JPH11117128A - 炭素繊維用プリカーサーおよび炭素繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維用プリカーサーおよび炭素繊維の製造方法

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JPH11117128A
JPH11117128A JP27559397A JP27559397A JPH11117128A JP H11117128 A JPH11117128 A JP H11117128A JP 27559397 A JP27559397 A JP 27559397A JP 27559397 A JP27559397 A JP 27559397A JP H11117128 A JPH11117128 A JP H11117128A
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silicone
carbon fiber
precursor
weight
less
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JP27559397A
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Makoto Kobayashi
真 木林
Masashi Ise
昌史 伊勢
Yoji Matsuhisa
要治 松久
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】引張強度の高い炭素繊維およびその炭素繊維を
用いた複合材料を得るための炭素繊維用プリカーサーを
容易に提供する。 【解決手段】表面張力が24dyne/cm以下のシリ
コーン油剤を付与したことを特徴とする炭素繊維用プリ
カーサー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引張強度の優れた
炭素繊維を得るための炭素繊維製造用プリカーサー、お
よび炭素繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は他の繊維に比べて優れた比強
度および比弾性率を有するため、その優れた機械的特性
を利用して樹脂との複合材料用の補強繊維として工業的
に広く利用されている。近年、炭素繊維複合材料の優位
性はますます高まり、特にスポーツ、航空宇宙用途にお
いてはこの炭素繊維複合材料に対する高性能化要求が強
い。複合材料としての特性は炭素繊維そのものの特性に
起因するところが大きく、この要求はとりもなおさず炭
素繊維自身への高性能化要求である。
【0003】このような高性能炭素繊維を製造するため
には、特に破断の開始点となるような欠陥の生成を抑制
することが必要である。特に、炭素繊維の破断は大部分
表面から開始しており、表面欠陥の寄与が大きいことが
わかる。それに対して従来、炭素繊維に気相処理、液相
処理、電解処理等種々の後処理をほどこすことにより、
表層をエッチングして表面欠陥を除去する技術等が提案
された(たとえば、特開昭58−214527号公報、
特開昭61−225330号公報)。しかし、上記技術
によれば強度は向上するものの、操作、工程が非常に煩
雑になり、現実の生産技術としては採用が困難、かつコ
ストが大幅に上昇するという問題点を有していた。炭素
繊維への高性能化要求は強いが、同時にコスト意識も強
く、コストパフォーマンスの高い炭素繊維でないと市場
に受け入れられないというのが現状である。
【0004】本発明の課題は、上記従来技術よりも容易
に引張強度の高い炭素繊維、およびその炭素繊維を用い
た複合材料を容易に提供することにある。
【0005】また、特公昭51−12739号公報には
シリコーンを付与して焼成中における繊維の融着や損傷
を防止する技術が開示されており、特公昭53−101
75号公報にはアミノ変性シリコーンを付与することに
より、操業性を著しく向上させ、焼成時間を短くすると
ともに樹脂とのなじみのよい炭素繊維を得る技術が開示
されている。さらに、特公平4−33892号公報や特
公平4−40152号公報には、アミノ変性、エポキシ
変性基、アルキレンオキサイド変性という異なる変性基
を有するシリコーン油剤を組合せて付与することによ
り、油剤の樹脂化を促進して熱処理時の単糸間接着を抑
制するという技術が開示されている。また、特開平4−
222230号公報には、油剤浴液の表面張力を44d
yne/cm以下にすることによって、繊維表面の油剤
が異常に多く付着した部分をなくして糸切れを減らすと
いう技術が開示されている。しかし、これらの技術によ
っても炭素繊維の強度向上効果はまだ十分ではなく、さ
らに強度が高く、かつコストパフォーマンスの高い炭素
繊維が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を克服し、引張強度の高い炭素繊維およびそ
の炭素繊維を用いた複合材料を得るための炭素繊維用プ
リカーサーを容易に提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】まず、本発明の炭素繊維
用プリカーサーは上記課題を達成するために次の構成を
有する。すなわち、表面張力が24dyne/cm以下
のシリコーン油剤を付与したことを特徴とする炭素繊維
用プリカーサーである。
【0008】また、本発明の炭素繊維の製造方法は上記
課題を達成するために次の構成を有する。すなわち、前
記炭素繊維用プリカーサーを焼成することを特徴とする
炭素繊維の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】高強度の炭素繊維を得るためには、シリコ
ーン油剤を均一にプリカーサーに付与することが好まし
い。。プリカーサー繊維表面の油剤が付着していない部
分では単糸間接着を生じたり、また、油剤が付着しすぎ
ている部分では耐炎化反応に必要な酸素の単糸内部への
透過が抑制され、高物性の炭素繊維を得ることができな
い。このような原糸上に油剤が付着していない部分や付
着しすぎている部分等のムラは、油剤の表面張力低下に
よって改善できること、ならびにこの技術によって欠陥
の生成を抑制でき、中でも、24dyne/cm以下に
することによってその改善効果が大きくなることを見出
した。よって、高物性の炭素繊維を得るためには、付与
するシリコーン油剤の表面張力は24dyne/cm以
下であることが重要であり、22dyne/cm以下が
好ましく、21dyne/cm以下がより好ましく、2
0dyne/cm以下がさらに好ましい。
【0011】一般的に表面張力を10dyne/cm以
下にするのは現状では困難である。また、表面張力低下
によって油剤の均一付与が可能となるため、より低い付
着量で繊維を被覆でき、油剤使用量を低減できるという
メリットも有している。
【0012】本発明において表面張力は、ウィルヘルミ
ー法で白金プレートを用いて測定する。測定温度は25
℃である。
【0013】また、シリコーン油剤を均一に繊維表面に
付着させるためには、シリコーン油剤のポリアクリロニ
トリルに対する接触角が小さいことが好ましい。そのた
めには、接触角は15゜以下であることが好ましく、1
4゜以下であることがより好ましく、13゜以下である
ことがさらに好ましい。なお、現行技術では5゜以下に
することは難しい。
【0014】接触角の測定は次の方法で行う。[η]が
1.5〜2程度のアクリロニトリルのホモポリマーのジ
メチルスルホキシド溶液を作成し、ガラス板の上に薄く
引き延ばして120℃で6時間乾燥し、厚み5〜100
μm程度のポリアクリロニトリルのフィルムを作成す
る。その上へシリコーン油剤を約2マイクロリットル置
き、25℃で接触角を測定する。実施例中ではエルマ販
売(株)製のG−I型接触角測定器を用いた。測定が困
難である場合、測定に用いるベースオイルの量を1〜1
0マイクロリットルの範囲で適宜変更することができ
る。
【0015】さらに、シリコーン油剤を均一に繊維表面
に付着させるためには、エマルジョン径ができるだけ小
さいことが好ましい。そのためには、粒子径は0.2μ
m以下であることが好ましく、0.17μm以下である
ことがより好ましく、0.14μm以下であることがさ
らに好ましい。
【0016】粒子径の測定はレーザードップラー法を用
い、透過率が90%程度になるようにシリコーン油剤を
希釈した後に行う。そしてシリコーンの屈折率は1.4
とし、メジアン径を粒子径とする。
【0017】また、高強度の炭素繊維を得るためには、
耐熱性の高い油剤を用いることが好ましいが、シリコー
ン油剤の構成成分のうち、最も耐熱性の低い乳化剤成分
の比率を低く抑えることが重要である。
【0018】油剤中の乳化剤は、エマルジョンの生成を
容易にし、かつこれを安定に保つために加えるものであ
り、界面活性を有するものである。界面活性を有するも
のは、一般的に親水基と疎水基とで構成されている。本
発明においては、アルキレンオキサイド変性したシリコ
ーンも乳化剤に含める。乳化剤の比率R1は、不揮発成
分の40%以下であることが好ましく、30%以下であ
ることがより好ましく、20%以下であることがさらに
好ましい。一般的に、シリコーンの乳化状態、特に長期
安定性を製糸プロセスに悪影響を与えない良好な状態に
保つためには、乳化剤の量を5%以下とすることは現状
では難しい。
【0019】乳化剤としては、ノニオン系、カチオン
系、アニオン系いずれの界面活性剤も使用することがで
き、中でもノニオン系界面活性剤が好ましく、特にポリ
エチレングリコールのアルキルエーテルやアルキルフェ
ニルエーテル、アルキルアミノエーテルが好ましい。中
でも、これらポリエチレングリコールのエーテル類を複
数種類組み合わせて用いることが表面張力の低下の観点
から好ましい。また、水溶性、乳化性の観点からエチレ
ングリコールの付加モル数は2〜100が好ましく、3
〜70がより好ましく、4〜40がさらに好ましい。付
加モル数が2未満の場合には水溶性が悪くなることがあ
り、100を越える場合には乳化性が悪くなることがあ
る。
【0020】油剤中の乳化剤の比率R1は、次のように
して測定することができる。紡糸に使用する油剤を11
0℃で2時間乾燥して残ったものが不揮発性分であり、
この不揮発性分のうち、配合した乳化剤の重量比が乳化
剤の比率R1である。
【0021】また、油剤中の乳化剤の比率R1は、たと
えば次のようにしてプリカーサーについて測定すること
もできる。
【0022】まず、プリカーサーを精秤してから(w
1)ソックスレー抽出器を用いてノルマルヘキサン/エ
タノール(7/3)中で1時間還流して油剤を抽出し、
100℃で2時間乾燥して油剤量を測定し(w2)、次
式により油剤付着量S1(%)を求める。
【0023】S1=(w2/w1)×100 続いて、抽出されなかったシリコーンの含有量S2
(%)を波長420nmにおいてモリブデン酸アンモニ
ウムでケイ素を発色させて定量する。抽出が完了したプ
リカーサーを120℃で2時間乾燥してから約10mm
に切断して約0.1gを精秤し(w3)、テフロン製の
耐圧分解容器に入れて10重量%の水酸化ナトリウム水
溶液を10ml加えて密栓する。それから、150℃で
3時間加熱分解して室温まで冷却した後、内容を全量白
金皿へ移して蒸発乾固、さらに強熱溶融させ放冷する。
ブランクとしては、10重量%の水酸化ナトリウム水溶
液を10ml白金皿に採り、蒸発乾固、さらに強熱溶融
させ放冷したものを用いる。純水を約20ml加えて加
熱溶解させ、放冷した後、17.5重量%の塩酸を約
4.5ml加えてからろ過する。ろ液が90ml程度に
なるまで純水で洗浄した後、17.5重量%の塩酸でp
Hを1.2〜1.5に調整する。撹拌しながら10重量
%モリブデン酸アンモニウム水溶液を2ml加えて10
分間放置し、さらに10重量%の酒石酸水溶液を2ml
加えてからメスフラスコで100mlにして、吸光度を
測定する。
【0024】次に、濃度が既知のシリコーンエマルジョ
ンを用いてシリコーン量が0.15、0.3、0.4
5、0.6×10-3gの場合について上記のとおり試料
を作成する。その吸光度を測定して最少二乗法によって
検量線(y=Kx)を作成し、それから係数Kを求めて
次式によりシリコーン付着量S2(%)を計算する。
【0025】 S2={(IS −IB )×K}×100/w3 IS 、IB はそれぞれサンプル、ブランクの吸光度、w
3はプリカーサーの重量(g)である。
【0026】この場合、真の油剤付着量S3(%)は次
式で定義される。
【0027】S3=S1+S2 さらに、ソックスレーで抽出した油分をカラムクロマト
グラフィーで成分分離し、テトラヒドロフランより極性
の強いフラクションとして得られる成分を乳化剤とす
る。この乳化剤の重量w4により、乳化剤比率R0
(%)を定義する。
【0028】R0=(w4/w2)×100 この時、ソックスレーで抽出されなかったシリコーンを
考慮した真の乳化剤比率は次式で定義されるR1(%)
となる。
【0029】R1=R0×S1/S3 なお、後述する実施例においては、(株)島津製作所製
分光光度計UV−160を用いた。
【0030】前述の乳化剤量R1が少ないと表面張力が
低下する傾向にあるが、高強度の炭素繊維を得るために
は高耐熱性の油剤を均一に付与することが好ましく、乳
化剤量R1が40%以下であり、かつ表面張力が24d
yne/cm以下のシリコーン油剤を付与することが好
ましい。
【0031】本発明においてシリコーンとは、基本骨格
にシロキサン結合(−SiO−)を有するジオルガノポ
リシロキサンのことであり、このケイ素原子に結合する
基は水素原子または/およびアルキル基やフェニル基等
が挙げられる。これらの中で特にジメチルシロキサンが
基本骨格として好ましい。
【0032】高強度の炭素繊維を得るためには、シリコ
ーンの耐熱性が重要であり、耐熱残存率rが20%以上
であることが好ましく、30%以上がより好ましく、4
0%以上がさらに好ましい。耐熱性が高い方が単糸間接
着等の欠陥の生成を抑制する効果が高いため、耐熱性は
高い方が好ましいが、一般的に80%以上とするのは現
状では困難である。
【0033】耐熱残存率とは、シリコーンを240℃の
空気中で60分間熱処理した後、引き続いて450℃の
窒素中で30分間熱処理した後の残存率のことを言う。
詳しくは次の手順により測定する。
【0034】付与するシリコーンがエマルジョンや溶液
の場合には、直径が約60mm、高さが約20mmのア
ルミ製の容器にエマルジョンまたは溶液約1gを採取
し、オーブンにおいて105℃で5時間乾燥し、得られ
たシリコーンを次の条件でTG(熱天秤)により耐熱残
存率を測定する。
【0035】・サンプルパン:アルミニウム製直径5m
m、高さ5mm ・サンプル量:15〜20mg ・空気中熱処理 空気流量:30ml/分 昇温速度:10℃/分 240℃熱処理時間:60分 ・雰囲気変更 240℃のまま空気から窒素へ変更して5分間保持 ・窒素中熱処理 窒素流量:30ml/分 昇温速度:10℃/分 450℃熱処理時間:30分 上記TGによる熱処理におけるトータルの重量保持率を
耐熱残存率rとする。本発明においては製糸途中の糸あ
るいはプリカーサーにシリコーンを付与する。付与に際
しては、水分散したエマルジョンの形で付与することが
好ましいが、ストレートオイルとして付与したり、有機
溶媒に溶解させた形で付与してもよい。
【0036】シリコーンのプリカーサー繊維に対する付
着量は、0.01〜5重量%であることが好ましい。
0.01重量%未満では本発明の効果が小さくなること
があり、5重量%を越えるとかえって強度が低下するこ
とがある。
【0037】本発明に適用するシリコーンは変性されて
いるものでも、全く変性されていないものでもよい。オ
イルの場合、25℃における動粘性率は100cSt以
上であることが好ましい。変性されているシリコーンを
用いる場合、変性の種類はアミノ変性、エポキシ変性、
アルキレンオキサイド変性、アルコキシ変性、アルケノ
キシ変性、シラノール変性、アルキル変性が好ましく、
中でもアミノ変性、エポキシ変性、アルキレンオキサイ
ド変性がより好ましい。また、その中から複数の変性の
シリコーンを併用することがより好ましい。よって、ア
ミノ変性、エポキシ変性のシリコーンを組み合わせて使
用することが好ましく、アミノ変性、エポキシ変性、ア
ルキレンオキサイド変性のシリコーンを組み合わせて使
用することがより好ましい。
【0038】複数種類の変性シリコーンを用いることは
耐熱性の観点から好ましいが、それだけにとどまらず、
シリコーン油剤の表面張力を低下させる効果があること
がわかった。しかも、エマルジョン化に先立ってベース
オイルを混合する場合にその効果が顕著である。そのメ
カニズムは明らかではないが、ベースオイルの混合によ
ってエマルジョンがより安定化しているものと考えられ
る。
【0039】エポキシ変性シリコーンの場合、プリカー
サーへの親和性から1、2−エポキシシクロヘキシル基
や1、2−エポキシシクロペンチル基のような脂環式エ
ポキシ変性が好ましい。エポキシ基を−CHCH2 Oと
換算した変性量は0.05〜10重量%であることが好
ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。0.05重
量%未満ではプリカーサーへの親和性が不足することが
あり、10重量%を越えると耐熱性が低下することがあ
る。また、分子量が高いほど耐熱性が向上するため、2
5℃における動粘性率は1000cSt以上であること
が好ましく、5000cSt以上がより好ましく、10
000cSt以上であることがさらに好ましい。一般的
に50000cStを越えると水中に分散させるのが困
難になることがある。
【0040】アミノ変性シリコーンの場合、モノアミン
型でもポリアミン型でもよい。末端アミノ基を−NH2
と換算した変性量は0.05〜10重量%であることが
好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。0.05
重量%未満ではプリカーサーへの親和性が不足すること
があり、10重量%を越えると耐熱性が低下することが
ある。また、分子量が高いほど耐熱性が向上するため、
25℃における動粘性率は1000cSt以上であるこ
とが好ましく、3000cSt以上がより好ましく、5
000cSt以上がさらに好ましい。一般的に5000
0cStを越えると水中に分散させることが困難になる
場合がある。
【0041】アルキレンオキサイド変性シリコーンの場
合、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変
性、あるいは両者で変性されているものが好ましい。こ
れらのアルキレンオキサイドで変性することによってシ
リコーン自身に親水性を付与し、自己乳化性を付与して
界面活性剤のように働かせることができる。このため、
水中での安定性や繊維表面への均一付着性などの好まし
い特性が生じると考えられる。アルキレンオキサイドの
ユニットとしては重合度が25以下のものが好ましい。
25をこえると耐熱性が低下することがある。
【0042】アルキレンオキサイド変性量は10〜80
重量%であることが好ましく、20〜70重量%がより
好ましい。10重量%未満では先述の自己乳化性が不足
することがあり、また、80重量%を越えると耐熱性が
低下することがある。また、分子量が高いほど耐熱性が
向上するため、25℃における動粘性率は100cSt
以上であることが好ましく、300cSt以上であるこ
とがより好ましく、500cSt以上であることがさら
に好ましい。また、一般的に10000cStを越える
と水中に分散させることが困難になる場合がある。
【0043】一般的に、シリコーンの分子量が大きくな
ると、ポリアクリロニトリルへの接触角が大きくなり、
糸の表面でシリコーンが広がりにくくなって付着ムラが
発生することがあるため、シリコーンのベースオイルの
ポリアクリロニトリルフィルムに対する接触角は40゜
以下であることが好ましく、30゜以下であることがよ
り好ましく、20゜以下であることがさらに好ましい。
一般的に接触角を3゜以下にすることは現状では難し
い。
【0044】接触角の測定は次の方法で行う。[η]が
1.5〜2程度のアクリロニトリルのホモポリマーのジ
メチルスルホキシド溶液を作成し、ガラス板の上に薄く
引き延ばして120℃で6時間乾燥し、厚み5〜100
μm程度のポリアクリロニトリルのフィルムを作成す
る。その上へシリコーン油剤のベースオイルを約2マイ
クロリットル置き、25℃で接触角を測定する。実施例
中では、エルマ販売(株)製のG−I型接触角測定器を
用いた。測定が困難である場合、測定に用いるベースオ
イルの量を1〜10マイクロリットルの範囲で適宜変更
することができる。
【0045】上記のように、シリコーンの分子量が大き
くなると、耐熱性は向上するものの濡れ性が低下する傾
向があるが、両者を同時に満足させる方法として、縮合
反応性基を有する変性シリコーンを糸条に付与した後、
糸表面で反応させて高分子量化することが好ましい。つ
まり、25℃における粘度が100cSt以上、かつ2
5℃におけるポリアクリロニトリルフィルムに対する接
触角が40゜以下であり、縮合反応性基による変性量が
0.01〜10重量%である変性シリコーンが好まし
い。
【0046】ここで、縮合反応性基としては、アルコキ
シ基、アルケノキシ基、シラノール基等が挙げられ、こ
れらが好ましい。アルコキシ基の具体例としては、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられるが、
メトキシ基、エトキシ基が汎用性の点から好ましい。ま
た、アルケノキシ基の具体例としてはアセトキシ基、プ
ロピオニルオキシ基等が挙げられるが、アセトキシ基が
汎用性の点から好ましい。
【0047】アルコキシ基、アルケノキシ基、シラノー
ル基の変性量は0.02〜5重量%がより好ましく、
0.04〜2重量%がさらに好ましい。変性量が0.0
1重量%以下の場合、縮合反応による高分子量化の効果
が出ないことがあり、また、10重量%を越えると、油
剤としての安定性が悪くなることがある。この場合、ア
ルコキシ基、アルケノキシ基は、それぞれ−OCn
2n+1、−OCOCn 2n+1と換算した変性量のことであ
り、シラノール基は−OHと換算した変性量のことであ
る。これらの官能基は、シリコーンの末端に存在しても
よく、また、側鎖として存在してもよい。
【0048】これらの変性シリコーンは、耐熱性と糸へ
の濡れ性を同時に満足することが重要であるため、25
℃における粘度が100cSt以上、かつ25℃におけ
るポリアクリロニトリルフィルムに対する接触角が40
゜以下である。粘度は1000cSt以上であることが
好ましく、3000cSt以上がより好ましく、100
00cSt以上がさらに好ましい。接触角は、30゜以
下であることが好ましく、25゜以下であることがより
好ましく、20゜以下であることがさらに好ましい。
【0049】また、糸へ付与後の縮合反応性を高めるた
め、アルコキシ基および/またはアルケノキシ基を有す
る変性シリコーンとシラノール基を有する変性シリコー
ンとを併用することが好ましい。また、アルコキシシリ
ル基、アルケノキシシリル基等を有する架橋剤を付与す
ることが好ましい。架橋剤の具体例としては、メチルト
リメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリアセト
キシメチルシラン、トリス(エチルメチルケトオキシ
ム)メチルシラン等、あるいはこれらの部分加水分解物
を挙げることができる。架橋剤の付与は、シリコーン油
剤と同時に行ってもよく、また、シリコーン付与前、あ
るいはシリコーン付与後に焼成工程に先立って行っても
よい。この中で、油剤の経時安定性、ガムアップ等プロ
セス性への影響が少ないという点では、シリコーン油剤
付与後に製糸工程において、あるいは焼成工程に先立っ
て行うことが好ましい。さらに、縮合反応を進行させる
ため、スズ化合物、チタン化合物、金属脂肪酸塩、アミ
ノ基含有化合物等の触媒を付与することもできる。
【0050】アルコキシ基、アルケノキシ基、シラノー
ル基等、縮合反応性基を有する変性シリコーンは、これ
らのみで使用してもよいが、糸への均一付着性等の観点
から、エポキシ変性、アミノ変性、アルキレンオキサイ
ド変性のシリコーンと併用することが好ましく、中でも
アミノ変性シリコーンと併用することが好ましい。併用
の形態としては、単純にこれらのシリコーンを混合使用
してもよいし、できれば同じ分子内にアルコキシ基、ア
ルケノキシ基、シラノール基等から選ばれた1種以上
と、エポキシ基、アミノ基、アルキレンオキサイド構造
から選ばれた1種以上を併せ持つシリコーンを使用する
ことが好ましい。また、同じ分子内にアルコキシ基、ア
ルケノキシ基、シラノール基等から選ばれた1種以上
と、アミノ基を併せ持つシリコーンを使用することがよ
り好ましい。
【0051】ポリオルガノシロキサンの側鎖は、通常メ
チル基あるいはフェニル基であるが、オイルとしてはフ
ェニル基の安定性が最も高く、側鎖アルキル基の炭素数
が多くなるほど安定性は低下する。これは脱アルキルに
よる架橋反応が進行しやすいということであり、結果と
して油剤の耐熱性が向上する。よって、側鎖アルキル基
の5%以上が炭素数2以上のアルキル基であることが好
ましく、10%以上がより好ましく、20%以上がさら
に好ましい。炭素数が2以上のアルキル基としては、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル
基等が挙げられるが、ベースオイルの合成に関し、原料
の沸点が高くなる炭素数6以上のアルキル基を用いると
合成が比較的容易になるため好ましい。これらアルキル
変性シリコーンはこれらのみで使用してもよいが、糸へ
の均一付着性等の観点から、エポキシ変性、アミノ変
性、アルキレンオキサイド変性のシリコーンと併用する
ことが好ましく、中でもアミノ変性シリコーンと併用す
ることが好ましい。併用の形態としては、単純にこれら
のシリコーンを混合使用してもよいし、できれば同じ分
子内に炭素数が2以上のアルキル基と、エポキシ基、ア
ミノ基、アルキレンオキサイド構造から選ばれた1種以
上を併せ持つシリコーンを使用することが好ましい。
【0052】さらに、プリカーサー表面のシリコーンの
ゴム被膜を強固にし、得られる炭素繊維の強度を高くす
るためには、多塩基酸および多塩基酸のアンモニウム
塩、金属塩から選ばれた1種以上を付与してシリコーン
油剤のゴム化率を高くすることが好ましい。中でも、金
属塩は炭素繊維の物性を低下させることがあるため、多
塩基酸および多塩基酸のアンモニウム塩から選ばれた1
種以上を付与することがより好ましい。多塩基酸および
多塩基酸のアンモニウム塩の具体例としては、ホウ酸、
ホウ酸アンモニウム、リン酸、リン酸アンモニウム等で
ある。ゴム化率の測定方法は次のとおりである。
【0053】シリコーン成分が約3グラム含まれるよう
に、シリコーン油剤を秤量し、予め秤量した重量W1
(g)、直径約60mm、深さ約20mmの円形のアル
ミ皿に入れる。これを、オーブンで空気中105℃×2
時間熱処理し、続いて空気中130℃×2時間の熱処理
をする。得られたゲル状物質をアルミ皿ごとオーブンか
ら出し、デシケーター中で室温まで冷却したのち精秤
し、得られた該ゲル状物質のアルミ皿こみの重量をW2
(g)とする。続いて該ゲル状物質を、ブフナーロート
上においた濾紙に全量移し、クロロホルムを用いて濾過
し、溶解部分と非溶解部分とに分離する。300mlの
クロロホルムを少なくとも3回に分けて濾過を行い、濾
過終了後、濾紙ごとオーブンで空気中60℃×1時間乾
燥する。乾燥後、デシケーター中で室温まで冷却したの
ち精秤し、得られた非溶解部分の濾紙こみの重量をW3
(g)とする。使用する濾紙は、予めオーブンで空気中
60℃×1hr乾燥後、デシケーター中で室温まで冷却
したのち秤量しておく。濾紙の乾燥後の重量をW4
(g)とすると、ゴム化率は以下の式で表せる。
【0054】ゴム化率(%)={(W2 −W1 )/(W
3 −W4 )}×100 濾紙は、直径約110mmの円形で、JIS P 38
01に規定される5種Aに相当する物を使用する。シリ
コーン油剤中のシリコーン成分の含有率が低い場合、1
00℃を超えない温度で熱処理し、濃縮してから上記測
定に供するのが好ましい。
【0055】ゴム化率が高いほど効果が大きくなるた
め、シリコーン油剤のゴム化率としては、10〜80%
が好ましく、15〜70%がより好ましく、20〜60
%がさらに好ましい。ゴム化率が10%を下回るとゴム
被膜強化効果が得にくくなることがあり、80%を超え
るとプロセス性に悪影響を及ぼし、かえって強度を低下
させることがある。
【0056】本発明による炭素繊維はアクリル系、ピッ
チ系、レーヨン系等いずれでも良いが、アクリル系の製
法例について説明する。
【0057】アクリル系炭素繊維のプリカーサーを構成
するポリアクリロニトリルとしては、アクリロニトリル
85重量%以上、アクリロニトリルと共重合可能な重合
性不飽和単量体を15重量%以下含む重合体であること
が好ましい。重合性不飽和単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸およびそれらのアルカリ
金属塩、アンモニウム塩およびアルキルエステル類、ア
クリルアミド、メタクリルアミドおよびそれらの誘導
体、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸およびそれ
らの塩類またはアルキルエステル類等をあげることがで
きる。
【0058】また、不飽和カルボン酸等、耐炎化反応を
促進する重合性不飽和単量体を共重合することが好まし
い。その共重合量は0.1〜10重量%であることが好
ましく、0.3〜5重量%であることがより好ましく、
0.5〜3重量%であることがさらに好ましい。不飽和
カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、エタクリ
ル酸、マレイン酸、メサコン酸等をあげることができ
る。また、高強度の炭素繊維を得るためには、不飽和カ
ルボン酸のアルキルエステル、酢酸ビニルから選ばれた
1種以上を共重合することが好ましい。その共重合量は
0.1〜10重量%であることが好ましく、0.3〜5
重量%であることがより好ましく、0.5〜3重量%で
あることがさらに好ましい。不飽和カルボン酸のアルキ
ルエステルの具体例としては、アクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸セカン
ダリーブチル等を挙げることができるが、その中でもア
クリル酸、メタクリル酸のプロピル、ブチル、イソブチ
ル、セカンダリーブチルエステルが好ましい。
【0059】重合方法としては、懸濁重合、溶液重合、
乳化重合など従来公知の方法を採用することができる。
重合度としては、極限粘度([η])で好ましくは1.
0以上、より好ましくは1.25以上、さらに好ましく
は1.5以上である。なお、[η]は5.0以下にする
のが紡糸安定性の点から好ましい。
【0060】溶液紡糸の場合の溶媒は、有機、無機の公
知の溶媒を使用することができ、具体的にはジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、硝酸、ロダンソーダ水溶液および塩化亜鉛水溶液
などを溶媒とするポリマー溶液を紡糸原液とする。
【0061】重合体は公知の方法によってプリカーサー
とすることができる。紡糸は、直接凝固浴中へ紡出する
湿式紡糸法や、一旦空気中へ紡出した後に浴中凝固させ
る乾湿式紡糸法、あるいは乾式紡糸法、溶融紡糸によっ
てもよいが、高強度の炭素繊維を得るためには乾湿式紡
糸が好ましい。
【0062】溶媒、可塑剤を使用する紡糸方法による時
には、紡出糸を直接浴中延伸してもよいし、また、水洗
して溶媒、可塑剤を除去した後に浴中延伸してもよい。
浴中延伸の条件は、通常、50〜98℃の延伸浴中で約
2〜6倍に延伸する。浴中延伸後の糸条はホットドラム
などで乾燥することによって乾燥緻密化が達成される。
乾燥温度、時間などは適宜選択することができる。ま
た、必要に応じて乾燥緻密化後の糸条をより高温(たと
えば加圧スチーム中)で延伸することもおこなわれ、こ
れらによって、所定の繊度、配向度を有するプリカーサ
ーとすることができる。
【0063】本発明では、乾燥緻密化に先立って、耐熱
性付与を目的としてシリコーンを付与する。シリコーン
の付与方法としては、工程油剤浴中の駆動、非駆動ロー
ラー、あるいは固定、非固定のガイドバーへ糸条を掛け
て糸条に付与する方法、上方へ吹き出した工程油剤液中
に糸条を走行させて付与する方法、走行している糸条に
上方より油剤液を落下させる方法、油剤液を噴霧した空
間に糸条を走行させる方法等種々考えられ、適宜選択す
ることができる。また、乾燥緻密化後にさらにシリコー
ンを付与してもよい。この場合も、先述の付与方法を採
ることができるが、乾燥の不要なストレートオイルを付
与することがよくおこなわれる。均一に油剤を付着させ
るためには、油剤付与後に、フリーローラーを複数個連
続して並べ、接触角の合計が8π以上になるように、ジ
グザグに、プリカーサー繊維を通すことが有効である。
接触角は、大きいほど好ましいが、コストあるいはスペ
ースの関係から、16π以下が実際的である。
【0064】強度の高い炭素繊維を得るためには、緻密
性の高いプリカーサーが有効である。緻密性としては、
ヨウ素吸着法による明度差ΔLの値が好ましくは45以
下、より好ましくは30以下、さらに好ましくは15以
下の緻密なプリカーサーがよい。ΔLが45以下の緻密
なプリカーサーを得るための手段としては、乾湿式紡
糸、紡糸原液の高濃度化、紡糸原液および凝固浴液の低
温化および凝固時の低張力化などにより凝固糸の膨潤度
を低くおさえ、かつ浴延伸時の延伸段数、延伸倍率およ
び延伸温度の最適化により浴延伸糸の膨潤度を低くおさ
えることが有効である。すなわち、油剤を付与するとき
の糸条膨潤度は150%以下であることが好ましく、1
20%以下であることがより好ましく、90%以下であ
ることがさらに好ましい。
【0065】温度の高い延伸浴では、入り側ローラーに
よる熱圧着のため、単繊維間の接着が起りやすいので、
ローラーを高温の浴外に出すことが効果的である。ま
た、疑似接着をはずすために、浴中に振動ガイドを設け
て、糸束を振動させることも有効である。その際の振動
数としては、5〜100Hzが好ましく、振幅は0.1
〜10mmが好ましい。これらの技術を組み合わせるこ
とによって、60〜100℃といった高温での浴延伸
が、乾湿式紡糸法においても、容易となる。
【0066】なお、ΔLは以下の方法により求めた値で
ある。繊維長5〜7cmの乾燥試料を約0.5g精秤
し、200mlの共栓付三角フラスコに採り、これにヨ
ウ素溶液(I2 :51g、2、4−ジクロロフェノール
10g、酢酸90gおよびヨウ化カリウム100gを精
秤し、1lのメスフラスコに移して水で溶かして定容と
する)100mlを加えて、60℃で50分間振盪しな
がら吸着処理をおこなう。ヨウ素を吸着した試料を流水
中で30分間水洗した後、遠心脱水(2000rpm×
1分)してすばやく風乾する。この試料を開繊した後、
ハンター型色差計[カラーマシン(株)製、CM−25
型]で明度(L値)を測定する(L1 )。一方、ヨウ素
の吸着処理をおこなわない対応の試料を開繊し、同様に
前記ハンター型色差計で、明度(L0 )を測定し、L0
−L1 により明度差ΔLを求めた。
【0067】また、膨潤度は次の方法により求める。膨
潤糸を、延伸脱水機を用いて付着水を除去した(300
0rpm、15分間)後の重量wと、これを110℃で
2時間熱風乾燥機で乾燥した後の重量w0 とを用いて、
次式により求める。
【0068】 膨潤度(%)=(w−w0 )×100/w0 プリカーサーの単繊維繊度としては、強度向上の観点か
ら引き続く耐炎化工程おいて焼成ムラを起こさないよう
細い方が好ましく、好ましくは1.5d以下、より好ま
しくは1.0d以下、さらに好ましくは0.8d以下で
ある。
【0069】かかるプリカーサーを焼成することによ
り、高性能な炭素繊維とすることができる。耐炎化条件
としては、従来公知の方法を採用することができ、酸化
性雰囲気中200〜300℃の範囲で、緊張、あるいは
延伸条件下が好ましく使用され、密度が好ましくは1.
25g/cm3 以上、より好ましくは1.30g/cm
3 以上に達するまで加熱処理される。この密度は、1.
60g/cm3 以下にとどめるのが一般的であり、これ
以上にすると、物性が低下することがある。一般に雰囲
気については、公知の空気、酸素、二酸化窒素、塩化水
素などの酸化性雰囲気を使用できるが、経済性の面から
空気が好ましい。
【0070】本発明においては、プリカーサーに付与さ
れたシリコーンを架橋することが好ましい。焼成途中と
は、耐炎化前、耐炎化途中、あるいは耐炎化後のことで
あり、炭化する前であればよい。耐炎化の熱処理と同時
に架橋させることもできるし、それに先だって200℃
以下の温度で熱処理して架橋させることもできる。
【0071】耐炎化を完了した糸条は、従来公知の方法
で不活性雰囲気中炭化処理をおこなう。炭化温度として
は、得られる炭素繊維の物性から1000℃以上が好ま
しく、さらに必要に応じて2000℃以上の温度で黒鉛
化することができる。また、350〜500℃および1
000〜1200℃における昇温速度は好ましくは50
0℃/分以下であり、より好ましくは300℃/分以
下、さらに好ましくは150℃/分以下である。これに
より、ボイドなど内部欠陥の少ない緻密な炭素繊維を得
ることができる。なお、この昇温速度が10℃/分以下
では生産性が低くなりすぎる。また、350〜500℃
あるいは2300℃以上において好ましくは1%以上、
より好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上
の延伸をおこなうことが緻密性向上の上で重要である。
なお、40%をこえる延伸は毛羽が発生しやすくなるた
め好ましくない。
【0072】そして、このようにして得られた炭素繊維
は、酸またはアルカリ水溶液からなる電解槽中で電解酸
化処理を施したり、気相または液相での酸化処理を施す
ことにより、複合材料における炭素繊維とマトリックス
樹脂との親和性や接着性を向上させることが好ましい。
【0073】特に、短時間で酸化処理でき、酸化程度の
コントロールが容易であることから電解酸化が好まし
い。電解処理の電解液としては酸性、アルカリ性いずれ
も採用できる。酸性電解質としては、具体的には硫酸、
硝酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸、酢酸、
酪酸、シュウ酸、アクリル酸、マレイン酸などの有機
酸、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム等の塩が
挙げられる。好ましくは強酸性を示す硫酸、硝酸がよ
い。アルカリ性電解液としては、具体的には水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどの水酸化
物、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム
などの無機塩類、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム
等の有機塩類、さらにこれらのカリウム塩、バリウム塩
あるいは他の金属塩、およびアンモニウム塩、水酸化テ
トラエチルアンモニウムまたはヒドラジン等の有機化合
物が挙げられるが、好ましくは樹脂の硬化障害をおこす
アルカリ金属を含まない炭酸アンモニウム、炭酸水素ア
ンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム類など
が好ましい。
【0074】電気量は被処理炭素繊維の炭化度に合わせ
て最適化することが好ましい。表層の結晶性の低下を適
度な範囲とする観点からは通電処理の総電気量は5〜1
000クーロン/g、さらには10〜500クーロン/
gの範囲とするのが好ましい。
【0075】電解処理または洗浄処理をおこなった後、
水洗および乾燥することが好ましい。この場合、乾燥温
度が高すぎると炭素繊維の再表面に存在する官能基が熱
分解によって消失しやすいため、できる限り低い温度で
乾燥することが望ましく、具体的には乾燥温度が250
℃以下、より好ましくは210℃以下で乾燥することが
好ましい。
【0076】さらに、必要に応じて従来公知の技術によ
りサイジング付与などをおこなうことができる。
【0077】上記のような本発明にかかる炭素繊維製造
用プリカーサーから製造した炭素繊維においては、その
機械的物性としては、樹脂含浸ストランドにおける引張
強度が3000MPa以上である。好ましくは4000
MPa以上、より好ましくは5000MPa以上、さら
に好ましくは6000MPa以上である。また、炭素繊
維の引張弾性率は200GPa以上、好ましくは220
GPa以上、より好ましくは240GPa以上、さらに
好ましくは280GPa以上である。上記ストランド強
度あるいは弾性率がそれぞれ3000MPa以未満、あ
るいは200GPa未満の炭素繊維の場合には、コンポ
ジットとした時に、構造材として所望の特性が得られな
い場合がある。
【0078】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0079】なお、本発明における引張強度、弾性率は
樹脂含浸ストランド法により求めた。
【0080】“ベークライト”ERL−4221(登録
商標、ユニオン・カーバイド(株)製)/三フッ化ホウ
素モノエチルアミン(BF3 ・MEA)/アセトン=1
00/3/4部を炭素繊維に含浸し、得られた樹脂含浸
ストランドを130℃で30分間加熱して硬化させ、J
IS−R−7601に規定する樹脂含浸ストランド試験
法に従って測定した。
【0081】なお、束強力は次の方法で測定した。炭素
繊維に樹脂を含浸させることなく、そのまま炭素繊維か
ら、長さ50mmの炭素繊維の試験片を作成する。この
試験片を、エアチャックで把持して、引張速度5〜10
0mm/分で引張り、破断強力を、5本の試験片につい
て測定し、その平均値求める。次いで、炭素繊維の太さ
の影響を排除するため、炭素繊維の断面積を0.22m
m2とした場合の値に、比例換算を行い、その結果得ら
れる値を、炭素繊維の束強力とする。なお、束強力の測
定時に、炭素繊維の収束性が悪く、良好な配列でチャッ
クに把持できない場合には、水浴を通して収束させ、水
に濡れた状態で測定するとよい。
【0082】また、アミノ変性シリコーンとしては下記
構造式(1)で示した基本骨格を含むジアミン型、変性
量1重量%のジメチルシロキサン系のシリコーンを用い
た。エポキシ変性シリコーンとしては下記構造式(2)
で示した基本骨格を含む脂環式、変性量1重量%のジメ
チルシロキサン系のシリコーンを用いた。アルキレンオ
キサイド変性シリコーンとしては下記構造式(3)で示
した基本骨格を含むエチレンオキサイド変性、変性量5
0重量%のジメチルシロキサン系のシリコーンを用い
た。乳化剤としては、ポリエチレングリコールラウリル
エーテルとポリエチレングリコールステアリルアミノエ
ーテルとを重量比9/1で用いた。
【0083】
【化1】
【化2】
【化3】 実施例1〜7 ジメチルスルホキシドを溶媒とする溶液重合法により、
アクリロニトリル99重量%とイタコン酸1重量%とか
らなる[η]が1.70、重合体濃度20重量%の紡糸
原液を得た。重合後、アンモニアガスをpHが8.5に
なるまで吹き込み、イタコン酸を中和して、アンモニウ
ム基をポリマーに導入することにより、紡糸原液の親水
性を向上させた。得られた紡糸原液を40℃として、こ
れを3000フィラメント用の口金を通じて一旦空気中
に吐出して約3mmの空間部分を走行させた後、10℃
のジメチルスルホキシド30重量%水溶液中で凝固さ
せ、凝固糸条を水洗後、4倍まで浴延伸し、表1の組成
からなる不揮発成分2重量%のシリコーン油剤を付与し
た。さらに、ジグザグに配置した直径20mmのフリー
ローラー10個でしごいて、油剤を糸条中にマイグレー
ションさせてから乾燥緻密化した。さらに、加圧スチー
ム中で2.5倍まで延伸して単糸繊度0.8d、総繊度
2400Dのプリカーサーを得た。油剤付着量は0.7
重量%であった。
【0084】得られたプリカーサーを240〜280℃
の空気中で延伸比1.05で加熱して密度1.32g/
cm3 の耐炎化糸を得た。ついで、窒素雰囲気中350
〜500℃の温度領域での昇温速度を200℃/分と
し、2%の延伸をおこなった後、さらに1400℃まで
焼成した。
【0085】続いて濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として、10クーロン/gで電解処理、水洗し、
150℃の加熱空気中で乾燥した。このようにして得ら
れた炭素繊維の物性を表1に示す。また、使用した油剤
のベースオイルのポリアクリロニトリルに対する接触角
を表2に示す。
【0086】比較例1、2 表1に示したシリコーン油剤を付与したこと以外は実施
例1と同様にして炭素繊維を得た。物性を表1に示す。
【0087】実施例8〜14 ジメチルスルホキシドを溶媒とする溶液重合法により、
アクリロニトリル98重量%、イタコン酸1重量%とイ
ソブチルメタクリレート1重量%とからなる[η]が
1.70、重合体濃度20重量%の紡糸原液を得た。重
合後、アンモニアガスをpHが8.5になるまで吹き込
み、イタコン酸を中和して、アンモニウム基をポリマー
に導入することにより、紡糸原液の親水性を向上させ
た。得られた紡糸原液を、40℃として、直径0.15
mm、孔数3000の紡糸口金を用いて、一旦空気中に
吐出し、約4mmの空間を通過させた後、3℃にコント
ロールした35重量%ジメチルスルホキシドの水溶液か
らなる凝固浴に導く乾湿式紡糸方法により凝固させた。
得られた凝固糸の膨潤度は、220%であった。得られ
た凝固糸を、水洗した後、温水中で延伸した。延伸浴は
4槽用い、第1浴から10℃づつ昇温して、第4浴の温
度を90℃とした。また、浴延伸倍率は3.5倍とし
た。単繊維間接着を防ぐために、入り側のローラーを浴
から上げた状態で繊維を浴中に導入するとともに、振動
ガイドを各浴に設置した。振動数は25Hz、振幅は2
mmとした。得られた浴延伸糸の膨潤度は73%であっ
た。
【0088】表3の組成からなる不揮発成分2重量%の
工程油剤を付与し、ジグザグに配置した直径20mmの
フリーローラー10個でしごいて油剤を糸条中にマイグ
レーションさせてから乾燥緻密化した。さらに、加圧ス
チーム中で2.5倍まで延伸して単糸繊度1d、総繊度
3000Dのプリカーサーを得た。油剤付着量は0.6
重量%であった。
【0089】得られた繊維束を230〜260℃の空気
中で延伸比0.90で加熱して、水分率が7%の耐炎化
繊維に転換した。得られた耐炎化繊維を窒素雰囲気中3
00〜500℃の温度領域での昇温速度を400℃/
分、1000〜1200℃の温度領域での昇温速度を5
00℃/分として、1300℃まで延伸比0.92で焼
成した。焼成後、炭酸アンモニウムの水溶液中で10ク
ーロン/g−CFの陽極酸化処理を行った。最終焼成速
度は10m/分とした。
【0090】ここに得られた炭素繊維の単繊維径は7.
0μmであった。炭素繊維の物性を表3に示す。また、
実施例8の工程油剤のゴム化率は7%であった。
【0091】比較例3、4 表3に示したシリコーン油剤を付与したこと以外は実施
例8と同様にして炭素繊維を得た。物性を表3に示す。
【0092】実施例15 工程油剤中に1重量%のホウ酸を加えたこと以外は実施
例8と同様にして炭素繊維を得た。結果を表3に示す。
また、工程油剤のゴム化率は、29%であった。
【0093】
【表1】
【表2】
【表3】
【0094】
【発明の効果】本発明により、容易に高強度の炭素繊維
を得るための炭素繊維用プリカーサーを得ることができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面張力が24dyne/cm以下のシリ
    コーン油剤を付与したことを特徴とする炭素繊維用プリ
    カーサー。
  2. 【請求項2】25℃におけるポリアクリロニトリルフィ
    ルムに対する接触角が15゜以下であるシリコーン油剤
    を付与したことを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維
    用プリカーサー。
  3. 【請求項3】25℃における粒子径が、0.2μm以下
    であるシリコーン油剤を付与したことを特徴とする請求
    項1または2に記載の炭素繊維用プリカーサー。
  4. 【請求項4】乳化剤の比率R1が不揮発成分の40%以
    下であるシリコーン油剤を付与したことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維用プリカーサ
    ー。
  5. 【請求項5】25℃における粘度が1000cSt以上
    であり、エポキシ基による変性量が0.05〜10重量
    %であるエポキシ変性シリコーンと、25℃における粘
    度が1000cSt以上であり、アミノ基による変性量
    が0.05〜10重量%であるアミノ変性シリコーンか
    らなるシリコーン油剤を付与したことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維用プリカーサー。
  6. 【請求項6】25℃における粘度が1000cSt以上
    であり、エポキシ基による変性量が0.05〜10重量
    %であるエポキシ変性シリコーン、25℃における粘度
    が1000cSt以上であり、アミノ基による変性量が
    0.05〜10重量%であるアミノ変性シリコーン、2
    5℃における粘度が100cSt以上であり、アルキレ
    ンオキサイドによる変性量が10〜80重量%であるア
    ルキレンオキサイド変性シリコーンからなるシリコーン
    油剤を付与したことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の炭素繊維用プリカーサー。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維
    用プリカーサーを焼成することを特徴とする炭素繊維の
    製造方法。
JP27559397A 1997-10-08 1997-10-08 炭素繊維用プリカーサーおよび炭素繊維の製造方法 Pending JPH11117128A (ja)

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