JPH11119147A - ヘッドアップディスプレイ - Google Patents

ヘッドアップディスプレイ

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JPH11119147A
JPH11119147A JP9280687A JP28068797A JPH11119147A JP H11119147 A JPH11119147 A JP H11119147A JP 9280687 A JP9280687 A JP 9280687A JP 28068797 A JP28068797 A JP 28068797A JP H11119147 A JPH11119147 A JP H11119147A
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head
optical system
image
projection
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JP9280687A
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English (en)
Inventor
Takaomi Sekiya
尊臣 関谷
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車速や旋回によって変化する運転者の注視距
離、視野範囲や視線方向にかかわらず、見易い表示が可
能なヘッドアップディスプレイを提供する。 【構成】表示投影器１１から投影された自動車の走行に
関する情報画像に関する投影光束をズーム投影レンズ１
５および偏向装置２１を介してコンバイナ３１に投影す
るヘッドアップディスプレイであって、車速に応じて、
前記ズーム投影レンズ１５のレンズ群Ｌ１、Ｌ２を光軸
に沿って移動させて投影距離および見かけの投影像の大
きさを調節するとともに、前記偏向装置２１によって投
影方向を調節し、車両の旋回方向に応じて、前記偏向装
置２１を駆動して表示位置を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の技術分野】本発明は、自動車などの車両に搭載
されるヘッドアップディスプレイに関する。
【０００２】
【従来技術およびその問題点】近年、運転者が運転しな
がら、例えば速度表示を前方の景色と重ねて視認できる
ヘッドアップディスプレイが種々開発されている。自動
車用ヘッドアップディスプレイは、運転者の前方約１．
５m に表示が位置するように投影表示位置、距離が設定
されていて、その表示の大きさも固定されている。
【０００３】ここで、例えば時速４０Km/hで走行する街
中と、時速８０〜１００Km/hで走行する高速道路上とで
は、運転者の視線位置や注視距離は異なることが知られ
ている。街中では、数m 〜１０数m 、高速道路上では数
１０m 〜数１００m である。そのため、高速道路上の道
路標識は、街中の道路標識より大きく形成されている。
また、視野範囲も速度で変化し、高速になればなるほど
狭くなることが知られている。しかしながら、従来のヘ
ッドアップディスプレイは、車速によって変化する運転
者の視線方向や注視距離、視野範囲に連続した対応をし
ていなかった。また、運転者はステアリングを切ると、
車両が旋回する先を予測して視線が旋回方向を向くが、
従来のヘッドアップディスプレイの表示位置は移動しな
かった。
【０００４】
【発明の目的】本発明は、車速や旋回によって変化する
運転者の注視距離、視野範囲や視線方向にかかわらず、
見易い表示が可能なヘッドアップディスプレイを提供す
ることを目的とする。
【０００５】
【発明の概要】この目的を達成する請求項１記載の本発
明は、画像表示手段により形成された画像を投影光学系
および合成光学系を介して投影するヘッドアップディス
プレイにおいて、前記投影光学系は、レンズ群の移動に
よって、投影像点距離を連続的に変更する焦点光学系お
よび投影像の倍率を連続的に変更する変倍光学系を含
み、さらに、前記焦点光学系を駆動させて投影像点まで
の距離を調節する像点距離調節手段、および前記変倍光
学系を駆動させて見かけの投影像の大きさを変える倍率
調節手段を備えたことに特徴を有する。さらに本発明
は、前記投影光学系による前記合成光学系への投影方向
を変えて表示位置を移動させる投影方向調節手段を備え
ることができる。そして本発明は、前記画像表示手段の
表示の明るさを調節する明るさ調節手段を備えることが
できる。これらの調節手段は、手動で調節するか、搭載
された車両の車速、加速度、旋回方向、あるいは車内外
の明るさなどを検出して、予め設定された条件に基づい
て自動制御させることもできる。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明を説明
する。本発明の実施の形態は、自動車の運転者のため
に、車速など、運転に必要な情報を、フロントガラスを
通して外界を注視しながら同時に視認できるように、運
転者の視野内に表示するヘッドアップディスプレイであ
る。図示実施例では、表示の大きさ（倍率）である見か
けの投影像の大きさ、表示までの距離（表示距離）、表
示位置、表示の明るさなどを調節可能である。また、本
実施例では、車速に応じて表示距離を調節し、ステアリ
ングの切れ角に応じて表示位置を横方向に調節し、車外
の明るさに応じて表示の明るさを調節可能としている。
なお、これらの調節の契機として、アクセルペダル、ブ
レーキペダルの踏込具合、加速度、車速、エンジン回転
数、ギヤシフト状態、方向指示器、操舵輪（前輪）の回
転角あるいは天候、車外の輝度、あるいは前照燈のオン
／オフを利用することもできる。
【０００７】図１は、本発明のヘッドアップディスプレ
イを乗用車に適用した実施の形態の要部を示す図であ
り、図２はその要部を示す図である。このヘッドアップ
ディスプレイ１０は、乗用車のダッシュボード内に収納
されている。
【０００８】ヘッドアップディスプレイ１０は、車速な
どの表示情報を投影する、画像表示手段としての表示投
影器１１、投影光学系としてのズーム投影レンズ１５
（変倍レンズ群Ｌ１、投影像点距離調節レンズ群Ｌ
２）、投影方向調節手段としての偏向装置２１、および
フロントガラス４１の車内側の面に形成された、合成光
学系としてのコンバイナ３１を備えている。表示投影器
１１から投影された表示像を形成する投影光束は、ズー
ム投影レンズ１５によって集束され、偏向装置２１で反
射され、さらにコンバイナ３１で反射されて、運転者の
眼５１に入る。運転者は、この投影光束によって、あた
かも、フロントガラス４１の前方所定位置に表示投影器
１１の像（表示像）が形成されているようにその表示像
を見ることができる。
【０００９】表示投影器１１は、投影光源としてのバッ
クライト１２および表示情報を形成する液晶パネル（デ
ィスプレイ）１３を備えている。この表示投影器１１
は、液晶ディスプレイ１３の表示をバックライト１２に
よって投影する、液晶プロジェクタータイプである。な
お、バックライト１２および液晶パネル１３の代わり
に、ＣＲＴを表示投影器１１として使用することもでき
る。図面では色彩を示していないが、カラー液晶などを
使用してカラー表示が可能なことはいうまでもない。表
示の色彩を変更する手段としては、光路途中に色フィル
ターを出し入れする構成が可能である。
【００１０】図示実施例のズーム投影レンズ１５は、ズ
ーミング（変倍）用の変倍レンズ群Ｌ１および表示像
（投影像点）の距離調節用の投影像点距離調節レンズ群
Ｌ２を備えた二群ズームレンズである。変倍レンズ群Ｌ
１および投影像点距離調節レンズ群Ｌ２はぞれぞれ、ズ
ーミングフレーム１６、フォーカシングフレーム１７に
よって光軸と平行に進退動自在に支持されている。それ
ぞれのフレーム１６、１７は、レンズ群Ｌ１、Ｌ２を移
動させる駆動手段は、公知のレンズ駆動機構を備えてい
る。例えば、フレーム１６、１７をそれぞれ独立して直
進移動させるリニアモータ、あるいはモータによって回
転駆動されるカム環を備えたカム機構を備えている。こ
のようなカム環を備えたカム機構によれば、レンズ群Ｌ
１、Ｌ２の移動量、位置を高精度に、連続的制御が可能
になる。
【００１１】偏向装置２１は、ズーム投影レンズ１５か
ら出射した投影光束をコンバイナ３１に向かって反射す
るミラーＭ、ミラーＭの方向を変えるミラーモータ２２
および減速ギヤ機構２３を備えている。ミラーＭは、軸
２４に揺動自在に軸支されていて、ミラーモータ２２の
回転が、減速ギヤ機構２３を介して軸２４、ミラーＭに
伝達される。この軸２４は、フロントガラス４１とほぼ
平行にセットされていて、ミラーＭが、投影光束をフロ
ントガラス４１に沿って振るように設定されている。こ
の実施例のミラー駆動機構は横振りが可能な１軸機構で
あるが、さらに縦振りを可能にする２軸構成も可能であ
る。
【００１２】図３は、このヘッドアップディスプレイ１
０の回路構成の一実施例をブロックで示す図である。ヘ
ッドアップディスプレイは、搭載された自動車のキース
イッチ（エンジンキー）がオン位置に回転され、電気回
路がオンしたときに電力供給されてオンし、電力供給さ
れている間、動作する。
【００１３】このヘッドアップディスプレイ１０は、３
個の検出器１０１、１０２、１０３を備えている。これ
らの検出器１０１〜１０３は、車速を検出する速度検出
手段、ステアリングの回転角あるいは操舵輪（前輪）の
回転角を検出して自動車４０の旋回方向を検出する旋回
方向検出手段、コンバイナ３１を通して見る車外の輝度
を測定する測光手段に相当する。これらの検出器１０１
〜１０３が出力する検出信号は、判定手段（制御手段）
１１１に入力される。判定手段１１１は、例えばＣＰ
Ｕ、マイクロコンピュータによって構成される。また、
この判定手段１１１は、初期情報メモリ１１２から初期
設定情報を読み込み、手動入力手段１１３から運転者が
手動で入力した設定情報を読み込む。
【００１４】判定手段１１１は、第１の検出器１０１を
介して検出した車速情報を、表示内容生成手段１２１に
出力する。表示内容生成手段１２１は、入力した車速情
報に基づいて表示手段１２３（表示投影器１１のバック
ライト１２、液晶パネル１３）を駆動して、表示する。
判定手段１１１は、第１の検出器１０１を介して検出し
た車速に基づいて、第１の制御手段１３１を介してフォ
ーカシング駆動手段（投影像点距離調節手段）１４１を
駆動し、投影像点距離調節レンズ群Ｌ２を移動させて連
続的に表示距離を調節し、第２の制御手段１３２を介し
て変倍駆動手段（変倍調節手段）１４２を駆動し、変倍
レンズ群Ｌ１を移動させて変倍、つまり表示像（投影
像）の見かけのサイズを調節する。
【００１５】さらに判定手段１１１は、第２の検出器１
０２が検出したステアリングの回転角信号に基づいて、
第３の制御手段３を介してのミラー駆動手段（投影方向
調節手段）１４３、すなわちミラーモータ２２を駆動
し、ミラーＭを所定角度回転させて、投影光束を左また
は右に振って表示位置の調節を行う。また、判定手段１
１１は、第３の検出器１０３（測光センサ）が検出した
車外の明るさに基づいて、表示内容生成手段１２１を介
して表示手段１２３（バックライト１２）の明るさの調
節を行う。
【００１６】以上の判定手段１１１による処理は、予め
設定され、初期情報メモリ１１２に書き込まれた初期情
報に基づいて実行され、あるいは、手動入力手段１１３
から入力された設定情報に基づいて実行される。初期設
定情報としては、表示データ、車速と表示距離、表示位
置または表示倍率との関係、旋回角と投影方向、表示の
明るさに関するものなどがある。また、手動入力手段１
１３は、これらの初期情報における初期設定情報を変更
したり、あるいは表示手段１２３、制御手段１３１〜１
４１を所定量駆動させたりするスイッチなどが含まれ
る。
【００１７】図４には、エンジン４２の駆動制御などを
実行するマイクロコンピュータ４３を備えた自動車に搭
載した実施例の概要を示す図である。マイクロコンピュ
ータ４３は、前輪４４の回転速度を速度センサ４６を介
して、あるいはエンジン４２の回転速度およびギヤ比か
ら車速を検出し、さらにステアリング（不図示）、ある
いは前輪４４の回転角を検出してパワーステアリング調
節などの調節を行い、測光センサ４７が測光した車外の
明るさに基づいてスモールランプ、ヘッドランプなど照
明手段の点灯制御を行う。そこで本実施例では、マイク
ロコンピュータ４３を、車速センサ、ステアリングの回
転角を検出するセンサおよび測光センサとして利用す
る。つまり、車載マイクロコンピュータ４３が検出した
車速、前輪４４の回転角信号および車外輝度信号を入力
し、表示手段１２３、フォーカシング駆動手段１４１、
変倍駆動手段１４２、ミラー駆動手段１４３の制御を行
うのである。
【００１８】図５には、マイクロコンピュータを搭載し
ていない自動車に搭載した実施例の概要を示す図であ
る。この自動車は、前輪４４の回転に連動して回転する
ワイヤー４８の回転速度を時速に変換するスピードメー
タ４９を備えている。そこで図示実施例のヘッドアップ
ディスプレイ１０は、ワイヤー４８の回転速度を検出し
てその回転速度を時速に変換する車速検出手段を備え、
この車速検出手段が検出した車速に基づいて、表示を制
御する。
【００１９】次に、以上の実施の形態、実施例の動作原
理、調節された表示像の様子を、図６〜図１１を参照し
て説明する。
【００２０】図６は、運転者の視野とヘッドアップディ
スプレイによる表示距離および表示サイズ（見かけの投
影像の大きさ）との関係を示す図である。同じ焦点距離
で、結像位置、すなわち表示距離を異ならせた場合を示
している。この図では、表示距離Ａが１．５m 、表示距
離Ｂが５m 、表示距離Ｃが５０m である。この図から明
らかなように、表示距離が変わっても、同じ大きさに見
える像Ａｉ、Ｂｉ、Ｃｉを見込む角度（同じ大きさに見
える表示像の視角θ）は変わらない。すなわち、眼に入
る表示像の表示距離を変えることは、単にピント位置を
変えること（フォーカシングすること）であるから、表
示距離を変えても運転者が見る表示像Ａｉ、Ｂｉ、Ｃｉ
の見かけの大きさは変わらないことが分かる。そこで本
実施の形態では、投影像点距離調節レンズ群Ｌ２を移動
させる投影像点の調節によって投影像点位置、つまり表
示距離を連続的に調節している。
【００２１】図７から図９は、投影像点距離調節レンズ
群Ｌ２を移動させることで投影像点の調節、つまり表示
距離の調節を可能とし、変倍レンズ群Ｌ１を移動させる
ことで見かけの投影像の大きさの変更、つまり表示の大
きさの調節を可能としたズーム投影レンズ１５の実施例
を説明する図である。
【００２２】図７は、変倍およびフォーカシングの態様
を示してある。同図（Ａ）、（Ｂ）は、一般的な二群ズ
ームレンズの光学系を示しており、像側の変倍レンズ群
Ｌ１を移動して変倍し、さらに眼側の投影像点距離調節
レンズ群Ｌ２を変倍レンズ群Ｌ１に連動移動させること
で焦点位置のずれを補正している。同図（Ｃ）は、投影
像点距離調節レンズ群Ｌ２のみを移動させることで投影
像点の調節を行う様子を示している。
【００２３】図８は、投影像点の調節に伴う、眼に入射
する光束の変化の様子を説明する図である。投影像点距
離調節レンズ群Ｌ２が同図（Ａ）の位置にあるときに
は、平行な投影光束が運転者の眼に入る。したがって運
転者は、眼の焦点を無限遠に合わせた状態で表示を鮮明
に見ることができる。つまり運転者は、表示が無限遠に
位置しているように見える。投影像点距離調節レンズ群
Ｌ２を変倍レンズ群Ｌ１から少し離反させると、同図
（Ｂ）に示したように投影像点距離調節レンズ群Ｌ２か
ら出射する投影光束は発散するようになるので、無限よ
りも近いある有限の距離に表示像が位置しているように
見える。投影像点距離調節レンズ群Ｌ２をさらに変倍レ
ンズ群Ｌ１から離反させると、同図（Ｃ）に示したよう
に、投影像点距離調節レンズ群Ｌ２から出射する投影光
束はさらに発散するようになり、より近距離に表示像が
位置しているように見える。
【００２４】図９は、変倍によって変化する投影光束の
状態を示す図である。変倍レンズ群Ｌ１を移動させて光
学系全体の焦点距離を変化させると、表示の像の大きさ
が変わる。図９の（Ａ）が最も焦点距離が短く、同図
（Ｂ）、（Ｃ）と焦点距離が長くなっている。この図か
らも明らかなように投影光束は、焦点距離が長くなれば
なるほど、細くなり、投影角αが小さくなっている。つ
まり、運転者が見る表示像の見かけの大きさは、同図
（Ａ）のときに最も大きく、同図（Ｂ）、（Ｃ）にした
がって小さくなり、見かけの表示像が小さくなる。
【００２５】図１０は、車速と表示距離との関係を示す
図である。運転者は、車速が遅いときには比較的近距離
を注視しているが、車速が速くなるにしたがって、注視
する距離が長くなり、遠くを注視している。つまり、車
速が遅いときには、表示距離１m 〜数m 、１０数m の近
距離であることが望ましいが、車速が速くなるにしたが
って遠くなる注視距離に合わせて表示距離も遠くするの
が望ましいことが分かる。
【００２６】そこで図示実施例では、第１検出器（速度
検出センサ）１０１によって車速を検出して、車速に基
づいて変倍駆動手段１４２を駆動して投影像点距離調節
レンズ群Ｌ２を移動させて表示像の見かけの距離（表示
距離）を、車速が速くなるにしたがって遠くなるように
調節し、また車速が遅くなれば近くになるように調節し
ている。
【００２７】図１１は、車速と表示位置、表示サイズと
の関係をグラフで示す図である。同図において、縦軸は
フロントガラス４１の助手席側の枠（左端）からの距
離、または大きさを示し、横軸は車速を示している。運
転者の視野は、車速が速くなるにしたがって狭まる。そ
こで、本実施例では、常に表示像が運転者の視野範囲内
に位置するように、車速に応じて、例えばフロントガラ
ス４１の助手席側の枠から運転者の正面位置に徐々に寄
せていく。また、制限速度を越えた場合は、警告のため
に表示像のサイズを大きくしている。
【００２８】表示像のサイズ、つまり表示像の視角は車
速が上がってもあまり大きな変化は必要ないが、車速に
応じて変化させてもよい。例えば、制限速度を越えた場
合、車速をフロントガラス４１一杯に表示させたり、赤
などの警告色に変えたり、点滅させたりして運転者に警
告する。図１１の点線は、色彩を変える速度範囲を示し
ている。
【００２９】図１２、１３、１４は、車速と表示距離、
表示位置、表示サイズとの関係を、運転者の視野５３お
よび表示像が形成され得る最大領域である表示像１１ｉ
をフロントガラス４１に重ねて説明する図である。図１
２は、時速５８Kmのときの視野５３と表示像１１ｉとの
関係を、図１３は時速１１２Kmのときの視野５３Ｆと表
示像１１ｉとの関係を、図１４は時速１３３Kmのときの
視野５３Ｆと表示像１１ｉとの関係をそれぞれ示してい
る。なお、日本国内の道路の制限速度は最高で時速１０
０Kmであるが、時速１００Km以上での走行を可能な国も
考慮して、時速１００Km以上の場合を示してある。
【００３０】時速５８Kmを標準とすると、このときの視
野５３と表示像１１ｉは右下に小さく形成されている
（図１２参照）。時速１１２Kmの高速では視野が符号５
３Ｈで示したように狭まるので、表示像１１ｉ（１１２
Km）をできるだけ運転者の視野５３Ｈの中心に近くなる
ように、視野の中心方向（図では左方向）に移動させる
（図１３参照）。そして、表示を見易くするために、表
示像のサイズを大きくしている。さらに高速になると、
図１４に示したように、視野５３Ｈがさらに狭まるの
で、表示像１１ｉ（１３３Km）をより視野５３Ｈの中心
近くに位置するように移動し、さらに警告のために表示
像１１ｉのサイズを大きくしている。この場合、表示像
１１ｉの色彩を変えたり、点滅させたりしてもよい。
【００３１】図１５は、ステアリング４５の切れ（回転
角）に応じて表示位置を移動させた様子を示す図であ
る。図示実施例は、いわゆる右ステアリング車である。
自動車が直進しているときは、表示像１１ｉを、図１２
に示す、初期位置に表示している。図１２に示した初期
位置からステアリング４５を左回転させると、その自動
車は左旋回するので、運転者の注視方向も左方向に移動
する。そこで、ステアリング４５の回転角に応じて、表
示像１１ｉを左に移動させている。ステアリング４５を
右回転させて中立位置まで戻すと、表示像１１ｉも右に
移動し、初期位置に戻る。一方、ステアリング４５を初
期位置から右回転させると、運転者の注視点（視線）も
右に移動するが、表示像１１ｉを右に移動させると、フ
ロントガラス４１から右にはみ出して一部が見えなくな
ってしまうので、ステアリング４５を中立位置から右回
転させた場合は表示は移動させていない。なお、フロン
トガラス４１からはみ出さない範囲で右に移動させても
よい。また、本実施例のヘッドアップディスプレイを、
ステアリングが車両の前方に向かって左側に配置された
いわゆる左ステアリング車に搭載した場合は、前記ステ
アリングの回転方向と表示の移動方向との関係は逆にな
ることは容易に理解できよう。
【００３２】以上の通り図示実施の形態では、搭載され
た自動車の車速に応じて表示距離を変更するので、車速
にかかわらず常に見易い状態で速度情報などを外界に重
ねて視認できる。さらに図示実施の形態では、ステアリ
ングの回転に応じて表示を横方向に移動、つまり自動車
が旋回する方向に表示を移動させるので、常に運転者が
注視する視野内に速度情報などが表示される。また、こ
の実施の形態では、外界の明るさに応じて表示の明るさ
が変わるので、外界の明るさに拘わらず表示情報を容易
に視認することができる。
【００３３】また、本発明の実施の形態では、ズーム投
影レンズ１５のレンズ群Ｌ１、Ｌ２を、例えばカム環を
有するカム機構によって独立して、あるいは連係させて
移動させることができるので、高精度に移動制御するこ
とが可能であり、しかも車速に応じて連続的に可変でき
るので、運転者に異和感を与えないで、表示距離、表示
サイズを調節できる。
【００３４】以上、図示実施の形態では、車速、ステア
リングの切れ角、外界の明るさに基づいて、表示像の距
離、見かけの大きさ、位置などを自動的に調節する構成
を示したが、本発明は、それぞれ、手動操作によって調
節する構成を付加することも、あるいは初期位置を調節
する構成を付加することもできる。手動で調節する場合
は、例えば表示距離は２段階あるいは数段階程度にして
もよい。
【００３５】また、本発明は、ミラーＭの横方向の調節
機構だけでなく、縦方向の調節機構を設けて、運転者の
眼の高さ、前後方向の位置に応じて表示像の高さを調節
することもできる。また、図示実施例ではミラーＭを揺
動させて投影方向を変えたが、表示投影器１１およびズ
ーム投影レンズ１５を一体としてミラーＭに対する方向
を変える構成も可能である。
【００３６】さらに本発明は、表示の明るさの切換え
を、自動車の前照灯（いわゆるスモールランプ、ヘッド
ランプ）のオン／オフに連動させることもできる。例え
ば、前照灯（いわゆるスモールランプ、ヘッドランプ）
がオフしているときは明るく、オンしているときには暗
くする二段階調節、または消灯、スモールランプ点灯、
ヘッドランプ点灯の順に暗くする、三段階調節する構成
としてもよい。さらに、この各段階の状態を基準とし
て、車外の明るさに応じて調節する構成としてもよい。
【００３７】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り請求項１に
記載の発明は、ヘッドアップディスプレイによる表示距
離および表示サイズを連続的に調節できるので、使用者
の好み、搭載した車両の速度、あるいは使用環境、条件
に応じて最適な表示をすることができる。例えば、車速
に応じて表示距離を変えると、運転者の注視距離と一致
または近づけることが可能になり、運転者は、外界を注
視した状態で、同時に外界に重なった表示情報をピント
が合った鮮明な状態で視認できる。請求項８記載の発明
は、車両の旋回方向に応じて、例えばステアリングの切
れ角に応じて表示像を横方向に移動させることができる
ので、運転者の注視方向に表示像が移動し、運転者は視
野のほぼ中央、あるいは見易い位置において車速などの
表示情報を視認できる。請求項１５記載の発明は、表示
の明るさ、色彩を変更できるので、使用者の好み、ある
いは使用環境、条件に応じて最適な表示をすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のヘッドアップディスプレイを乗用車に
適用した実施の形態の概要を示す図である。
【図２】同ヘッドアップディスプレイの要部を示す図で
ある。
【図３】本発明の一実施の形態であるヘッドアップディ
スプレイの回路構成をブロックで示す図である。
【図４】本発明のヘッドアップディスプレイを、エンジ
ンの駆動などを制御するマイクロコンピュータを備えた
自動車に搭載した実施例の概要を示す図である。
【図５】本発明のヘッドアップディスプレイを、マイク
ロコンピュータを搭載していない自動車に搭載した実施
例の概要を示す図である。
【図６】運転者の視野とヘッドアップディスプレイによ
る表示距離および表示サイズとの関係を示す図である。
【図７】本発明のヘッドアップディスプレイの変倍投影
光学系の一実施例における投影像点の調節および変倍動
作を示す図である。
【図８】同ヘッドアップディスプレイの変倍投影光学系
において、投影像点の調節に伴う、眼に入射する投影光
束の変化の様子を説明する図である。
【図９】同ヘッドアップディスプレイの変倍投影光学系
において、変倍によって変化する投影光束の状態を示す
図である。
【図１０】同ヘッドアップディスプレイの表示距離と車
速との関係をグラフで示す図である。
【図１１】同ヘッドアップディスプレイの表示位置、表
示サイズと速度との関係をグラフで示す図である。
【図１２】同ヘッドアップディスプレイの、時速５８Km
の場合の表示像の表示位置、表示サイズと、運転者の視
野およびフロントガラスとの相対位置関係を示す図であ
る。
【図１３】同ヘッドアップディスプレイの、時速１１２
Kmの場合の表示像の表示位置、表示サイズと、運転者の
視野およびフフロントガラスとの相対位置関係を示す図
である。
【図１４】同ヘッドアップディスプレイの、時速１３３
Kmの場合の表示像の表示位置、表示サイズと、運転者の
視野およびフフロントガラスとの相対位置関係を示す図
である。
【図１５】同ヘッドアップディスプレイにおいて、ステ
アリングの切れ（回転角）に応じて表示像の位置を横方
向に移動させる様子を示す図である。
【符号の説明】
１０ ヘッドアップディスプレイ １１ 表示投影器 １１ｉ 表示像 １２ バックライト １３ 液晶ディスプレイ １５ ズーム投影レンズ（変倍投影光学系） １６ フォーカシングフレーム １７ ズーミングフレーム ２１ 偏向装置 ２２ 軸 ２３ 減速ギヤ機構 ３１ コンバイナ（合成光学系） ４１ フロントガラス ４２ エンジン ４３ マイクロコンピュータ ４４ 前輪 ４５ ステアリング ４７ 測光センサ ５３ 視野 ５３Ｈ 高速時の視野 １０１ １０２ １０３ 検出器 １１１ 判定手段（制御手段） １１２ 初期情報メモリ １１３ 手動入力手段 １２１ 表示内容生成手段 １３１ １３２ １３３ 制御手段 Ｌ１ 変倍レンズ群 Ｌ２ 投影像点距離調節レンズ群

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 画像表示手段により形成された画像を投
    影光学系および合成光学系を介して投影するヘッドアッ
    プディスプレイにおいて、 前記投影光学系は、レンズ群の移動によって、投影像点
    距離を連続的に変更する焦点光学系および投影像の倍率
    を連続的に変更する変倍光学系を含み、さらに、 前記焦点光学系を駆動して投影像点までの距離を調節す
    る像点距離調節手段、および前記変倍光学系を駆動して
    見かけの投影像の大きさを変える倍率調節手段を備えて
    いること、を特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  2. 【請求項２】 画像表示手段により形成された画像を投
    影光学系および合成光学系を介して投影するヘッドアッ
    プディスプレイにおいて、 前記投影光学系による前記合成光学系への投影方向を変
    えて表示位置を移動させる投影方向調節手段を備えてい
    ること、を特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  3. 【請求項３】 画像表示手段により形成された画像を投
    影光学系および合成光学系を介して投影するヘッドアッ
    プディスプレイにおいて、 前記画像表示手段の表示の明るさおよび色の双方または
    一方を変える表示調節手段を備えていること、を特徴と
    するヘッドアップディスプレイ。
  4. 【請求項４】 画像表示手段により形成された画像を投
    影光学系、反射光学系および合成光学系を介して投影す
    るヘッドアップディスプレイにおいて、 前記投影光学系は、レンズ群の移動によって、投影像点
    距離を連続的に変更する焦点光学系および投影像の倍率
    を連続的に変更する変倍光学系を含み、さらに、前記焦
    点光学系を駆動して投影像点までの距離を調節する像点
    距離調節手段、および前記変倍光学系を駆動して見かけ
    の投影像の大きさを変える倍率調節手段を備え、 前記反射光学系は、前記投影光学系から出射した光束を
    前記合成光学系に向けて偏向するミラー、およびこのミ
    ラーを揺動させて投影方向を変える投影方向調節手段を
    備えていること、を特徴とするヘッドアップディスプレ
    イ。
  5. 【請求項５】 画像表示手段により形成された画像を投
    影光学系、反射光学系および合成光学系を介して投影す
    るヘッドアップディスプレイにおいて、 前記投影光学系は、レンズ群の移動によって、投影像点
    距離を連続的に変更する焦点光学系および投影像の倍率
    を連続的に変更する変倍光学系と、前記焦点光学系を駆
    動して投影像点までの距離を調節する像点距離調節手
    段、および前記変倍光学系を駆動して見かけの投影像の
    大きさを変える倍率調節手段とを備え、 前記反射光学系は、前記投影光学系から出射した光束を
    前記合成光学系に向けて偏向するミラー、およびこのミ
    ラーを揺動させて投影方向を変える投影方向調節手段を
    備え、さらに、前記画像表示手段の表示の明るさおよび
    色の双方または一方を変える表示調節手段を備えている
    こと、を特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  6. 【請求項６】 前記像点距離調節手段は、外部操作手段
    を有し、この外部操作手段の操作を受けて投影像点距離
    を調節する請求項１、４および５のいずれか一項に記載
    のヘッドアップディスプレイ。
  7. 【請求項７】 前記ヘッドアップディスプレイは、搭載
    された車両の移動速度を検出する速度検出手段を備え、
    前記像点距離調節手段は、この速度検出手段が検出した
    速度に応じて予め設定された距離に投影像点を調節する
    請求項１、４および５のいずれか一項に記載のヘッドア
    ップディスプレイ。
  8. 【請求項８】 前記予め設定された投影像点距離は、搭
    載された車両の速度が速くなるにしたがって、表示距離
    が長くなるように設定されている請求項７に記載のヘッ
    ドアップディスプレイ。
  9. 【請求項９】 前記変倍調節手段は、外部操作を受けて
    見かけの投影像の大きさを調節する外部操作手段を備え
    ている請求項１、４および５のいずれか一項に記載のヘ
    ッドアップディスプレイ。
  10. 【請求項１０】 前記ヘッドアップディスプレイは、搭
    載された車両の移動速度を検出する速度検出手段を備
    え、前記変倍調節手段は、前記速度検出手段が検出した
    速度に応じて、見かけの投影像の大きさを予め設定され
    た大きさに調節する請求項１、４および５のいずれか一
    項に記載のヘッドアップディスプレイ。
  11. 【請求項１１】 前記予め設定された見かけの投影像の
    大きさは、搭載された車両の速度が所定速度以下のとき
    はほぼ一定の見かけの投影像の大きさを維持し、所定速
    度を超えたときには見かけの投影像の大きさを拡大する
    請求項１０に記載のヘッドアップディスプレイ。
  12. 【請求項１２】 前記投影方向調節手段は、外部操作を
    受けて、前記投影光学系の投影方向を調節する外部操作
    手段を備えた請求項２、４および５のいずれか一項に記
    載のヘッドアップディスプレイ。
  13. 【請求項１３】 前記ヘッドアップディスプレイは、搭
    載された車両の移動速度を検出する速度検出手段を備
    え、前記投影方向調節手段は、この速度検出手段が検出
    した速度に応じて予め設定された表示位置に投影方向を
    調節する請求項１、４および５のいずれか一項に記載の
    ヘッドアップディスプレイ。
  14. 【請求項１４】 前記ヘッドアップディスプレイは、搭
    載された車両の旋回方向を検出する旋回方向検出手段を
    備え、前記投影方向調節手段は、この旋回方向検出手段
    が検出した旋回方向に投影方向を変える請求項１、４、
    ５、１２および１３のいずれか一項に記載のヘッドアッ
    プディスプレイ。
  15. 【請求項１５】 前記旋回方向検出手段は、搭載された
    車両のステアリングまたは前輪の回転角を検出する回転
    角検出手段を備え、この回転角検出手段が検出した回転
    角に応じて表示位置を移動させる請求項１、４、５、１
    ２および１３のいずれか一項に記載のヘッドアップディ
    スプレイ。
  16. 【請求項１６】 前記投影方向調節手段は、前記車両を
    旋回方向を設定するステアリングが車両進行方向に向か
    って右側に搭載されているときには、この車両が左方向
    に旋回するときには前記投影方向を旋回方向に移動させ
    るが、車両が右方向に旋回するときには移動させない請
    求項１４または１５に記載のヘッドアップディスプレ
    イ。
  17. 【請求項１７】 前記投影方向調節手段は、前記車両の
    旋回方向を設定するステアリングが車両進行方向に向か
    って左側に搭載されているときには、この車両が右方向
    に旋回するときには前記投影方向を旋回方向に移動させ
    るが、車両が左方向に旋回するときには移動させない請
    求項１４または１５に記載のヘッドアップディスプレ
    イ。
  18. 【請求項１８】 前記表示調節手段は、外部操作を受け
    て表示の明るさを調節する外部操作手段を備えた請求項
    ３または５に記載のヘッドアップディスプレイ。
  19. 【請求項１９】 前記ヘッドアップディスプレイは、前
    記合成光学系によって前記表示像と合成される外界の輝
    度を測定する測光手段を備え、前記表示調節手段は、前
    記測光手段の測光結果に基づいて前記画像表示手段の明
    るさを調節する請求項３、５および１８のいずれか一項
    に記載のヘッドアップディスプレイ。
  20. 【請求項２０】 前記ヘッドアップディスプレイは、搭
    載された車両の移動速度を検出する速度検出手段を備
    え、前記表示調節手段は、前記速度検出手段が所定速度
    を越えたことを検出したときには、前記投影色を変える
    請求項３、５、１８および１９のいずれか一項に記載の
    ヘッドアップディスプレイ。
  21. 【請求項２１】 画像表示手段は、搭載された車両の前
    照灯がオフしているときは明るく、オンしているときは
    暗く投影する請求項３、５、１８、１９および２０のい
    ずれか一項に記載のヘッドアップディスプレイ。
  22. 【請求項２２】 前記ヘッドアップディスプレイは自動
    車に搭載され、搭載された自動車の走行条件に基づいて
    前記像点距離調節手段、変倍調節手段および投影方向調
    節手段を動作させる制御手段を備えた請求項１、２、４
    から２１のいずれか一項に記載のヘッドアップディスプ
    レイ。
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