JP2001301113A - 目地付化粧板、及びそのの製造方法 - Google Patents

目地付化粧板、及びそのの製造方法

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JP2001301113A
JP2001301113A JP2000120478A JP2000120478A JP2001301113A JP 2001301113 A JP2001301113 A JP 2001301113A JP 2000120478 A JP2000120478 A JP 2000120478A JP 2000120478 A JP2000120478 A JP 2000120478A JP 2001301113 A JP2001301113 A JP 2001301113A
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ionizing radiation
coat layer
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curable resin
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JP2000120478A
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English (en)
Inventor
Hiromi Sakata
弘美 坂田
Hideaki Tarumoto
英明 樽本
Akira Miyagawa
昭 宮川
Yoshihiko Asano
喜彦 浅野
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Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】意匠性と立体感に優れた浴室壁面、洗面壁面、
トイレや流し台、ガスコンロ等のキッチンバックパネル
として好適な目地付化粧板、及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】基板10、ベースコート層20及びトップ
コート層50がこの順序で積層された目地溝部2と、基
板10、ベースコート層20、電離放射線硬化性樹脂層
30、絵柄模様層42及びトップコート層50がこの順
序で積層された絵柄模様部3とからなり、ベースコート
層が目地色であって、かつトップコート層が透明若しく
は半透明であることを特徴とする目地付化粧板1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染し難く、しか
も立体感に優れた目地溝を有するタイル調化粧板及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、浴室壁面、洗面壁面やトイレ、或
いは流し台、ガスコンロ等のキッチンバックパネル等の
用途にタイルが一般的に用いられている。しかしなが
ら、タイル貼りは工期が長いことや高価格であるばかり
でなく、目地のところが汚染されたりカビが繁殖しやす
い等の問題があった。このような事情からタイルを模し
た不燃板を基材とする化粧板も使用されるようになって
きた。例えば、目地色の下地樹脂層とタイル色の上地樹
脂層が積層された二層樹脂層に対して、ルーター等によ
る切削加工で上層を取り除き、下層の目地色を露出させ
る方法も提案されているが、タイルの質感や目地溝を表
現するために、多大な時間と労力を要するという問題が
あった。
【0003】このような問題を解決するものとして、例
えば、複合板の一方のアルミニウム金属シート面側にマ
スキングテープを格子状に貼合し、次いで塗装を行った
後にマスキングテープを剥離することにより格子状の目
地部と当該目地部に包囲された凸状の塗膜部を形成する
方法(特開平7−205364号公報)、(A)被転写
基材の溝状部にマスキングシートを設ける工程、(B)
次いで、転写シートをマスキングシートの上から圧接す
る工程、(C)次いで、転写シートの支持体を剥離する
工程、(D)上記(C)の工程と同時又はその後に、マ
スキングシートを取り除く工程、を含む凹状又は平坦状
の形状をなす溝状部を有する被転写基材に、支持体と転
写層とからなる転写シートにより転写層を転写する化粧
材の製造方法(特開平10−324095号公報)等が
提案されている。このような方法によって立体感に優れ
た目地溝を有する、タイルや煉瓦を模した化粧板の製造
が可能になったものの、生産性や作業効率の点で未だ十
分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、意匠性と立体感に優れた浴室壁面、洗面壁面、トイ
レや流し台、ガスコンロ等のキッチンバックパネルとし
て好適な目地付化粧板、及びその製造方法を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために検討した結果、電離放射線硬化性樹脂層
に接するように載置したシートを電離放射線の照射後に
剥離する際に、未硬化状態の電離放射線硬化性樹脂層は
シートとともに除去されて凹部となるので、ベースコー
ト層を目地色として、目地溝状に凹部を形成すれば意匠
性と立体感に優れた目地付化粧板が容易に製造できるこ
とを見いだし本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明は (1)基板10、ベースコート層20及びトップコート
層50がこの順序で積層された目地溝部2と、基板1
0、ベースコート層20、電離放射線硬化性樹脂層3
0、絵柄模様層42及びトップコート層50がこの順序
で積層された絵柄模様部3とからなり、ベースコート層
が目地色であって、かつトップコート層が透明若しくは
半透明であることを特徴とする目地付化粧板1。 (2)基板10上に塗工された目地色のベースコート層
20の上面に、更に電離放射線硬化性樹脂層30を塗工
し、次いで該電離放射線硬化性樹脂層30に接するよう
に電離放射線透過性を有するシート基材41に絵柄模様
層42が積層された転写シート40を載置し、電離放射
線硬化性樹脂層30の目地溝部2に該当する部分を遮蔽
しながら電離放射線を照射した後、シート基材41を剥
離することによって、シート基材41側に付着した未硬
化状態の電離放射線硬化性樹脂層部31を除去して目地
溝部2となすとともに半硬化状態の電離放射線硬化性樹
脂層部32面には絵柄模様層42を転写して絵柄模様部
3となし、しかる後にトップコート層50を塗工硬化さ
せることをすることを特徴とする目地付化粧板1の製造
方法。をその要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の態様】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1(3)は本発明の目地付化粧
板1の断面説明図であり、図1(1)〜(3)はその製
造工程の一例を断面説明図によって示したものであっ
て、(1)は電離放射線照射工程、(2)はシート基材
41を剥離している工程、(3)は得られる本発明の化
粧板1である。ここで、1は本発明の目地付化粧板、2
は目地溝部、3は絵柄模様部、4は遮蔽部、10は基
板、20はベースコート層、30は電離放射線硬化性樹
脂層、31は未硬化の電離放射線硬化性樹脂層、32は
半硬化状態の電離放射線硬化性樹脂層部、40は電離放
射線透過性シート、41は電離放射線透過性シート40
のシート基材、42は電離放射線透過性シート40の絵
柄模様層、50はトップコート層、Rは電離放射線をそ
れぞれ表す。
【0008】本発明の目地付化粧板1は図1(3)にも
示すように、目地溝部2は基板10、ベースコート層2
0及びトップコート層50がこの順序で積層された構成
となっている。一方絵柄模様部3は基板10、ベースコ
ート層20、電離放射線硬化性樹脂層30、絵柄模様層
42及びトップコート層50がこの順序で積層された構
成となっているので、目地溝部2は、絵柄模様部3に対
して概ね電離放射線硬化性樹脂層30と絵柄模様層42
に該当する深さの凹部として形成されている。更に、本
発明においてはベースコート層20が目地色に着色され
ており、トップコート層50が透明若しくは半透明であ
るので、本発明の目地付化粧板1においては、目地溝部
2が目地色に、絵柄模様部3が絵柄模様層42に基づく
絵柄模様となった意匠性と立体感に優れたものとなるの
である。
【0009】ここで、本発明で使用する基板10として
は特に制限はないが、珪酸カルシウム板、石綿スレート
板、軽量発泡コンクリート板、中空押出セメント板等の
セメント板、石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板、パル
プセメント板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊
維セメント板や各種金属板、或いは合板、パーティクル
ボード、MDF等の木質板等が挙げられるが、浴室壁
面、流し台、ガスコンロ等のキッチン回りに使用する関
係上、珪酸カルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コ
ンクリート板、中空押出セメント板等のセメント板、石
膏板、石膏スラグ板等の石膏系板、パルプセメント板、
石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板や
各種金属板等の不燃性板材を使用するのが好ましい。
【0010】ベースコート層20は、基板10として無
機質系板材使用した場合の、無機質系板材からのアルカ
リ成分溶出の防止及び基板10と電離放射線硬化性樹脂
層30の密着性の向上を目的として設けられるものであ
り、その構成は任意で、前記の両方の物性を備えた樹脂
組成による一層構成としてもよいことは勿論であるが、
品質性能を高める方法として、アルカリ成分溶出の防止
のためにポリイソシアネート系樹脂、湿気硬化型ウレタ
ン系樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂等
の硬化性樹脂よりなるシーラー層、基板10の表面への
電離放射線硬化性樹脂層30の密着性の向上を目的とす
るアクリルウレタン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹
脂塗料等よりなるプライマー層からなる2層構成とする
ことが望ましいものである。更に、本発明においてはベ
ースコート層20の色がそのまま目地色となるのでベー
スコート層20のプライマー層を目地色に着色する必要
がある。更にまた、ベースコート層20のプライマー層
を不透明にすることにより、隠蔽性を持たせ、ベースコ
ート層20の目地色や転写した絵柄模様層42が基板1
0の色の影響を受けなくすることも可能である。
【0011】電離放射線硬化性樹脂層30は、電離放射
線Rを照射することにより硬化可能な樹脂が塗工された
層を意味しており、絵柄模様部3のベースコート層20
の上面に位置している。このような機能を有する樹脂と
しては、分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)
アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、又
はエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量
体、プレポリマー又はポリマー(以下、これらを総称し
て化合物と呼称する)を単体、或いは複数種混合したも
のが用いられる。
【0012】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリ
レート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン
(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げ
られる。このプレポリマーは、通常、分子量が1000
0程度以下のものが用いられる。分子量が10000を
超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品
性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレー
トとメタアクリレートは共用し得るが、電離放射線での
架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速い為、
高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではア
クリレートの方が有利である。
【0013】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系
樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテ
ル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエー
テル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、
スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
【0014】ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の
例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量
体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メト
キシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N
−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリ
レート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイド
ロゲンテレフタレート等が挙げられる。
【0015】また、ラジカル重合性不飽和基を有する多
官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオ
キサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレン
オキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)
アクリロイルオキシエチルフォスフェ−ト等が挙げられ
る。
【0016】カチオン重合性官能基を有する単量体は、
上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量
体を用いることができる。
【0017】トップコート層50は、本発明の目地付化
粧板1の、目地溝部2においてはベースコート20の上
面に、絵柄模様部3においては絵柄模様層42の上面に
塗工されるものであり、透明感や光沢の付与、表面の傷
付きや汚染防止の機能を有するものであり、透明若しく
は半透明であれば、上述した電離放射線硬化性を有する
樹脂は勿論のこと、従来、化粧面のトップコートに用い
られていたものが特に制限なく使用できる。これらの中
でもトップコート層50として電離放射線硬化性樹脂を
使用するのが好ましい。
【0018】更に、トップコート層50に使用する電離
放射線硬化性樹脂として、電離放射線硬化性樹脂層30
とは異なるものを用いて、その相溶性を悪くさせること
により、トップコート層50用の電離放射線硬化性樹脂
が電離放射線硬化性樹脂層30にはじかれ、絵柄模様部
3に凹凸模様を形成させることも可能である。
【0019】また、トップコート層50を形成する樹脂
として、フッ素アルキル基を側鎖に有するアクリルモノ
マーを含有するフッ素系電離放射線硬化性樹脂塗料やシ
リル基を有する含フッ素共重合体からなる電離放射線硬
化性樹脂塗料等を用いたり、アルキル基の水素原子をす
べてフッ素原子に置換したパーフロロアルキルと親水性
もしくは親油性基をもつ界面活性剤等のフッ素系添加剤
を含有した電離放射線硬化性樹脂塗料を用いたり、或い
はシリコーン系塗料等を用いたりすることにより、防汚
性が向上し、乾拭きにて簡単に汚れを拭き取ることがで
きるばかりでなく、従来問題とされてきた目地溝部2の
汚れ防止にも効果的である。
【0020】電離放射線硬化性樹脂層30およびトップ
コート層50を形成する電離放射線硬化性樹脂を紫外線
又は可視光線で硬化させる場合には、光重合開始剤を添
加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合
の光重合開始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラー
ケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルフ
ァイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾ
ール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエ
ート等を単独又は混合して用いることができる。又、カ
チオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジ
アゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合
物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシス
ルホキソニウムジアリルヨードシル塩等を単独又は混合
物として用いることができる。尚、これら光開始剤の添
加量は一般に、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対
して、0.1〜10重量部程度である。
【0021】また、絵柄模様層42としては、全面ベタ
刷りのベタインキ層と例えば、石目、布目、天然皮革の
表面柄、抽象柄等を表現する絵柄インキ層が付されてお
り、絵柄模様層42を形成するインキのビヒクルとして
は、アルキッド系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系
樹脂等からなる汎用の樹脂が用いられ、更に必要に応じ
てその他の添加剤、例えば、有機又は無機系の顔料、染
料、光輝性顔料等の着色剤、体質顔料、安定剤、可塑
剤、溶剤等を適宜混合したものが使用できる。
【0022】更に、意匠面で立体感をより現出するため
に、絵柄模様層42の構成にベタインキ層は着色顔料の
みを含ませ、絵柄インキ層として着色顔料による着色イ
ンキ層と光輝性顔料を添加した光輝性インキ層によって
絵柄を構成することも可能であり、またベタインキ層に
着色顔料とともに光輝性顔料を含ませることも可能であ
る。そして、ベタインキ層と絵柄インキ層とに光輝性顔
料を含有する場合は、ベタインキ層と絵柄インキ層の光
輝性顔料の色調を異ならせて互いの模様と関連させるこ
とで、特殊な視覚的効果、立体感を創出することができ
る。
【0023】上述したような、本発明の目地付化粧板1
は、例えば、以下の手順に従って製造することができ
る。 まず、ベースコート層20が塗工された基板10の当
該ベースコート層20の上面に電離放射線硬化性樹脂を
塗工して電離放射線硬化性樹脂層30を形成する。
【0024】同時に、電離放射線透過性を有するシー
ト基材41に絵柄模様層42が積層した転写シート40
を用意しておく。この転写シート40に使用するシート
基材41としては、使用する電離放射線Rを透過可能で
あり、かつ、硬化または半硬化した電離放射線硬化性樹
脂層30と離型可能な材質であれば良い。シート基材4
1の材質としては、電離放射線Rが紫外線の場合は、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の
ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアル
コール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ビニロン等のビニル系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステル樹脂、ポリメタアクリル酸メチ
ル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、三酢酸セル
ロース、セロファン等のセルロース系樹脂等の延伸フイ
ルム、またはシートが挙げられ、紫外線の透過性を阻害
する着色料等を含まないものが好ましい。電離放射線R
が電子線の場合は、電子線の透過性が高いので特に制約
はなく、上記の紫外線を透過するシートのみならず、紙
に至るまでも使用できる。従って、印刷適性、転写時の
適性を重点的にした選択が可能であり、シート基材41
の厚みは、5〜200μmのものが好ましく用いられ
る。
【0025】また、絵柄模様層42としては、上述した
全面ベタ刷りのベタインキ層と例えば、石目、布目、天
然皮革の表面柄、抽象柄等を表現する絵柄インキ層が付
されたものが特に制限なく使用できる。
【0026】次いで、転写シート40の絵柄模様層4
2面を電離放射線硬化性樹脂層30面に接するように載
置して、電離放射線硬化性樹脂層30の目地溝部2に該
当する部分を遮蔽しながら電離放射線を照射する。した
がって、遮蔽部4直下の目地溝部2に該当する電離放射
線硬化性樹脂層部31には電離放射線Rが照射されない
ので照射後も未硬化状態であり、遮蔽されていない部分
の電離放射線硬化性樹脂層部32は電離放射線Rの照射
によって硬化、又は半硬化状態になる(図1(1)、図
2(1)参照)。
【0027】なお、本発明において用いる電離放射線R
は、電磁波または荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し
得るエネルギー量子を有するものを意味し、可視光線、
紫外線(近紫外線、真空紫外線等)X線、電子線、イオ
ン線等がある。通常は紫外線や電子線が用いられる。紫
外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀
灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタル
ハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長と
しては、通常1900〜3800Åの波長域が主として
用いられる。又、電子線源としては、コックロフトワル
トン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変
圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型
灯の各種電子線加速器を用い、100〜1000Ke
V、好ましくは100〜300KeVのエネルギーをも
つ電子を照射するものを使用できる。電離放射線Rの照
射により、電離放射線硬化性樹脂は架橋重合反応を起こ
し3次元の高分子構造に変化する。
【0028】また、遮蔽方法についても特に制限はな
く、例えば、マスクしながら電離放射線を照射する方
法、電離放射線遮蔽インキで遮蔽部4を印刷した電離放
射線透過性シート40を使用する方法等が挙げられる。
この場合の電離放射線遮蔽インキとしては使用する電離
放射線の種類に応じて、該電離放射線を遮蔽する機能を
有し、印刷可能なものであれば特に制限なく使用でき、
電離放射線が紫外線の場合は、通常のインキにカーボン
ブラック、酸化チタンを配合したものが挙げられる。
【0029】電離放射線Rの照射後、転写シート40
のシート基材41を剥離すると、図1(2)に示すよう
に遮蔽部4直下の未硬化状態の電離放射線硬化性樹脂層
部31は基材シート41側に付着して除去されるので目
地溝部2となる凹部が形成され、遮蔽されていない部分
の電離放射線硬化性樹脂層部32は硬化、又は半硬化状
態となり、転写シート40の絵柄模様層42が転写され
た絵柄模様部3が形成される。
【0030】しかる後に、上記トップコート層50を
塗工硬化させて図1(3)に示す本発明の目地付化粧板
1が得られるのである。なお、電離放射線硬化性樹脂層
30、およびトップコート層50を形成するための塗工
方法は、グラビアコート、グラビアリバースコート、グ
ラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコ
ート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコ
ート、シルクスクリーンによるベタコート、フローコー
ト、スプレーコート等の公知の塗工手段を用いることが
できる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。 実施例1 厚さ38μmのポリエステルフイルム41にウレタン系
樹脂インキを用いてグラビア輪転印刷機にて所望の絵柄
模様層42を印刷し、次いでその反対面に遮蔽部4とし
て通常のウレタン系印刷インキにカーボンブラック10
wt%を配合した電離放射線遮蔽インキで格子状に目地
柄を印刷して転写シート40を作製した。別途、厚さ6
mmの珪酸カルシウム板10にシーラー層として湿気硬
化型ウレタン系樹脂塗料を10g/m塗布し、さら
に、白色ベースコート層としてアクリルウレタン系樹脂
塗料を45g/m(ウェット)塗工し、80℃で20
分間乾燥した。次いで、該白色ベースコート層面に電離
放射線硬化性樹脂層30を形成するためのウレタンアク
リレート系紫外線硬化型樹脂塗料(大日本インキ化学工
業(株):〔品番〕KBB−07)を塗膜厚が50〜6
0μm(ドライ)になるようにオーバーフローコーター
で塗布し、直ちに該ウレタンアクリレート系紫外線硬化
型樹脂塗料面に上記転写シート40の絵柄模様層42が
対向するように載せて80w/cmオゾンレス型紫外線
ランプ2灯設置した照射装置中を13m/分の速度で通
過させ紫外線照射し遮蔽されていないウレタンアクリレ
ート系紫外線硬化型樹脂塗料を硬化し絵柄模様層42を
転写した。次いで、前記転写シート40のシート基材4
1を剥離したところ、目地柄(遮蔽部4)直下に位置す
る電離放射線硬化性樹脂層部31はそのまま除去されて
目地溝2となる凹部が形成された。しかる後、25%の
溶剤を含む溶剤型フッ素系紫外線硬化型樹脂塗料(大日
本インキ化学工業(株):〔品番〕KBB−100)を
オーバーフローコーターにて80g/m(ウェット)
全面に塗工してトップコート層50となし、その後赤外
線照射および風乾により、塗工した溶剤型フッ素系紫外
線硬化型樹脂塗料の溶剤分を揮発させ、約1%程度とし
た後、80w/cm紫外線ランプ2灯設置した照射装置
中を13m/分の速度で通過させ紫外線照射し完全硬化
させることにより、表面に防汚性を備えた立体感、意匠
性に優れた本発明の目地付化粧板1を得た。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、遮蔽部4の形状を変えることによって目地溝部2
の形状の異なる化粧板1が自由に製造できるばかりでな
く、目地溝部2を改めて塗装する必要がないのでタイル
や煉瓦を模した意匠性、立体感に優れた化粧板を効率よ
く製造することが可能となった。また、目地溝部2を含
めてトップコート層50で塗装されているので、従来の
タイル貼りにおける、目地部の汚れやカビなどの問題も
解決することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の目地付化粧板1を製造する工程の一例
を示す断面模式図であって、(1)は電離放射線照射工
程、(2)は転写シート40の基材シート41を剥離す
る工程、(3)は得られる目地付化粧板1である。
【符号の説明】
1 本発明の目地付化粧板 2 目地溝部 3 絵柄模様部 4 遮蔽部 10 基板 20 ベースコート層 30 電離放射線硬化性樹脂層 31 未硬化状態の電離放射線硬化性樹脂層部 32 硬化、半硬化状態の電離放射線硬化性樹脂
層部 40 転写シート 41 シート基材 42 絵柄模様層 50 トップコート層 R 電離放射線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 喜彦 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 Fターム(参考) 4D075 AC43 AE13 BB43Y BB46Y BB47Y BB50Y CA02 CA34 CB04 CB06 CB22 DA06 DB01 DB12 DB22 DB24 DB25 DC02 DC38 EA07 EA21 EA43 EB14 EB16 EB22 EB24 EB32 EB33 EB35 EB37 EB38 EB42 4F100 AA37H AK01C AK17 AK41 AK51 AS00E AT00A BA05 BA07 BA10A BA10E DC28 EC04 EC042 EH46 EH462 EJ08 EJ082 EJ86 EJ862 GB08 HB00 HB00B HB00D JB14C JL10B JL10D JN01E JN02E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板10、ベースコート層20及びトップ
    コート層50がこの順序で積層された目地溝部2と、基
    板10、ベースコート層20、電離放射線硬化性樹脂層
    30、絵柄模様層42及びトップコート層50がこの順
    序で積層された絵柄模様部3とからなり、ベースコート
    層が目地色であって、かつトップコート層が透明若しく
    は半透明であることを特徴とする目地付化粧板1。
  2. 【請求項2】基板10上に塗工された目地色のベースコ
    ート層20の上面に、更に電離放射線硬化性樹脂層30
    を塗工し、次いで該電離放射線硬化性樹脂層30に接す
    るように電離放射線透過性を有するシート基材41に絵
    柄模様層42が積層された転写シート40を載置し、電
    離放射線硬化性樹脂層30の目地溝部2に該当する部分
    を遮蔽しながら電離放射線を照射した後、シート基材4
    1を剥離することによって、シート基材41側に付着し
    た未硬化状態の電離放射線硬化性樹脂層部31を除去し
    て目地溝部2となすとともに半硬化状態の電離放射線硬
    化性樹脂層部32面には絵柄模様層42を転写して絵柄
    模様部3となし、しかる後にトップコート層50を塗工
    硬化させることをすることを特徴とする目地付化粧板1
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009012002A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Sanei Kagaku Kk 部材への接着剤の塗布方法、並びに部材と他の部材との接着方法及びその接着物
JP2009127015A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Panasonic Electric Works Co Ltd キッチン部材
JP2018126949A (ja) * 2017-02-09 2018-08-16 大日本印刷株式会社 化粧シート及び化粧材

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