である場合には、下降タイミングを第3所定回転数とし、植付開始タイミングを第4所定回転数とする。
コントローラ100は、旋回回転数に基づいて第3所定回転数および第4所定回転数を設定する。第3所定回転数および第4所定回転数は、旋回回転数が、下限回転数よりも小さくなるほど、小さくなる。また、第3所定回転数および第4所定回転数は、旋回回転数が、上限回転数よりも大きくなるほど、大きくなる。
コントローラ100は、操舵角が予め設定された所定終了角よりも小さくなると、旋回が終了したと判定し、切状態としたサイドクラッチ44を入状態にする。
そして、コントローラ100は、旋回回転数が所定範囲内である場合には、旋回を開始してからの後輪11の回転数が、第1所定回転数になると、苗植付部4を下降させる。また、コントローラ100は、苗植付部4を下降させた後、旋回を開始してからの後輪11の回転数が、第2所定回転数になると、植付クラッチ27aを入状態にし、苗の植え付けを開始(再開)する。
一方、コントローラ100は、旋回回転数が所定範囲外である場合には、旋回を開始してからの後輪11の回転数が、第3所定回転数になると、苗植付部4を下降させる。また、コントローラ100は、苗植付部4を下降させた後、旋回を開始してからの後輪11の回転数が、第4所定回転数になると、植付クラッチ27aを入状態にし、苗の植え付けを開始(再開)する。
以上の旋回制御を行うことで、苗移植機1は、旋回時のスリップ量に応じて下降タイミングおよび植付開始タイミングを変更することができ、旋回制御後に苗の植え付けを最適な位置で開始することができる。
次に、実施形態に係る旋回制御における下降タイミングおよび植付開始タイミングの設定方法について、図5のフローチャートを参照し説明する。図5は、旋回制御における下降タイミングおよび植付開始タイミングの設定方法を説明するフローチャートである。
コントローラ100は、旋回制御が開始されると旋回回転数を計測する(S10)。コントローラ100は、旋回回転数が所定範囲内であるか否かを判定する(S11)。
コントローラ100は、旋回回転数が所定範囲内である場合には(S11:Yes)、下降タイミングを第1所定回転数に設定し(S12)、植付開始タイミングを第2所定回転数に設定する(S13)。
コントローラ100は、旋回回転数が所定範囲外である場合には(S11:No)、下降タイミングを第3所定回転数に設定し(S14)、植付開始タイミングを第4所定回転数に設定する(S15)。
(旋回アシスト制御)
旋回時には、走行車体2の車速が小さく、エンジン回転数も小さくなっている。そのため、エンジン30の回転動力、すなわちエンジン30で発生した回転が伝達されて作動する油圧ポンプにおける油の吐出量が小さくなり、油圧が小さくなる。また、例えば、上記した旋回制御を行う場合には、苗植付部4を上昇させるために油圧が用いられ、パワーステアリング機構88で使用できる油圧が小さくなる。
そのため、パワーステアリング機構88による旋回アシストが小さくなり、旋回時の操舵角の変化量、例えば、旋回制御における操舵角の変化量が小さくなり、走行車体2を素早く旋回させることができないおそれがある。走行車体2を素早く旋回させることができない場合には、旋回半径が大きくなり、走行車体2が畔に接触し、または予定の旋回位置、すなわち作業開始位置に走行車体2を旋回させることができなくなるおそれがある。
そこで、実施形態に係る苗移植機1では、旋回アシスト制御を行うこととした。
コントローラ100は、旋回時に、操舵角の変化量が所定変化量よりも小さい場合に、旋回アシスト制御を実行する。
コントローラ100は、旋回を開始してから、走行車体2の走行距離が所定旋回距離となった時の操舵角が第1所定操舵角よりも小さい場合に、操舵角の変化量が所定変化量よりも小さいと判定する。走行車体2の走行距離は、後輪11の回転数(旋回外側の後輪11の回転数)に基づいて算出される。所定旋回距離は、予め設定された距離である。第1所定操舵角は、予め設定された操舵角であり、最大操舵角よりも小さい。なお、操舵角は、線引マーカ65が接地していた方向への旋回に対する操舵角である。コントローラ100は、操舵角が予め設定された所定開始角よりも大きくなると、旋回が開始されたと判定する。
コントローラ100は、操舵角の変化量が所定変化量よりも小さい場合に、旋回アシスト制御を実行する。具体的には、コントローラ100は、操舵角の変化量が所定変化量よりも小さい場合に、エンジン回転数を増加させる。これにより、油圧ポンプにおける油の吐出量を増加させ、パワーステアリング機構88で使用できる油圧を大きくする。これにより、パワーステアリング機構88による旋回アシストが大きくなり、ハンドル35の操作が容易となり、操舵角の変化量を大きくすることができる。
そのため、旋回時に、走行車体2が畔に接触することを抑制し、予定の旋回位置に走行車体2を旋回させることができる。なお、エンジン30の回転数を増加させた場合に、コントローラ100は、無段変速装置14を制御し、車速を制御する。
コントローラ100は、操舵角が最大操舵角になると、旋回アシスト制御を終了する。具体的には、コントローラ100は、操舵角が最大操舵角になると、増加させたエンジン回転数を元のエンジン回転数まで減少させる。これにより、旋回アシスト制御を実行しつつ、パワーステアリング機構88による旋回アシストが不要となった後は、エンジン回転数を減少させて燃費が低下することを抑制することができる。
次に、実施形態に係る苗移植機1の旋回アシスト制御について、図6のフローチャートを参照し説明する。図6は、旋回アシスト制御を説明するフローチャートである。
コントローラ100は、旋回が開始された場合には(S20:Yes)、操舵角の変化量が所定変化量よりも小さいか否かを判定する(S21)。コントローラ100は、旋回が開始されていない場合には(S20:No)、今回の処理を終了する。
コントローラ100は、操舵角の変化量が所定変化量よりも小さい場合には(S21:Yes)、旋回アシスト制御を実行する(S22)。コントローラ100は、操舵角の変化量が所定変化量以上である場合には(S21:No)、今回の処理を終了する。
コントローラ100は、操舵角が最大操舵角になると(S23:Yes)、旋回アシスト制御を終了する(S24)。コントローラ100は、操舵角が最大操舵角とはなっていない場合には(S23:No)、旋回アシスト制御を継続する(S22)。
(位置修正規制制御)
苗移植機1では、変速操作レバー36が後退位置に操作されると、苗植付部4を上昇させ、その際に、植込杆58の位置を所定の植込杆位置とする位置修正制御を実行した後に、植付クラッチ27aを切状態にすることが知られている。
しかし、このような苗移植機1では、例えば、植え付けを行わずに、変速操作レバー36が前進位置、後退位置に繰り返し変更された場合に、変速操作レバー36が後退位置に操作される度に、位置修正制御が実行される。そのため、作業者や、作業補助者に違和感を与えることがあった。
そこで、実施形態に係る苗移植機1は、位置修正制御を規制する位置修正規制制御を実行することとした。
コントローラ100は、変速操作レバー36が後退位置に操作されると、苗植付部4を上昇させる。コントローラ100は、植込杆58の位置を予め設定された所定の植込杆位置とする位置修正制御を実行する。
コントローラ100は、位置修正制御を行った後は、所定の条件が満たされるまで位置修正制御を実行しない位置修正規制制御を実行する。すなわち、コントローラ100は、位置修正制御を行った後に、変速操作レバー36が前進位置、後退位置に繰り返し操作された場合でも、所定の条件が満たされない限り、位置修正制御を実行しない。
所定の条件は、少なくとも植付クラッチ27aが入状態となる条件であり、例えば、植付クラッチ27aが入状態になり、かつ走行車体2が予め設定された所定走行距離を走行することである。
なお、所定の条件は、これに限られることはない。例えば、所定の条件は、植付クラッチ27aが入状態となることに加えて、変速操作レバー36が中立以外の位置とされた場合や、変速操作レバー36が前進位置とされた場合や、無段変速装置14のHSTトラニオン(不図示)が中立以外の位置であると検知された場合や、HSTトラニオンが前進位置であると検知された場合や、後輪11の回転数が予め設定された第5所定回転数となった場合や、車速が予め設定された所定車速以上であると検知された場合であってもよい。車速は、GPS装置や、車速センサ(不図示)などにより検出される。
コントローラ100は、位置修正制御を実行している場合に、所定の条件が満たされると位置修正規制制御を終了する。
次に、実施形態に係る苗移植機1の位置修正規制制御について図7のフローチャートを参照し説明する。図7は、位置修正規制制御を説明するフローチャートである。
コントローラ100は、変速操作レバー36が後退位置であるか否かを判定する(S30)。コントローラ100は、変速操作レバー36が後退位置である場合には(S30:Yes)、位置修正規制制御を実行中であるか否かを判定する(S31)。
コントローラ100は、位置修正規制制御を実行中ではない場合には(S31:No)、位置修正制御を実行し(S32)、位置修正規制制御を実行する(S33)。コントローラ100は、位置修正規制制御を実行中である場合には(S31:Yes)、今回の処理を終了する。
コントローラ100は、変速操作レバー36が後退位置ではない場合には(S30:No)、位置修正規制制御を実行中であるか否かを判定する(S34)。
コントローラ100は、位置修正規制制御を実行中である場合には(S34:Yes)、所定の条件を満たすか否かを判定する(S35)。
コントローラ100は、所定の条件を満たす場合には(S35:Yes)、位置修正規制制御を終了する(S36)。
コントローラ100は、位置修正規制制御を実行中ではない場合(S34:No)、または所定の条件を満たさない場合には(S35:No)、今回の処理を終了する。
次に、実施形態の効果について説明する。
苗移植機1は、旋回制御による旋回時の旋回回転数が所定範囲外である場合には、下降タイミングを変更する。これにより、苗移植機1は、旋回制御による旋回時に後輪11のスリップ量に関わらず、旋回制御後に苗植付部4を所定の位置で下降させることができ、苗の植え付けを最適な位置で開始することができる。
また、苗移植機1は、旋回制御による旋回時の旋回回転数が所定範囲外である場合には、植付開始タイミングを変更する。これにより、苗移植機1は、旋回制御による旋回時に後輪11のスリップ量に関わらず、旋回制御後に苗の植え付けを最適な位置で開始することができる。
苗移植機1は、旋回回転数が所定範囲の上限回転数よりも大きい場合には、旋回回転数が所定範囲内である場合よりも、下降タイミングおよび植付開始タイミングを遅くする。これにより、苗移植機1は、旋回時の後輪11のスリップ量が大きい場合でも、旋回制御後に最適な位置で苗の植え付けを開始することができる。
苗移植機1は、旋回回転数が所定範囲の下限回転数よりも小さい場合には、旋回回転数が所定範囲内である場合よりも、下降タイミングおよび植付開始タイミングを早くする。これにより、苗移植機1は、旋回時に後輪11のスリップ量が小さい場合でも、旋回制御後に最適な位置で苗の植え付けを開始することができる。また、苗移植機1は、苗が植え付けられない無作業区間の発生を防止することができる。
苗移植機1は、旋回時における操舵角の変化量が所定変化量よりも小さい場合には、エンジン回転数を増加させる。これにより、苗移植機1は、パワーステアリング機構88による旋回アシストが小さくなることを防止し、走行車体2の旋回半径が大きくなることを抑制することができる。そのため、苗移植機1は、走行車体2が畔に接触することを抑制し、予定の旋回位置に走行車体2を旋回させることができる。
苗移植機1は、植込杆58の位置を修正する位置修正制御を行った後は、所定の条件を満たすまで位置修正規制制御を実行し、位置修正制御を行わない。これにより、苗移植機1は、例えば、変速操作レバー36が前進位置から後退位置に変更される度に位置修正制御を行うことを防止し、作業者や作業補助者に違和感を与えることを防止することができる。また、苗移植機1は、不要なタイミングで苗が植え付けられることを防止し、また苗タンク53の端寄せを行う頻度を少なくすることができる。
次に、変形例に係る苗移植機1について説明する。
変形例に係る苗移植機1では、植始ダイヤル(不図示)に応じて第1所定回転数、第2所定回転数、第3所定回転数および第4所定回転数を変更してもよい。例えば、植始ダイヤルが「標準」よりも遅い値に設定されている場合には、第1所定回転数、第2所定回転数、第3所定回転数および第4所定回転数を、「標準」の回転数よりも大きくする。また、植始ダイヤルが「標準」よりも早い値に設定されている場合には、第1所定回転数、第2所定回転数、第3所定回転数および第4所定回転数を、「標準」の回転数よりも小さくする。これにより、変形例に係る苗移植機1は、植始ダイヤルに応じて下降タイミングおよび植付開始タイミングを設定することができる。すなわち、作業者による下降タイミングおよび植付開始タイミングの設定自由度を向上させることができる。
また、変形例に係る苗移植機1は、所定範囲を変更可能としてもよい。例えば、植始ダイヤルが「標準」よりも遅い値に設定されている場合には、上限回転数を大きくする。また、植始ダイヤルが「標準」よりも早い値に設定されている場合には、下限回転数を小さくする。なお、所定範囲は、基準回転数が変更されてもよく、基準回転数の変更と、上限回転数または下限回転数の変更とが組み合わされて変更されてもよい。これにより、変形例に係る苗移植機1は、圃場の状態に応じて下降タイミングおよび植付開始タイミングを設定することができる。
また、変形例に係る苗移植機1は、旋回制御での旋回中に、操舵角が所定終了角よりも小さくなる前に、後輪11の回転数が所定範囲の上限回転数よりも大きくなった場合には、第1所定回転数および第2所定回転数を変更し、下降タイミングおよび植付開始タイミングを変更する。これにより、変形例に係る苗移植機1は、旋回時のスリップ量が大きい場合に、旋回制御での旋回中、または旋回直後に苗植付部4が下降することを防止し、苗の植え付けが開始されることを防止することができる。
また、変形例に係る苗移植機1は、旋回制御を開始して旋回内側のサイドクラッチ44を切状態にするまでの後輪11の回転数が予め設定された第6所定回転数よりも大きい場合には、旋回制御を中止する。なお、第6所定回転数は、植始ダイヤルの値に応じて設定されてもよい。このような場合には、変形例に係る苗移植機1は、圃場のスリップ量が大きく、旋回制御により苗の植え付けを開始する位置を最適な位置とすることができない、と判定する。これは、圃場が強湿田の場合などで生じ得る。なお、変形例に係る苗移植機1は、旋回制御を中止することを作業者に報知する。これにより、変形例に係る苗移植機1は、苗の植え付けを最適な位置で開始することができない状態で、旋回制御が実行されることを防止することができる。
また、変形例に係る苗移植機1は、走行車体2を畔付近まで前進させ、その後走行車体2を後退させて旋回する際に、走行車体2が畔に接触する可能性がある場合には、その旨を作業者に報知する。変形例に係る苗移植機1は、後退時の後輪11の回転数を計測し、旋回を開始してから操舵角が第2所定操舵角となるまでの後輪11の回転数を計測する。そして、変形例に係る苗移植機1は、後退時の後輪11の回転数と、旋回を開始してから操舵角が所定角となるまでの後輪11の回転数との差が、第1所定差よりも小さい場合に、走行車体2が畔に接触すると判定し、作業者に報知する。第2所定操舵角および第1所定差は予め設定された値であり、走行車体2が畔に接触しないように設定される。これにより、変形例に係る苗移植機1は、走行車体2が畔に接触する可能性があることを作業者に報知し、走行車体2が畔に接触することを抑制することができる。
変形例に係る苗移植機1は、走行車体2を畔付近まで前進させ、その後走行車体2を後退させる際に、旋回時に走行車体2が畔に接触しない後退位置を音などで作業者に報知してもよい。これにより、変形例に係る苗移植機1は、走行車体2が畔に接触することを抑制することができる。
変形例に係る苗移植機1は、走行車体2を畔付近まで前進させ、その後走行車体2を後退させ、旋回のために再度、走行車体2を前進させる際に、再度の前進時の後輪11の回転数を計測し、後退時の後輪11の回転数と、再度の前進時の後輪11の回転数との差が、第2所定差よりも大きい場合に、走行車体2が畔に接触すると判定し、作業者に報知する。これにより、変形例に係る苗移植機1は、走行車体2が畔に接触する可能性がある場合には、走行車体2が畔に接触する可能性があることを旋回を開始する前に、作業者に報知することができる。
また、変形例に係る苗移植機1は、旋回アシスト制御を、或る旋回時に行った場合には、次回以降の苗植付部4を上昇させたタイミング、または植付クラッチ27aを切状態にしたタイミングで旋回アシスト制御を開始する。これにより、変形例に係る苗移植機1は、旋回アシスト制御を早いタイミングで開始することができ、旋回を容易に行うことができる。
また、変形例に係る苗移植機1は、旋回アシスト制御の実行中に、線引マーカ65が接地していた方向とは逆方向にハンドル35が操作された場合には、その間の後輪11の回転数の計測を中止する。そして、変形例に係る苗移植機1は、逆方向にハンドル35が操作された時の操舵角までハンドル35が戻された場合に、後輪11の回転数の計測を再開する。これにより、変形例に係る苗移植機1は、旋回アシスト制御を精度よく実行することができる。
また、変形例に係る苗移植機1は、エンジン回転数を自動で制御するオートアクセルを実行しており、エンジン回転数が所定エンジン回転数以上となっている場合には、旋回アシスト制御を実行しない。これは、エンジン回転数が所定エンジン回転数以上となっている場合には、パワーステアリング機構88において油圧が不足することがないためである。これにより、変形例に係る苗移植機1は、燃費を向上させることができる。
サイドマーカ19を使用する場合、苗枠支柱51などにより作業者がサイドマーカ19の位置を視認しづらいことがあった。変形例に係る苗移植機1は、サイドマーカ19にカメラを取り付け、カメラ(不図示)によって撮影した圃場の状態をモニタ86などに表示する。これにより、サイドマーカ19を用いて走行車体2を直進させる場合に、作業者は、前の作業条の苗の植え付けに合わせた植付作業を容易に行うことができる。
また、変形例に係る苗移植機1は、図8に示すように、補助車輪11cよりも内側に畔クラッチレバーユニット95を配置する。畔クラッチレバーユニット95は、走行車体2の左右方向に並んで配置される。図8は、変形例に係る苗移植機1の苗植付部4の下方の一部を示す構成図である。畔クラッチレバーユニット95は、苗植付部4の姿勢を変更するためのローリングモータユニット96よりも前方側に配置される。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 苗移植機(作業車両)
2 走行車体
4 苗植付部(作業装置)
11 後輪(車輪)
14 無段変速装置
25 昇降シリンダ(昇降装置)
30 エンジン
35 ハンドル
44 サイドクラッチ
58 植込杆
86 モニタ
90 回転数センサ(回転数検出部)
91 操舵角センサ(操舵角検出部)
100 コントローラ(制御部)

Claims (6)

  1. 走行車体と、
    前記走行車体に取り付けられた作業装置と、
    前記作業装置を昇降させる昇降装置と、
    前記走行車体に取り付けられた車輪の回転数を検出する回転数検出部と、
    前記走行車体の旋回時に、前記作業装置を上昇させて前記作業装置による作業を停止し、かつ前記旋回を開始してからの前記車輪の回転数が、第1所定回転数になると、前記作業装置を下降させた後に前記作業装置による作業を再開させる制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記旋回時における前記車輪の回転数が所定範囲外である場合に、前記第1所定回転数を変更する
    ことを特徴とする作業車両。
  2. 前記作業装置を作動、または停止させる切替装置
    を備え、
    前記制御部は、
    前記旋回を開始してからの前記車輪の回転数が、前記第1所定回転数よりも大きい第2所定回転数になると、前記作業装置を作動させ、前記走行車体の旋回時における前記車輪の回転数が所定範囲外である場合に、前記第2所定回転数を変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記制御部は、
    前記旋回時における前記車輪の回転数が前記所定範囲の上限回転数よりも大きい場合には、前記第1所定回転数および前記第2所定回転数を、前記車輪の回転数が前記所定範囲内である場合よりも大きくする
    ことを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
  4. 前記制御部は、
    前記旋回時における前記車輪の回転数が前記所定範囲の下限回転数よりも小さい場合には、前記第1所定回転数および前記第2所定回転数を、前記車輪の回転数が前記所定範囲内である場合よりも小さくする
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の作業車両。
  5. エンジンで発生する回転を用いてハンドル操作を補助する操舵補助装置と、
    操舵角を検出する操舵角検出部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記旋回時における操舵角の変化量が所定変化量よりも小さい場合には、前記エンジンで発生する前記回転を増加させる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の作業車両。
  6. 前記作業装置は、
    圃場に苗を移植する装置であり、
    前記制御部は、
    前記作業装置が上昇した場合に、植込杆の位置を所定位置とする位置修正制御を行い、かつ前記位置修正制御を行った後は、少なくとも前記植込杆を作動させるクラッチが入状態になるまで前記位置修正制御を行わない
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の作業車両。
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