JPH11119404A - ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JPH11119404A
JPH11119404A JP28693997A JP28693997A JPH11119404A JP H11119404 A JPH11119404 A JP H11119404A JP 28693997 A JP28693997 A JP 28693997A JP 28693997 A JP28693997 A JP 28693997A JP H11119404 A JPH11119404 A JP H11119404A
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JP28693997A
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Masabumi Ioshita
正文 庵下
Yutaka Ueda
豊 上田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】迅速でありながら、処理ムラがなく安定した処
理特性が得られ、ステインも少なく、さらに廃液量も少
なく地球環境にも好適である。 【解決手段】少なくとも定着能を有する処理部と、引き
続く安定処理部または水洗処理部、及びさらに引き続く
リンス処理部とを有するハロゲン化銀写真感光材料用自
動現像機において、安定処理部または水洗処理部は、一
対のローラが複数本上下方向にハロゲン化銀写真感光材
料に接触するように配設され、ローラの上部ローラ部及
び/又は上部ローラ部に接触するハロゲン化銀写真感光
材料に安定処理液または水洗水を供給する手段を有し、
この供給された安定処理液または水洗水が上部ローラ部
から下部ローラ部に順次供給され、ハロゲン化銀写真感
光材料が下部ローラ部から上部ローラ部に搬送される構
造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハロゲン化銀写
真感光材料(以下、簡単化のために単に感光材料または
感材ともいう)を処理するハロゲン化銀写真感光材料用
自動現像機及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法に
関し、更に詳しくは、迅速でありながら、処理ムラがな
く安定した処理特性が得られ、ステインも少なく、さら
に廃液量も少なく地球環境にも好適なハロゲン化銀写真
感光材料用自動現像機及びハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は、通常自動
現像機(以下、簡略化のために自現機と呼ぶこともあ
る)で現像処理が行われる。これらの自動現像機におい
て、処理液や水洗水の低減や、節水の観点から、1種類
の処理工程を複数の処理槽に分割し直列に配列し、感光
材料の搬送方向に対して、処理液や水洗水を最終槽に補
給ないし補充して、感材の搬送方向と逆方向に順次前段
糟に流入させるようにし、処理工程の最前槽から排出す
るようになした多段向流方式が知られてきており、実用
化されてきている。これによって、感材の現像処理に使
用される処理液や水洗水の使用量を大幅に低減すること
が可能となった。
【0003】しかしながら、この方式では複数の処理槽
を設け、しかも直列に配置する必要があるので、自動現
像機が大型化してしまう問題があった。近年のミニラボ
化の進行に伴い、自動現像機の小型化のニーズが高まっ
てきており、この問題を解決するために、例えば特開平
9−68787号等に記載の如く処理液保持機能を有す
るローラ複数本を上下方向に設置し感光材料を処理する
方法(以下、簡略化のためにマルチローラ処理とも称す
る)が開示されてきている。しかしながら、この方法に
したところが、定着液や漂白定着液をマルチローラ処理
し、引き続く安定工程や水洗工程もこの方式で処理を行
う場合には、条件によっては脱銀不良による処理ムラや
ステインが発生し易いことが判明した。
【0004】特に、この問題は、迅速処理を行った場合
や、処理量が少なく、さらに日によって処理量に差があ
るような現像処理を長期に亘って行う場合には、この問
題はさらに顕著となり、無視できないレベルとなってし
まうことが判明した。
【0005】そこで、この発明者らは種々検討を行う中
で、安定処理工程又は水洗処理工程をマルチローラ処理
を行ない、引き続きリンス処理を行なうことによって、
前記問題を解決できることを見い出した。さらに、この
方式を行うことで、迅速処理した場合に発生し易い、高
湿下で保存した際に発生する未露光部のステインや白地
性が改善される効果もあることが判った。
【0006】更には、上記の液循環後に乾燥部迄の間に
安定処理浸漬槽及び/又は吹き付け手段を設けて処理す
ることでより安定した白地性が確保できると共に保存時
のステインにも著しく効果があることが併せて判明し
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、この発明の目
的は、第1にいろいろな環境下で処理しても脱銀不良に
よる処理ムラの発生が改良されており、第2に高湿下で
保存した際に発生する未露光部のステインの発生が改良
されており、第3に極めて迅速な処理が可能でありなが
ら、長期に亘って安定した処理が可能となり、さらに第
4に極めて使用する処理液量が少ないために経済的であ
り、かつ廃液量も少ないため地球環境にも好適であり、
第4に安定した白地性が確保できると共に保存時のステ
インも著しく効果があるハロゲン化銀写真感光材料用自
動現像機及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法の提
供にある。これ以外のこの発明の課題は、以下の明細文
の中で自ずから明らかとなろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の上記目的は以
下の構成により達成される。
【0009】請求項1記載の発明は、『少なくとも定着
能を有する処理部と、引き続く安定処理部または水洗処
理部、及びさらに引き続くリンス処理部とを有するハロ
ゲン化銀写真感光材料用自動現像機において、前記安定
処理部または水洗処理部は、一対のローラが複数本上下
方向にハロゲン化銀写真感光材料に接触するように配設
され、前記ローラの上部ローラ部及び/又は上部ローラ
部に接触するハロゲン化銀写真感光材料に安定処理液ま
たは水洗水を供給する手段を有し、この供給された安定
処理液または水洗水が上部ローラ部から下部ローラ部に
順次供給され、前記ハロゲン化銀写真感光材料が前記下
部ローラ部から上部ローラ部に搬送される構造であるこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
機。』である。
【0010】この請求項1記載の発明によれば、いろい
ろな環境下で処理しても脱銀不良による処理ムラの発生
が改良される。また、高湿下で保存した際に発生する未
露光部のステインの発生が改良され、さらに極めて迅速
な処理が可能でありながら、長期に亘って安定した処理
が可能となり、さらに極めて使用する処理液量が少ない
ために経済的であり、かつ廃液量も少ないため地球環境
にも好適である。
【0011】請求項2記載の発明は、『前記リンス処理
部は、一対のローラが複数本上下方向にハロゲン化銀写
真感光材料に接触するように配設され、前記ローラの上
部ローラ部及び/又は上部ローラ部に接触するハロゲン
化銀写真感光材料にリンス液を供給する手段を有し、こ
の供給されたリンス液が上部ローラ部から下部ローラ部
に順次供給され、前記ハロゲン化銀写真感光材料が前記
下部ローラ部から上部ローラ部に搬送される構造である
ことを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光
材料用自動現像機。』である。
【0012】この請求項2記載の発明によれば、極めて
迅速な処理が可能でありながら、長期に亘って安定した
処理が可能となり、さらに極めて使用する処理液量が少
ないために経済的であり、かつ廃液量も少ないため地球
環境にも好適であり、安定した白地性が確保できると共
に保存時のステインにも著しく効果がある。
【0013】請求項3記載の発明は、『前記リンス処理
部が、リンス液を吹き付ける構造であることを特徴とす
る請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
機。』である。
【0014】この請求項3記載の発明によれば、リンス
液を吹き付ける簡単な構造でより安定した白地性が確保
できると共に保存時のステインにも著しく効果がある。
【0015】請求項4記載の発明は、『前記リンス処理
部が、リンス液浸漬槽構造であることを特徴とする請求
項1記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』
である。
【0016】この請求項4記載の発明によれば、リンス
液浸漬槽による簡単な構造でより安定した白地性が確保
できると共に保存時のステインにも著しく効果がある。
【0017】請求項5記載の発明は、『前記リンス液を
貯留するストックタンクを備え、このリンス液を循環ポ
ンプにより循環してハロゲン化銀写真感光材料のリンス
処理に用いる構造であることを特徴とする請求項1乃至
請求項4のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機。』である。
【0018】この請求項5記載の発明によれば、リンス
液の循環によるリンス処理で、より安定した白地性が確
保できると共に保存時のステインにも著しく効果があ
る。
【0019】請求項6記載の発明は、『前記ストックタ
ンクに貯留されたリンス液を、前記安定処理部または水
洗処理部に送液ポンプにて送液する構造を有することを
特徴とする請求項5記載のハロゲン化銀写真感光材料用
自動現像機。』である。
【0020】この請求項6記載の発明によれば、ストッ
クタンクに貯留されたリンス液を、安定処理部または水
洗処理部に送り、処理液を減らすことが可能となり、こ
のため処理済みの安定処理液は極めて前工程液成分に近
い状態となっており、十分に前工程液として使用でき、
前工程液に供給して使うことで処理能力を上げ、廃液量
も減らすことができる。
【0021】請求項7記載の発明は、『前記ストックタ
ンクに安定補充剤または水洗水を添加する添加機構を有
することを特徴とする請求項5または請求項6記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』である。
【0022】この請求項7記載の発明によれば、ストッ
クタンクに安定補充剤または水洗水を添加してリンス液
に利用することができ、廃液量を減らすことができる。
【0023】請求項8記載の発明は、『前記ストックタ
ンク内の貯留液を加熱する加熱手段を有することを特徴
とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料用自動現像機。』である。
【0024】この請求項8記載の発明によれば、安定処
理液を上部ローラ部に供給する前に予め加熱しておいた
ものを供給することによって、安定処理工程の処理効率
を上げることができ、同時に処理ムラの発生も改良す
る。
【0025】請求項9記載の発明は、『前記加熱手段
が、前記ストックタンク内の貯留液以外の他の処理液の
配管での循環によるものであることを特徴とする請求項
8記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』で
ある。
【0026】この請求項9記載の発明によれば、ストッ
クタンク内の貯留液以外の他の処理液の配管での循環に
よる簡単な構造で安定処理液を上部ローラ部に供給する
前に予め加熱しておいたものを供給することによって、
安定処理工程の処理効率を上げることができ、同時に処
理ムラの発生も改良する。
【0027】請求項10記載の発明は、『前記ローラが
多孔質材からなるものであることを特徴とする請求項1
乃至請求項9のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光
材料用自動現像機。』である。
【0028】この請求項10記載の発明によれば、ロー
ラは供給した安定処理液を十分吸収保持することが可能
となり、処理能力を十分に発揮できる。
【0029】請求項11記載の発明は、『少なくとも定
着能を有する処理工程後、引き続く安定処理工程または
水洗処理工程、及びさらに引き続くリンス処理工程とを
有するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、
前記安定処理工程または水洗処理工程は、一対のローラ
が複数本上下方向にハロゲン化銀写真感光材料に接触す
るように配設され、前記ローラの上部ローラ部及び/又
は上部ローラ部に接触するハロゲン化銀写真感光材料に
安定処理液または水洗水を供給し、この供給された安定
処理液または水洗水が上部ローラ部から下部ローラ部に
順次供給され、前記ハロゲン化銀写真感光材料が前記下
部ローラ部から上部ローラ部に搬送されることを特徴と
するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。』である。
【0030】この請求項11記載の発明によれば、いろ
いろな環境下で処理しても脱銀性等の充分な処理特性が
安定して得られ、処理ムラの発生が改良される。また、
高湿下で保存した際に発生する未露光部のステインの発
生が改良され、さらに極めて迅速な処理が可能でありな
がら、長期に亘って安定した処理が可能となり、さらに
極めて使用する処理液量が少ないために経済的であり、
かつ廃液量も少ないため地球環境にも好適である。
【0031】以下、この発明について詳細に説明する。
【0032】この発明における定着能を有する処理工程
とは、定着工程、漂白定着工程、酸性硬膜定着工程等の
ハロゲン化銀写真感光材料を定着する能力がある処理工
程を表し、この発明においては、定着工程または漂白定
着工程が好ましく用いられる。
【0033】[ローラ部]この発明におけるローラ部と
は、ローラ本体及びローラ下部のトレー部を意味する。
ローラ本体に供給される処理液がトレー部に溜り、この
トレー部に溜る処理液にローラ本体が浸されており、こ
れによりローラ本体に供給される。また、トレー部に溜
る処理液が供給孔から下方へ流れ落ち、この処理液が下
方に配置されるローラ本体に供給されると共に、下方の
トレー部に溜る。
【0034】[液保持機能を有するローラ]この発明に
おける液保持機能を有するローラは、織布、不織布、焼
結体、多孔質材(例えばスポンジ等)で耐薬品性を有す
る材質が好ましく、感光材料の乳剤面への傷の付き難い
点から、柔らかい材質が好ましい。さらに、ローラ表面
が吸水性、保水性を有する材質で構成されているか、ま
たはこれらの材質で覆われていることがこの発明の効果
の点から好ましく用いられる。
【0035】織布及び不織布の材質は、ポリオレフィン
系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系
繊維、脂肪族ポリアミド系繊維、芳香族ポリアミド系繊
維、ポリフェニレンサルファイド繊維等が好ましい。
【0036】多孔質材(例えばスポンジ等)の材質は、
塩化ビニル、シリコンゴム、ポリウレタン、エチレンプ
ロピレンゴム(EPDM)、ポリビニルアルコール(P
VA)、ネオプレンゴム、プチルゴム系繊維、アルキル
ベンゼンスルホン酸樹脂(ABS)、フェノール樹脂が
好ましい。また、ルビセル(商品名)、クラリーノ(商
品名)、POR(ウレタン粉砕物をバインダーで空隙を
保持した状態に固めたもの)も好ましい多孔質材であ
る。
【0037】この発明の処理液保持機能を有するローラ
の好ましい材質は、多孔質材であり、その具体的なもの
は上述の通りである。これによって、ローラは供給した
安定処理液を十分吸収保持することが可能であり、感光
材料と接触することによって多段向流機能を発揮し、感
光材料から前工程の定着能成分の洗い出しと感光材料の
乳剤面への安定液の拡散を効率よく行うことが可能とな
る。
【0038】この発明の上部ローラには安定処理液が供
給されるが、その供給方法としては、ベローズポンプ、
チューブポンプやセラミックポンプ等の定量ポンプ等に
よって安定液貯留槽から一定量送液され、単一または複
数のスリットを有する筒状のノズルや、一列または千鳥
状に並んだ細孔を有する筒状のノズルから、上部ローラ
部又は処理される感光材料に供給されるのが好ましい。
【0039】さらに、この発明に係わる処理液保持機能
を有するローラは、回転しながら感光材料をある程度圧
着しながら搬送する機能を併せて有することが好まし
い。これによって、円滑な搬送が可能となるばかりか、
感光材料の安定処理能力もより良好となり、感光材料中
に残存し易い染料や定着剤成分が洗い出され、未露光部
のステインの発生が軽減される効果も発現する。
【0040】[安定液成分]この発明の安定液には、単
なる水を用いることもでき、また安定液として通常用い
る成分を用いることができ、例えばキレート剤(エチレ
ンジアミン4酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1
−ジホスホン酸、ジエチレントリアミン5酢酸等)、緩
衝剤(炭酸カリウム、ホウ酸塩、酢酸塩等)、防黴剤
(ディアサイド702(商品名)、オルトフェニルフェ
ノール、ベンツイソチアゾリン−3−オン等)、蛍光増
白剤(トリアジニルスチルベン系化合物等)、酸化防止
剤(亜硫酸塩、アスコルビン酸塩等)、水溶性金属塩
(亜鉛塩、マグネシウム塩等)、ホルマリン及びホルマ
リン代替物(EP504609やEP519190明細
書記載のアゾリルメチルアミン類、特開平4−3629
43明細書記載のN−メチロールアゾール類等)、界面
活性剤(シロキサン誘導体、アルキルフェニルアルキレ
ンオキサイド誘導体等)等を適宜用いることができる。
【0041】[定着能を有する液成分]この発明の定着
能を有する処理工程には、チオ硫酸塩(チオ硫酸アンモ
ニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等)、
チオシアン酸塩(チオシアン酸アンモニウム、チオシア
ン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム等)、メソイオ
ン化合物(特開平9−61977号明細書[0038]
から[0043]に記載の(B−1〜B−50)等)、
メタンチオスルホン酸塩(メタンチオスルホン酸アンモ
ニウム、メタンチオスルホン酸カリウム、メタンチオス
ルホン酸ナトリウム等)等を用いることができる。
【0042】[漂白定着工程液の成分]この発明の漂白
定着工程液には、前記の定着能を有する液成分の他に、
漂白剤や漂白促進剤等が含まれる。漂白剤の具体例とし
ては、アミノポリカルボン酸第2鉄塩(エチレンジアミ
ン4酢酸第2鉄アンモニウム、ジエチレントリアミン5
酢酸第2鉄アンモニウム、ニトリロ3酢酸第2鉄アンモ
ニウム等)を用いる。
【0043】[安定液及び水洗供給量]この発明におい
ては、安定液又は水洗の供給量は感光材料1m当たり
10〜300mlの際に、この発明の効果をより顕著に
奏する。とりわけ、20〜150ml/mがより好ま
しく、とりわけ、30〜100ml/mが好適に用い
られる。
【0044】[安定処理、又は水洗の工程時間]この発
明においては、安定処理、又は水洗の工程時間の工程時
間は、3〜60秒の際に、この発明の効果をより顕著に
奏する。とりわけ、5〜30秒が好ましい。
【0045】[安定液加熱手段]安定液加熱手段として
は、通常の伝導加熱手段、対流加熱手段、放射加熱手段
を用いることができ、例えば電熱ヒーター、セラミック
ヒーター、赤外線ヒーター等を用いることができる。こ
れら加熱手段を用いて、安定処理液又は水洗水をこの発
明の上部ローラ部に供給する前に予め加熱しておいたも
のを供給することによって、安定処理又は水洗工程の処
理効率を上げることができ好ましい。この発明の加熱手
段によって保持される安定液又は水洗水の好ましい温度
は25〜60℃であり、より好ましい温度は32〜50
℃である。
【0046】[安定処理工程の処理済み安定液を、定着
能を有する処理工程に供給]この発明の態様の一つに、
マルチローラ処理した安定処理工程液の一部又は全部
を、直前工程である定着能を有する処理工程に供給する
ことが挙げられる。これはマルチローラ処理を行うこと
で、安定処理液を極限まで減らすことが可能となり、こ
のため処理済の安定処理液は極めて前工程液成分に近い
状態となっており、十分に前工程液として使用できる。
このマルチローラ処理済みの安定処理液を定着能を有す
る処理工程に供給することで、定着能を有する処理液を
削減することができ、利用効率を極限にまで上げること
が可能となると同時に、廃液量も極限まで減少させるこ
とが可能となり、地球環境保護の点からも好ましい。さ
らに、ランニングコストも削減できる効果も併せて発現
する。
【0047】[ハロゲン化銀写真感光材料]この発明で
用いられる感光材料の好ましい例として、少なくとも塩
化銀を80モル%以上含有する実質的な塩化銀乳剤層を
含むハロゲン化銀カラー写真感光材料(カラーペーパ
ー)や、少なくとも沃化銀を5モル%以上含有する沃臭
化銀乳剤層を含むハロゲン化銀カラー写真感光材料(カ
ラーネガフィルム)が挙げられる。とりわけ、ハロゲン
化銀乳剤としてアスペクト比が3以上の平板状粒子を用
いたものが、迅速処理適性を有しており、この発明の目
的の効果も良好に奏する。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げてこの発明を
更に具体的に説明するが、この発明の実施形態は、これ
らに限定されるものではない。
【0049】[実施例1]実施例1は、ペーパーを処理
する自動現像機であり、図1に示すようにペーパーを発
色現像工程CD、漂白定着工程BF、安定処理工程ST
及び乾燥工程DRの順に搬送して現像処理する。発色現
像工程CD及び漂白定着工程BFの処理部には、発色現
像処理槽1及び漂白定着処理槽2が設けられ、これらは
処理液容量が少なく、狭路を形成したものである。ペー
パーは搬送ローラ3,4等により搬送され、発色現像処
理槽1と漂白定着処理槽2の間に渡りラック5が設けら
れている。この渡りラック5に設けられたスクイズロー
ラ50により発色現像液の次工程への持ち込みを防止し
ている。
【0050】発色現像処理槽1には、循環ポンプ10の
作動により配管11を介して発色現像処理液が中間タン
ク12へ送られ、配管11が中間タンク12からさらに
溶解ストックタンク13の液中を通り発色現像処理槽1
へ戻される第1の液循環手段K1が備えられている。中
間タンク12には、ヒータ14が配置され、このヒータ
14により発色現像処理液が所定温度に調節される。
【0051】また、配管11が溶解ストックタンク13
の液中を通ることで、溶解ストックタンク13中の安定
処理液を加熱する。このように、溶解ストックタンク1
3内の貯留液を加熱する加熱手段として配管11が配置
され、安定処理液を上部ローラ部に供給する前に予め加
熱しておいたものを供給することによって、安定処理工
程の処理効率を上げることができ、同時に処理ムラの発
生も改良する。
【0052】また、加熱手段が、溶解ストックタンク1
3内の貯留液以外の他の処理液の配管11での循環によ
るものであり、溶解ストックタンク13内の貯留液以外
の他の処理液の配管11での循環による簡単な構造で安
定処理液を上部ローラ部に供給する前に予め加熱してお
いたものを供給することができる。
【0053】漂白定着処理槽2には、循環ポンプ20の
作動により配管21を介して漂白定着処理液が中間タン
ク12の液中を通り漂白定着処理槽2へ戻される第2の
液循環手段K2が備えられている。
【0054】自動現像機には、水タンク22が備えら
れ、補水ポンプ23の作動により水タンク22の水が配
管24を介して発色現像処理槽1へ供給される。配管2
4には、洗浄水配管25が接続され、電磁弁26の作動
により水が渡りラック5へ供給されてスクイズローラ5
0の洗浄が行われる。また、水タンク22の水は、送水
ポンプ27の作動により配管28を介して溶解ストック
タンク13へ供給される。水タンク22には、液面セン
サL1が設けられ、水は所定の液面に維持される。
【0055】安定処理工程STの処理部には、処理液保
持機能を有する一対のローラ30が複数本上下方向に感
光材料に接触させるように配設されている。安定処理工
程STの上方にリンス処理工程LSが一体化して配置さ
れ、同様に処理液保持機能を有する一対のローラ40が
複数本上下方向に感光材料に接触させるように配設され
ている。
【0056】このローラ30,40の上部ローラ及び感
光材料に安定処理液を供給する液供給手段31,41が
備えられている。安定処理工程ST、リンス処理工程L
S及び乾燥工程DRは、発色現像工程CD、漂白定着工
程BFより高い位置に配置され、安定処理工程STで
は、漂白定着工程BFからのペーパーが下方から上方へ
搬送される。この上下に配置された安定処理工程STと
リンス処理工程LSに沿って乾燥工程DRが配置されて
いる。
【0057】安定処理工程ST及びリンス処理工程LS
の処理部は、上部ローラ部から下部ローラ部に順次供給
されるマルチローラ処理構造であり、このローラ部は、
一対のローラ30,40及びローラ30,40下部のト
レー部32,42から構成される。
【0058】安定処理工程STとリンス処理工程LSに
は、液供給手段31,41が備えられ、液供給手段3
1,41は、配管31a,41a及び送液ポンプ31
b,41bから構成され、送液ポンプ31b,41bの
駆動により溶解ストックタンク13の安定処理液を安定
処理工程STとリンス処理工程LSの処理部に供給する
が、この実施の形態では、12段の全槽中上部から6段
が、送液ポンプ41bの駆動により配管41aから安定
処理液を最上段に供給し、中段から配管41cを介して
溶解ストックタンク13へ戻して循環させることで安定
した白地性が確保させることができる。
【0059】また、12段の全槽中央部から6段は、送
液ポンプ31bの駆動により安定処理液を配管31aか
ら中央段に供給し、最下段から自然落下する安定処理液
は配管33を介してストックタンク34に回収される。
【0060】安定処理液は、配管33を介して下部のス
トックタンク34に回収される。ストックタンク34の
安定処理液は、補水ポンプ35の作動により配管36を
介して漂白定着処理槽2へ供給される。配管36には、
洗浄水配管37が接続され、電磁弁38の作動により水
が渡りラック6へ供給され、スクイズローラ60の洗浄
が行われる。
【0061】漂白定着処理槽2の廃液は、廃液タンク7
に排出され、またストックタンク34からオーバーフロ
ーする廃液も廃液タンク7に排出される。ストックタン
ク34には、液面下限値を検出する液面センサL2が設
けられ、また廃液タンク7には上限液面を検知する液面
センサL3及び下限液面を検知する液面センサL4が設
けられ、図示しない廃液処理装置へ送られる。
【0062】乾燥工程DRは、安定処理工程ST及びリ
ンス処理工程LSに沿って配置され、乾燥工程DRに
は、ヒータ8と温度センサS10が設けられ、所定の乾
燥温度によりペーパーを乾燥する。
【0063】この自動現像機には、発色現像処理槽1に
発色現像サブタンク70が、漂白定着処理槽2には漂白
定着サブタンク71が備えられ、発色現像補充液及び漂
白定着補充液が補充される。錠剤カートリッジ72から
発色現像処理用錠剤J1が発色現像サブタンク70に、
また漂白定着処理用錠剤J2が漂白定着サブタンク71
に投入されて溶解する。
【0064】また、発色現像サブタンク70及び漂白定
着サブタンク71には、それぞれ温度センサS1,S2
が設けられ、それぞれの処理液を所定の温度に調整す
る。さらに、発色現像サブタンク70及び漂白定着サブ
タンク71には、液面センサL10,L20が設けら
れ、それぞれの処理液の所定の液面に調整する。
【0065】また、錠剤カートリッジ72から安定処理
用錠剤J3が溶解ストックタンク13へ投入されて溶解
する。このように、自動現像機は、溶解ストックタンク
13に安定補充剤または水洗水を添加する添加機構を有
しており、溶解ストックタンク13に安定補充剤または
水洗水を添加してリンス液に利用することができる。
【0066】溶解ストックタンク13には、循環ポンプ
75及び配管76が設けられており、循環ポンプ75の
作動により安定処理液が循環し、これにより安定処理用
錠剤J3の溶解が促進される。また、溶解ストックタン
ク13には、液面センサL30が設けられている。
【0067】次に、自動現像機の運転について説明す
る。自動現像機の電源がONされると、液供給手段3
1,41が作動して溶解ストックタンク13の安定処理
液が安定処理工程ST及びリンス処理工程LSの処理部
に供給される。この実施の形態では、12段の全槽中上
部から6段には、送液ポンプ41bの駆動により配管4
1aから安定処理液が供給され、中段から配管41cを
介して溶解ストックタンク13へ戻して循環させる。ま
た、12段の全槽中央部から6段は、送液ポンプ31b
の駆動により安定処理液が配管31aから中央段に供給
され、最下段から自然落下し、この安定処理液は配管3
3を介してストックタンク34に回収される。
【0068】第1の液循環手段K1を構成する循環ポン
プ10及び第2の液循環手段K2を構成する循環ポンプ
20は、電源がONされると所定時間作動して停止し、
またペーパーの検出により作動し、さらにはタイマーモ
ードにより間欠的に作動するの3種類の制御が行われ
る。
【0069】さらに、発色現像処理槽1に発色現像サブ
タンク70から、漂白定着処理槽2に漂白定着サブタン
ク71からの補充液の供給は、ペーパーの処理が所定量
行われたときに行われる。
【0070】このように、安定処理部は、一対のローラ
30,40が複数本上下方向にハロゲン化銀写真感光材
料に接触するように配設され、ローラの上部ローラ部及
び/又は上部ローラ部に接触するハロゲン化銀写真感光
材料に安定処理液を供給する液供給手段31,41を有
し、この供給された安定処理液が上部ローラ部から下部
ローラ部に順次供給され、ハロゲン化銀写真感光材料が
下部ローラ部から上部ローラ部に搬送される構造であ
り、いろいろな環境下で処理しても脱銀性等の充分な処
理特性が安定して得られ、処理ムラの発生が改良され
る。また、高湿下で保存した際に発生する未露光部のス
テインの発生が改良され、さらに極めて迅速な処理が可
能でありながら、長期に亘って安定した処理が可能とな
り、さらに極めて使用する処理液量が少ないために経済
的であり、かつ廃液量も少ないため地球環境にも好適で
ある。
【0071】また、この実施例の安定処理部に代えて水
洗処理部を設けてもよく、この水洗処理部も同様に構成
され、安定処理液に代えて水洗水を供給して処理を行
う。
【0072】[実施例2]実施例2は、図2に示すよう
にペーパーを発色現像工程CD、漂白定着工程BF、安
定処理工程ST、リンス処理工程LS及び乾燥工程DR
の順に搬送して現像処理する。この実施例2では、安定
処理工程STと乾燥工程DRとの間にリンス処理工程L
Sが設けられ、このリンス処理工程LSのリンス処理部
は、リンス液を吹き付ける構造である。
【0073】リンス処理部のリンス槽100には、ペー
パーを搬送する搬送ローラ101が設けられ、ペーパー
を安定処理工程STから乾燥工程DRへ搬送する。ま
た、リンス処理部には、液供給手段110が備えられ、
液供給手段110は、配管110a及び送液ポンプ11
0bから構成されている。送液ポンプ110bの駆動に
より溶解ストックタンク13の安定処理液は、配管11
0aの先端開口から搬送されるペーパーへ吹き付けられ
る。この実施の形態では、安定処理液をリンス液として
用いてペーパーをリンス処理する。
【0074】このリンス処理に用いた安定処理液は、配
管110cを介して溶解ストックタンク13に戻され、
送液ポンプ110bの作動により循環し、リンス液を吹
き付ける簡単な構造でより安定した白地性が確保できる
と共に画像保存性も著しく効果がある。
【0075】また、リンス処理部のリンス槽100に溜
る安定処理液は、安定処理工程STの最上部にオーバー
フローして供給されるため、安定処理工程STへの専用
の液供給手段が不要になり、構造が簡単で、かつ低コス
トになる。
【0076】[実施例3]実施例3は、図3に示すよう
にペーパーを発色現像工程CD、漂白定着工程BF、安
定処理工程ST、リンス処理工程LS及び乾燥工程DR
の順に搬送して現像処理する。この実施例3では、安定
処理工程STと乾燥工程DRとの間にリンス処理工程L
Sが設けられ、このリンス処理工程LSのリンス処理部
は、リンス液浸漬槽構造である。
【0077】リンス処理部のリンス槽200には、ペー
パーを搬送する搬送ローラ201がペーパーをリンス液
中を浸漬させて搬送するように配置され、所定時間ペー
パーを安定処理液中に浸漬させて乾燥工程DRへ搬送す
る。また、リンス処理部には、液供給手段210が備え
られ、液供給手段210は、配管210a及び送液ポン
プ210bから構成されている。送液ポンプ210bの
駆動により溶解ストックタンク13の安定処理液をリン
ス処理部に供給する。この実施の形態では、安定処理液
をリンス液として用いてペーパーをリンス処理する。
【0078】このリンス処理に用いた安定処理液は、配
管210cを介して溶解ストックタンク13に戻され、
送液ポンプ210bの作動により循環し、リンス液をリ
ンス槽200へ供給する。このように、リンス液浸漬槽
による簡単な構造でより安定した白地性が確保できると
共に画像保存性も著しく効果がある。
【0079】また、リンス処理部のリンス槽200から
安定処理液が、安定処理工程STの最上部にオーバーフ
ローして供給され、安定処理工程STへの専用の液供給
手段が不要になり、構造が簡単で、かつ低コストにな
る。
【0080】[実施例4]実施例4は、図4に示すよう
にペーパーを発色現像工程CD、漂白定着工程BF、安
定処理工程ST、リンス処理工程LS及び乾燥工程DR
の順に搬送して現像処理する。この実施例4では、安定
処理工程STを12段の全槽で構成し、この安定処理工
程STの上方にリンス処理工程LSが配置されている。
このリンス処理工程LSに沿って乾燥工程DRが配置さ
れている。
【0081】リンス処理工程LSには、液供給手段43
1が備えられ、液供給手段431は、配管431a及び
送液ポンプ431bから構成され、送液ポンプ431b
の駆動により溶解ストックタンク13の安定処理液をリ
ンス処理工程LSの処理部に供給する。リンス処理工程
LSの形態では、安定処理液が最上段に供給されて下段
に順次自然落下して行き、一部の安定処理液は最下段か
ら配管431cを介して溶解ストックタンク13に戻さ
れる。
【0082】一方、一部の安定処理液は最下段から安定
処理工程STの全槽12段の最上段へ供給され、上段か
ら下段に自然落下して供給され、このように自然落下す
る安定処理液は配管33を介してストックタンク34に
回収される。
【0083】これらの自動現像機のカラーペーパー処理
条件は次の通りである。
【0084】発色現像工程と、漂白定着工程に用いられ
た処理液(タンク液及び補充液)は、コニカ(株)CP
K−2−28プロセス用処理剤を用いて処理を行った。
【0085】安定処理液は以下のものを用いた。 [安定液] 水 700ml オルトフェニルフェノール 0.1g チノパールMSP(チバガイギー社製) 1.5g 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 5.0ml 1−ヒドロキシエチリデン−1.1−ジホスホン酸 3.0g エチレンジアミン4酢酸 2.0g 硫酸亜鉛7水塩 0.3g アンモニア水又は硫酸でpH7.8とすると共に水で1
lとする。
【0086】使用した感光材料はコニカ(株)製コニカ
カラーペーパータイプQA−A6を用いた。 (実験1−1)比較例として発色現像工程、漂白定着工
程に処理槽を用い、安定処理工程にマルチローラ処理を
用いたが、リンス処理工程は設けなかった。 (実験1−2)比較例として発色現像工程、漂白定着工
程及び安定処理工程に処理槽を用い、リンス処理工程は
設けなかった。 (実験1−3)図2に示すように、発色現像工程及び漂
白定着工程に処理槽を用い、安定処理工程に12段の上
部ローラ部から下部ローラ部に順次供給されるマルチロ
ーラ処理構造で循環するものを用い、リンス処理工程は
リンス液を吹き付ける構造である。 (実験1−4)図3に示すように、発色現像工程及び漂
白定着工程に処理槽を用い、安定処理工程に12段の上
部ローラ部から下部ローラ部に順次供給されるマルチロ
ーラ処理構造で循環するものを用い、リンス処理工程は
リンス液浸漬槽構造である。 (実験1−5)図4に示すように、発色現像工程及び漂
白定着工程に処理槽を用い、安定処理工程に12段の上
部ローラ部から下部ローラ部に順次供給されるマルチロ
ーラ処理構造で循環するものを用い、リンス処理工程に
6段の上部ローラ部から下部ローラ部に順次供給される
マルチローラ処理構造で循環するものを用いた。
【0087】評価条件 曝射露光部残留銀量 QA−A6ペーパーの曝射露光部(カブリ部)の残留銀
量を蛍光X線にて測定した。
【0088】未露光部反射シアン濃度 QA−A6ペ−パーの現像済未露光部の反射シアン濃度
を光学濃度計にて測定した。
【0089】未露光部反射イエロー濃度差 QA−A6ペ−パーを未露光状態で現像し、その未露光
ペーパーを温度50℃湿度80%のサ−モ室で2週間
(2W)保存した。
【0090】保存前と保存後の反射イエロー濃度を測定
しその差を計算した。
【0091】この実験1−1〜1−5の実験結果を表に
示す。
【0092】
【0093】これにより本発明の実験1−3は、曝射露
光部の残留銀量は比較例より若干改良され、さらに白地
性能及び画像保存性が改善された。また、本発明の実験
1−4〜1−5は、曝射露光部の残留銀量がさらに少な
くなり、さらに白地性能及び画像保存性もさらに改善さ
れた。
【0094】また、図1乃至図4に示すマルチローラの
ローラ部は、一対のローラ30及びローラ30下部のト
レー部32から構成されるが、図6に示すように構成す
ることができる。図5のマルチローラのローラ部は、中
央に感光材料Pが通過する切欠き32aが形成されてト
レー部32が上方からみてコ字状になっており、一対の
ローラ30が配置される部分32bと、この一対の部分
32bを連結する部分32cを有している。一方のロー
ラ30が配置される部分32bに安定処理液が上のロー
ラ部から流れ落ち、この安定処理液はトレー部32に溜
り、一対のローラ30に供給されるが、他方のローラ3
0が配置される部分32bに形成された孔32dから下
のローラ部へ流れ落ちる。
【0095】従って、図6に示すように、ローラ部に供
給される安定処理液が一方のローラ30上へ落下し、ト
レー部32に溜り、このトレー部32に溜る安定処理液
は一対のローラ30に供給され、トレー部32に溜る安
定処理液が反対側から下方へ流れ落ち、上方から下方へ
安定処理液が交互に流れ落ちる。
【0096】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明で
は、いろいろな環境下で処理しても脱銀性不良による処
理ムラの発生が改良される。また、高湿下で保存した際
に発生する未露光部のステインの発生が改良され、さら
に極めて迅速な処理が可能でありながら、長期に亘って
安定した処理が可能となり、さらに極めて使用する処理
液量が少ないために経済的であり、かつ廃液量も少ない
ため地球環境にも好適である。
【0097】請求項2記載の発明では、極めて迅速な処
理が可能でありながら、長期に亘って安定した処理が可
能となり、さらに極めて使用する処理液量が少ないため
に経済的であり、かつ廃液量も少ないため地球環境にも
好適であり、安定した白地性が確保できると共に保存時
のステインにも著しく効果がある。
【0098】請求項3記載の発明では、リンス液を吹き
付ける簡単な構造でより安定した白地性が確保できると
共に画像保存性にも著しく効果がある。
【0099】請求項4記載の発明では、リンス液浸漬槽
による簡単な構造でより安定した白地性が確保できると
共に保存時のステインにも著しく効果がある。
【0100】請求項5記載の発明では、リンス液の循環
によるリンス処理で、より安定した白地性が確保できる
と共に保存時のステインにも著しく効果がある。
【0101】請求項6記載の発明では、ストックタンク
に貯留されたリンス液を、安定処理部または水洗処理部
に送り、処理液を減らすことが可能となり、このため処
理済みの安定処理液は極めて前工程液成分に近い状態と
なっており、十分に前工程液として使用でき、前工程液
に供給して使うことで処理能力を上げ、廃液量も減らす
ことができる。
【0102】請求項7記載の発明では、ストックタンク
に安定補充剤または水洗水を添加してリンス液に利用す
ることができ、廃液量を減らすことができる。
【0103】請求項8記載の発明では、安定処理液を上
部ローラ部に供給する前に予め加熱しておいたものを供
給することによって、安定処理工程の処理効率を上げる
ことができ、同時に処理ムラの発生も改良する。
【0104】請求項9記載の発明では、ストックタンク
内の貯留液以外の他の処理液の配管での循環による簡単
な構造で安定処理液を上部ローラ部に供給する前に予め
加熱しておいたものを供給することによって、安定処理
工程の処理効率を上げることができ、同時に処理ムラの
発生も改良する。
【0105】請求項10記載の発明では、ローラが多孔
質材からなるものであり、供給した安定処理液を十分吸
収保持することが可能となり、処理能力を十分に発揮で
きる。
【0106】請求項11記載の発明では、いろいろな環
境下で処理しても脱銀性等の充分な処理特性が安定して
得られ、処理ムラの発生が改良される。また、高湿下で
保存した際に発生する未露光部のステインの発生が改良
され、さらに極めて迅速な処理が可能でありながら、長
期に亘って安定した処理が可能となり、さらに極めて使
用する処理液量が少ないために経済的であり、かつ廃液
量も少ないため地球環境にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のペーパーを処理する自動現像機の概
略構成図である。
【図2】実施例2のペーパーを処理する自動現像機の概
略構成図である。
【図3】実施例3のペーパーを処理する自動現像機の概
略構成図である。
【図4】実施例4のペーパーを処理する自動現像機の概
略構成図である。
【図5】マルチローラのローラ部の構成を示す図であ
る。
【図6】マルチローラ処理の安定処理液が交互に流れ落
ちる流れを示す図である。
【符号の説明】
CD 発色現像工程 BF 漂白定着工程 ST 安定処理工程 LS リンス処理工程 DR 乾燥工程 1 発色現像処理槽 2 漂白定着処理槽 3,4 搬送ローラ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも定着能を有する処理部と、引き
    続く安定処理部または水洗処理部、及びさらに引き続く
    リンス処理部とを有するハロゲン化銀写真感光材料用自
    動現像機において、前記安定処理部または水洗処理部
    は、一対のローラが複数本上下方向にハロゲン化銀写真
    感光材料に接触するように配設され、前記ローラの上部
    ローラ部及び/又は上部ローラ部に接触するハロゲン化
    銀写真感光材料に安定処理液または水洗水を供給する手
    段を有し、この供給された安定処理液または水洗水が上
    部ローラ部から下部ローラ部に順次供給され、前記ハロ
    ゲン化銀写真感光材料が前記下部ローラ部から上部ロー
    ラ部に搬送される構造であることを特徴とするハロゲン
    化銀写真感光材料用自動現像機。
  2. 【請求項2】前記リンス処理部は、一対のローラが複数
    本上下方向にハロゲン化銀写真感光材料に接触するよう
    に配設され、前記ローラの上部ローラ部及び/又は上部
    ローラ部に接触するハロゲン化銀写真感光材料にリンス
    液を供給する手段を有し、この供給されたリンス液が上
    部ローラ部から下部ローラ部に順次供給され、前記ハロ
    ゲン化銀写真感光材料が前記下部ローラ部から上部ロー
    ラ部に搬送される構造であることを特徴とする請求項1
    記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  3. 【請求項3】前記リンス処理部が、リンス液を吹き付け
    る構造であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン
    化銀写真感光材料用自動現像機。
  4. 【請求項4】前記リンス処理部が、リンス液浸漬槽構造
    であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写
    真感光材料用自動現像機。
  5. 【請求項5】前記リンス液を貯留するストックタンクを
    備え、このリンス液を循環ポンプにより循環してハロゲ
    ン化銀写真感光材料のリンス処理に用いる構造であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  6. 【請求項6】前記ストックタンクに貯留されたリンス液
    を、前記安定処理部または水洗処理部に送液ポンプにて
    送液する構造を有することを特徴とする請求項5記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  7. 【請求項7】前記ストックタンクに安定補充剤または水
    洗水を添加する添加機構を有することを特徴とする請求
    項5または請求項6記載のハロゲン化銀写真感光材料用
    自動現像機。
  8. 【請求項8】前記ストックタンク内の貯留液を加熱する
    加熱手段を有することを特徴とする請求項5乃至請求項
    7のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動
    現像機。
  9. 【請求項9】前記加熱手段が、前記ストックタンク内の
    貯留液以外の他の処理液の配管での循環によるものであ
    ることを特徴とする請求項8記載のハロゲン化銀写真感
    光材料用自動現像機。
  10. 【請求項10】前記ローラが多孔質材からなるものであ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに
    記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  11. 【請求項11】少なくとも定着能を有する処理工程後、
    引き続く安定処理工程または水洗処理工程、及びさらに
    引き続くリンス処理工程とを有するハロゲン化銀写真感
    光材料の処理方法において、前記安定処理工程または水
    洗処理工程は、一対のローラが複数本上下方向にハロゲ
    ン化銀写真感光材料に接触するように配設され、前記ロ
    ーラの上部ローラ部及び/又は上部ローラ部に接触する
    ハロゲン化銀写真感光材料に安定処理液または水洗水を
    供給し、この供給された安定処理液または水洗水が上部
    ローラ部から下部ローラ部に順次供給され、前記ハロゲ
    ン化銀写真感光材料が前記下部ローラ部から上部ローラ
    部に搬送されることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料の処理方法。
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