JP3208423B2 - フルオロシラン類の製造方法 - Google Patents

フルオロシラン類の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロロシラン類とフ
ッ化水素カリウム類とを反応させることによるフルオロ
シラン類の製造方法に関するものである。フルオロシラ
ン類はケイ素系高分子薄膜製造の原料として有用なもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来フルオロシラン類の類の製造方法と
して、クロロシラン類のハロゲン交換によるフッ素化は
良く用いられる方法である。これは原料として工業的に
安価でかつ入手容易なクロロシラン類を用いる点で有利
な方法ではある。しかしながら、この中で、フッ素化剤
としてSbF ,CuF ,ZnF 等の金属フッ
化物を用いる方法は、フッ素化剤のコストや毒性の点で
工業的に満足できる方法ではない。またアンモニウムフ
ルオリド(NH F)やアルカリ金属フッ化物として
NaHF およびKHF を用いる方法も、フッ素化
剤の反応性の低さから、一般に加熱が必要であり、低沸
点のクロロシラン類やケイ素上の置換基の再分配を起こ
しやすいクロロシラン類、立体障害の大きな置換基を有
するクロロシラン類に適用しにくいという点で工業的に
満足できる方法ではない。
【0003】また、上記のクロロシラン類のハロゲン交
換法以外の、フルオロシラン類の製造方法としては、
(1)直接法、(2)アルコキシシラン類のフッ素化、
(3)ヒドロシランのフッ素化による方法が知られてい
る。しかし、(1)の直接法は、金属ケイ素を触媒量の
銅等の金属の存在下にフルオロアルカンまたはフルオロ
アレーンと反応させて、ジアルキルジフルオロシランま
たはジアリールジフルオロシランを製造する方法である
が、400℃もの高温が必要である。(2)のアルコキ
シシラン類のフッ素化は、原料として、クロロシラン類
よりも工業的に高価なアルコキシシラン類を用いる点
で、工業的に有利ではない。さらにフッ素化剤としてN
aHF 、KHF のようなアルカリ金属フッ化物を
用いる方法では、副生するアルコールをカルシウムクロ
リド等を用いて除去する必要がある。また、フッ素化剤
として高腐食性のフッ化水素を用いる方法も、反応容器
を耐食性の極めて高い容器にする必要があり、工業的に
満足できる方法ではない。三フッ化ホウ素を用いる方法
では高価なエーテル系溶媒を使用する必要があり工業的
に満足できる方法ではない。(3)のヒドロシランのフ
ッ素化による方法も、原料のヒドロシラン類がクロロシ
ラン類よりも格段に高価である点で、工業的に不利な方
法である。さらにヒドロシラン類のフッ素化剤として、
NH F、NHHF 等のアンモニウムフルオリド
を用いる方法ではアミン等の塩基を溶媒として用いる必
要がある。フッ素化剤としてトリフェニルメチルテトラ
フルオロボレートを用いる方法は、原料がジアルキルシ
ランである場合のみに適用可能であり、かつ製造設備と
してバキュームラインやドライボックスを使用する必要
がある。従ってこれらの方法は工業的に全く満足できる
方法ではない。そこでクロロシラン類のフッ素化剤とし
て、安価で毒性が低くかつ反応性の高い試剤の開発が望
まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フルオロシ
ラン類を効率的に製造する方法の提供をその課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、クロロシラン類とフ
ッ化水素カリウム類、KF(HF)n(ただしnは1.
5≦n≦5の数)とが迅速に反応しフルオロシラン類を
生成するという新規な事実を見い出し、この知見に基づ
いて本発明を完成させるにいたった。すなわち本発明に
よれば、クロロシラン類とフッ化水素カリウム類とを反
応させてフルオロシランを製造することを特徴とするフ
ルオロシラン類の製造方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては原料として用い
るクロロシラン類は、少なくとも一つ以上のSi−Cl
結合を有するものであればいかなるものであっても良
い。ケイ素原子が環構造の構成元素の一つである場合や
高分子構造の構成元素の一つであってもよい。このよう
な本発明の出発原料はSi−Cl結合を有していること
以外は特に制限はない。具体的にはシランのほか、ジシ
ラン以上のポリシランなどのシラン化合物である。ケイ
素原子上の置換基の例としては水素原子、アルキル基
(好ましくは炭素数1〜36のもの、より好ましくは1
〜12のもの)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数
3〜24のもの、より好ましくは4〜12のもの)、ア
ラルキル基(好ましくは炭素数7〜40のもの、より好
ましくは7〜20のもの)、アリール基(好ましくは炭
素数6〜30のもの、より好ましくは6〜14のも
の)、シリル基、シロキシ基等が挙げられる。さらに具
体的にこれらクロロシラン類を例示すると、トリエチル
クロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、i−プ
ロピルジメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロ
ロシラン、ジメチルクロロシラン、メチルジクロロシラ
ン、ヘキシルトリクロロシラン、ジシクロヘキシルジク
ロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、トリフェ
ニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニ
ルトリクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、フェニ
ルジクロロシラン、フェニルクロロシラン、フェニルジ
メチルクロロシラン、1−ナフチルジメチルクロロシラ
ン、ジメシチルジクロロシラン、1,1−ジクロロ−1
−シラシクロペンタン、1、2−ジクロロ−1、1、
2、2−テトラメチルジシラン、1、2−ジクロロ−2
−フェニル−1、1、2−トリメチルジシラン、1,3
−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキ
サン、ポリ{(メチルクロロシリレン)(トリメチレ
ン)}等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0007】本発明で用いるフッ化水素カリウム類はK
F(HF)n(ただしnは1.5≦n≦5の数)で示さ
れるものである。具体的に本発明で用いるフッ化水素カ
リウム類を例示すると、KF(HF)1.5 、KF
(HF) 、KF(HF)2.5 、KF(HF)
、KF(HF) 等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。またこれらのフッ化水素カリウム
類を単独で、また2種類以上を混合して使用することも
本方法の形態に含まれる。
【0008】本発明の反応はフッ化水素カリウム類のフ
ッ素原子の数とクロロシラン類のSi−Cl結合の数の
比が1以上になるようなモル比で行われるが、通常この
フッ素原子の数とSi−Cl結合の数の比は1〜10の
範囲で実施され、好ましくは1〜3の範囲である。
【0009】本発明の反応によれば出発原料のSi−C
l結合の塩素原子は全てフッ素原子に置換されるのが好
ましいが、その結合が2個以上ある場合はそのうちの1
個だけが反応してもよい。本発明は特に溶媒を用いるこ
となく、容易に実施される。しかし溶媒の使用は反応の
生起にとって障害となるものでなく、必要に応じ溶媒中
で実施される。これらの溶媒の選択は、反応させるべき
クロロシラン類およびフッ化水素カリウム類の反応性を
考慮して、一般に用いられる溶媒、例えば芳香族炭化水
素系、飽和炭化水素系、脂肪族エーテル系、芳香族エー
テル系、脂肪族塩化物系、芳香族塩化物系の溶媒の中か
ら選ぶのが好ましい。
【0010】本発明の反応は一般的に室温で容易に進行
する。また0℃以下でも進行するが、原料物質の構造に
より、好ましい速度を達するために加熱することもでき
る。
【0011】本発明の生成物であるフルオロシラン類は
無機塩類を濾別することにより容易に単離される。この
他、蒸留、結晶化などの方法により単離することも、本
発明の方法の有利な態様に含まれる。
【0012】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、もとより本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0013】実施例1 フェニルクロロシラン(20mmol)とKF(HF)
(10mmol)の混合物を試験管中に仕込み、0
℃にて4時間撹拌した。反応混合物の液層をH−NM
Rスペクトルにより分析したところ、原料のフェニルク
ロロシランが完全に消費され、フェニルフルオロシラン
が100%(シラン基準)の収率で生成していることが
示された。反応混合物を減圧下、0℃にて蒸留し、フェ
ニルフルオロシランを単離した(単離収率82%)。得
られたフェニルフルオロシランの構造および純度は、
H−、13C−、29Si−NMRスペクトル、赤外
吸収スペクトル、マススペクトルおよびガスクロマトグ
ラフィーにて確認した。
【0014】比較例1 フェニルクロロシラン(2.5mmol)に対して、K
F(HF) の代わりにKF(HF)(2.5mmo
l)を用い、他は実施例1と同様に反応を行ない、反応
混合物の液層を H−NMRスペクトルおよびガスク
ロマトグラフィーにより分析したところ、原料のフェニ
ルクロロシランが全く反応しないまま残存していること
が示された。さらに、反応温度を0℃から室温(約20
℃)に上昇させ、反応時間を2日間とした後、同様に分
析したが、原料のフェニルクロロシランは全く反応しな
いまま残存していた。
【0015】比較例2 フェニルクロロシランの代わりにフェニルシラン(2.
5mmol)を用い、KF(HF) の量を(2.5
mmol)とする他は、実施例1と同様に反応を行な
い、反応混合物の液層を H−NMRおよびガスクロ
マトグラフィーにより分析したところ、原料のフェニル
シランが全く反応しないまま残存していることが示され
た。さらに、反応温度を0℃から室温(約20℃)に上
昇させ、反応時間を1日間とした後、同様に分析した
が、原料のフェニルシランは全く反応しないまま残存し
ていた。
【0016】実施例2 フェニルクロロシラン(2.5mmol)とKF(H
F) (0.65mmol)の混合物を試験管中に仕
込み、0℃にて1時間撹拌した。反応混合物の液層を
H−NMRにより分析したところ、原料のフェニルク
ロロシランが完全に消費され、フェニルフルオロシラン
が100%(シラン基準)の収率で生成していることが
示された。
【0017】実施例3 ジフェニルクロロシラン(20mmol)とKF(H
F) (7.24mmol)の混合物を試験管中に仕
込み、25℃にて18時間撹拌した。反応混合物の液層
H−NMRにより分析したところ、原料のジフェ
ニルクロロシランが完全に消費され、ジフェニルフルオ
ロシランが100%(シラン基準)の収率で生成してい
ることが示された。反応混合物から液層を濾別後、減圧
蒸留し、ジフェニルフルオロシランを単離した(単離収
率92%)。得られたジフェニルフルオロシランの構造
および純度は、 H−、13C−、29Si−NMR
スペクトル、赤外吸収スペクトル、マススペクトルおよ
びガスクロマトグラフィーにて確認した。
【0018】比較例3 ジフェニルクロロシラン(4mmol)に対して、KF
(HF) の代わりにKF(HF)(2.1mmo
l)を用い、他は実施例3と同様に反応を行ない、反応
混合物の液層を H−NMRスペクトルにより分析し
たところ、原料のジフェニルクロロシランが全く反応し
ないまま残存していることが示された。さらに、反応温
度を25℃から50℃に上昇させ、反応時間を1日間と
した後、同様に分析したが、原料のジフェニルクロロシ
ランは全く反応しないまま残存していた。
【0019】実施例4 ジフェニルクロロシランの代わりにフェニルジメチルク
ロロシランを用いる他は、実施例3と同様に反応を行な
い、4時間後、反応混合物の液層を H−NMRおよ
びガスクロマトグラフィーにより分析したところ、原料
のフェニルジメチルクロロシランが完全に消費され、フ
ェニルジメチルフルオロシランが100%(シラン基
準)の収率で生成していることが示された。反応混合物
から液層を濾別後、減圧蒸留し、フェニルジメチルフル
オロシランを単離した(単離収率85%)。得られたフ
ェニルジメチルフルオロシランの構造および純度は、
H−、13C−、29Si−NMRスペクトル、赤外
吸収スペクトル、マススペクトルおよびガスクロマトグ
ラフィーにて確認した。
【0020】実施例5 ジフェニルクロロシランの代わりにオクチルジメチルク
ロロシランを用いる他は、実施例3と同様に反応を行な
い、2日後、反応混合物の液層を H−NMRおよび
ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、原料の
オクチルジメチルクロロシランが完全に消費され、オク
チルジメチルフルオロシランが100%(シラン基準)
の収率で生成していることが示された。反応混合物から
液層を濾別後、減圧蒸留し、オクチルジメチルフルオロ
シランを単離した(単離収率96%)。得られたオクチ
ルジメチルフルオロシランの構造および純度は、
−、13C−、29Si−NMRスペクトル、赤外吸収
スペクトル、マススペクトルおよびガスクロマトグラフ
ィーにて確認した。
【0021】実施例6 1,1−ジクロロシラシクロペンタン(20mmol)
とKF(HF) (14.3mmol)の混合物を、
25℃にて2日間撹拌した。反応混合物の液層を
−NMRにより分析したところ、原料の1,1−ジクロ
ロシラシクロペンタンが完全に消費され、1,1−ジフ
ルオロシラシクロペンタンが100%(シラン基準)の
収率で生成していることが示された。反応混合物から液
層を濾別後、減圧蒸留し、1,1−ジフルオロシラシク
ロペンタンを単離した(単離収率65%)。得られた
1,1−ジフルオロシラシクロペンタンの構造および純
度は、 H−、13C−、29Si−NMRスペクト
ル、赤外吸収スペクトル、マススペクトルおよびガスク
ロマトグラフィーにて確認した。
【0022】実施例7 1,2−ジクロロ−2−フェニル−1,1,2−トリメ
チルジシラン(7.5mmol)とKF(HF)
(5.85mmol)の混合物を試験管中に仕込み、2
5℃にて1日間撹拌した。反応混合物の液層を H−
NMRにより分析したところ、原料の1,2−ジクロロ
−2−フェニル−1,1,2−トリメチルジシランが完
全に消費され、1,2−ジフルオロ−2−フェニル−
1,1,2−トリメチルジシランが100%(シラン基
準)の収率で生成していることが示された。反応混合物
から液層を濾別後、減圧蒸留し、1,2−ジフルオロ−
2−フェニル−1,1,2−トリメチルジシランを単離
した(単離収率97%)。得られた1,2−ジフルオロ
−2−フェニル−1,1,2−トリメチルジシランの構
造および純度は、 H−、13C−、29Si−NM
Rスペクトル、赤外吸収スペクトル、マススペクトルお
よびガスクロマトグラフィーにて確認した。
【0023】実施例8 トリフェニルクロロシラン(5mmol)とKF(H
F) (3.62mmol)およびジオキサン(3m
l)の混合物を、試験管中に仕込み、25℃にて2日間
撹拌した。反応混合物の液層をガスクロマトグラフィー
により分析したところ、原料のトリフェニルクロロシラ
ンが完全に消費され、トリフェニルフルオロシランが1
00%(シラン基準)の収率で生成していることが示さ
れた。反応混合物から液層を濾別、濃縮後、ヘキサンか
ら結晶化し、トリフェニルフルオロシランを単離した
(単離収率85%)。得られたトリフェニルフルオロシ
ランの構造および純度は、 H−、13C−、29
i−NMRスペクトル、赤外吸収スペクトル、マススペ
クトルおよびガスクロマトグラフィーにて確認した。
【0024】実施例9 KF(HF) の量を1.81mmolにする以外は
実施例8と同様に反応を行い、1日後に反応混合物の液
層をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ト
リフェニルフルオロシランが47%(シラン基準)の収
率で生成していることが示された。この時、原料のトリ
フェニルクロロシランは53%残存していた。さらに2
週間撹拌を継続し、同様に分析したところ、トリフェニ
ルフルオロシランが95%(シラン基準)の収率で生成
していることが確認された。
【0025】実施例10 溶媒をジオキサンの代わりに1,2−ジクロロエタンに
する以外は実施例9と同様に反応を行い、1日後に反応
混合物の液層をガスクロマトグラフィーにより分析した
ところ、トリフェニルフルオロシランが39%(シラン
基準)の収率で生成していることが示された。この時、
原料のトリフェニルクロロシランは61%残存してい
た。さらに2週間撹拌を継続し、同様に分析したとこ
ろ、トリフェニルフルオロシランが80%(シラン基
準)の収率で生成し、原料のトリフェニルクロロシラン
が20%残存していていることが確認された。
【0026】実施例11 溶媒をジオキサンの代わりにベンゼンにする以外は実施
例8と同様に反応を行い、2日後に反応混合物の液層を
ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、トリフ
ェニルフルオロシランが57%(シラン基準)の収率で
生成していることが示された。この時、原料のトリフェ
ニルクロロシランは43%残存していた。
【0027】実施例12 1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフェニルジ
シロキサン(2.5mmol)とKF(HF)
(1.81mmol)およびジオキサン(3ml)の混
合物を、試験管中に仕込み、25℃にて1日間撹拌し
た。反応混合物の液層を H−NMRおよびガスクロ
マトグラフィーにより分析したところ、原料の1,3−
ジクロロ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサ
ンが完全に消費され、1,3−ジフルオロ−1,1,
3,3−テトラフェニルジシロキサンが100%(シラ
ン基準)の収率で生成していることが示された。反応混
合物から液層を濾別後、減圧蒸留し、1,3−ジフルオ
ロ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンを単
離した(単離収率92%)。得られた1,3−ジフルオ
ロ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンの構
造および純度は、 H−、13C−、29Si−NM
Rスペクトル、赤外吸収スペクトル、マススペクトルお
よびガスクロマトグラフィーにて確認した。
【0028】実施例13 ポリ{(メチルクロロシリレン)(トリメチレン)}
(重量平均分子量16.5万、分散度1.78、モノマ
ーユニットとして5mmol)とKF(HF)(1.
8mmol)およびベンゼン(3ml)の混合物を、試
験管中に仕込み、25℃にて2日間撹拌した。反応混合
物を H、13C−、および29Si−NMRスペク
トルにより分析したところ、ポリ{(メチルフルオロシ
リレン)(トリメチレン)}が100%(シラン基準)
の収率で生成していることが示された。反応混合物を濾
別し、液層を濃縮乾固してポリ{(メチルフルオロシリ
レン)(トリメチレン)}を単離した。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも一つ以上の
Si−Cl結合を有するクロロシラン類と、KF(H
F)n(ただしnは1.5≦n≦5の数)で示されるフ
ッ化水素カリウム類からフルオロシラン類を効率的に製
造することができる。従って本発明の産業的意義は多大
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−241806(JP,A) 特開 平8−198784(JP,A) J.Fluorine Chem., 1995,70(1),p.1−3 Synthesis,1995,5,p. 515−517 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも一つ以上のSi−Cl
    結合を有するクロロシラン類を (b)KF(HF)n(ただしnは1.5≦n≦5の
    数)で示されるフッ化水素カリウム類とを反応させてフ
    ルオロシランを製造することを特徴とするフルオロシラ
    ン類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20170101299A (ko) * 2015-11-09 2017-09-05 와커 헤미 아게 시아노알킬 플루오로실란의 제조 방법

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