JP5294537B2 - トリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
R1MgX (1)
(式中、R1はイソプロピル基又はsec−ブチル基、Xはハロゲン原子である。)
で示されるグリニャール試薬とトリクロロシランを反応させる際に、反応系中に銅化合物、特にヨウ化銅(I)を添加することにより、反応性が著しく向上し、収率よく下記一般式(2)
HSiR1 3 (2)
(式中、R1は上と同様である。)
で示されるトリ(第2級アルキル)シラン化合物を製造できることを知見し、本発明を完成するに至ったものである。
R1MgX (1)
(式中、R1はイソプロピル基又はsec−ブチル基、Xはハロゲン原子である。)
で示されるグリニャール試薬とトリクロロシランとをヨウ化銅(I)の存在下に反応させることを特徴とする下記一般式(2)
HSiR1 3 (2)
(式中、R1は上と同様である。)
で示されるトリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法を提供する。
本発明のトリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法において、原料として用いられるグリニャール試薬は下記一般式(1)
R1MgX (1)
(式中、R1は炭素数3〜10の2級炭化水素基又は環状炭化水素基、Xはハロゲン原子である。)
で示されるものである。
HSiR1 3 (2)
(式中、R1は炭素数3〜10の2級炭化水素基又は環状炭化水素基である。)
で示されるトリ(第2級アルキル)シラン化合物を高収率で得ることができる。
撹拌器、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、金属マグネシウム77.8g(3.2モル)、テトラヒドロフラン2000mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下でイソプロピルクロライド239.4g(3.05モル)を内温40〜50℃で2時間かけて滴下し、更に60℃で1時間撹拌した。グリニャール試薬としてのイソプロピルマグネシウムクロライド液が得られた。
次に、このグリニャール試薬にヨウ化銅(I)3.8g(0.02モル)を添加した後、30〜40℃にてトリクロロシラン135.5g(1.0モル)を2時間かけて滴下し、更に40〜50℃で1時間撹拌した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトリイソプロピルシランと反応中間体であるジイソプロピルクロロシランとのガスクロマトグラフィーチャートの面積比は99.5:0.5であった。
この反応液に20%塩酸600gを添加し、塩を溶解した後、有機層を分液し、蒸留した。トリイソプロピルシランを75−76℃/4kPaの留分として117.3g得た(収率74%)。
撹拌器、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、金属マグネシウム77.8g(3.2モル)、テトラヒドロフラン2000mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下でイソプロピルクロライド239.4g(3.05モル)を内温40〜50℃で2時間かけて滴下し、更に60℃で1時間撹拌した。グリニャール試薬としてのイソプロピルマグネシウムクロライド液が得られた。
次に、このグリニャール試薬に塩化銅(I)2.0g(0.02モル)を添加した後、30〜40℃にてトリクロロシラン135.5g(1.0モル)を2時間かけて滴下し、更に40〜50℃で3時間撹拌した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトリイソプロピルシランと反応中間体であるジイソプロピルクロロシランとのガスクロマトグラフィーチャートの面積比は98:2であった。
この反応液に20%塩酸600gを添加し、塩を溶解した後、有機層を分液し、蒸留した。トリイソプロピルシランを75−76℃/4kPaの留分として113.8g得た(収率72%)。
撹拌器、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、金属マグネシウム77.8g(3.2モル)、テトラヒドロフラン2000mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下でイソプロピルクロライド239.4g(3.05モル)を内温40〜50℃で2時間かけて滴下し、更に60℃で1時間撹拌した。グリニャール試薬としてのイソプロピルマグネシウムクロライド液が得られた。
次に、このグリニャール試薬に塩化銅(I)2.0g(0.02モル)、ヨウ化カリウム3.3g(0.02モル)を添加し、反応系中でヨウ化銅(I)を調製した後、30〜40℃にてトリクロロシラン135.5g(1.0モル)を2時間かけて滴下し、更に40〜50℃で1時間撹拌した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトリイソプロピルシランと反応中間体であるジイソプロピルクロロシランとのガスクロマトグラフィーチャートの面積比は99.4:0.6であった。
この反応液に20%塩酸600gを添加し、塩を溶解した後、有機層を分液し、蒸留した。トリイソプロピルシランを75−76℃/4kPaの留分として112.6g得た(収率71%)。
ヨウ化銅(I)を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてグリニャール試薬とトリクロロシランとの反応を行った。トリクロロシラン添加後40〜50℃で3時間撹拌した反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトリイソプロピルシランと反応中間体であるジイソプロピルクロロシランとのガスクロマトグラフィーチャートの面積比は75:25であり、さらに60〜70℃で6時間撹拌を行ったところ96:4となった。
この反応液に20%塩酸600gを添加し、塩を溶解した後、有機層を分液し、蒸留した。トリイソプロピルシランを75−76℃/4kPaの留分として96.2g得た(収率60%)。
撹拌器、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、金属マグネシウム77.8g(3.2モル)、テトラヒドロフラン2000mlを仕込み、窒素ガス雰囲気下でsec−ブチルクロライド282.4g(3.05モル)を内温40〜50℃で2時間かけて滴下し、更に60℃で1時間撹拌した。グリニャール試薬としてのsec−ブチルマグネシウムクロライド液が得られた。
次に、このグリニャール試薬にヨウ化銅(I)5.7g(0.03モル)を添加した後、30〜40℃にてトリクロロシラン135.5g(1.0モル)を2時間かけて滴下し、更に60〜70℃で8時間撹拌した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトリsec−ブチルシランと反応中間体であるジsec−ブチルクロロシランとのガスクロマトグラフィーチャートの面積比は84:16であった。
この反応液に20%塩酸600gを添加し、塩を溶解した後、有機層を分液し、蒸留した。トリsec−ブチルシランを90−91℃/1kPaの留分として109.4g得た(収率55%)。
ヨウ化銅(I)を添加しなかった以外は実施例3と同様にしてグリニャール試薬とトリクロロシランとの反応を行った。トリクロロシラン添加後60〜70℃で8時間撹拌した反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物であるトリsec−ブチルシランと反応中間体であるジsec−ブチルクロロシランとのガスクロマトグラフィーチャートの面積比は32:68であり、反応の進行は非常に遅かった。
Claims (2)
- 下記一般式(1)
R1MgX (1)
(式中、R1はイソプロピル基又はsec−ブチル基、Xはハロゲン原子である。)
で示されるグリニャール試薬とトリクロロシランとをヨウ化銅(I)の存在下、反応させることを特徴とする下記一般式(2)
HSiR1 3 (2)
(式中、R1は上記の通りである。)
で示されるトリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法。 - ヨウ化銅(I)以外の銅塩と、ヨウ化銅(I)以外のヨウ化物とを混合し、調製したヨウ化銅(I)を用いることを特徴とする請求項1記載のトリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法。
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