JP2907046B2 - クロロシラン類の炭化水素化方法 - Google Patents

クロロシラン類の炭化水素化方法

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JP2907046B2
JP2907046B2 JP7018681A JP1868195A JP2907046B2 JP 2907046 B2 JP2907046 B2 JP 2907046B2 JP 7018681 A JP7018681 A JP 7018681A JP 1868195 A JP1868195 A JP 1868195A JP 2907046 B2 JP2907046 B2 JP 2907046B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安価な原料を用いて穏
和な条件で容易にクロロシラン類を炭化水素化する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルキ
ル置換度の高いクロロシラン類、及び、その誘導体は従
来より産業上の利用分野が多く、例えばヘキサメチルジ
シランは医薬品等のシリル化剤として需要が多く有用で
ある。シラン類を生産する際の蒸留釜中には、塩素置換
度の高いメチルクロロジシラン類が含まれており、これ
をメチル化してメチル置換度の大きいジシランに変換す
ることは、産業上、大きな意義のあることである。
【0003】クロロジシラン類をメチル化する方法とし
ては、グリニャール試薬を用いた方法が一般的である
〔ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー
(J.Org.Chem.)21,1956年,126
4〜1268,熊田et al〕が、この方法は原料の
金属マグネシウムが高価で経済的に不利であり、また大
量の溶媒が必要とされ、容積効率が悪いという欠点があ
った。
【0004】更に、特公昭61−7433号公報には、
クロロジシラン類をエチルアルミニウムセスキクロリド
等の有機アルミニウム化合物、Si−H結合を含むシラ
ン化合物及び塩化水素ガスの存在下、テトラメチルシラ
ンと不均化反応させてメチル化反応を行う方法が提案さ
れている。しかしながら、このメチル化反応は、自然発
火性で極めて危険な有機アルミニウム化合物や低沸点で
保存及び取扱い上不便なテトラメチルシランを使う必要
があり、煩雑な操作や危険性が存在し、しかも熱力学的
な平衡のために所望のメチル置換度の高いジシラン類を
高収率で得ることは本質的に不可能で工業的に不利であ
った。
【0005】このようなメチル置換度の高いジシラン類
の中では、特にヘキサメチルジシランが重要であるが、
従来、ヘキサメチルジシランの製造方法としては、上記
の方法以外に、アルカリ金属を使ってトリメチルハロゲ
ノシランを縮合する方法がある。例えば、H.Gilm
an他、J.Organometal.Chem.1
3,323(1968年);桜井他、特開昭49−42
616号公報;D.E.Seilz他、Synth.C
ommun.9,451(1981年);G.Frit
z他、Z.Anorg.Allg.Chem.473,
59(1981年)において金属リチウムを用いた方法
が挙げられ、W.Sundermeyer他、Z.An
org.U.Allgem.Chem.310,50
(1961年);G.R.Wilson他、J.Or
g.Chem.26,557(1961年);M.G.
Voronkov他、Z.Obs.Khim.26,5
84(1956年)において金属ナトリウムを用いた方
法が挙げられている。しかし、この方法の場合、テトラ
ヒドロフランやヘキサメチルホスホルアミド等の極性溶
媒を用いたり、超音波などの工業的には一般的でない方
法を用いたりすることが多いため、溶媒の回収や容積効
率の悪さ、プロセスの複雑さが問題となり、また、一般
的に危険なアルカリ金属の使用自体が工業的安全性の上
から問題であった。また、マグネシウムを使ってトリメ
チルクロロシランを縮合する方法(L.Roesch
他、Z.Naturforsch.B:Anorg.C
hem.Org.Chem.31b,281(1976
年))があるが、マグネシウムが高価な上、溶媒として
発ガン性が近年問題となっているヘキサメチルホスホル
トリアミドを用いるため、この方法は無理となってきて
いる。
【0006】従って、以上の点から、炭化水素基置換度
の高いシラン類を製造するために経済面及び操作面でも
満足できるクロロシラン類の炭化水素化方法の開発が望
まれていた。
【0007】本発明は上記要望に応えるためになされた
もので、クロロシラン類を安価な原料を用いて穏和な条
件でその塩素原子を有機炭化水素基により置換して、よ
り炭化水素基置換度の高いシラン類を得ることができる
クロロシラン類の炭化水素化方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一
般式(1) RnSi2Cl6-n …(1) (式中、Rは水素原子又は一価炭化水素基で、複数個の
Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは0
〜5の整数である。)で示されるクロロシラン類を液相
で金属アルミニウム又はアルミニウム合金の存在下に下
記一般式(2) R’X …(2) (式中、R’は一価炭化水素基、Xはハロゲン原子であ
る。)で示されるハロゲン化炭化水素と反応させること
により、上記式(1)のクロロシラン類の少なくとも一
つの塩素原子が容易かつ確実にR’と置換されて炭化水
素化され、クロロシラン類を安価で入手容易な上、危険
性がなく取扱いの容易な原料を用いて穏和な条件で安全
かつ簡単な操作で炭化水素化し得て、炭化水素基置換度
の高いシラン類を高い収率で製造することができること
を知見した。
【0009】またこの場合、上記反応を下記一般式(1
a) RySi2Cl6-y …(1a) (式中、Rは上記と同様の意味を示し、yは0〜4の整
数である。)で示されるクロロシラン類を用い、下記一
般式(3) R’bSiaCl2a+2-b …(3) (式中、R’は上記と同様の意味を示し、aは2以上の
整数、b=2a,2a+1又は2a+2である。)で示
されるシラン、即ち R’2aSiaCl2 …(3a) R’2a+1SiaCl …(3b) R’2a+2Sia …(3c) のいずれかのシランの存在下で行うことにより、クロロ
置換度の高いシラン類の炭化水素化反応速度を促進で
き、例えばヘキサメチルジシラン等の炭化水素基置換度
の高いシラン類を効率的に得ることができることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
【0010】従って、本発明は、下記一般式(1) RnSi2Cl6-n …(1) (式中、Rは水素原子又は一価炭化水素基で、複数個の
Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは0
〜5の整数である。)で示されるクロロシラン類を液相
で金属アルミニウム又はアルミニウム合金の存在下に下
記一般式(2) R’X …(2) (式中、R’は一価炭化水素基、Xはハロゲン原子であ
る。)で示されるハロゲン化炭化水素と反応させて、上
記式(1)のクロロシラン類の塩素原子の少なくとも一
つをR’で置換することを特徴とするクロロシラン類の
炭化水素化方法、及び、下記一般式(1a) RySi2Cl6-y …(1a) (式中、Rは上記と同様の意味を示し、yは0〜4の整
数である。)で示されるクロロシラン類を下記一般式
(3) R’bSiaCl2a+2-b …(3) (式中、R’は上記と同様の意味を示し、aは2以上の
整数、b=2a,2a+1又は2a+2である。)で示
されるシランの存在下に上記一般式(2)のR’Xで示
されるハロゲン化炭化水素と反応させる上記の方法を提
供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のクロロシラン類の炭化水素化方法において
は、原料として下記一般式(1)で示されるクロロシラ
ン類を使用する。
【0012】 RnSi2Cl6-n …(1) 但し、Rは水素原子又は一価炭化水素基であり、一価炭
化水素基としては、炭素数1〜20、特に1〜6のもの
が好ましく、一価炭化水素基としては飽和でも不飽和で
もよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基等のアルケニル
基などが挙げられるが、好ましくは脂肪族不飽和結合を
有さないものである。nは0〜5の整数であり、特に2
以上が好ましく、更に好ましくは2又は3である。な
お、Rが複数個の場合、各Rは互いに同一でも異なって
いてもよい。
【0013】このような式(1)のクロロジシランとし
ては、下記化合物を挙げることができる。 1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジメチルジシ
ラン 1,1,1,2−テトラクロロ−2,2−ジメチルジシ
ラン 1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリメチルジシ
ラン 1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラメチルジシ
ラン 1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラメチルジシ
ラン 1−クロロ−1,1,2,2,2−ペンタメチルジシラ
ン 1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラエチルジシ
ラン
【0014】一方、上記原料クロロシラン類を炭化水素
化するために用いるハロゲン化炭化水素は、下記一般式
(2)で示されるものである。
【0015】 R’X …(2) 但し、R’は一価炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜
10、特に1〜6のものであるが、これはアルキル基、
シクロアルキル基が好ましい。Xはハロゲン原子で、塩
素、フッ素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、汎用的には
塩素である。
【0016】このようなハロゲン化炭化水素としては、
メチルクロリドやエチルクロリドのように常温で気体の
ものでも、t−ブチルクロリド、シクロヘキシルクロリ
ド、ヨウ化メチル、エチルブロミドなど常温で液体のも
のでもよい。なお、上記の中では、特にメチルクロリド
及びエチルクロリドが好適に使用される。
【0017】上記ハロゲン化炭化水素の使用量は、原料
クロロシラン類の炭化水素化したいSi−Cl結合1モ
ル当り1〜1.5モル、好ましくは1〜1.2モルがよ
い。1モルより少ないと反応が進まず反応率が低くな
り、1.5モルより多いと目的とする炭化水素化シラン
の選択性が悪くなる場合が生じる。
【0018】本発明の炭化水素化方法は、炭化水素化し
たいクロロシランを液相で金属アルミニウム又はアルミ
ニウム合金と混ぜて撹拌しておき、そこにハロゲン化炭
化水素を導入するものである。この場合、上記ハロゲン
化炭化水素は、アルミニウム又はアルミニウム合金を分
散した液相のクロロシラン類中にガス状で導入しても、
液状で滴下してもよい。
【0019】ここで、金属アルミニウム及びアルミニウ
ム合金としては、例えばAl、AlMgSi、AlCu
Mg等を挙げることができる。なお、アルミニウム合金
は、アルミニウムを85重量%以上含有するものが好ま
しい。
【0020】この場合、上記金属アルミニウム及びアル
ミニウム合金は、活性化することなくそのまま使用して
も十分反応は進行するが、通常その表面が酸化膜で覆わ
れているため予め活性化しておくことが好ましい。活性
化の方法としては、60〜150℃程度で無水塩化水素
ガスを流通したり、ヨウ素片と混ぜて加熱することが好
ましいが、この方法の他に原料クロロシラン中に分散さ
せた状態で臭化エチル、臭化エチレン、ヨウ素等を入れ
て活性化することもできる。
【0021】金属アルミニウム又はアルミニウム合金の
使用量は、原料の上記式(1)のクロロシラン類中の炭
化水素化したいSi−Cl結合1モル当たり0.6〜
2.7モル、特に0.6〜1モルの範囲とすることが望
ましい。使用量が0.6モルに満たないとクロロシラン
類の反応率が低くなる場合があり、2.7モルを超える
と未反応のAlが多く残って後処理が大変になる場合が
ある。
【0022】本発明においては、上記クロロシラン類が
特に下記一般式(1a) RySi2Cl6-y …(1a) (式中、Rは上記と同様の意味を示し、yは0〜4の整
数である。)で示されるクロロシラン類である場合、更
に下記一般式(3)で示されるシラン類(即ち、下記式
(3a)〜(3c)で示されるシラン類)の1種又は2
種以上を添加することによって反応速度をより促進させ
ることができる。
【0023】 R’bSiaCl2a+2-b …(3) (式中、R’は上記と同様の意味を示し、aは2以上の
整数であり、特に2〜10の整数であることが好まし
く、b=2a,2a+1又は2a+2である。) R’2aSiaCl2 …(3a) R’2a+1SiaCl …(3b) R’2a+2Sia …(3c)
【0024】上記式(3)のシラン類としては、1−ク
ロロ−1,1,2,2,2−ペンタメチルジシラン、ヘ
キサメチルジシラン、1−クロロヘプタメチルトリシラ
ン、オクタメチルトリシラン、デカメチルテトラシラ
ン、テトラエチルシラン、ヘキサエチルジシラン、オク
タエチルトリシランなどが例示されるが、ヘキサメチル
ジシラン、オクタメチルトリシラン、デカメチルトリシ
ランが好ましい。
【0025】特に、これらの中では、式(3)において
b=2a+2である、下記一般式(3c) R’2a+2Sia …(3c) (式中、aは上記と同様の意味を示すが、特に好ましく
はa=2又は3である。)で示されるシラン化合物が好
適に用いられ、具体的にはヘキサメチルジシラン、オク
タメチルトリシラン、デカメチルテトラシラン、ヘキサ
エチルジシラン、オクタエチルトリシラン等が挙げられ
る。
【0026】このような式(3c)のシラン類を用いる
と、反応速度がより速くなるため、低温で反応が可能と
なり、副生物も低減させることができる。
【0027】上記式(3)のシラン類の添加量は、原料
クロロシラン類に対して1〜20モル%、特に1〜10
モル%の範囲であることが好適であり、1モル%に満た
ないと十分な添加効果が得られない場合があり、20モ
ル%を超えると内圧が上昇しすぎたり、副生物が生成し
たりする場合がある。
【0028】本発明方法では、炭化水素化する式(1)
のクロロシラン類を液相で金属アルミニウム又はアルミ
ニウム合金と混ぜて撹拌しておき、そこにメチルクロリ
ドなどのハロゲン化炭化水素、更に必要により上記式
(3)の反応促進のためのシラン類を導入することによ
り炭化水素化反応を行うことができる。
【0029】本発明では、上記式(1)のクロロシラン
類は液相で使用するもので、クロロシラン類が液状であ
る限り、反応は通常無溶媒下で行うことができるが、必
要により反応に不活性な溶媒、例えばノルマルノナン、
ノルマルデカン、デカリン(デカヒドロナフタレン)、
トルエン等を用いることもできる。
【0030】更に、炭化水素化の反応温度は、20〜1
50℃、特に50〜100℃、また、反応圧力は0〜1
0Kgw/cm2G(ゲージ圧)、特に2〜7Kgw/
cm2Gが好ましく、反応時間は通常5〜20時間であ
る。なお、反応時間及び圧力は、原料の蒸気圧と反応温
度に応じて調整することが好ましい。
【0031】反応終了後は、反応液を直接蒸留するか又
は濾過した後に蒸留することによって炭化水素化したシ
ラン類を得ることができる。なお、直接蒸留した釜残又
は濾過後の濾滓は、塩化アルミニウムと少量の未反応の
アルミニウムであり、昇華によって前者を回収でき、酸
又はアルカリ水によって後者を処理することができる。
【0032】また、本発明の製造方法を実施する別の態
様として、式(1)のクロロシラン類と上記式(3)の
シラン類とをルイス酸触媒の存在下に再分配反応させて
から、アルミニウム又はアルミニウム合金を加え、これ
にメチルクロリド等のハロゲン化炭化水素を導入すると
いう2段階反応を採用することもできる。特に、この方
法は、ヘキサメチルジシラン等の高炭化水素化シランの
合成に有効である。
【0033】この場合、式(3)のシラン類としては、
上記式(3c)で示されるシラン類が好適である。ま
た、この反応において、式(3)のシラン類の使用量
は、式(1)のジシラン類1モルに対して(5−y)/
2モル〜5(5−y)モル、好ましくは(5−y)モル
〜2(5−y)モルである(yは上記と同様の意味を示
す)。
【0034】上記式(1)のクロロシラン類と上記式
(3)のシラン類を不均化反応させるためのルイス酸触
媒としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三
塩化ホウ素、塩化第2鉄などが挙げられるが、塩化アル
ミニウムが好ましい。ルイス酸触媒の使用量は、上記式
(1)で示されるクロロシラン類の重量の0.5〜10
重量%、好ましくは1〜5重量%がよい。
【0035】なお、この反応において、式(1)のクロ
ロシラン類と、上記式(3)のシラン類とをルイス酸触
媒の存在下に再分配反応させるが、この際、第2段階に
おいて投入するアルミニウム又はアルミニウム合金を予
め投入しておいてもよい。該反応は、反応温度20〜1
50℃、特に50〜100℃、反応圧力は0〜10kg
/cm2G(ゲージ圧)、特に0〜5kg/cm2Gが好
ましく、反応時間は通常30分〜5時間である。なお、
再分配反応促進のためにSi−H結合含有シラン類、例
えば、メチルジクロロシラン等を触媒量入れてもよい。
また、反応液は必要に応じて蒸留して、この再分配反応
で得られた高次炭化水素化シランを単離した後、第2段
階のハロゲン化炭化水素を導入しての反応を行わせても
よい。なお、ハロゲン化炭化水素を導入しての反応は上
記と同様であり、反応終了後の操作も上記と同様にして
行うことができる。
【0036】この方法を採用して例えばヘキサメチルジ
シランを得る場合は、原料として下記一般式(1b) (CH3cSi2Cl6-c …(1b) (式中、cは0〜4の整数である。)のクロロジシラン
類を用いることが好ましく、これに化学量論的過剰量の
上記式(3c)においてR’がメチル基であるシラン化
合物をルイス酸触媒の存在下で反応させて、ペンタメチ
ルクロロジシランを主成分とする反応液を得た後、該反
応液中に金属アルミニウム又はアルミニウム合金を分散
させ、これにメチルクロリドを導入して、選択的にヘキ
サメチルジシランを合成することができる。
【0037】本発明によれば、式(1)のクロロジシラ
ンを用いた場合、その少なくとも一つの塩素原子がメチ
ル化等の炭化水素化したより高次の炭化水素化ジシラン
類が得られ、下記一般式(4)のジシランが有効に製造
し得る。
【0038】 Rn1 hSi2Cl6-n-h …(4) (式中、R,R1,nは上記と同様の意味を示し、hは
1以上の整数であるが、h≦6−nである。)
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、クロロシラン類から穏
和な条件で容積効率よく、より炭化水素化された炭化水
素化シラン類を容易に合成でき、また、使用原料はアル
ミニウム又はアルミニウム合金、ハロゲン化炭化水素と
いった安価で入手容易なものであるため経済的である。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0041】〔実施例1〕 撹拌機、温度計及びガス導入管を備えたオートクレーブ
中に金属アルミニウム27.0gと塩化アルミニウム
2.0gをよく混ぜて入れ、乾燥塩化水素ガスを導入し
て100℃まで昇温した後、ガスクロマトグラフィ分析
により50重量%まで1,1,2,2−テトラクロロ−
1,2−ジメチルジシラン、47重量%まで1,2,2
−トリクロロ−1,1,2−トリメチルジシラン及び3
重量%までの未確定の物質からなる液体93.3g、エ
チルブロミド2.0gを導入した。反応温度が150℃
になるようにコントロールしながらメチルクロリドガス
83.3gを15時間かけてフィードした。次いで、残
存メチルクロリドガスをパージした後、内容液を分留し
たところ、53.1%の収率でヘキサメチルジシラン、
11.2%の収率でクロロペンタメチルジシランが得ら
れた。
【0042】〔実施例2〕 原料のクロロジシラン及びエチルブロミドを導入する時
にジメチルジクロロシラン7.0gを添加する以外は実
施例1と同様に行ったところ、80℃,10時間の反応
により、83.2%の収率でヘキサメチルジシラン、1
2.1%の収率でクロロペンタメチルジシランが得られ
た。
【0043】〔実施例3〕 原料のクロロジシラン及びエチルブロミドを導入する時
にテトラメチルシラン7.0gを添加する以外は実施例
1と同様に行ったところ、50℃,10時間の反応によ
り、83.7%の収率でヘキサメチルジシラン、10.
7%の収率でクロロペンタメチルジシランが得られた。
【0044】〔実施例4〕 原料のクロロジシラン及びエチルブロミドを導入する時
にヘキサメチルジシラン7.0gを添加する以外は実施
例1と同様に行ったところ、50℃,10時間の反応に
より、84.1%の収率でヘキサメチルジシラン、1
1.2%の収率でクロロペンタメチルジシランが得られ
た。
【0045】〔実施例5〕 撹拌機、温度計及びガス導入管を備えた500mlオー
トクレーブ中に、ガスクロマトグラフィ分析により50
重量%まで1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジ
メチルジシラン、47重量%まで1,2,2−トリクロ
ロ−1,1,2−トリメチルジシランからなる液体3
6.2g及テトラメチルシラン75.0g、メチルジク
ロロシラン2.0g、無水塩化アルミニウム粉末2.0
gを加え、80℃で約3時間撹拌した。次いで、系を冷
却して残存圧を大気圧まで抜いた後、エチルブロミド
2.0g及び金属アルミニウム粉末21.0gを加え、
温度を50℃にして、メチルクロリド110gを10時
間かけて供給し、反応液を濾過した濾液を蒸留したとこ
ろ、ヘキサメチルジシラン45.4g(収率89%)が
得られた。
【0046】〔実施例6〕 実施例5においてテトラメチルシラン75.0gを加え
る代わりに、ヘキサメチルジシラン256gを加える他
は実施例5と同様の方法を行った結果、ヘキサメチルジ
シラン93.9g(収率95%)が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 幹夫 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社 合成技術研究 所内 (56)参考文献 特開 平7−179476(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) RnSi2Cl6-n …(1) (式中、Rは水素原子又は一価炭化水素基で、複数個の
    Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは0
    〜5の整数である。)で示されるクロロシラン類を液相
    で金属アルミニウム又はアルミニウム合金の存在下に下
    記一般式(2) R’X …(2) (式中、R’は一価炭化水素基、Xはハロゲン原子であ
    る。)で示されるハロゲン化炭化水素と反応させて、上
    記式(1)のクロロシラン類の塩素原子の少なくとも一
    つをR’で置換することを特徴とするクロロシラン類の
    炭化水素化方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1a) RySi2Cl6-y …(1a) (式中、Rは上記と同様の意味を示し、yは0〜4の整
    数である。)で示されるクロロシラン類を下記一般式
    (3) R’bSiaCl2a+2-b …(3) (式中、R’は上記と同様の意味を示し、aは2以上の
    整数、b=2a,2a+1又は2a+2である。)で示
    されるシランの存在下に上記一般式(2)のR’Xで示
    されるハロゲン化炭化水素と反応させる請求項1記載の
    方法。
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