JP2002356490A - シラン化合物及びその製造方法 - Google Patents

シラン化合物及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるシラン化合
物。 R123SiH (1) (式中、R1、R2は、互いに同一又は異なるα位又はβ
位に炭化水素基を有する炭素数3〜10の分岐状炭化水
素基又は炭素数3〜10の環状炭化水素基であり、R3
は、炭素数4〜10の3級炭化水素基を表す。) 【効果】 本発明により提供される嵩高い置換基を有す
るシラン化合物は、アルコールやカルボン酸等の活性水
素基を有する化合物との脱水素反応により、活性水素基
を有する化合物のシリル保護を達成できるため、シリル
化剤として有用である。また、塩素等のクロル源を持つ
化合物と反応させると、クロロシラン化合物に変換でき
るため、嵩高い置換基を有するクロロシランタイプのシ
リル化剤の中間体としても有用である。更に、上記の保
護された化合物は、嵩高い置換基を有するため、安定性
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵩高い置換基を有
するシラン化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリル
化剤は、アルコールやカルボン酸等の活性水素を有する
置換基の保護を行う目的で使用され、シリル化された化
合物は医薬、農薬の中間体等、様々な分野において有用
である。
【0003】上記シリル化剤のうちの一つとして、分子
内にケイ素−水素結合を有する化合物、いわゆるハイド
ロジェンシラン化合物が用いられている。このハイドロ
ジェンシラン化合物をアルコールやカルボン酸等の活性
水素基を有する化合物と脱水素反応させることにより、
シリル化が達成される。この脱水素反応は、反応の際副
生成物が気体の水素だけなので、廃棄物が少なく、シリ
ル化反応として有用な反応である。上記のハイドロジェ
ンシラン化合物としては、これまでトリメチルシラン、
トリエチルシラン、tert−ブチルジメチルシラン、
トリイソプロピルシラン等が用いられている。しかしな
がら、これらのシリル化剤でシリル化した生成物は、立
体的嵩高さが十分でないため、加水分解反応を受けやす
く、満足のいく安定性が得られなかった。そのため、シ
リル化された生成物がより安定になる、嵩高い置換基を
有するシリル化剤が求められてきた。
【0004】上記のシリル化剤の中で、最も嵩高い置換
基を有するトリイソプロピルシランより嵩高い置換基を
有するシリル化剤としては、イソプロピル基の1つ以上
をイソプロピル基より嵩高い3級の置換基に変換した化
合物が考えられるが、このような化合物は今まで知られ
ていない。
【0005】ここで、一般的に3級の置換基をケイ素原
子に結合させる方法としては、J.Org.Che
m.,43,3649(1954)記載の3級アルキル
リチウム試薬を用いる方法が提案されている。しかし、
3級アルキルリチウム試薬は、空気と接触するだけで自
然発火する化合物であり、工業的規模で行うには危険度
が高く、好ましくない。
【0006】上記の3級アルキルリチウム試薬を用いな
い方法として、特開昭60−222492号公報記載の
3級アルキルグリニア試薬を用いる方法が提案されてい
る。3級アルキルグリニア試薬は3級リチウム試薬と違
い、自然発火性がないため、比較的扱いやすく、工業的
に用いるのには有利である。しかし、この方法は反応性
が遅すぎるという問題点あり、工業的には有利ではなか
った。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
3級アルキルグリニア試薬の反応性を高め、既存のシリ
ル化剤よりも更に嵩高い置換基を有するシリル化剤及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、下記一般式(2) R3MgX1 (2) (式中、R3は、炭素数4〜10の3級炭化水素基を示
し、X1はハロゲン原子を表す。)で示されるグリニア
試薬と、下記一般式(3) HR12SiX2 (3) (式中、R1、R2は、互いに同一又は異なるα位又はβ
位に炭化水素基を有する炭素数3〜10の分岐状炭化水
素基又は炭素数3〜10の環状炭化水素基であり、X2
は、X1と同一又は異なるハロゲン原子を表す。)で示
されるシラン化合物とを反応させる際に銅化合物を触媒
として用いると、意外にも下記一般式(1) R123SiH (1) (式中、R1、R2、R3は上記と同じ。)で示される嵩
高い置換基を有する新規なシラン化合物が収率よく得ら
れると共に、このシラン化合物をシリル化剤として用い
たときに、より安定なシリル化生成物を与えることを知
見した。また、この化合物を塩素等のクロル源を用いて
クロル化したクロロシラン化合物も、またクロロシラン
タイプのシリル化剤として有用であることを知見し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0009】従って、本発明は、下記一般式(1)で示
されるシラン化合物を提供する。 R123SiH (1) (式中、R1、R2は、互いに同一又は異なるα位又はβ
位に炭化水素基を有する炭素数3〜10の分岐状炭化水
素基又は炭素数3〜10の環状炭化水素基であり、R3
は、炭素数4〜10の3級炭化水素基を表す。)
【0010】また、本発明は、下記一般式(2) R3MgX1 (2) (式中、R3は、炭素数4〜10の3級炭化水素基を示
し、X1はハロゲン原子を表す。)で示されるグリニア
試薬と、下記一般式(3) HR12SiX2 (3) (式中、R1、R2は、互いに同一又は異なるα位又はβ
位に炭化水素基を有する炭素数3〜10の分岐状炭化水
素基又は炭素数3〜10の環状炭化水素基であり、X2
は、X1と同一又は異なるハロゲン原子を表す。)で示
されるシラン化合物とを銅化合物の存在下に反応させる
ことを特徴とする下記一般式(1) R123SiH (1) (式中、R1、R2、R3は上記と同じ。)で示されるシ
ラン化合物の製造方法、及び、この式(1)のシラン化
合物をクロル化剤を用いてクロル化することを特徴とす
る、下記一般式(4) R123SiCl (4) (式中、R1、R2、R3は上記と同じ。)で示されるク
ロロシラン化合物の製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき、更に詳しく説明す
る。本発明のシラン化合物は、下記一般式(1)で示さ
れる化合物である。 R123SiH (1) 式中、R1、R2は、互いに同一又は異なるα位又はβ位
に炭化水素基を有する炭素数3〜10の1価の分岐状炭
化水素基又は炭素数3〜10の1価の環状炭化水素基で
あり、R3は、炭素数4〜10の1価の3級炭化水素基
を表す。
【0012】ここで、R1、R2の炭素数3〜10の分岐
状炭化水素基及び環状炭化水素基としては、分岐状のア
ルキル基又はシクロアルキル基が好ましく、具体的には
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、1
−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−エチル
ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が
例示される。
【0013】また、R3の炭素数4〜10の3級アルキ
ル基として具体的には、tert−ブチル基、tert
−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−メチル
シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基等が例
示される。
【0014】上記一般式(1)で示されるシラン化合物
の具体例としては、tert−ブチルジイソプロピルシ
ラン、tert−ブチルジイソブチルシラン、tert
−ブチルジsec−ブチルシラン、tert−ブチルジ
(2−エチルヘキシルシラン)、tert−ブチルジシ
クロペンチルシラン、tert−ブチルジシクロヘキシ
ルシラン、tert−ブチルイソプロピルイソブチルシ
ラン、tert−ブチルイソプロピルsec−ブチルシ
ラン、tert−アミルジイソプロピルシラン、ter
t−アミルジイソブチルシラン、tert−アミルジs
ec−ブチルシラン、tert−アミルジ(2−エチル
ヘキシルシラン)、tert−アミルジシクロペンチル
シラン、tert−アミルジシクロヘキシルシラン、t
ert−アミルイソプロピルイソブチルシラン、ter
t−アミルイソプロピルsec−ブチルシラン、(1,
1−ジエチルプロピル)ジイソプロピルシラン、(1,
1−ジエチルプロピル)ジイソブチルシラン、(1−メ
チルシクロペンチル)ジイソプロピルシラン、(1−メ
チルシクロペンチル)ジイソブチルシラン、(1−メチ
ルシクロヘキシル)ジイソプロピルシラン、(1−メチ
ルシクロヘキシル)ジイソブチルシラン等が例示され、
生成物の有用性、製造の容易性の点から、tert−ブ
チルジイソプロピルシラン、tert−ブチルジイソブ
チルシランがより好ましい。
【0015】また、本発明における上記一般式(1)で
示される嵩高い置換基を有するシラン化合物の製造方法
は、例えば、下記一般式(2) R3MgX1 (2) (式中、R3は上記と同じであり、X1はハロゲン原子を
示す。)で示されるグリニア試薬と、下記一般式(3) HR12SiX2 (3) (式中、R1、R2は上記と同じ、X2はX1と同一又は異
なるハロゲン原子を示す。)で示される化合物とを銅化
合物の存在下に反応させる方法が挙げられる。
【0016】上記反応では、下記一般式(2)で示され
るグリニア試薬が用いられる。 R3MgX1 (2) (式中、R3は上記と同じ炭素数4〜10の1価の3級
炭化水素基であり、X1はCl、Br等のハロゲン原子
を示す。)
【0017】このようなグリニア試薬としては、具体的
には、tert−ブチルマグネシウムクロライド、te
rt−ブチルマグネシウムブロマイド、tert−アミ
ルマグネシウムクロライド、tert−アミルマグネシ
ウムブロマイド、1,1−ジエチルプロピルマグネシウ
ムクロライド、1−メチルシクロペンチルマグネシウム
クロライド、1−メチルシクロヘキシルマグネシウムク
ロライド等が例示される。
【0018】上記反応で用いられる下記一般式(3)で
示されるシラン化合物は、具体的にはジイソプロピルク
ロロシラン、ジイソブチルクロロシラン、ジsec−ブ
チルクロロシラン、ジ(1−メチルブチル)クロロシラ
ン、ジ(1−エチルプロピル)クロロシラン、ジ(2−
エチルヘキシル)クロロシラン、ジシクロペンチルクロ
ロシラン、ジシクロヘキシルクロロシラン、イソプロピ
ルイソブチルクロロシラン、イソプロピルsec−ブチ
ルクロロシラン等が例示される。
【0019】上記一般式(3)で示されるシラン化合物
は、精製したものを用いてもよく、精製を行っていない
もの、つまり調製した反応液をそのまま用いてもよい。
【0020】上記一般式(2)で示されるグリニア試薬
と上記一般式(3)で示されるシラン化合物の配合比は
特に限定されないが、反応性、生産性の点から、上記一
般式(3)で示されるシラン化合物1モルに対し、上記
一般式(2)で示されるグリニア試薬0.5〜2.0モ
ル、特に0.8〜1.5モルの範囲が好ましい。
【0021】上記反応では、触媒として銅化合物を用い
る。用いられる銅化合物としては、具体的には塩化銅
(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(I
I)、ヨウ化銅(I)、シアン化銅(I)等が例示され
る。
【0022】上記銅化合物の使用量は特に限定されない
が、反応性及び生産性の点から、上記一般式(2)で示
されるグリニア試薬1モルに対し、0.001〜0.1
モル、特に0.01〜0.05モルの範囲が好ましい。
触媒が0.001モル未満だと触媒の十分な効果が発現
しない可能性があり、0.1モルを超えると、触媒の量
に見合うだけの反応促進効果がみられない可能性があ
る。
【0023】上記反応は、非プロトン性の有機溶媒中で
行うことが好ましい。用いられる溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒、ペンタン、ヘキサン、イソオクタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶
媒等が例示される。これらの溶媒は単独で用いてもよ
く、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0024】また、反応温度は特に限定されないが、常
圧、又は加圧下で0〜150℃、特に10〜100℃が
好ましい。また、反応は窒素やアルゴン等の不活性ガス
雰囲気下で行うのが好ましい。反応系に酸素が存在する
と、グリニア試薬が酸素と反応し、収率低下の原因とな
るおそれがある。
【0025】上記一般式(1)で示される化合物は、ア
ルコールやカルボン酸等の活性水素化合物を有する化合
物と脱水素反応させることにより、シリル化を達成する
ことができ、工業的に有用な化合物である。
【0026】また、本発明の嵩高い置換基を有する化合
物は、水素原子をクロル化することにより、下記一般式
(4) R123SiCl (4) (式中、R1、R2、R3は上記と同じ。)で示されるク
ロロシラン化合物に容易に変換できる。この化合物も嵩
高い置換基を有するクロロシランタイプのシリル化剤と
して有用である。
【0027】クロル化は、クロル化剤を用いて行う。ク
ロル化剤としては、塩素、塩化チオニル、塩化アリル−
パラジウム触媒、塩化メタリル−パラジウム触媒等が例
示され、塩化メタリル−パラジウム触媒が好ましい。
【0028】上記反応で用いられる塩化メタリルの使用
量は特に限定されないが、一般式(1)で示されるシラ
ン化合物1モルに対して0.5〜2.0モルの範囲が好
ましい。
【0029】また、パラジウム触媒としては、塩化パラ
ジウム、酢酸パラジウム等のパラジウム塩、ジクロロビ
ストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム錯
体、パラジウム−炭素等が例示される。これらのパラジ
ウム触媒の使用量は特に限定されないが、一般式(1)
で示されるシラン化合物1モルに対して0.0001〜
0.05モルの範囲が好ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例と比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0031】[実施例1] tert−ブチルジイソプ
ロピルシラン 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えたフ
ラスコに、金属マグネシウム24.3g(1.0mo
l)、テトラヒドロフラン300mlを仕込み、窒素ガ
ス雰囲気下でtert−ブチルクロライド92.6g
(1.0mol)を内温40〜50℃で1時間かけて滴
下し、更に60℃で1時間撹拌した。グリニア試薬とし
てのtert−ブチルマグネシウムクロライド液が得ら
れた。
【0032】次に、このグリニア試薬に臭化銅1.4g
(0.01mol)を添加した後、室温にてジイソプロ
ピルクロロシラン150.7g(1.0mol)を1時
間かけて滴下し、更に70℃で6時間撹拌した。得られ
た反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
転化率は86%であった。この反応液に5%塩酸250
gを加え、塩を溶解し、有機層を分液した。有機層を蒸
留し、沸点79℃/2.7kPaの留分を105.2g
得た。
【0033】得られた留分の質量スペクトル、1H−N
MRスペクトル、IRスペクトルを測定した。 質量スペクトル m/z 172 (M+),115, 87, 7
3, 591 H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒) 図1にチャートで示す。 IRスペクトル 図2にチャートで示す。以上の結果より、得られた化合
物はtert−ブチルジイソプロピルシランであること
が確認された(収率61%)。
【0034】[実施例2] tert−ブチルジイソブ
チルシラン 実施例1と同様にしてグリニア試薬を合成した。次に、
このグリニア試薬に臭化銅1.4g(0.01mol)
を添加した後、室温にてジイソブチルクロロシラン17
8.8g(1.0mol)を1時間かけて滴下し、更に
70℃で3時間撹拌した。得られた反応液をガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、転化率は88%であっ
た。この反応液に5%塩酸250gを加え、塩を溶解
し、有機層を分液した。有機層を蒸留し、沸点77℃/
1.3kPaの留分を126.6g得た。
【0035】得られた留分の質量スペクトル、1H−N
MRスペクトル、IRスペクトルを測定した。 質量スペクトル m/z 200 (M+),143, 87, 7
3, 591 H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒) 図3にチャートで示す。 IRスペクトル 図4にチャートで示す。以上の結果より、得られた化合
物はtert−ブチルジイソブチルシランであることが
確認された(収率63%)。
【0036】[比較例1]実施例1と同様にしてグリニ
ア試薬を合成した。次に、臭化銅を使用しなかった以外
は実施例1と同様にしてグリニア試薬とジイソプロピル
クロロシランとの反応を行った。70℃で8時間撹拌し
た後の転化率は3.3%であった。
【0037】[実施例3] tert−ブチルジイソプ
ロピルシランのクロル化 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えたフ
ラスコに、塩化メタリル45.3g(0.5mol)、
酢酸パラジウム0.56g(0.0025mol)を仕
込み、70℃に加熱した。内温が安定した後、tert
−ブチルジイソプロピルシラン86.2g(0.5mo
l)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を1
00℃で3時間撹拌した。反応液を蒸留し、tert−
ブチルジイソプロピルクロロシランを沸点81℃/1.
3kPaの留分として90.4g得た(収率87%)。
【0038】
【発明の効果】本発明により提供される嵩高い置換基を
有するシラン化合物は、アルコールやカルボン酸等の活
性水素基を有する化合物との脱水素反応により、活性水
素基を有する化合物のシリル保護を達成できるため、シ
リル化剤として有用である。また、塩素等のクロル源を
持つ化合物と反応させると、クロロシラン化合物に変換
できるため、嵩高い置換基を有するクロロシランタイプ
のシリル化剤の中間体としても有用である。更に、上記
の保護された化合物は、嵩高い置換基を有するため、安
定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】tert−ブチルジイソプロピルシランの1
−NMRスペクトルのチャートである。
【図2】tert−ブチルジイソプロピルシランのIR
スペクトルのチャートである。
【図3】tert−ブチルジイソブチルシランの1H−
NMRスペクトルのチャートである。
【図4】tert−ブチルジイソブチルシランのIRス
ペクトルのチャートである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H039 CA19 CA92 CD10 CD90 4H049 VN01 VP01 VQ03 VQ12 VS02 VS09 VS12 VT04 VT34 VT37 VU01 VU06 VU34 VU36 VW02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるシラン化合
    物。 R123SiH (1) (式中、R1、R2は、互いに同一又は異なるα位又はβ
    位に炭化水素基を有する炭素数3〜10の分岐状炭化水
    素基又は炭素数3〜10の環状炭化水素基であり、R3
    は、炭素数4〜10の3級炭化水素基を表す。)
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)で示されるシラン化合
    物が、tert−ブチルジイソプロピルシラン、又はt
    ert−ブチルジイソブチルシランである請求項1記載
    のシラン化合物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(2) R3MgX1 (2) (式中、R3は、炭素数4〜10の3級炭化水素基を示
    し、X1はハロゲン原子を表す。)で示されるグリニア
    試薬と、下記一般式(3) HR12SiX2 (3) (式中、R1、R2は、互いに同一又は異なるα位又はβ
    位に炭化水素基を有する炭素数3〜10の分岐状炭化水
    素基又は炭素数3〜10の環状炭化水素基であり、X2
    は、X1と同一又は異なるハロゲン原子を表す。)で示
    されるシラン化合物とを銅化合物の存在下に反応させる
    ことを特徴とする下記一般式(1) R123SiH (1) (式中、R1、R2、R3は上記と同じ。)で示されるシ
    ラン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 下記一般式(1) R123SiH (1) (式中、R1、R2、R3は上記と同じ。)で示されるシ
    ラン化合物をクロル化剤を用いてクロル化することを特
    徴とする、下記一般式(4) R123SiCl (4) (式中、R1、R2、R3は上記と同じ。)で示されるク
    ロロシラン化合物の製造方法。
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