JP2021187429A - 車載表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者の目における焦点調節が容易で視認性の良好な表示を実現すると共に、形状や構造の複雑化を避け、且つ表示領域全体の有効活用を可能にすること。【解決手段】車両用のコンビネーションメータ装置などに用いる単一の表示デバイス12の表示面に、上側表示領域と下側表示領域とを設け、前記下側表示領域に表示した実像の光像を反射部材13で反射して前記上側表示領域に重なる状態で投射して、虚像17と実像の一部分を同じ領域に同時に重ねて表示する。前記下側表示領域をステアリングホイール23などの構造物の死角になる場所に配置することで、死角の空間を表示のために有効活用できる。反射部材13の傾斜角度を調整可能にして、視点EP位置の変化に対しても実像の領域と虚像の領域との位置合わせを実現する。運転者の視線移動に伴う目の焦点調節の負担が軽減され視認性が改善される。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両のインパネ部などに設置可能な車載表示装置に関する。
自動車などの車両において、運転者前方のインストルメントパネルの箇所、すなわちインパネ部には、一般的にスピードメータ、タコメータ、燃料計などの計器類がメータ装置として設置される。また、近年では液晶表示パネルなどの表示装置を用いて計器類を表示する場合が多い。また、例えばカーナビゲーション装置などの表示装置が設置される場合も多い。
安全性などの観点から、上記のようなメータ装置には高い視認性が要求される。しかし、直射日光などの外来光が入射するとメータ装置における表示の視認性が大幅に低下する。また逆に、メータ装置の表面で反射した光が前方のウインドシールドに映り込み、運転視界の妨げになる可能性もある。そのため、通常はメータ装置の上方に外来光等を遮光するためのフードが設置され、メータ装置の前面に直接光として照度の高い外来光が入射しないように構成される。
しかし、フードを設置すると、メータ装置の近傍における意匠上の制約が大きくなるため、メータ装置用のフードを廃止することも試みられている。但し、フードを廃止した場合にも視認性の低下やウインドシールドへの映り込みを十分に防止する必要がある。そこで、運転者側により近い位置にメータ装置の設置位置を移動して、直射日光等の外来光がメータ装置の表示面に入射するのを防止することが考えられている。
しかしながら、メータ装置を運転者に近づけた場合には、メータ装置の表示を視認するための運転者の目の焦点距離調節が難しくなる。すなわち、運転者は通常は前方視界の遠方に焦点を合わせた状態で車両を運転しているが、近距離にあるメータ装置の表示を視認するためには視線を移動する必要があり、同時に目の焦点距離を短い距離まで素早く調節しないと表示内容を視認できない。
特許文献1の車両メータ装置は、視覚表現に自由度のあるメータ表示を、メータパネル全体まで大きく表示し、かつ装置の奥行きを薄型にしてレイアウト性を向上するようになっている。具体的には、車両状態を画像によりメータ表示する車両メータ装置1において、表示を液晶画像の実像により行う中央表示器2と、実像の周辺で分割された虚像の表示を行う上部表示器3、左側表示器4、右側表示器5、ミラー6,7,8とを備え、中央表示器2による実像2aと、上部表示器3、左側表示器4、右側表示器5、ミラー6,7,8による虚像3b,4b,5bを重ねて表示する。また、実際には図8、図9に示されているように、各虚像3b,4b,5bは実像2aと重ならずその領域の外側に隣接する各領域の位置に表示される。
特許文献2の液晶メータ装置は、視覚表現に自由度のあるメータ表示を、メータパネル全体まで大きく表示でき、かつ装置の奥行きを薄型にしてレイアウト性を向上するようになっている。具体的には、車両状態を画像によりメータ表示する車両メータ装置1において、表示2aを液晶画像の実像により行う正面表示器2と、正面表示器2の背面で液晶画像の表示を行う背面表示器3と、背面表示器3の表示を前方に向かって反射させ虚像による表示を行う上部ミラー5とを備える。また、背面表示器3の虚像表示を分割して実像表示の周辺で行い、実像表示と虚像表示の一部を重ねることが示されている。
また、特許文献3の「A vehicular display module」は、ヘッドアップディスプレイ(
HUD)とヘッドダウンディスプレイ(HDD)とを組み合わせた表示システムを示している。
特開2007−51919号公報 特開2007−57350号公報 欧州特許出願公開第3012680号明細書
上述のように、外来光の影響を避けるため車両のメータ装置などを運転者の位置に近づけて配置するような場合には、運転者の目の焦点調節の負担が大きくなり、視認性の低下が懸念される。このような焦点距離の問題を解消しようとする場合、ヘッドアップディスプレイを利用して運転者の視点位置から表示される虚像までの距離を大きくすることが考えられる。また、様々な情報の同時表示を可能にするために、特許文献1〜特許文献3に示されているように、実像を表示するディスプレイと、虚像を表示するディスプレイとを組み合わせることも想定される。
しかしながら、実像用のディスプレイと虚像用のディスプレイとをそれぞれ用意しなければならず、表示システムを構成する部品コストの増大は避けられない。更に、複数のディスプレイをそれぞれ配置するために、比較的大きな空間を車両上インパネ部やダッシュボードの内部に確保しなければならない。
また、例えばコンビネーションメータの場合には、1つのディスプレイの画面上に複数の計器を同時に表示する必要があり、その画面は比較的大きい表示面積を必要とする。しかし、運転者とメータ装置との間に存在する円形のステアリングホイール等の車載構造物が運転者の視界を遮る可能性があるため、メータ装置の画面の一部分について表示内容が視認できない状態になる可能性がある。したがって、画面の面積が大きいディスプレイを採用する場合でも、画面の全体が運転者から同時に視認できるように構成するためには、ステアリングホイール等の形状に合わせて工夫した、特殊な形状のディスプレイが必要になる。しかし、特殊な形状のディスプレイは部品が高価になるのは避けられない。また、画面上の領域のうち、運転者が視認しにくい箇所、すなわちステアリングホイール等の影響で死角になる箇所を表示に利用しない場合には、その表示領域が無駄になってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転者の目における焦点調節が容易で視認性の良好な表示を実現すると共に、形状や構造の複雑化を避け、且つ表示領域全体の有効活用が可能な車載表示装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る車載表示装置は、下記(1)〜(7)を特徴としている。
(1) 運転者の視点位置から視認可能な位置に配置可能な車載表示装置であって、
所望の可視情報を実像として表示可能な表示面を有するディスプレイと、
前記ディスプレイにおける前記表示面の一部分に形成された第1表示領域と、
前記ディスプレイにおける前記表示面の一部分且つ前記第1表示領域と異なる位置に形成された第2表示領域と、
前記第2表示領域に実像として表示された光像を反射する反射面を有し、前記反射面で反射した光像を、前記視点位置から視て前記第1表示領域に表示された実像と位置が重なる状態の虚像として投影する虚像重畳機構と、
を備える車載表示装置。
(2) 前記第2表示領域は、前記視点位置から前記表示面を視た場合に自車両のステアリングホイールの後方に隠れる状態の死角位置に割り当てられ、
前記第1表示領域は、前記視点位置から前記表示面を視た場合に前記ステアリングホイールの影響を受けずに視認可能な位置に割り当てられる、
上記(1)に記載の車載表示装置。
(3) 前記虚像重畳機構は、前記反射面の向きを調整して前記虚像の投影位置を調整する可動機構を有する、
上記(1)に記載の車載表示装置。
(4) 前記表示面は、透明な材料で構成される光反射部材を有する、
上記(1)に記載の車載表示装置。
(5) 前記ディスプレイは、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の全体を背面側から照明するバックライトを有する、
上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の車載表示装置。
(6) 前記ディスプレイから前記視点位置側に離隔した位置に、前記虚像重畳機構からの光像を前記視点位置の方向に反射し、前記実像を透過する光反射部材が設置され、
前記光反射部材は、投影される虚像の投影範囲が、前記第1表示領域と重なる重複領域および当該第1表示領域より上側に位置する拡張領域を含む高さを有する、
上記(1)に記載の車載表示装置。
(7) 前記光反射部材は、前記第2表示領域から前記虚像重畳機構への光路にかからない位置に配置されている、
上記(6)に記載の車載表示装置。
上記(1)の構成の車載表示装置によれば、第1表示領域を利用して、実像と虚像とを重ねた状態で同時に表示することが可能になる。虚像は、反射して投影されるので実像よりも光路長が長くなる。つまり、虚像は実像に比べて焦点距離が遠いので、車載表示装置の設置位置が運転者に近い場合でも運転者は僅かな焦点調節だけで虚像を視認することが可能であり、視認性が改善される。しかも、第2表示領域の実像に基づいて虚像を形成するので、ディスプレイの表示面全体を有効に活用できる。また、単一のディスプレイだけで実像と虚像の両方を形成できるので、部品コストの削減や設置に必要な空間の削減が容易になる。
上記(2)の構成の車載表示装置によれば、運転者と車載表示装置との間に配置されるステアリングホイールの存在によって生じる死角になる場所についても、表示のための空間として有効活用できる。すなわち、第2表示領域に表示される実像の代わりに、運転者はその虚像を第1表示領域で視認できるので、第2表示領域の実像を視認する必要はないが、第2表示領域に表示される実像も虚像を形成するために有効活用できる。
上記(3)の構成の車載表示装置によれば、運転者が着座するシートの位置及び姿勢の違いや、運転者自身の体型や姿勢の違いの影響で虚像の表示位置がずれる場合でも、その表示位置を前記第1表示領域に合わせることが容易になる。
上記(4)の構成の車載表示装置によれば、表示面における光反射特性が十分でない場合でも、光反射部材の光学特性により視認するのに十分な輝度を有する虚像を形成することが容易になる。
上記(5)の構成の車載表示装置によれば、1つのバックライトの照明だけで、第1表示領域及び第2表示領域の実像と、第1表示領域の虚像とをそれぞれ形成することができる。したがって、必要な部品点数を削減でき、部品コスト及び設置に必要な空間を削減することが容易になる。
上記(6)の構成の車載表示装置によれば、拡張領域を利用して虚像を投影できるので、前記ディスプレイの画面高さに比べてより広い範囲を表示領域として利用できる。これにより、虚像として表示するコンテンツを大きく視認しやすい状態で表示できる。また、上側に虚像を表示して下側に実像を表示し、それらを部分的に重ねることもできるので、より奥行き感のある表示が可能になる。
上記(7)の構成の車載表示装置によれば、第2表示領域に表示される実像の一部は、光反射部材を透過することにより減衰することなく運転者に虚像として視認させることができるので、運転者は虚像を明確に視認することが可能になる。
本発明の車載表示装置によれば、焦点距離の遠い虚像を利用できるので、運転者の目における焦点調節が容易で視認性の良好な表示を実現できる。しかも、形状や構造の複雑化を避け、且つ表示領域全体の有効活用が可能になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、車両に搭載された実施形態に係る車載表示装置を車両の側方から視た状態を示す縦断面図である。 図2は、運転者の視点側から車載表示装置を視た状態の例を示す正面図である。 図3は、変形例−1の車載表示装置を運転者の視点側から視た状態の例を示す正面図である。 図4は、図2中のA−A’線の断面を視た状態を示す表示デバイスの断面図である。 図5は、図2の車載表示装置における画面表示レイアウトの例を示す正面図である。 図6は、図3の車載表示装置における画面表示レイアウトの例を示す正面図である。 図7は、車載表示装置のシステム構成例を示すブロック図である。 図8は、変形例−2の車載表示装置を運転者の視点側から視た状態の例を示す正面図である。 図9は、車載表示装置の表示面において運転者から視認可能な範囲および死角になる範囲を示す正面図である。 図10は、変形例の車載表示装置を車両の側方から視た状態を示す縦断面図である。 図11は、変形例の車載表示装置を車両の側方から視た状態を示す縦断面図である。 図12は、図11の車載表示装置を運転者の視点側から視た状態の例を示す正面図である。 図13は、図11の車載表示装置における画面表示レイアウトの例を示す正面図である。 図14は、変形例の車載表示装置およびその周囲を車両の上方から視た上面図である。 図15は、変形例の車載表示装置を車両の側方から視た状態を示す縦断面図である。 図16(a)は、マスクが設置された状態の表示デバイスを運転者の視点側から視た正面図であり、図16(b)は、さらにコンバイナが設置された状態の表示デバイスを運転者の視点側から視た正面図である。 図17は、コンバイナの構成例を示す縦断面図である。 図18は、グレアトラップレンズの構成例を示す縦断面図である。 図19は、変形例−3の車載表示装置を車両の側方から視た状態を示す縦断面図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<構成例−1>
車両に搭載された本実施形態に係る車載表示装置10を車両の左側方から視た状態を図1に示す。また、運転者の視点EP側から車載表示装置10を視た状態の例を図2に示す。
<側方から視た物理的な構成>
図1に示した車載表示装置10は様々な計器類を表示可能なコンビネーションメータ装置である。したがって、図1のようにこの車載表示装置10はダッシュボード22の手前側のインパネ部に設置されている。すなわち、この車両の運転席に着座した運転者の前方にあるインパネ部に車載表示装置10が配置されている。
また、この運転者の視点EPと車載表示装置10との間にステアリングホイール23が存在する。但し、図1中に示した光路15cはステアリングホイール23よりも上側を通るので、運転者が光路15cに相当する方向に視線を向けている場合には、車載表示装置10の表示を視認することができる。
また、図1の車載表示装置10においては上方からの外来光を遮るためのフードが存在しない。したがって、車載表示装置10の表示は、その上方にあるウインドシールド(窓ガラス)21を透過して入射した直射日光等の外来光の影響を受けやすく、表示の視認性が低下しやすい。また、運転者の視界に入るウインドシールドへの夜間の映り込みを減らすためには、車載表示装置10を運転者に近い位置に配置する必要がある。
しかし、車載表示装置10の設置位置を運転者に近づけると、運転者は自分により近い距離にある表示を視認しなければならず、目の焦点調節がしにくくなる。つまり、通常の運転状態では運転者は前方視界における比較的遠方にある前景を視認しているが、その状態から距離が近い位置の車載表示装置10の方向に視線を移動した場合に、目の焦点を大きく調節しないと車載表示装置10の表示を視認できない。そのため、焦点距離に起因する視認性の低下を防止するための機能が車載表示装置10に備わっている。
具体的には、車載表示装置10は一般的なヘッドアップディスプレイ(HUD)と同様に、計器の情報を虚像17として表示することができる。更に、車載表示装置10は虚像17と実像とを同じ領域に重ねた状態で表示することができる。虚像17は図1のように光路15cの延長線上にあり、視点EPから視て車載表示装置10よりも遠方に存在するように結像されるので、運転者は運転中に虚像17に目の焦点を合わせやすく車載表示装置10上の実像よりも視認が容易である。
図1に示すように、車載表示装置10の装置筐体11内に、表示デバイス12、反射部材13、及びステッピングモータ14が収容されている。表示デバイス12は、平板状のフルカラーTFT液晶ディスプレイであり、照明用のバックライトを備えている。また、表示デバイス12は視点EP側の画面全体に様々な可視情報を実像として表示することができる。但し、後述するように表示デバイス12の画面は上下2つの領域に制御上区分され、領域毎に個別に管理されている。
反射部材13はステッピングモータ14を含む支持機構で装置筐体11内に支持されており、図1中の紙面に対して垂直な方向、すなわち車体の左右方向に向いた回転軸を中心として時計回り及び反時計回りの方向に傾斜角度を調整できる可動構造になっている。ステッピングモータ14を駆動することにより、反射部材13の傾斜角度を必要に応じて変更できる。
反射部材13は表示デバイス12における表示画面から分離した下側領域の正面に配置されているので、この下側領域に表示された実像の光が、光路15aを通って反射部材13の面に入射する。そして、反射部材13の面に入射した光は光路15bの方向に反射する。光路15bを通り反射部材13から表示デバイス12に向かった光は、表示デバイス12の前面の反射面16で反射し、光路15cを通り視点EPの方向に向かう。
つまり、表示デバイス12の下側領域に表示された実像により出射される光は、反射部材13及び反射面16でそれぞれ反射して視点EPに向かうので、この光像は視点EPから視ると反射面16よりも前方にある虚像17の位置に存在するかのように視認される。したがって、運転者は目の焦点を近い位置に合わせなくても虚像17を容易に視認することができる。
なお、反射部材13については、平面状のミラーでも良いし、拡大鏡であってもよい。反射部材13を拡大鏡とする場合には、下側表示領域12bと比べて大きいサイズで虚像を投影することが可能である。
また、図1に示すように表示デバイス12の下側領域の手前側(視点EPに近い側)に遮光性の前面カバー25が設置されている。したがって、運転者が視点EPを通常よりも少し上側に移動してステアリングホイール23の上から覗き込もうとしても、表示デバイス12の下側領域に表示された実像は前面カバー25の内側に隠れて見えなくなるように構成されている。
<正面から視た構成>
図2に示すように、横長の形状を有する車載表示装置10の略中央部に表示デバイス12の表示画面が配置されている。また、表示デバイス12の表示画面は正方形に近い形状であり、上下方向に分割された上側表示領域12a及び下側表示領域12bにより構成されている。
表示デバイス12は装置筐体11の内部に収容されているが、上側表示領域12aは装置筐体11の開口部を通して図1に示した視点EPの位置から視認することができる。また、下側表示領域12bの手前側(運転者に近い側)にステアリングホイール23が存在しているので、下側表示領域12bは死角となる位置にあり通常の視点EPの位置からは視認できない。
車載表示装置10は、表示デバイス12の上側表示領域12aに所望の可視情報を実像18として表示することができ、下側表示領域12bにも別の可視情報を実像19として表示することができる。但し、実像19はステアリングホイール23の死角になる場所に表示されるので視点EPの位置からは見えない。
図2の例では、実像18として表示される可視情報は、ADAS機能のLKAやACCなどの作動状態や背景画像などを含んでいる。また実像19として表示される可視情報は、現在の車速が50km/hであることを表すパターン、自車両が前方の交差点で左折予定であることを表すターンバイターンなどの矢印パターン、その他の装置の作動状態などの情報を含んでいる。実像18及び19の各可視情報は、自車両に搭載されている様々なセンサなどの出力に得られる信号に基づき、現在の状況を表す情報として車載表示装置10の内部で生成することができる。
また、図2に示したように下側表示領域12b中に表示されている実像19と同一の内容が、上側表示領域12aの中に虚像17として表示されている。つまり同じ上側表示領域12aの中に、実像18と虚像17とが重なった状態で表示されている。
上側表示領域12a中に表示される虚像17は、下側表示領域12b中に表示されている実像19の光を、図1中に示した反射部材13及び反射面16でそれぞれ反射した結果として光路15a、15b、15cを通り視点EPまで届く光像である。したがって、虚像17は反射面16よりも遠い場所に存在するかのように運転者に視認される。また、下側表示領域12b内の実像19は死角にあるため運転者からは見えないが、虚像17は上側表示領域12a内に配置されるので実像18と共に視点EPの位置で運転者から視認できる。そのため、死角の位置にある表示デバイス12の下側表示領域12bを有効に活用できる。
なお、車載表示装置10上の表示デバイス12以外の領域には、例えば様々な警報を出力するための複数のインジケータを個別に配置したり、表示デバイス内に表示できない計器類を必要に応じて配置することが想定される。
<画面構成の変形例−1>
変形例の車載表示装置10Aを運転者の視点EP側から視た状態の例を図3に示す。
図3に示すように、車載表示装置10Aが搭載する表示デバイス12Aは、図2中の表示デバイス12よりも外形が大型であり、且つ横長の画面形状を有している。また、図3に示した下側表示領域12bは、表示デバイス12の画面の下側に配置されており上側表示領域12aよりも横幅が狭く、横長の形状を有している。
つまり、下側表示領域12bは通常の運転者の視点EPから視た場合に、ステアリングホイール23の死角になる領域と略一致するように割り当てられる。また、表示デバイス12Aの上側表示領域12aは、画面全体のうち下側表示領域12b以外の領域、すなわちステアリングホイール23の死角にならず実像を運転者が視点EPから直接視認可能な領域に割り当てられる。また、メータ外装構造を簡単な構成にする場合、表示デバイスの下段側全てを符号12bで表される領域として使用してもよい。
<表示デバイスの構成>
図2中のA−A’線の断面を視た状態における表示デバイス12の断面構造を図4に示す。図4中に示した正面側視認方向35は、視点EP側から運転者が表示デバイス12の画面を視認する方向を表している。
図4に示した表示デバイス12は、液晶表示パネル31、バックライト32、カバーガラス33、及び光学透明接着剤34により構成されている。光学透明接着剤34は、OCR(Optical Clear Resin)やOCA(Optical Clear Adhesive)である。
図4中において液晶表示パネル31の右端側が表示画面である。そして、液晶表示パネル31の背面側にバックライト32が取り付けてある。また、鮮明な虚像17を形成するために必要な光反射特性を実現するために、液晶表示パネル31の右端側にカバーガラス33が配置されている。このカバーガラス33の表面が反射面16になる。カバーガラス33の外形寸法は液晶表示パネル31よりも少し大きい。また、カバーガラス33は光学透明接着剤34を用いて液晶表示パネル31表面の全面を覆うように接着してある。
この表示デバイス12はバックライト32を備えているので、その照明光を利用することで、表示デバイス12の下側表示領域12bに表示される実像19の光像を反射部材13側に出射することができ、虚像17を形成することが可能になる。また、上側表示領域12aの実像18をより鮮明に表示できる。
なお、表示デバイス12にカバーガラス33が存在しない場合には、その代わりとして利用可能なハーフミラーやガラスを、表示デバイス12の画面の前面側に配置して、反射面16を形成することが想定される。また、図1の車載表示装置10のようにその上方に光を遮るフードが存在しない場合には、表示デバイス12の表面にLCF(Light Contro
l Film)を設けて不要な光像がウインドシールド21に映り込むのを防止することが望ま
しい。
<画面表示レイアウト−1>
図2の車載表示装置10における画面表示レイアウトの例を図5に示す。
後述する車載表示装置10の制御部は、図5に示すように上側表示領域12a及び下側表示領域12bに表示される内容をそれぞれ制御する。すなわち、制御部は虚像17の内容に相当する虚像コンテンツを、下側表示領域12bの画面(液晶表示パネル31のTFT画面)上に実像19として表示する。また、制御部は実像18の内容に相当する実像コンテンツを上側表示領域12aの画面(液晶表示パネル31のTFT画面)上に実像18として表示する。
上側表示領域12a内に重ねて表示される虚像コンテンツは、下側表示領域12b内の実像19と同じ内容であって、反射部材13の反射によりカバーガラス33の表面に投影されるものである。また、図1の構成においては、反射部材13の表面、及びカバーガラス33の表面における2回の反射で虚像17が形成されるので、下側表示領域12bにおける実像19の向きと、上側表示領域12aにおける虚像17の向きは同一方向になる。
実際には、表示デバイス12の下側表示領域12bはステアリングホイール23の死角になる場所に配置されるので、下側表示領域12bの虚像コンテンツは視点EPからは見えず、上側表示領域12a内の実像コンテンツ及び虚像コンテンツが視点EPの位置の運転者によって視認される。
<画面表示レイアウト−2>
図3の車載表示装置10Aにおける画面表示レイアウトの例を図6に示す。
車載表示装置10Aの制御部は、図6に示すように表示デバイス12Aの上側表示領域12a及び下側表示領域12bに表示される内容をそれぞれ制御する。すなわち、制御部は虚像17の内容に相当する虚像コンテンツを、表示デバイス12Aの下側表示領域12bの画面(液晶表示パネル31のTFT画面)上に実像19として表示する。また、制御部は実像18の内容に相当する実像コンテンツを上側表示領域12aの画面(液晶表示パネル31のTFT画面)上に実像18として表示する。
上側表示領域12a内に重ねて表示される虚像コンテンツは、表示デバイス12Aの下側表示領域12b内の実像19と同じ内容であって、反射部材13の反射によりカバーガラス33の表面に投影されるものである。また、図1の構成においては、反射部材13の表面、及びカバーガラス33の表面における2回の反射で虚像17が形成されるので、下側表示領域12bにおける実像19の向きと、上側表示領域12aにおける虚像17の向きは同一方向になる。
実際には、表示デバイス12Aの下側表示領域12bはステアリングホイール23の死角になる場所に配置されるので、下側表示領域12bの虚像コンテンツは視点EPからは見えず、上側表示領域12a内の実像コンテンツ及び虚像コンテンツが視点EPの位置の運転者によって視認される。
<システム構成>
車載表示装置10のシステム構成例を図7に示す。
図7に示すように、車載表示装置10は制御部41を備えている。また、図7の例では制御部41の内部にマイコン(マイクロコンピュータ)41a及びGDC(グラフィック・ディスプレイ・コントローラ)41bが含まれている。なお、マイコン41a及びGDC41bを一体化することもできる。また、車載表示装置10は画面に表示するデータを保持するために利用可能なメモリ42が備わっている。
制御部41のマイコン41aは、予め組み込まれているプログラムに従って動作し、車載表示装置10に必要とされる機能を実現するための様々な制御を実施できる。マイコン41aは、図示しない車載ネットワークを経由して車両の現在の状態などを表す情報を取得し、取得した情報を表示デバイス12における上側表示領域12a及び下側表示領域12bの画面表示に反映する。
また、マイコン41aは運転者等による所定のスイッチ操作を検知すると、ステッピングモータ14を正転方向又は逆転方向に駆動して、反射部材13の傾斜角度を変更することができる。これにより、実際の視点EPの位置に合わせて、上側表示領域12a上の実像18の表示と虚像17の表示との位置ずれを修正することが可能である。
例えば、車両に備わっている車速センサの出力する車速パルス信号(又は車内ネットワーク経由で受信)がマイコン41aに入力される。マイコン41aは入力された車速データに基づいて最新の車速(km/h)を逐次算出する。この車速の情報以外にも車両状態やメッセージなどのコンテンツを表す表示パターンがメモリ42に書き込まれ、その内容がGDC41bを介して表示デバイス12の下側表示領域12bに実像19として表示される。この実像19に基づいて上側表示領域12a前方の反射面16に投影された光像により、例えば図2に示すように虚像17が実像18に重ねた状態で表示される。
<画面構成の変形例−2>
変形例の車載表示装置10Bを運転者の視点EP側から視た状態の例を図8に示す。
図8の例では、車載表示装置10Bが搭載する表示デバイス12Bは、図2中の表示デバイス12を90°回転させた縦長の画面形状に配置している。また、図8に示した上側表示領域12aは正方形に近い矩形形状であり、下側表示領域12bは上側表示領域12aよりも縦方向の寸法が少し小さい矩形形状になっている。
図8に示した車載表示装置10Bにおいて、表示デバイス12Bは車載表示装置10Bの略中央に配置されている。また、表示デバイス12Bの上側表示領域12aはダッシュボード22の開口部を通して視点EPから視認できる位置に配置されているが、下側表示領域12bはダッシュボード22の内側に配置され、且つステアリングホイール23の死角になる位置に配置されている。
図8の車載表示装置10Bにおいて、下側表示領域12bに表示された実像19は視点EPから視認できないが、実像19に基づいて上側表示領域12aに投影された虚像17は、実像18と共に視点EPの位置から運転者が視認できる。また、虚像17は表示デバイス12Bよりも遠方(前方)に位置するように結像されるので、運転者が虚像17を視認するための焦点調節は容易であり、運転中でも虚像17を視認しやすい。
<表示面における視認可能範囲と死角>
図2の車載表示装置10、及び図3の車載表示装置10Aの表示面において運転者から視認可能な範囲および死角になる範囲を図9に示す。
図9に示した表示領域AR1は表示デバイス12の表示画面全体の範囲を表し、表示領域AR2は表示デバイス12Aの表示画面全体の範囲を表す。車載表示装置10の場合には、表示領域AR1の中で上側表示領域12aが視認可能領域ARAになり、下側表示領域12bが死角領域ARBになる。車載表示装置10Aの場合には、表示領域AR2の中で上側表示領域12aが視認可能領域ARAになり、下側表示領域12bが死角領域ARBになる。
つまり、車載表示装置10及び10Aのいずれの場合も、視認可能領域ARAはステアリングホイール23の上側に存在するので通常の視点EPから視認できるが、死角領域ARBはステアリングホイール23の死角になるため視認できない。そして、死角領域ARBに相当する下側表示領域12bに表示された実像19に基づいて上側表示領域12aに投影された虚像17が実像18と共に視認可能領域ARAに現れる。そのため、運転者はステアリングホイール23の存在に起因する死角の影響を受けることなく、虚像17及び実像18を視認できる。
<構成例−2>
変形例の車載表示装置10を車両の左側方から視た状態を図10に示す。
図10の車載表示装置10においては、装置筐体11の上方に水平方向に延びるメータフード26が設置されている。このメータフード26は上下方向の光を遮る機能を有している。すなわち、ウインドシールド21を透過して車室内に入射する直射日光などの外来光が表示デバイス12の表示に悪影響を及ぼすのを防止するためにメータフード26を利用できる。また、車載表示装置10での光反射や、表示デバイス12の表示などにより発生した光がウインドシールド21の表面で反射して運転者の前方視界に映り込むのを防止するためにメータフード26を利用できる。
図10のようにメータフード26を有する車載表示装置10の場合には、直射日光などの影響による映り込みが生じにくいので、視点EPから大きく離れた位置に車載表示装置10を設置することが可能になる。これにより、運転者が表示デバイス12上の実像18を視認する場合にも焦点調節が容易になり、図1の構成と比べて実像18の視認性が改善される。
なお、図1の例ではステアリングホイール23の上側で一部分(上側表示領域12a)を視認できるように車載表示装置10を配置してあるが、運転者がステアリングホイール23の内側に視線を向けた状態で画面全体を視認できる位置に車載表示装置10を配置してもよい。また、車載表示装置10はメータ装置以外の表示にも利用できる。
以上のように、上述の車載表示装置10によれば、単一の表示デバイス12だけを利用して、比較的小さいサイズの上側表示領域12aに、実像18と虚像17とを重ねて表示することができる。すなわち、複数のディスプレイをそれぞれ用意する必要がなく、照明装置も1つだけでよい。したがって部品数の削減によりコストの低減や、設置に必要な空間の削減が可能になる。また、車載表示装置10においては虚像を投影するための光反射部材が表示デバイス12の画面と一体化されているので組み付け工程を短縮することが可能である。
また、同じ領域に実像18及び虚像17を重ねて表示するので、これらの間の遠近感の違いにより、立体感・浮遊感のある表示が可能になる。
また、図1の車載表示装置10のようにステアリングホイール23の上側で視認可能なコンビネーションメータ装置を構成する場合には、運転者の前方視界とメータ画面との間の視線移動を小さくすることが可能であり、更に虚像17の結像位置を遠方にすることで、視線移動に伴う目の焦点調節が容易になり視認性が改善される。
また、図2の車載表示装置10においては、ステアリングホイール23の死角になる場所に位置する下側表示領域12bに表示される実像19を利用して虚像17を形成するので、死角になる空間も表示のために有効に活用できる。
<構成例−3>
変形例の車載表示装置10Cを車両の左側方から視た状態を図11に示す。
図11の車載表示装置10Cにおいては、図10の車載表示装置10と同様に装置筐体11の上方に水平方向に延びるメータフード26Aが設置されている。また、メータフード26Aの下方にハーフミラー56が配置されている。このハーフミラー56は、運転者側から視て表示デバイス12Cの画面よりも少し手前側、すなわち視点EPに近い位置に配置されている。また、ハーフミラー56は、表示デバイス12Cの画面よりも少し高い位置に配置してあり、運転者側から視て両者が部分的に重なる位置関係で上下に位置をずらした状態で配置されている。
ハーフミラー56は、メータフード26Aにより支持されている。例えば、嵌め込みや貼り付けなどの方法でハーフミラー56をメータフード26Aに取り付けることができる。ハーフミラー56は樹脂により構成されており、虚像を表示するための光反射機能と、実像の光を透過するための光透過機能とを有するコンバイナを形成している。
なお、ハーフミラー56については透明に限らず、半透明であってもよい。例えば、ハーフミラー56を透過する光によりハーフミラー56の後方にある表示デバイス12Cの組み付け状態が視点EP側から見えるのを避けるために、ハーフミラー56の全面に亘って薄いスモーク加工などを施して光透過率を下げてもよい。
なお、図11の例では、ハーフミラー56が表示デバイス12Cに対して少し傾斜した状態で配置してあるが、必ずしもハーフミラー56を傾斜させて配置する必要はない。
図11に示すように、表示デバイス12Cの下側表示領域12bに表示されるコンテンツの光は、反射部材13の表面で反射して、グレアトラップレンズ58を透過し、ハーフミラー56表面の虚像投影領域ARCに投影されて視点EPに向かう。これにより、運転者は、ハーフミラー56に投影された光像を視点EPの位置から虚像17として視認することができる。なお、ハーフミラー56(あるいは後述するコンバイナ55)が、下側表示領域12bから反射部材13への光路にかからないように設置された場合には、下側表示領域12bに表示されたコンテンツの光がハーフミラー56(あるいはコンバイナ55)により減衰されることなく運転者に虚像として視認されるので、運転者は虚像をより明確に視認することが可能になる。
また、表示デバイス12Cの画面上側の実像表示領域12cに表示される実像のコンテンツからの光は、ハーフミラー56を透過するか又は部分的にハーフミラー56の下方を通る直接光として視点EPに向かう。したがって、運転者は視点EPの位置で、ハーフミラー56に投影された虚像のコンテンツと表示デバイス12Cの実像表示領域12cに表示された実像コンテンツとを同時に視認できる。
図11の車載表示装置10Cを視点EP側から視た状態を図12に示し、車載表示装置10Cの表示デバイス12Cにおける画面表示レイアウトの例を図13に示す。
図13に示すように、表示デバイス12Cの下側表示領域12bには虚像コンテンツが表示され、実像表示領域12cには実像コンテンツが表示される。但し、運転者が視点EPの位置から視ると、下側表示領域12bはステアリングホイール23の後方にあり見えない場所にある。
図12に示すように、ハーフミラー56は表示デバイス12Cよりも少し高い位置にある。そして、ハーフミラー56の虚像投影領域ARCは、実像表示領域12cと重なる位置にある重複領域ARCaと、その上側にある拡張領域ARCbとで構成されている。したがって、重複領域ARCaについては、運転者はハーフミラー56に投影された虚像のコンテンツと、表示デバイス12Cの実像表示領域12cに表示された実像のコンテンツとを重ねた状態で視認することができる。また、拡張領域ARCbではハーフミラー56に投影された虚像のコンテンツだけが見える状態になる。
例えば、図5に示したレイアウトの場合は、表示デバイス12の画面サイズの制約を受ける上側表示領域12aの範囲内だけで実像コンテンツと虚像コンテンツとを重ねて表示しているので、大きいサイズの虚像は表示できない。これに対し、図11の車載表示装置10Cの場合は、図12のように表示デバイス12Cの上側の拡張領域ARCbも虚像の表示に利用できるので、全体として表示デバイス12Cの画面高さよりも大きい表示領域を確保できる。また、拡張領域ARCbを利用して大きいサイズの虚像も表示できる。そのため、例えば速度計のように常時表示すべきメータコンテンツについても、大きい虚像を利用して視認しやすい状態で表示できる。
また、拡張領域ARCbについては実像と虚像の重なりが生じないので、より視認性の良好な虚像を表示することが可能になる。また、図12に示すように実像を表示する実像表示領域12cが下側にあり、その上側に拡張領域ARCbがあり、更に両者の重なる重複領域ARCaもあるので、実像コンテンツの表示と虚像コンテンツの表示との組み合わせを利用することでより奥行き感のある表示が可能になる。
なお、運転者の視点EPから虚像が見える箇所のメータフード26Aの内側(見返し部分)については、黒色などの単色で塗装などの着色を施すことで視認性を高める効果が期待できる。図12の例では、表示デバイス12Cの左右両側にテルテール表示部57L、57Rがある。各テルテール表示部57L、57Rは、LED表示器を利用して各種の警告灯などを必要に応じて表示するために利用できる。
このように、図11に示した変形例の車載表示装置10Cは、表示デバイス12Cの上側の拡張領域ARCbも虚像の表示に利用できるので、全体として表示デバイス12Cの画面高さよりも大きい表示領域を確保できるという利点があるが、以下に説明するように、さらに改良を加えることも可能である。
図14は、図11に示した変形例の車載表示装置10Cおよびその周囲を車両の上方から視た上面図である。図15は、車載表示装置10Cを車両の側方から視た状態を示す縦断面図である。図16(a)は、マスク60が設置された状態の表示デバイス12Cを運転者の視点側から視た正面図であり、図16(b)は、さらにコンバイナ55が設置された状態の表示デバイス12Cを運転者の視点側から視た正面図である。
車載表示装置10Cは、インパネ部65に設置されており、コンバイナ55と共にメータフード26Aにより覆われている。インパネ部65には、反射部材13の表面で反射された光をハーフミラー56表面に向けて投影するための開口65aが形成されている。この開口65aには、グレアトラップレンズ58が設置されている。また、変形例の車載表示装置10Cは、拡張領域ARCbを有するため、従来より大型のマスク60が使用されている。
図14に示すように、グレアトラップレンズ58は、車両上方から視てメータフード26Aにより覆われていない領域が存在する。そのため、外来光が直接表示デバイス12Cに入射することはないものの、図15に示すように、外来光がグレアトラップレンズ58に入射し、入射した光の一部がグレアトラップレンズ58により反射され、コンバイナ55を透過してマスク60を照射することがある。マスク60には、実像表示領域12cを運転者に視認させるためのマスク開口部60aが形成されているため、外来光がマスク60を照射すると、このマスク開口部60aが目立ち見栄えが低下するとともに、虚像コンテンツと実像コンテンツの一体感が低下する原因となる。また、入射した光の一部がグレアトラップレンズ58を透過して車載表示装置10C内部に入り込むことにより、虚像コンテンツのコントラストが低下する。そこで、変形例の車載表示装置10Cにおいては、さらに、コンバイナ55及びグレアトラップレンズ58を減光部材により構成するようにしてもよい。
図17は、コンバイナ55の構成例を示す縦断面図である。コンバイナ55は、本体部分が減光部材により構成されており、本体部分の一面にハーフミラー56が積層されている。このコンバイナ55を、図16(b)に示すように配置することにより、コンバイナ55を透過する外来光が減衰され、マスク60の表面全体に照射される外来光が低減されるので、マスク開口部60aが運転者によって視認されにくくなり、虚像コンテンツと実像コンテンツの一体性が高まる。
図18は、グレアトラップレンズ58の構成例を示す縦断面図である。車載表示装置10Cにおいて、グレアトラップレンズ58は、光の透過率を下げた減光部材により構成されており、車両の上方側の面には反射防止コーティング58aが施されている。これにより、グレアトラップレンズ58を透過して車載表示装置10C内部に入り込む光が低減され、虚像コンテンツのコントラストをより一層向上させることができる。また、このように反射防止コーティング58aが施されているグレアトラップレンズ58を用いた場合には、グレアトラップレンズ58により反射されてコンバイナ55を透過しマスク60に照射される外来光をより一層抑圧できる。
なお、車載表示装置10Cの反射部材13については、平面状のミラーでも良いし、拡大鏡であってもよい。反射部材13を拡大鏡とする場合には、下側表示領域12bと比べて大きいサイズで虚像を投影することが可能であり、拡張領域ARCbをより有効に活用できる。
また、グレアトラップレンズ58は、上記のいずれの車載表示装置に適用してもよい。図19は、変形例−3として、構成例−1に示した車載表示装置10にグレアトラップレンズ58を設置したものである。
このように、車載表示装置がグレアトラップレンズ58を備えるようにすれば、外来光が減衰されることなく直接反射部材や表示デバイスに入射することを防ぐことができ、また、車載表示装置の筐体内に埃などが侵入することも抑制できる。また、例えば、外来光がコンバイナ55及びグレアトラップレンズ58により反射された場合、このグレアトラップレンズ58による反射光を運転者から視認できないメータフードの内側に反射させることにより、外来光が運転者の視界に入ることを抑制することもできる。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る車載表示装置10の特徴をそれぞれ以下[1]〜[7]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 運転者の視点(EP)位置から視認可能な位置に配置可能な車載表示装置(10)であって、
所望の可視情報を実像として表示可能な表示面を有するディスプレイ(表示デバイス12)と、
前記ディスプレイにおける前記表示面の一部分に形成された第1表示領域(上側表示領域12a)と、
前記ディスプレイにおける前記表示面の一部分且つ前記第1表示領域と異なる位置に形成された第2表示領域(下側表示領域12b)と、
前記第2表示領域に実像(19)として表示された光像を反射する反射面(反射部材13)を有し、前記反射面で反射した光像を、前記視点位置から視て前記第1表示領域に表示された実像(18)と位置が重なる状態の虚像(17)として投影する虚像重畳機構(反射部材13)と、
を備える車載表示装置。
[2] 前記第2表示領域は、前記視点位置から前記表示面を視た場合に自車両のステアリングホイール(23)の後方に隠れる状態の死角位置に割り当てられ、
前記第1表示領域は、前記視点位置から前記表示面を視た場合に前記ステアリングホイールの影響を受けずに視認可能な位置に割り当てられる、
上記[1]に記載の車載表示装置。
[3] 前記虚像重畳機構は、前記反射面の向きを調整して前記虚像の投影位置を調整する可動機構(ステッピングモータ14)を有する、
上記[1]に記載の車載表示装置。
[4] 前記表示面は、透明な材料で構成される光反射部材(カバーガラス33)を有する、
上記[1]に記載の車載表示装置。
[5] 前記ディスプレイは、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の全体を背面側から照明するバックライト(32)を有する、
上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の車載表示装置。
[6] 前記ディスプレイから前記視点(EP)位置側に離隔した位置に、前記虚像重畳機構からの光像を前記視点位置の方向に反射し、前記実像を透過する光反射部材(ハーフミラー56)が設置され、
前記光反射部材は、投影される虚像の投影範囲が、前記第1表示領域と重なる重複領域(重複領域ARCa)および当該第1表示領域より上側に位置する拡張領域(拡張領域ARCb)を含む高さを有する、
上記[1]に記載の車載表示装置。
[7] 前記光反射部材(ハーフミラー56)は、前記第2表示領域から前記虚像重畳機構への光路にかからない位置に配置されている、
上記[6]に記載の車載表示装置。
10,10A,10B 車載表示装置
11 装置筐体
12,12A,12B 表示デバイス
12a 上側表示領域
12b 下側表示領域
13 反射部材
14 ステッピングモータ
15a,15b,15c 光路
16 反射面
17 虚像
18,19 実像
21 ウインドシールド
22 ダッシュボード
23 ステアリングホイール
25 前面カバー
26 メータフード
31 液晶表示パネル
32 バックライト
33 カバーガラス
34 光学透明接着剤
35 正面側視認方向
41 制御部
41a マイコン
41b GDC
42 メモリ
AR1,AR2 表示領域
ARA 視認可能領域
ARB 死角領域
EP 視点
10C 車載表示装置
12C 表示デバイス
12c 実像表示領域
26A メータフード
55 コンバイナ
56 ハーフミラー
57L,57R テルテール表示部
58 グレアトラップレンズ
60 マスク
ARC 虚像投影領域
ARCa 重複領域
ARCb 拡張領域

Claims (7)

  1. 運転者の視点位置から視認可能な位置に配置可能な車載表示装置であって、
    所望の可視情報を実像として表示可能な表示面を有するディスプレイと、
    前記ディスプレイにおける前記表示面の一部分に形成された第1表示領域と、
    前記ディスプレイにおける前記表示面の一部分且つ前記第1表示領域と異なる位置に形成された第2表示領域と、
    前記第2表示領域に実像として表示された光像を反射する反射面を有し、前記反射面で反射した光像を、前記視点位置から視て前記第1表示領域に表示された実像と位置が重なる状態の虚像として投影する虚像重畳機構と、
    を備える車載表示装置。
  2. 前記第2表示領域は、前記視点位置から前記表示面を視た場合に自車両のステアリングホイールの後方に隠れる状態の死角位置に割り当てられ、
    前記第1表示領域は、前記視点位置から前記表示面を視た場合に前記ステアリングホイールの影響を受けずに視認可能な位置に割り当てられる、
    請求項1に記載の車載表示装置。
  3. 前記虚像重畳機構は、前記反射面の向きを調整して前記虚像の投影位置を調整する可動機構を有する、
    請求項1に記載の車載表示装置。
  4. 前記表示面は、透明な材料で構成される光反射部材を有する、
    請求項1に記載の車載表示装置。
  5. 前記ディスプレイは、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の全体を背面側から照明するバックライトを有する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車載表示装置。
  6. 前記ディスプレイから前記視点位置側に離隔した位置に、前記虚像重畳機構からの光像を前記視点位置の方向に反射し、前記実像を透過する光反射部材が設置され、
    前記光反射部材は、投影される虚像の投影範囲が、前記第1表示領域と重なる重複領域および当該第1表示領域より上側に位置する拡張領域を含む高さを有する、
    請求項1に記載の車載表示装置。
  7. 前記光反射部材は、前記第2表示領域から前記虚像重畳機構への光路にかからない位置に配置されている、
    請求項6に記載の車載表示装置。
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