JPH0826715A - フッ化シランの製造法およびその精製法 - Google Patents
フッ化シランの製造法およびその精製法Info
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Abstract
なフッ化シランの製造法およびその精製法を提供する。 【構成】フッ化水素と塩化シラン(Six Hy Cl
2+2x-y(xはx≧1の整数、yは0≦y≦2x+1の整
数、ただし(x,y)=(1,2)を除く))とを直接
反応させ、かつ、塩化水素を含むそのフッ化シラン(S
ix Hy F2+2x-y(xはx≧1の整数、yは0≦y≦2
x+1の整数、ただし(x,y)=(1,2)を除
く))をエーテル中に吹き込み選択的に吸収除去する。
Description
の製造用原料として有用なフッ化シランの新規製造法お
よびその精製法に関するものである。
の金属フッ化物を用いて塩化シランの塩素とフッ素のハ
ロゲン置換反応を行わせることにより得られる。この際
使用される金属フッ化物としてはSbF3 、ZnF2 、
SnF4 等があり、これら固体状のフッ化物と塩化シラ
ンを反応させる方法としては、フッ化物充填層に塩化シ
ランをガス状で通過させる方法、あるいはフッ化物に塩
化シランを滴下する方法等が一般的である。
純度が満足できるほど高いものではなく、現在では、こ
れら固体状金属フッ化物を適当な有機溶媒に懸濁して塩
化シランと反応させる方法が広く知られている(特開昭
61−232215号、特開昭61−151016号、
特開昭63−201013号)。
シランを得る場合、次に示す問題点がある。フッ化シ
ランの製造に使用される金属フッ化物は高価であり、反
応によって副生する金属塩化物の回収、再生が必要であ
る。また比較的安価な金属フッ化物を一過的に使用する
場合でも副生する金属塩化物が有害物質であるものが多
く、廃棄には除害処理が必要である。従来法によって
フッ化シランを製造する場合、反応系に水分が存在する
と多フッ化物が副生し、製品純度を低下させるため、反
応系からの脱水が重要となるが、フッ化シランの製造に
使用される金属フッ化物は吸湿性を示す物質が多く、脱
水精製が必要である。本発明は、かかる従来法の問題点
を一掃するものである。
(Six Hy Cl2+2x-y(xはx≧1の整数,yは0≦
y≦2x+1の整数、ただし(x,y)=(1,2)を
除く))とフッ化水素を直接反応させることを特徴とす
るフッ化シラン(Six Hy F2+2x-y(xはx≧1の整
数,yは0≦y≦2x+1の整数、ただし(x,y)=
(1,2)を除く))の製造法、および塩化水素を含む
フッ化シラン(Six Hy F2+2x-y(xはx≧1の整
数,yは0≦y≦2x+1の整数、ただし(x,y)=
(1,2)を除く))をエーテル中に吹き込み、塩化水
素のみを選択的に吸収除去することを特徴とするフッ化
シランの精製法に関するものである。
化水素を用いることにより、高価な金属フッ化物を使用
することなくフッ化シランを従来法とほぼ同等の純度で
合成することができ、副生する塩化水素はフッ化シラン
と分離除去した後、アルカリとの反応によって簡単に除
害できる。また、フッ化水素は通常、数ppm〜数百p
pmの水分を含有するが、この程度の水分では多フッ化
物の副生に影響はない。
反応させる場合には、塩化シランを理論反応当量より過
剰の状態で反応させるべきである。すなわち、Six H
y Cl2+2x-yの塩化シランとフッ化水素とを反応させる
時には、モル比を塩化シラン/フッ化水素=1/(2+
2x−y)以上にすることが好ましく、これより小さい
場合多フッ化物が生成し好ましくない。また、塩化シラ
ンが大過剰に存在する場合は、フッ素化が部分的に進行
したフッ化塩化シランが生成し好ましくない。また、未
反応の塩化シランが大量に残り、その回収等を考えると
効率的ではない場合がある。
適には30〜50℃が好ましい。反応温度が高温になる
と、反応が激しくなり、多フッ化物を生成するため好ま
しくない。また、低温の場合は、反応速度が遅くなり、
過剰の塩化シランだけでなくフッ化水素も一部未反応と
なって残り、このフッ化水素が生成したフッ化シランと
再度反応して多フッ化物となる傾向にあり好ましくな
い。
ことはないが、極端に低い圧力では反応速度が低下し、
また極端に高い圧力では反応が激しくなって危険である
ため、通常大気圧程度で行うことが好ましい。
には、液体塩化シラン中に液体フッ化水素を滴下させる
方法、液体塩化シラン中に適当なキャリアーガスにより
フッ化水素を気体状でバブリングさせる方法、塩化シラ
ンとフッ化水素を気体で反応させる方法がある。沸点の
比較的高い塩化シラン(SiCl4 、Si2 Cl6 等)
では前二者による方法が好ましく、沸点の低い塩化シラ
ン(SiH3 Cl、SiHCl3 等)では後者による方
法が好ましい。更に後者による反応では回分式および流
通式の反応形式があるが、回分式では生成したフッ化シ
ランが再度フッ化水素に曝されて多フッ化物となる傾向
にあり純度低下を引き起こすため流通式が好ましい。
との反応によって副生する塩化水素は、フッ化シラン
(特に請求項1に示されるフッ化シランのうちx=1の
もの)と沸点が似通っているため蒸留による除去が困難
である。従来法によってフッ化シランを製造する場合に
も、反応系に存在する少量の水分のため塩化水素が少量
副生するが、フッ化シランの利用分野である半導体分野
において当該ガスを使用する際、この塩化水素が半導体
製造プロセスに悪影響を及ぼすことが確認されており塩
化水素の除去精製が必要である。
のみを選択的に除去するために用いられるエーテルに
は、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ジ
ブチルエーテル、ジフェニルエーテル等が使用できる
が、これらエーテル類は揮発性が高く、フッ化シランに
同伴すると除去が困難となるため可能な限り蒸気圧の低
いエーテルを使用する必要がある。具体的には、n−ジ
ブチルエーテル、ジフェニルエーテル等があるが、室温
付近でハンドリングの容易なn−ジブチルエーテルが好
ましい。塩化水素をエーテルに吸収させる場合、低温ほ
ど吸収性能が向上するが、フッ化シランも同様に吸収量
が増大していくため適正な温度を選択する必要がある。
n−ジブチルエーテルでは−20℃〜20℃程度が適し
ている。また、塩化水素を吸収した後のエーテルは、沸
点付近で還流熱処理をすることにより塩化水素と分離、
再生が可能であり、再利用ができる。
る。 実施例1〜4 1l反応器内にSiHCl3 を所定圧力吹き込み、続い
てフッ化水素を導入して10分間回分式に反応させ、こ
の生成ガスをガスクロマトグラフィーおよびFT−IR
により測定した。この結果を表1に示す。
のSiHCl3 とフッ化水素を300mmHgの圧力下
で混合反応させ、この生成ガスをエタノール−ドライア
イストラップ(−74℃)により高沸点成分(SiHC
l3 、HF、SiHFCl2 、SiHF2 Cl)を取り
除き、3時間捕集したガスについてガスクロマトグラフ
ィーおよびFT−IRにより測定した。この結果を表2
に示す。
Cl(50SCCM)とフッ化水素(50SCCM)を
大気圧下で混合反応させ、この生成ガスをエタノール−
ドライアイストラップ(−74℃)により高沸点成分
(SiH3 Cl、HF)を取り除き、3時間捕集したガ
スについてガスクロマトグラフィーおよびFT−IRに
より測定した。この結果を表3に示す。
したn−ジブチルエーテル2l(液温:0℃)を仕込
み、実施例1および実施例5〜10で合成したガスを吹
き込んだ。この操作により得られたガスの組成をそれぞ
れ表4に示す。精製後のガス中の塩化水素は、FT−I
Rによる定量の結果30ppm未満であった。回収率は
SiHF3 、SiH3 Fともに約70%であった。
いて塩化シランから定量的にかつ簡便で安価にフッ化シ
ランを得ることができ、また塩化水素の除去精製によ
り、より純度の高いフッ化シランを得ることが可能とな
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 塩化シラン(SiX Hy Cl2+2x-y(x
はx≧1の整数,yは0≦y≦2x+1の整数、ただし
(x,y)=(1,2)を除く))とフッ化水素を直接
反応させることを特徴とするフッ化シラン(Six Hy
F2+2x-y(xはx≧1の整数,yは0≦y≦2x+1の
整数、ただし(x,y)=(1,2)を除く))の製造
法。 - 【請求項2】 塩化水素を含むフッ化シラン(Six H
y F2+2x-y(xはx≧1の整数,yは0≦y≦2x+1
の整数、ただし(x,y)=(1,2)を除く))をエ
ーテル中に吹き込み、塩化水素のみを選択的に吸収除去
することを特徴とするフッ化シランの精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06161508A JP3123698B2 (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | フッ化シランの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06161508A JP3123698B2 (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | フッ化シランの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0826715A true JPH0826715A (ja) | 1996-01-30 |
JP3123698B2 JP3123698B2 (ja) | 2001-01-15 |
Family
ID=15736399
Family Applications (1)
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JP06161508A Expired - Fee Related JP3123698B2 (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | フッ化シランの製造法 |
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JP (1) | JP3123698B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009186197A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Denki Kagaku Kogyo Kk | クロロシラン類の化学処理方法 |
JP2010537947A (ja) * | 2007-09-04 | 2010-12-09 | エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド | 四フッ化ケイ素及び塩化水素を含有するガス流の処理方法 |
-
1994
- 1994-07-13 JP JP06161508A patent/JP3123698B2/ja not_active Expired - Fee Related
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