JP2011515446A - 特定の吸収剤を使用するhfが低減されたフッ素化有機カーボネートの製造 - Google Patents
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Abstract
フルオロ置換有機カーボネート中のフッ化水素の含有率は、SiO2含有試剤、特にシリカゲルとの接触によって低減することができる。本方法は、さらなる精製後にリチウムイオン電池における溶剤または溶剤添加剤として適用することができるフルオロエチレンカーボネート中のフッ化水素含有率を低減するために特に好適である。
Description
本発明は、HFが低減されたフッ素化有機カーボネートの製造方法に関する。
フッ素化有機カーボネートは、特にLiイオン電池の製造のための、溶剤または共溶剤として有用である。それらは例えば、フッ素元素での直接フッ素化によって、フッ素を分離する高原子価金属フッ化物、例えばAgF2との反応によって、または電気化学的フッ素化によってそれぞれの非フッ素化有機カーボネートから製造することができる。この種の方法では、1個以上のC−H結合が1個以上のC−F結合で置換される。副産物として、フッ化水素(HF)が形成される。フッ化水素を含むフッ素置換有機カーボネートはまた、他のタイプの方法でも得られる可能性がある。例えば、HFは、エチレンカーボネートとフッ素元素とからのフルオロエチレンカーボネートの製造に溶媒として加えられる。当然ながら、HFは、製品がハイテク用途に、例えばLiイオン電池に使用されることになっている場合に特に有害であり、従って除去されなければならない。
HFは、例えば(特許文献1)または(特許文献2)に記載されているように水で洗浄することによってフッ素化有機カーボネートから除去することができる。水との接触は、(特許文献3)(先ず(特許文献4)として公開された)によれば、それがフッ素化カーボネートからのHFの分離を引き起こすように思われるので、CH−CF基を有する化合物にとって不利であり得る。当該米国特許は、蒸留によるフルオロエチレンカーボネートからのHFの除去を開示している。
(特許文献5)は、シリカゲルまたはアルミナを使用する2,2,3,3−テトラフルオロオキセタンからのフッ化水素およびフッ化トリフルオロプロピオニルの除去を開示している。この記載は、無機反応剤と接触させられるガス状2,2,3,3−テトラフルオロオキセタンを提供することに焦点を合わせている。
本発明の目的は、HFの含有率が低減されたフッ素化有機カーボネートの簡単な信頼できる製造方法を提供することである。
本発明の方法によれば、HFが低減されたフルオロ置換有機カーボネートの製造方法であって、少なくとも1個のCH−CF基を分子中に含むHF汚染フッ素化有機カーボネートがSiO2を含む無機反応剤と接触させられ、固体とHF低減フッ素化有機カーボネートとの混合物を形成し、生じたHF低減フルオロ置換有機カーボネートが固体から分離される方法が提供される。フルオロ置換有機カーボネートは、HF低減が進行中であるときに無機反応剤との接触の間ずっと液体状態に保たれる。当然ながら、本方法はまた、2種以上のフルオロ置換カーボネートを含む混合物に、または非フッ素化有機カーボネートもしくは2種以上の非フッ素化カーボネートと1種以上のフルオロ置換有機カーボネートとを含む混合物にも適用することができる。このように、単数形「カーボネート」が用いられるとき、それは複数形もまた意味するものとする。
結晶性固体、例えばSiO2含有ゼオライト、またはガラス質材料、例えばガラス製の物体、例えばガラスビーズが一般に好適である。ガラスビーズは、(当然ながら、直径は0.5mmより小さくても、20mmより大きくてもよいが)例えば0.5〜20mmの直径の、小粒子の形態で使用されるべきである。高い表面積の固体、特に非晶質固体シリカまたはシリカ含有化合物を使用することが好ましい。シリカゲルが非常に好ましい。(成形体の形態で、例えばビーズの形態で適用することができる)かかるゲルの高表面は、速いHF−除去反応を提供する。
用語「フッ素化有機カーボネート」は、少なくとも1個のフッ素原子で置換された、そして少なくとも1個のCH−CF基を含有するジアルキルカーボネートおよびアルキレンカーボネートを意味する。
ジアルキルカーボネートにおいて、アルキル基(その少なくとも1つは少なくとも1個のフッ素原子で置換されている)は、同じまたは異なるものであってもよい。好ましくは、アルキルはC1〜C3アルキル、特にメチルまたはエチルである。例えば、フルオロメチルメチルカーボネート、ビス−(フルオロメチル)カーボネート、ジフルオロメチルメチルカーボネート、ジフルオロメチルフルオロメチルカーボネート、ビス−(ジフルオロメチル)カーボネート、メチルトリフルオロメチルカーボネート、フルオロメチルトリフルオロメチルカーボネート、ジフルオロメチルトリフルオロメチルカーボネート、およびビス−(トリフルオロメチル)カーボネートを、本発明の方法に従って処理することができる。これらの化合物は、フッ素元素でのジメチルカーボネートの直接フッ素化によってかまたはそれぞれのクロロ置換カーボネートから塩素−フッ素交換反応(例えば、Halex反応)によって製造することができる。単離は、蒸留または他の従来法によって可能である。
アルキレンカーボネートにおいて、用語「アルキレン」は好ましくはC2〜C4アルキレン(少なくとも1個のフッ素原子で置換された)、特にエチレン、プロピレン(メチルエチレン)、および1,2−ジメチルエチレンを意味する。「アルキレン」は好ましくはエチレンまたはプロピレンを意味する。例えば、4−クロロ−5−フルオロエチレンカーボネート(特開昭62−290072号公報に記載されている)、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4−クロロ−5−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート(特開昭62−290071号公報に記載されている)、4−フルオロメチルエチレンカーボネート、4−フルオロメチル−5,5−ジメチルエチレンカーボネート、または4−(1−フルオロエチル)エチレンカーボネート(特開平9−251861号公報に記載されている)。好ましくは、4−フルオロエチレンカーボネート;4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、シス−4,5−ジフルオロエチレンカーボネートおよびトランス−4,5−ジフルオロエチレンカーボネート;4,4,5−トリフルオロエチレンカーボネートおよび少なくとも1個のフッ素原子で置換されたメチルエチレンカーボネート(プロピレンカーボネート)、特に4−フルオロメチルエチレンカーボネートは、本発明の方法に従って処理される。これらのフッ素化カーボネートは、HF中の電気化学的フッ素化によって、高原子価金属フッ化物での処理によって、または、好ましくは、例えば不活性ガス、特に窒素で希釈されたフッ素元素での、直接フッ素化によってそれぞれの非フッ素化化合物から製造することができる。プロピレンカーボネートの直接フッ素化は、例えば、特開平7−312227号公報に記載されている。2個以上のフッ素原子の化合物はまた、より低度の置換で、フッ素で既に置換されているそれぞれのカーボネートのフッ素化によって製造することができる。これは、例えば、特開2000−344763号公報に記載されており、この特許でフルオロエチレンカーボネートがジフッ素化生成物を提供するためにフッ素と反応させられている。
本発明の一実施形態では、処理されるべきであるHF含有フルオロ置換有機カーボネートは、フッ素化反応からの反応混合物である。それは、非フッ素化出発原料、所望のフッ素化有機カーボネート、および過度フッ素化有機カーボネートを含有する可能性がある。好ましくは、反応混合物は、HF含有率を一定レベルより下に低減するために前処理される。HFを2.5重量%以下に低減することが好ましい。より好ましくは、HF含有率は、詳細に下で記載されるように、処理されるべき混合物の2重量%以下に低減される。これは、副反応が起こるかもしれないリスクを低減する。
本発明の方法は、モノ−、ジ−およびトリフルオロエチレンカーボネート中のHF含有率を低減するために特に好適である。それは、モノフルオロエチレンカーボネート(「F1EC」)からのHF除去に鑑みてさらに詳細に説明される。
モノフルオロエチレンカーボネートは、エチレンカーボネートの直接フッ素化によってエチレンカーボネートから製造することができる。特開2000−309583号公報は、この反応が溶媒の存在下にかまたは不存在下に行われ得ることを開示している。米国特許第7,223,500号明細書は、エチレンカーボネートとフッ素との反応が溶媒としてのフルオロエチレンカーボネートの存在下に行われることを開示している。米国特許第7,268,238号明細書は、フッ素ガスがラシヒリングを用いて反応器中に配置された塔中に分配されるエチレンカーボネートの直接フッ素化方法を開示している。
全てのこれらの方法では、フルオロエチレンカーボネートと、副産物としてのHFとの混合物が生成する。フルオロエチレンカーボネート/HF混合物をシリカと接触させる前に、HFの含有率は、HF除去反応剤と接触させられるべき混合物の、2.5重量%以下に、より好ましくは2重量%以下に、非常に好ましくは1重量%以下に、最も好ましくは0.5重量%以下に低減されることが好ましい。例えば、HFのほとんどは、溶液を不活性ガスで、例えば窒素でストリッピングすることによってか、または第1蒸留工程によって除去することができる。かかる先行工程でHFの含有率を1重量%以下に、より好ましくは0.5重量%以下に、特に好ましくは、0.1重量%以下に低減することが好ましい。HFの含有率が所望のレベルに低減されるとき、フルオロエチレンカーボネートの生じた混合物はシリカゲル、好ましい反応剤と接触させられる。
シリカの量は非常に変わりやすく;最小量はHFの許容できる残存量に依存する。シリカは、適度の時間で所望レベルの純度を提供する量で適用されるべきである。多くの場合、HFレベルに依存して、フルオロエチレンカーボネート/HF混合物の100g当たり4g以下のシリカが適用される。より多量を適用することができるが、おそらく、シリカおよび/または所望の生成物の幾らかは無駄になる可能性がある。専門家は、シリカの最適量を見いだすために簡単な試験を行うことができる。
HF含有混合物とシリカとの接触中の温度はそれほど重要であるわけでなく、特に少量を考慮して通常適用される。温度は、それぞれのカーボネートの融点より高く、そして望ましくない副反応が起こるほど高くないものであるべきである。原則として、接触は、カーボネートまたはカーボネート混合物の固化温度と、かなり高い温度、例えば110℃以下またはそれ以上との間で行うことができる。好ましくは、温度は10℃以上である。例えば、接触は、周囲温度で行うことができる。
一実施形態によれば、処理されるべき反応混合物とシリカとの接触は、50℃より低い温度で行われる。かかる低温での、特に10〜50℃の範囲での処理は、順調な処理を可能にする。
別の実施形態によれば、接触温度は50℃以上、より好ましくは、80℃以上である。好ましくは、それは100℃以下である。80℃〜100℃の温度範囲は、無機反応剤で処理されるべきフルオロ化合物がかかる高温での別の処理工程、例えばHFがかかる温度範囲で、不活性ガスでストリッピングすることによって除去されるストリッピング工程を残しているときには特に非常に有利である。
接触時間は、必要に応じた長さであるが、過度に延長されるべきではない。好ましくは、それは60分以下、より好ましくは30分以下である。好ましくは、それは1分以上、より好ましくは5分以上である。
特に処理が上方範囲の、例えば50〜100℃、特に、80〜100℃の範囲の温度で行われる場合、わずかな減圧をかけることが有利であり得る。これは水を除去するのに役立ち、こうして水によって引き起こされる副反応を防ぐと考えられる。
任意の所望の形態での、例えばビーズまたは押出物としてのシリカ材料を適用することが可能である。
一実施形態では、シリカは、バルク材料の形態でフッ素化化合物と接触させられる。接触後に、固形分は公知の方法によって、例えば濾過、デカンテーション、遠心分離または蒸留によって反応混合物から除去される。
別の好ましい実施形態では、シリカ、特にシリカゲルビーズはフィルター中に含有され、それに接触させられるべきフッ素化化合物が通される。フィルターの利点は、シリカがその中に包み込まれ、接触の間ずっとこのフィルター中に留まっていることである。従って、それは、処理後に別個の工程で有機化合物から除去される必要はない。
HFの含有率は、シリカ、特にシリカゲルを適用することによって300重量ppm以下に低減することができる。
多くの場合、液体をさらに、とりわけ蒸留によって精製することが好ましい。これは特に、例えばフルオロエチレンカーボネート、HF、出発原料(この場合には、エチレンカーボネート)および/または高フッ素化生成物(この場合には、ジフルオロエチレンカーボネート)を含む粗生成物が本発明の方法に従って精製される場合に当てはまる。HF含有率はこうしてさらに、30重量ppm以下に、10重量ppm以下にさえ低減することができる。
本発明の好ましい一実施形態では、シリカ処理は蒸留塔の底部で行われ;この代替手段は、蒸留が回分式に行われるときに特に実現可能である。この実施形態は、また、分離工程が回避されるという追加の利点を有する。(処理中に形成される)水がフルオロエチレンカーボネートに副反応を引き起こすことを考えると、蒸留中のフルオロエチレンカーボネートへの熱歪みに鑑みてこの実施形態がとにかく非常に満足に作動することは非常に意外なことである。
シリカでの処理は、不活性ガスを高温の原材料中へ導入することによってHFが除去される先行ストリッピング工程と共に、および/またはその後の蒸留工程と共に好ましくは行われる。かかる組み合わせは、フッ素化有機化合物を加熱するために必要とされるエネルギーを幾つかの処理工程のために利用できるという利点を有する。
有機化合物からのHFの除去のためのシリカの使用は、米国特許第6,252,105号明細書から主に公知である。SiO2とHFとは反応してSiF4(ガス状生成物)と、水とを形成し、SiF4は次にH2SiF6を形成すると推測される。フルオロエチレンカーボネートは脱フッ化水素化を受けやすいように思われる。水は、米国特許第7,268,238号明細書に示されたように、フルオロエチレンカーボネートからのHFの分離を引き起こすと考えられ;従って、専門家は、SiO2含有化合物がそれらの化合物のためのHF除去剤として好適であるはずがない:HFとシリカとの反応が水を形成し、形成された水がフルオロエチレンカーボネートからのHFの形成を引き起こし、このように形成されたHFがシリカからの水の形成を引き起こす、などと予期したであろうし;その結果として、収率および純度の両方に有害な影響が予期されたであろう。シリカ(またはシリカ含有化合物)が、特にフルオロエチレンカーボネートについて、しかしまた上述の他のフッ素化カーボネートについて、とにかくHFを除去するための精製試薬として適用できることは非常に意外なことである。
これより、本発明は実施例によって説明されるが、これらの実施例は、本発明をさらに説明するが、それを限定することを意図しない。
一般的な備考:全ての%は、(重量%で表される)HFを除いては面積%である。
処理されるべき混合物は、国際公開第2004/076439号パンフレットに記載されている手順に従って合成した:フルオロエチレンカーボネート中のエチレンカーボネートの溶液へ、窒素で希釈されたフッ素を反応の間ずっと導入した。
実施例1
4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(モノフルオロエチレンカーボネート、F1EC;50%、4.7モル)、(4R,5R)−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(トランス−F2EC、24%、1.9モル)、(4S,5R)−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(シス−F2EC、18%、1.5モル)、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(4,4−F2EC;6%,0.5モル)、エチレンカーボネート(EC;1.2%、0.1モル)と、無水フッ化水素(HF;0.8%、0.4モル)との1000gの混合物をPE被覆反応器中室温で撹拌した。
4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(モノフルオロエチレンカーボネート、F1EC;50%、4.7モル)、(4R,5R)−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(トランス−F2EC、24%、1.9モル)、(4S,5R)−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(シス−F2EC、18%、1.5モル)、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(4,4−F2EC;6%,0.5モル)、エチレンカーボネート(EC;1.2%、0.1モル)と、無水フッ化水素(HF;0.8%、0.4モル)との1000gの混合物をPE被覆反応器中室温で撹拌した。
15g(0.25モル)のSiO2(シリカゲル、60、Sigma−Aldrich、CAS No.112926−00−8)を段階的に加えた。シリカゲル添加の間、温度を25〜30℃に保った。
ガス形成(SiF4)が終わった後、混合物のサンプルをガスクロマトグラフィーによって分析した。フッ素化化合物の有意な分解を全く検出できなかった。混合物を減圧下の蒸留によって分離した。HFとSiO2との反応からの形成水を蒸留によって除去した。
実施例2
4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(モノフルオロエチレンカーボネート、F1EC、55%、5.2モル)、(4R,5R)−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(トランス−F2EC、5%、0.4モル)、(4S,5R)−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(シス−F2EC、4%、0.3モル)、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(4,4−F2EC、1%、0.1モル)、エチレンカーボネート(35%、4.0モル)と、無水フッ化水素(HF;2.5%、1.3モル)との1000gの混合物をPE被覆反応器中室温で撹拌した。
4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(モノフルオロエチレンカーボネート、F1EC、55%、5.2モル)、(4R,5R)−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(トランス−F2EC、5%、0.4モル)、(4S,5R)−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(シス−F2EC、4%、0.3モル)、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(4,4−F2EC、1%、0.1モル)、エチレンカーボネート(35%、4.0モル)と、無水フッ化水素(HF;2.5%、1.3モル)との1000gの混合物をPE被覆反応器中室温で撹拌した。
50g(0.8モル)のSiO2(シリカゲル、60、Sigma−Aldrich、CAS No.112926−00−8)を段階的に加えた。反応器の外部冷却によってシリカゲル添加の間、温度を25〜30℃に保った。
ガス形成(SiF4)が終わった後、混合物のサンプルをガスクロマトグラフィーによって分析した。フッ素化化合物の有意な分解を全く検出できなかった。SiO2中和後の混合物のHF含有率は300ppm HF未満であった。
混合物を減圧下の蒸留によって分離した。HFとSiO2との反応からの形成水を蒸留によって除去した。
実施例3
HF濃度が5.4%(2.7モル)であったという点を除き実施例2に類似の別の混合物を使用した。
HF濃度が5.4%(2.7モル)であったという点を除き実施例2に類似の別の混合物を使用した。
HF除去のために100gのSiO2を段階的に加えた。温度を25〜30℃に保った。ガス形成(SiF4)が終わった後、混合物のサンプルをガスクロマトグラフィーによって分析した。結果は、より高フッ素化エチレンカーボネート誘導体の分解およびGCトレース上に新しい同定されないピークの形成を示した。
Claims (11)
- 少なくとも1個のCH−CF基を分子中に含むHF低減フルオロ置換有機カーボネートの製造方法であって、少なくとも1個のCH−CF基を含む1種以上のHF汚染フルオロ置換有機カーボネートがSiO2を含む無機反応剤と接触させられ、固体とHF低減フルオロ置換有機カーボネートとの混合物を形成し、この固体が生じたHF低減フルオロ置換有機カーボネートから分離される方法。
- アルキル基が同じまたは異なるものであるC1〜C3基であり、かつ、少なくとも1個のアルキル基が少なくとも1個のフッ素原子で置換されているジアルキルカーボネートが前記無機反応剤と接触されられるか、またはアルキレンが少なくとも1個のフッ素原子で置換されたC2〜C4基を意味するアルキレンカーボネートが前記無機反応剤と接触させられる請求項1に記載の方法。
- 前記無機反応剤がシリカゲルである請求項1に記載の方法。
- HFが低減されたモノフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、シスもしくはトランス−4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロエチレンカーボネートまたはフルオロメチルエチレンカーボネートが製造される請求項2に記載の方法。
- 前記HF含有率が処理されるべきHF含有フルオロ置換有機カーボネートの2重量%以下である請求項1に記載の方法。
- 前記処理が10〜50℃の温度で行われる請求項1に記載の方法。
- 前記処理が80〜100℃の温度で行われる請求項1に記載の方法。
- 前記HF低減フルオロ置換有機カーボネートが前記固体から分離され、蒸留にかけられる請求項1に記載の方法。
- 前記フルオロ置換有機カーボネートがシリカを含有するフィルターを通される請求項1に記載の方法。
- シリカがシリカゲルビーズの形態で適用される請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記HF低減フルオロ置換有機カーボネートが蒸留によって前記固体から分離される請求項1に記載の方法。
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