JPH11105192A - 無機質系化粧板及びその製造方法 - Google Patents

無機質系化粧板及びその製造方法

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JPH11105192A
JPH11105192A JP29360797A JP29360797A JPH11105192A JP H11105192 A JPH11105192 A JP H11105192A JP 29360797 A JP29360797 A JP 29360797A JP 29360797 A JP29360797 A JP 29360797A JP H11105192 A JPH11105192 A JP H11105192A
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JP
Japan
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layer
ionizing radiation
curable resin
inorganic
transfer sheet
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JP29360797A
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Yoshiaki Horio
義明 堀尾
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐防火性を有し、かつ、耐汚染性に
優れた、流し台、ガスコンロ等のキッチン回りに使用可
能な、平滑な表面外観を有する無機質系化粧板およびそ
の製造方法を提供することにある。 【解決手段】 無機質系基材の上面に、ベースコート
層、電離放射線硬化性樹脂層、絵柄印刷層、トップコー
ト層が順次積層され、前記絵柄印刷層が前記電離放射線
硬化性樹脂層を塗工硬化すると同時に転写により形成さ
れた無機質系化粧板において、前記絵柄印刷層の上面が
凹凸面を有し、且つトップコート層表面が平滑性を有す
る無機質系化粧板とすることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築内装材、特
に、流し台、ガスコンロ等のキッチン回りに用いられ
る、耐汚染性に優れ、平滑な表面を有する無機質系化粧
板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、流し台、ガスコンロ等のキッチン
回りに用いられる無機質系化粧板としては、珪酸カルシ
ウム板、石綿スレート板、セメントスレート板等の無機
質系基材に、例えば、(1)印刷模様が形成された化粧
紙を貼着する方法、(2)直接無機質系基材に絵柄模様
を印刷する方法、または、(3)転写シートを用いて無
機質系基材面に絵柄模様を転写する方法等によって絵柄
模様を設けた後、該絵柄模様層の上から透明塗料を塗装
し、トップコート層としたものが知られているが、
(1)の印刷模様を形成した化粧紙を貼着する方法にお
いては、トップコート層は平滑となるが、化粧紙の紙の
部分にカビが発生しやすいという問題があり、(2)の
直接無機質系基材に絵柄模様を印刷する方法では、印刷
適性が悪く、細密な絵柄模様の現出が困難で意匠性に劣
るという欠点があり、(3)の転写シートを用いて絵柄
模様を設ける方法においては、転写するために使用する
樹脂とトップコート層を形成する樹脂の相溶性が悪く、
トップコート層が平滑とならず鏡面とする要望には応え
られないものであった。
【0003】特に、トップコート層にフッ素基を含有し
た電離放射線硬化性樹脂を用いたものが表面硬度、耐摩
耗性、耐擦傷性、耐汚染性等の表面物性に優れたものと
して用いられている。しかし、前記トップコート層とし
て、フッ素基を含有した電離放射線硬化性樹脂を用いた
塗料溶液は表面張力が大きく、濡れ性が悪いため塗装後
の表面が平滑になりにくく弾きやクレーターが発生し、
意匠面において問題を有するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、耐熱性、耐防火性を有し、かつ、耐汚染性に優れ
た、流し台、ガスコンロ等のキッチン回りに使用可能
な、平滑な表面外観を有する無機質系化粧板およびその
製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の解決手段は、無機質系化粧板無機質系基材の
上面に、ベースコート層、電離放射線硬化性樹脂層、絵
柄印刷層、トップコート層が順次積層され、前記絵柄印
刷層が前記電離放射線硬化性樹脂層を塗工硬化すると同
時に転写により形成された無機質系化粧板において、前
記絵柄印刷層の上面が凹凸面を有し、且つトップコート
層表面が平滑性を有することを特徴とする無機質系化粧
板とすることである。この構成とすることにより、化粧
紙を用いることなく無機質系基材の上面に細密な絵柄印
刷層を形成することができ、また、表面に平滑なトップ
コート層が形成されるため、意匠性に優れた鏡面仕上げ
の無機質系化粧板とすることが出来る。
【0006】また、前記凹凸面の表面粗度Raが0.2
〜0.5μmからなるものとすることにより、絵柄印刷
層の表面張力が小さくなり、濡れ性がよくなるため、ト
ップコート層が平滑に形成され、意匠性、防汚性に優れ
た無機質系化粧板となる。
【0007】また、絵柄印刷層が粒径20μm以上の顔
料を含有することにより、転写により形成される絵柄印
刷層上面の凹凸面の表面粗度Raを0.2〜0.5μm
にすることができるので、トップコート層表面を平滑に
形成しやすい。
【0008】また、前記トップコート層が前記電離放射
線硬化性樹脂層と異なる電離放射線硬化性樹脂により形
成されていることを特徴とするものである。こうするこ
とで、化粧板の表面硬度、薬品性等の物性を向上させる
ことができる。
【0009】さらに、トップコート層を形成する樹脂が
フッ素基を含有する電離放射線硬化性樹脂よりなること
を特徴とするものである。こうすることで、化粧板表面
の防汚性が向上し、乾拭きにて簡単に表面の汚れを拭き
取ることが可能になる。
【0010】電離放射線透過性を有する転写シート基材
の一方の面に形成された凹凸面に絵柄印刷層を積層した
転写シートを準備する工程、無機質系基材の面にベース
コート層を塗工する工程、前記無機質系基材のベースコ
ート層面に電離放射線硬化性樹脂を塗工し電離放射線硬
化性樹脂層を形成する工程、前記転写シートの絵柄印刷
層面を前記無機質系基材の電離放射線硬化性樹脂層面に
接するように載置し前記転写シートの電離放射線透過性
を有する転写シート基材面より電離放射線を照射し前記
電離放射線硬化性樹脂層を半硬化する工程、前記転写シ
ートの転写シート基材を剥離することにより前記無機質
系基材の電離放射線硬化性樹脂層面に凹凸面を有する状
態で絵柄印刷層を形成する工程、前記絵柄印刷層表面に
トップコート層を形成する工程からなることを特徴とす
る無機質系化粧板の製造方法とすることにより、上記の
ような効果を有する無機質系化粧板を容易に確実に製造
できるものである。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の無機質
系化粧板の積層構成を示す断面図、図2は本発明の無機
質系化粧板の製造方法の一例を説明する断面図であり、
1は無機質系化粧板、2は無機質系基材、3はベースコ
ート層、3aはシーラー層、3bはプライマー層、4は
電離放射線硬化性樹脂層、5は絵柄印刷層、5aはベタ
インキ層、5bは絵柄インキ層、6はトップコート層、
7は転写シート、8は転写シート基材、9は凹凸面、R
は電離放射線をそれぞれ表す。
【0012】本発明の無機質系化粧板1の構成は図1に
示すように、無機質系基材2の上面に設けられたベース
コート層3面に、電離放射線硬化性樹脂層4を介して絵
柄印刷層5を設け、さらにその上面にフッ素基を含有す
る電離放射線硬化性樹脂よりなるトップコート層6が平
滑に形成された構成からなる。絵柄印刷層5はベタイン
キ層5aと絵柄インキ層5bで構成されており、無機質
系基材2の上面に設けられたシーラー層3aとプライマ
ー層3bからなるベースコート層3の上面に設けた電離
放射線硬化性樹脂層4を塗工硬化すると同時に転写によ
り、絵柄印刷層5の上面に凹凸面9bを有する状態で形
成し、さらに該絵柄印刷層5の上面にフッ素基を含有す
る電離放射線硬化性樹脂により平滑な表面からなるトッ
プコート層6を設けたことを特徴とする。
【0013】次に、本発明の無機質系化粧板1の製造方
法の一例について図面を用いて説明する。先ず、図2
(イ)に示すような、片方の面に凹凸面9aが形成され
た電離放射線透過性を有する転写シート基材8の凹凸面
9aに絵柄インキ層5b及びベタインキ層5aよりなる
絵柄印刷層5が設けられた転写シート7〔図2
(ロ)〕、および図2(ハ)に示すような、上面にシー
ラー層3aとプライマー層3bからなるベースコート層
3を設けた無機質系基材2を準備する。次に、図2
(ニ)に示すように、無機質系基材2上面のプライマー
層3b面に電離放射線硬化性樹脂層4を塗工し、続いて
図2(ホ)に示すように、該転写シート7の絵柄印刷層
5面を無機質系基材2の表面に設けられた電離放射線硬
化性樹脂層4面に重ねあわせ、前記転写シート7の電離
放射線透過性を有する転写シート基材8面より電離放射
線Rを照射し、前記電離放射線硬化性樹脂層4を半硬化
する。次いで、図2(ヘ)に示すように、前記転写シー
ト7の転写シート基材8を剥離し電離放射線硬化性樹脂
層4の上面に凹凸面9bが形成された絵柄印刷層5を転
写する。さらに、図2(ト)に示すように、該凹凸面9
bが形成された絵柄印刷層5の上面にフッ素基を含有す
る電離放射線硬化性樹脂をフローコーターにより塗工
し、ついで電離放射線を照射することにより、平滑なト
ップコート層6を有する無機質系化粧板1が得られる。
【0014】本発明の無機質系化粧板1に用いられる無
機質系基材2としては、一般的には珪酸カルシウム板、
石綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中空押出セ
メント板等のセメント板、石膏板、石膏スラグ板等の石
膏系板、パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメ
ント板等の繊維セメント板が挙げられる。
【0015】ベースコート層3は、無機質系基材2から
のアルカリ成分溶出の防止のため、及び前記無機質系基
材2と電離放射線硬化性樹脂層4の密着性の向上を目的
として設けられるものであり、その構成は任意で、前記
の両方の物性を備えた樹脂組成による一層構成としても
よいことは勿論であるが、品質性能を高める方法とし
て、アルカリ成分溶出の防止のためにポリイソシアネー
ト系樹脂、湿気硬化型ウレタン系樹脂、スチレン−アク
リル酸エステル共重合樹脂等の硬化性樹脂よりなるシー
ラー層3a、無機質系基材2の表面への電離放射線硬化
性樹脂層4の密着性の向上を目的とするアクリルウレタ
ン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂塗料等よりなる
プライマー層3bからなる2層構成とすることが望まし
いものである。更に、プライマー層3bを着色、不透明
にすることにより、隠蔽性を持たせ、基材上に形成され
る絵柄印刷層5が被貼合せ基材の色の影響を受けなくす
ることも可能である。
【0016】無機質系化粧板1に絵柄印刷層5を形成す
るための転写シート7の構成としては、図2(ロ)に示
されているように、片面に凹凸面9aを有する電離放射
線透過性を有する転写シート基材8面に任意の絵柄印刷
層5を積層構成したものである。転写シート基材8とし
ては、使用する電離放射線を透過可能であり、かつ、硬
化または半硬化した電離放射線硬化性樹脂と離型可能な
材質であれば良い。電離放射線透過性を有する転写シー
ト基材8の材質としては、電離放射線が紫外線の場合
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニ
ルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、ビニロン等のビニル系
樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタアクリル酸
メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エ
チル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ナイ
ロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、三酢酸セ
ルロース、セロファン等のセルロース系樹脂等の延伸フ
イルム、またはシートが挙げられ、紫外線の透過性を阻
害する着色料等を含まないものが好ましい。電離放射線
が電子線の場合は、電子線の透過性が高いので特に制約
はなく、上記の紫外線を透過するシートのみならず、紙
に至るまでも使用できる。従って、印刷適性、転写時の
適性を重点的にした選択が可能であり、転写シート基材
8の厚みは、25〜100μmのものが好ましく用いら
れる。
【0017】また、転写シート基材8に凹凸面9aを形
成する方法としては、基材フイルムに直接プレス加工、
サンドブラスト加工等の機械的方法によりエンボスする
方法、基材フイルムにシリカ、炭酸カルシウム等の微細
粉のいわゆるマット材を練り込む方法、あるいは、基材
フイルムの面にシリカ、炭酸カルシウム等の無機質材、
または、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の有機樹脂ビー
ズ顔料を含有する塗料をコーティングする方法等が挙げ
られる。
【0018】絵柄印刷層5としては、全面ベタ刷りのベ
タインキ層5aと例えば、石目、布目、天然皮革の表面
柄、抽象柄等を表現する絵柄インキ層5bが付されてお
り、絵柄印刷層5を形成するインキのビヒクルとして
は、アルキッド系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系
樹脂等からなる汎用の樹脂が用いられ、更に必要に応じ
てその他の添加剤、例えば、有機又は無機系の顔料、染
料、光輝性顔料等の着色剤、体質顔料、安定剤、可塑
剤、溶剤等を適宜混合したものが使用できる。
【0019】凹凸面9bの表面粗度Raが0.2μm未
満であると、絵柄印刷層5が転写絵付けされた電離放射
線硬化性樹脂層4面の表面張力が38ダイン/cmより
小さく、トップコート層6を形成するフッ素基を含有す
る電離放射線硬化性樹脂との濡れ性が悪く、トップコー
ト層6面を平滑にすることが困難で、弾きやクレーター
が発生し意匠的に見劣りするものとなり、凹凸面9bの
表面粗度Raが0.5μmを超える場合は、前記絵柄印
刷層5が転写絵付けされた電離放射線硬化性樹脂層4面
の表面張力は40ダイン/cmより大きくなり、トップ
コート層6を形成するフッ素基を含有する電離放射線硬
化性樹脂との濡れ性もよく、弾きやクレーターの発生は
みられないが、表面の光沢が低くなり、鏡面仕上げの高
意匠の無機質系化粧板が得られにくく、従って、凹凸面
9bの表面粗度Raが0.2〜0.5μmのものが好ま
しいものである。
【0020】また、本発明では転写シート基材8の表面
に凹凸面9aを設けるかわりに、絵柄印刷層5を粒径2
0μm以上の顔料を含有する印刷インキを用いて形成す
ることにより、電離放射線硬化性樹脂層4の上面に設け
られる絵柄印刷層5の表面を凹凸面に形成することも可
能であり、その場合にも転写後に塗工する電離放射線硬
化性樹脂の濡れ性がよくなり、表面が平滑に形成される
ものである。従って、意匠面で立体感をより現出するた
めに、絵柄印刷層5の構成にベタインキ層5aは通常の
粒径の顔料のみを含ませ、絵柄インキ層5bとして粒径
20μm以上の顔料によって絵柄を構成することも可能
であり、そうすることで(図示してないが)部分的に平
滑な表面を形成することができ、特殊な視覚的効果、立
体感を創出することもできる。
【0021】絵柄印刷層5を転写形成することに用いら
れる電離放射線硬化性樹脂層4、およびトップコート層
6を形成する電離放射線硬化性樹脂層に用いられる樹脂
は、分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アク
リロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、又はエ
ポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プ
レポリマー又はポリマー(以下、これらを総称して化合
物と呼称する)からなる。これら単量体、プレポリマ
ー、及びポリマーは、単体で用いるか、或いは複数種混
合して用いる。尚、本明細書で(メタ)アクリレートと
は、アクリレート又はメタアクリレートの意味で用い
る。
【0022】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリ
レート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン
(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げ
られる。このプレポリマーは、通常、分子量が1000
0程度以下のものが用いられる。分子量が10000を
超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品
性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレー
トとメタアクリレートは共用し得るが、電離放射線での
架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速い為、
高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではア
クリレートの方が有利である。
【0023】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系
樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテ
ル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエー
テル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、
スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
【0024】ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の
例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量
体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メト
キシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N
−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリ
レート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイド
ロゲンテレフタレート等が挙げられる。
【0025】また、ラジカル重合性不飽和基を有する多
官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオ
キサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレン
オキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)
アクリロイルオキシエチルフォスフェ−ト等が挙げられ
る。
【0026】カチオン重合性官能基を有する単量体は、
上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量
体を用いることができる。
【0027】電離放射線硬化性樹脂層4およびトップコ
ート層6を形成する電離放射線硬化性樹脂を紫外線又は
可視光線で硬化させる場合には、光重合開始剤を添加す
る。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光
重合開始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、
チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケト
ン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイ
ド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾー
ル、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエー
ト等を単独又は混合して用いることができる。又、カチ
オン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジア
ゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合
物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシス
ルホキソニウムジアリルヨードシル塩等を単独又は混合
物として用いることができる。尚、これら光開始剤の添
加量は一般に、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対
して、0.1〜10重量部程度である。
【0028】本発明において用いる電離放射線Rは、電
磁波または荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエ
ネルギー量子を有するものを意味し、可視光線、紫外線
(近紫外線、真空紫外線等)X線、電子線、イオン線等
がある。通常は紫外線や電子線が用いられる。紫外線源
としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カ
ーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライ
ドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長として
は、通常1900〜3800Åの波長域が主として用い
られる。又、電子線源としては、コックロフトワルトン
型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器
型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型灯の
各種電子線加速器を用い、100〜1000KeV、好
ましくは100〜300KeVのエネルギーをもつ電子
を照射するものを使用できる。電離放射線の照射によ
り、電離放射線硬化性樹脂は架橋重合反応を起こし3次
元の高分子構造に変化する。
【0029】また、本発明ではトップコート層6を形成
する電離放射線硬化性樹脂を、フッ素アルキル基を側鎖
に有するアクリルモノマーを含有するフッ素系電離放射
線硬化性樹脂塗料や、シリル基を有する含フッ素共重合
体からなる電離放射線硬化性樹脂塗料等としたり、ある
いはアルキル基の水素原子をすべてフッ素原子に置換し
たパーフロロアルキルと親水性もしくは親油性基をもつ
界面活性剤等のフッ素系添加剤を含有した電離放射線硬
化性樹脂塗料等とすることにより、防汚性を向上させ、
乾拭きにて簡単に汚れを拭き取ることを可能とすること
も出来るが、これに限られることなく、フッ素基を有さ
ない電離放射線硬化性樹脂でも良いし、透明性を有する
樹脂であれば電離放射線硬化性樹脂以外の樹脂であって
も使用可能なものである。
【0030】電離放射線硬化性樹脂層4、およびトップ
コート層6を形成する電離放射線硬化性樹脂の塗工方法
は、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビ
アオフセットコート、スピンナーコート、ロールコー
ト、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコー
ト、シルクスクリーンによるベタコート、フローコー
ト、スプレーコート等の公知の塗工手段を用いることが
でき、特に、トップコート層6を形成するフッ素基を含
有する電離放射線硬化性樹脂は塗工時に溶剤を10〜5
0%含有することにより塗工性能が高く、フローコート
による塗工にも適しており、フローコートにて塗工する
ことにより表面の平滑性がより形成されやすくなるもの
である。
【0031】
【実施例】
実施例1 厚さ38μmのマットコートしたポリエステルフイルム
(ユニチカ(株)製、CM38)のマットコート面にウ
レタン系樹脂インキ(ザ・インクテック(株)製、KL
−UVTR)を用いてグラビア輪転印刷機にて所望の柄
を印刷し転写シートを作製した。別途、厚さ6mmの珪
酸カルシウム板にシーラー層として湿気硬化型ウレタン
系樹脂塗料を100g/m2 (ウエット)塗布し、さら
に、白色ベースコート層としてアクリルウレタン系樹脂
塗料を50g/m2 (ウェット)塗工し、80℃で20
分間乾燥した。次いで、該白色ベースコート層面にウレ
タンアクリレート系紫外線硬化型樹脂塗料(大日本イン
キ化学工業(株)製、KBB−07)を塗膜厚が50〜
60μm(ドライ)になるようにフローコーターで塗布
し、直ちに該ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂
塗料面に上記転写シートの絵柄インキ面が対向するよう
に載せ、80w/cmオゾン型紫外線ランプ2灯設置し
た照射装置中を13m/分の速度で通過させ紫外線照射
しウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂塗料を半硬
化し絵柄インキ層を転写した。前記転写シートの転写シ
ート基材を剥離後、絵柄転写面に溶剤型フッ素系紫外線
硬化型樹脂塗料(大日本インキ化学工業(株)製、KB
B−100)をフローコーターにて80g/m2 (ウェ
ット)塗工し、鏡面の塗工面を得た。その後赤外線照射
および風乾により、塗工した溶剤型フッ素系紫外線硬化
型樹脂塗料の溶剤分を揮発させた後、80w/cm紫外
線ランプを5灯設置した照射装置中を13m/分の速度
で通過させ紫外線照射し完全硬化させることにより、鏡
面仕上げの無機質系化粧板を得た。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、無機質系
基材の上面に、ベースコート層、電離放射線硬化性樹脂
層、絵柄印刷層、トップコート層が順次積層された無機
質系化粧板において、前記絵柄印刷層が前記電離放射線
硬化性樹脂層を塗工硬化すると同時に転写により、その
上面に凹凸面を有する状態で形成されることにより、化
粧紙を用いることなく無機質系基材の上面に細密な絵柄
印刷層を形成することができ、また、トップコート層の
表面を平滑にすることができるので、耐汚染性、耐擦傷
性等の表面物性に優れるとともに深み感、立体感等の意
匠性にも優れた鏡面仕上げの無機質系化粧板とすること
ができる。
【0033】また、絵柄印刷層の上面の凹凸面の表面粗
度Raを0.2〜0.5μmとすることで、絵柄印刷層
の表面張力が小さくなり、濡れ性がよくなるため、トッ
プコート層が平滑に形成され、意匠性、防汚性に優れた
無機質系化粧板となる。
【0034】さらに、トップコート層を形成する樹脂が
フッ素基を含有する電離放射線硬化性樹脂とすること
で、化粧板表面の防汚性が向上し、乾拭きにて簡単に表
面の汚れを拭き取ることができる無機質系化粧板が得ら
れる。
【0035】さらに、電離放射線透過性を有する転写シ
ート基材の一方の面に形成された凹凸面に絵柄印刷層を
積層した転写シートを準備する工程、無機質系基材の面
にベースコート層を塗工する工程、前記無機質系基材の
ベースコート層面に電離放射線硬化性樹脂を塗工し電離
放射線硬化性樹脂層を形成する工程、前記転写シートの
絵柄印刷層面を前記無機質系基材の電離放射線硬化性樹
脂層面に接するように載置し前記転写シートの電離放射
線透過性を有する転写シート基材面より電離放射線を照
射し前記電離放射線硬化性樹脂層を半硬化する工程、前
記転写シートの転写シート基材を剥離することにより前
記無機質系基材の電離放射線硬化性樹脂層面に凹凸面を
有する状態で絵柄印刷層を形成する工程、前記絵柄印刷
層表面にトップコート層を形成する工程からなることを
特徴とする無機質系化粧板の製造方法とすることによ
り、上記のような効果を有する無機質系化粧板を容易に
確実に製造できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機質系化粧板の実施例を示す断面図
である。
【図2】本発明の無機質系化粧板の製造方法の一例を説
明する積層断面図である。
【符号の説明】
1 無機質系化粧板 2 無機質系基材 3 ベースコート層 3a シーラー層 3b プライマー層 4 電離放射線硬化性樹脂層 5 絵柄印刷層 5a ベタインキ層 5b 絵柄インキ層 6 トップコート層 7 転写シート 8 転写シート基材 9a 転写シート基材の凹凸面 9b 絵柄印刷層上面の凹凸面 R 電離放射線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質系基材の上面に、ベースコート
    層、電離放射線硬化性樹脂層、絵柄印刷層、トップコー
    ト層が順次積層され、前記絵柄印刷層が前記電離放射線
    硬化性樹脂層を塗工硬化すると同時に転写により形成さ
    れた無機質系化粧板において、前記絵柄印刷層の上面が
    凹凸面を有し、且つトップコート層表面が平滑性を有す
    ることを特徴とする無機質系化粧板。
  2. 【請求項2】 前記凹凸面の表面粗度Raが0.2〜
    0.5μmからなることを特徴とする請求項1記載の無
    機質系化粧板。
  3. 【請求項3】 前記絵柄印刷層が粒径20μm以上の顔
    料を含有することを特徴とする請求項1、2記載の無機
    質系化粧板。
  4. 【請求項4】 前記トップコート層が前記電離放射線硬
    化性樹脂層と異なる電離放射線硬化性樹脂により形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3記載の無機質系
    化粧板。
  5. 【請求項5】 前記トップコート層を形成する樹脂がフ
    ッ素基を含有する電離放射線硬化性樹脂よりなることを
    特徴とする請求項1〜4記載の無機質系化粧板。
  6. 【請求項6】 電離放射線透過性を有する転写シート基
    材の一方の面に形成された凹凸面に絵柄印刷層を積層し
    た転写シートを準備する工程、無機質系基材の面にベー
    スコート層を塗工する工程、前記無機質系基材のベース
    コート層面に電離放射線硬化性樹脂を塗工し電離放射線
    硬化性樹脂層を形成する工程、前記転写シートの絵柄印
    刷層面を前記無機質系基材の電離放射線硬化性樹脂層面
    に接するように載置し前記転写シートの電離放射線透過
    性を有する転写シート基材面より電離放射線を照射し前
    記電離放射線硬化性樹脂層を半硬化する工程、前記転写
    シートの転写シート基材を剥離することにより前記無機
    質系基材の電離放射線硬化性樹脂層面に凹凸面を有する
    状態で絵柄印刷層を形成する工程、前記絵柄印刷層表面
    にトップコート層を形成する工程からなることを特徴と
    する無機質系化粧板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017039222A (ja) * 2015-08-17 2017-02-23 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017039222A (ja) * 2015-08-17 2017-02-23 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧板

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