JP5659899B2 - 化粧板 - Google Patents

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本発明は、各種家具類、建築内装材、あるいは、洗面所やキッチン周辺の内装材等に使用される化粧板に関するものである。
従来から無機質系基材に、印刷模様が形成された紙質系シートを接着剤を用いて積層し、その上から透明樹脂塗料を塗布、または含浸させた化粧板が知られているが、この構成の化粧板は紙質系シートをベースにしているために水や油の滴下試験を行うと水や油が透過して紙質系シートにまで達するために耐水性や耐油性においては満足できるものではなかった。
また、他方においては、無機質系基材の上に、印刷模様層が形成された熱可塑性樹脂フィルムを溶剤系接着剤を用いて貼着した後、該絵柄模様層の上から樹脂塗料を塗装し、トップコート層とした化粧板が知られているが、この方法では、接着剤中の有機溶剤を完全に飛ばすことができないので、有機溶剤の影響により、樹脂フィルムに部分的な膨潤が発生し、ホモダク現象が生じると共に、接着剤に乾燥過程で接着剤の体積が収縮することにより、表面の平滑性を損なうという問題があった。さらに、接着剤の塗布を無機質系基材面にする方法では、接着剤中の有機溶剤を飛ばすためにドライヤーが非常に長いものになるという問題、また、熱可塑性樹脂フィルムの裏面に接着剤を塗布する方法では、接着剤中の有機溶剤によるフィルム強度の低下や、カールのためにラインスピードを速くすることができず、生産性の点で問題があった。
これらの問題を解決する一つの技術として、無機質系基材の上面に、シーラー層、接着剤層、絵柄印刷層を有する熱可塑性樹脂フィルム層(印刷シート層)、表面保護層が順次積層されてなる化粧板がある(たとえば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された技術は、無機質系基材と印刷シート層との間に、シーラー層と接着剤層を順に介在させて上記した従来の化粧板が抱える問題を解決するものであるが、シーラー層あるいは接着剤層を形成するために使用する樹脂により、たとえば、化粧板の切断加工や穴あけ加工をした際に、無機質系基材と印刷シート層の間で剥離してしまうといった問題、また、化粧板を端部が露出する態様で壁面に用いた際に、印刷シート層が無機質系基材から捲れ上るといった問題が発生することがあり、これらの問題の解決が求められていた。
そのため、シーラー層と接着剤層を構成する材料について種々の組み合わせを試行した結果、上記問題は無機質系基材と印刷シート層の層間接着強度の強弱、具体的には無機質系基材と印刷シート層の層間の剥離強度が20N/25mm巾以上であれば解決することができるという知見を得て本発明に至ったものである。
特開平11−138689号公報
そこで本発明は、無機質系基材と印刷シート層(本願でいう合成樹脂製化粧シート層)の層間が安定して強い(強固な)接着強度を有し、この層間で容易に剥離することがない化粧板を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するため、請求項1記載の本発明の化粧板は、無機質系基材層の一方の面に、シーラー層、接着剤層、表層に表面保護層が形成されている合成樹脂製化粧シート層が順に積層され、前記シーラー層および前記接着剤層のうち少なくとも前記シーラー層がガラス転移温度が0℃未満の樹脂で構成され、前記表面保護層が電離放射線硬化型樹脂で形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の化粧板において、前記合成樹脂製化粧シート層の裏層に裏面プライマー層が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載の化粧板において、前記合成樹脂製化粧シート層が前記表面保護層の裏層に透明樹脂層が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の本発明は、請求項1記載の化粧板において、前記無機質系基材層が石膏ボード系基材であることを特徴とするものである。
本発明によれば、シーラー層および接着剤層のうち少なくともシーラー層がガラス転移温度が0℃未満の樹脂で構成することで、耐水性や耐油性があり無機質系基材と合成樹脂製化粧シートの層間が安定して強い(強固な)接着強度を有し、この層間で容易に剥離することがない化粧板を提供することができるという優れた効果を奏するものである。
本発明にかかる化粧板の基本的な層構成を図解的に示す図である。
上記の本発明について図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる化粧板の基本的な層構成を図解的に示す図であって、図中の1は化粧板、10は表面保護層、11は合成樹脂製化粧シート層、12は接着剤層、13はシーラー層、14は無機質系基材層をそれぞれ示す。
図1は本発明にかかる化粧板の基本的な層構成を図解的に示す図であって、化粧板1は
無機質系基材層14の一方の面に、シーラー層13と、接着剤層12と、合成樹脂製化粧シート層11と、表面保護層10とが順に積層されたものである。なお、前記表面保護層10は必要に応じて設けられるものであり、本発明においては必須ではないものである。
次に、本発明の化粧材1を構成する各層について説明する。まず、前記無機質系基材層14について説明する。前記無機質基材層を構成する無機質系基材としては、用途に応じて公知にものを使用すればよいのであって、たとえば、珪酸カルシウム板、ロックウール、火山性ガラス複層板(JIS A5440「不燃火山性ガラス質複層板」に準拠)、石綿スレート板、石膏の板,石膏ボード,ダイライトやタイガーグラスロック〔吉野石膏(株):商品名〕等の石膏ボード系基材、セメント、陶磁器、硝子、金属等の板を挙げることができ、その厚さとしては、材質にもよるが、概ね2〜15mmであり、好ましくは3〜9mmであり、必要物性により、また、取り扱い易さ等を考慮して決めればよいものである。
また、前記シーラー層13を構成する材料としては、無機質系基材層14からのアルカリ成分の溶出を防止し、前記接着剤層12の無機質系基材層14への浸透を防止して接着剤層12との密着性を向上させる目的で設けるものであり、たとえば、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ゴム系等の1種ないし2種以上の溶剤系、水系の有機系シーラーが使用できるが、本発明にあってはいずれの樹脂もガラス転移温度(Tg)が0℃未満の樹脂である。また、前記シーラー層の塗布量としては、前記無機質系基材層14の状態により適宜決めればよいのであって、概ね5〜25g/m2(固形分として)である。
また、前記接着剤層12を構成する材料としては、ウレタン系樹脂〔1液硬化型(湿気硬化型)、2液硬化型〕、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ゴム系樹脂等のホットメルト系、溶剤系、水系等のいずれをも使用することができるが、本発明にあってはいずれの樹脂もガラス転移温度(Tg)が0℃未満の樹脂である。また、前記接着剤層12の塗布量としては、接着強度を考慮すると概ね20〜40g/m2(固形分として)である。
また、前記合成樹脂製化粧シート層11について説明する。前記合成樹脂製化粧シート層11は、合成樹脂製基材シートの上に加飾を施した単層の合成樹脂製化粧シートであってもよいし、合成樹脂製基材シートの上に加飾を施し、さらにその上に透明樹脂層を積層した複層の合成樹脂製化粧シートであってもよく、合成樹脂製基材シートを構成する樹脂、加飾の内容、透明樹脂層を構成する樹脂は従来公知の樹脂から適宜用いればよいものである。
前記合成樹脂製基材シートおよび前記透明樹脂層を構成する樹脂としては、たとえば、加工性に優れ、燃焼時に有害なガスを発生しないことなどから、飽和ポリエステル樹脂や低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、エチレンαオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂を挙げることができ、未延伸の状態、あるいは、一軸ないし二軸方向に延伸した状態のいずれの状態であってもよいものであって、厚さとしては概ね60〜300μm程度である。また、これらのシートは必要に応じて必要な面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の周知の易接着処理を施してもよいものである。
また、前記合成樹脂製化粧シート層11に設ける加飾としては、絵柄とベタ柄とからなる絵柄印刷層がその一つである。前記絵柄印刷層はグラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷法でインキを用いて形成することができる。前記絵柄印刷層としては、たとえば、絵柄として木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄、あるいはベタ柄である。前記絵柄とベタ柄はいずれか一方であっても両方であってもよいものである。
また、前記印刷層を形成するインキとしては、ビヒクルとして塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂等を1種ないし2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができ、環境問題を考慮すると、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合した非塩素系のビヒクルが適当であり、より好ましくはポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合したものである。
また、前記合成樹脂製化粧シート層11に設ける加飾としては、前記印刷層以外に前記合成樹脂製基材シートの着色、エンボス加工による凹凸模様の賦型、表面艶調整あるいは表面保護を目的とする表面保護層の形成等があり、これら加飾処理を適宜組み合わせることができる。
次に、前記表面保護層10について説明する。前記表面保護層10を形成する樹脂としては、硬化型樹脂を挙げることができ、硬化型樹脂としては熱硬化型樹脂または電離放射線硬化型樹脂等の従来公知の樹脂を使用することができる。
前記熱硬化型樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、中でも主剤として、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等のOH基を有するポリオール成分と、これに硬化剤として、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物を添加してなる2液硬化型ウレタン系樹脂が適当である。
また、前記電離放射線硬化型樹脂としては、分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、またはエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プレポリマーまたはポリマーからなる。これら単量体、プレポリマーまたはポリマーは、単体で用いるか、あるいは、複数種混合して用いる。なお、本明細書で(メタ)アクリレートとは、アクリレートないしメタアクリレートの意味で用いる。また、電離放射線とは、電磁波ないし荷電粒子線のうち分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常は紫外線ないし電子線である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000程度以下のものが用いられる。分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタアクリレートとは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速いため、高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではアクリレートの方が有利である。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンテレフタレート等が挙げられる。
また、ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有する単量体は、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体を用いることができる。
上記した電離放射線硬化型樹脂を、紫外線を照射することにより硬化させる場合には、増感剤として光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等を単独ないし混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシキソニウムジアリルヨードシル塩等を単独ないし混合物として用いることができる。なお、これら光重合開始剤の添加量は、一般に、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。前記表面保護層10の形成方法としては、グラビアコート法やロールコート法等の周知の塗布方法で前記合成樹脂製化粧シート層11の表層に塗布することにより形成することができる。塗布量としては、固形分として概ね5〜200g/m2が適当であり、好ましくは15〜30g/m2である。
なお、前記表面保護層10と前記合成樹脂製化粧シート層11の間、すなわち、前記表面保護層10と前記印刷層の間、または、前記表面保護層10と前記透明樹脂層の間、または、前記表面保護層10と前記合成樹脂製基材シートとの間に、前記表面保護層10と前記合成樹脂製化粧シート層11との間の密着性向上、耐汚染性、耐摩耗性のさらなる向上のため、透明ないし半透明のプライマー層を設けてもよい。塗布量としては、1〜20g/m2(固形分として)が適当であるが、3〜10g/m2(固形分として)がより好ましい。前記プライマー層を構成する樹脂としては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等が用いられるが、中でもウレタン系樹脂が好ましい。ウレタン系樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂、1液硬化型(湿気硬化型)ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等を使用することができる。
また、前記表面保護層10の設ける時期として前記合成樹脂製化粧シート層10の作製時に表層に設け、その後に前記無機質系基材層14と積層してもよいし、また、前記合成樹脂製化粧シート層10の状態で前記無機質系基材層14と積層し、その後に前記合成樹脂製化粧シート層10の表層に前記表面保護層を形成するようにしてもよいものである。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
[合成樹脂製化粧シートの作製]
両面にコロナ放電処理を施した80μm厚さのポリエチレン系着色シートの一方の面にアクリルウレタン系樹脂からなる印刷インキで2μm厚さの絵柄印刷層を形成した後、他方の面にウレタン−硝化綿混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加してなるプライマーを塗布して2μm厚さの裏面プライマー層を形成し、次いで前記絵柄印刷層上に、アクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート11重量部を添加してなる接着剤を塗布して3μm厚さの透明接着剤層を形成した後、該透明接着剤層上に、Tダイ押出機でポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを加熱溶融押出しして60μm厚さの透明樹脂層を形成すると共に、該透明樹脂層上にアクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート6重量部を添加してなるプライマーを塗布して2μm厚さの表面保護層用プライマー層を形成し、次いで該表面保護層用プライマー層上に、アクリレート系電子線硬化型樹脂をグラビアコート法により固形分が5g/m2となるように塗布・乾燥した後に、電子線を照射して電子線硬化型樹脂からなる表面保護層を形成し、さらに該表面保護層側からエンボス加工を施して木目導管柄の凹凸模様を形成した合成樹脂製化粧シートを作製した。
[化粧板の作製]
6mm厚さのタイガーグラスロック〔吉野石膏(株):商品名〕と上記で作製した合成樹脂製化粧シートを、シーラーと接着剤の組み合わせを変更して合成樹脂製化粧シートの表面保護層が表出するように貼合して表1に示すNo.1〜13の化粧板を作製し、この化粧板についてタイガーグラスロックと合成樹脂製化粧シートの剥離強度を測定(測定条件:剥離スピード200mm/分、180°剥離)し、剥離強度が20N/25mm以上を良好として○印で、20N/25mm未満を不良として×印で表1に示して評価した。
なお、シーラーは予めタイガーグラスロックに塗布形成したものを用いた。また、接着剤の塗布は、水性接着剤の場合は合成樹脂製化粧シート(の裏面)に塗布してタイガーグラスロックのシーラー面とウエットラミネートした後に脱気を行い、30cm角の板で挟んで20kgの荷重を12時間かけた後に室温で3日間養生した。また、ホットメルト接着剤の場合はタイガーグラスロックのシーラー面に塗布した直後に合成樹脂製化粧シート(の裏面)を圧着ラミネートした。粘着剤の場合は離型処理が施されたポリエステルフィルム(PETフィルム)の離型処理面に粘着剤を塗布した粘着シートを用い、この粘着シートを合成樹脂製化粧シート(裏面)に圧着ラミネートした後に、PETフィルムを剥離し、該剥離面をタイガーグラスロックのシーラー面に圧着ラミネートした。
Figure 0005659899
表1中の略号
<シーラー剤>:
A:中央理化工業製アクリル系水性シーラー<ガラス転移温度Tg:30℃>
〔SA−95(主剤)/EX−8(硬化剤)/水=100/10/60(重量比)〕
B:アクリル系水性シーラー(試作品)<Tg:5℃>
C:ヤヨイ化学製クロロプレン溶剤系シーラー<Tg:−30℃>
<接着剤>:
D:コニシ(株)製クロロプレン系水性接着剤<Tg:−45℃>
〔コニシWG22〕
E:中央理化工業製エチレン−酢酸ビニル共重合体系水性接着剤<Tg:0℃>
〔BA−10L(主剤)/BA−11B(硬化剤)=100/2.5〕
F:日立化成ポリマー製湿気硬化型ホットメルト接着剤<Tg:30℃>
〔ハイボンW4836〕
G:綜研化学(株)製アクリル系粘着剤<Tg:−30℃>
〔SKダイン1309(主剤)/E−AX(硬化剤)=100/3(重量比)〕
表1からも明らかなように、シーラー層および接着剤層のいずれか、または、いずれもがガラス転移温度が0℃未満の樹脂からなる構成とすることにより、合成樹脂製化粧シートとタイガーグラスロックの層間強度(剥離強度)を20N/25mm以上の強度とすることができ、耐水性や耐油性があり無機質系基材と合成樹脂製化粧シートの層間が安定して強い(強固な)接着強度を有し、この層間で容易に剥離することがない化粧板とすることができる。
本発明は、不燃化粧板に好適に用いることができ、特に、石膏ボード系の無機質系基材と合成樹脂製化粧シートとからなる化粧板に対して有用である。
1 化粧板
10 表面保護層
11 合成樹脂製化粧シート層
12 接着剤層
13 シーラー層
14 無機質系基材層

Claims (4)

  1. 無機質系基材層の一方の面に、シーラー層、接着剤層、表層に表面保護層が形成されている合成樹脂製化粧シート層が順に積層され、前記シーラー層および前記接着剤層のうち少なくとも前記シーラー層がガラス転移温度が0℃未満の樹脂で構成され、前記表面保護層が電離放射線硬化型樹脂で形成されていることを特徴とする化粧板。
  2. 前記合成樹脂製化粧シート層の裏層に裏面プライマー層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の化粧板。
  3. 前記合成樹脂製化粧シート層が前記表面保護層の裏層に透明樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の化粧板。
  4. 前記無機質系基材層が石膏ボード系基材であることを特徴とする請求項1記載の化粧板。
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