JP3017555B2 - 写真用印画紙支持体 - Google Patents

写真用印画紙支持体

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JP3017555B2
JP3017555B2 JP3104639A JP10463991A JP3017555B2 JP 3017555 B2 JP3017555 B2 JP 3017555B2 JP 3104639 A JP3104639 A JP 3104639A JP 10463991 A JP10463991 A JP 10463991A JP 3017555 B2 JP3017555 B2 JP 3017555B2
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俊二 大森
光弘 松橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性乳剤を塗布する表
面が平滑な写真用印画紙支持体に関するものである。更
に詳しくは熱可塑性樹脂により被覆される紙層を平滑に
する写真用印画紙支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を被覆して製造する写真用
印画紙支持体は,従来のバライタ紙を用いた印画紙と異
なり,耐熱性が劣ること,支持体の水蒸気透過性がない
こと等によりフェロタイプ掛けをせずにプリント仕上げ
が行われる。この為,完成された印画紙表面の平滑性は
紙層の平滑性にかなり支配される。従って平滑性の良い
印画紙を得るためには平滑な紙層を形成する必要があ
る。ここで言う樹脂被覆写真用印画紙支持体(以下,原
紙と略す)の平滑性とは,JIS P−8119「紙及
び板紙のベック試験機による平滑度試験方法」等で測定
されるものでなく,原紙の縦方向(抄紙機の流れ方向)
に平行な漣状の凹凸を示す。 原紙の平滑性は,原料で
あるパルプの種類,パルプの処理,添加薬品,抄造方
法,抄造条件,後処理等により変化させ得る。平滑な紙
層を得るために従来は 1)パルプ原料として柔軟な繊維である広葉樹漂白サル
ファイトパルプ(LBSP)を選定する。 2)処理工程であるカレンダ−処理を強化する。 3)パルプ原料として繊維の形状を規定したLBKPを
選定する(特開昭60−67940号,同60−696
49号公報)。 等が行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの対策は 1)パルプ原料の選択の幅が狭くなる。 2)原紙が硬くなり思った程平滑にならない。 3)天然原料において繊維の形状を規定しようとするの
は極めて困難で研究室スケ−ルでのみしか達成し得ない
条件である。 等の問題点があった。従ってこれらの問題がなく充分な
平滑度の得られるパルプ原料が望まれていた。本発明は
これらの問題点を解決した感光性乳剤を塗布する表面が
平滑な写真用印画紙支持体を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち,本発明はクラ
フト蒸解法によって得たLBKPにセルロ−ス崩壊活性
を有する酵素を添加することによって,水銀圧入法で測
った0.4μm以下の孔径の空隙量が0.04ml/g
以上であるような紙層を形成せしめることにより前記し
た問題点を惹起することなく充分に平滑な写真用印画紙
支持体を得ることができることを見いだし本発明を完成
するに至った。
【0006】本発明の効果発現の理由は以下のようなも
のである。即ち,原紙の平滑性を得るためには,カレン
ダ−処理を行った際,原紙を構成する繊維細胞内の薄層
構造が各薄層間でスリップを起こし,繊維がよく潰れる
必要がある。ここにおいて,原紙中の0.4μm以下の
孔径の空隙量が0.04ml/g以上であれば繊維壁内
の薄層間も緩んでおり,繊維もよく潰れ,良好な平滑性
が得られる。
【0007】0.4μm以下の孔径の空隙とその分布の
様子は図1をみれば分かりやすくなる。図1で記号イの
曲線はLBKPを原料とする原紙の空隙分布を表わし,
記号ロの曲線はLBSPを原料とする原紙の空隙分布を
表わしている。この空隙量分布曲線のピ−クはシ−ト中
の繊維間隙が支配するが,0.4μm以下の孔径の空隙
(空隙のピ−クをハで示す)は繊維表面の凹凸,特に繊
維間結合点の近傍の空隙,及び繊維細胞内の薄層間の空
隙(ル−メン内ではない)に相当している。
【0008】カレンダ−処理では空隙量分布曲線の主ピ
−クに相当する繊維間の大空隙は大幅に減るが,0.4
μm以下の小さな空隙域ではあまり空隙量(空隙の数)
は減らない。これは,0.4μm以下の空隙が繊維の柔
軟性を増すことに寄与しているのであって,紙層の見か
けの密度(これは紙層全体の空隙量に支配される)に直
接関与するわけではないということである。繊維の細胞
壁中の細孔が多い程繊維は柔軟になる。この細孔は0.
4μm以下のサイズが多い。従って,繊維の柔軟性は
0.4μm以下の小さな空隙の量が多い方が大きくなる
が,図2に示すようにLBKPにおいてはセルロ−ス崩
壊活性を有する酵素を添加して初めて,目的のような空
隙分布を持った紙層が形成され,このような紙層が得ら
れることによって満足し得る平滑性が得られる。
【0009】図2の縦軸の目盛りは視感により判定した
平滑度であるが,グレ−ド付けは下記の様に定めた。 B以上のグレ−ドが満足すべき水準である。
【0010】空隙分布は水銀圧入法によって計測でき
る。水銀圧入法では試料を水銀溜中に埋没させ,水銀に
エタノ−ル等を媒体として圧力を掛け,掛けた圧力と試
料(多孔質試料)に侵入した水銀量(試料中の空隙量に
相当する)の関係を記録する測定法である。ここで試料
中の空隙を円筒形と仮定すると,円筒の半径(r;μ
m)と水銀にかかる圧力(p;パスカル)との間に以下
の様な関係式(ケルビンの式)が成立し,この式とかか
った圧力から孔径が求められる。
【0011】
【数1】r=735.5/p
【0012】測定はカルロエルバ社1500型水銀ポロ
シティ−メ−タ−で行った。詳しい測定方法は紙パルプ
技術協会誌(第33巻第5号39ペ−ジ)記載の方法に
よる。
【0013】本発明の写真用印画紙支持体にはカブリ防
止剤,填料,染料,サイズ剤,紙力増強剤,定着剤,歩
留まり向上剤等通常抄紙に用いられる添加剤を必要に応
じ含むものである。デンプン,ポリビニルアルコ−ル,
ゼラチン等による表面処理,及び硫酸ナトリウム,塩化
ナトリウム,塩化アルミニウム等による帯電防止処理を
必要に応じ原紙上に行うことも可能である。
【0014】ポリオレフィン樹脂としては,エチレン,
プロピレン等のアルファ−オレフィンのホモポリマ−或
はエチレン,プロピレン等のアルファ−−オレフィンの
2つ以上から成る共重合体或はアルファ−−オレフィン
を主成分として,それと共重合可能な他のモノマ−との
共重合体及びそれらの混合物が有利である。また,樹脂
に酸化チタン,アルミナ等の白色顔料,着色顔料,通常
樹脂に混合される安定剤,酸化防止剤,分散剤,滑剤等
を加えてもよい。本発明のポリオレフィン樹脂被覆写真
用印画紙支持体は,走行する原紙上に加熱溶融した樹脂
を流延するいわゆる押しだしコ−ティング法によって製
造され,その両面が樹脂により被覆される。本発明のポ
リオレフィン樹脂被覆写真用印画紙支持体は,カラ−印
画紙用紙,白黒印画紙用紙,写植印画紙用紙,複写印画
紙用紙等に使われる。
【0015】以下に実施例を挙げ本発明の詳細な説明を
行うが,本発明は実施例に限定されるものではない。
【0016】
【実施例】以下で実施例を用い,更に詳細に本発明を説
明する。
【0017】実施例1 1)試料調整;国産広葉樹より製造した晒クラフトパル
プを使用し5重量%濃度のパルプスラリ−を作る。この
パルプスラリ−を硫酸でPH5に調整し,セルロ−ス崩
壊力が40000u/酵素gであるセルラ−ゼを0.3
重量%添加し,温度50℃で2時間保持し試料とする。
ここでセルロ−ス崩壊力とは以下の方法によって測定さ
れたものを言う。内径15〜16mm,垂直部の高さ7
5〜76mm,水平部の長さ150〜155mmのL型
試験管5本に各々希釈酵素液を5mlづつ採り,これに
東洋濾紙No.51特を1×1cmの大きさに切ったも
の2枚づつ入れ,40℃のmonod式振盪機中で60
回/分,振幅7cmで振盪し,濾紙が完全に崩壊するに
要する時間(分)を測定する。5本の測定結果の内最
高,最低を除き3本の平均崩壊時間を求める。1分間で
濾紙を完全に崩壊する場合を10000u/gとする。
【0018】2)叩解;1)で調整した試料をリファイ
ナ−でカナダ標準濾水度(JIS−P−8121−7
6)350mlまで叩解する。 3)抄造;叩解後漉幅500mmの長網抄紙機で抄速1
50m/分で抄造し,ウエットプレスは線圧20kg/
cmのロ−ルプレスを2回通すことによって行った。カ
レンダ−処理は線圧60kg/cmのス−パ−カレンダ
−を1回通して行った。 4)樹脂被覆;カレンダ−処理をした紙にコロナ処理を
行った後,表面に酸化チタン10%を含む低密度ポリエ
チレンを,裏面には低密度ポリエチレンをそれぞれ樹脂
温度330℃で押しだし塗工機により30ミクロンの厚
さにコ−ティングし,写真用印画紙支持体を得た。この
試料を試料番号1とする。
【0019】実施例2 試料調整;国産広葉樹より製造した漂白クラフトパルプ
を使用し5重量%濃度のパルプスラリ−を作る。このパ
ルプスラリ−を硫酸でPH5に調整し,ヘミセルラ−ゼ
を0.3重量%添加し,温度50℃で2時間保持し試料
とする。この試料から叩解以降の処理は実施例1と同一
の方法として写真用印画紙支持体を得た。この試料を試
料番号2とする。
【0020】比較例1 国産広葉樹チップより下記の条件でLBSPを調製し
た。 1)蒸解;薬液;PH1.5 総酸6% 最高温度;140℃ 液比 5 全蒸解時間;6時間 最高温度保持時間;1時間40分 2)漂白;塩素(略号C)→水酸化ナトリウム(略号
E)→次亜塩素酸ナトリウム(略号H)→二酸化塩素
(略号D)の順序で漂白する。各段の温度,パルプ濃
度,薬品添加率は表1に示した。この試料から叩解以降
の処理は実施例1と同一の方法として写真用印画紙支持
体を得た。この試料を試料番号3とする。
【0021】
【表1】
【0022】比較例2 パルプとして,市販LBKP(国産広葉樹から製造され
た)を用いる他は叩解以降の処理は実施例1と同一の方
法で写真用印画紙支持体を得た。この試料を試料番号4
とする。
【0023】以上の結果を纏めて表2に示す。表2から
明かなように0.4ミクロン以下の空隙量が0.04ml
/g以上の原紙から成る写真用印画紙支持体は平滑度(目
視グレ−ド)が良好である。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】実施例から明かなように,本発明は産業
上有用である。例えば,表2の結果から明かなように,
本発明に従ってLBKPより製造した写真用印画紙支持
体は従来用いられているLBSPから製造されたものに
比べて同等あるいはそれ以上の平滑性を有しているため
原料の選択範囲が大幅に広がり有用であることを示し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】原紙中の空隙の孔径(対数尺度)と空隙頻度の
関係を示したグラフである。
【図2】原紙の0.4ミクロン以下の空隙量と写真用印
画紙支持体の平滑度の目視グレ−ドの関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
イ LBKPを原料とする原紙の空隙分布 ロ LBSPを原料とする原紙の空隙分布 ハ 0.4μm以下の小さなサイズの空隙分布のピ−ク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/775 D21C 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラフト蒸解法によって得た漂白広葉樹
    パルプ(LBKP)に10000u/酵素g以上のセル
    ロ−ス崩壊活性を有するセルラ−ゼを添加して形成した
    紙層からなることを特徴とする写真用印画紙支持体。
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