JPH1112287A - フルオロシラン類の製造方法 - Google Patents

フルオロシラン類の製造方法

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JPH1112287A
JPH1112287A JP9162148A JP16214897A JPH1112287A JP H1112287 A JPH1112287 A JP H1112287A JP 9162148 A JP9162148 A JP 9162148A JP 16214897 A JP16214897 A JP 16214897A JP H1112287 A JPH1112287 A JP H1112287A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フルオロシラン類の効率的な製造方法を提供
する。 【解決手段】 (a)少なくとも一つ以上のSi−Cl
結合を有するクロロシラン類と(b)KF(HF)n
(ただしnは1.5≦n≦5の数)で示されるフッ化水
素カリウム類とを反応させ、フルオロシラン類を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロロシラン類とフ
ッ化水素カリウム類とを反応させることによるフルオロ
シラン類の製造方法に関するものである。フルオロシラ
ン類はケイ素系高分子薄膜製造の原料として有用なもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来フルオロシラン類の類の製造方法と
して、クロロシラン類のハロゲン交換によるフッ素化は
良く用いられる方法である。これは原料として工業的に
安価でかつ入手容易なクロロシラン類を用いる点で有利
な方法ではある。しかしながら、この中で、フッ素化剤
としてSbF3 ,CuF2 ,ZnF2 等の金属フッ化物
を用いる方法は、フッ素化剤のコストや毒性の点で工業
的に満足できる方法ではない。またアンモニウムフルオ
リド(NH4 F)やアルカリ金属フッ化物としてNaH
2 およびKHF2 を用いる方法も、フッ素化剤の反応
性の低さから、一般に加熱が必要であり、低沸点のクロ
ロシラン類やケイ素上の置換基の再分配を起こしやすい
クロロシラン類、立体障害の大きな置換基を有するクロ
ロシラン類に適用しにくいという点で工業的に満足でき
る方法ではない。
【0003】また、上記のクロロシラン類のハロゲン交
換法以外の、フルオロシラン類の製造方法としては、
(1)直接法、(2)アルコキシシラン類のフッ素化、
(3)ヒドロシランのフッ素化による方法が知られてい
る。しかし、(1)の直接法は、金属ケイ素を触媒量の
銅等の金属の存在下にフルオロアルカンまたはフルオロ
アレーンと反応させて、ジアルキルジフルオロシランま
たはジアリールジフルオロシランを製造する方法である
が、400℃もの高温が必要である。(2)のアルコキ
シシラン類のフッ素化は、原料として、クロロシラン類
よりも工業的に高価なアルコキシシラン類を用いる点
で、工業的に有利ではない。さらにフッ素化剤としてN
aHF2 、KHF2 のようなアルカリ金属フッ化物を用
いる方法では、副生するアルコールをカルシウムクロリ
ド等を用いて除去する必要がある。また、フッ素化剤と
して高腐食性のフッ化水素を用いる方法も、反応容器を
耐食性の極めて高い容器にする必要があり、工業的に満
足できる方法ではない。三フッ化ホウ素を用いる方法で
は高価なエーテル系溶媒を使用する必要があり工業的に
満足できる方法ではない。(3)のヒドロシランのフッ
素化による方法も、原料のヒドロシラン類がクロロシラ
ン類よりも格段に高価である点で、工業的に不利な方法
である。さらにヒドロシラン類のフッ素化剤として、N
4 F、NH4 HF2 等のアンモニウムフルオリドを用
いる方法ではアミン等の塩基を溶媒として用いる必要が
ある。フッ素化剤としてトリフェニルメチルテトラフル
オロボレートを用いる方法は、原料がジアルキルシラン
である場合のみに適用可能であり、かつ製造設備として
バキュームラインやドライボックスを使用する必要があ
る。従ってこれらの方法は工業的に全く満足できる方法
ではない。そこでクロロシラン類のフッ素化剤として、
安価で毒性が低くかつ反応性の高い試剤の開発が望まれ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フルオロシ
ラン類を効率的に製造する方法の提供をその課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、クロロシラン類とフ
ッ化水素カリウム類、KF(HF)n(ただしnは1.
5≦n≦5の数)とが迅速に反応しフルオロシラン類を
生成するという新規な事実を見い出し、この知見に基づ
いて本発明を完成させるにいたった。すなわち本発明に
よれば、クロロシラン類とフッ化水素カリウム類とを反
応させることを特徴とするフルオロシラン類の製造方法
が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては原料として用い
るクロロシラン類は、少なくとも一つ以上のSi−Cl
結合を有するものであればいかなるものであっても良
い。ケイ素原子が環構造の構成元素の一つである場合や
高分子構造の構成元素の一つであってもよい。このよう
な本発明の出発原料はSi−Cl結合を有していること
以外は特に制限はない。具体的にはシランのほか、ジシ
ラン以上のポリシランなどのシラン化合物である。ケイ
素原子上の置換基の例としては水素原子、アルキル基
(好ましくは炭素数1〜36のもの、より好ましくは1
〜12のもの)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数
3〜24のもの、より好ましくは4〜12のもの)、ア
ラルキル基(好ましくは炭素数7〜40のもの、より好
ましくは7〜20のもの)、アリール基(好ましくは炭
素数6〜30のもの、より好ましくは6〜14のも
の)、シリル基、シロキシ基等が挙げられる。さらに具
体的にこれらクロロシラン類を例示すると、トリエチル
クロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、i−プ
ロピルジメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロ
ロシラン、ジメチルクロロシラン、メチルジクロロシラ
ン、ヘキシルトリクロロシラン、ジシクロヘキシルジク
ロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、トリフェ
ニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニ
ルトリクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、フェニ
ルジクロロシラン、フェニルクロロシラン、フェニルジ
メチルクロロシラン、1−ナフチルジメチルクロロシラ
ン、ジメシチルジクロロシラン、1,1−ジクロロ−1
−シラシクロペンタン、1、2−ジクロロ−1、1、
2、2−テトラメチルジシラン、1、2−ジクロロ−2
−フェニル−1、1、2−トリメチルジシラン、1,3
−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキ
サン、ポリ{(メチルクロロシリレン)(トリメチレ
ン)}等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0007】本発明で用いるフッ化水素カリウム類はK
F(HF)n(ただしnは1.5≦n≦5の数)で示さ
れるものである。具体的に本発明で用いるフッ化水素カ
リウム類を例示すると、KF(HF)1.5 、KF(H
F)2 、KF(HF)2.5 、KF(HF)3 、KF(H
F)4 等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。またこれらのフッ化水素カリウム類を単独で、ま
た2種類以上を混合して使用することも本方法の形態に
含まれる。
【0008】本発明の反応はフッ化水素カリウム類のフ
ッ素原子の数とクロロシラン類のSi−Cl結合の数の
比が1以上になるようなモル比で行われるが、通常この
フッ素原子の数とSi−Cl結合の数の比は1〜10の
範囲で実施され、好ましくは1〜3の範囲である。
【0009】本発明の反応によれば出発原料のSi−C
l結合の塩素原子は全てフッ素原子に置換されるのが好
ましいが、その結合が2個以上ある場合はそのうちの1
個だけが反応してもよい。本発明は特に溶媒を用いるこ
となく、容易に実施される。しかし溶媒の使用は反応の
生起にとって障害となるものでなく、必要に応じ溶媒中
で実施される。これらの溶媒の選択は、反応させるべき
クロロシラン類およびフッ化水素カリウム類の反応性を
考慮して、一般に用いられる溶媒、例えば芳香族炭化水
素系、飽和炭化水素系、脂肪族エーテル系、芳香族エー
テル系、脂肪族塩化物系、芳香族塩化物系の溶媒の中か
ら選ぶのが好ましい。
【0010】本発明の反応は一般的に室温で容易に進行
する。また0℃以下でも進行するが、原料物質の構造に
より、好ましい速度を達するために加熱することもでき
る。
【0011】本発明の生成物であるフルオロシラン類は
無機塩類を濾別することにより容易に単離される。この
他、蒸留、結晶化などの方法により単離することも、本
発明の方法の有利な態様に含まれる。
【0012】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、もとより本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0013】実施例1 フェニルクロロシラン(20mmol)とKF(HF)
2 (10mmol)の混合物を試験管中に仕込み、0℃
にて4時間攪拌した。反応混合物の液層を 1H−NMR
スペクトルにより分析したところ、原料のフェニルクロ
ロシランが完全に消費され、フェニルフルオロシランが
100%(シラン基準)の収率で生成していることが示
された。反応混合物を減圧下、0℃にて蒸留し、フェニ
ルフルオロシランを単離した(単離収率82%)。得ら
れたフェニルフルオロシランの構造および純度は、 1
−、13C−、29Si−NMRスペクトル、赤外吸収スペ
クトル、マススペクトルおよびガスクロマトグラフィー
にて確認した。
【0014】比較例1 フェニルクロロシラン(2.5mmol)に対して、K
F(HF)2 の代わりにKF(HF)(2.5mmo
l)を用い、他は実施例1と同様に反応を行ない、反応
混合物の液層を 1H−NMRスペクトルおよびガスクロ
マトグラフィーにより分析したところ、原料のフェニル
クロロシランが全く反応しないまま残存していることが
示された。さらに、反応温度を0℃から室温(約20
℃)に上昇させ、反応時間を2日間とした後、同様に分
析したが、原料のフェニルクロロシランは全く反応しな
いまま残存していた。
【0015】比較例2 フェニルクロロシランの代わりにフェニルシラン(2.
5mmol)を用い、KF(HF)2 の量を(2.5m
mol)とする他は、実施例1と同様に反応を行ない、
反応混合物の液層を 1H−NMRおよびガスクロマトグ
ラフィーにより分析したところ、原料のフェニルシラン
が全く反応しないまま残存していることが示された。さ
らに、反応温度を0℃から室温(約20℃)に上昇さ
せ、反応時間を1日間とした後、同様に分析したが、原
料のフェニルシランは全く反応しないまま残存してい
た。
【0016】実施例2 フェニルクロロシラン(2.5mmol)とKF(H
F)4 (0.65mmol)の混合物を試験管中に仕込
み、0℃にて1時間攪拌した。反応混合物の液層を 1
−NMRにより分析したところ、原料のフェニルクロロ
シランが完全に消費され、フェニルフルオロシランが1
00%(シラン基準)の収率で生成していることが示さ
れた。
【0017】実施例3 ジフェニルクロロシラン(20mmol)とKF(H
F)2 (7.24mmol)の混合物を試験管中に仕込
み、25℃にて18時間攪拌した。反応混合物の液層を
1H−NMRにより分析したところ、原料のジフェニル
クロロシランが完全に消費され、ジフェニルフルオロシ
ランが100%(シラン基準)の収率で生成しているこ
とが示された。反応混合物から液層を濾別後、減圧蒸留
し、ジフェニルフルオロシランを単離した(単離収率9
2%)。得られたジフェニルフルオロシランの構造およ
び純度は、 1H−、13C−、29Si−NMRスペクト
ル、赤外吸収スペクトル、マススペクトルおよびガスク
ロマトグラフィーにて確認した。
【0018】比較例3 ジフェニルクロロシラン(4mmol)に対して、KF
(HF)2 の代わりにKF(HF)(2.1mmol)
を用い、他は実施例3と同様に反応を行ない、反応混合
物の液層を 1H−NMRスペクトルにより分析したとこ
ろ、原料のジフェニルクロロシランが全く反応しないま
ま残存していることが示された。さらに、反応温度を2
5℃から50℃に上昇させ、反応時間を1日間とした
後、同様に分析したが、原料のジフェニルクロロシラン
は全く反応しないまま残存していた。
【0019】実施例4 ジフェニルクロロシランの代わりにフェニルジメチルク
ロロシランを用いる他は、実施例3と同様に反応を行な
い、4時間後、反応混合物の液層を 1H−NMRおよび
ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、原料の
フェニルジメチルクロロシランが完全に消費され、フェ
ニルジメチルフルオロシランが100%(シラン基準)
の収率で生成していることが示された。反応混合物から
液層を濾別後、減圧蒸留し、フェニルジメチルフルオロ
シランを単離した(単離収率85%)。得られたフェニ
ルジメチルフルオロシランの構造および純度は、 1
−、13C−、29Si−NMRスペクトル、赤外吸収スペ
クトル、マススペクトルおよびガスクロマトグラフィー
にて確認した。
【0020】実施例5 ジフェニルクロロシランの代わりにオクチルジメチルク
ロロシランを用いる他は、実施例3と同様に反応を行な
い、2日後、反応混合物の液層を 1H−NMRおよびガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、原料のオ
クチルジメチルクロロシランが完全に消費され、オクチ
ルジメチルフルオロシランが100%(シラン基準)の
収率で生成していることが示された。反応混合物から液
層を濾別後、減圧蒸留し、オクチルジメチルフルオロシ
ランを単離した(単離収率96%)。得られたオクチル
ジメチルフルオロシランの構造および純度は、 1H−、
13C−、29Si−NMRスペクトル、赤外吸収スペクト
ル、マススペクトルおよびガスクロマトグラフィーにて
確認した。
【0021】実施例6 1,1−ジクロロシラシクロペンタン(20mmol)
とKF(HF)2 (14.3mmol)の混合物を、2
5℃にて2日間攪拌した。反応混合物の液層を1H−N
MRにより分析したところ、原料の1,1−ジクロロシ
ラシクロペンタンが完全に消費され、1,1−ジフルオ
ロシラシクロペンタンが100%(シラン基準)の収率
で生成していることが示された。反応混合物から液層を
濾別後、減圧蒸留し、1,1−ジフルオロシラシクロペ
ンタンを単離した(単離収率65%)。得られた1,1
−ジフルオロシラシクロペンタンの構造および純度は、
1H−、13C−、29Si−NMRスペクトル、赤外吸収
スペクトル、マススペクトルおよびガスクロマトグラフ
ィーにて確認した。
【0022】実施例7 1,2−ジクロロ−2−フェニル−1,1,2−トリメ
チルジシラン(7.5mmol)とKF(HF)2
(5.85mmol)の混合物を試験管中に仕込み、2
5℃にて1日間攪拌した。反応混合物の液層を 1H−N
MRにより分析したところ、原料の1,2−ジクロロ−
2−フェニル−1,1,2−トリメチルジシランが完全
に消費され、1,2−ジフルオロ−2−フェニル−1,
1,2−トリメチルジシランが100%(シラン基準)
の収率で生成していることが示された。反応混合物から
液層を濾別後、減圧蒸留し、1,2−ジフルオロ−2−
フェニル−1,1,2−トリメチルジシランを単離した
(単離収率97%)。得られた1,2−ジフルオロ−2
−フェニル−1,1,2−トリメチルジシランの構造お
よび純度は、 1H−、13C−、29Si−NMRスペクト
ル、赤外吸収スペクトル、マススペクトルおよびガスク
ロマトグラフィーにて確認した。
【0023】実施例8 トリフェニルクロロシラン(5mmol)とKF(H
F)2 (3.62mmol)およびジオキサン(3m
l)の混合物を、試験管中に仕込み、25℃にて2日間
攪拌した。反応混合物の液層をガスクロマトグラフィー
により分析したところ、原料のトリフェニルクロロシラ
ンが完全に消費され、トリフェニルフルオロシランが1
00%(シラン基準)の収率で生成していることが示さ
れた。反応混合物から液層を濾別、濃縮後、ヘキサンか
ら結晶化し、トリフェニルフルオロシランを単離した
(単離収率85%)。得られたトリフェニルフルオロシ
ランの構造および純度は、 1H−、13C−、29Si−N
MRスペクトル、赤外吸収スペクトル、マススペクトル
およびガスクロマトグラフィーにて確認した。
【0024】実施例9 KF(HF)2 の量を1.81mmolにする以外は実
施例8と同様に反応を行い、1日後に反応混合物の液層
をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、トリ
フェニルフルオロシランが47%(シラン基準)の収率
で生成していることが示された。この時、原料のトリフ
ェニルクロロシランは53%残存していた。さらに2週
間攪拌を継続し、同様に分析したところ、トリフェニル
フルオロシランが95%(シラン基準)の収率で生成し
ていることが確認された。
【0025】実施例10 溶媒をジオキサンの代わりに1,2−ジクロロエタンに
する以外は実施例9と同様に反応を行い、1日後に反応
混合物の液層をガスクロマトグラフィーにより分析した
ところ、トリフェニルフルオロシランが39%(シラン
基準)の収率で生成していることが示された。この時、
原料のトリフェニルクロロシランは61%残存してい
た。さらに2週間攪拌を継続し、同様に分析したとこ
ろ、トリフェニルフルオロシランが80%(シラン基
準)の収率で生成し、原料のトリフェニルクロロシラン
が20%残存していていることが確認された。
【0026】実施例11 溶媒をジオキサンの代わりにベンゼンにする以外は実施
例8と同様に反応を行い、2日後に反応混合物の液層を
ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、トリフ
ェニルフルオロシランが57%(シラン基準)の収率で
生成していることが示された。この時、原料のトリフェ
ニルクロロシランは43%残存していた。
【0027】実施例12 1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフェニルジ
シロキサン(2.5mmol)とKF(HF)2 (1.
81mmol)およびジオキサン(3ml)の混合物
を、試験管中に仕込み、25℃にて1日間攪拌した。反
応混合物の液層を1H−NMRおよびガスクロマトグラ
フィーにより分析したところ、原料の1,3−ジクロロ
−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンが完全
に消費され、1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テ
トラフェニルジシロキサンが100%(シラン基準)の
収率で生成していることが示された。反応混合物から液
層を濾別後、減圧蒸留し、1,3−ジフルオロ−1,
1,3,3−テトラフェニルジシロキサンを単離した
(単離収率92%)。得られた1,3−ジフルオロ−
1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンの構造お
よび純度は、 1H−、13C−、29Si−NMRスペクト
ル、赤外吸収スペクトル、マススペクトルおよびガスク
ロマトグラフィーにて確認した。
【0028】実施例12 ポリ{(メチルクロロシリレン)(トリメチレン)}
(重量平均分子量16.5万、分散度1.78、モノマ
ーユニットとして5mmol)とKF(HF)2(1.
8mmol)およびベンゼン(3ml)の混合物を、試
験管中に仕込み、25℃にて2日間攪拌した。反応混合
物を 1H、13C−、および29Si−NMRスペクトルに
より分析したところ、ポリ{(メチルフルオロシリレ
ン)(トリメチレン)}が100%(シラン基準)の収
率で生成していることが示された。反応混合物を濾別
し、液層を濃縮乾固してポリ{(メチルフルオロシリレ
ン)(トリメチレン)}を単離した。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも一つ以上の
Si−Cl結合を有するクロロシラン類と、KF(H
F)n(ただしnは1.5≦n≦5の数)で示されるフ
ッ化水素カリウム類からフルオロシラン類を効率的に製
造することができる。従って本発明の産業的意義は多大
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも一つ以上のSi−Cl
    結合を有するクロロシラン類を(b)KF(HF)n
    (ただしnは1.5≦n≦5の数)で示されるフッ化水
    素カリウム類とを反応させることを特徴とするフルオロ
    シラン類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107207541A (zh) * 2015-11-09 2017-09-26 瓦克化学股份公司 用于生产氰基烷基氟硅烷的方法
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