JPH11117183A - 写真印画紙原紙用パルプ叩解方法 - Google Patents

写真印画紙原紙用パルプ叩解方法

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JPH11117183A
JPH11117183A JP27461697A JP27461697A JPH11117183A JP H11117183 A JPH11117183 A JP H11117183A JP 27461697 A JP27461697 A JP 27461697A JP 27461697 A JP27461697 A JP 27461697A JP H11117183 A JPH11117183 A JP H11117183A
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pulp
beating
refiner
disk
base paper
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JP27461697A
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Jun Naito
潤 内藤
Shigehisa Tamagawa
重久 玉川
Sumitaka Tatsuta
純隆 龍田
Tadafumi Kashiwagi
匡文 柏木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平滑性に優れ、叩解時のパルプ流量制御適性
に優れた写真印画紙用原紙の叩解方法を提供する。 【解決手段】 原料パルプをリファイナーディスクを備
えたリファイナーによって叩解する方法において、リフ
ァイナーディスク10がその半径方向に形成された多数
の溝部12を有し、これらの溝部12に形成された堰部
14の数(D)と該リファイナーディスク10の回転数
(R)が下記の関係式(1) (D/R)×1000=1.5〜3.0・・・(1) で表される状態で少なくとも1段階叩解する。リファイ
ナーディスク10は、図示の60°の角度の扇状部分を
6枚備えたディスクからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真印画紙原紙用
パルプ叩解方法に関し、さらに詳しくは、平滑性に優れ
た写真印画紙原紙用パルプを製造することができ、ま
た、該パルプの製造時におけるパルプ流量制御適性に優
れた写真印画紙原紙用パルプ叩解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】写真印画紙支持体は、従来のバライタ紙
から紙の両面に耐水性樹脂を被覆した支持体が使用され
るようになっている。紙の両面に耐水性樹脂を被覆した
支持体は、物理的強度が高く、また、耐水性および寸法
安定性が優れているため、写真現像工程を効率的に安定
して行うことができる。
【0003】印画紙の商品価値のひとつには、平滑性が
挙げられる。ところで、現像処理された印画紙の表面の
平滑性は、支持体表面の平滑性に起因し、支持体表面の
平滑性は、原紙の平滑性に起因するところが大きく、し
たがって平滑性に優れた印画紙を得るためには、平滑性
に優れた原紙を製造することが要求される。
【0004】また、印画紙用原紙を製造する場合、パル
プの叩解工程と共に各種の工程が連続しており、これら
の1連の工程を効率よく、かつ支障なく操作するために
は、叩解後のパルプの流量を有効に制御できることが望
まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、平滑
性に優れた写真印画紙原紙用パルプを製造することがで
き、また、叩解後のパルプの流量制御適性に優れた写真
印画紙原紙用パルプ叩解方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、原料パ
ルプをリファイナーディスクを備えたリファイナーによ
って叩解する方法において、前記リファイナーディスク
がその半径方向に形成された多数の溝部を有し、これら
の溝部に形成された堰部の数(D)と該リファイナーデ
ィスクの回転数(R)が下記の関係式(1) (D/R)×1000=1.5〜3.0・・・(1) で表される状態で少なくとも1段叩解することを特徴と
する写真印画紙原紙用パルプ叩解方法によって達成され
る。
【0007】堰部が、各々の溝部の長手方向に対して直
交する方向に形成されていることが望ましく、堰部の数
(D)は、リファイナーディスクの中心軸部から20°
の角度の扇状内の溝部に形成された堰部の平均数である
ことが望ましい。さらに、原料パルプをリファイナーデ
ィスクを備えたリファイナーによって叩解する段階を2
段を有し、該2段の工程でそれぞれ前記関係式(1)で
表される状態で叩解することが望ましい。紙原紙用パル
プ叩解方法。
【0008】原料パルプを叩解する場合、ディスク表面
に形成された溝部によって、パルプの繊維に圧縮力およ
び剪断力が作用し、パルプの繊維の切断、パルプの繊維
の引き裂きおよび小繊維化等が発生する。このとき、溝
部に各々形成された複数の堰部があると、堰部によって
囲まれる溝部に一時的に滞留するパルプの繊維はディス
クの半径方向側に移動する際に、堰部において、パルプ
の繊維の切断、パルプの繊維の引き裂きおよび小繊維化
等が効率的に発生する。このとき、特に繊維の切断がよ
り効率的に発生するため、重量平均繊維長の短いパルプ
繊維が得られ、原紙の平滑性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の叩解方法に適用される原
料パルプは、例えば、針葉樹や広葉樹等を原料とした砕
木パルプ(GP)、リファイナーグラウンドパルプ(R
GP)及びサーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械
パルプ(MP)、亜硫酸パルプ(SP)及びクラフトパ
ルプ(KP)等の化学パルプ(CP)、ケミグラウンド
パルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、古
紙を原料とした脱インクパルプ(DIP)などが挙げら
れる。
【0010】これらの原料パルプの中でクラフトパルプ
(KP)が望ましく、クラフトパルプ(KP)中でも、
特に広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が望ましい。
また、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)の場合、叩
解前の重量平均繊維長としては、0.60〜0.74m
mが好ましく、より好ましくは0.65〜0.70mm
である。
【0011】叩解前の重量平均繊維長が0.60mm未
満の場合、得られる写真印画紙の剛性が低下しやすく、
一方、0.74mmを越えると、得られる写真印画紙の
表面平滑性が低下しやすい。また、一般に広葉樹晒クラ
フトパルプ(LBKP)の叩解前の重量平均繊維長は
0.5〜0.8mmであることから、広葉樹晒クラフト
パルプ(LBKP)の入手が困難となり、不便となり好
ましくない。なお、前記重量平均繊維長は、例えば、特
開昭60−69649号公報に記載された方法に準じて
測定することができる。この測定に際しては、パルプ繊
維を約0.001重量%程度含有する液量50〜100
mlの試料液が使用される。
【0012】本発明の叩解方法に使用される原料パルプ
は、水性スラリーを使用するもので、原料パルプの濃度
としては、2〜6重量%程度のものが望ましい。原料パ
ルプの濃度が2重量%よりも低いと一定時間当たりのパ
ルプ処理量が小さく経済的に非効率的であり、一方、原
料パルプの濃度が6重量%よりも高いと繊維の切断が発
生しにくくなり得られる写真印画紙用原紙の平滑性の向
上の程度が減少する。
【0013】また、原料パルプには、通常の叩解工程で
添加される成分、例えば、pH調整剤、イオン封鎖剤、
スライムコントロール剤等を添加することができ、本発
明の叩解工程には特に添加成分による制約はない。
【0014】本発明における叩解は、1段階の叩解であ
ってもよく、少なくとも2段階(2段階以上)の多段階
の叩解であってもよいが、叩解後のパルプの重量平均繊
維長等を所定の範囲内に制御できる点で多段階の叩解が
好ましく、これらの中でも運転コスト等を考慮すると2
段階の叩解がより好ましい。2段階の叩解の場合、異な
る2種(2機)のリファイナーを使用して2段階の叩解
を行ってもよいし、一種(1機)のリファイナーにおけ
る刃型や回転数を変えて2段階の叩解を行ってもよい。
これらの中でもリファイナーを2機使用した場合が叩解
処理を連続的に行うことができる点で好ましい。
【0015】上記のような原料パルプは、水性スラリー
の状態でリファイナーディスクを備えたリファイナーに
供給され、ここで叩解される。このリファイナーディス
クは、その半径方向に形成された多数の溝部を有し、こ
れらの溝部に堰部が形成されている。
【0016】図1は、本発明の叩解方法に適用されるリ
ファイナーディスクの好ましい一実施の形態を示してい
る。図示のリファイナーディスク部10は、リファイナ
ーディスクの一部を形成するものであって、環状の中心
部から60°の角度で切り離した扇状部分を表わしてい
る。
【0017】したがって、リファイナーディスクは図示
したリファイナーディスク部10を6個を連接して環状
に形成される。このリファイナーディスク部10には、
環状の中心部に対してその半径方向に形成された多数の
溝部12を有しており、これらの各々の溝部12に堰部
14が設けられる。。
【0018】本発明において、環状の中心部に対してそ
の半径方向に形成された多数の溝部12とは、全ての溝
部12がすべて厳密な意味での半径方向に形成されてい
ることを意味するものではなく、略半径方向に形成され
た溝部12を包含する。
【0019】すなわち、図示の例のように厳密な意味で
の半径方向に形成された溝列a、と、この溝列aに対し
て並行する方向にそれぞれ並設された溝列b、溝列c、
溝列d、溝列e、溝列f、溝列g、溝列h、溝列iを有
している。したがって、溝列b、溝列c、溝列d、溝列
e、溝列f、溝列g、溝列h、溝列iは、それぞれ略半
径方向に形成された溝部を意味している。図1に示すリ
ファイナーディスク部は、これらの溝列a〜溝列iを有
する扇状部分(角度:20°)が3個連接された構造か
らなる。
【0020】本発明は、リファイナーディスクがその半
径方向に形成された多数の溝部を有し、これらの溝部に
形成された堰部の数(D)と該リファイナーディスクの
回転数(R)が下記の関係式(1) (D/R)×1000=1.5〜3.0・・・(1) で表される状態で少なくとも1段叩解する。
【0021】したがって、本発明における溝部に形成さ
れた堰部の数(D)とは、リファイナーディスクに形成
された全堰部の数を全溝部の数で割った値(平均数)を
意味する。ただし、本発明の効果をより発揮するために
は、各溝部における堰部の数がリファイナーディスクの
全域においてできるだけ均一であることが好ましい。こ
の点から、図1に示すリファイナーディスクの中心軸部
から20°の角度の各々の扇状内の溝部(a〜i)に形
成された全堰部を溝部(a〜i)の数で割った値(平均
数)であることが好ましく、また、4本の溝部に形成さ
れた全堰部を溝部の数(4)で割った値(平均数)がよ
り好ましく、さらに2本の溝部に形成された全堰部を溝
部の数(2)で割った値(平均数)が特に好ましい。さ
らに各々の溝部に、少なくとも1つの堰部を有すること
が望ましい。
【0022】本発明者らの検討によると、リファイナー
ディスクの堰部の数(D)が多いほど叩解によるパルプ
の短繊維化効果が大きいことは判明している。しかしな
がら、堰部の数(D)が多いほど、通過するパルプスラ
リーに対する抵抗が大きくなり、広範囲の設定流量に対
して流量を制御することは難しくなる傾向にある。この
パルプスラリーの流れやすさについては遠心力が影響し
ていると考えられ、具体的に手段については、ディスク
回転数(R)を高くすることによってパルプ流量を確保
することでき、流量制御適性を付与することができる。
しかし、ディスクの回転数(R)を高くすると、パルプ
の短繊維化効果が減少することも判明した。
【0023】以上の検討結果から、リファイナーディス
クの堰部の数(D)とディスクの回転数(R)の比が一
定の範囲を外れると、パルプの短繊維化は効果的に生じ
平滑性に優れた印画紙原紙用パルプを得ることができる
もののその叩解時には十分なパルプ流量を保つことがで
きなくなる恐れがあり、工程の安定性にきたす懸念があ
る。一方、これと逆の場合には、広範囲の設定流量に対
して流量を制御することは可能になるが、パルプの短繊
維化が効率的に行われず、平滑性に優れる印画紙原紙用
パルプを得ることができない。
【0024】すなわち、本発明において、(D/R)×
1000の値が、1.5〜3.0の範囲を外れると、い
ずれも得られる原紙の平滑性が不充分であり、また、叩
解後のパルプススラリーが広範囲の設定流量に対して流
量を制御できるような流動性を得ることできない。
【0025】本発明における溝部12の深さ〔図2にd
で示す)は、3〜10mmが好ましく、より好ましく
は、4〜6mmである。また、溝部12の平均長さ(図
2にlで示す)は、20〜40mmが好ましく、より好
ましくは25〜30mmである。さらに溝部12の巾
(図2にw1 で示す)は2〜8mm、より好ましくは、
4〜6mmである。溝部12の深さ(d)、巾
(w1 )、長さ(l)は、それぞれは全ての溝部12で
同一であることが好ましいが、必ずしも同一である必要
はなく、溝部12によって若干異なっていても構わな
い。さらに溝部12間の距離は2〜6mm、好ましくは
3〜5mmである。
【0026】これらの堰部14は、溝部の長手方向に対
して直交する方向に形成されていることが望ましい。こ
れらの堰部14の巾(図2にw 2で示す)は、1〜5m
mが好ましく、より好ましくは、2〜4mmである。な
お、16はリファイナーディスクを固定するための締結
具を装着する位置を示している。
【0027】リファイナーにおいては、ダブルディスク
リファイナーと、シングルディスクリファイナーがある
が、本発明におけるリファイナーディスクがこれらのい
ずれにも適用することができる。ダブルディスクリファ
イナーにおいては、二組の回転ディスクと、これらの回
転ディスクと相対して設けられる固定ディスクとからな
る。また、シングルディスクリファイナーにおいては回
転ディスクとこの回転ディスクと相対して設けられる固
定ディスクとからなる。
【0028】叩解時においては、回転ディスクと固定デ
ィスクとの間のクリアランスは、0.15mm以下であ
ることが望ましい。このクリアランスが0.15mmを
こえると、重量平均繊維長が長くなり、所望の平滑性を
有する原紙が得られない。このクリアランスは、好まし
くは、0.10〜0.05mm程度に調整されることが
望ましい。クリアランスが余りにも短すぎる場合は、重
量平均繊維長が短くなりすぎ、所望の剛性を有する原紙
が得られにくい。
【0029】また、本発明による叩解工程において、濾
水度が230〜350ccとなるように叩解されること
が望ましい。この濾水度はJIS−P8121の「パル
プの濾水度試験方法」におけるカナダ標準形試験方法に
従って測定したものである。
【0030】叩解工程が2段階の場合、1段階の叩解で
濾水度が300〜420ccとなるように叩解し、2段
階の叩解で230〜350ccとなるように叩解するこ
とが望ましい。したがって、本発明における叩解工程に
おいて、叩解の時間等は、上記の濾水度となるように設
定されることが望ましい。
【0031】本発明においては、叩解した後に得られる
パルプのスラリー(以下パルプ紙料と称することがあ
る。)には必要に応じて各種の添加剤、例えば、填料、
乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、
pH調整剤、その他の薬剤などが添加される。
【0032】前記填料としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪
藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム等が挙げられる。前記乾燥紙力増強剤として
は、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリル
アミド、アニオン化ポリアクリルアミド、カルボキシ変
成ポリビニルアルコール等が挙げられる。前記サイズ剤
としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジ
ン等のロジン誘導体、パラフィンワックス、アルキルケ
テンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)等が挙
げられる。前記湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリ
アミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、
尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化
アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチ
オン性ポリマー等が挙げられる。前記pH調整剤として
は、例えば苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が挙げられる。
【0033】前記その他の薬剤としては、例えば、消泡
剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤等が挙
げられる。また、必要に応じて柔軟化剤等を添加するこ
ともできる。前記柔軟化剤については、例えば、新・紙
加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(198
0年発行)に記載があるが、特に分子量200以上のも
のが好ましい。この柔軟化剤は、炭素数10以上の疎水
性基を有し、セルロースと自己定着するアミン塩又は第
4級アンモニウム塩となっている。前記柔軟化剤の具体
例としては、無水マレイン酸共重合体とポリアルキレン
ポリアミンとの反応生成物、高級脂肪酸とポリアルキレ
ンポリアミンとの反応生成物、ウレタンアルコールとア
ルキル化剤との反応生成物、高級脂肪酸の4級アンモニ
ウム塩等が挙げられるが、特に無水マレイン酸共重合体
とポリアルキレンポリアミンとの反応生成物、ウレタン
アルコールとアルキル化剤との反応生成物が好ましい。
【0034】本発明においては、これらの各種添加剤等
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。また、これらの各種添加材等の前記パルプのス
ラリー中への添加量としては、本発明の目的を害しない
範囲において適宜選択でき、通常0.1〜1.0重量%
が好ましい。
【0035】前記パルプ紙料を抄紙する手段としては、
例えば、手抄紙機、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツインワ
イヤマシン、コンビネーションマシンなどを用いること
ができる。本発明においては、これらの手段によって抄
造され、乾燥され、巻き取られた原紙に、サイズプレ
ス、タブサイズなどの公知の方法により、表面サイズ処
理やカレンダー処理を施すことができる。一般に、前記
表面サイズ処理は、前記乾燥の前後のいずれかにおいて
行われ、前記カレンダー処理は、前記乾燥の後から前記
巻取りの間に行われる。
【0036】前記表面サイズ処理に使用される処理液に
は、例えば、水溶性高分子、サイズ剤、吸湿性物質、顔
料、pH調整剤、エポキシ化脂肪酸アミド(EFA)、
ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、染料、蛍光
増白剤などが含まれていてもよい。
【0037】前記水溶性高分子としては、例えば、カチ
オン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、
ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチ
レンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0038】前記サイズ剤としては、例えば、石油樹脂
エマルジョン、スチレン−無水マレイン酸共重合体アル
キルエステルのアンモニウム塩、ロジン、高級脂肪酸
塩、アルキルケテンダイマー(AKD)等が挙げられ
る。
【0039】前記吸湿性物質としては、例えば、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテッ
クス・エマルジョン類、グリセリン、ポリエチレングリ
コール等が挙げられる。
【0040】前記顔料としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、クレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チ
タン等が挙げられる。前記pH調整剤としては、例え
ば、塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が挙げられる。
【0041】前記カレンダー処理は、前記表面サイズ処
理を乾燥後に行う場合には、表面サイズ処理の前後のい
ずれにおいても実施することができるが、各種処理を実
行した最終の仕上げ工程でカレンダー処理を実施するの
が好ましい。カレンダー処理に使用する金属ロールや弾
性ロールは、通常の紙の製造に用いられる公知のものが
使用される。
【0042】前記カレンダー処理により、原紙は、最終
的に50〜250μmの厚みに調整される。なお、原紙
の密度としては、0.8〜1.3g/m3 が好ましく、
1.0〜1.2g/m3 が好ましい。
【0043】前記パルプ紙料を抄紙してなる原紙の少な
くとも一方の表面に被覆層を形成したものものが印画紙
として望ましい。被覆層は通常は、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のα−オレフィンの単独重合体及びこれら
の混合物などのポリオレフィン樹脂が用いられる。
【0044】前記前記被覆層は、加熱溶融した二酸化チ
タン等を含有するペレットを溶融し、必要に応じて前記
被覆層を形成する樹脂で希釈して溶融し、走行させた前
記原紙上に、通常ラミネート法、逐次ラミネート法、又
は、フィートブロックタイプ、マルチマニホールドタイ
プ、マルチスロットタイプ等の単層若しくは多層押出ダ
イ、ラミネーター等によるラミネート法のいずれかの方
法により被覆することにより、形成される。前記単層若
しくは多層押出用ダイの形状としては、特に制限される
ものではないが、一般に、Tダイ、コートハンガーダイ
等が好適に挙げられる。
【0045】また、前記被覆層を形成する樹脂を前記原
紙の一方又は両方の表面に被覆する前に、前記原紙に、
コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、又はプラ
ズマ処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
【0046】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を原料
とした濃度4重量%のスラリー(重量平均繊維長:0.
70mmを、溝部に形成された堰部の数(平均数)Dを
それぞれ0.0,1.0,1.5,2.0,2.5,
3.0のリファイナーディスクを用いて、リファイナー
ディスクの回転数(rpm)Rを変化させ、(D/R)
×1000の値を変えて2段階叩解したときの得られる
原紙の平滑性、パルプ流量制御適性を調べた。
【0047】なお、リファイナーディスクは、図1およ
び図2に示すリファイナーディスクにおいて、溝部12
の深さ(d)=5mm、溝部12の巾(w1 )=5m
m、溝部12の平均長さ(l)=30mm、堰部14の
巾(w2 )=2mm、溝部12間の距離(w3 )=4m
mである。
【0048】これらの叩解処理による前段および後段の
それぞれ濾水度、重量平均繊維長を示し、かつ、得られ
た原紙の平滑性レベル、パルプ流量制御適性を評価し
た。
【0049】評価方法 〔平滑性レベル〕得られた原紙の平滑性レベルを目視に
より観察し、評価した。 ◎ ・・・平滑性が極めて良好である。 ○ ・・・平滑性が良好である。 △ ・・・平滑性がやや悪い。 × ・・・平滑性が悪い。
【0050】〔パルプ流量制御適性〕 ○ ・・・叩解によって得られるパルプスラリーは広範
囲の設定流量に対して制御できる。 ×・・・ 叩解によって得られるパルプスラリーは広範
囲の設定流量に対して制御できない。
【0051】結果を表1に示す。
【表1】
【0052】表1から、実施例1は前段および後段とも
に本発明の叩解の要件を満たした例、実施例2および実
施例3は前段のみ本発明の叩解の要件を満たした例、実
施例4は後段のみ本発明の叩解の要件を満たした例であ
る。これらの例では平滑性レベル、パルプ流量制御適性
のいずれも優れている。特に前段および後段ともに本発
明の叩解の要件を満たした例では、その効果が大きいこ
とがわかる。しかし、比較例1および比較例2は、前段
および後段ともに本発明の叩解の要件を満たしていない
例、比較例3は後段が本発明の叩解の要件を満たしてい
ない例、比較例4は前段が本発明の叩解の要件を満たし
ていない例である。これらの例では、平滑性レベル、パ
ルプ流量制御適性の両方またはいずれかが不十分であ
る。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、平滑性に
優れた写真印画紙用原紙を得ることができ、また、叩解
によって得られるパルプスラリーは、広範囲の設定流量
に対して制御が容易であり、パルプの叩解工程を含む原
紙の製造工程を効率的に、安定して操作することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の叩解方法に適用されるリファイナーデ
ィスクの好ましい一実施の形態を示す要部平面図であ
る。
【図2】(A)は図1におけるA−A線断面図、(B)
は図1におけるB−B線断面図である。
【符号の説明】
10 リファイナーディスク部 12 溝部 14 堰部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 匡文 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料パルプをリファイナーディスクを備
    えたリファイナーによって叩解する方法において、前記
    リファイナーディスクがその半径方向に形成された多数
    の溝部を有し、これらの溝部に形成された堰部の数
    (D)と該リファイナーディスクの回転数(R)が下記
    の関係式(1) (D/R)×1000=1.5〜3.0・・・(1) で表される状態で少なくとも1段叩解することを特徴と
    する写真印画紙原紙用パルプ叩解方法。
  2. 【請求項2】 前記堰部が、各々の溝部の長手方向に対
    して直交する方向に形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の写真印画紙原紙用パルプ叩解方法。
  3. 【請求項3】 前記堰部の数(D)が、リファイナーデ
    ィスクの中心軸部から20°の角度の扇状内の溝部に形
    成された堰部の平均数であることを特徴とする請求項1
    または請求項2の記載の写真印画紙原紙用パルプ叩解方
    法。
  4. 【請求項4】 前記原料パルプをリファイナーディスク
    を備えたリファイナーによって叩解する段階を2段を有
    し、該2段の工程でそれぞれ前記関係式(1)で表され
    る状態で叩解することを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれか1項の記載の写真印画紙原紙用パルプ叩解
    方法。
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