JP2015535845A - 精製フルオロ置換有機カーボネートの製造 - Google Patents

精製フルオロ置換有機カーボネートの製造 Download PDF

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Abstract

エチレンカーボネートおよびジメチルカーボネートならびにF2からの精製フルオロ置換有機カーボネートの、とりわけフルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、フルオロメチルメチルカーボネートおよびジフッ素化ジメチルカーボネートの製造方法が記載される。フッ素化後に、好ましくはフッ化水素を激減させる工程を行った後に、不純なフルオロ置換有機カーボネートは、式(I)、R−H(式中、Rは求核基である)の試剤での処理と、少なくとも1つの蒸留塔での蒸留の後続工程とにかけられる。アルコールおよびアミンが、例えば、式(I)の試剤として好適である。メタノールがとりわけ好ましい。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年10月9日出願の欧州特許出願第12187801.1号明細書に対する優先権を主張するものであり、この出願の全体内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本発明は、ある種の精製フッ素置換有機カーボネートの製造方法に関する。
フッ素化線状および環状カーボネート、例えば、モノフルオロエチレンカーボネート、フルオロメチルメチルカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネートおよびジフッ素化ジメチルカーボネート、しかしまた、それぞれのトリ−およびテトラフッ素化カーボネートは、リチウムイオン電池用の溶媒または溶媒添加物としてとりわけ好適である。
一般に、フルオロ置換有機カーボネートは、Fで置換されていないか、または少なくとも1個の置換可能なH原子を有する脂肪族の線状もしくは環状カーボネートと元素状フッ素との反応によって製造することができる。
モノフルオロエチレンカーボネートは、1,3−ジオキソラン−2−オン(エチレンカーボネート;「EC」)と元素状フッ素との反応によって、それぞれの非置換エチレンカーボネートから製造することができる。これは、例えば特開2000−309583号公報に記載されており、ここで反応は、ECの融解液または無水フッ化物中でのその溶液を用いて行なわれている。任意選択的に、パーフルオロヘキサンが存在してもよく;この場合には、1,3−ジオキソラン−2−オン−出発原料−の懸濁液が形成される。米国特許出願公開第2006−0036102号明細書によれば、エチレンカーボネートは、F1EC中に溶解され、次に希釈フッ素と接触させられる。米国特許第7,268,238A号明細書によれば、反応は、希釈フッ素ガスの好適な気泡サイズを提供するためのラシッヒリングを伴う反応器中で行なわれる。技術の現状によれば、フッ素化反応および生成物の単離はバッチプロセスにおいて行なわれた。
国際公開第2011/036283号パンフレットは、テトラフルオロエチレンカーボネートを形成するための、フッ素化されていないまたはフッ素化の程度がより低いエチレンカーボネートと元素状フッ素(F)との液相での反応によるジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロエチレンカーボネートおよび/もしくはテトラフルオロエチレンカーボネートまたはそれらの2つ以上の混合物の製造方法を記載している。
国際公開第2009/118369号パンフレットは、フッ化水素が激減した混合物が、有機カーボネート、好ましくはフッ素化有機カーボネートと、フッ化水素とを含む混合物から、混合物に不活性ガスを通過させることによって混合物からHFをストリッピングすることにより製造されることを記載している。希ガスまたはそれらと窒素もしくは二酸化炭素との混合物またはそれと窒素との混合物もまた、ストリッピング用の不活性ガスとして好適であり;空気もまた好適である場合があるが、それは好ましくない。窒素がとりわけストリッピングガスとして好適である。
国際公開第2009/118368号パンフレットは、HFが激減しているフルオロ置換有機カーボネートの製造方法であって、少なくとも1つのCH−CF基を分子中に含むHF-汚染フッ素化有機カーボネートが、SiO2を含む無機反応剤と接触させられ、固体とHF激減フッ素化有機カーボネートとの混合物を形成し、結果として生じるHF激減フルオロ置換有機カーボネートが固体から分離される製造方法を提供している。高い表面積の固体、とりわけ非晶質固体シリカまたはシリカ含有化合物を使用することが好ましい。シリカゲルが非常に好ましい。(造形体の形態で、例えば、ビーズの形態で適用することができる)そのようなゲルの高い表面積は、速いHF-除去反応を提供する。
国際公開第2011/020830号パンフレットは、少なくとも2つの蒸留工程で蒸留される、フルオロエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、高フッ素化エチレンカーボネートまたはカーボネートとフッ化水素と任意選択的に微量の不純物(例えば、トリフルオロエチレンカーボネート)とを含む反応混合物の精製方法であって、第1蒸留工程に供給される反応混合物が5重量%以下のHFを含有する方法を提供している。好ましくは、第1蒸留塔に供給される反応混合物は、1重量%以下のHFを含有する。得られる精製フルオロエチレンカーボネートは、とりわけHF含有量を考慮して、非常に純粋であるので、再結晶はまったく必要とされない。
しかし、吸着、ストリッピングおよび/または蒸留によってHFの除去のために粗生成物を処理した後でさえも、HFが処理生成物中に放出されることが観察された。
本発明の目的は、精製フルオロ置換有機カーボネートの製造方法を提供することである。この目的と本説明および特許請求の範囲から明らかである他の目的とは、本発明の方法によって達成される。
本発明は、不純物を含有するフッ素化有機カーボネートが、式(I)、R−Hを有する有機化合物からなる群から選択される処理剤と接触させられ少なくとも1つの工程であって、式(I)の化合物が、−C(O)Rの形成下に基−C(O)Fを有する化合物と反応する工程と、精製フッ素化有機カーボネートが単離される少なくとも1つの工程とを含む精製フッ素化有機カーボネートの製造方法に関する。
単離の少なくとも1つの工程は好ましくは、蒸留の少なくとも1つの工程を含む。
式(I)の試剤は好ましくは、C−(O)−F基と反応したときにC−(O)−R基を形成する。
本発明の骨組では、単数形は複数形を含むことを意図し;複数形は単数形を含むことを意図する。したがって、用語「精製フッ素化有機カーボネート」は、単一のカーボネート化合物に限定されず、異性体を含めて2つ以上のフッ素化カーボネートを含む組成物を含む。
式(I)の化合物は、望ましくない量の不純物;とりわけ少なくとも1つの単離工程中に分離することができないかまたは分離するのが困難である不純物がまったく形成されないようにとりわけ本発明の方法が行われる温度および反応時間を考慮して、反応下にフッ素化有機カーボネートに対して本質的にまたは完全に不活性であるべきである。
水、HSまたはNHは処理剤として適用することができるが;それらは好ましい処理剤ではなく、それらが適用される場合には、処理は、できるだけ短い、例えば、5分よりも短いものであるべきである。
式(I)の好ましい化合物は、有機化合物からなる群から選択され、少なくとも1つのOH基、NH基またはSH基を含む。典型的な処理剤は、アルカノール、アルカンジオール、アルカントリオール、アンモニア、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、およびアルカンチオールの群から選択される。これらの処理剤が好ましい。この群からの2つ以上の処理剤の混合物を適用することが可能である。
とりわけ好ましい処理剤は、1〜3個の炭素原子を有するアルカノール、C2またはC3アルキレン骨格のアルカンジオール、用語アルキルがC1〜C3基を意味するモノアルキルアミン、およびアルキル基が同じもしくは異なるものであり、そしてC1〜C3アルキルを意味するジアルキルアミンからなる群から選択される。メタノール、エタノール、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、メタンチオールおよびエタンチオールがとりわけ好ましく、メタノールが処理剤として傑出している。
好ましくは、式(I)の試剤は、アルコールまたはアミンである。
好ましくは、Rは、ROおよびRN(式中、Rは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖および分岐アルキル基;少なくとも1つのハロゲン原子、少なくとも1つのヒドロキシ基、少なくとも1つのニトロ基および/または少なくとも1つのニトリル基で置換された、1〜10個の炭素原子を有する直鎖および分岐アルキル基;2〜10個の炭素原子を有する直鎖および分岐アルケニル基;少なくとも1つのハロゲン原子、少なくとも1つのヒドロキシ基、少なくとも1つのニトロ基および/または少なくとも1つのニトリル基で置換された、1〜10個の炭素原子を有する直鎖および分岐アルキル基;3〜10個の炭素原子を有する環状アルキレン基;少なくとも1つの1〜5個の炭素原子を有するアルキル基;少なくとも1つのハロゲン原子、少なくとも1つのヒドロキシ基、少なくとも1つのニトロ基および/または少なくとも1つのニトリル基で置換された3〜10個の炭素原子を有する環状アルキレン基から選択され;RおよびRは、同じものであり、C1〜C6アルキル;環状C3〜C6アルキレン基;Nが環中に組み込まれている5〜8員環の飽和もしくは不飽和の複素環を意味する)からなる群から選択される。ポリオールおよびポリアミンはまた有用な処理剤である。
例えば、アルキルアミンおよびジアルキルアミンは、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、またはメチルエチルアミンは、好適な精製剤である。
アルコールは、精製剤としてとりわけ好ましい。アルコール化合物は、アミン化合物と組み合わせて適用することができるが、アルコールの群から選択されるただ1つのまたは複数の精製剤を適用することが好ましい。
1つ、2つまたは3つのOH基を有するアルコールを適用することができる。例えば、1つのOH基のC1〜C5アルコール、C2〜C5ジオールまたはC3〜C6トリオールが好適である。Rは好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、ヒドロキシメトキシおよびヒドロキシエトキシからなる群から選択される。
メタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノールが好ましくは精製剤として適用される。
精製剤の量は、除去されるべき1つまたは複数の不純物の量とおおよそ関連するべきである。この量は、経験によって推定され得る。あるいはまた、精製剤の添加についての終点は、物理的または化学的方法によって決定することができる。例えば、ガスクロマトグラフィー、NIRまたはMIRによって。多くの場合、精製剤の添加は、処理されるべき反応混合物に対するその量が0.01〜5重量%であるようなものである。同様に水、NHまたはHSは、精製されるべきカーボネートの総重量に対して0.01〜5重量%の量で適用される場合には、上述の他の化合物よりも好ましくはないが好適な精製剤である。水は、そのような少量で適用される場合には、例えば存在するHFを除去するための、洗浄剤として使用されているとは考えられないが、本発明との関連で、それは、化学反応によって作用する精製剤として使用される。それにもかかわらず、上述のようなアルコールは、好ましい精製剤である。
精製剤は、粗反応混合物にまたは、好ましくは、予備精製生成物に添加することができる。この試剤は、粗混合物または予備精製生成物とバッチ反応器で接触させることができる。好ましくは、それは、蒸留塔の塔底に直接添加される。
本発明の方法は、出発化合物としての脂肪族の直鎖もしくは分岐有機カーボネートと元素状フッ素との反応によって生成したフルオロ置換有機カーボネートの精製にとりわけ好適である。
フッ素化反応は、バッチ式または連続的に行うことができ;それは粗反応混合物を提供する。好ましくは窒素で希釈された、フッ素は、液体カーボネート中へガス形態で分散させられる。したがって、本発明の方法は、2相プロセスである。フッ素は、このプロセスの安全性を向上させるために、そして純粋フッ素を適用した場合には高過ぎるであろう大量の反応熱が発生するので、希釈形態で導入される。
そのような方法は、例えば、連続的に行われるフッ素化プロセスを記載している国際公開第2011/036281号パンフレットに、または米国特許出願公開第2006−0036102号明細書に記載されている。1つの代替手段では、出発原料として使用される脂肪族の直鎖もしくは分岐有機カーボネートは、F原子で置換されていなくてもよく、元素状フッ素との反応後に、それぞれの反応生成物は、過フッ素化されるまで少なくとも1個のF原子で置換されているフッ素化有機カーボネートを含む。別の代替手段では、出発原料として使用される脂肪族の直鎖もしくは分岐有機カーボネートは、少なくとも1個のF原子で置換されており、少なくとも1個のH原子を含み、元素状フッ素との反応後に、それぞれの反応生成物は、過フッ素化されるまで少なくとも2個のF原子で置換されているフッ素化有機カーボネートを含む。
本発明者らは、C(O)F基を含む場合がある望ましくない不純物が反応混合物中に存在すると考えている。そのような基は、それが水分と接触するときにHFを分離する傾向がある。式(I)の試剤は、C−(O)−F基と反応するときにC-(O)−R基を形成する。
前述は仮の説明であるにすぎず、本発明者らはそれに縛られたくはない。
さて、本発明方法に従って精製することができるフルオロ置換有機カーボネートが記載される。
一代替手段によれば、フルオロ置換された脂肪族の直鎖もしくは分岐有機カーボネートは、本発明の方法に従って精製することができる。とりわけ、式(I)、(RO)(RO)C(O)のフルオロ置換有機カーボネートを精製することができる。式(I)において、RおよびRは、同じものであっても異なるものであってもよい。RおよびRは、直鎖アルキルもしくは分岐アルキルであり、ただしRおよびRの少なくとも1つは、少なくとも1個のF原子で置換されている。用語「直鎖アルキル」は好ましくは、C1〜C5アルキル基または少なくとも1個のF原子で置換されたC1〜C5アルキル基を意味する。用語「分岐アルキル」は好ましくは、C3〜C5アルキル基または少なくとも1個のF原子で置換されたC3〜C5アルキル基を意味する。条件は、上述のような、RおよびRの少なくとも1つが、少なくとも1個のF原子で置換されていなければならないことである。この条件は、以下で繰り返されない。
好ましくは、Rは、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、テトラフルオロエチルもしくはペンタフルオロエチル、n−プロピル、イソプロピル、1〜7個のF原子で置換された、n−プロピル、または1〜7個のF原子で置換された、i−プロピルである。好ましくは、Rは、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、テトラフルオロエチルもしくはペンタフルオロエチル、n−プロピル、イソプロピル、1〜7個のF原子で置換された、n−プロピル、または1〜7個のF原子で置換された、i−プロピルである。
別の代替手段によれば、式(II)、(ORO)C(O)のフルオロ置換脂肪族環状有機カーボネートが、本発明の方法に従って精製される。Rは好ましくは、2〜10個のC原子を有する脂肪族アルキレン基であり、少なくとも1個のF原子で置換されている。より好ましくは、Rは、少なくとも1個のF原子で置換されたC2〜C8基である。とりわけ好ましくは、Rは、1、2、3もしくは4個のF原子で置換されたC2基;少なくとも1個のFで置換された直鎖もしくは分岐C3基;少なくとも1個のF原子で置換されたメチルプロピレン基;少なくとも1個のF原子で置換されたジメチルエチレン基;少なくとも1個のF原子で置換されたエチルエチレン基;少なくとも1個のF原子で置換されたジエチルエチレン基;または少なくとも1個のF原子で置換されたメチルエチルエチレン基である。好ましくは、この代替実施形態では、Rは、モノフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、モノフルオロメチルエチレン、ジフルオロメチルエチレン、メチルモノフルオロエチレン、メチルジフルオロエチレン、モノフルオロメチルモノフルオロエチレン、モノフルオロメチルジフルオロエチレン、ジフルオロメチルモノフルオロエチレン、ジフルオロメチルジフルオロエチレン、トリフルオロメチルジフルオロエチレン、ジフルオロメチルトリフルオロエチレン、またはトリフルオロメチルトリフルオロエチレンである。この実施形態では、Rは、好ましくはモノフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、最も好ましくは、モノフルオロエチレンまたはジフルオロエチレンである。「ジフルオロエチレン」は、CFC-CH基またはシスもしくはトランス立体配置でのCFH−CFH基であってもよい。
フッ素化有機カーボネートは、例えば、特開2000−309583号公報、米国特許出願公開第2006−0036102号明細書、米国特許第7,268,238号明細書または国際公開第2011036281号パンフレットに記載されているように提供することができる。
本発明の方法は、精製処理にまだかけられていないフッ素化生成物を精製するために適用することができる。あるいはまた、それは、予備精製フッ素化カーボネートを提供するための予備精製処理にすでにかけられているが、リチウムイオン電池用の溶媒または添加物として適用するには余りにも純粋ではないと考えられる予備精製フッ素化生成物を精製するために適用することができるか;またはそれは、リチウムイオン電池用の溶媒または添加物として使用するために十分に純粋であると考えられるが、貯蔵されるまたは水分と接触するときにいくらかのHFを依然として形成する精製製品に適用することができる。
元素状フッ素でのフッ素化プロセスで得られたフッ素化有機カーボネートを含有する粗反応混合物からHFを除去するための少なくとも1つの予備工程を先ず行うことが好ましい。フッ素化工程において、Fの各消費モルについて、1モルのHFが生成することは専門家に周知である。いくつかの方法がHFを除去するための予備精製に好適である。好ましい方法は、ストリッピングの少なくとも1つの工程、蒸留の少なくとも1つの工程、または両方の工程を含む。生の生成物からHFをストリッピングするための方法は、国際公開第2009/118369号パンフレットに記載されている。不活性ガス、例えば、Nが、同伴HFを除去するために粗生成物に通される。例えば、国際公開第2011/020830号パンフレットに記載されているような多重蒸留による、除去するための蒸留は、代替手段である。両方の方法を互いにまたは、例えば、シリカとの接触による、HFを除去するための吸着処理と組み合わせることができる。
ストリッピングと蒸留との組み合わせが、精製の予備工程としてとりわけ好ましい。
精製剤は好ましくは、存在するHFの大部分を除去するための上述の予備精製工程後に添加され、それは好ましくは、蒸留などの最終精製工程の前に添加される。
HFの含有量が、予備精製された生の生成物において1重量%以下まで下がるように、ストリッピング、蒸留または両方によってフッ素化反応の粗反応混合物を予備精製することが好ましい。多くの場合、HFの含有量は、100重量ppm未満まで下げられる。HFの100〜1000重量ppmの範囲が、予備精製後に、とりわけストリッピング後に好ましい。
その結果として、本方法の好ましい実施形態は、精製カーボネートを提供するためにいくつかの工程において行われる。
この実施形態は、出発原料よりもフッ素化の程度が高いフッ素化有機カーボネートを含む粗反応混合物を提供するための有機カーボネートと元素状フッ素との反応で得られたフッ素化有機カーボネートを含む粗反応混合物を提供する工程と;予備精製生成物を提供するための粗反応混合物から同伴HFの大部分の除去を含む少なくとも1つの後続工程と;精製剤の添加を含む少なくとも1つの後続工程と;精製フッ素化有機カーボネートを単離する少なくとも1つの工程とを含む。
別の実施形態では本方法は、フッ素化有機カーボネートを含む混合物を、少なくとも1つの−Si−N−結合を有する有機ケイ素化合物で処理するさらなる精製工程を含み、好ましくは有機ケイ素化合物は、オルガノシラザン化合物、オルガノジシラザン化合物およびオルガノトリシラザン化合物から選択される。より好ましくは、少なくとも1つの−Si−N−結合を有する有機ケイ素化合物は、(N,N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,N’−ビス(トリメチルシリル)−1,4−ブタンジアミン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンがとりわけ好ましい。この実施形態は、例えば、HFおよび/または水での汚染をさらに低減することを可能にする。
フルオロ置換カーボネートおよびHFを含む粗反応混合物は、任意選択的に溶媒中での、例えば、溶媒としてのHF中での、不活性溶媒中での、例えば、パーフルオロカーボン溶媒中での、または希釈剤としてのフッ素化有機カーボネートの存在下での、フッ素原子で置換されていないか、またはフッ素化の程度がより低いカーボネート出発原料と、元素状フッ素との反応によって上に引用された文書に記載されているように提供することができる。
後続工程での同伴HFの除去は、既知の方法で、例えば、国際公開第2009/118369号パンフレットに記載されているように窒素のような不活性ガスでストリッピングすることによって行うことができる。HF除去はまた、国際公開第2011/020830号パンフレットに記載されているように蒸留によって行うことができる。ストリッピングと蒸留との組み合わせは、好適に予備精製された生成物を提供する。
HFを広範囲で含有する混合物を本発明に従って処理することができる。処理されるべき反応混合物が、フルオロ置換エチレンカーボネートまたはフルオロ置換ジアルキルカーボネートの製造に由来する最も好ましい実施形態では、フッ素で置換される1水素原子当たり1モルのHFが形成される。通常、そのような反応混合物において、HFの含有量は10重量%以下である。しかしより高い量のHFを含む混合物もまた、処理することができる。
処理後の混合物におけるHFの含有量は、反応混合物の好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。とりわけに好ましくは、それは1重量%以下である。さらにより好ましくは、それは0.5重量%以下である。とりわけ好ましくは、それは0.1重量%以下である。
最も簡単な方法では、ストリッピングは、不活性ガスを反応混合物に吹き込むことによって反応混合物を含有する容器で行うことができよう。これは、バッチ式でまたは連続的に行うことができる。
反応混合物とガスとの間の十分な接触面積を提供するやり方でストリッピングを行うことが好ましい。例えば、反応混合物を不活性ガスの流れ中へ噴霧することができるか、またはストリッピングガスと処理されるべき液体とをバブルトレイ塔で接触させることができる。非常に好ましい方法は、ストリッピング塔で行われる。ストリッピング塔では、インターナルおよびパッキングが、ガスと液体との間の高い接触表面を提供するために設備の1m当たり高い比表面積で設置される。好適なパッキングは、例えば、ラシッヒリングである。ストリッピング塔は通常、垂直に置かれた円筒形チューブである。不活性ガスは、パッキングよりも下のストリッピング塔の塔底で導入され;反応混合物は塔頂で供給される。HFを含む不活性ガスは、塔頂で別のラインを通って塔を出る。
HF含有カーボネートからのHFの除去の効率は、より高い温度でより高い。接触が容器で行われる場合には、熱は、既知の方法で、例えば、容器の壁を加熱することによって供給することができる。任意選択的に、不活性ガスおよび/または処理されるべき液体は、加熱することができる。
反応がインターナルまたはパッキングありのストリッピング塔で行われる場合には、ストリッピングプロセスの効率を向上させるために不活性ガス、処理されるべき液体または両方を加熱することが好ましい。
したがって、不活性ガス、とりわけ窒素は有利には、それを反応混合物中へ導入する前に加熱される。それが加熱される温度は好ましくは60℃以上であり;より好ましくはそれは75℃以上である。非常に好ましくは、それは100℃以上である。この温度はさらにより高い、例えば、120℃以上であり得る。好ましくは、それは150℃以下である。用いられる容器、塔、パイプ、付属品などの耐熱性および耐腐食性に依存して、この温度は150℃超であり得る。
反応混合物は好ましくはまた、連続ストリッピングプロセスが行われる前に加熱される。容器がバッチ式プロセスを行うために用いられる場合には、反応混合物は、ストリッピングプロセスの前におよび/またはストリッピングプロセス中に加熱することができる。好ましくは、それは60℃以上の温度に加熱される。好ましくは、それは120℃以下の温度に加熱される。
ストリッピング工程を周囲圧力で行うことが非常に有利である。必要ならば、わずかな真空をかけることができる。例えば、圧力は、0.5バールまたは0.2バールさえに下げることができる。温度は、有機化合物が不活性ガスのフローと一緒にそれから運び出されるほど高くないものであるべきである。
バッチ式プロセスでは、ストリッピングは、所望の最大量のHFが存在するまで行われる。
ストリッピング塔における連続プロセスでは、塔の高さは、所与のHF濃度、不活性ガスおよび反応混合物の流量について、所望の残存HF濃度に到達するようにように選択される。
予備精製はまた、国際公開第2011/020830号パンフレットに記載されているように、いくつかの蒸留によって行うことができる。この方法では、粗反応混合物は、少なくとも2つの蒸留工程で蒸留され、ここで、第1蒸留工程に供給される反応混合物は5重量%以下のHFを含有する。好ましくは、第1蒸留塔に供給される反応混合物は1重量%以下のHFを含有する。過剰のHFは、例えば蒸留工程前のストリッピングによって除去することができる。
表現「少なくとも2つの蒸留工程」は、混合物を少なくとも2回蒸留塔に通すことを意味する。一実施形態によれば、これは1つの蒸留塔であり、その蒸留塔に、分離されるべき混合物が少なくとも2回通される。この実施形態は、バッチ式蒸留で行うことができる。
別の実施形態によれば、少なくとも2つの蒸留工程が、少なくとも2つの蒸留塔で行われる。この実施形態はとりわけ、連続蒸留プロセスを行うのに好適である。
第1蒸留工程では、低沸点の物質の混合物(例えば、HFおよびフッ素化の程度がより高いカーボネート))は、塔頂から取り出され;より高い沸点の成分は、塔底から取り出され、第2蒸留工程へ供給される。多くの場合、第1蒸留工程の塔頂圧は、100ミリバール(絶対圧)以下である。好ましくは、第1蒸留工程の塔頂圧は、75ミリバール(絶対圧)以下である。好ましくは、それは、10ミリバール(絶対圧)以上である。10〜50ミリバール(絶対圧)の範囲の第1蒸留工程の塔頂圧がとりわけ好ましい。
第1蒸留工程の塔頂から取り出された低沸点の物質の混合物は、必要ならば互いに分離することができる。例えば、HFは、混合物を水で洗浄することによって、または極めて好ましいが、混合物を不活性ガスでストリッピングすることによって除去することができる。残りのフッ素化カーボネートは、蒸留によって分離することができる。あるいはまた、第1蒸留工程の塔頂からの混合物は、洗浄またはストリッピングのようないかなる他の処理もなしに単に蒸留によって異なる化合物へ分離することができる。フッ素化の程度が高いカーボネートは、それらをリチウムイオン電池溶媒用の添加物として適用することができるので貴重な副生物である。必要ならば、それらは、処分されても焼却されてもよい。任意の回収されたフッ化水素もまた、それ自体貴重な生成物である。
第2塔では、第1塔の塔底生成物が蒸留される。好ましくは、第2蒸留工程の塔頂圧は、50ミリバール(絶対圧)以下である。より好ましくは、第2塔の塔頂圧は、30ミリバール(絶対圧)以下である。好ましくは、第2蒸留工程の塔頂圧は、5ミリバール(絶対圧)以上である。第2蒸留工程の塔頂で、高純度のフッ素化カーボネート、例えば、モノフルオロエチレンカーボネートが得られる。精製カーボネート中のHFの含有量は、30重量ppm以下、好ましくは20重量ppm以下である。さらにより低いHF含有量、例えば、10ppm以下を達成することができる。
好ましい実施形態では、粗反応混合物におけるHFの含有量は、予備精製反応生成物を提供するために、0.1重量%以下(すなわち、1000重量ppm以下)にされ;次に精製剤、好ましくはアルコール、例えば、イソプロパノール、より好ましくは、エタノール、とりわけ、メタノールが添加される。好ましくは、精製剤の量は、予備精製反応生成物の100重量部当たり、0.01〜2重量部である。意外にも、メタノールの量は、エタノールまたはイソプロパノールの量よりも低くてもよい。例えば、エタノールは、1重量部以下の量で適用されてもよいが、メタノールは、0.6重量%以下の量でさえ添加されてもよい。
精製剤の添加中に、反応混合物の温度は好ましくは、0℃〜100℃、好ましくは、60℃〜100℃の範囲に保たれ、圧力は周囲圧力に相当する。
必要ならば、反応混合物は、例えば、1分間以上〜5時間以下、ポスト反応相に保つことができる。反応性の高い精製剤、例えば、メタノールについては、滞留時間は、反応性がより少ない試剤、例えば、イソプロパノールよりも短くてもよい。
反応混合物は次に、精製フッ素化有機カーボネートを提供するために蒸留される。
蒸留は好ましくは、十分に純粋な製品を提供するのに、十分な数の理論段、例えば、10〜50を有する塔で行われる。
精製製品の利点は、貯蔵時にまたは水分と接触したときにHFを形成し得るいかなる不純物も、本発明の方法によって除去されていることである。これはまた、残存HF含有量の測定中にも有利である、なぜかと言うとこの測定は水を添加して行われるからである。不純物は、HF形成下に水と反応し;これは、元々存在したものよりも高い遊離HFの含有量の測定をもたらす。
万一、参照により本明細書に援用されるいずれかの特許、特許出願および刊行物の開示内容が、ある用語を不明確にする程度まで本願の記載内容と矛盾する場合には、本明細書の記載内容が優先するものとする。
本発明はここで、本発明を限定することを意図しない実施例で説明される。
省略形:
EC:エチレンカーボネート
F1EC:フルオロエチレンカーボネート
F2EC:ジフルオロエチレンカーボネート
GC:ガスクロマトグラフィー
実施例1:モノフルオロエチレンカーボネートの製造および予備精製
1.1.モノフルオロエチレンカーボネート(「F1EC」)を含む粗反応混合物の製造
F1ECの製造は、エチレンカーボネート(「EC」)と、反応器中のEC中へ連続的に通される13:87の容積比のF/Nとの反応によって行った。粗反応混合物は、GCによって測定されるように50面積%のEC、45面積%のF1ECおよび5面積%のジフルオロエチレンカーボネート(「F2EC」)を、GCによって測定されるように、有機化合物として含有し;それはまた、10重量%のHFを含有した。
1.2.粗反応混合物の予備精製
実施例1.1の粗反応混合物を、約110℃の温度でのストリッピング塔で粗混合物をNと接触させることによるストリッピングにかけてHFの含有量を約0.2重量%まで下げた。
1.3.メタノールの添加
実施例1.2の予備精製反応混合物に、メタノールを混合物の100g当たり0.5gメタノールの量で添加した。反応は80℃で行った。
1.4.単離工程
メタノールの添加後に、結果として生じる反応混合物を減圧下に蒸留して高度に精製されたF1ECを得た。
実施例2:エタノールでの精製
実施例1を繰り返したが、エタノールの量を0.85重量%に設定した。
実施例3:フルオロメチルメチルカーボネートの製造
高度に精製されたモノフルオロメチルメチルカーボネートを、実施例1に記載されたのと同様にジメチルカーボネートとフッ素/不活性ガス混合物との反応、HFの後続ストリッピング、引き続くメタノールの添加および蒸留の工程を含む方法で製造する。

Claims (14)

  1. 不純なフッ素化有機カーボネートを式(I)、R−H(式中、Rは求核基である)の試剤で処理する工程と、少なくとも1つの蒸留塔での蒸留の後続工程とを含む精製フッ素化有機カーボネートの製造方法。
  2. R−Hが、置換されていてもよいアルコールおよびアミンからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. Rが、ROおよびRN(式中、Rは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖および分岐アルキル基;少なくとも1つのハロゲン原子、少なくとも1つのヒドロキシ基、少なくとも1つのニトロ基および/または少なくとも1つのニトリル基で置換された、1〜10個の炭素原子を有する直鎖および分岐アルキル基;2〜10個の炭素原子を有する直鎖および分岐アルケニル基;少なくとも1つのハロゲン原子、少なくとも1つのヒドロキシ基、少なくとも1つのニトロ基および/または少なくとも1つのニトリル基で置換された、1〜10個の炭素原子を有する直鎖および分岐アルキル基;3〜10個の炭素原子を有する環状アルキレン基;少なくとも1つの1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、少なくとも1つのハロゲン原子、少なくとも1つのヒドロキシ基、少なくとも1つのニトロ基および/または少なくとも1つのニトリル基で置換された3〜10個の炭素原子を有する環状アルキレン基から選択され;RおよびRは、同じものであり、C1〜C6アルキル;環状C3〜C6アルキレン基;Nが環中に組み込まれている5〜8員環の飽和もしくは不飽和の複素環を意味する)からなる群から選択される請求項2に記載の方法。
  4. R−Hがアルコールである請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヒドロキシメトキシおよびヒドロキシエトキシから選択される請求項4に記載の方法。
  6. 前記不純なフッ素化有機カーボネートが、フッ素によるより低い程度の置換で元素状フッ素を有機カーボネートと反応させる少なくとも1つの工程を含む反応から得られた粗反応混合物か、またはフッ素によるより低い程度の置換で元素状フッ素を有機カーボネートと反応させる少なくとも1つの工程、フッ化水素除去の少なくとも1つの工程を含む反応から得られた予備精製生成物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. フッ素によるより低い程度の置換で元素状フッ素を有機カーボネートと反応させる少なくとも1つの工程と、フッ化水素除去の少なくとも1つの工程とを含む反応から得られた予備精製フッ素化有機カーボネートが精製される請求項6に記載の方法。
  8. フッ化水素の含有量を激減させるための処理が、ストリッピングおよび蒸留から選択される請求項7に記載の方法。
  9. 前記不純なフッ素化有機カーボネート中のフッ化水素の含有量が1000ppm以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記フッ素化有機カーボネートが、モノフルオロエチレンカーボネート、フルオロメチルメチルカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、およびビス−(フルオロメチル)カーボネートからなる群から選択される請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 式(I)の前記試剤の量が1重量%以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 次の工程:
    a)より低い程度のフッ素化でフッ素を有機カーボネートと反応させてフッ化水素を含有するフッ素化有機カーボネートを含む粗反応混合物を得る少なくとも1つの工程と、
    b)前記粗反応混合物中に含有されるフッ化水素を除去してフッ化水素が激減した予備精製フッ素化有機カーボネートを得る少なくとも1つの工程と、
    c)前記予備精製フッ素化有機カーボネートを式(I)の前記試剤で処理する少なくとも1つの工程と、
    d)式(I)の前記試剤での前記処理後の前記予備精製フッ素化有機カーボネートの蒸留によって精製フッ素化有機カーボネートを回収する少なくとも1つの工程と
    を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 式(I)の前記試剤が、蒸留塔の塔底へ導入される請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 少なくとも1つの−Si−N−結合を有する有機ケイ素化合物の存在下でのさらなる精製工程を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
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