JPH07285358A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示の拡大縮小を行ない得る車両用表示装置
の開発。 【構成】 表示器と、この表示器による表示像を虚像表
示させる凹面鏡と、この凹面鏡を光軸に対して平行方向
へ移動させるための移動機構を具備せしめた。 【効果】 特に高速運転時において運転に必要とする情
報の視認性が向上し、運転の安全性も高められる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車に設備されて、
車速、エンジン回転数及びその他の情報を例えば液晶表
示器を使用して表示する車両用表示装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の車両用表示装置として
は、図１、図２に示す如き構造のものがある。

【０００３】つまり１は表示画面設備部２を有するイン
ストルメントパネルであって、この表示画面設置部２内
には、例えば車速、エンジン回転等表示目盛、水温表
示、燃料量表示等を表示する表示器３と、この表示器３
による表示情報を反射変向させるハーフミラー４と、こ
のハーフミラー４により反射された反射像を、運転者の
アイポイント方向へ拡大表示せしめるための凹面鏡５を
有する拡大光学系６とを有し、上記表示器３による表示
を、ハーフミラー４に次いで拡大光学系６に反射せし
め、その拡大光学系により拡大表示される表示虚像７
が、運転者によって目視確認されるように構成されてい
る。なお８は透明なるフロントカバーを示す。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな車両用表示装置にあっては、表示器３による表示が
ハーフミラー４に反射表示されるものであるが、その表
示像（虚像）７は、運転者によって、表示窓９を透す前
方で例えば図２に示すように、自動車を運転走行するに
必要とする各情報、例えば車速表示１２Ａ、エンジン回
転数表示１２Ｂ、温度表示１２Ｃ、燃料表示１２Ｄ及び
ラジオチャンネル、エアコン、バッテリー、ドアの開
閉、ヘッドランプ、シフトレンヂ、トリップメータ等の
モニター情報表示１２Ｅが表示される。

【０００５】このような表示１２Ａ〜１２Ｅは、前にも
述べているように自動車を運転する上で必要とする各情
報であるが、特に上記のモニター情報表示１２Ｅにあっ
ては、自動車の走行時に常に表示させなければならない
表示でなく、例えば高速道路上での高速運転時にあって
は、上記モニター情報の必要性は小さく、むしろ、車速
表示１２Ａ、エンジン回転数表示１２Ｂ、温度表示１２
Ｃ、燃料表示１２Ｄについての必要性が大となる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、かかることに
鑑みてなされたもので、運転走行に必要とする各種表示
を行なう表示器と、この表示器による表示を運転者方向
へ反射表示せしめる凹面鏡を設けると共に、この凹面鏡
を運転者に対して前後方向へ移動可能に設けて、その凹
面鏡を前後動せしめることにより、前記表示器による表
示像の全部又は一部を拡大表示することができるように
して、例えば一般道路の走行時には、表示器による表示
種別の全部を表示せしめ、また高速道路における高速運
転時には、モニター表示を除く例えば車速表示、エンジ
ン回転数表示、温度表示、燃料表示の各表示を表示画面
一ぱいに拡大表示せしめて、必要とする表示の視認性を
高めることができる車両用表示装置を提供することにあ
る。

【０００７】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。

【０００８】図３乃至図５において、図３は、自動車の
運転席前方に設けられている表示面２１を示す。２２は
例えばセグメント表示又は／及びドットマトリックス表
示等による自発光性の透過型液晶表示パネル等からなる
表示器であって、この表示器２２による表示は、ハーフ
ミラー２３により凹面鏡２４へ反射され、この凹面鏡２
４による反射像が拡大虚像２５となって、運転者のアイ
ポイント（Ｐ）により前記の表示面２１で目視できるも
のである。

【０００９】上記表示器２２による表示は、図２で示し
た表示パターンと同一の表示パターンで表示されるもの
とする。

【００１０】本実施例で重要なことは、上記凹面鏡２４
が運転者に対して前後方向へ移動可能に設けられている
ことである。

【００１１】以下この凹面鏡２４の移動機構を図６に基
いて説明する。２６は底板２７、左右の両側板２８及び
平面弧状の天板２９とからなる凹面鏡支持枠であって、
その底板２７には表示情報透過窓３０が形成され、底板
２７両側板２８及び天板２９には、運転者の前後方向と
平行であるそれぞれのガイド体３１が固定されている。
凹面鏡２４の各辺縁には、上記の各ガイド体３１と対設
されかつ運転者の前後方向と平行に延びるスライド杆３
２が突設されており、このスライド杆３２がベアリング
３３を介して前記のガイド体３１に摺動可能に案内され
ているものである。３４は前記の側板２８に保持されて
いるモータであって、このモータ３４の駆動ギヤ３５
は、スライド杆３２に形成されているラックギヤ３６に
噛合され、モータ３４が正転方向又は逆転方向に駆動さ
れることにより、凹面鏡２４は運転者方向へ前進又は後
退できるものである。

【００１２】以上が本実施例の構成であるが、次にその
作用について述べると、表示器２２から表示される例え
ば図２に示す如き表示像は、ハーフミラー２３により反
射された後、凹面鏡２４で反射し、この凹面鏡による拡
大反射像が運転者前方の表示面２１の表示枠内で虚像表
示されるものである。

【００１３】通常、一般道路における運転走行時には凹
面鏡２４を、図６で示すように前方へ移動させておくこ
とにより、表示の拡大率が小となって図２で示すような
表示器２２による表示の全域を虚像表示させることがで
きるが、今、高速道路上での高速走行となったときは、
上記表示によるモニター情報表示１２Ｅよりも車速表示
１２Ａ、エンジン回転数表示１２Ｂ、温度表示１２Ｃ、
燃料表示１２Ｄ等の確認が重要視されるために、このと
きは、モータ３４を駆動して凹面鏡をハーフミラー２３
より遠ざける方向、すなわち運転者に対して遠ざかる方
向へ移動するとハーフミラー２３から受ける反射像は運
転者のアイポイント（Ｐ）点から視て拡大される。拡大
表示情報の上記表示１２Ａ〜１２Ｄが表示面２１の枠内
で表示されるように拡大して、モニター情報表示１２Ｅ
が表示面２１の枠外に出されるようにすれば、図７に示
すように要求する表示１２Ａ〜１２Ｄの拡大表示のみが
表示面から視ることができ、特に高速運転時の視認性と
運転の安全性が高められるものである。

【００１４】なお上記実施例では、移動可能である凹面
鏡を運転者の位置に対してハーフミラー２３の後方に配
設したものであるが、例えばそのハーフミラー２３の後
方に移動可能である凹面鏡を設備するスペースがないよ
うな場合には、例えば図８に示すように、その凹面鏡２
４’を、ハーフミラー２３の上部に配置して、この凹面
鏡２４’を上下方向に移動可能に設備するようにしても
よい。この場合、表示器２２による表示像がハーフミラ
ー２３を透して凹面鏡２４’により拡大表示される第１
表示虚像２５’を得、この第１表示虚像がハーフミラー
２３で反射屈折されることで目視すべき第２表示虚像２
５”が前記実施例と同様に表示面２１内で表示されるも
のである。

【００１５】

【発明の効果】このように本発明は、運転走行に必要と
する各種表示を行なう表示器２２と、この表示器２２に
よる表示を、運転者前方に設けられている表示面２１に
虚像表示せしめるための凹面鏡２４と、この凹面鏡をそ
の光軸に対して平行方向へ移動させるための移動機構３
４，３５，３６を備えている車両用表示装置であるか
ら、これによれば上記凹面鏡の動作で表示器による表示
の全部又はその一部を拡大表示させることができ、特に
高速路上における高速運転時の表示の視認性と、運転の
安全性が高められるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の車両用表示装置を示した構造説明図。

【図２】車両表示態様を示した説明図。

【図３】本発明実施例の表示面を示した説明図。

【図４】本発明実施例の表示装置の全体側面構造説明
図。

【図５】本発明実施例の表示装置の全体平面構造説明
図。

【図６】本発明実施例による凹面鏡移動機構説明図。

【図７】本発明実施例による表示例説明図。

【図８】本発明第２実施例の表示装置を示した側面構造
説明図。

【符号の説明】

１２１…表示面 ２２…表示器 ２３…ハーフミラー ２４…凹面鏡 ２５…虚像 ２６…凹面鏡支持枠 ２７…底板 ２８…側板 ２９…天板 ３０…表示情報透過
窓 ３１…ガイド体 ３２…スライド杆 ３３…ベアリング ３４…モータ ３５…駆動ギヤ ３６…ラックギヤ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 運転走行に必要とする各種表示を行なう
   表示器（２２）と、この表示器（２２）による表示を、
   運転者前方に設けられている表示面（２１）に虚像表示
   せしめるための凹面鏡（２４）と、この凹面鏡をその光
   軸に対して平行方向へ移動させるための移動機構（３
   ４，３５，３６）を備えていることを特徴とする車両用
   表示装置。